JP5043057B2 - 電極式製パン用工程紙及び電極式製パン法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極式製パン法によりパンを製造する工程で使用するための工程紙及びその工程紙を使用した電極式製パン法に関する。
特に、本発明は、電極式製パン法により生パン粉用のパンを製造する焼成工程で、製パン容器内面とパン生地間に配置して使用することができるとともに、焼成後の熟成工程を経た焼き上がりパンからの剥離性に優れた面を有する未晒片艶紙からなる電極式製パン工程での使用に適した工程紙及びその工程紙を使用した電極式製パン法に関する。
パン粉は、パンを粉砕して粒子を揃えたものである。パン粉には、原材料、粒度、焼き上げ方法、乾燥度等によって、生パン粉、乾燥パン粉、セミドライパン粉等多くの種類がある。
パン粉の原料となるパンの製造法としては、焙焼式製パン法、電極式製パン法、高周波を利用したクラッカータイプのパンを製造する製パン法等が挙げられるが、生パン粉は電極式製パン法で製造される場合が多い。生パン粉は、パンを所望の粒度に粉砕したもので、白パン粉とも称されるように白色度が高く、水分が30〜35質量%含まれていて食感のソフトさがあり、冷凍食品用として使用されることが多い。
電極式製パン法とは、両端に極板を取り付けた容器を使い、例えば、200V、14アンペア(A)の電流を通じて容器内のパン生地に流れた電流によりパン生地を発熱(ジュール熱)させてパンを焼き上げる方法である。このようなジュール熱を利用した加熱方式は、エネルギー効率だけで考えると理想的な省エネ加熱方式であるので、ジュール熱を利用した電気器具は理科の教材用としても紹介されている。
電極式製パン法用の焼成容器には電極となる金属板が必要である。この電極となる金属板としては、鉄、チタン、アルミ、ブリキ等の金属板が適用できるが、錆や腐食の問題がないことからチタン容器を使用するのが主流である。ところが、容器に直にパン生地を仕込んだ状態でパンを焼き上げると、容器から取り出す際に電極板にパンの一部が付着した状態で残留することが多い。電極板にパン残留物が付着したままの状態では電極板の導電性が悪くなるので、再利用するためには付着したパンを取り除く作業が必要であった。このような使用後の焼成容器を清掃する際に剥がされて廃棄処分されるパン部分は、製品パンの生産量の3%程度ともいわれており、その付着量を低減してパン粉等の原料の歩留まりを向上せしめることも重要な課題となっている。
電極式製パン法に関する情報は、各種文献に数多く紹介されており、インターネット等でも数多く紹介されていて、中には、クッキングシートを使用して容器にパンが付着しないように工夫されているケースもある。
このような用途に使用できるクッキングシートとして市販されているものは、紙に剥離剤処理が施されているものである。剥離剤処理は、紙にシリコーンやワックス等を塗布する処理であり、シリコーン塗工が一般的である。このような剥離剤処理したクッキングシートの多くはグラシン紙系原紙にシリコーン塗布したものであり、両面使用できるように、両面にシリコーン塗工しているタイプのものや、印刷で表裏を表示して片面のみにシリコーン加工しているタイプのものがある。他に、上質紙系原紙にシリコーン塗布したものもあり、このタイプのものとしては、上質紙系原紙にシリコーンを含浸させているものや、シリコーンを塗工したものがあるが、原紙内へのシリコーンの浸み込みを抑制するために原紙に目止め処理が施されているのが一般的である。これらのクッキングシートは、いずれも地色が白色系であるものが大半を占めている。
尚、グラシン紙系原紙とは、紙試料から採取した絶乾パルプを0.3gとして、JIS P 8121に準じて測定したフリーネスが150〜600mlのパルプを主成分とし、紙密度が1.0〜1.4g/cmである紙を言う。また、上質紙系原紙とは、砕木パルプを含まず、化学パルプだけで作った紙で、紙密度が0.7〜0.9g/cm程度の紙を言う。
また、目止め処理とは、原紙表面にシリコーンを塗工する際に、原紙層内部へのシリコーンの浸透を抑制するために施される処理であり、PVA(ポリビニルアルコール)や澱粉等の水溶性樹脂を原紙面に塗工するか又は含浸させる処理が普通である。
国内の一部や海外で市販されているクッキングシートには、未晒クラフト紙や半晒クラフト紙にシリコーン加工しているタイプのものがあり、別名、ベーキングペーパーとも称されている。このようなベーキングペーパーの多くは焼き菓子用として利用されている。このベーキングペーパー用の未晒クラフト紙や半晒クラフト紙からなる原紙は、目止め処理を施した後にシリコーン塗工する方法か、あるいは、表面に目止め処理した原紙にシリコーン含浸する方法で易剥離性が付与されている。
クッキングシートに関しては、既に数多くの特許文献、たとえば、特許文献1〜6等が提案されているが、電極式製パン法による生パンの製造工程に使用できるクッキングシートに関する文献は見当たらない。
特許公開2007−302775号 特許公開2006−028697号 特許公開2005−087526号 特許公開2003−213598号 特許第3953167号 特許第2925993号
電極式製パン法で生パンを焼成する工程では、焼き上がったパンの一部が焼成容器内の電極板に付着する問題があるので、電極板に付着したパンを剥がし、洗浄・乾燥する作業を行って焼成容器を再利用する必要があったこと、この洗浄作業が不十分のまま再使用すると、パンの焼き上がりに焼きムラが生じ、品質を落とすと問題がある他、剥がされたパン部分は廃棄されるので、パン粉等の原料の歩留まりが悪いという問題もあったことは前述したとおりである。
本発明は、上記したような焼成容器の洗浄等に要する労力の問題や、歩留りが悪いという問題を改善し、コストを削減することを可能とする電極式製パン法用の工程紙を提供することを目的とするものである。
また、電極式製パン法では、焼成工程で加熱・焼成されたパンが焼成容器から取り出され、熟成工程に送られ、熟成室の棚の敷板の上に載せられた状態で熟成された後、粉砕工程に送られてパン粉に粉砕されるが、この熟成工程でも敷板にパンが付着することがあるため、この熟成工程における敷板へのパンの付着に起因するパンの歩留まり低下を抑制し、敷板の清掃作業労力を軽減することを可能とする工程紙を提供することも本発明の重要な目的である。
上記熟成工程は、焼き上がったパンを恒温・恒湿条件下で静置してパン内の澱粉を硬化させるための工程であり、例えば、24時間かけて調湿するような工程である。熟成工程を経たパンは、粉砕工程で粉砕し易い状態となる。
本発明者らは、電極式製パン法における上記課題の解決策として、グラシン紙系クッキングシートにシリコーン塗工しているタイプの市販品の採用可能性について検討したが、これらのクッキングシートの場合、グラシン紙の密度が高いため透湿性が悪く、通常の電極式製パン工程の焼成時間が14分程度であるのに対して、さらに2分乃至それ以上焼成時間を長くすることが必要であった。グラシン紙系原紙の厚みを薄くして焼成時間の短縮効果を狙ってみたが、逆に原紙強度が弱くなってしまうために、焼成パンから剥離する作業工程等で破れる問題が生じた。また、原紙自体の色調が白であるため、焼き上がった白色の生パンに工程紙の剥離片等が付着していても判別しにくいという問題があった。さらに、目止め用としてPVAや澱粉等の水溶性樹脂が塗布されている場合は、加熱焼成工程や熟成工程中にそれらの水溶性樹脂が溶出して製品パンに付着する恐れがあることや、水溶性樹脂によってクッキングシート部分の導電性が阻害されることにより焼成時間が長くなるという問題もあった。
以上のように、電極式製パン法に使用できるクッキングシートとして理科の実験や工作等で使用されているものや、インターネットで紹介されているものは、小規模な実験室的製パン法には使用できるが、商業的規模での製パン工程における工程紙としてそのまま採用できるものではなかった。
本発明者らは、従来の電極式製パン法の焼成工程において、焼成容器内のパン生地と電極板が直接接触しないように両者の間に配置しても、通常の電極式製パン法の焼成条件でパン生地をジュール熱で焼成することができ、かつ、焼き上がったパンと一緒に焼成容器から取り出し、そのままパンを包み込んだ状態で熟成工程に送ってパンを熟成処理することができる電極式製パン工程用の工程紙を得ることを目的として検討を重ねた結果、焼成条件下にパン生地のジュール熱による加熱焼成が可能な充分な電流を供給できる導電性を備えるためには、紙基材の透湿度と吸収性が特に重要であることの知見を得た。
また、そのような透湿度と吸水性を備えた紙基材のパン生地と接触する面に適度の易剥離性を付与することにより、焼成工程での焼き上がり状態がよく、かつ、引き続く熟成工程でパンから剥がさずにそのままパンの熟成処理に供することができ、熟成処理後には生成白パンから綺麗に剥がし取ることができる工程紙が得られることの知見を得て本発明を完成した。
本発明において、「電極式製パン法用工程紙」及び「本発明の工程紙」という用語は、電極式製パン法による生パンの製造工程において、電極式焼成容器内では、投入されるパン生地が容器内面と直接接触することを防止する役割を果たし、焼成処理後は焼き上がりパンと一緒に焼成容器から取り出され、そのまま焼き上がりパンに随伴して熟成工程送られ、熟成工程の各種機器と焼き上がりパンとが直接接触することを防止する役割を果たし、熟成処理後には、生成パンから綺麗に剥がし取ることができる、という機能を有する紙を意味する。
上記本発明は、以下の技術的特徴を有する電極式製パン用工程紙に関する。
(1)未晒パルプ又は半晒パルプをベースとして抄造されている、密度が0.6〜1.0g/mで、JIS Z 0208に基づいて測定される透湿度が2800g/m・24hr以上であり、かつ、JIS P 8140に基づいて測定されるコブ吸水度が2.5g/m以上である無サイズ中性紙からなる片艶紙であって、その艶面が易剥離処理面であることを特徴とする、電極式製パン用工程紙。
(2)JIS P 8113に基づいて測定される引き裂き強さ(縦/横)が200/200mN以上であることを特徴とする、(1)項記載の電極式製パン用工程紙。
(3)前記易剥離処理面が、シリコーン剥離剤塗布面であることを特徴とする(1)項又は(2)項に記載の電極式製パン用工程紙。
(4)電極式製パン機により生パンを製造する方法であって、容器内面に一対の電極板を有する電極式製パン用焼成容器内に、未晒パルプ又は半晒パルプをベースとして抄造されている、密度が0.6〜1.0g/mで、JIS Z 0208に基づいて測定される透湿度が2800g/m・24hr以上であり、かつ、JIS P 8140に基づいて測定されるコブ吸水度が2.5g/m以上である無サイズ中性紙からなる片艶紙であってその艶面が易剥離処理剤塗布面である電極式製パン用工程紙を敷き詰め、該工程紙の易剥離処理剤塗布面上にパン生地を投入して通電し、ジュール熱によりパン生地を加熱焼成する工程、該焼成工程から焼き上がりパンを工程紙に包んだ状態で一緒に取り出して焼き上がりパンの熟成工程に移送する移送工程、該工程紙に包んだ状態の焼き上がりパンをそのままの状態で熟成処理する熟成工程、該熟成工程から工程紙に包んだ状態の熟成済みパンを取り出し、熟成済パンから工程紙を剥ぎ取る工程、からなる、電極式製パン法による生パン製造方法。
本発明の電極式製パン用工程紙は、電極式製パン法によるパン粉用の生パンを製造するための一連の連続工程において、最初に、電極板内蔵の焼成容器に本発明の工程紙をその易剥離性処理面が容器内空間部に面するように容器内にセットされ、パン生地が該工程紙面上に投入された状態の焼成工程では、パン生地と焼成容器内面の間に位置したままでパン生地の焼成が正常に行われる環境を維持し、焼成工程後は焼成容器から焼き上がったパンを包んだ状態で取り出され、そのまま熟成工程に送られ、パンを熟成する期間中、パンと熟成工程の各種機材とが接触することを防止し、熟成工程後には生成パンからきれいに剥ぎ取られる、という使い方が可能であるので、電極式製パン法による一連の連続工程における焼成工程から熟成工程への中間製品の移動作業が簡素化される。
上記したように、本発明の工程紙は、パン生地の状態から生成生パンの状態となるまでパン生地や生成生パンを包み込んだ状態で使用されるので、電極式製パン法によるパン粉用の生パンを製造するための焼成工程と熟成工程のいずれの工程においても、パン生地や焼き上がりパンが各種機材に付着することが防止され、その結果、各種機材の保守管理作業が軽減されるし、各種機材への生地や焼き上がりパンの付着損失がないことと、離型性に優れる工程紙の片艶面が熟成後の生成生パンから綺麗に剥離されることとを合わせて、製パン原料や製品パンの歩留まりが極めて良好な電極式製パン工程を構築することが可能となる。因みに、原料パン粉の歩留まりについては、従前の電極式製パン法が97%であるのに対して本発明の工程紙を使用した場合は99.5%以上に向上させることが可能である。
また、本発明の工程紙の使用は、焼成後に生パンを工程紙と一緒に焼成パン容器から取り出すので、取り出し作業が簡単で作業ミスが少なくなるし、熟成工程では随伴される工程紙を熟成用の敷板代わりとして熟成棚に載置できるので、従来使用されていた敷板が不要となり、その洗浄作業等に要していた費用をも含めて経費の大幅な削減に繋がる効果がある。
また、原紙が未晒パルプ又は半晒パルプをベースとして抄造されている無サイズ中性紙で耐熱性にも富むこと、及び工程紙の片艶面が易剥離性であって熟成後の生パンから綺麗に剥離されることから再利用が可能となるし、複数回使用した工程紙は、RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel:固形燃料)として最終的にボイラーの燃料原料として利用することができる利点もある。
さらに、未晒パルプ又は半晒パルプをベースとして抄造されている原紙の地色は、パン生地や焼き上がった生パンの白色と簡単に識別できる色調であるので、工程紙に少量のパン片が付着していても見逃さずに除去して再利用できるし、パン側に工程紙の破片が付着している不良品の発見も容易であるので、製品の品質管理が容易である。
易剥離性工程紙を焼成容器にセットする手順を示す図である。 易剥離性工程紙を利用した一連の生パン製造工程を示す図である。
本発明の電極式製パン工程用の工程紙は、焼成容器内面と投入パン生地の間に位置して、パン生地が容器内面に付着しないように隔離するとともに、工程紙のパン生地と接触する面には易剥離処理が施されていて、焼き上げ、熟成処理した後の生パンから綺麗に剥がし取ることができる易剥離性面を有している。
また、該易剥離性面の剥離力は、パン生地と接する工程紙面の剥離力が軽くなりすぎる場合に焼成工程で生起するケービングを防止することができるように調整されている。
さらに、作業に際しての紙切れを防止できる引き裂き強さを備えている。
本発明の電極式製パン工程用の工程紙は、耐熱性に優れる中性紙であり、焼成工程において導電性環境を維持することが可能な吸水性、透湿性の良い無サイズ紙であり、白色の焼成生パンとの識別が容易な色調を有する未晒パルプ及び/又は半晒パルプをベースとする紙基材よりなり、片面が易剥離処理を施し易い艶面である片艶紙であるという諸要件を満たす紙基材によって形成されている。
また、食品に求められる安全性の面から、工程紙から溶出する恐れのある目止め剤を使用していないことが好ましい。
本発明の電極式製パン法用の工程紙が備えるべき各種物性の好ましい数値は以下の通りである。
<透湿度>:2800g/m・24hr以上(JIS Z 0208)
透湿度は、水分の通過力を示し、電極式焼成容器内での電気伝導率に関連するため、パンの焼成時間に影響する。透湿度の数値が低くなるほど、電極間で電流が流れにくく、焼成時間は長くなる。本発明の工程紙については、工程紙を配置しない従来の焼成時間と同等の時間内で生産するためには、2800g/m・24hr以上であることが必要であり、好ましくは6000g/m・24hr以上である。
<吸水度(コブ吸水度)>:2.5g/m以上(JIS P 8140)
吸水度は、水分の浸透力を示し、電極式焼成容器内での電気伝導率に関連するためパンの焼成時間に影響する。吸水度が低くなるほど焼成時間が長くなり、時にはパンの焼成が不十分となる。本発明の工程紙については、工程紙を配置しない従来の焼成時間と同等の時間内で生産するためには、コブ吸水度は2.5g/m以上であることが必要であり、好ましくは9.0g/m以上である。
<引裂強さ>:縦/横=200/200mN以上:(JIS P 8113)
引裂強さは、パン焼き容器に入れる作業や生成したパンから工程紙を剥がす作業時の破れ難さが求められる本発明の工程紙については、縦、横共に200mN以上であることが好ましく、さらに好ましくは、縦、横共に250mN以上である。
<色>:白以外の木材色(未晒紙及び半晒紙)
電極式製パン法で製造される生パンは基本的に白いため、紙が同色の場合は、パンに工程紙の紙片が付着した場合に識別しにくい。識別を容易にするために工程紙用の紙基材を着色することも考えられるが、パルプ繊維を着色すると染料が溶出することがあるし、コスト高ともなるので、品質的にも経済的にも得策ではない。本発明の工程紙では、未晒パルプや半晒のパルプをベースとする紙基材としたが、100%バージンパルプの未晒パルプを使用している紙基材が特に好ましい。
焼成工程での紙の強度低下を避けるために、熱劣化の少ない中性紙とすることが好ましい。また、紙力に問題なければ無サイズ紙が好ましい。特に吸水性を阻害する薬品の使用は焼成効率を悪くするので避けるべきである。
工程紙用の紙基材としては、強度や価格等を考慮すると、同坪量の紙であれば、グラシン紙よりも密度の低い紙が好ましい。紙基材の密度は、0.6〜1.0g/cmであることが好ましく、0.65〜0.75g/cmであることがより好ましい。0.6g/cm未満ではシリコーン等の易剥離処理剤の塗工が困難で易剥離性に乏しい面となるし、1.0g/mを超えるとコスト高となり経済的ではなくなる。
紙基材の坪量は、20〜400g/mであることが好ましく、25〜100g/mがより好ましく、30〜50g/mがさらに好ましい。20g/m未満では紙の強度が弱くなり、剥離作業で破れてしまう場合がある。また、400g/mを超えると紙中の水分がパンの焼き上がりより先に乾燥してしまって通電出来なくなり、焼成不十分なパンができる原因になる。
<易剥離性>
易剥離性は、製造したパンから工程紙を剥がす場合の剥がし易さである。剥離性が良過ぎると焼成工程で容器中のパンがケービングを起こし、十分に膨らむことが出来ないことがある。逆に、剥離性が悪いと工程紙面にパンが貼り付いてパン表面が剥がれるためパンの歩留まりが悪くなる。なお、ケービングとは、焼成容器の中で縦方向(Z軸方向)へパンが膨らむ際、十分に膨らまず縮んだ状態になる現象で、ここでは壁面(パン生地と接している易剥離性工程紙面)剥離性が良すぎる場合に壁面(工程紙面)とパン生地の壁面の界面が滑るために発生する不具合である。
易剥離処理剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、各種ワックス類、アルキッド樹脂及びアルキッド変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フッ素系樹脂、長鎖アルキルペンダント型剥離剤等が挙げられるが、特に好ましいのは付加反応型のシリコーンである。
易剥離処理剤としてはシリコーンが一般的であるが、シリコーン樹脂を選定する場合は付加型の架橋タイプが好ましい。塗布量は0.5〜2.0g/mが好ましく、0.7〜1.5g/mがより好ましく、0.9〜1.2g/mがさらに好ましい。0.5g/m未満では剥離性が著しく悪くなる。0.5〜2.0g/mの範囲内であれば、易剥離処理剤の塗布スピード、易剥離処理剤の塗布量などの調整が容易であり、目的に合わせた易剥離性の効率的な調整が可能となるのでコスト面でも有利である。塗布量が2.0g/m以上となると加工条件の調整が困難となるのみならず、経済的な負担の増すこととなるし、性能的にも剥離力が軽くなりすぎるため、焼成時にケービングが発生する原因ともなる。
易剥離性層を構成する易剥離処理剤としては、例えばシリコーン系樹脂、各種ワックス類、アルキッド樹脂及びアルキッド変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フッ素系樹脂、長鎖アルキルペンダント型剥離剤等が挙げられるが、特に好ましいのは付加反応型のシリコーンである。
なお、工程紙の易剥離性面の易剥離性を数値で規定することは、工程紙面とパン表面の界面の剥離力を正確に測定できる直接的な測定手段がないので、その剥離し易さを正確に数値化することはできないが、焼成パンからきれいに剥がれて、なお、焼成時にケービングが生起していないような適度の易剥離性を有する本発明の工程紙について、通常の粘着剤と剥離紙間の剥離力の測定方法に準じて以下の測定方法によって工程紙の易剥離処理面と粘着剤層の間の剥離力を測定してみた。
<剥離力の測定例>
離型性工程紙を幅方向230mm×流れ方向320mmの大きさに切る。ガラス板の上に剥離力測定面を上にして置き、Wet塗布厚さが150μmなるように固定式150μmアプリケーターを用い粘着剤「オリバインBPS8170」〔東洋インキ製造(株)〕を塗布する。次いで、これを100℃の熱風循環式乾燥機に入れて3分間乾燥する。
次に、室温にて放冷後、ガラス板の上に粘着剤塗布面を上にして置き、厚さ25μmのPETフィルム(東レ社製、「ルミラーS10」)をハンドゴムローラーで貼り合わせる。貼り合わせたセパレート紙を温度23℃、湿度50%環境下にて24時間シーズニングする。
次に、貼り合わせたセパレート紙を幅方向200mm×流れ方向50mmの大きさにカットし、引張試験機(ORIENTEC製 型式:RTC−1210A)を用いてPETフィルム側を180°に折り返して、引張速度0.3m/minで剥離力を測定する。
上記の測定方法によれば、本発明の好ましい工程紙の離型性面の剥離力は、0.1〜2.7N/50mmの範囲であり、剥離力が0.1N/50mmを下回るように軽くなると(例えば、後記比較例2の場合は、上記測定法に基づく剥離力の数値が0.08N/50mmとなる)、焼成時にケービングが生起して十分に膨らんだパンが得られないことが判明した。参考のために、後記実施例及び比較例で作成されている工程紙の易剥離性面の剥離力の数値をも表1に示した。
易剥離処理剤を塗布する方法としては、スプレー塗布、バーコーター、グラビアコーター、キスコーター、エアーナイフ、ブレードコーター、コンマコーター、ダイコーター、ロールコーター等が挙げられ、特に限定するものではない。
本発明の電極式製パン用の易剥離性を有する工程紙の易剥離処理剤塗布工程の乾燥温度、加工速度等の条件は、工程紙用の紙基材の厚さや得られる工程紙の使用目的に応じて適宜設定される。
乾燥温度は、50〜200℃が好ましい。また、製造ライン速度は、100〜500m/分が好ましい。
本発明の電極式製パン法用の工程紙のサイズは、作業性に応じて焼成容器のサイズに合わせたサイズとされる。焼成容器への工程紙のセット方法は、焼成容器が長方形の箱型であれば、例えば、図1に示すように、容器の電極板上端縁に引っ掛けることができるような形態であることが望ましいが、限定するものではない。
焼成容器の形状、サイズに合わせた工程紙を準備する際には、パン焼成前後の作業性を考慮し、予めセットし易い様に罫線(折れ線)もしくはミシン目等を入れておくことが望ましい。罫線やミシン目を入れる方法としては自動打ち抜き機(トムソン式)、ロータリー式、手差し機(ビクorビクトリア)等が挙げられ、特に限定するものではない。
本発明の電極式製パン法用の工程紙は、焼成容器にセットされるが、図1に示すように、具体的には以下のように使用される。
先ず、電極式の容器中の電極板の内側となるように工程紙を挿入する。工程紙は容器内空間側が易剥離性面となるように挿入される。この時、予め工程紙を水に浸しておくと容器内面との接着状態がよくなり導電性の面で効果的である。
次に、パン生地を工程紙の易剥離性面上に投入し、その状態で通電される。交流電流計の表示が下がった時が焼き上がりとなる。例えば、200Vの電圧で交流電流計の表示が13〜14A(アンペア)であったものが3〜4Aに下がった時が焼き上がりとなる。ここまでが約14分の工程となる。
焼き上がった生パンを容器から取り出す時は、工程紙に包み込んだ状態で取り出し、そのまま熟成工程に搬送して熟成棚に載置する。
熟成後、生パンから工程紙を剥がし取り、可能であれば再利用に供する。取り出された生パンは粉砕機にかけられ、所望の粒子径のパン粉が調製される。
本発明を以下の実施例及び比較例に従って説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
<実施例1>
工程紙用の紙基材として、米坪37.2g/mの中性未晒片艶原紙を抄造した。
別に、信越化学工業株式会社製のシリコーン主剤〔商品名「KS−778E」〕と硬化剤〔商品名「PL−56」〕を100:1の割合で混合し、トルエンで濃度が8質量%になるように希釈して塗布液を調製し、該塗布液を原紙の艶面に乾燥質量1.1g/mとなるように塗布して易剥離性面を有する工程紙を作成した。
<比較例1>
工程紙用の紙基材として、米坪38.6g/mの中性未晒片艶原紙を抄造した。
この原紙の艶面に、目止め剤〔日本合成化学製、商品名「ゴーセナールT330」〕を温水で希釈して濃度7.5質量%に調製した塗布液を乾燥質量1.25g/mとなるように塗布して目止め層を形成した。この目止め層を形成した艶面に実施例1と同様に調製した剥離剤塗布液を乾燥質量1.1g/mとなるように塗布して易剥離性面を有する工程紙を製造した。
<比較例2>
工程紙用紙基材として、染料着色グラシン紙〔米坪81.7g/m、王子特殊紙(株)製、商品名「特SLブルー」〕を用意した。この紙基材の片面に実施例1と同様の易剥離処理剤をトルエンで希釈して調製した濃度10質量%の塗布液を乾燥質量0.95g/mとなるように塗布して易剥離性面を有する工程紙を製造した。
<比較例3>
工程紙用紙基材としてグラシン紙〔米坪31.8g/m、王子特殊紙(株)製、商品名「厚口グラシン」〕を用意した。この紙基材の片面に、実施例1で使用したものと同様の易剥離処理剤をトルエンで希釈して調製した濃度8質量%の塗布液を乾燥質量0.65g/mとなるように塗布して易剥離性面を有する工程紙を製造した。
<比較例4>
工程紙用紙基材としてのグラシン紙〔米坪41.6g/m、王子特殊紙(株)製、商品名「クリスラップ」〕を用意した。この紙基材の片面に、実施例1で使用したものと同様の易剥離処理剤をトルエンで希釈して調製した濃度8質量%の塗布液を乾燥質量0.65g/mとなるように塗布して易剥離性面を形成した工程紙を製造した。
<比較例5>
工程紙用紙基材としてのグラシン紙〔米坪43.7g/m、王子特殊紙(株)製、商品名「クリスラップ」〕を用意した。この紙基材の片面に、実施例1で使用したものと同様の易剥離処理剤をトルエンで希釈して調製した濃度11質量%の塗布液を乾燥質量0.45g/mとなるように塗布して易剥離性面を形成した工程紙を製造した。
<比較例6>
工程紙用紙基材としてのグラシン紙〔米坪45.7g/m、王子特殊紙(株)製、商品名「クリスラップ」〕を用意した。この紙基材の片面に、実施例1で使用したものと同様の易剥離処理剤をトルエンで希釈して調製した濃度11質量%の塗布液を乾燥質量0.95g/mとなるように塗布して易剥離性面を形成した工程紙を製造した。
次に、打ち抜き工程で直径2mmの穴を前後左右30mmピッチにて穴をあけて、易剥離性面を形成した工程紙を製造した。
<比較例7>
工程紙用紙基材として板紙〔米坪420.6g/m、王子特殊紙(株)製、商品名「ファインプレス原紙(S)」〕を用意した。この紙基材の片面に、実施例1で使用したものと同様の易剥離処理剤をトルエンで希釈して調製した濃度12質量%の塗布液を乾燥質量1.8g/mとなるように塗布して易剥離性面を形成した工程紙を製造した。
<比較例8>
上質紙〔厚さ:118μm、王子特殊紙(株)製、商品名「SPE110」〕の片面に、熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製 「ノバテックLC607K」)をエクストルージョンラミネート法(Tダイ押出し機)によりラミネートしてラミネート紙を得た。
このラミネート紙の片面に、実施例1で使用したものと同様の易剥離処理剤をトルエンで希釈して調製した濃度7質量%の塗布液を乾燥質量0.45g/mとなるように塗布して易剥離性面を形成した工程紙を製造した。
上記実施例及び比較例で作成した工程紙を、600mm×1035mmの大きさに裁断し、業務用の電極式製パン機(角谷鉄工所製)の電極式焼成容器に図1に示すようにセットし、パン生地を投入した後、200V、14Aの電流を通じて焼成を開始し、電流計が4Aまで低下した時点を焼成終了時とした。
次いで、焼成容器から焼き上がりパンを工程紙に包み込んだ状態で取り出し、熟成棚にそのまま載置して24時間熟成処理を行い、熟成処理終了後にパンから工程紙を剥離して製品パンを得た。
実施例及び各比較例の工程紙の物性値、それらを電極式製パン機用の工程紙として使用した場合の評価結果を表1に示す。
なお、各工程紙における紙基材の各物性値の測定法と、電極式製パン機用の工程紙としての評価基準は以下のとおりである。
(1)吸水度:吸水度をJIS P 8140に準じて測定した。
測定面は易剥離処理面の反対面(電極板に触れる面)とした。
(2)透湿度:JIS Z 0208に準じて測定した。
(3)引裂き強さ:JIS P 8113に準じて測定した。
(4)工程紙の易剥離性
熟成が終了したパンを工程紙が包んでいる状態で、パンから工程紙を剥離した際の製品パンの表面状態及び工程紙の易剥離性面の状態の良し悪しを目視評価し、工程紙面にパン表面が剥離して付着しているか、又は工程紙側の破損部がパン表面に付着していることが全く認めされないものを○とし、付着が認められるものを×とした。
(5)薬品の溶出
工程紙に使用されている着色剤や目止め剤等の薬品が溶出して焼き上がりパンに付着しているかどうかを工程紙面とパンの外面状態を目視評価し、溶出していると判断できないものを○とし、溶出していると判断できるものを×とした。
(6)工程紙の強度
熟成工程後にパンから剥離した工程紙の状態を目視評価し、紙基材自体の破れ箇所が全くないものを○、わずかでも認められるものを×とした。
(7)工程紙の色調
熟成工程後にパンから剥離した工程紙の表面に色調が、焼き上がりパンの表面の色調と明確に区別できるものである場合を○とし、同色系統である場合を×とした。
(8)導電性
焼成工程で、200Vの電圧で交流電流計の表示が最初14A(アンペア)であったものが14分後に4Aに下がる変化を示す場合を導電性がよい標準状態で焼成が行われたものとして○とし、交流電流計の表示が標準状態となるまでの時間が14分を超えて長くなる場合を×評価とした。
(9)パンの焼成時間
業務用の電極式パン焼き機(角谷鉄工所製)でテストを実施し、200Vの電圧で交流電流計の表示を最初14A(アンペア)として設定して焼成を行い、電流計の表示が4Aとなるまでの時間を測定した。
(10)工程紙をはがした後の生パンの膨らみ、表面状態がいずれも正常であるものを○とし、膨らみが不十分であるか、表面剥がれや工程紙片の付着があるものを×とした。
なお、電極式製パン法により生パンを製造し、パン粉とするまでの全手順は以下のとおりである。
1.原料計量
2.原料前処理
3.生地混合
4.第一発酵
5.分割
6.丸め
7.ベンチ(ベンチタイム とも言う。生地を休ませ回復させる)
8.成型
9.第二発酵
10.焼成(通電加熱、工程紙ごと焼成生パンの取り出し)
11.熟成(工程紙ごとの焼成パンの冷却)
12.粉砕
本発明の易剥離性工程紙が使用される生パンの製造工程は、上記一連の工程のうち、「8.成形」で焼成容器にパン生地を投入し状態を整える段階から、「9.第二醗酵」を経て「10.焼成」で焼成され「11.熟成(冷却)」が終了して工程紙がパンから剥離される段階までであり、熟成後に工程紙が剥がされた生パンは粉砕工程に送られて粉砕処理し、生パン粉とされる。
実施例及び比較例で作成した易剥離性面が形成されている工程紙の各種物性値とそれらの実用性の評価結果を表1に示す。
Figure 0005043057
表1の結果から、未晒パルプ又は半晒パルプをベースとして抄造されている地色が茶系乃至黄土色の無サイズ中性紙からなる片艶紙を紙基材として作成されている実施例の工程紙は、請求項1の本発明の工程紙が備えるべき要件を全て満たしていることに基づいて、従来の工程紙を使用しない焼成容器を使用した焼成方法と同等の焼き上がり状態のパンを焼成することができる。また、焼成容器内にパン生地と一緒に投入されて容器内面とパン生地が直接接触することを防止し、焼成処理後は、焼き上がりパンと一緒に焼成容器から取り出され、パンを包み込んだ状態のまま熟成工程に送られて焼き上がりパンが熟成装置内機材と直接接触することを防止し、熟成処理後には、生成パンから綺麗に剥離される、という役割を果たすことに基づいて、パン生地や生成パンが焼成容器等に付着することに起因するパン原料や焼成パンの歩留まりを良くするとともに、焼成工程から熟成工程への焼き上がりパンの移送作業を簡素化し、また、両工程の各種機材へのパン片の付着を防いでそれらの保守管理作業を軽減する効果を奏する。
これに対して、紙基材の地色が白色系である場合(比較例3〜8)は熟成済みのパンから剥離した工程紙面にパン片が付着しているかどうかの判別がしにくく、工程紙の再利用可能性の判断の妨げとなることから「紙の色調」評価が×となるし、工程紙基材の透湿度と吸水度のいずれか又は双方の数値が低く過ぎる場合(比較例4,7,8)は、導電性の低い工程紙となる結果、十分な焼成が達成されない。
また、紙基材が着色剤や目止め剤を使用している場合(比較例1)は、それらの物質が焼成工程や熟成工程における雰囲気下で溶出して製品パンを汚染する原因となるという不都合がある。
以上のように、請求項1に規定する要件のいずれかを欠く比較例2〜8の工程紙に見られるように、電極式製パン法用の工程紙として本発明の工程紙と同等の作用効果は期待できない。
本発明の電極式製パン法用の工程紙は、電極式焼成容器内にパン生地と一緒に投入されて容器内面とパン生地が直接接触することを防止する役割を果たし、焼成処理後は、焼き上がりパンと一緒に焼成容器から取り出され、そのまま熟成工程に送られて熟成処理される焼き上がりパンに随伴して熟成装置に入り、熟成装置内機材と焼き上がりパンとが直接接触することを防止する役割を果たし、熟成処理後には、生成パンから綺麗に剥離される、という役割を果たすので、従来の電極式製パン法によるパン粉用の生パン乃至白パンの製造工程を高効率かすることが可能である。

Claims (4)

  1. 未晒パルプ又は半晒パルプをベースとして抄造されている、密度が0.6〜1.0g/mで、JIS Z 0208に基づいて測定される透湿度が2800g/m・24hr以上であり、かつ、JIS P 8140に基づいて測定されるコブ吸水度が2.5g/m以上である無サイズ中性紙からなる片艶紙であって、その艶面が易剥離処理剤塗布面であることを特徴とする、電極式製パン用工程紙。
  2. JIS P 8113に基づいて測定される引き裂き強さ(縦/横)が200/200mN以上であることを特徴とする、請求項1記載の電極式製パン用工程紙。
  3. 前記易剥離処理剤塗布面が、シリコーン剥離剤塗布面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電極式製パン用工程紙。
  4. 電極式製パン機により生パンを製造する方法であって、容器内面に一対の電極板を有する電極式製パン用焼成容器内に、未晒パルプ又は半晒パルプをベースとして抄造されている、密度が0.6〜1.0g/mで、JIS Z 0208に基づいて測定される透湿度が2800g/m・24hr以上であり、かつ、JIS P 8140に基づいて測定されるコブ吸水度が2.5g/m以上である無サイズ中性紙からなる片艶紙であってその艶面が易剥離処理剤塗布面である電極式製パン用工程紙を敷き詰め、該工程紙の易剥離処理剤塗布面上にパン生地を投入して通電し、ジュール熱によりパン生地を加熱焼成する工程、該焼成工程から焼き上がりパンを工程紙に包んだ状態で一緒に取り出して焼き上がりパンの熟成工程に移送する移送工程、該工程紙に包んだ状態の焼き上がりパンをそのままの状態で熟成処理する熟成工程、該熟成工程から工程紙に包んだ状態の熟成済みパンを取り出し、熟成済パンから工程紙を剥ぎ取る工程、からなる、電極式製パン法による生パン製造方法。
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