JP2018024122A - 装飾シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 装飾シートを提供する。
【解決手段】基材シートと、塩化ビニル発泡層と、印刷層と、接着層と、防汚層とが、この順で積層された装飾シートであって、
前記印刷層は、該層の全表面積の1乃至16%において印刷が施されていない未印刷部を有する装飾シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、壁紙、床材、あるいは家具やカバン等の表面材として使用される装飾シートに関するものであり、詳細には、印刷層の成分に依存しない良好な密着強度及び良好な意匠性を維持し得る、基材シートと、塩化ビニル発泡層と、印刷層と、接着層と、防汚層とが、この順で積層された装飾シートに関する。
諸物性に優れ、成型加工性もよく、安価であるという理由から、塩化ビニル層を含む壁紙が多用されている。しかし、塩化ビニル層を含む壁紙は、塩化ビニルに含まれる可塑剤がブリードすることで、表面に汚れが付着しやすくなる傾向があった。そこで、塩化ビニル層の表面に、接着層を介して防汚性を有する樹脂からなる層を積層し、これにより壁紙に防汚性を付与することが提案されている。
特許文献1は、塩化ビニル層の表面に防汚性を有する樹脂を強固に接着させるために100℃以上の温度で処理すると可塑剤がブリードアウトし、一方、90℃程度の低温で塩化ビニル層に対する充分な接着力が得られるような接着層を形成すると、防汚フィルム同士が接着してしまうブロッキングが生じ易くなるという問題があること、及び、少なくとも、ポリエステルポリオール−アクリル共重合体、イソシアナート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及びワックスを含有する接着層を用い、ポリプロピレンを、防汚性を有する樹脂として塩化ビニル層の表面に接着することで、防汚性及びアンチブロッキング性に優れた壁紙が得られることを開示する。
また、特許文献2は、意匠性付与のために様々な印刷、エンボス加工が表面に施されている化粧シートであって、有機性揮発物質(VOC)を減少させ且つ該化粧シートを構成する基材シートと透明樹脂層との密着性を向上させ得る化粧シートを開示する。
ここで、引用文献2は、化粧シートを構成するインキ層、接着剤層及び表面保護層を、水性ウレタン樹脂を含有する水性塗工剤で形成することで、有機性揮発物質(VOC)を減少させ且つ該化粧シートを構成する基材シートと透明樹脂層との密着性を向上し得ることを記載している。
特開2004−332367号公報 特開2004−291432号公報
上述のように、特許文献1は、塩化ビニル層の表面に、接着層を介して防汚層を積層する際に、防汚層としてポリプロピレンを用い且つ特定の成分を含有する接着層を形成することで、優れた防汚性及びアンチブロッキング性を有する壁紙が得られることを教示する。
しかし、基材シートと、塩化ビニル発泡層と、印刷層と、接着層と、防汚層とが、この順で積層された装飾シートを構成しようとすると、接着層として引用文献1に記載されるような特定の成分を含有する接着層を用いても、該接着層により防汚層と印刷層間で十分な密着強度を維持することが困難となり、防汚層は印刷層から容易に剥離し易くなることが判った。
一方、引用文献2に記載されるように、上記の装飾シートにおける接着層と印刷層の両方に共通する接着成分を配合しようとすると、印刷層に使用する成分に応じて接着層を構
成する成分を変更することが必要となり、それにより作業が煩雑になり、また、印刷層に使用する成分が限定されるため、所望の意匠性を得難くなるという問題が生じる。
従って、本発明は、上記の問題点を解消する、即ち、接着層の成分に依存しない良好な密着強度及び良好な意匠性を維持し得る、基材シートと、塩化ビニル発泡層と、印刷層と、接着層と、防汚層とが、この順で積層された装飾シートの提供を課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、基材シートと、塩化ビニル発泡層と、印刷層と、接着層と、防汚層とが、この順で積層された装飾シートにおける印刷層に、印刷が施されていない未印刷部を存在させると、接着層により防汚層と印刷層間で良好な密着強度を維持することができ、また、該密着強度は接着層の成分に依存しないこと、及び、前記未印刷部を印刷層の全表面積の1乃至16%にすることで、防汚層と印刷層間で良好な密着強度を維持しながら良好な意匠性も維持し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
[1]基材シートと、塩化ビニル発泡層と、印刷層と、接着層と、防汚層とが、この順で積層された装飾シートであって、
前記印刷層は、該層の全表面積の1乃至16%において印刷が施されていない未印刷部を有する装飾シート、
[2]前記未印刷部が前記印刷層の全表面積の1.4乃至11%である前記[1]記載の装飾シート、
[3]前記未印刷部は前記印刷層上に分散するドット又は多角形の形状で存在する前記[1]又は[2]記載の装飾シート、
[4]前記ドット又は多角形の形状は、前記印刷層上において均一に分散されている前記[3]記載の装飾シート、
[5]前記未印刷部はスリットの形状で前記印刷層上に存在する前記[1]又は[2]記載の装飾シート、
[6]前記未印刷部は格子の形状で前記印刷層上に存在する前記[1]又は[2]記載の装飾シート、
[7]前記印刷層は、塩化ビニル−アクリル共重合体と、パール材、艶消し材又は艶出し材とを含む前記[1]乃至前記[6]の何れか1つに記載の装飾シート
に関する。
本発明により、接着層の成分に依存しない良好な密着強度及び良好な意匠性を維持し得る、基材シートと、塩化ビニル発泡層と、印刷層と、接着層と、防汚層とが、この順で積層された装飾シートが提供される。
ここで、上記の良好な密着強度とは、本発明の装飾シートを構成する各層間で良好な密着強度が維持されることを意味するが、特に、防汚層と印刷層間で良好な密着強度が維持されることを意味する。
また、良好な意匠性とは、主に、本発明の装飾シートに施された印刷がベタ様に見える(欠損部の無い均一な印刷が施されているように見える)ことを意味するものであるが、これに留まらず、透明性に優れる防汚層や成分が制限されない印刷層等に由来して達成され得る優れた意匠性、例えば、優れた光輝度を呈する意匠性等も含まれ得る。
そして、本発明の装飾シートは、印刷層に使用される成分によって接着層に使用される成分を変える必要が無いため装飾シートに所望の意匠性を付与するのに有利である。
本発明の装飾シートの印刷層に存在する未印刷部の態様を示す図であり、図1中の(A)は、未印刷部が印刷層上に均一に分散された正方形の形状で存在する場合の態様を示し、図1中の(B)は、未印刷部がスリットの形状(同一幅)で印刷層上に存在する場合の態様を示し、図1中の(C)は、未印刷部が格子の形状(縦横同一幅)で印刷層上に存在する場合の態様を示す。
更に詳細に本発明を説明する。
本発明の装飾シートは、基材シートと、塩化ビニル発泡層と、印刷層と、接着層と、防汚層とが、この順で積層された装飾シートであって、
前記印刷層は、該層の全表面積の1乃至16%において印刷が施されていない未印刷部を有することを特徴とする。
本発明の装飾シートに使用し得る基材シートとしては、有機樹脂等を用いた織布または不織布、有機樹脂からなるシートまたはフィルム、紙、ビニル壁紙原反、無機質繊維からなるシートまたはフィルム、金属箔及びこれらの材料を複数積層させたもの等が挙げられる。
前記有機樹脂等を用いた織布または不織布に使用し得る有機樹脂等としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリエステル、ビニロン等が挙げられ、前記有機樹脂からなるシートまたはフィルムに使用し得る有機樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、三酢酸セルロース、セロハン、ポリカーボネート等が挙げられ、前記紙としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、上質紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙等が挙げられ、前記ビニル壁紙原反としては、前記の紙にポリ塩化ビニルをゾル塗工またはドライラミネートしたものが挙げられ、前記無機質繊維からなるシートまたはフィルムに使用し得る無機質繊維としては、硝子繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機質繊維等が挙げられ、前記金属箔としては、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、銅等の金属箔等が挙げられる。
本発明の装飾シートに使用し得る好ましい基材シートとしては、紙が挙げられ、65g/m2ないし95g/m2の範囲とするのが好ましい。
本発明の装飾シートに使用し得る塩化ビニル発泡層としては、塩化ビニル樹脂に発泡剤等を添加したペースト状の組成物を、基材シート上にコーティングし、発泡剤を、該発泡剤が分解発泡する温度で加熱して発泡させ、必要に応じてエンボス加工を行うことにより形成される層が挙げられる。
上記ペースト状の組成物は、塩化ビニル樹脂及び発泡の他に、安定剤、滑剤等の助剤、着色剤、充填剤、可塑剤等を添加することができる。
また、塩化ビニル発泡層として、塩化ビニル樹脂に発泡剤等を添加したペースト状の組成物を、カレンダーロールによりシート状に加熱成形し、該加熱成形された組成物シートを基材シート上に貼り合わせ、発泡剤が分解発泡する温度で加熱して発泡させ、必要に応じてエンボス加工を行うことにより形成される層を本発明の装飾シートに用いることもできる。
本発明の装飾シートに使用し得る塩化ビニル発泡層は、190g/m2ないし250g/m2の範囲とするのが好ましい。
本発明の装飾シートに使用し得る印刷層としては、印刷用のインクとして通常的に用いられるインクを印刷することにより形成される層であれば特に限定されないが、印刷用のインクとしては、例えば、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ウレタン系、セルロース系の樹脂に顔料、染料等の着色剤、分散剤、溶剤等を混合し溶解させたもの等が挙げられる。また、上記印刷は公知の方法により行うことができる。
印刷層に用いる樹脂としては、例えば、塩ビアクリル共重合体等が好ましく、また、印刷層に用いる着色剤としては、例えば、パール材、艶出材、艶消材等が好ましい。
本発明の装飾シートに使用し得る印刷層は、湿潤状態で、5g/m2ないし15g/m2の範囲、8g/m2ないし12g/m2の範囲等とするのが好ましい。
印刷層が5g/m2以下では下地層が透過し、良好な意匠性を得難くなる場合があり、また、15g/m2以上では印刷層の厚みにより、未印刷部を設けたとしても、接着層と塩化ビニル発泡層が密着し難くなる場合がある。
本発明の装飾シートに使用し得る印刷層は、該層の全表面積の1乃至16%において印刷が施されていない未印刷部を有する。
上記未印刷部が、印刷層の全表面積の1%未満になると、良好な密着強度を維持できなくなり、一方、16%を超えると良好な意匠性を維持できなくなるため好ましくない。
前記未印刷部を印刷層の全表面積の1.4乃至11%とするのがより好ましい。
前記未印刷部の態様としては、良好な密着強度及び良好な意匠性を維持できるものであれば特に限定されないが、好ましくは、印刷層上に分散するドット又は多角形の形状で存在するか又はスリットの形状若しくは格子の形状で前記印刷層上に存在するのが好ましい。
前記ドット又は多角形の形状は、印刷層上において均一に分散されているのが好ましい。
前記未印刷部が印刷層上に均一に分散されたドット又は多角形の形状で存在する場合、1つのドット又は多角形の面積は、0.5mm2以上とするのが好ましく、例えば、1mm2ないし10mm2の範囲が挙げられ、具体的には、例えば、1mm2、3mm2等が挙げられる。
また、前記未印刷部がスリットの形状で前記印刷層上に存在する場合、スリットの間隔を等しくするのが好ましく、また、スリット線の線幅は、0.5mmないし3mm、また、1.0mmないし2.5mmとするのが好ましい。
また、前記未印刷部が格子の形状で前記印刷層上に存在する場合、正方形の格子とするのが好ましく、格子線の線幅は、0.5mmないし3mm、また、1.0mmないし2.5mmとするのが好ましい。
前記未印刷部が印刷層上に均一に分散された正方形の形状で存在する場合の態様を図1の(A)に示した。ここで、1つの正方形の面積は、0.5mm2以上が好ましく、例えば、1mm2とするのが好ましい。
前記未印刷部がスリットの形状(同一幅)で印刷層上に存在する場合の態様を図1の(B)に示した。ここで、スリット線の線幅aを1.0mmないし2.5mm、例えば、1.5mmとするのが好ましい。
前記未印刷部が格子の形状(縦横同一幅)で印刷層上に存在する場合の態様を図1の(C)に示した。ここで、格子の横線の線幅bを1.0mmないし2.5mm、例えば、1.5mmとするのが好ましく、格子の縦線の線幅cを1.0mmないし2.5mm、例えば、1.5mmとするのが好ましい。また、格子の横線の線幅bと格子の縦線の線幅cを同じ長さにするのが好ましい。
本発明の装飾シートに使用し得る接着層は、接着剤樹脂を主成分として形成される層であり、該接着剤樹脂としては、一般に接着剤樹脂として使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、石油系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂などの1種の樹脂または2種以上の樹脂混合物が挙げられる。
前記接着層は前記接着剤樹脂を適宜の溶剤(水を含む)に溶解または分散し、必要に応じてこれに粒子を分散したものを塗布、乾燥することによって形成できる。
前記接着層は、印刷層上に形成し、該接着層により防汚層を接着することもできるが、防汚層上に形成し、該接着層により印刷層を接着することもできる。
前記接着層は、防汚層上に形成し、該接着層により印刷層を接着するのが好ましい。
本発明の装飾シートに使用し得る接着層は、10g/m2ないし20g/m2の範囲、13g/m2ないし17g/m2の範囲等とするのが好ましい。10g/m2以下では塩化ビニル発泡層または防汚層との良好な接着を得難くなる場合がある。
本発明の装飾シートに使用し得る防汚層は、防汚性及び透明性に優れるポリプロピレン又はエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)等を含む樹脂からなるシートまたはフィルムとするのが好ましい。
上記防汚層に使用し得るポリプロピレンとしては特に限定されないが、結晶性ポリプロピレンであることが好ましい。この結晶性ポリプロピレンは、防汚性とともにエンボス適正に優れているため、塩化ビニル発泡層としてエンボス加工が施された塩化ビニル発泡層を用いる場合に有利である。
上記結晶性ポリプロピレンとしては特に限定されず、例えば、ホモのポリプロピレン樹脂、エチレンとプロピレンとのブロック共重合体、エチレン等と共重合可能な1 種以上のモノマーとプロピレンとの共重合体等が挙げられる。
ここで、上記「結晶性」とは、原料ペレット又はフィルムを一旦加熱溶融させた後、徐冷したものが結晶性であるという、樹脂本来が持つ性質をいう。
また、上記基材層は、無延伸のものであっても延伸したものであってもよい。
上記防汚層に使用し得るエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)としては特に限定されないが、例えば、エチレン含有量が20〜85モル%のEVOHが挙げられる。
また、上記EVOHには本発明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体〔例えば、プロピレン、ブチレン、不飽和カルボン酸又はそのエステル[(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メチル、エチル)など]、ビニルシラン化合物(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなど)、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリドンなど)を共重合することも出来る。
また、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂(変性ポリアミド、変性ポリエステル、部分けん化エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニルシラン化合物変性ポリオレフィンなど)をブレンドすることもできる。
本発明の装飾シートは、例えば、基材シート上に、上述したような塩化ビニル樹脂に発泡剤等を添加したペースト状の組成物をコーティングして塩化ビニル樹脂層を形成し、該層上に印刷用のインクを印刷し、前記塩化ビニル樹脂層に含まれる発泡剤が分解発泡する温度で加熱して発泡させ、必要に応じてエンボス加工を行って、前記塩化ビニル樹脂層を塩化ビニル発泡層とし、接着層が設けられた防汚層(例えば、ポリプロピレン又はエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)等を含むシートまたはフィルム)を前記印刷層上に接着することにより製造することができる。
上記分解発泡する温度としては、200ないし220℃程度の温度が好ましく、また、エンボス加工に用いる温度としては、150ないし200℃、例えば、150℃ないし170℃及び170℃ないし200℃等が挙げられる。
また、上述のように、塩化ビニル発泡層は、塩化ビニル樹脂に発泡剤等を添加したペー
スト状の組成物をカレンダーロールによりシート状に加熱成形し、該加熱成形された組成物シートを基材シート上に貼り合わせ、印刷層を形成し、発泡剤が分解発泡する温度で加熱して発泡させ、必要に応じてエンボス加工を行うことにより形成することもできる。
また、防汚層の接着は、印刷層上に形成された接着層で防汚層を接着することでも達成され得る。
塩化ビニル樹脂に発泡剤等を添加したペースト状の組成物のコーティングとしては、塩化ビニル樹脂層を均一に形成し得る方法であれば特に限定されず、例えば、スプレー、スクリーン印刷機、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、インクジェット印刷機、オフセット印刷機、ディッピング、スピンコーター、ロールコーター等を用いてコーティングすることができる。
乾燥条件も特に限定されず、室温、又は加熱条件下で行うことができる。
前記印刷用のインクの印刷に用いる印刷法も特に限定されず、例えば、スクリーン印刷機、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、インクジェット印刷機、オフセット印刷機等を用いて、印刷することができる。
乾燥条件も特に限定されず、室温、又は加熱条件下で行うことができる。
該印刷においては、上述のような種々の態様で未印刷部を有する印刷層が形成される。
尚、上記印刷法としてはグラビア印刷機を用いる印刷が好ましい。
防汚層上に接着層を設ける方法も特に限定されず、例えば、接着剤樹脂を主成分として含有する溶剤を、スプレー、スクリーン印刷機、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、インクジェット印刷機、オフセット印刷機、ディッピング、スピンコーター、ロールコーター等を用いて防汚層上にコーティングすることにより形成することができる。
乾燥条件も特に限定されず、室温、又は加熱条件下で行うことができる。
上記の方法により得られる本発明の装飾シートは、接着層の成分に依存しない良好な密着強度及び良好な意匠性を維持し得るものであるため、壁紙、床材、あるいは家具やカバン等の表面材としての使用に好適である。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<装飾シートの製造>
例1
基材の紙上に塩ビペーストと可塑剤、安定剤、希釈剤、発泡剤を混合したものをコーティングし塩化ビニル層を形成した後、加熱することで塩化ビニル層を発泡させた。塩化ビニル発泡層上に塩化ビニル−アクリル共重合体とパール材を含む印刷インクを、グラビア印刷機にて10g/m2wet印刷した。
尚、上記印刷層は、未印刷部の占有面積が印刷層の全表面積の0.1%となるように面積1mm2のドット状(円形)の未印刷部が均一に分散された印刷層とした。
ポリプロピレンフィルムを含む防汚層上にポリオールとイソシアネートを含むウレタン系の接着剤をコーティングし、該接着層が形成された防汚層を、上記シートの印刷層上に加熱圧着し、エンボス加工することで、例1の装飾シートを製造した。
例2ないし例9
未印刷部の占有面積が以下の割合となるように面積1mm2のドット状(円形)の未印刷部を均一に分散した印刷層を形成した以外は、例1と同様の操作を行うことにより、例2ないし9の装飾シートを製造した。
例2:0.5%
例3:1%
例4:1.4%
例5:2.8%
例6:11%
例7:16%
例8:25%
例9:44%
例10ないし例18
印刷層は、未印刷部の占有面積が以下の割合となるように線幅1mmのスリット線の未印刷部が均一に分散された印刷層とした以外は、例1と同様の操作を行うことにより例10ないし例18の装飾シートを製造した。
例10:0.1%
例11:0.5%
例12:1%
例13:1.4%
例14:2.8%
例15:11%
例16:16%
例17:25%
例18:44%
試験例1
例1ないし9で製造した装飾シートの密着強度及び意匠性を評価して表1に示した。
試験例2
例10ないし例18で製造した装飾シートの密着強度及び意匠性を評価して表2に示した。
尚、評価方法及び評価基準は以下に示した通りである。
評価方法・評価基準
<密着強度>
評価方法:装飾シートを手で5〜6cmほど切れ込みを入れ、破った状態を目視により確認する。
評価基準
◎:浮き離れがない。
○:極一部浮き離れがある。
△:一部浮き離れがある。
×:全面に浮き離れがある。
<意匠性>
評価方法:測定者20により、以下の評価基準に基づいて目視により官能試験を行った。
◎:20名がベタ様に見えると判断した。
○:19ないし16名がベタ様に見えると判断した。
△:11ないし15名がベタ様に見えると判断した。
×:10名以下がベタ様に見えると判断した。
Figure 2018024122
Figure 2018024122
結果:
表1、表2より、未印刷部の占有面積を印刷層の全表面積の1乃至16%にすることにより良好な密着強度及び良好な意匠性を維持し得ることが判った。

Claims (7)

  1. 基材シートと、塩化ビニル発泡層と、印刷層と、接着層と、防汚層とが、この順で積層された装飾シートであって、
    前記印刷層は、該層の全表面積の1乃至16%において印刷が施されていない未印刷部を有する装飾シート。
  2. 前記未印刷部が前記印刷層の全表面積の1.4乃至11%である請求項1記載の装飾シート。
  3. 前記未印刷部は前記印刷層上に分散するドット又は多角形の形状で存在する請求項1又は2記載の装飾シート。
  4. 前記ドット又は多角形の形状は、前記印刷層上において均一に分散されている請求項3記載の装飾シート。
  5. 前記未印刷部はスリットの形状で前記印刷層上に存在する請求項1又は2記載の装飾シート。
  6. 前記未印刷部は格子の形状で前記印刷層上に存在する請求項1又は2記載の装飾シート。
  7. 前記印刷層は、塩化ビニル−アクリル共重合体と、パール材、艶消し材又は艶出し材とを含む請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の装飾シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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