JP5809566B2 - 工程紙 - Google Patents

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Description

本発明は、工程紙に関する。
ポリウレタンシートや合成皮革等は、表面に剥離性を持つ工程紙上にこれらの原料となる合成樹脂組成物を塗工し、この合成樹脂組成物を硬化させた後に工程紙を剥離させることで製造される。
上記製造工程で用いられる工程紙としては従来、原料樹脂組成物の硬化体との剥離を容易にするため、クラフト紙等の表面に合成樹脂をラミネートしたものや離型剤をコーティングしたものが用いられている。
このような工程紙を用いたポリウレタンシート等の製造工程において、工程紙のラミネート層又はコーティング層に気泡、凹凸、ムラ等の表面欠陥があると、塗工した原料樹脂組成物の硬化体表面にその形状が転写されてしまい、形状不良を招来する。また、工程紙表面への原料樹脂組成物の塗工に気泡の含有、塗工ムラ等の塗工欠陥があっても、同様に形状不良を引き起こすこととなる。しかし、このような欠陥を塗工の段階で発見するのは困難であり、ラミネート等の種々の工程を経て組成物の硬化体から工程紙を剥離する段階になって欠陥が発見されることが多く、歩留りの低下に加えて素材や労働力の損失が大きくなる。
一方で、工程紙に塗工される樹脂組成物に混入した異物等を発見するために、剥離層等を着色した工程紙が考案されているが(特開2010−84264号公報等参照)、この工程紙は工程紙自体の欠陥や塗工の不具合を発見することは考慮されておらず、透明や乳白色等の明度の高い色を有する樹脂組成物を塗工した際に、上述のような欠陥を発見することは難しい。
特開2010−84264号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、ポリウレタンシートや合成皮革等の原料樹脂組成物を塗工した時点で工程紙表面及び樹脂組成物塗工の欠陥を発見し易い工程紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
基材シートと、
この基材シートの表面側に積層される剥離層と
を備え、
表面側から視認可能で、明度が5以下の着色面を有する工程紙である。
当該工程紙は、表面側から視認可能で、明度が5以下の色に着色された着色面を有するため、当該工程紙の剥離層上にポリウレタンシートや合成皮革等の原料樹脂組成物を塗工した際に、着色面の有する色が樹脂組成物の塗工膜を透過して視認される。そのため、この工程紙表面における欠陥や樹脂組成物塗工の不具合があると、欠陥や不具合が生じた箇所に生じる塗工ムラや樹脂組成物塗工膜の厚さの変化によって、着色面の視認色の濃淡に差異が発生する。従って、当該工程紙によれば、このような視認色の濃淡の差異を樹脂組成物塗工時に確認することによって、工程紙表面及び樹脂組成物塗工の欠陥有無を目視にて容易に発見することができる。
上記着色面の彩度としては1以下がよい。このように着色面の彩度を上記範囲とすることによって、当該工程紙の表面に樹脂組成物を塗工した場合の着色面の色の濃淡を視認しやすくすることができる。特に、工程紙に塗工される樹脂組成物は透明のものや乳白色のものが多いため、着色面の明度を5以下にすると同時に彩度を0に近づける(黒色にする)ことによって、樹脂組成物の塗工ムラの認識性が向上し、樹脂組成物塗工時における工程紙表面及び樹脂組成物塗工の欠陥の視認容易性をさらに向上させることができる。
上記基材シートが、基材層と、基材層の表面側に配設される着色層とを有し、上記着色面が、着色層の表面によって構成されているとよい。このように基材シートの表面側に着色層を設ける場合は、例えば塗工や印刷といった手段で着色層を形成できるため、低コストで当該工程紙に着色面を付与することができる。
上記着色層がカーボンブラックを含有するとよい。このように着色層にカーボンブラックを含有させることによって、当該工程紙の着色面を樹脂組成物の塗工ムラが視認しやすい黒色にすることができるほか、当該工程紙に導電効果を付与することができる。その結果、樹脂組成物塗工時の静電気による発火、発煙、ピンホール等の欠陥が当該工程紙に発生することを防止することができる。
上記基材層として紙が用いられているとよい。このように基材層として紙を用いることによって、当該工程紙の耐久性、耐熱性を向上させることができる。
上記基材層の明度としては8以上、彩度としては1以下がよい。このように基材層の色を上記範囲の明度及び彩度にすることで、基材層の表面側に配設される着色層の発色をより明瞭にすることができ、樹脂組成物塗工時における工程紙表面及び樹脂組成物塗工の欠陥の視認容易性を向上させることができる。また、当該工程紙の表裏を判断し易くすることができる。
当該工程紙は、上述のように基材シートが着色層を有し、着色面が着色層の表面によって構成されることも可能であるが、上記剥離層が顔料を有し、着色面が剥離層の表面によって構成されていてもよい。このように着色面を剥離層の表面によって構成することによって、当該工程紙の製造段階において塗料を塗工する工程等を加えることなく、当該工程紙に着色面を付与することができる。さらに、当該工程紙への樹脂組成物の塗工時に樹脂組成物塗工膜と着色面との距離が近くなるため、樹脂組成物塗工時における工程紙表面及び樹脂組成物塗工の欠陥の視認容易性を向上させることができる。
また当該工程紙は、上述のように基材シートが基材層を有し基材層の表面側に着色層を有する代わりに、上記基材シートが、透明な基材層と、基材層の裏面側に配設される着色層とを有し、上記着色面が、着色層の表面によって構成されていてもよい。基材層の表面側に着色層が配設される場合には、当該工程紙の製造時に着色面の上に剥離層等が積層されるため着色面が汚損される可能性があるが、このように透明な基材層を用いて裏面側に着色層を配設することによって、当該工程紙の製造工程上で着色面が汚染される可能性を低減させることができる。その結果、樹脂組成物塗工時における工程紙表面及び樹脂組成物塗工の欠陥の視認容易性を向上させることができる。
上記基材シートと剥離層との間の剥離強度としては0.02N/5cm以上5N/5cm以下がよい。このように基材シートと剥離層との間の剥離強度を上記範囲とすることによって、ポリウレタンシート等の成形時に基材シートと剥離層が意図せぬ剥離を起こすことが無く、かつ、ポリウレタンシート等の成形後に基材シートを剥離層から容易に剥離することができ、結果として基材シートを再利用することができる。
ここで、「表面側」とは、当該工程紙にポリウレタンシートや合成皮革等の原料樹脂組成物が塗工される面側を意味する。「紙」とは、パルプ繊維を抄造したものを意味する。「明度」及び「彩度」とは、JIS−Z−8721に準拠して測定される値である。「剥離強度」とは、基材シートと剥離層とを300mm/minの引張速度で剥離した時の応力である。
以上説明したように、本発明の工程紙は、ポリウレタンシートや合成皮革等の原料樹脂組成物を塗工した時点で、工程紙表面及び樹脂組成物塗工の欠陥を容易に発見することができる。
本発明の一実施形態に係る工程紙を示す模式的断面図である。 図1の工程紙とは異なる形態に係る工程紙を示す模式的断面図である。 図1及び図2の工程紙とは異なる形態に係る工程紙を示す模式的断面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳説するが、まず本発明の第一実施形態の工程紙を図1を参酌しつつ説明する。
[第一実施形態]
図1の工程紙1は、基材層3及び着色層4からなる基材シート2と、剥離層5とからなる。工程紙1は、これらの層を裏面側(樹脂組成物が塗工される面側と反対側)からこの順に有する。
<基材シート2>
基材シート2は、当該工程紙1の基材部を構成し、基材層3、及びこの基材層3の表面に配設される着色層4を有する。
<基材層3>
基材層3に用いられる材料は、特に限定されるものではなく、例えば、一般の方法で抄紙される紙(酸性紙、中性紙、塗工紙、グラシン紙等)のほか、合成樹脂フィルム、合成紙、不織布等を挙げることができ、上記合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂等を用いることができる。これら材料の中でも、価格や耐熱性等の点から、紙が特に好ましい。
上記基材層3に用いられる紙には、サイズ剤、紙力増強剤、定着剤、歩留り向上剤、染料等の添加剤等や、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、タルク、水酸化アルミニウム、ホワイトカーボン等の内添填料を適宜配合することができる。さらに、抄紙工程において、紙力向上剤(澱粉、ポリビニルアルコール等)、表面サイズ剤、染料等を塗工することによって適宜表面処理を行うこともできる。これらの添加剤等を塗工する方法としては、周知の方法を用いることができ、例えば、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等を用いる方法を挙げることができる。
上記基材層3に用いられる紙の坪量の下限としては、30g/mが好ましく、50g/mがさらに好ましく、70g/mが特に好ましい。一方で、坪量の上限としては、200g/mが好ましく、150g/mがさらに好ましく、120g/mが特に好ましい。基材層3に用いられる紙の坪量が上記下限未満の場合、基材層3のコシや強度が低下し、当該工程紙1の破断、皺、カール等が発生し易くなるおそれがある。逆に、基材層3に用いられる紙の坪量が上記上限を超える場合、工程紙1の生産性が低下するおそれがある。
上記基材層3の厚さとしては、0.5μm以上1000μm以下が好ましく、1μm以上500μm以下がさらに好ましく、2μm以上100μm以下が特に好ましい。基材層3の厚さが上記下限未満の場合、当該工程紙1の取扱いが困難になるおそれがある。逆に、基材層3の厚さが上記上限を超える場合、当該工程紙1のクッション性が低下するおそれがあるほか、当該工程紙1の生産コストが大きくなる。
<着色層4>
着色層4は、基材層3の表面に配設される。この着色層4の表面は当該工程紙1の表面側から視認可能な均一に着色された着色面を構成する。なお、「均一」とは、表面を見たときに濃淡無く(ムラ無く)着色されている状態を意味する。
上記着色層4が含有する顔料としては、公知のものを使用することができ、無機顔料又は有機顔料を用いることができる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、ベンガラ、コバルトブルー、群青、紺青、カーボンブラック、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、タルク、シリカ等を挙げることができる。有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、縮合多環顔料、銅フタロシアニン顔料等を挙げることができる。これらの顔料は、単独で用いることも2種以上を組み合わせて用いることも可能である。上記顔料の中でも、着色層4の色を樹脂組成物塗工時における工程紙の欠陥の視認容易性が高い黒色とすることができ、さらに当該工程紙1に導電効果を付与することができるカーボンブラックが特に好ましい。
着色層4の形成方法としては、上記顔料を含む塗料を基材層3の表面に塗工する方法又は塗料を基材層3の表面に印刷する方法を用いることができる。
上記顔料を含む塗料のバインダー樹脂としては、公知のものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
上記着色層4の塗工量又は印刷量としては、0.1g/m以上40g/m以下が好ましい。着色層4の塗工量又は印刷量を上記範囲とすることによって、当該工程紙1へ樹脂組成物を塗工した時の着色層4の視認性を確保しつつ、基材層3のしわ発生を防止することができる。
上記着色層4が有する色の明度としては、5以下が好ましく、4以下がさらに好ましく、3以下が特に好ましい。着色層4が有する色の明度が上記上限を超える場合、つまり着色層4の色が比較的明るい場合、当該工程紙1の表面に樹脂組成物を塗工した場合の着色面の色の濃淡の視認性が低下し、樹脂組成物塗工時における当該工程紙1表面及び樹脂組成物塗工の欠陥が発見しにくくなるおそれがある。
また上記着色層4が有する色の彩度としては、特に限定されるものではないが、1以下が好ましく、0.5以下がさらに好ましく、0.1以下が特に好ましい。着色層4が有する色の明度を上述の範囲とすることに加えて、彩度を上記範囲とすることで、つまり、着色層4の色を黒色とすることで、当該工程紙1に透明や乳白色の樹脂組成物を塗工した場合の塗工ムラを認識し易くなるため、樹脂組成物塗工時における当該工程紙1表面及び樹脂組成物塗工の欠陥の視認容易性をさらに向上させることができる。
なお、後述する剥離層5の成分が基材層3を構成する紙に浸透することを防ぐ目的で、着色層4を水溶性高分子やポリエチレン等に上記顔料を添加することによって形成してもよい。上記水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリイタコン酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、澱粉、カゼイン、ゼラチン等を挙げることができ、これらの中から単独で用いることも2種以上を組み合せて用いることもできる。
さらに着色層4には、着色目的とは別に上記浸透防止効果を向上させるための顔料を添加することができる。この顔料としては、特に限定されるものではなく、無機顔料又は有機顔料を用いることができる。無機顔料としては、上述したもの以外に例えば、酸化亜鉛、アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸、サンド等を挙げることができる。また、有機顔料としては、例えば、ナイロン、メラミン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、シリコーン、デンプン、アクリル樹脂等を挙げることができる。
また着色層4には、可塑剤、分散剤、乳化剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、乾燥剤、帯電防止剤、難燃等の添加剤を適宜配合することができる。また特に、硬化剤を剥離層5との接着性を阻害しない範囲で添加することができる。この硬化剤は、剥離層5を積層する前の当該工程紙1の製造工程において、基材層3及び着色層4から成るシートをロール状にした場合に、吸湿によってブロッキングが生じることを防止するために添加される。この硬化剤としては、例えば、クロム酸、グリオキザール等を用いることができる。また、紫外線防止剤、帯電防止剤等を基材層3との接着性を損なわない範囲で配合してもよい。さらに、剥離層5との接着性を向上させるために、着色層4に剥離層5の形成成分を若干量添加してもよい。
<剥離層5>
剥離層5は、基材シート2の表面側に積層され、具体的には、上記着色層4の表面に積層される。剥離層5の形成材料としては、固形状態で透明なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アミノアルキド樹脂等を用いることができる。これらの中でも、剥離力が低く樹脂組成物硬化体の剥離性に優れるシリコーン樹脂が特に好ましい。
上記剥離層5には、剥離性を向上させる目的で、ワックス類、界面活性剤、表面改質剤等を添加することができる。また、触媒、染料、分散剤等の添加剤を添加してもよい。
上記剥離層5の積層量の下限としては、1g/mが好ましく、2g/mがさらに好ましく、3g/mが特に好ましい。一方で、剥離層5の積層量の上限としては、20g/mが好ましく、10g/mがさらに好ましく、5g/mが特に好ましい。剥離層5の積層量が上記下限よりも小さいと、着色層4の表面に均一に塗工することが困難となり、好適な剥離面を形成できないおそれがある。逆に、剥離層5の積層量が上記上限を超える場合、当該工程紙1の生産コストが大きくなるばかりで、積層量に比した剥離性の向上を得ることができない。
上記基材シート2と剥離層5との間の剥離強度の下限としては、0.02N/5cmが好ましく、0.05N/5cmがさらに好ましい。一方で、剥離強度の上限としては、5N/5cmが好ましく、1N/5cmがさらに好ましい。基材シート2と剥離層5との間の剥離強度が上記下限よりも小さいと、当該工程紙1の移送時や樹脂組成物の塗工時に基材シート2と剥離層5とが意図せず乖離してしまうおそれがある。逆に、この剥離強度が上記上限を超える場合、剥離層5が基材シート2から剥離しにくくなり、例えば、ポリウレタンシートの形成時に、製造効率が悪化するおそれがある。なお、上記剥離強度は以下の方法で測定する。まず基材シートと剥離層とを積層したシートをJIS−P−8111に準拠して前処理し、幅50mm、長さ200mmに裁断した試験片を得る。この試験片の片側面を両面テープで金属板に貼着し、試験片の長さ方向が鉛直方向となるように金属板をセットする。次に、試験片の下側部分を剥離させて、剥離層をある程度上方に巻き上げてチャックする。このチャック部分を上方に300mm/minの引張強度で引張り、この間の応力を測定し、この応力の平均値を基材シートと剥離層との剥離強度とする。
<工程紙1>
当該工程紙1は、基材シート2を構成する基材層3の表面に形成された明度が5以下の着色層4を有し、剥離層5上にポリウレタンシートや合成皮革等の原料樹脂組成物を塗工した際に、着色層4の表面が剥離層5及び樹脂組成物の塗工膜を透過して着色面として視認される。そのため、この着色面(着色層4の表面)の視認色の濃淡の差異を確認することにより、樹脂組成物を塗工する段階において、当該工程紙1表面及び樹脂組成物塗工の欠陥の有無を目視にて容易に発見することができ、ポリウレタンシートや合成皮革等の製造工程における損失を最小に抑えることができる。
<工程紙1の製造方法>
当該工程紙1の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、抄紙や押出成形等によって得た基材層3の表面に着色層4を形成し、さらに着色層4の表面に剥離層5を積層する方法を挙げることができる。
基材層3の材料として紙を用いる場合、この基材層3を構成する紙を抄造する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、長網方式、ツインワイヤー方式、ギャップフォーマー方式、丸網方式等を挙げることができる。
基材層3の表面側に着色層4を形成する方法としては、上述の塗料を基材層3の表面に塗工又は印刷する方法を用いることができる。塗工方法としては、例えば、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、スピンコーター、グラビアコーター、フローコーター、エアーナイフ、スプレー等を用いたコーティング法を挙げることができる。印刷方法としては、例えば、グラビア印刷のほか、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等を挙げることができる。また、着色層4が剥離層5の成分浸透防止用の水溶性高分子等を含有する場合にも、着色層4の形成材料を基材層3の表面に上述の塗工方法を用いて塗工することで形成することができる。
着色層4の表面に剥離層5を積層する方法としては、例えば、上述の剥離層5の形成材料を着色層4の表面に塗工し、その後乾燥させて剥離層5を形成する方法を用いることができる。もしくは、剥離層5の材料を着色層4の表面に押出すことにより剥離層5を形成する方法を用いることができる。あるいは、剥離層5の材料をフィルム状に成形した後、接着剤を塗工して着色層4の表面に積層する方法を用いることができる。上記塗工方法としては、上述の着色層4の形成工程において用いた方法と同じものを用いることができる。また、上記押出方法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法等を挙げることができる。さらに、上記フィルム成形方法としては、押出し法、キャスト成形法、切削法等を用いることができ、上記接着剤としては、例えば、ラミネート用接着剤、溶融押出樹脂等を用いることができる。
[第二実施形態]
図2の工程紙11は、基材シート12、剥離層15からなる。工程紙11は、これらの層を裏面側からこの順に有する。
<基材シート12>
基材シート12は、当該工程紙11の基材部を構成する。この基材シート12は第一実施形態と異なり着色層を有さず、基材層のみから構成される。なお、基材シート12の材料、坪量、厚さ等については、第一実施形態の基材層3と同様とすることができるため、説明は省略する。
<剥離層15>
剥離層15の材料については、第一実施形態の剥離層5と同様とすることができる。ただし、本実施形態においては、剥離層15が顔料を含有することが必須の条件である。剥離層15が顔料を含有することによって、当該工程紙11の表面側から視認される着色面が剥離層15の表面によって構成される。
上記剥離層15に添加する着色用の顔料としては、上述の第一実施形態の着色層4に用いることができるものと同様の顔料を用いることができ、これらの中でも、剥離層15の色を樹脂組成物塗工時における欠陥の視認容易性が高い黒色とすることができ、さらに当該工程紙11に導電効果を付与することができるカーボンブラックが特に好ましい。
上記剥離層15に添加する顔料の添加量は、剥離層15の表面が均一に着色される量に適宜調節することができる。また、顔料が均一に分散するように、上記剥離層15には分散剤を添加することが好ましい。
上記剥離層15が有する色の明度としては、5以下が好ましく、4以下がさらに好ましく、3以下が特に好ましい。剥離層15が有する色の明度が上記上限を超える場合、つまり剥離層15の色が比較的明るい場合、当該工程紙11の表面に樹脂組成物を塗工した場合の着色面の色の濃淡の視認性が低下し、樹脂組成物塗工時における当該工程紙11表面及び樹脂組成物塗工の欠陥が発見しにくくなるおそれがある。
また上記剥離層15が有する色の彩度としては、特に限定されるものではないが、1以下が好ましく、0.5以下がさらに好ましく、0.1以下が特に好ましい。剥離層15が有する色の明度を上述の範囲とすることに加えて、彩度を上記範囲とし、剥離層15の色を黒色とすることで、当該工程紙に透明や乳白色の樹脂組成物を塗工した場合の塗工ムラを認識し易くなるため、当該工程紙11の樹脂組成物塗工時における欠陥の視認容易性をさらに向上させることができる。
<工程紙11>
当該工程紙11は、上記第一実施形態の工程紙1と同様の機能を奏する。つまり、当該工程紙11は、剥離層15が明度が5以下の色に着色されているため、剥離層15上にポリウレタンシートや合成皮革等の原料樹脂組成物を塗工した際に、剥離層15の表面が樹脂組成物の塗工膜を透過して着色面として視認される。そのため、この着色面(剥離層15の表面)の視認色の濃淡の差異を確認することにより、樹脂組成物を塗工する段階において、当該工程紙11表面及び樹脂組成物塗工の欠陥の有無を目視にて容易に発見することができ、ポリウレタンシートや合成皮革等の製造工程における損失を最小に抑えることができる。また、当該工程紙11は、基材層(基材シート)に塗料を塗工又は印刷する工程が不要であるため、上記第一実施形態と比べて製造工程を簡略化することができる。
[第三実施形態]
図3の工程紙21は、基材層23、着色層24からなる基材シート22と、剥離層25とからなる。工程紙21は、これらの層を裏面側からこの順に有する。
<基材シート22>
基材シート22は、当該工程紙21の基材部を構成し、基材層23とこの基材層の裏面に配設される着色層24を有する。
<基材層23>
基材層23は、透明の合成樹脂フィルムから形成されている。この合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等を用いることができ、これらの中から単独で用いることも2種以上を組み合せて用いることもできる。上記樹脂の中でも、耐熱性等の諸機能面及び価格面のバランスが良好なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
上記基材層23の形成材料中には、加工性、耐熱性、機械的性質、寸法安定性等を改良、改質する目的で、種々の添加剤等を混合することができる。この添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、充填剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤等を挙げることができる。
<着色層24>
着色層24は、基材層23の裏面に配設され、具体的には、基材層23の裏面に塗料を均一に塗工又は印刷することによって形成される。この着色層24の表面は当該工程紙21の表面側から視認可能な着色面を構成する。着色層24を形成する塗料、塗工量(印刷量)、形成方法については、上記第一実施形態の工程紙1が有する着色層4と同様とすることができるため、説明は省略する。また、着色層24が有する色の明度及び彩度についても、上記第一実施形態の着色層4の範囲と同様とすることが好ましい。
<剥離層25>
剥離層25の材料、厚さ等については、第一実施形態の剥離層5と同様とすることができるため、説明は省略する。
<工程紙21>
当該工程紙21は、上記第一実施形態の工程紙1及び第二実施形態の工程紙11と同様の機能を奏する。つまり、当該工程紙21は、基材層23が透明であり、基材層23の裏面に着色層24が配設されているため、剥離層25上にポリウレタンシートや合成皮革等の原料樹脂組成物を塗工した際に、着色層24の表面が基材層23、剥離層25及び樹脂組成物の塗工膜を透過して着色面として視認される。そのため、この着色面(着色層24の表面)の視認色の濃淡の差異を確認することにより、樹脂組成物を塗工する段階において、当該工程紙21表面及び樹脂組成物塗工の欠陥の有無を目視にて容易に発見することができ、ポリウレタンシートや合成皮革等の製造工程における損失を最小に抑えることができる。また、当該工程紙21は、基材層23が裏面に着色層24を有し、この着色層24の上には他の層が重ねられることがないため、上記第一実施形態と比べて、当該工程紙の製造工程において着色層24が汚損される可能性を低減することができる。そのため、より高い欠陥の視認容易性を奏することができる。
<その他の実施形態>
本発明の工程紙は、上述の実施形態に限定されるものではなく、以下のような実施形態とすることもできる。
上記第二実施形態の工程紙11において、基材シート12と剥離層15との間に目止め層を配設してもよい。このように目止め層を配設することによって、剥離層15の成分が基材シート12に浸透することを防止することができる。なお、欠陥の視認容易性を高めるためにこの目止め層は着色されていてもよい。
また上記第一実施形態の工程紙1及び第三実施形態の工程紙21において、剥離層がそれぞれ顔料によって着色されていてもよい。剥離層が着色されることによって、着色層の表面が構成する着色面と、剥離層の表面が構成する着色面との相乗効果で工程紙の表面側からの視認色濃度が向上し、欠陥の視認容易性を高めることができる。加えて、第三実施形態の工程紙21においては、基材層23の表面側にさらに着色層を設けてもよい。これによっても、工程紙の視認色濃度をより高めることができる。
また、本発明の工程紙は、剥離層に無機顔料や有機顔料等のマット剤を含有させてマット形状を付与することによって、表面にマット処理が必要な合成皮革の製造に使用することができる。
以上のように、本発明の工程紙は、ポリウレタンシートや合成皮革等の原料樹脂組成物の塗工時に、工程紙表面及び樹脂組成物塗工の欠陥を容易に発見することができる。
1 工程紙
2 基材シート
3 基材層
4 着色層
5 剥離層
11 工程紙
12 基材シート
15 剥離層
21 工程紙
22 基材シート
23 基材層
24 着色層
25 剥離層

Claims (9)

  1. 樹脂含有組成物の塗工用の工程紙であって、
    基材シートと、
    この基材シートの表面側に積層される剥離層と
    を備え、
    表面側から視認可能で、明度が5以下の着色面を有する工程紙。
  2. 上記着色面の彩度が1以下である請求項1に記載の工程紙。
  3. 上記基材シートが、基材層と、基材層の表面側に配設される着色層とを有し、
    上記着色面が、着色層の表面によって構成されている請求項1又は請求項2に記載の工程紙。
  4. 上記着色層がカーボンブラックを含有する請求項3に記載の工程紙。
  5. 上記基材層として紙が用いられている請求項3又は請求項4に記載の工程紙。
  6. 上記基材層の明度が8以上であり、彩度が1以下である請求項3、請求項4又は請求項5に記載の工程紙。
  7. 上記剥離層が顔料を有し、
    上記着色面が、剥離層の表面によって構成されている請求項1又は請求項2に記載の工程紙。
  8. 上記基材シートが、透明な基材層と、基材層の裏面側に配設される着色層とを有し、
    上記着色面が、着色層の表面によって構成されている請求項1又は請求項2に記載の工程紙。
  9. 上記基材シートと剥離層との間の剥離強度が0.02N/5cm以上5N/5cm以下である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の工程紙。
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