JP2020159065A - 化粧板 - Google Patents

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Ryoichi Misawa
亮一 三沢
紗矢香 平山
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紗矢香 平山
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Abstract

【課題】部分的な清掃、修理、交換の作業性に優れる化粧板を提供すること。【解決手段】本発明の化粧板100は、基準位置を境界50として互いに分離可能に配置された第1領域1および第2領域2を有している。第1領域1は、第1化粧層10と粘着層16とを積層した積層体で構成され、第2領域2は、第2化粧層20とマグネット層26とを積層した積層体で構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧板に関するものである。
ビル、ホテル、マンションのロビー、会議室、廊下、エレベーターホール、オフィスの壁面等には、例えば木目調や石目調等の模様を持つ化粧板を複数枚壁に取り付けることで、雰囲気の良い空間を形成することが行われている。
このような化粧板の施行は、2枚の化粧板を突き合わせ、それらの裏面の継ぎ目に両面テープを貼り、その上に接着剤を塗布し、この接着剤により壁に貼り付ける方法で行われていた(例えば、特許文献1参照)。
壁等に設置された化粧板は、汚れ、傷付き、劣化、表示模様の変更等の理由で、交換が必要となる場合がある。しかしながら、特許文献1に記載の施行方法では、化粧板の交換に際し、接着剤の剥離・除去、両面テープの剥離や切断等の作業に加え、再度化粧板の裏面または壁面に接着剤を付与する作業が必要であり、これらの作業に多くの手間と時間がかかるという問題がある。さらに、化粧板の部分的な交換には適さないという問題もある。
特開2005−220529号公報
本発明の目的は、化粧板の着脱、交換、特に部分的な交換の作業性に優れる化粧板を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 基準位置を境界として互いに分離可能に配置された第1領域および第2領域を有し、
前記第1領域は、第1化粧層と粘着層とを積層した積層体で構成され、
前記第2領域は、第2化粧層とマグネット層とを積層した積層体で構成されていることを特徴とする化粧板。
(2) 前記第1領域と前記第2領域とは、化粧板の面方向に沿って配置されている上記(1)に記載の化粧版。
(3) 前記第1化粧層は、第1基材層と、前記第1基材層に接合された第1印刷層と、第1保護層とを有し、
前記第2化粧層は、第2基材層と、前記第2基材層に接合された第2印刷層と、第2保護層とを有する上記(1)または(2)に記載の化粧板。
(4) 前記第1基材層は、透明フィルムまたは紙材で構成され、
前記第2基材層は、透明フィルムまたは紙材で構成されている上記(3)に記載の化粧板。
(5) 前記第1化粧層は、第1芯材層を有し、
前記第2化粧層は、第2芯材層を有する上記(3)または(4)に記載の化粧板。
(6) 前記第1領域および前記第2領域の境界付近において、前記第1印刷層の表示パターンと前記第2印刷層の表示パターンとが同一である上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の化粧板。
(7) 前記第1領域および前記第2領域の境界付近において、前記第1印刷層の表示パターンと前記第2印刷層の表示パターンの少なくとも一方は、前記第1領域および前記第2領域の境界線と平行な方向または直交する方向に延びる複数の線状のパターンで構成されている上記(3)ないし(6)のいずれかに記載の化粧板。
(8) 前記第1印刷層の表示パターンと前記第2印刷層の表示パターンとが異なっている上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の化粧板。
(9) 前記第1領域および前記第2領域の境界付近において、前記第1印刷層の表示パターンと前記第2印刷層の表示パターンとが連続性を有している上記(3)ないし(8)のいずれかに記載の化粧板。
(10) 前記マグネット層は、磁石粉末と、前記磁石粉末を結合するバインダーとを含む材料で構成されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の化粧板。
(11) 前記第2領域の厚さが第1領域の厚さより厚い上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の化粧板。
(12) 前記第1領域および前記第2領域は、いずれも可撓性を有する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の化粧板。
本発明によれば、着脱、交換、特に、必要な部位の交換作業が容易な化粧板を提供することができる。
本発明の化粧板の第1実施形態を示す平面図である。 図1に示す化粧板の施行方法を示す斜視図である。 図1中のA−A線断面図である。 本発明の化粧板の第2実施形態に係る断面図である。 本発明の化粧板の表示パターンの一例を示す平面図である。 本発明の化粧板の表示パターンの一例を示す平面図である。 本発明の化粧板の表示パターンの一例を示す平面図である。 本発明の化粧板の表示パターンの一例を示す平面図である。 本発明の化粧板の表示パターンの一例を示す平面図である。 本発明の化粧板の表示パターンの一例を示す平面図である。 本発明の化粧板の表示パターンの一例を示す平面図である。 本発明の化粧板の表示パターンの一例を示す平面図である。 本発明の化粧板の表示パターンの一例を示す平面図である。
以下、本発明の化粧板について、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.第1実施形態
図1は、本発明の化粧板の第1実施形態を示す平面図、図2は、図1に示す化粧板の施行方法(設置状態)を模式的に示す斜視図、図3は、図1中のA−A線断面図、図5〜図13は、それぞれ、本発明の化粧板の表示パターンの一例を示す平面図である。また、図1〜図13の各図中には、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が示されており、以下、方向について説明するときは、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向とも言う。図2中では、X軸方向は水平方向、Y軸方向は鉛直方向、Z軸方向は化粧板の厚さ方向となっている。また、説明の都合上、図3においては上側を「上」、下側を「下」として説明する。
以下、図1、図2および図3等に基づいて本発明の化粧板100の第1実施形態を説明する。
化粧板100は、例えば、各種ビル、ホテル、マンション、住宅、学校、幼稚園、病院、診療所、公民館、体育館、劇場、映画館、美術館、競技場、スタジアム、コンサートホール、デパート、スーパーマーケット、家電量販店、フードコート、レストラン、バー、その他店舗、屋内プール、銭湯、健康ランド、フィットネスジム、ネットカフェ、ゲームセンター、遊園地、その他の遊戯施設、駅、空港施設、連絡通路、地下道等の、各種の公的または私的な建物の躯体(以下単に「躯体」または「躯体60」と言う)に適用することができる。特に、化粧板100は、躯体60における廊下、ロビー、ホール、エレベーター、エレベーターホール、教室、会議室、オフィス、病室、診療室、検査室等の部屋の内壁または外壁の壁面62や、扉、ドアーの壁面62に設置することができる。そして、この化粧板100の設置により、空間の見栄えや快適性を向上させることができる。
また、化粧板100は、例えば、前述したような建物(躯体)に限らず、電車、モノレール、バス、キャッピングカー等の車両や、飛行機、船舶等の各種乗り物の内装材、外装材として使用することができる。さらに、化粧板100は、パーティション、つい立、移動式パネル、仮設ボード、スチール製キャビネット、スチール製デスク、その他オフィス家具等の室内に設置される建材や家具にも適用することができる。これらの場合も、「躯体」または「躯体60」と言うこととし、化粧板100は、その壁面62に設置されるものとする。
さらに、化粧板100は、壁面62のみならず、天井、床、天面、底面等の壁部以外の箇所に設置することもでき、これらの場合、壁面62と読み替えるものとする。
本発明の化粧板100が設置される躯体60は、少なくとも第2領域2が設置される部位61が、磁石に吸着されるように構成されている。例えば、部位61においては、鉄製、ニッケル製、コバルト製、ステンレス鋼製等の強磁性体による板材(例えば鉄板、ステンレス板)、箔、枠材、網状部材、棒状部材(例えば鉄筋)、細線、繊維、粒状物等が壁面62に存在しているか、接合されているか、または壁の内側に埋設されている。躯体60が例えば鉄製の扉である場合のように、強磁性体による材料が壁面62の全面にわたって存在していてもよい。
次に、化粧板100の構成について説明する。化粧板100は、図1に示す平面視(以下単に「平面視」と言う)で、基準位置を境界50として、第1領域1と第2領域2とを有している。第1領域1と第2領域2とは、化粧板100の面方向、すなわちX軸およびY軸を含むX−Y平面の面方向に沿って配置されている。本実施形態では、第1領域1と第2領域2とがY軸方向に並んで配置されている。
また、第1領域1と第2領域2とは、互いに分離可能とされている。ここで、第1領域1と第2領域2とが分離可能とは、第1領域1と第2領域2とが結合または一体化されておらず、化粧板100の躯体60の壁面62への設置前または設置後において、第1領域1から第2領域2が離脱可能な状態を言う。なお、図示されていないが、第1領域1と第2領域2とが例えば仮止めされており、この仮止めを解除すれば第1領域1と第2領域2とを容易に分離することができる状態もこれに含まれる。
第1領域1と第2領域2との境界50は、X軸方向(水平方向)に延びる線分で表される。この境界50は、基準位置に設定される。ここで、基準位置とは、化粧板100を壁面62に設置(施工)した際に、第2領域2を設置するのに適した位置として定めることができるものである。基準位置(特に、基準高さ)としては、例えば、起立状態の人の足首の位置、すねの位置、ひざの位置、太ももの位置、腰の位置、胸部の位置、肩の位置、頭の位置等が挙げられる。この基準位置は、化粧板100の使用目的、設置箇所の条件等に応じて適宜決定することができる。
なお、境界50は、X軸方向(水平方向)に延びる線分に限らず、X軸方向に対し所定角度傾斜していてもよく、あるいは、Y軸方向(鉛直方向)に延びる線分であってもよい。さらに、境界50は、X軸方向に延び、途中で屈曲してY軸方向に延びる、いわゆるL字状をなす線分であってもよい。
化粧板100を躯体60の壁面62へ設置した状態では、第1領域1と第2領域2とは隙間なく並べられて(突き合わされて)いても、所定の隙間、例えば離間距離0.2mm以上15mm以下の隙間を介して並べられていてもよいが、後述する第1領域1と第2領域2の表示パターン3、4の連続性を考慮する場合、この隙間は、できるだけ小さいのが好ましい。
第1領域1と第2領域2とは、構成が異なっている。以下、図3を参照しつつ順次説明する。
(1−1)第1領域
第1領域1は、第1化粧層10と粘着層16とをZ軸方向(化粧板100の厚さ方向)に積層した積層体で構成されている。
図3に示すように、第1化粧層10は、第1基材層11と、第1基材層11の下面に接合された第1印刷層12と、第1基材層11の上面に接合された第1保護層13と、第1保護層13の下面側に接合された第1接着層14と、第1接着層14の下面に接合された第1芯材層15とを有している。
このような構成により、第1保護層13が有する耐擦傷性(傷の付き難さ)、防汚性(汚れの付き難さ、汚れの除去のし易さ)等の特長を発揮させつつ、第1印刷層12によるパターンを化粧板100の外観に好適に反映させることができ、審美性に優れた化粧板100を提供することができる。特に、化粧板100の下地である壁面62の色彩や性状によらず、安定して優れた審美性を発揮することができる。よって、審美性に優れるとともに、耐擦傷性、防汚性に優れる化粧板100を提供することができる。
特に、本実施形態では、第1印刷層12が、第1基材層11の下面側に配されている。これにより、第1領域1の耐摩耗性を特に優れたものとすることができる。
(1−1−1)第1基材層
第1基材層11は、第1保護層13および第1印刷層12を支持する機能を有するものであり、好ましくは透明フィルムに代表される光透過性材料で構成されている。この第1基材層11は、第1印刷層12からの光を透過し、その印刷パターン(表示パターン3)を観察者に視認させることができるように、十分な光透過性を有している。
第1基材層11は、化粧板100の審美性を十分に優れたものとすることができる程度、特に第1印刷層12が化粧板100の外観に影響を与える程度の光透過性(透明性)を有するものであればよい。例えば、第1基材層11は、380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率が80%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、第1印刷層12の印刷パターンをより明確に視認することができ、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。
第1基材層11は、透明性を有する材料であれば、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、第1基材層11の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料、各種ガラス材料等が挙げられる。
中でも、曲げ外力等に対する安定性、取り扱いのし易さ、化粧板100の生産コスト等の観点から、第1基材層11は、樹脂材料を含むもの、すなわち透明樹脂フィルムであるのが好ましい。
第1基材層11を構成する樹脂材料としては、例えば、各種熱可塑性樹脂、硬化性樹脂材料の硬化物等を用いることができる。第1基材層11を構成する樹脂材料の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン(COP)、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
なお、第1基材層11は、前述した以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、着色剤、スリップ剤(レベリング剤)、各種フィラー、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤、増感剤(増感色素)等の添加剤が挙げられる。
第1基材層11中における樹脂材料の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
第1基材層11の厚さは、特に限定されないが、10μm以上500μm以下であるのが好ましく、20μm以上250μm以下であるのがより好ましい。なお、以下の説明において「厚さ」は、「平均厚さ」を意味するものとする。
これにより、化粧板100の薄型化を図りつつ、化粧板100の可撓性(柔軟性)、施工の作業性、加工性、耐久性、信頼性等を特に優れたものとすることができる。
第1基材層11の厚さが小さすぎると、化粧板100(第1領域1)の耐久性が低下するおそれがある。特に、化粧板100の表面の特性に、第1基材層11よりも下側の層(第1接着層14等)が与える影響が大きくなり、化粧板100の耐擦傷性等が低下する可能性がある。逆に、第1基材層11の厚さが大きすぎると、第1領域1全体が厚くなり、施工の作業性や加工性が低下する場合がある。
(1−1−2)第1保護層
第1基材層11の上面側、すなわち化粧板100が設置された状態での観察者の視点側には、第1保護層13が設けられている。第1保護層13は、樹脂材料、特に硬質樹脂材料で構成されている。
この第1保護層13が設けられていることにより、化粧板100(第1領域1)の耐擦傷性、防汚性等を優れたものとすることができる。
また、第1保護層13を構成する材料は、通常は、透明性を有するものである。よって、第1基材層11と共に第1保護層13が、第1印刷層12からの反射光を透過し、第1印刷層12の印刷パターン(表示パターン3)を観察者に視認させることができ、化粧板100の審美性を優れたものとすることができる。
第1保護層13は、第1基材層11および第1印刷層12等を汚れ、傷、劣化等から保護する機能を有している。したがって、長期間にわたり化粧板100の審美性を安定的に維持することができる。
第1保護層13は、化粧板100の審美性を十分に優れたものとすることができる程度、特に第1保護層13が第1印刷層12と共に化粧板100の外観に影響を与える程度の光透過性(透明性)を有するものであればよい。例えば、第1保護層13は、380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率が、80%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、第1印刷層12の印刷パターンをより明確に視認することができ、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。
第1保護層13は、その表面(上面)のマルテンス硬度(マルテンス硬さ)が200N/mm以上800N/mm以下であるのが好ましく、300N/mm以上700N/mm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100(第1領域1)は、優れた耐擦傷性(傷の付き難さ)および耐久性を発揮する。
第1保護層13の表面のマルテンス硬度が前記下限値未満であると、第1保護層13の耐擦傷性等の向上が不十分となり、また、第1保護層13の表面のマルテンス硬度が前記上限値を超えると、化粧板100の加工性が劣る可能性がある。
第1保護層13の構成材料としては、例えば、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂材料等、セラミック系、ガラス系等の無機材料が挙げられるが、これらのうちでも特にメラミン系樹脂を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、化粧板100は、適度な弾性(可撓性)、剛性を有し、施工時の作業性(取り扱いのし易さ)が特に優れたものとなる。また、メラミン系樹脂は、各種硬質樹脂材料の中でも、特に高い表面硬度を有し、耐擦傷性、防汚性に特に優れているため、化粧板100の審美性、耐久性のさらなる向上が図れる。
以下、第1保護層13がメラミン系樹脂を含む材料で構成されたものである場合について中心的に説明する。
メラミン系樹脂は、構成成分としてメラミン化合物とアルデヒド化合物とを含む樹脂である。
メラミン化合物は、1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物で、トリアジン環に3つのアミノ基が導入された化合物である。
メラミン化合物の好ましい構造としては、例えば、下記式(3)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2020159065
(式(3)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上4以下の炭化水素基である。)
メラミン化合物としては、特に、式(3)のR、RおよびRがいずれも水素原子である化合物(メラミン)が好ましい。
これにより、化粧板100の硬度をより優れたものとすることができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
アルデヒド化合物は、分子内にアルデヒド基(−CHO)を有するものであればよく、下記式(2)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2020159065
(式(2)中、Rは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上10以下の炭化水素基である。)
アルデヒド化合物としては、特に、ホルムアルデヒドが好ましい。
これにより、化粧板100の硬度をより優れたものとすることができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
メラミン系樹脂は、構成成分としてメラミン化合物およびアルデヒド化合物を含むものであればよいが、メラミン化合物およびアルデヒド化合物に加え、さらにグアナミン化合物を構成成分として含むものであってもよい。
これにより、化粧板100の硬度を十分に優れたものとしつつ、化粧板100の加工性を特に優れたものとすることができる。
グアナミン化合物は、1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物で、トリアジン環に2つのアミノ基が導入された化合物である。
グアナミン化合物の好ましい構造としては、例えば、下記式(1)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2020159065
(式(1)中、Rは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上10以下の炭化水素基である。)
グアナミン化合物としては、特に、式(1)のRがメチル基である化合物(アセトグアナミン)が好ましい。
これにより、化粧板100の硬度および加工性をより高いレベルで両立することができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
メラミン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、メラミン系化合物とアルデヒド系化合物を中性または弱アルカリ下において反応させて得られるもの等を用いることができる。
メラミン系化合物に対するアルデヒド系化合物の反応モル比((アルデヒド系化合物のモル量)/(メラミン系化合物のモル量)の値であり、以下、単に「反応モル比」ということがある。)は、特に限定されないが、1.0以上4.0以下であるのが好ましく、1.0以上2.0以下であるのがより好ましく、1.1以上1.8以下であるのがさらに好ましい。
反応モル比が前記下限値未満であると、未反応成分が増加し保存性低下、コスト高となる場合がある。
また、前記上限値を超えると、硬化後の樹脂柔軟性低下が著しくなる場合がある。
なお、メラミン系樹脂としては、1種類が単独で含まれるものを用いることもできるし、反応モル比や重量平均分子量等が異なる2種類以上のメラミン系樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、メラミン系樹脂としては、例えば、住友化学(株)製のメラミン系樹脂等、市販のものを用いることもできる。
なお、第1保護層13中には、前述した以外の成分が含まれていてもよい。
このような成分としては、例えば、無機充填剤、着色剤、スリップ剤(レベリング剤)、各種フィラー、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤、増感剤(増感色素)等の添加剤が挙げられる。
第1保護層13中におけるメラミン系樹脂の含有率は、特に限定されないが、80質量%以上100質量%以下であるのが好ましく、95質量%以上100質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
第1保護層13の厚さは、特に限定されないが、1μm以上80μm以下であるのが好ましく、3μm以上50μm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100(第1領域1)の耐擦傷性、防汚性を特に優れたものとしつつ、化粧板100の曲げ加工性、施工の作業性等も特に優れたものとすることができる。
以上のような第1保護層13の形成方法は、特に限定されず、例えば、塗布液を第1基材層11の上面に塗布する方法(塗布法)、各種の印刷法、別途設けられたシート材を例えば圧着または熱圧着により接合する方法等が挙げられるが、塗布法および印刷法により形成するのが好ましい。
塗布法としては、例えば、浸漬法(ディッピング)、スプレー法、キスコーター、コンマコーター、ロールコーター、ナイフコーター、ブレードコーター等の各種コーターを用いたコート法が挙げられ、塗布層(コート層)形成用の組成物(塗布液)を第1基材層11の下面に付与し、その後、乾燥・固化または硬化を行うことにより形成することができる。
以上のような方法により第1保護層13を形成することにより、化粧板100の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、第1基材層11と第1保護層13との接合強度を高くすることができる。また、例えば、第1保護層13に含まれる成分の重合反応を好適に進行させることができ、第1保護層13の硬度、化粧板100の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、第1保護層13の外表面(上面)には、鏡面加工、エンボス加工、梨地加工、ヘアーライン加工等の表面加工(表面仕上げ)が施されていてもよい。これにより、化粧板100の審美性のさらなる向上を図ることができる。
(1−1−3)第1印刷層
第1基材層11の下面(第1保護層13と反対の面)側には、第1印刷層12が設けられている。第1印刷層12は、その印刷パターンにより第1領域1における表示パターン3を形成するものであり、観察者は、第1保護層13および第1基材層11を介して第1印刷層12の表示パターン3を視認することができる。これにより、化粧板100の審美性が発揮される。
第1印刷層12の表示パターン3としては、模様、図形、文字、色彩等のうちの1つまたは2以上の組み合わせが挙げられる。
第1印刷層12は、第1基材層11の下面側に設けられていることにより、第1印刷層12自体の傷付き、劣化等が防止され、化粧板100の耐久性、審美性を長期にわたり維持することができる。
第1印刷層12は、顔料、染料、金属粉等の着色剤を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
また、第1印刷層12は、前記着色剤に加え、樹脂材料を含むものであってもよい。これにより、第1印刷層12の第1基材層11等に対する密着性を優れたものとすることができ、化粧板100の耐久性をより優れたものとすることができる。また、製造時において、第1印刷層12の形成に用いられるインクの不本意なはじきや濡れ広がりをより効果的に防止または抑制することができ、第1印刷層12の表示パターン3の精度を向上することができる。
第1印刷層12を構成する樹脂材料としては、例えば、各種熱可塑性樹脂、硬化性樹脂の硬化物等を用いることができる。第1印刷層12を構成する樹脂材料の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン(COP)、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン(poly-para-xylylene)、ポリモノクロロパラキシリレン(poly-monochloro-para-xylylene)、ポリジクロロパラキシリレン(poly-dichloro-para-xylylene)、ポリモノフルオロパラキシリレン(poly-monofluoro-para-xylylene)、ポリモノエチルパラキシリレン(poly-monoethyl-para-xylylene)等のポリパラキシリレン樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができる。
なお、第1印刷層12中には、前述した以外の成分が含まれていてもよい。
このような成分としては、例えば、光輝剤、スリップ剤(レベリング剤)、フィラー、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
第1印刷層12の表示パターン3には特に限定はないが、通常、需要者の要求等に応じて適宜、決定または選択されるものである。
第1印刷層12の表示パターン3としては、例えば、木目調、石材調、筋目、各種幾何学模様、図形、文字等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものが用いられる。さらに、これらに対し1種以上の色彩を組み合わせた表示パターンも用いられる。
なお、図3に示す構成では、第1印刷層12は、第1基材層11の下面の一部に選択的に設けられているが、第1印刷層12は、第1基材層11の下面の全体に設けられていてもよい。また、図示されていないが、第1印刷層12は、第1基材層11の上面側に設けられていてもよい、あるいは第1基材層11の上面および下面のそれぞれに設けられていてもよい。
また、図3に示す構成では、第1基材層11と第1印刷層12との間には明確な界面があるが、例えば、化粧板100(第1領域1)の製造過程において、第1基材層11の一部が溶解等することにより、第1基材層11と第1印刷層12との界面が不鮮明(不明瞭)になっていてもよい。
第1印刷層12の形成方法としては、例えば、第1基材層11の下面に対し、所望のインクを所望の表示パターン3で付与して形成することができる。
第1基材層11へのインクの付与は、例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、タコ印刷法等の各種印刷法により行うことができる。
このうち、インクジェット法を用いてインクを付与する場合、表示パターン3に対応する版の準備が不要となり、短期間で、所望の表示パターン3の第1印刷層12を形成することができるという利点がある。よって、多品種の化粧板100(第1領域1)を好適に提供することができる。また、表示パターン3の微妙な調整等にも好適に対応することができるため、需要者の要求に的確に応えることができる。
また、付与するインクとして、第1基材層11の一部(インクが付与された表面付近の領域)を溶解または膨潤させる成分(溶剤等)を含むものであってもよい。
これにより、付与されたインクを、第1基材層11の目的の部位に好適に付着させることができ、第1基材層11の下面上でのインクのはじきや過剰な濡れ広がり等を効果的に防止することができる。その結果、所望の表示パターン3の第1印刷層12を容易かつ確実に形成することができる。また、形成される第1印刷層12は、第1基材層11に強固に結合したものとなり、第1基材層11に対する第1印刷層12の密着性を優れたものとすることができ、最終的に得られる化粧板100の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、付与するインクは、複数種であってもよい。これにより、例えば、色再現範囲を広いものとしたり、微妙なグラデーションの表現をより好適に行うことができる。
(1−1−4)第1接着層
第1印刷層12が設けられた第1基材層11の下面側には、第1接着層14が設けられている。この第1接着層14は、第1基材層11および第1印刷層12と、後述する第1芯材層15とを接着(接合)する機能を有する。
これにより、第1印刷層12が設けられた第1基材層11と第1芯材層15との剥離を防止し、これらの密着性を向上させることができ、化粧板100(第1領域1)の耐久性を向上させることができる。また、化粧板100の製造条件(温度、圧力等)を比較的穏やかなものとすることができ、化粧板100の構成材料の不本意な劣化等を効果的に防止し、化粧板100の信頼性を向上させることができるとともに、生産設備、生産コスト、省エネルギー等の観点からも有利である。また、化粧板100の製造をより容易に行うことができ、化粧板100の生産性の向上を図ることができる。
第1接着層14を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリイミドアミドエーテル、ポリエステルイミド、ポリイミドエーテル等の熱可塑性ポリイミド系接着剤、各種ホットメルト接着剤(ポリエステル系、変性オレフィン系)、ポリ酢酸ビニル(VA)、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)系接着剤等が挙げられる。
また、第1接着層14の構成材料は、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分であってもよい。これにより、第1印刷層12が設けられた第1基材層11と、第1芯材層15との密着性を優れたものとすることができ、化粧板100の耐久性を優れたものとすることができるとともに、化粧板100の加工性を優れたものとすることができる。
以下、第1接着層14の構成材料が熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分を含むものである場合について、中心的に説明する。
なお、本明細書中おいて、熱可塑性樹脂エマルジョンとは、熱可塑性樹脂が溶剤に分散してエマルジョン状態となったものを言う。
また、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分とは、熱可塑性樹脂エマルジョンから溶剤を除いた成分を意味する。
熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分は、エマルジョン樹脂粒子として存在する成分を含み、各種材料(各種樹脂材料や着色剤等)との接着特性を有し、化粧板100(第1領域1)に柔軟性を付与する。その結果、第1印刷層12が設けられた第1基材層11と第1芯材層15との密着性(接着強度)を向上させることができるとともに、化粧板100(第1領域1)の曲げ加工性を向上させることができる。
熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系共重合体、ウレタンアクリル複合粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等の熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子が挙げられる。これらの中でもウレタンアクリル複合粒子が好ましい。
本明細書中において、ウレタンアクリル複合粒子とは、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するものを言う。
ウレタン樹脂とアクリル樹脂とは、各々が第1芯材層15との接着強度が高いため、ウレタンアクリル複合粒子を用いることで、第1芯材層15との良好な接着強度を発現することができる。さらに、ウレタン樹脂は、特に強靭性、弾性、柔軟性に優れ、アクリル樹脂は、特に透明性、耐久性、耐候性、耐薬品性、造膜性に優れる。
また、本明細書中において、異相構造とは、1個の粒子内に異なる種類の樹脂からなる相が複数存在する構造を言い、例えば、コアシェル構造、局在構造、海島構造等が挙げられる。
また、第1接着層14における複数個のウレタンアクリル複合粒子の配列状態は、特に限定されず、例えば、直鎖構造等が挙げられる。粒子の構造および粒子間の配列状態は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。
前記ウレタンアクリル複合粒子は、アクリル成分をコアとし、ウレタン成分をシェルとするコアシェル構造を有する水性クリヤータイプであることが特に好ましい。
ウレタンアクリル複合粒子が前記コアシェル構造であると、第1接着層14の表面外郭がウレタン組成となるので、第1接着層14は、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂の両方の特性を有しつつ、外郭にウレタン樹脂の特性が付与される。
なお、本明細書中において、水性クリヤーとは、樹脂液は水溶性であり水分を除去した後の塗膜は非水性で、かつ下地の色柄が明らかに識別できる程の透明性を持つ樹脂水溶液を意味する。
前記ウレタンアクリル複合粒子が水性クリヤータイプであることにより、第1接着層14が化粧板100の外観に悪影響を及ぼすことをより効果的に防止、抑制することができる。
なお、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分としては、前述した中の1種類が単独で含まれるものを用いることもでき、また、異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分には、上記熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子以外にも、必要に応じて少量の増粘剤、浸透促進剤、消泡剤、難燃剤等を含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分は、平均粒径が30nm以上10μm以下のエマルジョン樹脂粒子を含むことが好ましく、前記エマルジョン樹脂粒子の平均粒径は、60nm以上5μm以下であることがより好ましい。
これにより、第1印刷層12が設けられた第1基材層11と第1芯材層15との密着性を向上しつつ、化粧板100(第1領域1)の柔軟性(可撓性)をより優れたものとすること、すなわち、剛性をより小さくすることができる。
なお、本発明において、平均粒径とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指す。ここで、粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000(島津製作所社製)を用いて、水中に対象粒子を1分間超音波処理することにより分散させ、測定することができる。
また、熱可塑性樹脂エマルジョンの固形分は、非水溶性であることが好ましい。
これにより、化粧板100の製造時に、熱可塑性樹脂エマルジョンとして水を分散媒として含むものを好適に用いることができる。これにより、化粧板100の生産コストの低減や環境への負荷の低減等を図ることができる。
なお、本明細書において、非水溶性とは、25℃における水に対する溶解度が、0.5g/100g水未満のもののことをいい、水溶性とは、25℃における水に対する溶解度が、0.5g/100g水以上のもののことをいう。
第1接着層14の厚さは、特に限定されないが、接着強度を十分に確保する等の理由から、1μm以上200μm以下であるのが好ましく、1μm以上100μm以下であるのがより好ましい。
これにより、第1化粧層10内部の層内剥離がより有効に防止され、化粧板100(第1領域1)は、十分な強度および耐久性を有するものとなる。
第1接着層14の形成方法は、特に限定されないが、第1基材層11および第1印刷層12の下面または後述する第1芯材層15の上面に対し塗布法または各種の印刷法により形成するのが好ましい。塗布法としては、例えば、浸漬法(ディッピング)、スプレー法、キスコーター、コンマコーター、ロールコーター、ナイフコーター、ブレードコーター等の各種コーターを用いたコート法が挙げられる。
(1−1−5)第1芯材層
第1接着層14の下面には、第1芯材層(コア層)15が接合されている。この第1芯材層15は、主に、化粧板100(第1領域1)の剛性を担うものである。これにより、化粧板100(第1領域1)の強度、形状の安定性、耐熱性、耐久性が特に優れたものとなる。
第1芯材層15としては、例えば、化学繊維基材またはガラス繊維基材で構成されたもの、フェノール系樹脂で構成されたもの、金属材料で構成されたもの等が挙げられる。
第1芯材層15に用いられる化学繊維基材の材質については、特に限定されず、例えば、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、無機繊維等が挙げられる。より具体的には、例えば、ポリベンゾオキサゾール樹脂繊維、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド(アラミド)樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維(例えばステンレス繊維)等を挙げることができる。
中でも、第1芯材層15は、ガラス繊維を含むものであるのが好ましい。
これにより、化粧板100(第1領域1)の形状の安定性、耐熱性、耐久性がさらに優れたものとなる。
ガラス繊維を含む第1芯材層15としては、特に限定されず、例えば、ガラスクロス、ガラス不織布等が挙げられ、中でも不燃性(難燃性)、強度確保の点からガラスクロスが好ましい。
ガラスクロスとしては、特に限定されず、例えば、平織、綾織、朱子織、からみ織、模紗織、斜紋織、二重織等が挙げられ、中でも材料コストと加工性の面から平織のガラスクロスが好ましい。
また、ガラスクロスを構成するガラスとしては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。
これらの中でもTガラスを用いた場合、ガラスクロスの熱膨張係数を小さくすることができる。また、Eガラスを用いた場合、十分な機能を確保しつつ、化粧板100の生産コストをより低いものとすることができる。
ガラスクロスの重量は、特に限定されず、建築基準法第2条第9号の不燃性適合要件である「燃焼後の亀裂・貫通があってはならない」を満たす必要がある場合は、坪量80g/m以上とすることが好ましい。また、重量の上限は特に制約を必要としないが、材料コストと加工性の面から坪量250g/m以下が好ましい。
また、第1芯材層15は、前述したようなガラス材料を基材とするプリプレグであってもよい。これにより、化粧板100(第1領域1)の耐熱性、剛性等を特に優れたものとすることができる。
プリプレグとしては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を含有する樹脂組成物を上述のガラスクロスに含浸してなるものを用いることができる。
プリプレグ中に含まれる樹脂組成物の含有量は、第1芯材層15と隣接する層(第1接着層14、粘着層16)との層間接着強度が十分であれば、特に限定されないが、樹脂組成物として熱可塑性樹脂を用いる場合は、プリプレグ中に固形分で1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上10質量%以下含有することがより好ましい。また、樹脂組成物として熱硬化性樹脂を用いる場合は、プリプレグ中に固形分で1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上10質量%以下含有することがより好ましい。これにより、前記層間接着強度を向上させることができる。
前記プリプレグにおける熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。中でも、アクリル樹脂および/またはウレタン樹脂を用いるのが好ましい。
前記プリプレグにおける熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ユリア樹脂、マレイミド樹脂等が挙げられる。中でも、不燃性、耐熱性、密着性の観点からフェノール樹脂が好ましい。これらの樹脂は、単独または混合して用いることができる。
このようなプリプレグは、例えば、上述したガラスクロスと同様のガラスクロスに、前述した樹脂またはその前駆体を溶剤に溶解させたワニスを含浸させ、乾燥、加熱乾燥、熱硬化等を施すことにより得られる。
また、第1芯材層15は、複数の層が積層されたものであってもよい。例えば、フェノール系樹脂を繊維性の基材(例えば、クラフト紙等の紙で構成された基材)に含浸させてなる部材を複数重ね合わせて接合したものを第1芯材層15として用いることができる。
第1芯材層15の構成材料に用いられる金属材料としては、例えば、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)や、これらのうち少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。中でも、アルミニウムが好ましい。また、その形態は、金属箔(層)、金属フィラー(粒子)等が挙げられる。
第1芯材層15が金属材料を含むことにより、化粧板100(第1領域1)の不燃性(難燃性)を特に優れたものとすることができる。また、軽量化や低コスト化、反りの防止等の観点からも有利である。
第1芯材層15の厚さは、特に限定されないが、強度確保等の機能を十分に発揮するために、70μm以上であるのが好ましく、100μm以上であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100(第1領域1)に十分な強度、耐熱性、不燃性を付与することができる。また、第1芯材層15の厚さの上限については、特に限定されないが、厚さが大きいほど化粧板100(第1領域1)の厚さと重量が増大することから、最終的な製品における設計上、許容される範囲で設定することが好ましく、1mm以下が好ましく、600μm以下がより好ましい。
なお、本発明では、以上のような第1芯材層15は省略されていてもよい。
(1−1−6)粘着層
第1化粧層10の下面、すなわち第1芯材層15の下面には、粘着層16が接合されている。この粘着層16は、躯体60の壁面62(特に、部位61より鉛直上方側の壁面62)に接合されて、第1領域1を壁面62の所望部位に設置、固定するためのものである。
粘着層16は、接着剤または粘着剤で構成されている。
粘着層16を構成する接着剤または粘着剤としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリイミドアミドエーテル、ポリエステルイミド、ポリイミドエーテル等の熱可塑性ポリイミド系、各種ホットメルト(ポリエステル系、変性オレフィン系)、ポリ酢酸ビニル(VA)、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)系の材料や、前述した熱可塑性樹脂エマルジョン等が挙げられる。
また、粘着層16は、水溶性(親水性)の高分子材料を含んでおり、それ自体(乾燥状態)で粘着性、接着性を有するものの他、水等の溶媒を付与すること、すなわち湿潤状態とすることにより粘着性、接着性を発現するものでもよい。
このような水溶性の高分子材料としては、各種の天然または合成の水溶性高分子材料を用いることができ、例えば、デンプン系、セルロース系、タンニン・リグニン系、多糖類系、タンパク質系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、(メタ)アクリルアミド系、無水マレイン酸系、フタル酸系、(メタ)アクリル酸系、水溶性ポリエステル、ケトンアルデヒド樹脂、(メタ)アクリルアミド系、ポリアミン系、ポリ電解質、水溶性ナイロン系,アクリル酸グリシジルアクリレート系等が挙げられる。
粘着層16を前記のような材料で構成することにより、表面性状の異なる種々の壁面62に対し、必要かつ十分な接着力(接着強度)を得ることができ、しかもその接着力の経時的な低下が少なく、必要な接着力を長期にわたり維持することができる。
なお、粘着層16の構成材料は、第1接着層14の構成材料と同一でも異なっていてもよい。
粘着層16の厚さは、特に限定されないが、5μm以上300μm以下であるのが好ましく、10μm以上200μm以下であるのがより好ましい。
これにより、表面性状の異なる種々の壁面62に対し、必要かつ十分な接着力(接着強度)を得ることができ、しかもその接着力の経時的な低下が少なく、必要な接着力を長期にわたり維持することができる。
粘着層16の形成方法は、特に限定されないが、第1芯材層15の下面に対し塗布法または各種の印刷法により形成するのが好ましい。塗布法としては、例えば、浸漬法(ディッピング)、スプレー法、キスコーター、コンマコーター、ロールコーター、ナイフコーター、ブレードコーター等の各種コーターを用いたコート法が挙げられる。
(1−2)第2領域
次に、第2領域2について説明する。なお、第2領域2について、前述した第1領域1と同様の事項については、その説明を省略する場合がある。
第2領域2は、第2化粧層20とマグネット層26とをZ軸方向(化粧板100の厚さ方向)に積層した積層体で構成されている。
図3に示すように、第2化粧層20は、第2基材層21と、第2基材層21の下面に接合された第2印刷層22と、第2基材層21の上面に接合された第2保護層23と、第2保護層23の下面側に接合された第2接着層24と、第2接着層24の下面に接合された第2芯材層25とを有している。
このような構成により、第2保護層23が有する耐擦傷性(傷の付き難さ)、防汚性(汚れの付き難さ、汚れの除去のし易さ)等の特長を発揮させつつ、第2印刷層22によるパターンを化粧板100の外観に好適に反映させることができ、審美性に優れた化粧板100を提供することができる。特に、化粧板100の下地である壁面62(部位61の表面)の色彩や性状によらず、安定して優れた審美性を発揮することができる。よって、審美性に優れるとともに、耐擦傷性、防汚性に優れる化粧板100を提供することができる。
特に、本実施形態では、第2印刷層22が、第2基材層21の下面側に配されている。これにより、第2領域2の耐摩耗性を特に優れたものとすることができる。
(1−2−1)第2基材層
第2基材層21は、第2保護層23および第2印刷層22を支持する機能を有するものであり、好ましくは透明フィルムで構成されている。この第2基材層21は、第2印刷層22からの光を透過し、その表示パターン4(印刷パターン)を観察者に視認させることができるように、十分な光透過性を有している。
第2基材層21は、化粧板100の審美性を十分に優れたものとすることができる程度、特に第2印刷層22が化粧板100の外観に影響を与える程度の光透過性(透明性)を有するものであればよい。例えば、第2基材層21は、380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率が80%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、第2印刷層22の表示パターン4をより明確に視認することができ、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。
第2基材層21は、透明性を有する材料であれば、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、第2基材層21の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料、各種ガラス材料等が挙げられる。
中でも、曲げ外力等に対する安定性、取り扱いのし易さ、化粧板100の生産コスト等の観点から、第2基材層21は、樹脂材料を含むもの、すなわち透明樹脂フィルムであるのが好ましい。
第2基材層21を構成する材料(樹脂材料)や含有成分等については、前述した第1基材層11と同様であり、その説明を省略する。
第2基材層21中における樹脂材料の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
第2基材層21の厚さは、特に限定されないが、10μm以上500μm以下であるのが好ましく、20μm以上250μm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の薄型化を図りつつ、化粧板100の可撓性(柔軟性)、施工の作業性、加工性、耐久性、信頼性等を特に優れたものとすることができる。
第2基材層21の厚さが小さすぎると、化粧板100(第2領域2)の耐久性が低下するおそれがある。特に、化粧板100の表面の特性に、第2基材層21よりも下側の層(第2接着層24等)が与える影響が大きくなり、化粧板100の耐擦傷性等が低下する可能性がある。逆に、第2基材層21の厚さが大きすぎると、第2領域2全体が厚くなり、施工の作業性や加工性が低下する場合がある。
なお、第2基材層21の構成材料、厚さ等の諸条件は、第1基材層11と同じでも異なっていてもよいが、同じであるかまたは近似しているのが好ましい。
(1−2−2)第2保護層
第2基材層21の上面側、すなわち化粧板100が設置された状態での観察者の視点側には、第2保護層23が設けられている。第2保護層23は、樹脂材料、特に硬質樹脂材料で構成されている。
この第2保護層23が設けられていることにより、化粧板100(第2領域2)の耐擦傷性、防汚性等を優れたものとすることができる。
また、第2保護層23を構成する材料は、通常は、透明性を有するものである。よって、第2基材層21と共に第2保護層23が、第2印刷層22からの反射光を透過し、第2印刷層22の表示パターン4(印刷パターン)を観察者に視認させることができ、化粧板100の審美性を優れたものとすることができる。
第2保護層23は、第2基材層21および第2印刷層22等を汚れ、傷、劣化等から保護する機能を有している。したがって、長期間にわたり化粧板100の審美性を安定的に維持することができる。
第2保護層23は、化粧板100の審美性を十分に優れたものとすることができる程度、特に第2保護層23が第2印刷層22と共に化粧板100の外観に影響を与える程度の光透過性(透明性)を有するものであればよい。例えば、第2保護層23は、380nm以上780nm以下の範囲の各波長についての光の透過率が、80%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、第2印刷層22の表示パターン4をより明確に視認することができ、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。
第2保護層23は、その表面(上面)のマルテンス硬度(マルテンス硬さ)が200N/mm以上800N/mm以下であるのが好ましく、300N/mm以上700N/mm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100(第2領域2)は、優れた耐擦傷性(傷の付き難さ)および耐久性を発揮する。
第2保護層23の表面のマルテンス硬度が前記下限値未満であると、第2保護層23の耐擦傷性等の向上が不十分となり、また、第2保護層23の表面のマルテンス硬度が前記上限値を超えると、化粧板100の加工性が劣る可能性がある。
第2保護層23の構成材料や含有成分、形成方法等については、前述した第1保護層13と同様であり、その説明を省略する。
第2保護層23の厚さは、特に限定されないが、1μm以上80μm以下であるのが好ましく、3μm以上50μm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100(第2領域2)の耐擦傷性、防汚性を特に優れたものとしつつ、化粧板100の曲げ加工性、施工の作業性等も特に優れたものとすることができる。
また、第2保護層23の外表面(上面)には、鏡面加工、エンボス加工、梨地加工、ヘアーライン加工等の表面加工(表面仕上げ)が施されていてもよい。これにより、化粧板100の審美性のさらなる向上を図ることができる。
なお、第2保護層23の構成材料、厚さ、形成方法等の諸条件は、第1保護層13と同じでも異なっていてもよいが、同じであるかまたは近似しているのが好ましい。
(1−2−3)第2印刷層
第2基材層21の下面(第2保護層23と反対の面)側には、第2印刷層22が設けられている。第2印刷層22は、第2領域2における表示パターン4を形成するものであり、観察者は、第2保護層23および第2基材層21を介して第2印刷層22の表示パターン4を視認することができる。これにより、化粧板100の審美性が発揮される。
第2印刷層22の表示パターン4としては、模様、図形、文字、色彩等のうちの1つまたは2以上の組み合わせが挙げられる。
第2印刷層22は、第2基材層21の下面側に設けられていることにより、第2印刷層22自体の傷付き、劣化等が防止され、化粧板100の耐久性、審美性を長期にわたり維持することができる。
第2印刷層22は、顔料、染料、金属粉等の着色剤を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。第2印刷層22の構成材料や含有成分、形成方法等については、前述した第1印刷層12と同様であり、その説明を省略する。
第2印刷層22の表示パターン4には特に限定はないが、通常、需要者の要求等に応じて適宜、決定または選択されるものである。
第2印刷層22の表示パターン4としては、例えば、木目調、石材調、筋目、各種幾何学模様、図形、文字等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものが用いられる。さらに、これらに対し1種以上の色彩を組み合わせた表示パターンも用いられる。
なお、図3に示す構成では、第2印刷層22は、第2基材層21の下面の一部に選択的に設けられているが、第2印刷層22は、第2基材層21の下面の全体に設けられていてもよい。また、図示されていないが、第2印刷層22は、第2基材層21の上面側に設けられていてもよい、あるいは第2基材層21の上面および下面のそれぞれに設けられていてもよい。
また、図3に示す構成では、第2基材層21と第2印刷層22との間には明確な界面があるが、例えば、化粧板100(第2領域2)の製造過程において、第2基材層21の一部が溶解等することにより、第2基材層21と第2印刷層22との界面が不鮮明(不明瞭)になっていてもよい。
第2印刷層22の構成材料、厚さ、形成方法等の諸条件は、第1印刷層12と同じでも異なっていてもよいが、同じであるかまたは近似しているのが好ましい。なお、第2印刷層22の表示パターン4と第1印刷層12の表示パターン3の関係については、後に詳述する。
(1−2−4)第2接着層
第2印刷層22が設けられた第2基材層21の下面側には、第2接着層24が設けられている。この第2接着層24は、第2基材層21および第2印刷層22と、後述する第2芯材層25とを接着(接合)する機能を有する。
これにより、第2印刷層22が設けられた第2基材層21と第2芯材層25との剥離を防止し、これらの密着性を向上させることができ、化粧板100(第2領域2)の耐久性を向上させることができる。また、化粧板100の製造条件(温度、圧力等)を比較的穏やかなものとすることができ、化粧板100の構成材料の不本意な劣化等を効果的に防止し、化粧板100の信頼性を向上させることができるとともに、生産設備、生産コスト、省エネルギー等の観点からも有利である。また、化粧板100の製造をより容易に行うことができ、化粧板100の生産性の向上を図ることができる。
第2接着層24の構成材料や含有成分、形成方法等については、前述した第1接着層14と同様であり、その説明を省略する。
第2接着層24の厚さは、特に限定されないが、接着強度を十分に確保する等の理由から、1μm以上200μm以下であるのが好ましく、1μm以上100μm以下であるのがより好ましい。
これにより、第2化粧層20内部の層内剥離がより有効に防止され、化粧板100(第2領域2)は、十分な強度および耐久性を有するものとなる。
また、第2接着層24の構成材料、厚さ、形成方法等の諸条件は、第1接着層14と同じでも異なっていてもよいが、同じであるかまたは近似しているのが好ましい。
(1−2−5)第2芯材層
第2接着層24の下面には、第1芯材層(コア層)15が接合されている。この第2芯材層25は、主に、化粧板100(第2領域2)の剛性を担うものである。これにより、化粧板100(第2領域2)の強度、形状の安定性、耐熱性、耐久性が特に優れたものとなる。
第2芯材25の構成材料や含有成分、特性、形成方法等については、前述した第1芯材層15と同様であり、その説明を省略する。
第2芯材層25の厚さは、特に限定されないが、強度確保等の機能を十分に発揮するために、70μm以上であるのが好ましく、100μm以上であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100(第2領域2)に十分な強度、耐熱性、不燃性を付与することができる。また、第2芯材層25の厚さの上限については、特に限定されないが、厚さが大きいほど化粧板100(第2領域2)の厚さと重量が増大することから、最終的な製品における設計上、許容される範囲で設定することが好ましく、1mm以下が好ましく、600μm以下がより好ましい。
この場合、第2芯材層25の厚さと第1芯材層15の厚さの関係は、特に限定されないが、第2芯材層25の厚さをT2とし、第1芯材層15の厚さをT1としたとき、これらの比T1/T2は、T1/T2≦1であるのが好ましい。このことについては、後に詳述する。
また、第2芯材層25の構成材料や含有成分、特性、厚さ、形成方法等の諸条件は、第1芯材層15と同じでも異なっていてもよいが、同じであるかまたは近似しているのが好ましい。
なお、本発明では、以上のような第2芯材層25は省略されていてもよい。
(1−2−6)マグネット層
第2化粧層20の下面、すなわち第2芯材層25の下面には、マグネット層26が接合されている。このマグネット層26は、躯体60の部位61の壁面62に接合(磁気吸着)されて、第2領域2を部位61の壁面62の所望部位に設置、固定するためのものである。
第2領域2は、マグネット層26の磁力により部位61の壁面62に磁気吸着されて設置、固定されるが、粘着剤または接着剤による固定と異なり、部位61の壁面62から容易に離脱させることができる。すなわち、第2領域2の壁面62への設置および離脱は、第1領域1のそれと比べ、極めて容易に行うことができ、壁面62への着脱の作業性に優れる。
ここで、図2に示すように、基準位置(境界50)よりY軸方向マイナス側(鉛直下方)は、Y軸方向プラス側(鉛直上方)に比べ、歩行者の足、靴、椅子、清掃用具等が衝突したり接触したりする頻度が高く、そのため、壁面62に設置された化粧板100は、第1領域1のZ軸方向プラス側の表面(図3中の第1保護層13の上面)に比べ、第2領域2のZ軸方向プラス側の表面(図3中の第2保護層23の上面)の方が、汚れ、損傷、破損、劣化等(以下「汚れ等」と言う)が生じ易い。第2領域2の表面に汚れ等が生じた場合、化粧板100全体を交換するのではなく、第1領域1は設置したまま第2領域2のみを新たなものと交換する。前述したように、壁面62に設置された化粧板100において、第2領域2の交換(離脱および装着)は、第1領域1の交換に比べその作業が極めて容易である。従って、第2領域2のみの交換により、汚れ等の回復を極めて容易に行うことができる。
また、汚れ等が生じた第2領域2を部位61の壁面62から一旦離脱し、その第2領域2の表面を清掃または修理した後、同第2領域2を再度部位61の壁面62に設置(磁気吸着)させることもでき、この場合でも、同様の効果が発揮される。第2領域2を部位61の壁面62に設置したまま清掃、修理することも可能であるが、第2領域2を離脱し、清掃、修理に適した場所や環境下で清掃、修理を行い、元の位置へ戻す方が、清掃、修理の作業効率が良く、また、より適正な清掃、修理が可能となる。
なお、第2領域2を新たなものと交換する場合、交換の前後で、第2領域2の第2印刷層22による表示パターンは、同一でも異なっていてもよい。
第2領域2を交換する目的は、前述した汚れ等に限らず、例えば、化粧板100の設置空間の雰囲気を変えるために、表示パターン4の異なる第2領域2に交換する場合が挙げられる。
マグネット層26は、複数の磁石粉末27と、磁石粉末27同士を結合するバインダー(結合樹脂)とを含む材料で構成されており、この材料をシート状(層状)に成形したものである。このものは、例えばマグネットシートと呼ばれる。
マグネット層26が部位61の壁面62に対し十分な磁気吸着力を発揮するために、磁石粉末27は、優れた磁気特性を有するものが好ましい。このような磁石粉末27としては、例えば、R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種)を含む合金、特にR(ただし、Rは、Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種)とTM(ただし、TMは、遷移金属のうちの少なくとも1種)とB(ボロン)とを含む合金が挙げられる。このような磁石粉末27は、所定の方法により着磁され、磁力を発生する。
マグネット層26に含まれるバインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66、ナイロン6T、ナイロン9T)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノール型、ノボラック型、ナフタレン系等の各種エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。なお、使用される熱硬化性樹脂(未硬化)は、室温で液状のものでも、固形(粉末状)のものでもよい。
マグネット層26は、その下面側(Z軸方向マイナス側の面側)にS極およびN極が形成された片面着磁型であることが好ましい。これにより、特に磁気シールド層を設けなくても、第2保護層23の上面側の磁力を小さくすることができ、第2領域2の軽量化、薄型化、製造コストの削減を図ることができる。
マグネット層26の図3中下面の表面磁束密度Bは、特に限定されないが、20mT以上であることが好ましく、35mT以上200mT以下であることがより好ましい。これにより、必要かつ十分な磁気吸着力が得られ、部位61の壁面62へ設置された第2領域2は、外力、振動、衝撃等が加わった場合でも、不本意に離脱することがより有効に防止され、第2領域2の壁面62に対する安定した固定状態が維持される。
マグネット層26の厚さは、特に限定されないが、十分な磁気吸着力の確保と軽量化との良好なバランスを実現する観点から、0.32mm以上2.0mm以下であるのが好ましく、0.4mm超1.5mm以下であるのがより好ましい。また、このような範囲であると、化粧板100(第2領域2)の加工性もより良好となる。
また、マグネット層26の坪量は、特に限定されないが、十分な磁気吸着力の確保と軽量化との良好なバランスを実現する観点から、0.5kg/m以上10kg/m以下であることが好ましく、1kg/m以上6.5kg/m以下であることがより好ましい。また、このような範囲であると、第2領域2の壁面62への設置、着脱の作業性もより良好となる。
なお、図示しないが、マグネット層26と第2芯材層25との間に、これらを接着する接着層を有していてもよい。この接着層の構成材料、厚さ、形成方法等の諸条件は、第2接着層24で述べたのと同様とすることができる。
このようなマグネット層26は、第2領域2の全面にわたって設置されているのが好ましいが、第2領域2の一部に形成されていてもよい。すなわち、第2領域2内で、マグネット層26が形成されていない部分が存在していてもよい。この場合でも、平面視で第2領域2の外周部には、マグネット層26が隙間なく(連続して)設置されているのが好ましい。これにより、部位61の壁面62へ設置された第2領域2は、外力、振動、衝撃等が加わった場合でも、外周部がめくれて離脱することがより有効に防止される。
また、マグネット層26には、平面視で例えば円形、矩形、多角形等の開口、スリット、溝、凹部等が所定のパターンで形成されていてもよい。
また、マグネット層26は、その全体が一体である場合に限らず、第2領域2内において複数に分割されていてもよい。
(1−3)第1領域および第2領域の厚さ
第1領域1の厚さと第2領域2の厚さの大小関係は特に限定されない。前述したように、第1領域1は、第1化粧層10と粘着層16とを積層したものであり、第2領域2は、第2化粧層20とマグネット層26とを積層したものである。ここで、第1基材層11と第2基材層21、第1保護層13と第2保護層23、第1接着層14と第2接着層24、および第1芯材層15と第2芯材層25のそれぞれの条件を同じとした場合、第1基材層11、第1保護層13、第1接着層14、および第1芯材層15の合計の厚さである第1化粧層10の厚さと、第2基材層21、第2保護層23、第2接着層24、および第2芯材層25の合計の厚さである第2化粧層20の厚さとは、ほぼ等しくなる。従って、第1領域1の厚さと第2領域2の厚さの大小関係は、粘着層16とマグネット層26の厚さの関係に依存することとなる。
前述したように、マグネット層26の厚さは、十分な磁気吸着力を確保する必要上、粘着層16の厚さに比べて厚くなる傾向にある。従って、通常は、第2領域2の厚さは第1領域2の厚さより厚くなる傾向を示す(図3参照)。例えば、第2領域2の厚さは、第1領域1の厚さの1.5倍以上となることがある。
(1−4)第1領域および第2領域の曲げ剛性
第1領域1および第2領域2は、いずれも可撓性(柔軟性)を有している。これにより、次のような効果(利点)が得られる。
第一に、第1領域1および第2領域2の壁面62への設置作業の作業性が向上する。また、第2領域2の壁面62への着脱(設置および離脱)の作業性が向上する。
第二に、壁面62に設置された第1領域1および第2領域2に対し、振動、衝撃等が加わった場合でも、第1領域1および第2領域2の欠損や離脱を抑制することができる。
第三に、第1領域1および第2領域2を、湾曲面による壁面62にも追従して設置することができる。
第四に、第1領域1および第2領域2をロール状に巻いて保管、運搬することができ、保管スペースを省スペース化することができる。また、ロール状の第1領域1および第2領域2を巻き出しながら壁面62に設置することができ、壁面62に対する位置合わせを容易、正確に行うことができ、作業性が向上する。
第1領域および第2領域の可撓性の程度、すなわち曲げ剛性を最適な値に設定することにより、前記第一ないし第四の各効果(利点)がより有効に発揮される。
なお、壁面62に対する設置の作業性は、第1領域1よりも第2領域2の方がより優れている。第2領域2は、壁面62への設置に際し位置合わせをミスして位置ずれが生じた場合でも、磁気吸着であるため、簡単に、何度でも位置合わせをし直して設置することができるからである。
第1領域1の曲げ剛性と第2領域2の曲げ剛性の大小関係は特に限定されないが、第2領域2の曲げ剛性が第1領域1の曲げ剛性より大きいのが好ましい。前述したように、第2領域2の厚さが第1領域1の厚さより厚くなる場合には、この関係を満足することとなる。前述したように第2領域2は、位置合わせの容易性、設置作業の容易性から、第1領域1に比べ曲げ剛性が大きくても差し支えない。一方、第1領域1は、第2領域2よりも曲げ剛性が低いため、良好な設置作業性を確保することができる。
(1−5)第1領域および第2領域の表示パターン
次に、第1領域1の第1印刷層12による表示パターン3と、第2領域2の第2印刷層22による表示パターン4との関係について説明する。図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図12および図13は、それぞれ、化粧板100に表された表示パターンの一例を示す平面図である。
(1−5−1)
図5に示す例では、表示パターン3および4は、共に、少なくとも境界50付近において、境界50の境界線(X軸方向の線)と同方向すなわち平行な方向に延びる複数の線状のパターンで構成されている。すなわち、表示パターン3と表示パターン4とで連続する横縞模様あるいは横方向のスジ目(ヘアライン)を構成している。そして、境界50付近の表示パターン3と表示パターン4とは、同一であり、連続性を有している(連続したパターンを形成している)。そのため、全体としてデザインに統一感がある。
このような表示パターン3および4では、最表層である第1保護層13および第2保護層23の実際の表面は平坦面であるものの、線状パターンの線の間隔等に応じて、あたかもX軸方向に延びる線状の凹凸があるかのような外観を呈し、質感を向上したり変化させたりすることができる。これにより、優れた意匠性、審美性を発揮するものと言える。
なお、表示パターン3および4のいずれか一方のみが、前記横縞模様あるいは横方向のスジ目によるパターンであってもよい。この場合には、第1領域1と第2領域2とで異なる質感を感じさせることができ、斬新性が得られる。
(1−5−2)
図6に示す例では、表示パターン3および4は、共に、少なくとも境界50付近において、境界50と直交する方向、すなわち鉛直方向(Y軸方向)に延びる複数の線状のパターンで構成されている。すなわち、表示パターン3と表示パターン4とで連続する縦縞模様あるいは縦方向のスジ目を構成している。そして、境界50付近の表示パターン3と表示パターン4とは、同一であり、連続性を有している(連続したパターンを形成している)。そのため、全体としてデザインに統一感がある。
このような表示パターン3および4では、最表層である第1保護層13および第2保護層23の実際の表面は平坦面であるものの、線状パターンの線の間隔等に応じて、あたかもY軸方向に延びる線状の凹凸があるかのような外観を呈し、質感を向上したり変化させたりすることができる。これにより、優れた意匠性、審美性を発揮するものと言える。
なお、表示パターン3および4のいずれか一方のみが、前記縦縞模様あるいは縦方向のスジ目によるパターンであってもよい。この場合には、第1領域1と第2領域2とで異なる質感を感じさせることができ、斬新性が得られる。
(1−5−3)
図7に示す例では、表示パターン3および4は、共に、少なくとも境界50付近において、境界50に対し傾斜する第1の線51と、第1の線51に対し交差する第2の線52とで構成される交差線状(格子模様)のパターンで構成されている。すなわち、表示パターン3と表示パターン4とで連続する傾斜した格子模様を構成している。そして、境界50付近の表示パターン3と表示パターン4とは、同一であり、連続性を有している(連続したパターンを形成している)。そのため、全体としてデザインに統一感がある。
このような表示パターン3および4では、全体として統一感があると共に、傾斜した格子模様が、入角、出角、梁、ドア枠等の縦線および横線による周囲の構図との差別化を図ることができ、意匠性、審美性に優れている。
(1−5−4)
図8に示す例では、表示パターン3および4は、共に、少なくとも境界50付近において、円形および三角形が散点状に配されたパターンで構成されている。すなわち、表示パターン3と表示パターン4とで連続する散点状の模様を構成している。なお、表示パターン3および4において、円形および三角形は、規則的に配置されていても、不規則(ランダム)に配置されていてもよい。そして、境界50付近の表示パターン3と表示パターン4とは、同一であり、連続性を有している(連続したパターンを形成している)。そのため、全体としてデザインに統一感がある。
このような表示パターン3および4では、アクセントとなる図形を含む斬新かつ高級感を呈する構図を形成しており、意匠性、審美性に優れている。
(1−5−5)
図9に示す例では、表示パターン3および4は、共に、少なくとも境界50付近において、木目、年輪等を表すパターンで構成されている。この場合、境界50付近の表示パターン3と表示パターン4とは、異なっているが、表示パターン3と表示パターン4とで連続する木目の模様を構成している。すなわち、表示パターン3と表示パターン4とが連続性を有している(連続したパターンを形成している)。そのため、全体としてデザインに統一感がある。
このような表示パターン3および4は、設置空間の雰囲気を和風に感じさせる等、雰囲気の形成または向上に貢献し、意匠性、審美性に優れているものと言える。
(1−5−6)
図10に示す例では、表示パターン3および4は、共に、少なくとも境界50付近において、風景等の絵画または写真を表すパターンで構成されている。この場合、境界50付近の表示パターン3と表示パターン4とは、異なっているが、表示パターン3と表示パターン4とで連続する構図の画像または一体感のある画像を構成している。すなわち、表示パターン3と表示パターン4とが連続性を有している(連続したパターンを形成している)。そのため、全体としてデザインに統一感がある。
このような表示パターン3および4は、設置空間の雰囲気を向上することに貢献し、意匠性、審美性に優れているものと言える。なお、この画像は、風景に限らず、その他例えば、人物、動物、自動車、電車等であってもよい。
(1−5−7)
図11に示す例では、表示パターン3および4は、共に、X軸方向の中央部付近で左右に分割され、かつ境界50を境にY軸方向に色彩または模様が異なる2種のパターンを有している。すなわち、2種のパターンが、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ互い違いに配置された、2行×2列のパターンで構成されている。この場合、境界50付近の表示パターン3と表示パターン4とは、左右が逆転しており、異なっているが、全体として統一感、一体感のある構図を形成しており、意匠性、審美性に優れている。
(1−5−8)
図12に示す例では、表示パターン3は、複数のひし形の図形が間隔をおいて配された構成であり、表示パターン4は、境界50の境界線(X軸方向の線)と平行な方向に延びる複数の線状のパターンで構成されている。この場合、境界50付近の表示パターン3と表示パターン4とは、異なっているが、全体として統一感があると共にアクセントとなる図形を含む斬新かつ高級感を呈する構図を形成しており、意匠性、審美性に優れている。
(1−5−9)
図13に示す例は、2つの化粧板100をX軸方向に並べて配置したものである。2つの化粧板100の突き合わせ部55は、Y軸方向に延びる線である。突き合わせ部55よりX軸方向プラス側(図13中左側)の化粧板100においては、表示パターン3は、X軸に対し傾斜した複数のスジ状の線を有する構成であり、表示パターン4は、境界50の境界線(X軸方向の線)と平行な方向に延びる複数の線状のパターンで構成されている。一方、突き合わせ部55よりX軸方向マイナス側(図13中右側)の化粧板100においては、表示パターン3は、境界50の境界線(X軸方向の線)と平行な方向に延びる複数の線状のパターンで構成され、表示パターン4は、X軸に対し傾斜した複数のスジ状の線を有する構成である。このように、2つの化粧板100は、表示パターン3と表示パターン4とが互いに逆であり、両化粧板100は、共に、表示パターン3と表示パターン4とが異なっているが、2つの化粧板100により、全体として統一感がある構図を形成しており、意匠性、審美性に優れている。
(1−5−10)まとめ
以上述べたように、境界50付近において、表示パターン3と表示パターン4とが同一である場合には、境界50が目立ち難いという効果(利点)があると共に、化粧板100全体として統一感がある構図を形成することとなり、意匠性、審美性に優れている。
また、境界50付近において、表示パターン3と表示パターン4とが異なる場合でも、化粧板100全体として統一感がある構図を形成する場合には、意匠性、審美性に優れている。
また、境界50付近において、表示パターン3と表示パターン4とが連続性を有している場合、すなわち連続したパターンを形成している場合には、境界50が目立ち難いという効果(利点)があると共に、全体としてデザインに統一感がある構図を形成することとなり、意匠性、審美性に優れている。
また、境界50付近において、表示パターン3と表示パターン4とが、境界50の境界線と平行な方向に延びる複数の線状のパターンで構成されている場合には、境界50が目立ち難いという効果があると共に、化粧板100全体として統一感がある構図を形成することとなり、意匠性、審美性に優れている。
また、境界50付近において、表示パターン3と表示パターン4とが、境界50の境界線と直交する方向に延びる複数の線状のパターンで構成されている場合には、化粧板100全体として統一感がある構図を形成することとなり、意匠性、審美性に優れている。
なお、以上で説明した表示パターン3および4は、一例であり、これらに限定されないことは言うまでもない。
2.第2実施形態
図4は、本発明の化粧板の第2実施形態を模式的に示す断面図である。以下の説明では、前述した第1実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
本実施形態の化粧板100は、第1領域1における第1基材層11Aおよび第1印刷層12、第2領域2における第2基材層21Aおよび第2印刷層22が第1実施形態と異なり、その他の事項は同様である。
図2に示すように、第1領域1は、粘着層16、第1芯材層15、第1接着層14、第1基材層11A、第1印刷層12および第1保護層13が、Z軸プラス方向に向かってこの順に積層されてなるものである。同様に、第2領域2は、マグネット層26、第2芯材層25、第2接着層24、第2基材層21A、第2印刷層22および第2保護層23が、Z軸プラス方向に向かってこの順に積層されてなるものである
すなわち、第1実施形態の化粧板100では、第1領域1の第1印刷層12が、第1基材層11の下面側(Z軸方向マイナス側)に配されていたのに対し、本実施形態の化粧板100では、第1領域1の第1印刷層12が、第1基材層11Aの上面側(Z軸方向プラス側)に配されている。同様に、第2領域2の第2印刷層22が、第2基材層21Aの上面側(Z軸方向プラス側)に配されている。
このような構成であると、第1印刷層12および第2印刷層22が、観察者の視点により近い側(第1領域1および第2領域2の上面側)に配されることになり、第1印刷層12の柄や色彩がより鮮明となり、化粧板100の審美性をさらに優れたものとすることができる。
また、第1基材層11Aおよび第2基材層21Aを光透過性材料で構成した場合には、第1印刷層12と第1芯材層15との間に所定厚みの第1基材層11Aが介在すると共に、第2印刷層22と第2芯材層25との間に所定厚みの第2基材層21Aが介在することとなるので、化粧板100の外観、すなわち第1印刷層12および第2印刷層22による表示パターン3および4に奥行き感を持たせることができ、化粧板100の外観をより立体感に富んだものとすることができる。
第1基材層11Aおよび第2基材層21Aの構成材料としては、第1実施形態で述べたのと同様に、透明フィルム等の光透過性材料を用いるこができるが、光透過性を有しないかまたは光透過性が乏しい材料であってもよい。このような材料としては、例えば、着色フィルム、白色フィルム、黒色フィルムのような半透明または不透明のフィルム、クラフト紙、チタン紙等の各種紙材、金属箔(金属層)が挙げられ、これらを単層で、または2層以上積層して用いることができる。
第1基材層11Aおよび第2基材層21Aを紙材で構成した場合には、安価であるという利点の他に、次のような効果(利点)がある。紙材による第1基材層11Aおよび第2基材層21Aは、第1印刷層12および第2印刷層22の形成に適しており、すなわち印刷適性に優れており、また、柔軟性に富むため、第1領域1および第2領域2の柔軟性を向上することができる。
このような第1基材層11Aおよび第2基材層21Aの厚さは、特に限定されないが、10μm以上650μm以下であるのが好ましく、20μm以上300μm以下であるのがより好ましい。その理由も前述した第1実施形態と同様である。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態の化粧板100について説明する。以下の説明では、前述した第1実施形態および第2実施形態との相違点について説明し、同様の事項についての説明は省略する。
第3実施形態の化粧板100は、図3に示す第1実施形態の化粧板100において、第1領域1および第2領域2のうちの第1領域1を図4に示す第1領域1(第1基材層11Aを有するもの)に置き換えたものである。
4.第4実施形態
次に、第4実施形態の化粧板100について説明する。以下の説明では、前述した第1実施形態および第2実施形態との相違点について説明し、同様の事項についての説明は省略する。
第4実施形態の化粧板100は、図3に示す第1実施形態の化粧板100において、第1領域1および第2領域2のうちの第2領域2を図4に示す第2領域2(第1基材層21Aを有するもの)に置き換えたものである。
以上、本発明の化粧板を好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した各実施形態のものに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での種々の構成の変更、改良等を行うことができ、これらもまた本発明に含まれるものである。
100 化粧板、
1 第1領域
10 第1化粧層
11 第1基材層
11A 第1基材層
12 第1印刷層
13 第1保護層
14 第1接着層
15 第1芯材層
16 粘着層
2 第2領域
20 第2化粧層
21 第2基材層
21A 第2基材層
22 第2印刷層
23 第2保護層
24 第2接着層
25 第2芯材層
26 マグネット層
27 磁石粉末
3 表示パターン
4 表示パターン
50 境界
51 第1の線
52 第2の線
55 突き合わせ部
60 躯体
61 部位
62 壁面

Claims (12)

  1. 基準位置を境界として互いに分離可能に配置された第1領域および第2領域を有し、
    前記第1領域は、第1化粧層と粘着層とを積層した積層体で構成され、
    前記第2領域は、第2化粧層とマグネット層とを積層した積層体で構成されていることを特徴とする化粧板。
  2. 前記第1領域と前記第2領域とは、化粧板の面方向に沿って配置されている請求項1に記載の化粧版。
  3. 前記第1化粧層は、第1基材層と、前記第1基材層に接合された第1印刷層と、第1保護層とを有し、
    前記第2化粧層は、第2基材層と、前記第2基材層に接合された第2印刷層と、第2保護層とを有する請求項1または2に記載の化粧板。
  4. 前記第1基材層は、透明フィルムまたは紙材で構成され、
    前記第2基材層は、透明フィルムまたは紙材で構成されている請求項3に記載の化粧板。
  5. 前記第1化粧層は、第1芯材層を有し、
    前記第2化粧層は、第2芯材層を有する請求項3または4に記載の化粧板。
  6. 前記第1領域および前記第2領域の境界付近において、前記第1印刷層の表示パターンと前記第2印刷層の表示パターンとが同一である請求項3ないし5のいずれか1項に記載の化粧板。
  7. 前記第1領域および前記第2領域の境界付近において、前記第1印刷層の表示パターンと前記第2印刷層の表示パターンの少なくとも一方は、前記第1領域および前記第2領域の境界線と平行な方向または直交する方向に延びる複数の線状のパターンで構成されている請求項3ないし6のいずれか1項に記載の化粧板。
  8. 前記第1印刷層の表示パターンと前記第2印刷層の表示パターンとが異なっている請求項3ないし5のいずれかに記載の化粧板。
  9. 前記第1領域および前記第2領域の境界付近において、前記第1印刷層の表示パターンと前記第2印刷層の表示パターンとが連続性を有している請求項3ないし8のいずれか1項に記載の化粧板。
  10. 前記マグネット層は、磁石粉末と、前記磁石粉末を結合するバインダーとを含む材料で構成されている請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化粧板。
  11. 前記第2領域の厚さが第1領域の厚さより厚い請求項1ないし10のいずれか1項に記載の化粧板。
  12. 前記第1領域および前記第2領域は、いずれも可撓性を有する請求項1ないし11のいずれか1項に記載の化粧板。
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