JP5809330B2 - 超速効型インスリン組成物 - Google Patents
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Description
米国仮特許出願第61/125,835号(発明者:Gregory Frost、Igor Bilinsky、Daniel VaughnおよびBarry Sugarman;発明の名称「SUPER FAST-ACTING INSULIN COMPOSITIONS」;出願日2008年4月28日)および米国仮特許出願第61/127,044号(発明者:Gregory Frost、Igor Bilinsky、Daniel VaughnおよびBarry Sugarman;発明の名称「SUPER FAST-ACTING INSULIN COMPOSITIONS」;出願日2008年5月9日)に基づく優先権の利益を主張する。
非経口投与用に製剤化された速効型インスリン組成物およびヒアルロナン分解酵素組成物を含有する組合せ、組成物およびキットを提供する。これらの物品はインスリン処置が可能な疾患または状態を処置する方法に使用することができる。インスリンおよびヒアルロナン分解酵素を投与するための方法も提供する。
糖尿病では、膵臓が十分な量のインスリンを産生できないか、細胞がインスリンを適切に合成および放出することができないために、慢性的高血糖が起こる。高血糖は危篤患者でも起こる場合があり、死亡率および罹病率の増加をもたらす。インスリンは、例えば1型糖尿病、2型糖尿病および妊娠糖尿病を含む糖尿病を持つ患者を処置するための治療薬として、正常個体で起こる内因性インスリン応答を模倣するために投与されてきた。インスリンは、高血糖の危篤患者にも、血中グルコースレベルを管理するために投与されてきた。
速効型組成物と比較して、より迅速に作用しかつ/または予め設定された期間中の全身曝露を増加させることができる、超速効型インスリン組成物を提供する。したがって超速効型インスリン組成物が提供される。本組成物は、治療有効量の速効型インスリンと、組成物を超速効型にする量のヒアルロナン分解酵素とを含有する。本組成物は、皮下投与、皮内投与または筋肉内投与などの非経口投与用に製剤化される。インスリン投薬量(投与される量)は、血糖管理を達成するのに足りる量によって決定することができ、これは実験的に、例えばグルコース負荷などによって、決定することができる。通例、処置の目標は、血糖管理を達成することができる最低量のインスリンを投与して、高血糖事象および/または低血糖事象の数を減少させることである。超速効型インスリン組成物に使用されるインスリンは低用量であるため、糖尿病対象における体重増加および肥満のリスクが低下しうる。本組成物は、任意の適切な容器または輸送手段(vehicle)に入れて、例えば滅菌バイアル、シリンジ、カートリッジ、インスリンペン、インスリンポンプに入れて、またはクローズドループシステムリザーバに入れて提供することができる。
a)ヒアルロナン分解酵素の非存在下に同じ方法で速効型インスリンを投与した後に得られる血中インスリン濃度の最大増加よりも少なくともまたは約20%〜30%高い血中インスリン濃度の最大増加を得る、および/または
b)最大血中インスリン濃度に到達するのに要する時間を、ヒアルロナン分解酵素の非存在下に同じ方法で速効型インスリンを投与した場合に最大血中インスリン濃度に到達するのに要する時間の80%以下にまで減少させる、および/または
c)投与15分後のインスリン濃度を、少なくともまたは約50、60、70、80、90または100pmol/L増加させる
のに十分な量で投与される方法を提供する。
a)ヒアルロナン分解酵素の量は、投与される速効型インスリンを超速効型インスリンにするのに十分な量であり;
b)速効型インスリンの投薬量は、ヒアルロナン分解酵素の存在下に同じ方法で投与された、より高い投薬量の同じ速効型インスリンと、投与後最初の40分以内に、実質的に同程度の食事時グルコースクリアランスを達成する。
超速効型インスリン組成物中の速効型インスリンの投薬量は、より高用量の速効型インスリンと比較して、食後低血糖および肥満を引き起こす傾向が低い。典型的な実施形態では、糖尿病対象が2型糖尿病を持ち、対象に投与される速効型インスリンの量は、その速効型インスリンがヒアルロナン分解酵素の非存在下に同じ方法で投与される場合と比較して、減らされる。例えば2型糖尿病対象に投与される速効型インスリンの量は、少なくともまたは約5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%またはそれ以上減らすことができる。
a)超速効型インスリン組成物が、治療有効量の速効型インスリンとヒアルロナン分解酵素とを含み;
b)速効型インスリンがレギュラーインスリンであり;
c)該投薬量が、ヒアルロナン分解酵素の非存在下に同じ投与経路で投与される同じ投薬量またはより高い投薬量の同じ速効型レギュラーインスリンよりも食事時間に近い時点で投与されるか、またはそのような時点での食事時投与または食前投与が推奨され;
d)該投薬量の超速効型インスリン組成物が、ヒアルロナン分解酵素を伴わない速効型レギュラーインスリンと少なくとも同じ治療効果を持つ、
方法も提供する。
摘要
A.定義
B.「超速効型」インスリン
1.インスリン、糖尿病および既存の速効型インスリン治療の概観
2.超速効型インスリン組成物の薬力学および薬物動態
C.インスリンポリペプチドおよびインスリン製剤
D.ヒアルロナン分解酵素
1.ヒアルロニダーゼ
a.哺乳類型ヒアルロニダーゼ
b.細菌ヒアルロニダーゼ
c.ヒル、他の寄生生物および甲殻類に由来するヒアルロニダーゼ
2.他のヒアルロナン分解酵素
3.可溶性ヒアルロナン分解酵素
a.可溶性ヒトPH20
b.組換え可溶性ヒトPH20(rHuPH20)
4.ヒアルロナン分解酵素のグリコシル化
5.ヒアルロナン分解酵素の修飾によるその薬物動態特性の改良
E.可溶性ヒアルロニダーゼをコードする核酸およびそのポリペプチドを作製する方法
1.ベクターおよび細胞
2.リンカー部分
3.発現
a.原核細胞
b.酵母細胞
c.昆虫細胞
d.哺乳動物細胞
e.植物
4.精製技法
F.インスリンおよび可溶性ヒアルロニダーゼポリペプチドの製造、製剤および投与
1.製剤
凍結乾燥粉末
2.投薬量および投与
投与様式
a.シリンジ
b.インスリンペン
c.インスリンポンプおよび他のインスリン送達器具
d.クローズドループシステム
G.活性、バイオアベイラビリティおよび薬物動態を評価する方法
1.薬物動態、薬力学および認容性
2.生物学的活性
a.インスリン
b.ヒアルロナン分解酵素
H.治療用途
1.真性糖尿病(Diabetes Mellitus)
a.1型糖尿病
b.2型糖尿病
c.妊娠糖尿病
2.重篤患者のインスリン治療
I.併用治療
J.製品およびキット
K.実施例
別段の定義をしない限り、本明細書において使用する技術用語および科学用語は全て、本発明が属する技術分野の当業者に共通して理解されているものと同じ意味を持つ。本明細書の全体にわたって言及する特許、特許出願、出願公開および刊行物、Genbank配列、データベース、ウェブサイトおよび他の公表された資料はいずれも、別段の注記がない限り、引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。用語に関する定義が本明細書に複数存在する場合は、この項における定義が優先される。URLまたは他の同様の識別子もしくはアドレスに言及する場合、そのような識別子は変更されることがあり、インターネット上の特定情報は移り変わることがあるが、インターネットを検索することによって等価な情報を見つけ出すことができると理解される。それらへの言及は、そのような情報が入手可能であることおよび公に流布されていることを証明している。
表1:対応表
本発明は、超速効型インスリンの組合せおよび組成物を提供する。超速効型インスリン組成物は、投与前または投与時に、速効型インスリンとヒアルロナン分解酵素とを組み合わせることによって得られる。今までに速効型インスリンが適応とされているものと同じ疾患および状態、例えば真性糖尿病(高血糖を管理するため)、ならびに他の疾患および状態を処置するための方法、およびそのための超速効型インスリン組成物の使用も提供する。速効型インスリン(例えばHumalog(登録商標)インスリンリスプロおよびHumulin(登録商標)Rインスリン)は、第1相食事時インスリン放出の内因性インスリンスパイクを十分には模倣しない。速効型インスリンをヒアルロナン分解酵素と組み合わせることにより、本明細書に記載する方法、組成物および組合せは、非糖尿病対象の内因性(すなわち自然の)食後インスリン放出を、より綿密に模倣する超速効型インスリン組成物を与えることを、ここに見いだした。
インスリンは膵臓によって分泌される天然ポリペプチドホルモンである。インスリンは、血液からグルコースを効果的に取り込んで使用するために、身体の細胞によって必要とされる。グルコースは細胞機能を実行するための主たるエネルギー基質である。糖質ホメオスタシスの一次調整物質(primary modulator)であることに加えて、インスリンは脂肪代謝にも影響を及ぼす。これは、とりわけ貯蔵脂肪を放出させる肝臓および脂肪組織の能力を変化させることができる。インスリンは、例えば限定するわけではないが、脂質合成の増加、脂質分解の減少、タンパク質合成の増加、グルコース代謝におけるキー酵素およびキープロセスの調節(例えばグルコース取込み刺激、グルコース酸化刺激、グリコーゲン合成の増加およびグリコーゲン分解の減少)など、体中でさまざまな薬力学的効果を持つ。
速効型インスリンとヒアルロナン分解酵素との組合せは、その速効型インスリンの吸収を増加させ、その結果、より迅速な血清中インスリン濃度の上昇(すなわち、より迅速な吸収速度)および薬理作用をもたらすことが、ここに見いだされた。したがって、速効型インスリンとヒアルロナン分解酵素との組合せは、非経口(すなわち非静脈内)ボーラス投与(例えば皮下(SC)、筋肉内(IM)、腹腔内(IP)、または皮内(ID)投与経路による非経口投与など)後に血中グルコースの迅速な上昇を達成する能力を持つ、超速効型インスリン組成物をもたらす。
インスリンは、分子量5808ダルトンの51アミノ酸残基から構成されるポリペプチドである。これは膵臓中のランゲルハンスβ細胞島で産生される。典型的なヒトインスリンは、ERに向かう24アミノ酸シグナルペプチドを含有する110アミノ酸前駆体ポリペプチド、プレプロインスリン(配列番号101)として翻訳され、シグナル配列が切断されてプロインスリン(配列番号102)をもたらす。プロインスリン分子は、次に、プロホルモン変換酵素(PC1およびPC2)と呼ばれるタンパク質分解酵素の作用およびエキソプロテアーゼカルボキシペプチダーゼEの作用によって、成熟インスリンに変換される。これにより、4つの塩基性アミノ酸残基と、残っている31アミノ酸のC-ペプチド、すなわち連結鎖(配列番号101に記載するプレプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基57〜87に相当)とが除去される。結果として生じるインスリンは、21アミノ酸のA鎖(配列番号102に記載するプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基90〜110に相当)と、30アミノ酸のB鎖(配列番号102に記載するプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基1〜30に相当)とを含有し、それらがジスルフィド結合で架橋されている。通例、成熟インスリンは3つのジスルフィド橋を含有し、1つはA鎖の位置7とB鎖の位置7の間、2つ目はA鎖の位置20とB鎖の位置19の間、そして3つ目はA鎖の位置6と11の間にある。成熟インスリンのA鎖の配列を配列番号103に記載し、B鎖の配列を配列番号104に記載する。
本発明は、速効型インスリンと可溶性ヒアルロナン分解酵素とを含有する超速効型インスリン組成物を提供する。一般に、これらの超速効型インスリン組成物は、皮下投与に続いて吸収され、30分以内に血中で検出可能になり、作用を発現する。本明細書に記載する超速効型インスリン組成物を得るために使用することができる速効型インスリンには、野生型または天然型インスリンであるレギュラーインスリンが含まれる。速効型インスリンにはインスリン類似体も含まれる。速効型インスリンは、基礎作用型インスリンと比較して吸収速度が速いので、主として食後管理用に使用される。典型的な速効型インスリンを下記表3に記載する。また、速効型インスリンには、例えば限定するわけではないが、米国特許第7279457号および米国特許出願公開第20070235365号、同第20080039368号、同第20080039365号、同第20070086952号、同第20070244467号、および同第20070191757号に開示されている任意のインスリン調製物および器具など、当技術分野で知られるものはどれでも包含される。ヒアルロナン分解酵素との共製剤化および/または共投与により、任意の速効型インスリンを超速効型にすることができる。超速効型インスリン組成物製剤は、ヒアルロナン分解酵素の他に速効型インスリンと中間型または持効型インスリンとの混合物を、さらに含むこともできる。
レギュラーインスリンには、天然型または野生型インスリンポリペプチドを含む製剤が含まれる。これらには、ヒトインスリン、ならびにウシ、ブタおよび他の種に由来するインスリンが含まれる。そのようなインスリンは酸性pH(例えば2.5〜3.5)で調製することができるか、または中性pH(例えば7.0〜7.8)で調製することができる。レギュラーインスリンには、亜鉛を含有するものも含まれる。通例、レギュラーインスリン調製物中の亜鉛含有量は0.01〜0.04mg/100単位またはその前後の範囲にある。レギュラーヒトインスリンはHumulin(登録商標)R、Novolin(登録商標)RおよびVelosulin(登録商標)として販売されている。ブタインスリンはIletin II(登録商標)として販売されている。一般にレギュラーインスリンは皮下投与の30分後に作用が発現する。最大血漿中レベルは1〜3時間で認められ、強度の持続時間(duration of intensity)は投薬量と共に増加する。皮下投与後の血漿中半減期は約1.5時間である。
速効型インスリン類似体は、通例、1つ以上のアミノ酸変異を含有する改変型インスリンである。類似体は、レギュラーインスリンと比較して吸収速度を増加させ、作用発現を速める目的で、インスリン分子の自己会合が減少するように設計される。一般にそのような類似体は亜鉛の存在下で製剤化されるので、安定な亜鉛六量体として存在する。しかし、その改変ゆえに、これらは皮下投与後にレギュラーインスリンよりも迅速に六量体状態から解離する。
ヒトインスリンリスプロは、B鎖の位置28および29にアミノ酸変異を含有して、配列番号104に記載する野生型インスリンB鎖のこの位置にあるPro-LysがLys-Proに逆位している、インスリンポリペプチド製剤である。インスリンリスプロの配列を配列番号103(A鎖)および配列番号148(B鎖)に記載する。これはHumalog(登録商標)という名称で販売されている。これら2つのアミノ酸の逆位の結果は、自己会合傾向が減少していて、そのことが、より迅速な作用の発現を可能にする、ポリペプチドである。具体的に述べると、B鎖における配列逆位は、2つの疎水性相互作用の排除と、二量体を安定化する2つのβプリーツシートの弱化をもたらす(例えば「Ellenberg and Rifkin's Diabetes Mellitus」中のDeFelippisら(2002)「Insulin Chemistry and Pharmacokinetics」(481〜500頁)McGraw-Hill Professional参照)。このポリペプチドは、製剤中に用意される賦形剤、例えば抗微生物剤(例:m-クレゾール)および安定化のための亜鉛の結果として、自己会合し、六量体を形成する。それでもなお、そのアミノ酸改変ゆえに、インスリンリスプロはレギュラーインスリンより迅速に作用する。
ヒトインスリンアスパルトは、配列番号104に記載するヒトインスリンのB鎖の位置28にプロリンからアスパラギン酸へのアミノ酸置換を含有するインスリンポリペプチド製剤である。インスリンアスパルトの配列を配列番号103(A鎖)および配列番号147(B鎖)に記載する。これはNovolog(登録商標)という名称で販売されている。インスリンアスパルトにおける改変は、負に帯電した側鎖カルボキシル基を付与して、電荷斥力を生じさせ、単量体-単量体相互作用を不安定にする。さらに、プロリンの除去により、単量体間の重要な疎水性相互作用が排除される(例えば「Ellenberg and Rifkin's Diabetes Mellitus」中のDeFelippisら(2002)「Insulin Chemistry and Pharmacokinetics」(481〜500頁)McGraw-Hill Professional参照)。この類似体は大部分が単量体として存在し、リスプロなどの他の速効型類似体と比較して凝集しにくい。一般に、インスリンアスパルトとインスリンリスプロは、各々の薬物動態的性質および薬力学的性質が似ている。
ヒトインスリングルリジンは、配列番号104に記載するヒトインスリンのB鎖の配列と比較して、B鎖の位置B3にアスパラギンからリジンへのアミノ酸置換を含有し、アミノ酸B29にリジンからグルタミン酸へのアミノ酸置換を含有する、インスリンポリペプチド製剤である。インスリングルリジンの配列を配列番号103(A鎖)および配列番号149(B鎖)に記載する。これはApidra(登録商標)という名称で販売されている。この改変は、そのポリペプチド分子を、ヒトインスリンと比較して自己会合しにくくする。他のインスリン類似体とは異なり、このポリペプチドは、六量体を増進する亜鉛の非存在下で、商業的に製剤化される(Beckerら (2008) Clinical Pharmacokinetics, 47:7-20)。したがってインスリングルリジンは、インスリンリスプロおよびインスリンアスパルトより早い発現速度を持つ。
本発明は、超速効型インスリン組成物および速効型インスリンとヒアルロナン(ヒアルロン酸)分解酵素との組合せによって得られる組合せ、ならびにインスリンが媒介する疾患および状態の処置にそのような組成物および組合せを使用する方法を提供する。ヒアルロナン分解酵素には、ヒアルロナンを分解する任意の酵素が含まれる。典型的なヒアルロナン分解酵素には、ヒアルロニダーゼ、特にコンドロイチナーゼ、およびヒアルロナンを切断する能力を持つリアーゼが含まれるが、これらに限るわけではない。したがって、本明細書に記載する方法および使用がヒアルロニダーゼとインスリンの併用を示す場合は、任意のヒアルロナン分解酵素を使用することができる。本明細書に記載する組成物、組合せおよび方法におけるヒアルロナン分解酵素の典型例は、可溶性ヒアルロナン分解酵素である。ヒアルロニダーゼなどのヒアルロナン分解酵素が持つ、細胞外マトリックス中のヒアルロン酸を分解するという能力ゆえに、そのような酵素は治療剤の投与を容易にする。例えば、皮下投与などによってヒアルロナン分解酵素と共投与される治療薬の吸収および分散は増加する。
ヒアルロニダーゼは、ヒアルロナン分解酵素の大きなファミリーである。ヒアルロニダーゼには3つの一般クラス、すなわち哺乳類型ヒアルロニダーゼ、細菌ヒアルロニダーゼ、ならびにヒル、他の寄生生物および甲殻類に由来するヒアルロニダーゼがある。本発明の組成物、組合せおよび方法では、それらの酵素を使用することができる。
哺乳類型ヒアルロニダーゼ(EC3.2.1.35)は、ヒアルロナンのβ1→4グリコシド結合を例えば四糖および六糖などのさまざまなオリゴ糖長に加水分解するエンド-β-N-アセチル-ヘキソサミニダーゼである。これらの酵素は加水分解活性とトランスグリコシダーゼ活性の両方を持ち、ヒアルロナンおよびコンドロイチン硫酸(CS)、一般的にはC4-SおよびC6-Sを分解することができる。このタイプのヒアルロニダーゼには、例えばウシ(ウシ属(bovine))(配列番号10、11および64ならびにBH55(米国特許第5,747,027号および同第5,827,721号))、ヒツジ(ovis aries)(配列番号26、27、63および65)、スズメバチ(配列番号12および13)、ミツバチ(配列番号14)、クロスズメバチ(配列番号15)、アシナガバチ(配列番号16)、マウス(配列番号17〜19、32)、ブタ(配列番号20〜21)、ラット(配列番号22〜24、31)、ウサギ(配列番号25)、オランウータン(配列番号28)、カニクイザル(配列番号29)、モルモット(配列番号30)に由来するヒアルロニダーゼ、およびヒトヒアルロニダーゼなどがあるが、これらに限るわけではない。本明細書に記載する組成物、組合せおよび方法におけるヒアルロニダーゼの典型例は可溶性ヒアルロニダーゼである。
PH20は、他の哺乳類ヒアルロニダーゼと同様に、ヒアルロン酸のβ1→4グリコシド結合を例えば四糖および六糖などのさまざまなオリゴ糖長に加水分解するエンド-β-N-アセチル-ヘキソサミニダーゼである。これらは加水分解活性とトランスグリコシダーゼ活性の両方を持ち、ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸、例えばC4-SおよびC6-Sを分解することができる。PH20は、本来、精子-卵子接着に関与し、ヒアルロン酸を消化することにより、精子が卵丘細胞の層を貫通するのを助ける。PH20は精子表面上およびリソソーム由来の先体(この場合は先体内膜に結合している)中に位置する。形質膜PH20が中性pHでしかヒアルロニダーゼ活性を持たないのに対して、先体内膜PH20は中性pHでも酸性pHでも活性を持つ。PH20はヒアルロニダーゼであるだけでなく、HAが誘発する細胞シグナリングの受容体、および卵母細胞を取り囲む透明帯の受容体でもあるようだ。
MGVLKFKHIFFRSFVKSSGVSQIVFTFLLIPCCLTLNFRAPPVIPNVPFLWAWNAPSEFCLGKFDEPLDMSLFSFIGSPRINATGQGVTIFYVDRLGYYPYIDSITGVTVNGGIPQKISLQDHLDKAKKDITFYMPVDNLGMAVIDWEEWRPTWARNWKPKDVYKNRSIELVQQQNVQLSLTEATEKAKQEFEKAGKDFLVETIKLGKLLRPNHLWGYYLFPDCYNHHYKKPGYNGSCFNVEIKRNDDLSWLWNESTALYPSIYLNTQQSPVAATLYVRNRVREAIRVSKIPDAKSPLPVFAYTRIVFTDQVLKFLSQDELVYTFGETVALGASGIVIWGTLSIMRSMKSCLLLDNYMETILNPYIINVTLAAKMCSQVLCQEQGVCIRKNWNSSDYLHLNPDNFAIQLEKGGKFTVRGKPTLEDLEQFSEKFYCSCYSTLSCKEKADVKDTDAVDVCIADGVCIDAFLKPPMETEEPQIFYNASPSTLSATMFIVSILFLIISSVASL。
細菌ヒアルロニダーゼ(EC4.2.2.1またはEC4.2.99.1)はヒアルロナンを分解し、コンドロイチン硫酸およびデルマタン硫酸をさまざまな程度に分解する。細菌から単離されるヒアルロナンリアーゼは、ヒアルロニダーゼ(他の供給源に由来するもの、例えばヒアルロノグルコサミニダーゼ、EC3.2.1.35)とは、その作用様式が異なる。これらは、ヒアルロナンのN-アセチル-β-D-グルコサミン残基とD-グルクロン酸残基の間のβ1→4グリコシド結合の(加水分解ではなく)脱離反応を触媒して、3-(4-デオキシ-β-D-グルカ-4-エンウロノシル)-N-アセチル-D-グルコサミン四糖および六糖(3-(4-deoxy-β-D-gluc-4-enuronosyl)-N-acetyl-D-glucosamine tetra- and hexasaccharides)、ならびに二糖最終生成物を与える、エンド-β-N-アセチルヘキソサミニダーゼである。この反応は、不飽和ヘキスロン酸残基をその非還元末端に持つオリゴ糖の形成をもたらす。
ヒル、他の寄生生物、および甲殻類に由来するヒアルロニダーゼ(EC3.2.1.36)は、四糖および六糖最終生成物を生じさせるエンド-β-グルクロニダーゼである。これらの酵素は、ヒアルロネート中のβ-D-グルクロネート残基とN-アセチル-D-グルコサミン残基の間の1→3結合の加水分解を触媒する。ヒル由来の典型的ヒアルロニダーゼには、ヒルド科(Hirudinidae)(例えばヒルド・メディシナリス(Hirudo medicinalis))、イシビル科(Erpobdellidae)(例えばネフェロプシス・オブスキュラ(Nephelopsis obscura)およびエルポデラ・パンクタタ(Erpobdella punctata))、グロシフォニ科(Glossiphoniidae)(例えばデセロデラ・ピクタ(Desserobdella picta)、ヌマビル(Helobdella stagnalis)、ヒラタビル(Glossiphonia complanata)、プラコデラ・オルナタ(Placobdella ornata)およびテロミゾン属(Theromyzon sp.))およびヘモピ科(Haemopidae)(ヘモピス・マルモラタ(Haemopis marmorata))に由来するヒアルロニダーゼがあるが、これらに限るわけではない(Hovinghら (1999) Comp Biochem Physiol B Biochem Mol Biol. 124(3):319-26)。ヒルヒアルロニダーゼと同じ作用機序を持つ細菌由来の典型的なヒアルロニダーゼは、藍色細菌シネココッカス属(Synechococcus sp.)(RCC307株)に由来するもの(配列番号97)である。
本発明の組成物、組合せおよび方法には、ヒアルロニダーゼファミリーに加えて、他のヒアルロナン分解酵素も、速効型インスリンと一緒に使用することができる。例えば、ヒアルロナンを切断する能力を持つ酵素、例えば特定のコンドロイチナーゼおよびリアーゼを、使用することができる。ヒアルロナンを分解することができる典型的コンドロイチナーゼには、コンドロイチンABCリアーゼ(コンドロイチナーゼABCとも呼ばれている)、コンドロイチンACリアーゼ(コンドロイチン硫酸リアーゼまたはコンドロイチン硫酸エリミナーゼとも呼ばれている)およびコンドロイチンCリアーゼなどがあるが、これらに限るわけではない。本発明の組成物、組合せおよび方法で使用するためのそのような酵素を製造および精製するための方法は、当技術分野では知られている(例えば米国特許第6,054,569号;Yamagataら (1968) J.Biol.Chem. 243(7):1523-1535;Yangら (1985) J.Biol.Chem. 160(30):1849-1857)。
本発明の組成物、組合せおよび方法では、可溶性ヒアルロニダーゼを含む可溶性ヒアルロナン分解酵素が提供される。可溶性ヒアルロナン分解酵素には、可溶型で存在する任意のヒアルロナン分解酵素が含まれ、例えば可溶性ヒアルロニダーゼ、例えば非ヒト可溶性ヒアルロニダーゼ(非ヒト動物可溶性ヒアルロニダーゼを含む)、細菌可溶性ヒアルロニダーゼおよびヒトヒアルロニダーゼ、Hyal1、ウシPH20およびヒツジPH20、それらの対立遺伝子変異型およびそれらの他の変異型などがあるが、これらに限るわけではない。例えば、可溶性ヒアルロナン分解酵素には、可溶性になるように改変されている任意のヒアルロナン分解酵素、例えば米国仮特許出願第61/201,384号(これは引用によりその全てが本明細書に組み込まれる)などが含まれる。例えば、GPIアンカーを含有するヒアルロナン分解酵素は、そのGPIアンカーの全部または一部を切り詰めて除去することによって、可溶性にすることができる。ある例では、通常はGPIアンカーを介して膜に固定されているヒトヒアルロニダーゼPH20を、C末端にあるGPIアンカーの全部または一部を切り詰めて除去することにより、可溶性にすることができる。
可溶性ヒアルロニダーゼの典型例は可溶性ヒトPH20である。可溶型の組換えヒトPH20は作製されており、本明細書に記載する組成物、組合せおよび方法に使用することができる。そのような可溶型PH20の作製は、米国特許出願公開第20040268425号、同第20050260186号および同第20060104968号(これらは引用によりその全てが本明細書に組み込まれる)に記載されており、下記の実施例でも説明する。例えば可溶性PH20ポリペプチドには、配列番号1のアミノ酸配列を含むか、配列番号1に含まれるアミノ酸配列に対して少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%の配列同一性を持ち、ヒアルロニダーゼ活性を保っていて、可溶性である、C末端切断型変異ポリペプチドが含まれる。これらのポリペプチドには、GPIアンカー付加シグナル配列の全部または一部を完全に欠く可溶性PH20ポリペプチドが含まれる。また、GPIアンカーのアミノ酸を少なくとも1つは含有する伸張型可溶性PH20(esPH20)ポリペプチドも含まれる。したがって、これらのポリペプチドは、ERにおいてタンパク質のC末端に共有結合されたGPIアンカーを持ち、形質膜の細胞外小葉(extracellular leaflet)に固定されるのではなく、分泌され、可溶性である。C末端切断型PH20ポリペプチドは、完全長野生型ポリペプチド、例えば配列番号1または2に記載の配列を持つ完全長野生型ポリペプチド、またはその対立遺伝子変異型もしくは種変異型、または他の変異型と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、5、60個またはそれ以上のアミノ酸が、C末端で切り詰められていてよい。
表4:典型的C末端切断型PH20ポリペプチド
ヒトPH20の組換え可溶型が作製されており、本明細書に記載する組成物、組合せおよび方法に使用することができる。組換えヒトPH20のそのような可溶型の作製は、米国特許出願公開第20040268425号、同第20050260186号および同第20060104968号に記載されており、下記実施例2〜6でも説明する。そのようなポリペプチドの典型例は、アミノ酸1〜482(配列番号3に記載するもの)をコードする核酸分子から生成するものである。そのような典型的核酸分子を配列番号49に記載する。翻訳後プロセシングにより、35アミノ酸のシグナル配列が除去されて、447アミノ酸の可溶性組換えヒトPH20(配列番号4)が残る。培養培地中に生産された状態ではC末端に不均一性が存在するので、rHuPH20と呼ばれる生成物は、配列番号4〜9のいずれか1つ以上をさまざまな存在比で含みうる分子種の混合物を含む。通例、rHuPH20は、活性が保たれるように、正しいN-グリコシル化を容易にする細胞、例えばCHO細胞(例:DG44 CHO細胞)中で生産される。
ヒアルロニダーゼを含むいくつかのヒアルロナン分解酵素のグリコシル化(N結合型グリコシル化およびO結合型グリコシル化を含む)は、それらの触媒活性および安定性にとって重要でありうる。糖タンパク質を修飾するグリカンのタイプの改変は、タンパク質の抗原性、構造のフォールディング、溶解性、および安定性に劇的な影響を持ちうるが、大半の酵素は最適な酵素活性にグリコシル化を必要とするとは考えられていない。いくつかのヒアルロニダーゼでは、N結合型グリコシル化の除去により、ヒアルロニダーゼ活性のほぼ完全な失活が起こりうる。したがって、そのようなヒアルロニダーゼにとって、活性酵素の生成にはN結合型グリカンの存在が不可欠である。
ヒアルロナン分解酵素は、その薬物動態特性を改良するために修飾して、例えば生体内半減期および/または活性を増加させることができる。本発明の組成物、組合せおよび/または方法で使用するためのヒアルロナン分解酵素の修飾には、直接的に、またはリンカーを介して間接的に、例えば共有結合により、または他の安定な結合により、デキストラン、ポリエチレングリコール(PEG化(PEG))またはシアリル部分などのポリマー、または他の同様のポリマー、例えば天然ポリマーまたは糖ポリマーなどを取り付けることを含めることができる。
本明細書に記載するインスリンおよびヒアルロナン分解酵素のポリペプチドは、当技術分野で周知のタンパク質精製方法および組換えタンパク質発現方法によって得ることができる。ポリペプチドは化学的に合成することもできる。例えばインスリンのA鎖およびB鎖を化学合成してから、それらを、例えば還元-再酸化反応などにより、ジスルフィド結合で架橋することができる。ポリペプチドを組換え手段によって製造する場合は、所望の遺伝子をコードする核酸を同定するための当業者に知られる任意の方法を使用することができる。当技術分野で利用できる任意の方法を使って、例えば細胞または組織供給源から、ヒアルロニダーゼをコードする完全長(すなわち全コード領域を包含する)cDNAまたはゲノムDNAクローンを得ることができる。改変型または変異型インスリンまたはヒアルロナン分解酵素は、野生型ポリペプチドから、部位特異的突然変異誘発法などによって工学的に作製することができる。
本明細書に記載する任意のタンパク質など、所望のタンパク質の1つ以上を組換え発現させるために、タンパク質をコードするヌクレオチド配列の全部または一部を含有する核酸を、適当な発現ベクター中に、すなわち挿入されたタンパク質コード配列の転写および翻訳に必要な要素を含有するベクター中に、挿入することができる。必要な転写および翻訳シグナルは、酵素遺伝子の天然プロモーターおよび/またはそれらの隣接領域によって供給されうる。
いくつかの例では、例えばB鎖のC末端が短いリンカーでA鎖のN末端に接合されるようになっている、リンカーを持つA鎖ポリペプチドとB鎖ポリペプチドを作製することによって、インスリンが製造される。A鎖とB鎖は、リンカーを含有する単一ポリペプチドから発現させるか、別々に発現させてからリンカーで接合することができる。リンカー部分は、所望する性質に応じて選択される。リンカー部分は、A鎖とB鎖がインスリンの天然のコンフォメーションを模倣することができるように、十分に長くフレキシブルでなければならない。リンカーは、インスリンA鎖およびB鎖に適した部分であれば、なんでもよい。そのような部分には、ペプチド性結合(peptidic linkage);アミノ酸およびペプチド結合、通例、1〜約60個のアミノ酸を含有するもの;化学的リンカー、例えばヘテロ二官能性切断可能架橋剤、光切断可能リンカー、および酸切断可能リンカーなどがあるが、これらに限るわけではない。
インスリンおよびヒアルロナン分解酵素ポリペプチドは、インビボ法およびインビトロ法を含む、当業者に知られる任意の方法によって製造することができる。所望のタンパク質は、要求される量および形態(例えば投与および処置に必要とされる量および形態)でそのタンパク質を生産するのに適した任意の生物中で発現させることができる。発現宿主には、原核生物および真核生物、例えば大腸菌、酵母、植物、昆虫細胞、哺乳動物細胞(ヒト細胞株およびトランスジェニック動物を含む)が含まれる。発現宿主は、そのタンパク質産生レベルが異なりうると共に、発現されたタンパク質上に存在する翻訳後修飾のタイプも異なりうる。発現宿主の選択は、これらの因子および他の因子、例えば調節および安全性の問題、生産コスト、ならびに精製の必要性および精製の方法などに基づいて行うことができる。
原核生物、特に大腸菌は、大量のタンパク質を生産するための系になる。大腸菌の形質転換は当業者に周知の簡便で迅速な技法である。大腸菌用の発現ベクターは誘導性プロモーターを含有することができ、そのようなプロモーターは、高レベルのタンパク質発現を誘導するのに有用であり、宿主細胞に対して何らかの毒性を示すタンパク質を発現させるのにも有用である。誘導性プロモーターの例には、lacプロモーター、trpプロモーター、ハイブリッドtacプロモーター、T7およびSP6 RNAプロモーター、ならびに温度感受性λPLプロモーターなどがある。
サッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ヤロウイア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)およびピキア・パストリス(Pichia pastoris)などの酵母は、タンパク質(例えば本明細書に記載する任意のタンパク質)の生産に使用することができる周知の酵母発現宿主である。酵母は、エピソーム複製ベクターで形質転換させるか、相同組換えによる安定染色体組込みで形質転換させることができる。通例、遺伝子発現を調節するために、誘導性プロモーターが使用される。そのようなプロモーターの例には、GAL1、GAL7およびGAL5、ならびにメタロチオネインプロモーター、例えばCUP1、AOX1、または他のピキア(Pichia)プロモーターもしくは他の酵母プロモーターがある。発現ベクターは、多くの場合、形質転換されたDNAを選択し維持するために、LEU2、TRP1、HIS3およびURA3などの選択可能マーカーを含む。酵母中で発現されたタンパク質は可溶性であることが多い。Bipなどのシャペロニン類およびタンパク質ジスルフィドイソメラーゼとの共発現により、発現レベルおよび可溶性が改善されうる。また、酵母中で発現されるタンパク質は、例えばサッカロミセス・セレビシェに由来する酵母接合型α因子分泌シグナルなどの分泌シグナルペプチド融合物、およびAga2p接合付着受容体(mating adhesion receptor)またはアークスラ・アデニニボランス(Arxula adeninivorans)グルコアミラーゼなどの酵母細胞表面タンパク質との融合物を使って、分泌するように指示することもできる。発現されたポリペプチドが分泌経路を出た時に、融合された配列を発現されたポリペプチドから除去するために、プロテアーゼ切断部位、例えばKex-2プロテアーゼの切断部位を、工学的に作ることができる。酵母はAsn-X-Ser/Thrモチーフでグリコシル化を行う能力も持つ。
昆虫細胞、特にバキュロウイルス発現を用いるものは、ヒアルロニダーゼポリペプチドなどのポリペプチドを発現させるのに有用である。昆虫細胞は高レベルのタンパク質を発現し、高等真核生物が使用する翻訳後修飾の大半を行う能力を持つ。バキュロウイルスは宿主域が制限されており、それが安全性を向上させ、真核細胞発現に関する規制上の懸念を減少させる。典型的な発現ベクターは、高レベル発現用のプロモーター、例えばバキュロウイルスのポリヘドリンプロモーターを使用する。よく使用されるバキュロウイルス系は、例えばオートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多核体病ウイルス(AcNPV)およびカイコ(Bombyx mori)核多核体病ウイルス(BmNPV)などのバキュロウイルスと、例えばツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)に由来するSf9、シューダレチア・ユニパンクタ(Pseudaletia unipuncta)(A7S)およびオオカバマダラ(Danaus plexippus)(DpN1)などの昆虫細胞株とを含む。高レベル発現には、発現されるべき分子のヌクレオチド配列を、ウイルスのポリヘドリン開始コドンのすぐ下流に融合する。哺乳類分泌シグナルは昆虫細胞では正確にプロセシングされ、発現されたタンパク質を培養培地中に分泌させるには、これらのシグナルを使用することができる。加えて、細胞株シューダレチア・ユニパンクタ(A7S)およびオオカバマダラ(DpN1)は、哺乳動物細胞系と類似するグリコシル化パターンを持つタンパク質を産生する。
可溶性ヒアルロニダーゼポリペプチドなどのタンパク質を発現させるために、哺乳類発現系を使用することができる。発現コンストラクトは、アデノウイルスなどのウイルス感染によって、またはリポソーム、リン酸カルシウム、DEAE-デキストランなどの直接的DNA導入によって、また、エレクトロポレーションやマイクロインジェクションなどの物理的手段によって、哺乳動物細胞に導入することができる。哺乳動物細胞用の発現ベクターは、通例、mRNAキャップ部位、TATAボックス、翻訳開始配列(コザック(Kozak)コンセンサス配列)およびポリアデニル化要素を含む。選択可能マーカーなどのもう一つの遺伝子との2シストロン性発現が可能になるように、IRES要素も加えることができる。そのようなベクターは、多くの場合、高レベル発現のための転写プロモーター-エンハンサー、例えばSV40プロモーター-エンハンサー、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターおよびラウス肉腫ウイルス(RSV)の末端反復配列などを含む。これらのプロモーター-エンハンサーは多くの細胞タイプにおいて活性である。発現には、組織型および細胞型のプロモーターおよびエンハンサー領域も使用することができる。典型的なプロモーター/エンハンサー領域には、エラスターゼI、インスリン、免疫グロブリン、マウス乳房腫瘍ウイルス、アルブミン、αフェトプロテイン、α1アンチトリプシン、βグロビン、ミエリン塩基性タンパク質、ミオシン軽鎖2、およびゴナドトロピン放出ホルモン遺伝子制御領域(gonadotropic releasing hormone gene control)などの遺伝子に由来するものがあるが、これらに限るわけではない。発現コンストラクトを持つ細胞を選択し、維持するために、選択可能マーカーを使用することができる。選択可能マーカー遺伝子の例には、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、キサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)およびチミジンキナーゼなどがあるが、これらに限るわけではない。例えば、DHFR遺伝子を発現させる細胞だけを選択するために、メトトレキサートの存在下で発現を行うことができる。TCR-ζやFcεRI-γなどの細胞表面シグナリング分子との融合により、細胞表面上で活性な状態にあるタンパク質の発現を指示することができる。
タンパク質(例えば本明細書に記載する任意のタンパク質)を発現させるために、トランスジェニック植物細胞およびトランスジェニック植物を使用することができる。発現コンストラクトは、通例、微粒子銃(microprojectile bombardment)やプロトプラストへのPEGによる導入などといった直接的DNA導入を使って、またアグロバクテリウムによる形質転換を使って、植物に導入される。発現ベクターは、プロモーターおよびエンハンサー配列、転写終結要素および翻訳制御要素を含むことができる。発現ベクターおよび形質転換技法は、通常は、アラビドプシス(Arabidopsis)やタバコなどの双子葉植物宿主用と、トウモロコシやイネなどの単子葉植物宿主用とに分けられる。発現に使用される植物プロモーターの例には、カリフラワーモザイクウイルスプロモーター、ノパリンシンターゼプロモーター、リボース二リン酸カルボキシラーゼプロモーター、ならびにユビキチンプロモーターおよびUBQ3プロモーターなどがある。形質転換細胞の選択と維持が容易になるように、ハイグロマイシン、ホスホマンノースイソメラーゼおよびネオマイシンホスホトランスフェラーゼなどの選択可能マーカーが、多くの場合、使用される。形質転換植物細胞は、細胞、凝集体(カルス組織)として培養維持するか、全植物体に再生させることができる。トランスジェニック植物細胞には、ヒアルロニダーゼポリペプチドを産生するように工学的に操作された藻類も含めることができる。植物は哺乳動物細胞とは異なるグリコシル化パターンを持つので、これは、これらの宿主中で生産されたタンパク質の選択に影響を及ぼしうる。
インスリンポリペプチドおよびヒアルロナン分解酵素ポリペプチドまたは他のタンパク質などといったポリペプチドを宿主細胞から精製するための方法は、選択した宿主細胞と発現系に依存するだろう。分泌される分子の場合、タンパク質は一般に、細胞を除去した後に、培養培地から精製される。細胞内発現の場合は、細胞を溶解し、タンパク質を抽出物から精製することができる。トランスジェニック植物やトランスジェニック動物などのトランスジェニック生物を発現に使用する場合は、組織または臓器を、溶解細胞抽出物を作るための出発物質として使用することができる。また、トランスジェニック動物生産には、乳または卵におけるポリペプチドの生産を含めることができ、それらは、収集し、必要であれば、当技術分野における標準的方法を使って、タンパク質を抽出し、さらに精製することができる。
本発明では、速効型インスリンおよびヒアルロナン分解酵素の医薬組成物が、投与用に提供される。ヒアルロナン分解酵素は、インスリンの吸収速度を増加させインスリンのバイオアベイラビリティを増加させることによって血液への速効型インスリンの送達を強化するために、速効型インスリンの医薬製剤と共製剤化されるか、共投与される。吸収速度およびバイオアベイラビリティの増加は、例えばヒアルロナン分解酵素によるヒアルロナンの可逆的解重合によって達成することができ、これは、皮下腔の水力学的伝導率を一時的に(通例、24時間未満の期間)増加させる。したがって、例えば所与の用量で、より強力かつ/またはより迅速な応答を得るために、例えば皮下投与などの非経口投与後に、従来の皮下投与法と比較してインスリン濃度が上昇し、かつ/またはより迅速に達成されるように、ヒアルロナン分解酵素を使用することができる。したがって、ヒアルロナン分解酵素と速効型インスリンとの共投与は、速効型インスリンを超速効型インスリンにすることができる。ヒアルロナン分解酵素は、より低いインスリン投与量で血糖管理を達成するためにも使用することができる。注射または注入の部位およびその近傍におけるバルク流体流を強化するヒアルロナン分解酵素の能力は、関連する薬理学的送達の他の側面も改善することができる。例えばバルク流体流の増加は、注射された流体の体積をより迅速に注射部位から分散させる(これは潜在的な痛みまたは他の有害な注射の帰結を減少させる)のを助けることができる。これは、皮下注入にとって、より高用量の投与を可能にするには、特に重要である。
化合物は、例えば溶液剤、懸濁剤、徐放性製剤、または散剤など、任意の適切な非経口投与用医薬調製物に製剤化することができる。通例、化合物は、当技術分野において周知の技法および手法を使って医薬組成物に製剤化される(例えばAnsel「Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms」第4版、1985、126参照)。医薬上許容される組成物は、規制当局または他の政府機関からの承認を考慮して製造され、動物およびヒトで使用するために、一般に認められた薬局方に従って製造される。製剤は投与様式に適さなければならない。
ここで興味が持たれるのは、投与のために溶液剤、乳剤および他の混合物として再構成することができる凍結乾燥粉末である。それらは、固形物またはゲル剤として再構成し、製剤化することもできる。
本明細書に記載するヒアルロナン分解酵素は、単回投与用または複数回投与用の医薬組成物として製剤化することができる。例えば本明細書に記載する組成物は、ヒアルロナン分解酵素を、1ヒアルロニダーゼU/インスリンU(1:1)〜50:1またはそれ以上、例えば1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1もしくはそれ以上またはその前後の比で含有することができる。別の例では、組成物内を、より低いヒアルロナン分解酵素とインスリンの比、例えば1ヒアルロニダーゼU/2インスリンU(1:2)、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15または1:20などの比にする。選択したヒアルロナン分解酵素は、処置される患者に対して望ましくない副作用を生じることなく、治療上有用な効果を発揮するのに十分な量で含まれる。治療有効濃度は、ポリペプチドを既知のインビトロ系およびインビボ系で、例えば本明細書に記載するアッセイまたは当技術分野で知られるアッセイを使って調べることによって実験的に決定され(例えばTalianiら (1996) Anal.Biochem., 240:60-67;Filocamoら (1997) J Virology, 71:1417-1427;Sudoら (1996) Antiviral Res. 32:9-18;Buffardら (1995) Virology, 209:52-59;Bianchiら (1996) Anal.Biochem., 237:239-244;Hamatakeら (1996) Intervirology 39:249-258;Steinkuhlerら (1998) Biochem., 37:8899-8905;D'Souzaら (1995) J Gen.Virol., 76:1729-1736;Takeshitaら (1997) Anal.Biochem., 247:242-246を参照されたい;また、例えばShimizuら (1994) J.Virol. 68:8406-8408;Mizutaniら (1996) J.Virol. 70:7219-7223;Mizutaniら (1996) Biochem.Biophys.Res.Commun., 227:822-826;Luら (1996) Proc.Natl.Acad.Sci (USA), 93:1412-1417;Hahmら (1996) Virology, 226:318-326;Itoら (1996) J.Gen.Virol., 77:1043-1054;Mizutaniら (1995) Biochem.Biophys.Res.Commun., 212:906-911;Choら (1997) J.Virol.Meth. 65:201-207)、次にヒトへの投薬量がそこから推論される。
a.シリンジ
本明細書に記載する組成物は、シリンジ、インスリンペン、インスリンポンプ、もしくはクローズドループシステムの一部として、またはそれらの任意の組合せなど、いくつかある投与様式の1つまたはそれ以上を使って、対象に非経口(parentally)投与することができる。例えば、インスリンシリンジなどの使い捨てシリンジは、組成物の個別的ボーラス注射を投与するために使用することができる。組成物は、同じシリンジを使って投与するか(インスリン調製物とヒアルロナン分解酵素調製物とを共製剤化した場合など)、異なるシリンジを使って逐次的に投与することができる。本明細書に記載する組成物の投与に有用なシリンジとしては、標準的な濃度のインスリン調製物(例えば100U/ml濃度のインスリン調製物)を保持し、投与を容易にするためにインスリン単位のしるしを持つように設計することができるインスリンシリンジが挙げられる。別の例では、インスリンシリンジまたはインスリンポンプまたは類似する器具のいずれか1つまたはそれ以上を使って、インスリン調製物とヒアルロナン分解酵素調製物の一方または両方を投与する。
インスリンペンは、本明細書に記載する組成物を投与するために使用することができる送達システムである。インスリンペンには、投与すべき組成物が充填された取り替え可能なカートリッジを持つものと、取り替え不可能なカートリッジを持つものがある。交換不可能なカートリッジを持つインスリンペンは、通例、カートリッジが空になったら廃棄される。インスリンペンでは、例えば0.5単位、1単位または2単位刻みで投与することができ、それらは一般に用量ダイヤルまたは用量を設定するための他の機構を使って測定される(例えば米国特許第5947934号、同第6074372号、同第6110149号、同第6524280号、同第6582404号参照)。次に組成物はペンに取り付けられた細針を使って送達される。インスリンペンは当技術分野ではよく知られており、例えば限定するわけではないが、米国特許第5947934号、同第4973318号、同第5462535号、同第5599323号、同第5626566号、同第5984906号、同第6074372号、同第6110149号、同第6302869号、同第6379339号および同第7241278号に記載されているものなど、他の文献に記載されているものが包含される。他の類似する投薬器具、例えば米国特許第5947394号、同第6074372号、同第6110149号および同第6379339号に記載されているものなども、本明細書に記載する組成物を、インスリンとヒアルロナン分解酵素の共製剤として、またはインスリン組成物およびヒアルロナン分解酵素組成物として別々に、投与するために使用することができる。いくつかの例では、インスリンペンまたは類似する器具が、対象の血中グルコースレベルを測定することのできるセンサーまたはモニターも含有する(例えばWO2003047426参照)。
本明細書に記載する組成物は、インスリンポンプまたは他の類似する持続注入器具などといったインスリン送達器具を使って、糖尿病対象に投与することができる。インスリン送達器具は、通例、インスリン組成物を含有する少なくとも1つの使い捨てリザーバ、ポンプ(任意の制御装置、ソフトウェア、処理モジュールおよび/または電池を含む)、および皮下注射用のカニューレまたは針とインスリンリザーバにカニューレまたは針を接続するための管とを含む使い捨て注入セットとを含有する。超速効型インスリン組成物と共に使用する場合、インスリン送達器具は、共製剤化されたインスリン組成物とヒアルロナン分解酵素組成物とを含有する1つのリザーバを含有するか、または速効型インスリン組成物とヒアルロナン分解酵素組成物とが同じリザーバまたは別々のリザーバに含まれるように、1つまたはそれ以上のリザーバを含有することができる。そのような場合、インスリン送達器具は、各組成物を同時に送達するか、順に送達することができる。したがってそのような器具を、本明細書に記載する超速効型インスリン組成物を投与するために使用することができる。組成物は連続的に投与するか、ボーラス注射として投与することができる。さらに、インスリン送達器具の使用者は、そのボーラスの形状を決めることによってインスリンのプロファイルに影響を与えることができる。例えば標準型ボーラス(standard bolus)(これは注入用量の全部が直ちに押し出される孤立した注射に似た注入である)を投与することができる。長時間型ボーラス(extended bolus)は、高い初期用量を回避し組成物の作用を引き延ばす、長時間にわたる遅い注入である。標準型ボーラスと長時間型ボーラスの両方を含む複合型ボーラス(combination bolus)もインスリンポンプまたは他の連続的送達システムを使って投与することができる。インスリン送達器具は当技術分野では知られており、例えば限定するわけではないが、米国特許第6554798号、同第6641533号、同第6744350号、同第6852104号、同第6872200号、同第6936029号、同第6979326号、同第6999854号、同第7025713号および同第7109878号などといった、他の文献に記載されている。インスリン送達器具は、グルコースモニターまたはグルコースセンターに接続することもでき、かつ/または血中グルコースレベル、食事の糖質含有量、または他の入力に基づいて推奨されるインスリン用量を算出するための手段を含むこともできる。さらなるインスリン送達器具は植え込み可能であるか、対象の体外に装着することができる。
クローズドループシステムは、人工膵臓と呼ばれることもあり、本明細書に記載する組成物および方法との併用について、特に興味が持たれる。クローズドループシステムとは、連続的グルコースモニターと、インスリンポンプまたは他の送達システムと、血中グルコースレベルのリアルタイム測定に基づいて血糖管理のために要求されるインスリン注入を常時算出する数学的アルゴリズムを含むコントローラーとが統合されたシステムを指す。そのようなシステムは、最適化すれば、健常非糖尿病対象に見られる自然のインスリン応答および血糖管理に似た、絶え間ない極めて緻密な血糖管理を容易にすることができる。しかし、クローズドループシステムが有効であるためには、信頼できる正確な連続的グルコースモニターと、極めて速い作用を持つインスリンの送達とがどちらも要求される。例えば、速効型インスリンの皮下投与に付随するインスリンの吸収と作用の遅延は、大きな食後血糖エクスカーションにつながりうる(Hovorkaら (2006) Diabetic Med. 23:1-12)。インスリン吸収、インスリン作用、間質(interstitial)グルコース動態、および体外型(ex vivo-based)モニタリングシステム(例えば微小透析技法に基づくもの)の輸送時間ゆえの遅延は、インスリン送達の時間から、その検出可能なグルコース降下効果のピークまでに、全体として100分またはそれ以上の時間差をもたらしうる(Hovorkaら (2006) Diabetic Med. 23:1-12)。したがって、ひとたび投与されると、インスリンはその測定可能な効果を2時間近くは増加させ続ける。これは、クローズドループシステムを使った食事摂取後のグルコース濃度の効果的な降下を複雑にしうる。第1にグルコースの増加が検出される必要がある。しかしこれは通例、約10〜40分遅れでしか起こらない。システムは、食事が消化されたかどうかを決定し、適当なインスリン用量を投与しなければならない。「誤って判断された(misjudged)」インスリン用量を後から補償するというシステムの能力は、長い遅延と、ひとたび投与されたインスリンを「撤回(withdraw)」することはできないということとによって損なわれる。そのような問題は、少なくとも一部は、(下記実施例1で説明するように)増加した吸収速度および吸収レベルならびにそれに伴う薬力学の改善を示す、本明細書に記載するような、超速効型インスリン組成物を使用することによって克服することができる。本明細書に記載する超速効型インスリン組成物は、速効型インスリンよりも小さいtmaxを持ち(すなわちより速く最大濃度を達成し)、速効型インスリンよりも速く血中濃度を管理し始める。この増加した吸収(absorbance)速度および作用発現速度は、インスリン作用とグルコースモニタリングおよび入力の間の遅延を減少させ、結果として、血中グルコースレベルをより緻密に管理して血糖エクスカーションを低減することができる、より効果的なクローズドループシステムをもたらす。
アッセイを使って、インスリン単独の、またはヒアルロナン分解酵素と組み合わせたインスリンの、インビトロ活性およびインビボ活性を評価することができる。そのようなアッセイには、皮下投与または腹腔内投与されたインスリンの薬物動態および薬力学的性質(バイオアベイラビリティおよび認容性を含む)を評価するものが含まれる。インスリンの生物学的活性とヒアルロナン分解酵素の生物学的活性はどちらも、当技術分野で周知のアッセイを使って評価することができる。そのようなアッセイを使って、例えば、処置にとって適切な、速効型インスリンなどのインスリンおよびヒアルロナン分解酵素の投薬量ならびに投与頻度を決定することができる。
例えば下記実施例1で説明するような薬物動態(PK)試験、薬力学(PD)試験および認容性試験は、実施例11および実施例12に記載するようなブタモデルを含む動物モデルを使って行うか、患者が参加する臨床試験中に行うことができる。動物モデルには、例えばマウス、ラット、ウサギ、イヌ、モルモットおよび非ヒト霊長類モデル(例えばカニクイザルまたはアカゲザル)などがあるが、これらに限るわけではない。いくつかの例では、薬物動態試験および認容性試験が健常動物またはヒト被験者を使って行われる。他の例では、試験が、後述するような糖尿病の動物モデルを使って行われるか、糖尿病ヒト被験者で行われる。これらの試験を実施するのに役立つ典型的手法には、グルコースクランプ技法(Brehmら (2007)「Clin Diabetes Res: Methods and Techniques」Michael Rosen編の43〜76頁、例(Example)1)などがある。高インスリン正常血糖クランプ法では、可変的外因性グルコース注入を使って血漿中グルコース濃度を正常血糖レベルで一定に保ちながら、外因性インスリンを注入して高インスリン性の血漿中インスリン濃度を生じさせる。高インスリン血状態の期間中、グルコースレベルを一定に維持するのに要求されるグルコース注入速度(GIR)は、注入されたインスリンがグルコース代謝に及ぼす効果の尺度になる。GIRは、身体が使用したグルコースの量を反映し(すなわち、身体がより多くのグルコースを使用している場合、正常な血中グルコースレベル(すなわち90〜110mg/dL)を維持するには、より多くの外因性グルコースを注入する必要がある)、したがって投与されたインスリンの活性を反映する(すなわち、インスリン活性の増加は、内因性グルコース産出量の低下および/または血中グルコース利用の増加をもたらして、血中グルコースの総合的低下を引き起こす)。したがって、そのような手法は、被験者におけるインスリン分泌およびインスリン抵抗性を評価するために使用されるだけでなく、あるインスリン、例えばヒアルロナン分解酵素と共投与されるインスリンの薬物動態および薬力学的性質を安全に評価するためにも使用することができる。
a.インスリン
治療剤として作用する、インスリン類似体などのインスリンの能力は、インビトロまたはインビボで評価することができる。例えば、当技術分野で周知のインビトロアッセイを行って、インスリン受容体に結合するインスリンの能力を評価することができる。ある例では、ヒト胎盤細胞膜をインスリン受容体の供給源として調製し、それを、非標識インスリン類似体と共に、または非標識インスリン類似体なしで、放射標識ヒトインスリンとインキュベートするという、競合的結合アッセイを行う。次に、結合した放射標識インスリンの量を検出して、結合について競合するインスリン類似体の能力を決定し、胎盤インスリン受容体に対するインスリン類似体の相対的アフィニティを算出する(例えばWeissら (2001) J.Biol.Chem. 276:40018-40024参照)。他のインスリン受容体供給源、例えばインスリン受容体を天然にまたは組換え的に発現させる他の細胞も、そのような競合的結合アッセイに使用することができる(Duttaroyら (2005) Diabetes 54:251-258)。
ヒアルロナン分解酵素の活性は当技術分野で周知の方法を使って評価することができる。例えば、ヒアルロニダーゼに関するUSP XXIIアッセイでは、酵素をHAと37℃で30分間反応させた後に残存する未分解ヒアルロン酸またはヒアルロナン(HA)基質の量を測定することにより、活性が間接的に決定される(USP XXII-NF XVII (1990) 644-645 United States Pharmacopeia Convention, Inc、メリーランド州ロックビル)。アッセイでは、ヒアルロニダーゼ参照標準(USP)または国民医薬品集(National Formulary)(NF)標準ヒアルロニダーゼ溶液を使って、任意のヒアルロニダーゼの活性を単位数として確認することができる。ある例では微小濁度アッセイを使って活性を測定する。これはヒアルロン酸が血清アルブミンと結合した時に起こる不溶性沈殿物の形成に基づく。活性は、ヒアルロニダーゼをヒアルロン酸ナトリウム(ヒアルロン酸)と共に設定された時間(例えば10分間)インキュベートした後、酸性化血清アルブミンを添加して未消化のヒアルロン酸ナトリウムを沈殿させることによって測定される。得られた試料の濁度をさらなる発現期間後に640nmで測定する。ヒアルロン酸ナトリウム基質に対するヒアルロニダーゼ活性に起因する濁度の低下が、ヒアルロニダーゼ酵素活性の尺度である。もう一つの例では、ヒアルロニダーゼと共にインキュベートした後に残存ビオチン化ヒアルロン酸を測定するマイクロタイターアッセイを使って、ヒアルロニダーゼ活性が測定される(例えばFrostおよびStern (1997) Anal.Biochem. 251:263-269、米国特許出願公開第20050260186号を参照されたい)。ヒアルロン酸のグルクロン酸残基上の遊離カルボキシル基をビオチン化し、そのビオチン化ヒアルロン酸基質をマイクロタイタープレートに共有結合させる。ヒアルロニダーゼと共にインキュベートした後、アビジン-ペルオキシダーゼ反応を使って残存ビオチン化ヒアルロン酸基質を検出し、既知の活性を持つヒアルロニダーゼ標準品による反応後に得られるものと比較する。ヒアルロニダーゼ活性を測定するための他のアッセイも当技術分野では知られており、本発明の方法において使用することができる(例えばDelpechら, (1995) Anal.Biochem. 229:35-41;Takahashiら, (2003) Anal.Biochem. 322:257-263を参照されたい)。
本明細書に記載する方法は、速効型インスリンが使用される任意の状態の処置に使用することができる。インスリンは、インスリンによる処置が可能な任意の状態を処置するためにヒアルロナン分解酵素と組み合わせて皮下投与することができる。通例、ヒアルロナン分解酵素は速効型インスリンと共投与される。この項では速効型インスリンの典型的治療用途を記載する。以下に述べる治療用途は典型例であり、本明細書に記載する方法の応用例を限定するものではない。治療用途には、1型真性糖尿病、2型真性糖尿病、妊娠糖尿病の処置、および重篤患者における血糖管理などがあるが、これらに限るわけではない。例えば速効型インスリンは、血糖管理を達成するために糖尿病を持つ対象に食事時インスリン治療として食事の前に、ヒアルロナン分解酵素と組み合わせて、例えばシリンジまたはインスリンペンなどにより、離散した用量で皮下投与することができる。速効型インスリンは、血中グルコースレベルを1日中連続的に管理するために、かつ/または食後血糖エクスカーションを管理するために、インスリンポンプを使って、またはクローズドループシステムにおいて、ヒアルロナン分解酵素と組み合わせて皮下投与または腹腔内投与することもできる。そのような疾患または状態を特定することは、処置医の技量で可能である。
真性糖尿病(または糖尿病)はグルコース代謝障害を特徴とする。血中グルコースは腸で吸収された糖質に由来し、肝臓で産生される。血中グルコースレベルの増加はインスリン放出を刺激する。食後グルコースインフラックス(influx)は食間に観察されるグルコースの肝産生量より20〜30倍高くなりうる。10分前後続く初期相インスリン放出は肝グルコース産生を抑制し、その後に、2時間以上持続して食事時間糖質インフラックスをカバーする長い(後期)放出相が起こる。食間は、低い連続的インスリンレベル(基礎インスリン)が進行中の代謝要件をカバーして、特に、肝糖産生を調節すると共に、脂肪組織、筋組織および他の標的部位によるグルコース利用を調節する。糖尿病を持つ患者は高い血中グルコースレベル(高血糖)を示す。糖尿病は、1型糖尿病と2型糖尿病の2つに大別することができる。1型糖尿病またはインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)は、インスリンの欠乏につながる膵臓におけるランゲルハンス島のインスリン産生β細胞の喪失を特徴とする。β細胞欠乏の主要原因はT細胞による自己免疫である。2型糖尿病またはインスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM)はβ細胞機能異常を持つ患者で起こる。これらの患者は、インスリン抵抗性または低下したインスリン感受性と、インスリン分泌量の減少とを併せ持つ。2型糖尿病は最終的には1型糖尿病に進展しうる。糖尿病には妊娠糖尿病も含まれる。糖尿病を持つ患者には、基礎インスリンレベルを維持するためにも、食事後などに起こる血糖エクスカーションを防止するためにも、インスリンを投与することができる。
1型糖尿病は、膵臓の内分泌単位であるランゲルハンス島の浸潤およびβ細胞の破壊を特徴とし、それがインスリン産生量の不足と高血糖につながる、T細胞依存的自己免疫疾患である。1型糖尿病は、最も一般的には小児および若年成人で診断されるが、どの年齢でも診断されうる。1型糖尿病を持つ患者は、低いインスリンレベルおよび高い血中グルコースレベルに加えて、多尿症、多飲症(polydispia)、多食症、かすみ目および疲労を示しうる。126mg/dL(7.0mmol/l)以上の空腹時血漿中グルコースレベル、例えばグルコース耐性検査などにおける75g経口グルコース負荷の2時間後に200mg/dL(11.1mmol/l)以上の血漿中グルコースレベル、および/または200mg/dL(11.1mmol/l)以上の随時血漿中グルコースレベルを示すことによって、患者を診断することができる。
2型糖尿病はインスリン抵抗性に関連し、いくつかの集団では、インスリン減少症(insulinopenia)(β細胞機能の喪失)にも関連する。2型糖尿病では、インスリンの第1相放出がなく、第2相放出が遅延し、しかも不十分である。食事中および食事後に健常な被験者で起こるインスリン放出の鋭いスパイクが、2型糖尿病を持つ患者では遅延し、長引き、量的に不十分になり、その結果、高血糖になる。2型糖尿病を持つ患者には、血中グルコースレベルを管理するために、インスリンを投与することができる(Mayfieldら (2004) Am Fam Physican 70:489-500)。これは、他の処置および処置レジーム、例えば食事制限、運動および他の抗糖尿病治療(例えばスルホニル尿素類、ビグアニド類、メグリチニド類、チアゾリジンジオン類およびα-グルコシダーゼ阻害剤)などと組み合わせて行うことができる。したがって、2型糖尿病を持つ患者には、血中グルコースレベルおよび血中インスリンレベルをより迅速に管理するために、本明細書に記載する方法を使って、シリンジ、インスリンペン、もしくはインスリンポンプ、またはインスリンを送達するのに役立つ他の任意の手段により、本明細書に記載する超速効型インスリン組成物を皮下投与または腹腔内投与することができる。本明細書の他の項で述べるように、2型糖尿病患者に超速効型インスリン組成物を投与すると、対応する速効型インスリンと比較して、より良い血糖管理が得られることの他に、2型糖尿病患者におけるインスリン治療に付随することが多い体重増加および肥満のリスクが低減する。
今までに糖尿病を患ったことは一度もないが、妊娠中に高い血中グルコースレベルを持つ妊婦は、妊娠糖尿病と診断される。このタイプの糖尿病は、試験対象の集団に依存して、全妊婦の約1〜14%を冒す(Carrら (1998) Clinical Diabetes 16)。基礎となる原因はまだわかっていないが、おそらく妊娠中に産生されるホルモンがインスリンに対する妊婦の感受性を低下させるものと思われる。インスリン感受性細胞による正常なインスリン結合が証明されているので、インスリン抵抗性の機序はおそらく受容体後の欠陥(postreceptor defect)である。膵臓は、結果として起こるインスリン抵抗性の増加に応答するために、1.5〜2.5倍多いインスリンを放出する。正常な膵臓機能を持つ患者はこれらの需要を満たすことができる。境界的な膵臓機能を持つ患者は、インスリン分泌を増加させることが困難であり、その結果、不十分なレベルのインスリンを産生する。こうして、増加した末梢インスリン抵抗性の存在下で、遅延したまたは不十分なインスリン分泌が起こる場合に、妊娠糖尿病が生じる。
高血糖およびインスリン抵抗性は内科的および/または外科的に重篤な患者においてしばしば起こり、糖尿病患者でも被糖尿病患者でも、また外傷性傷害、脳卒中、無酸素性脳損傷、急性心筋梗塞、心臓手術後、および重篤疾患の他の原因を持つ患者でも、罹病率および死亡率の増加と関連づけられている(McCowenら (2001) Crit Clin.Care 17:107-124)。高血糖を持つ重篤患者は、血中グルコースレベルを管理するためにインスリンで処置されてきた。そのような処置はこの群における罹病率および死亡率を低下させることができる(Van den Bergheら (2006) N.Eng.J Med. 354:449-461)。インスリンは通例、例えば開業医によるシリンジを使った注射によって、またはインスリンポンプを使った注入によって、患者に静脈内投与される。いくつかの例では、アルゴリズムおよびソフトウェアを使って用量が算出される。したがって、高血糖を持つ重篤患者には、血中グルコースレベルを管理するために、本明細書に記載する超速効型インスリン組成物を投与し、それによって高血糖を軽減し、罹病率および死亡率を減少させることができる。
本明細書に記載する超速効型インスリン組成物はどれでも、他の治療剤または他の治療法(例えば限定するわけではないが、他の生物製剤および小分子化合物)と組み合わせて、その前に、それとは間欠的に、またはその後に、投与することができる。速効型インスリンが適応となるか、速効型インスリンが使用されてきた疾患または状態であって、他の薬剤および処置を利用することができるものには、上に例示したものを全て含めてどれでも、超速効型インスリン組成物をそれらと組み合わせて使用することができる。処置される疾患または状態に応じて、典型的な組合せには、抗糖尿病薬、例えば限定するわけではないが、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、チアゾリジンジオン、α-グルコシダーゼ阻害剤、ペプチド類似体、例えばグルカゴン様ペプチド(GLP)類似体、および胃抑制ペプチド(GIP)類似体、ならびにDPP-4阻害剤との組合せなどがあるが、これらに限るわけではない。もう一つの例では、本明細書に記載する超速効型インスリン組成物を、速効型インスリンおよび基礎作用型インスリンを含む1つ以上の他のインスリンと組み合わせて、その前に、それとは間欠的に、またはその後に投与することができる。
本明細書に記載する超速効型インスリン組成物、インスリンおよび/またはヒアルロナン分解酵素組成物の医薬化合物は、包装材料、例えば糖尿病対象または重篤対象などにおける血中グルコースレベルを管理するのに有効な医薬組成物、ならびにその超速効型インスリン組成物、インスリンおよび/またはヒアルロナン分解酵素組成物が血中グルコースレベルを管理するために使用されるべきものであることを示すラベルを含む製品として包装することができる。
以下に掲載する実施例は例示を目的とし、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
組換えヒトPH20(rHuPH20)と速効型インスリンとの共投与は薬物動態および薬力学の改善を助長する
インスリン誘導体を含むインスリンは、高血糖の管理を目的として、真性糖尿病を持つ対象に投与される。健常被験者で観測される正常な生理学的食事時インスリン放出をより効果的に再現することを目指して、組換えヒトPH20(rHuPH20)の共投与が投与された速効型インスリンの初期吸収速度および吸収量を増加させうるかどうかを決定するための臨床試験を行った。吸収の増加により、速効型インスリンは、より一層迅速に作用すること、したがって、健常被験者に観察される内因性インスリン濃度-時間プロファイルをより綿密に模倣することが可能になった。これにより、真性糖尿病を持つ被験者において、より良い血糖管理および体重増加の減少に関し、臨床的利益を得ることができた。単独でまたはrHuPH20と組み合わせて皮下投与されたHumulin(登録商標)RインスリンおよびHumalog(登録商標)インスリンリスプロ(どちらも本明細書にいう速効型インスリンである)の安全性、認容性、薬物動態(PK)および薬力学(PD)を評価するために、臨床試験を計画した。
健常(非糖尿病)被験者における、rHuPH20の共投与を伴う、およびrHuPH20の共投与を伴わない、Humalog(登録商標)インスリンリスプロまたはHumulin(登録商標)Rインスリンの薬物動態および薬力学
rHuPH20の共投与を伴う、およびrHuPH20の共投与を伴わない、皮下投与20単位(U)Humalog(登録商標)インスリンリスプロまたはHumulin(登録商標)Rインスリンを評価するための無作為化二重盲検交差2段階逐次2アーム(randomized, double-blind, crossover, two-stage, sequential 2-arm)試験を行った。この試験には25人の健常成人男性被験者が登録された。第1段階では、12人の被験者に、Humalog(登録商標)インスリンリスプロおよびrHuPH20の皮下注射と、それとは別にHumalog(登録商標)インスリンリスプロのみの皮下注射とを投与した。注射の間隔を通常は7日とし、被験者の半分には、まず最初にHumalog(登録商標)インスリンリスプロおよびrHuPH20を投与してから、Humalog(登録商標)インスリンリスプロのみを投与し、被験者の半分には、まず最初にHumalog(登録商標)インスリンリスプロのみを投与してから、Humalog(登録商標)インスリンリスプロおよびrHuPH20を投与した。第2段階では、13人の被験者に、Humulin(登録商標)RインスリンおよびrHuPH20の皮下注射と、それとは別にHumulin(登録商標)Rインスリンのみの皮下注射とを投与した。注射の間隔を通常は7日とし、被験者の約半分には、まず最初にHumulin(登録商標)RおよびrHuPH20を投与してから、Humulin(登録商標)Rインスリンのみを投与し、被験者の半分には、まず最初にHumulin(登録商標)Rインスリンのみを投与してから、Humulin(登録商標)RインスリンおよびrHuPH20を投与した。
上述のように、この試験の第1段階では、12人の被験者に、220μL中の20UのHumalog(登録商標)インスリンリスプロおよび300UのrHuPH20、ならびに200μL中の20U Humalog(登録商標)インスリンリスプロを、左下腹部の皮下に投与した。Humalog(登録商標)インスリンリスプロ/rHuPH20用量は、まず最初にrHuPH20(1mg/mL、10mM HEPES/130mM NaCl(pH約7.0)中、約120,000U/mLに相当)を室温で1時間、融解し、0.153cc(18,360Uに相当)のrHuPH20を、0.3cc容量のインスリンシリンジに無菌的に吸引することによって調製した。次に、その0.153ccのrHuPH20を、1.17mLの150U/mL HYLENEX(rHuPH20)が入っているバイアルにゆっくり移した。このバイアルから1.1mLを吸引し、バイアルから吸引された約10.2mLの100U/mL Humalog(登録商標)インスリンリスプロが入っているバイアルに移した。次に、220μLのHumalog(登録商標)インスリンリスプロ/rHuPH20混合物を、0.3cc容量のインスリンシリンジを使って吸引し、それを単一被験者への皮下投与に、4時間以内に使用した。
血液試料を採取して、インスリン(すなわちHumalog(登録商標)インスリンリスプロまたはHumulin(登録商標)Rインスリン)レベルとグルコースレベルを測定することにより、rHuPH20の共投与が、皮下投与されたHumalog(登録商標)インスリンリスプロまたはHumulin(登録商標)Rインスリンの薬物動態および薬力学に及ぼす効果を、評価した。低血糖を引き起こさずにインスリン調製物を投与することができるように、高インスリン正常血糖クランプ法を使って、血漿グルコースレベルを90〜110mg/dLに維持した。
rHuPH20の共投与が、速効型インスリン組成物であるHumalog(登録商標)インスリンリスプロおよびHumulin(登録商標)Rインスリンの薬物動態に及ぼす効果を決定するために、いくつかのパラメータを測定した。それらには、選択した投薬間隔中に観察される最大インスリン濃度(Cmax);Cmax到達時間(tmax);およびさまざまな時間感覚について評価した濃度対時間曲線下面積(AUC)を含めた。
Humalog(登録商標)インスリンリスプロまたはHumalog(登録商標)インスリンリスプロ/rHuPH20を投与した後の各時間間隔について、インスリン濃度をRIAによって測定した。これをそれぞれ表5および表6に示す。さまざまな時間間隔についてのAUC(0分からx分まで;例えばAUC0-3分、AUC0-6分、AUC0-9分など)や、[AUC0-x(Humulin(登録商標)Rインスリン+rHuPH20)]/[AUC0-x(Humulin(登録商標)Rインスリンのみ]×100として算出される相対的バイオアベイラビリティ(Frel)も記載する。ある時間間隔での幾何平均インスリンレベルの変化を算出することによって決定される増分勾配(incremental slope)や、3つの増分勾配値の平滑化平均(smoothed average)である平均勾配変化も記載する。
表5:Humalog(登録商標)インスリンリスプロ投与後の血中インスリン濃度
表7:rHuPH20の共投与を伴う、およびrHuPH20の共投与を伴わない、皮下Humalog(登録商標)インスリンリスプロ注射後のインスリンの薬物動態
表9:Humalog(登録商標)インスリンリスプロの投薬順序が観察される薬物動態に及ぼす効果
第2段階では、患者に、まずHumulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20を投薬し、次にHumulin(登録商標)Rインスリンのみを投薬するか、まずHumulin(登録商標)Rインスリンのみを投薬し、次に通常は7日後にHumulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20を投薬した。Humulin(登録商標)Rインスリンの投与後またはrHuPH20と共投与されたHumulin(登録商標)Rインスリンの投与後の各時点におけるインスリンの濃度をそれぞれ表10および表11に記載する。さまざまな時間間隔についてのAUC(すなわち0からx分までのAUC(AUC(0-x));例えばAUC0-3分、AUC0-6分、AUC0-9分など)(表10、11、および12)と、[AUC0-x(Humulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20)]/[AUC0-x (Humulin(登録商標)Rインスリンのみ]×100として算出される相対的バイオアベイラビリティ(Frel)も記載する。ある時間間隔での幾何平均インスリンレベルの変化を算出することによって決定される増分勾配や、5つの増分勾配値の平滑化平均である平均勾配変化も記載する。
表10:Humulin(登録商標)Rインスリン投与後の血中インスリン濃度
rHuPH20の共投与を伴う、およびrHuPH20の共投与を伴わない、Humalog(登録商標)インスリンおよびHumulin(登録商標)Rインスリンの薬物動態を比較した。図1に、各時間間隔における(各組成物ごとの全ての被験者についての)幾何平均インスリン濃度のプロットを示す。Humalog(登録商標)とHumulin(登録商標)Rはどちらも、濃度-時間曲線が上向き(より高いインスリン濃度)および左向き(より速い時間)にシフトした。例えば、幾何平均最大インスリン濃度(Cmax)は、rHuPH20の存在下では、対照と比較して、Humalog(登録商標)の場合はほとんど2倍になり(697pmol/Lから1200pmol/Lへ)、Humulin(登録商標)Rの場合は2倍以上になった(433pmol/Lから967pmol/Lへ)。同様に、この最大濃度に到達するまでの時間(tmax)の中央値も、rHuPH20の存在下では、対照と比較して、Humalog(登録商標)(105分から48分へ)でも、Humulin(登録商標)Rでも(165分から60分へ)、減少した。このより早い時点におけるより高濃度へのシフトは、増加した吸収速度および不変のクリアランス率と合致している。このように、rHuPH20の共投与は、速効型インスリン類似体Humalog(登録商標)インスリンリスプロの吸収速度も、速効型レギュラーインスリンHumulin(登録商標)Rインスリンの吸収速度も、共に増加させた。
rHuPH20との共投与がグルコース注入速度(GIR)に及ぼす薬力学的効果を評価するために、さまざまな薬力学的(または糖力学的(glucodynamic)(GD))パラメータを、rHuPH20と共に、およびrHuPH20なしで、Humulin(登録商標)Rを投薬された被験者について決定した。これらには、最大効果到達時間(tGIRmax)(分);後期最大半量効果到達時間(tGIRlate 50%)(分);初期最大半量効果到達時間(tGIRearly 50%)(分);最大代謝効果(GIRmax)(mL/時間);AUC-GIR0-60分;AUC-GIR0-120分;AUC-GIR0-180分;AUC-GIR0-240分;AUC-GIR0-300分;およびAUC-GIR0-360分を含めた。GIRは、1時間あたりに注入されるデキストロースのミリリットル数(mL/時)として表したが、これは、次の式を使ってmg/kg/分に変換することができる:
GIR(mg/kg/分)=[IV注入速度(mL/時間)×デキストロース濃度(g/dL)×0.0167/被験者の体重(kg)
(式中、デキストロース濃度=190.6mg/mL)。
Humalog(登録商標)インスリンリスプロのみまたはHumalog(登録商標)インスリンリスプロ/rHuPH20の投与に続く各時間間隔について、グルコース注入速度を算出した。それを、それぞれ表13および表14に記載する。AUC(累積グルコース投与に比例する)および相対的AUC(Frel)も算出した。ある時間間隔でのGIRの変化を算出することによって決定される増分勾配も記載する。
表13.Humalog(登録商標)インスリンリスプロ投与後のグルコース注入速度
表15:rHuPH20の共投与を伴う、およびrHuPH20の共投与を伴わない、皮下Humalog(登録商標)インスリンリスプロ注射後のインスリンの薬力学
表16:rHuPH20の共投与を伴う、およびrHuPH20の共投与を伴わない、皮下Humalog(登録商標)インスリンリスプロ注射後のインスリンの薬力学−区間(Interval)GIR-AUC
第2段階では、患者に、まずHumulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20を投薬し、次にHumulin(登録商標)Rインスリンのみを投薬するか、まずHumulin(登録商標)Rインスリンのみを投薬し、次に通常は7日後にHumulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20を投薬した。Humulin(登録商標)RインスリンのみまたはHumulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20の投与後の各時間間隔でのグルコース注入速度を算出し、それをそれぞれ表18および表19に記載する。さまざまな時間にわたって注入されたグルコースのAUCおよび相対量(Grel)も算出した。ある時間間隔でのGIRの変化を算出することによって決定される増分勾配も記載する。
表18:Humulin(登録商標)Rインスリン投与後のグルコース注入速度
rHuPH20の共投与を伴う、およびrHuPH20の共投与を伴わない、Humalog(登録商標)インスリンリスプロおよびHumulin(登録商標)Rインスリンの薬力学を比較した。rHuPH20の共投与が各タイプのインスリンの薬力学に及ぼす相対的効果を評価した。図2に各時間間隔におけるグルコース注入速度のプロットを示す。rHuPH20とHumalog(登録商標)またはHumulin(登録商標)Rの共投与は、時間の関数としてのグルコース注入速度を、時間の関数としてのインスリン濃度のプロットにおけるシフトと同様に、インスリンをrHuPH20なしで投与した場合と比較して、上向きかつ左向きに著しくシフトさせることが観察された。最大注入速度は、対照と比較して、rHuPH20と共投与されたHumalog(登録商標)では平均で201mL/時間から221mL/時間に、またrHuPH20と共投与されたHumulin(登録商標)Rでは187mL/時間から203mL/時間に、わずかに増加した。同様に、最大GIRの時間は、対照と比較して、rHuPH20と共投与されたHumalog(登録商標)では193分から136分に、また、rHuPH20と共投与されたHumulin(登録商標)Rでは253分から206分に減少した。初期最大半量GIR到達時間(tGIRearly 50%)によって測定される作用の発現時間は、対照と比較して、rHuPH20と共投与されたHumalog(登録商標)では72分から43分に、また、rHuPH20と共投与されたHumulin(登録商標)Rでは113分から83分に減少した。
1型真性糖尿病を持つ患者における流動食後の、rHuPH20の共投与を伴う、およびrHuPH20の共投与を伴わない、皮下注射されたHumalog(登録商標)インスリンリスプロまたはHumulin(登録商標)Rインスリンの薬物動態および食後血糖応答
1型真性糖尿病を持つ患者における流動食後の、rHuPH20の共投与を伴う、およびrHuPH20の共投与を伴わない、皮下注射されたHumalog(登録商標)インスリンリスプロおよびHumulin(登録商標)Rインスリンの薬物動態(PK)および食後血糖応答(すなわち薬力学(PD))を評価する試験を行った。この試験は、1型糖尿病患者における一連の標準流動食負荷と、それに伴うPKパラメータおよびPDパラメータのための2時間の投薬前血液試料採取および8時間の投薬後血液試料採取とからなる単盲(single-blind)(患者に対してのみ盲検化)単一施設交差流動食治験(single-center, crossover, liquid meal trial)とした。
≧12ヶ月にわたってインスリンで処置された1型真性糖尿病を持つ男性患者および女性患者を、この試験への組み入れに関して適格とした。患者は18歳〜65歳であることを要件とした。妊娠の可能性がある女性には、試験の継続期間中は、標準的かつ効果的な産児制限手段の使用を要求した。他の組み入れ基準には次に挙げる基準を含めた:BMI 18.0〜29.0kg/m2、組み入れ;施設内検査結果(local laboratory result)に基づいてHbA1c(グリコシル化ヘモグロビンA1c)≦10%;空腹時Cペプチド<0.6ng/mL;インスリンによる現在の処置<1.2U/kg/日。患者は、病歴および理学的検査に基づいて全身の健康状態が良好であり、このプロトコールにおいて要求される試験薬注射および評価の完了を妨げるかもしれない医学的状態にないことも要件とした。
1.来院手続き
各患者は、治験への参加に関する適格性を決定するために、スクリーニング来院(screening visit)(来院1)に参加した。登録されたら、各患者は、少なくとも1回かつ3回までの用量設定来院2A〜C(Humalog(登録商標)インスリンリスプロ+rHuPH20)、1回の投薬来院(dosing visit)3(Humalog(登録商標)インスリンリスプロのみ)、少なくとも1回かつ2回までの用量設定来院4A〜B(Humulin(登録商標)Rインスリン+rHuPH20)、1回の投薬来院5(Humulin(登録商標)Rインスリンのみ)、および経過観察(follow-up)来院(来院6)を行った。
全ての投薬来院時に、PK評価およびPD評価を午後4:30頃まで8時間にわたって行い、その時点で、患者には食事を摂らせ、安全と判断されたら解放した。
血清中インスリンの分析およびYSI STAT2300グルコースアナライザーを使った血中グルコースの分析を行うために、18ゲージカテーテルを同じ腕の肘静脈に挿入した。0.15mmol/L食塩水で洗い流すことにより、カテーテル内およびライン内での凝血を防止した。投薬前期間中、適宜、20%グルコース溶液、食塩水、およびインスリンを注入するために、もう一つの18ゲージPTFEカテーテルを、反対側の前腕の静脈に入れた。投薬の60分前に、YSI STAT2300グルコースアナライザーを使って、投薬に対して次に挙げる時点で、血中グルコース濃度を決定した:-60、-30、-20および-10分。-30、-20および-10分での血中グルコース読み値の平均を使って、各用量設定来院および投薬来院ごとに、個々の患者の空腹時血中グルコースレベルを決定した。初めの空腹時血中グルコース値間に大きすぎると思われる差異がある患者は、来院を再予定するか、試験を中止した。
2時間のならし(run-in)期間中に、必要に応じて血中グルコースをモニターして、血中グルコースを標的範囲内に安定させた。この2時間のならし期間を使って、適宜、精密な注入/シリンジポンプを利用したグルコースおよび/またはインスリンのIV投与により、血中グルコースレベルを調節した。投薬直前の30分間はインスリン注入もグルコース注入も行わなかった。薬物投与時に、患者の血中グルコースレベルは80〜140mg/dLの範囲にあった(可能な限り100〜120mg/dLの範囲に近い値を目指した)。
2時間のならし期間後に、シリンジを使った皮下注射により、腹壁のつまみ上げた皮膚のひだ中に、試験薬注射を投与した(時刻0)。試験物は次のように調製した。Humulin(登録商標)Rインスリンのみの用量は、正しい用量(来院4で決定したもの)をHumulin(登録商標)Rインスリンのバイアル(100U/mL;Eli Lilly)から0.3cc容量のインスリンシリンジを使って吸引することによって調製した。Humulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20は、まず最初にHumulin(登録商標)Rインスリンのバイアル(500U/mL;Eli Lilly)から0.3cc容量のインスリンシリンジを使って0.3cc(150単位)を吸引し、それを1mLのrHuPH20(20μg/mL;3000U/mL)が入っているバイアルに移すことによって調製した。静かに回旋することによって溶液を混合した。
投薬前期間中および投薬後は、-60、-30、-20、-10、0、3、6、9、12、15、20、25、30、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、255、270、285、300、315、330、345、360、375、390、415、420、430、445、460、475および480分という指定の時点における、YSI STAT2300グルコースアナライザーを使った頻繁な血中グルコース測定によって、血中グルコース濃度をモニターした。血清インスリンを決定するための連続血液試料を、-30、-30、-10、0、3、6、9、12、15、20、30、45、60、90、120、150、180、210、240、300、360、420および480分に採取した。
Humalog(登録商標)インスリンリスプロ/rHuPH20とHumulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20の薬物動態は、rHuPH20がない場合のそれぞれと比較して、加速されてはいるが、全体的曝露量は同等であることがわかった。表19aに、12人の患者に関して、さまざまなPKパラメータの要約を示す。これは、全ての患者からデータを集める前に行った中間解析である。したがって、患者21人中の12人から得たデータしか、この解析には寄与していない。rHuPH20との共投与の効果を、[rHuPH20を伴うインスリンについての平均(幾何または算術)PK値]/[インスリンのみについての平均(幾何または算術)PK値]×100によって算出される%対照で表す。CmaxパラメータおよびAUCパラメータについては幾何平均および対数変換データについてのp値、一方、tmaxならびに初期および後期t50%については算術平均と無変換値に基づく。主要評価項目である最初の1時間での総インスリン曝露(AUC0-60)は、Humalog(登録商標)インスリンリスプロ/rHuPH20では、Humalog(登録商標)インスリンリスプロのみと比較して、135%増加し(p=0.0197)、Humulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20では、Humulin(登録商標)Rインスリンのみより、304%増加した(p=0.0005)。初期T50%は、Humalog(登録商標)インスリンリスプロでは19.9分から12.6分に減少し(p=0.0002)、Humulin(登録商標)Rインスリンでは40.1分から14.8分に減少した(p=0.033)。tmaxは、Humalog(登録商標)インスリンリスプロでは43.8分から27.9分に減少し(p=0.002)、レギュラーでは96.7分から52.1分に減少した(p=0.086)。また、後期T50%は、Humalog(登録商標)インスリンリスプロでは98.6分から68.6分に減少し(p=0.0001)、Humulin(登録商標)Rインスリンでは、219.2分から111.2分に減少した(p=0.008)。
表19a:流動食試験において、rHuPH20と共に、またはrHuPH20なしで、投与されたインスリンの薬物動態
表19b:流動食試験において、rHuPH20と共に、またはrHuPH20なしで、投与されたインスリンの薬物動態
Humalog(登録商標)インスリンリスプロまたはHumulin(登録商標)RインスリンをrHuPH20と共に投与すると、食事負荷に対する血糖応答は、インスリンを単独で投与した場合と比較して改善された。表19cに12人の患者で測定された薬力学パラメータを記載する。Humalog(登録商標)インスリンリスプロまたはHumulin(登録商標)Rインスリンのどちらか一方とrHuPH20との共投与は、rHuPH20なしの対照注射と比較して、食後血中グルコースレベルの低下をもたらした。4時間の食後期間中に観察される最大血中グルコースは、Humalog(登録商標)インスリンリスプロをrHuPH20と共に投与した場合、Humalog(登録商標)インスリンリスプロのみと比較して、186mg/dLから154mg/dLに減少し(p=0.0213)、Humulin(登録商標)RインスリンをrHuPH20と共に投与した場合、Humulin(登録商標)Rインスリンのみと比較して、212mg/dLから166mg/dLに減少した(p=0.0406)。食後2時間グルコース(2hr post prandial glucose、PPG)および140mg/dLを上回る総エクスカーション面積(total excursion area)も同様に減少した。70mg/dL未満の総エクスカーション面積はごくわずかで、全ての試験物において類似しており、rHuPH20の共投与によってHumalog(登録商標)インスリンリスプロでは面積が増加し、Humulin(登録商標)Rインスリンでは面積が減少する傾向が、わずかにあった。
表19c:流動食試験において、rHuPH20と共に、またはrHuPH20なしで、投与されたインスリンの薬力学
重篤な有害事象(AE)は報告されなかった。最もよく報告されたAEは、血中グルコース低下/低血糖(147件)だった。147件の血中グルコース低下/低血糖のうち21件は、rHuPH20との関連が疑われる(possibly)またはほぼ確実である(probably)とみなされた。17件は強度が中等度であると査定され、そのうちの4件は、rHuPH20との関連が疑われるとみなされた。残り126件は強度が軽度と査定された。他のAEは全て、この試験では5%未満の頻度で起こった。
Humalog(登録商標)インスリンリスプロまたはHumulin(登録商標)Rインスリンのどちらか一方とrHuPH20との共投与は、rHuPH20なしの対照注射と比較して、バイオアベイラビリティに有意な変化を伴うことなく、より早いtmax、初期t50%および後期t50%パラメータを伴う、より早いインスリン曝露をもたらすと共に、より大きなピークインスリン濃度をもたらした。この早いインスリン曝露は、ピーク0〜4時間グルコースレベルの低下、食後2時間グルコースレベルの低下、およびAUC>140mg/dLによって測定される高血糖エクスカーションの減少を伴う食後高血糖の減少につながった。AUC<70mg/dLによって測定される低血糖エクスカーションはごくわずかで、全ての試験物において類似しており、rHuPH20の共投与によってHumalog(登録商標)インスリンリスプロでは面積が増加し、Humulin(登録商標)Rインスリンでは面積が減少する傾向が、わずかにあった。
健常ヒト被験者において、さまざまな用量の組換えrHuPH20と共に、またはrHuPH20なしで、皮下投与されたHumulin(登録商標)RインスリンまたはHumalog(登録商標)インスリンリスプロの薬物動態および薬力学
薬物動態、薬力学(または糖力学;GD)、安全性、認容性、およびrHuPH20:インスリンの最適比を決定するための単一施設第I相オープンラベル単盲(single center, phase I, open-label, single-blind)(被験者は各注射の含有量を知らされない)4段階試験の一部として、ある範囲のrHuPH20用量比を、レギュラーインスリン(Humulin(登録商標)Rインスリン)またはHumalog(登録商標)インスリンリスプロの用量と共に皮下(SC)投与し、指定した時点に集められた血清インスリン濃度に基づいてtmax、Cmax、AUC0→t、および相対的バイオアベイラビリティを決定することによって、薬物動態(PK)およびrHuPH20:インスリンの最適比を評価した。
健常ボランティアに、30μLまたは120μLのHumulin(登録商標)Rインスリン(100U/mLに希釈したもの)を、最終濃度が0μg/mL、1.25μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、20μg/mLまたは80μg/mLのrHuPH20(それぞれ約0U/mL、150U/mL、600U/mL、1200U/mL、2400U/mLまたは9600U/mL)と共に投与した。したがって、ボランティアには、3UのHumulin(登録商標)Rインスリンを約0、4.5、18、36、72または288単位のrHuPH20と共に含有する30μLか、または12UのHumulin(登録商標)Rインスリンを約0、18、72、144、288または1152単位のrHuPH20と共に含有する120μLが投与された。表19dに、12Uのインスリンを投与された被験者について、測定された薬物動態パラメータを記載する。ヒアルロニダーゼ共投与に特有のPKパラメータ(より早いtmaxおよびt1/2max、より大きいCmaxおよび早い全身曝露、例えばAUC0-60分)は、インスリンを単独で投与した場合と比較して、試験した全てのrHuPH20濃度で同じように増加した。どのrHuPH20濃度でも、グルコース注入速度(GIR)プロファイルは、プラセボ(すなわち0μg/mL)とは異なり、初期速度の特徴的な増加と後期グルコース注入量の減少が見られた。試験した用量範囲では、全てのrHuPH20濃度が同様に有効であり、非有効用量は観察されなかった。
表19d:さまざまな用量のrHuPH20を伴う12UのHumulin(登録商標)Rインスリンに関するインスリンPKパラメータ
健常ボランティアに、30μLまたは120μLのHumalog(登録商標)インスリンリスプロ(50U/mLに希釈したもの)を、最終濃度が0μg/mL、0.078μg/mL、0.3μg/mL、1.2μg/mL、5μg/mLまたは20μg/mLのrHuPH20(それぞれ約0U/mL、9.36U/mL、36U/mL、144U/mL、600U/mLまたは2400U/mL)と共に投与した。したがってボランティアには、1.5UのHumalog(登録商標)インスリンリスプロを約0、0.28、1.08、4.32、18または72単位のrHuPH20と共に含有する30μLか、または6UのHumalog(登録商標)インスリンリスプロを約0、1.12、4.32、17.28、72または288単位のrHuPH20と共に含有する120μLが投与された。表19eに、6UのHumalog(登録商標)インスリンリスプロを投与された被験者について、測定された薬物動態パラメータを記載する。試験した用量範囲では、0.3μg/mLを上回るrHuPH20濃度は全て、同様に有効だった。
表19e:さまざまな用量のrHuPH20を伴う6UのHumalog(登録商標)インスリンリスプロに関するインスリンPKパラメータ
可溶性rHuPH20発現細胞株の作製
HZ24プラスミド(配列番号52に記載)を使ってチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞をトランスフェクトした(例えば米国特許出願第10,795,095号、同第11/065,716号および同第11/238,171号を参照されたい)。可溶性rHuPH20を発現させるためのHZ24プラスミドベクターは、pCIベクターバックボーン(Promega)、ヒトPH20ヒアルロニダーゼのアミノ酸1〜482をコードするDNA(配列番号49)、ECMVウイルス由来の配列内リボソーム進入部位(IRES)(Clontech)、およびマウスジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子を含有する。pCIベクターバックボーンは、ベータ-ラクタマーゼ耐性遺伝子(AmpR)をコードするDNA、f1複製起点、サイトメガロウイルス前初期エンハンサー/プロモーター領域(CMV)、キメライントロン、およびSV40後期ポリアデニル化シグナル(SV40)も含んでいる。可溶性rHuPH20コンストラクトをコードするDNAは、ヒトPH20のネイティブ35アミノ酸シグナル配列のアミノ酸位置1のメチオニンをコードするDNAの前にNheI部位とコザックコンセンサス配列とを含有し、配列番号1に記載のヒトPH20ヒアルロニダーゼのアミノ酸位置482に対応するチロシンをコードするDNAの後に停止コドンを含有し、その後ろに、BamHI制限部位が続いている。したがって、コンストラクトpCI-PH20-IRES-DHFR-SV40pa(HZ24)は、CMVプロモーターによって駆動される単一のmRNA種であって、配列内リボソーム進入部位(IRES)によって分離された、ヒトPH20のアミノ酸1〜482(配列番号3に記載)とマウスジヒドロ葉酸レダクターゼのアミノ酸1〜186(配列番号53に記載)とをコードするものをもたらす。
可溶性rHuPH20のヒアルロニダーゼ活性の決定
細胞培養、精製画分および精製溶液などの試料中の可溶性rHuPH20のヒアルロニダーゼ活性は、ヒアルロン酸が血清アルブミンと結合した時に起こる不溶性沈殿物の形成に基づく比濁法アッセイを使って決定した。活性は、可溶性rHuPH20を、ヒアルロン酸ナトリウム(ヒアルロン酸)と共に、設定された時間(10分間)インキュベートした後、酸性化血清アルブミンを添加して未消化のヒアルロン酸ナトリウムを沈殿させることによって測定される。得られた試料の濁度を30分間の発現期間後に640nmで測定する。ヒアルロン酸ナトリウム基質に対する酵素活性に起因する濁度の低下が、可溶性rHuPH20ヒアルロニダーゼ活性の尺度になる。この方法は、可溶性rHuPH20アッセイ作業用参照標準の希釈液で作成される検量線を使って行われ、試料活性測定はこの検量線との比較でなされる。
第1世代ヒトsPH20の生産および精製
A.5Lバイオリアクタープロセス
3D35Mのバイアルを融解し、100nMメトトレキサートおよびGlutaMAX(商標)-1(Invitrogen)を補足したCD CHO培地(Invitrogen、カリフォルニア州カールズバッド)中で、シェーカーフラスコから1Lスピナーフラスコまで拡大培養した。細胞を、1mlあたり4×105個の生細胞という接種密度で、スピナーフラスコから5Lバイオリアクター(Braun)に移した。パラメータは、温度設定値37℃、pH7.2(開始設定値)、溶存酸素設定値25%および空気オーバーレイ(air overlay)0〜100cc/分とした。168時間の時点で、250mlの第1フィード(Feed #1)培地(50g/Lグルコースを含むCD CHO)を加えた。216時間の時点で、250mlの第2フィード(Feed #2)培地(50g/Lグルコースおよび10mM酪酸ナトリウムを含むCD CHO)を加え、264時間の時点で、250mlの第2フィード培地を加えた。このプロセスにより、1mlあたり1600単位の最終生産能力が、6×106細胞/mlの最大細胞密度で得られた。酪酸ナトリウムを添加したのは、生産の最終段階における可溶性rHuPH20の生産を劇的に強化するためである。
スケールアッププロセスを使って、3D35M細胞の4つの異なるバイアルから可溶性rHuPH20を別々に精製して、sHuPH20の4つの独立したバッチ、HUA0406C、HUA0410C、HUA0415CおよびHUA0420Cを生産した。各バイアルを別々に125Lバイオリアクターまで拡大培養した後、カラムクロマトグラフィーを使って精製した。酵素収率などのパラメータを評価するために、プロセスの全体を通して試料を採取した。以下に記載する本プロセスの説明では、バイオリアクター開始体積およびフィード培地体積、導入細胞密度、ならびに洗浄体積および溶出体積などについて、代表的な詳細を述べる。正確な数字は各バッチごとにわずかに異なり、それらについては表24〜30に詳述する。
表22:細胞培養、収集、濃縮およびバッファー交換工程に関するモニタリングデータ
表23:Q Sepharoseカラムデータ
可溶性ヒトPH20(rHuPH20)を含有する第2世代(Gen2)細胞の作出
実施例2に記載の第1世代3D35M細胞株を、さらに高いメトトレキサートレベルに適応させて、第2世代(Gen2)クローンを作出した。樹立メトトレキサート含有培養物から、4mM GlutaMAX-1(商標)および1.0μMメトトレキサートを含有するCD CHO培地に、3D35M細胞を播種した。37℃、7%CO2湿潤インキュベータ中で、46日間にわたって、細胞を成長させ、それらを9回継代することにより、細胞を、より高いメトトレキサートレベルに適応させた。2.0μMメトトレキサートを含む培地が入っている96穴組織培養プレートでの限界希釈法により、増幅された細胞集団をクローンアウト(clone out)した。約4週間後に、クローンを同定し、クローン3E10Bを拡大培養のために選択した。4mM GlutaMAX-1(商標)および2.0μMメトトレキサートを含有するCD CHO培地中で、継代20代にわたって、3E10B細胞を成長させた。3E10B細胞株のマスター細胞バンク(MCB)を作製し、凍結し、以後の研究に使用した。
A.300Lバイオリアクター細胞培養における第2世代可溶性rHuPH20の生産
HZ24-2B2のバイアルを融解し、20μMメトトレキサートおよびGlutaMAX-1(商標)(Invitrogen)を補足したCD CHO培地(Invitrogen、カリフォルニア州カールズバッド)中で、シェーカーフラスコから36Lスピナーフラスコまで拡大培養した。簡単に述べると、細胞のバイアルを37℃の水浴で融解し、培地を加え、細胞を遠心分離した。細胞を、20mLの新鮮培地が入っている125mL浸透フラスコに再懸濁し、37℃、7%CO2のインキュベータに入れた。細胞を125mL振とうフラスコ中で40mLまで拡大培養した。細胞密度が1.5×106細胞/mLを上回る密度に達したら、培養物を125mLスピナーフラスコに100mLの培養体積で拡大した。フラスコを37℃、7%CO2でインキュベートした。細胞密度が1.5×106細胞/mLを上回る密度に達したら、培養物を250mLスピナーフラスコに200mLの培養体積で拡大し、フラスコを37℃、7%CO2でインキュベートした。細胞密度が1.5×106細胞/mLを上回る密度に達したら、培養物を1Lスピナーフラスコに800mLの培養体積で拡大し、37℃、7%CO2でインキュベートした。細胞密度が1.5×106細胞/mLを上回る密度に達したら、培養物を6Lスピナーフラスコに5000mLの培養体積で拡大し、37℃、7%CO2でインキュベートした。細胞密度が1.5×106細胞/mLを上回る密度に達したら、培養物を36Lスピナーフラスコに32Lの培養体積で拡大し、37℃、7%CO2でインキュベートした。
Q Sepharose(Pharmacia)イオン交換カラム(樹脂9L、H=29cm、D=20cm)を調製した。pHおよび伝導度の決定ならびにエンドトキシン(LAL)アッセイのために洗浄液試料を集めた。カラムを5カラム体積の10mM Tris、20mM Na2SO4、pH7.5で平衡化した。濃縮しダイアフィルトレーションに付した収集物を、ウイルス不活化後に、100cm/時間の流速でQカラムに負荷した。カラムを、5カラム体積の10mM Tris、20mM Na2SO4、pH7.5および10mM HEPES、50mM NaCl、pH7.0で洗浄した。タンパク質を10mM HEPES、400mM NaCl、pH7.0で溶出させ、0.22μm最終フィルタを通して滅菌バッグに濾過した。溶出液試料を生物汚染度、タンパク質濃度および酵素活性について調べた。この交換の最初と最後にA280吸光度を読み取った。
300Lバイオリアクター細胞培養における第2世代可溶性rHuPH20の生産および精製には、100Lバイオリアクター細胞培養における第1世代可溶性rHuPH2の生産および精製(実施例4Bに記載)と比較して、プロトコールにいくつかの変更が含まれていた。単純なスケールアップ変化に加えて、これらの方法の間の典型的な相違点を、表30に説明する。
シアル酸および単糖類含有量の決定
可溶性rHuPH20のシアル酸および単糖類含有量は、トリフルオロ酢酸による加水分解後の逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)で評価することができる。一例として、精製ヒアルロニダーゼロット番号HUB0701E(1.2mg/mL;基本的に実施例6に記載したように生産および精製したもの)のシアル酸および単糖類含有量を決定した。簡単に述べると、100μg試料を2つ一組にして40%(v/v)トリフルオロ酢酸により100℃で4時間加水分解した。加水分解後に試料を乾固し、300μLの水に再懸濁した。各再懸濁試料から45μLずつを新しいチューブに移し、乾固し、10μLの10mg/mL酢酸ナトリウム溶液をそれぞれに加えた。放出された単糖類を、30mg/mL 2-アミノ安息香酸、20mg/mLシアノ水素化ホウ素ナトリウム、約40mg/mL酢酸ナトリウムおよび20mg/mLホウ酸を含有するメタノール溶液50μLの添加により、蛍光標識した。その混合物を、暗所、80℃で30分間インキュベートした。440μLの移動相A(0.2%(v/v)n-ブチルアミン、0.5%(v/v)リン酸、1%(v/v)テトラヒドロフラン)を加えることによって、この誘導体化反応をクエンチした。水のマトリックスブランクも、陰性対照として、ヒアルロニダーゼ試料について述べたとおりに、加水分解処理および誘導体化処理に付した。放出された単糖類を、オクタデシル(C18)逆相カラム(4.6×250mm、粒径5μm;J.T.Baker)を用いるRPLCで分離し、蛍光検出(励起波長360nm、蛍光波長425nm)でモニターした。単糖類含有量の定量は、ヒアルロニダーゼ試料から得られたクロマトグラムを、N-D-グルコサミン(GlcN)、N-D-ガラクトサミン(GalN)、ガラクトース、フコースおよびマンノースを含む単糖類標準のクロマトグラムと比較することによって行った。ヒアルロニダーゼ1分子あたりの各単糖類のモル比を表31に示す。
表31:可溶性rHuPH20の単糖類含有量
3D35M細胞および2B2細胞から得られる可溶性rHuPH20のC末端不均一性
3D35M細胞から100Lバイオリアクター体積で(ロットHUA0505MA)、および2B2細胞から300Lバイオリアクター体積で(ロットHUB0701EB)、それぞれ生産され精製されたsHuPH20の2つのロットで、C末端配列決定を行った。これらのロットを、アスパラギン酸およびシステイン酸のN末端側でペプチド結合を特異的に切断するエンドプロテイナーゼAsp-Nにより、別々に消化した。これにより、可溶性rHuPH20のC末端部分が、配列番号4の位置431のアスパラギン酸で放出される。そのC末端フラグメントを分離し、特徴づけることにより、ロットHUA0505MAおよびロットHUB0701EB中の各集団の配列および存在量を決定した。
表32:ロットHUA0505MAから得られるC末端フラグメントの分析
異なるヒアルロナン分解酵素の分散活性の比較
異なるヒアルロナン分解酵素の、分散剤として作用する能力をインビボで評価した。マウスにおける分散アッセイを使って、異なるヒアルロナン分解酵素の、トリパンブルーの分散剤として作用する能力を評価すると共に、共投与されたインスリンの血中グルコース降下効力を強化する、その酵素の能力も評価した。アッセイされるヒアルロナン分解酵素には、rHuPH20、PEG化PH20(PEG PH20)、Hyal1、コンドロイチナーゼABC、コンドロイチナーゼACおよびストレプトミセス・ヒアルロリチカス(Streptomyces hyalurolyticus)リアーゼを含めた。これらを、中性バッファー(10mMリン酸ナトリウム、pH7.4、145.5mM NaCl、1mg/mlヒト血清アルブミン)中でトリパンブルーおよびHumulin(登録商標)インスリンと混合し、麻酔したマウスに送達した。次にトリパンブルーの分散面積と血中グルコースレベルをどちらも測定した。中性pHバッファーのみおよびHumulin(登録商標)インスリンのみを陰性対照として使用した。低pHバッファー(pH4.5)の、分散剤として作用する能力も調べた。
表34に、各試験物の投与後の平均色素分散面積を示す。
中性pHバッファー中および低pHバッファー中のトリパンブルー色素は、ごくわずかな展着しか示さず、分散面積は平均で注射2.5分後の約36mm2から注射20分後の約51mm2の範囲にある。トリパンブルー色素をHumulin(登録商標)インスリン、Hyal1、またはPEG PH20と混合して送達したが、色素をバッファーのみと混合した場合に観察されるものと比較して、分散面積に統計的に有意な増加はなかった。これに対し、rHuPH20、コンドロイチナーゼABC、コンドロイチナーゼACまたはストレプトミセス・ヒアルロリチカス・リアーゼと混合して送達した場合には、色素の分散に有意な増加が観察された。rHuPH20と混合して送達した場合のトリパンブルー色素の平均分散面積は、注射の2.5、5、10、15および20分後に、それぞれ約45mm2、66mm2、80mm2、86mm2および102mm2だった。コンドロイチナーゼ(Condroitinase)ACと混合して送達した場合のトリパンブルー色素の平均分散面積は、注射の2.5、5、10、15および20分後に、それぞれ約76mm2、107mm2、107mm2、110mm2および116mm2だった。コンドロイチナーゼ(Condroitinase)ABCと混合して送達した場合のトリパンブルー色素の平均分散面積は、注射の2.5、5、10、15および20分後に、それぞれ約57mm2、75mm2、79mm2、81mm2および88mm2だった。ストレプトミセス・ヒアルロリチカス・リアーゼと混合して送達した場合のトリパンブルー色素の平均分散面積は、注射の2.5、5、10、15および20分後に、それぞれ約74mm2、76mm2、101mm2、103mm2および130mm2だった。
表34:色素分散面積(mm 2 )の群平均の要約
表35に、各試験物を投与した後の平均血中グルコースレベル(mg/dL)を示す。色素およびバッファーのみを投与されたマウスにおける血中グルコースレベルは、注射前の平均約212mg/dLから注射5分後の約323mg/dLまで増加した。その後、レベルは、注射20分後の約367mg/dLまで徐々に上昇した。インスリンが存在しない場合の、この血中グルコースの増加は、麻酔薬が齧歯類動物における血中グルコースに及ぼす周知の効果によるものである(例えばSahaら (2005) Exp.Biol.Med. 230:777-784参照)。Humulin(登録商標)インスリンを投与すると、血中グルコースレベルは注射後分後に平均で(注射前の約226mg/dLから)約292mg/dLへと短時間上昇した後、注射の10、15および20分後に、それぞれ平均で約171mg/dL、122mg/dLおよび97mg/dLまで低下した。Humulin(登録商標)インスリンと共に投与した場合、ヒアルロナン分解酵素はいずれも血中グルコースレベルを低下させたが、rHuPH20、PEG PH20、コンドロイチナーゼABCおよびストレプトミセス・ヒアルロリチカス・リアーゼの共投与は、Humulin(登録商標)インスリンのみで観察されるよりもさらに速く、レベルを低下させるようだった。
表35:血中グルコースレベル(mg/dL)の群平均の要約
rHuPH20のPEG化
A.rHuPH20へのmPEG-SBA-30Kのコンジュゲーション
PEG化可溶性ヒトヒアルロニダーゼを作製するために、rHuPH20(サイズは約60KDa)を、30kDaの概算分子量を持つメトキシポリ(エチレングリコール)ブタン酸の線状N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(mPEG-SBA-30K)に共有結合でコンジュゲートした。mPEG-SBAの構造を次のスキーム2に示す。
スキーム2
スキーム3
PEG化rHuPH20物質をゲル電気泳動でアッセイした。上記実施例7Aと同様に製造したPEG化rHuPH20の3つのバッチは、異なる距離に移動する未反応PEGとmPEG-rHuPH20コンジュゲートの複数の分子種とを表す同じパターンの複数バンドを示した。分子量マーカーの移動との比較によれば、それらの分子種を表すバンドは、約90KDaから300KDaの範囲にわたり、240KDaマーカーより上に移動した黒いバンドは3つあった。これらのデータから、mPEG-SBA-30Kの共有結合的コンジュゲーションによって作製されたPEG化rHuPH20は、おそらくモノ−、ジ-およびトリPEG化タンパク質を含むPEG化rHuPH20分子種の不均一な混合物を含有することが示された。60KDaに目に見えるバンドがないことから、全てのタンパク質がPEGと反応したこと、および検出可能なネイティブrHuPH20は混合物中に存在しないことが示唆された。
ブタに皮下投与した後のインスリンの薬物動態にrHuPH20が及ぼす効果
ブタモデルが組換えヒアルロニダーゼ(例えばrHuPH20)と共投与された食事時インスリンの薬物動態をモデル化するのに適しているかどうかを決定するために、rHuPH20と共に、またはrHuPH20なしで、ブタに皮下注射した後の、Humalog(登録商標)インスリンリスプロおよびHumulin(登録商標)Rインスリンの薬物動態を評価した。次にそれらの結果をヒトで観察されたもの(実施例1参照)と比較して、ブタモデルがヒトで見られたものを正確に反映するかどうかを決定した。
4800U/mLのrHuPH20を伴う、およびrHuPH20を伴わない、100U/mLのHumalog(登録商標)インスリンリスプロまたはHumulin(登録商標)Rインスリンの投薬溶液(または試験物)は下記のように調製した。100 Humalog(登録商標)インスリンリスプロのみおよびHumulin(登録商標)Rインスリンのみの溶液を、それぞれ、Humalog(登録商標)インスリンリスプロ(100U/mL;ロットA418976、Eli Lilly)およびHumulin(登録商標)Rインスリン(100U/mL;ロットA393318、Eli Lilly、滅菌希釈剤(Eli Lilly)で1:5希釈)の市販ロットから調製した。Humalog(登録商標)インスリンリスプロ/rHuPH20溶液を調製するために、910μLの100U/mL Humalog(登録商標)インスリンリスプロ(Eli Lilly、ロットA418976)、44.6mLのHYLENEX組換え体(HYLENEX recombinant)(ヒトヒアルロニダーゼ注射剤(hyaluronidase human injection))(Baxter、ロット903646)および45.4μLのrHuPH20 API 1mg/mL(Halozyme Therapeutics、ロットHUA0703MA)を混合して、91U/mLの最終Humalog(登録商標)インスリンリスプロ濃度および5454U/mLのヒアルロニダーゼ活性にした。Humulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20溶液を調製するために、200μLの500U/mL Humulin(登録商標)Rインスリン(Eli Lilly、ロットA393318)および800μLのrHuPH20製剤(Drug Product)6000U/mL(Halozyme、ロット288004;rHuPH20製剤は、145mM NaCl、10mMリン酸水素ナトリウム、2.7mM塩化カルシウム、2.7mM EDTA二ナトリウム塩、1mg/mLヒト血清アルブミン、pH7.4中に、50μgのrHuPH20を含有していた)を混合して、100U/mLの最終インスリン濃度および4800U/mLのrHuPH20ヒアルロニダーゼ活性にした。
表36:ブタモデルを検証するための投薬プロトコール
血清中IRI濃度を、各血清試料ごとに、StatLIA(登録商標)アッセイ解析ソフトウェア(Brendan Technologies、カリフォルニア州カールズバッド)を使って、内挿法により、標準曲線から決定した。表37に、Humalog(登録商標)インスリンリスプロ、Humalog(登録商標)インスリンリスプロ/rHuPH20、Humulin(登録商標)RインスリンまたはHumulin(登録商標)Rインスリン/rHuPH20を投与した後のIRI濃度を記載する。表37には前採血試料で測定されるベースラインIRIレベルが記載されている。次に、これらのベースラインを、各時点で測定される実際のIRI濃度から差し引いて、ベースライン調節済のIRI濃度を決定した。
表37:血清中IRI濃度-時間プロファイル
ベースラインインスリン濃度を差し引いた後のインスリン濃度-時間プロファイル(上記表37)を使って、次に挙げるPKパラメータを算出した:tmax、Cmax、初期t50%、後期t50%、およびAUC区間。PKパラメータは、WinNonlin Professionalバージョン5.2(Pharsight Corp.、カリフォルニア州マウンテンビュー)で、モデル200(model 200)を使って、ノンコンパートメント解析によって導き出した。統計量の計算は、SASバージョン9.1.3(SAS Institute、ノースカロライナ州キャリー)を使って行った。全ての解析は、処置の固定効果を含む混合モデルを使って行った。各動物ごとの反復観察間に複合対称共分散行列(compound symmetric covariance matrix)を仮定した。Cmaxおよび全てのAUC評価項目についての解析は対数変換値を使って行い、値ゼロは対数変換前に1(対数目盛での0)で置き換えた。時間ベースの評価項目は、元の線形目盛で解析した。
表38:rHuPH20を伴う、またはrHuPH20を伴わない、皮下投与後のインスリンPKパラメータ
b N=4
c N=13
表39:Humalog(登録商標)インスリンリスプロのみまたはHumulin(登録商標)RインスリンとrHuPH20を皮下投与した後のインスリンPKパラメータ
b N=13
ブタにおけるHumulin(登録商標)RインスリンまたはHumalog(登録商標)インスリンリスプロとrHuPH20との共投与は、対照注射(すなわちHumulin(登録商標)RインスリンのみまたはHumalog(登録商標)インスリンリスプロのみ)と比較して、特定のPKパラメータを有意に変化させた。具体的に述べると、最大曝露(Cmax)は、rHuPH20と共に投与した場合、それぞれの対照と比較して、Humalog(登録商標)インスリンリスプロでは163%(p=0.0251)、Humulin(登録商標)Rインスリンでは165%(p=0.0218)増加した。作用の発現(初期t50%)は、Humalog(登録商標)インスリンリスプロでは36分から11分に加速され(p=0.0182)、Humulin(登録商標)Rインスリンでは61分から10分に加速された(p<0.0001)。最大効果到達時間(tmax)は、Humalog(登録商標)インスリンリスプロでは58分から39分に加速され(p=0.1963)、Humulin(登録商標)Rインスリンでは94分から38分に加速された(p=0.0004)。後期t50%は、Humalog(登録商標)インスリンリスプロでは110分から52分に加速され(p=0.0002)、Humulin(登録商標)Rインスリンでは170分から70分に加速された(p<0.0001)。総曝露(AUCinf)には、Humalog(登録商標)インスリンリスプロ(117%対照;p=0.5176)でも、Humulin(登録商標)Rインスリン(88%対照;p=0.6118)でも、意味のある変化はなかった。累積曝露は、Humalog(登録商標)インスリンリスプロでも(AUC0-30は、Humalog(登録商標)インスリンリスプロを単独で投与した場合と比較して、763%増加した;p=0.0198)、Humulin(登録商標)Rインスリンでも(AUC0-30は、Humulin(登録商標)Rインスリンを単独で投与した場合と比較して、1429%増加した;p=0.0027)、より早い時間枠に向かってシフトした。Humulin(登録商標)RインスリンとrHuPH20の共投与、またはHumalog(登録商標)インスリンリスプロとrHuPH20の共投与は、Humulin(登録商標)RインスリンのみまたはHumalog(登録商標)インスリンリスプロのみと比較した最大血清中IRI濃度到達時間(tmax、初期t50%、後期t50%)の減少およびピーク曝露濃度(Cmax)の増加によって証明されるとおり、(それぞれのインスリンが単独で送達された場合と比較して)血管コンパートメントへのインスリンの吸収速度を増加させた。加えて、Humalog(登録商標)インスリンリスプロでも、Humulin(登録商標)Rインスリンでも、rHuPH20と共投与した場合には、単独で投与した場合と比較して、初期累積曝露(AUC0-30)が増加した。
rHuPH20と共に、およびrHuPH20なしで、皮下投与された、2つの用量のレギュラーインスリンの薬物動態
2つの異なる濃度で皮下投与した時のレギュラーインスリンの薬物動態(PK)を、単独の場合と、rHuPH20と共投与した場合の両方について、上記実施例10に記載のブタモデルで評価した。レギュラーインスリンを20U/mLおよび100U/mLの濃度で、単独投与した場合のPKを、rHuPH20との共投与後の同じ2つの濃度と比較するために、複数回投与4元交差デザイン試験(multiple dose 4-way crossover design study)を行った。いずれの場合も、合計0.2U/kgのインスリンを投与した。
4つの試験物を投薬用に調製した。2つの試験物はそれぞれ20U/mLおよび100U/mLのレギュラーインスリン(Humulin(登録商標)Rインスリン;Eli Lilly)を含有した(それぞれインスリンU20およびインスリンU100と呼ぶ)。残り2つの試験物は、それぞれ20U/mLおよび100U/mLのレギュラーインスリン(Diosynth Biotechnologies(Schering-Ploughの一部門))を、20μg/mL(約2400U/mL)のrHuPH20と共に含有した(それぞれインスリン-PH20 U20およびインスリン-PH20 U100と呼ぶ)。インスリンU20試験物は、滅菌希釈剤(Eli Lilly)でHumulin(登録商標)Rインスリン(100U/mL;ロットA390566A;Eli Lilly)を1:5希釈することによって調製した。インスリンU100試験物は、無希釈Humulin(登録商標)Rインスリン(100U/mL;ロットA509721;Eli Lilly)とした。インスリン-PH20 U20試験物は、0.74mg/mL(20U/mL)のレギュラーインスリン(ロット番号SIHR107;Diosynth Biotechnologies)と20μg/mL(約2400U/mL)のrHuPH20とを、25mM Tris、120mM NaCl、0.01%ポリソルベート80、pH7.3中に含有した。インスリン-PH20 U100試験物は、3.69mg/mL(100U/mL)のレギュラーインスリン(ロット番号SIHR107;Diosynth Biotechnologies)と20μg/mL(約2400U/mL)のrHuPH20とを、25mM Tris、120mM NaCl、0.01%ポリソルベート80、pH7.3中に含有した。
表40:投薬プロトコール
血清中IRI濃度を、各血清試料ごとに、StatLIA(登録商標)アッセイ解析ソフトウェア(Brendan Technologies、カリフォルニア州カールズバッド)を使って、内挿法により、標準曲線から決定した。表41に、インスリンU20、インスリンU100、インスリン-PH20 U20およびインスリン-PH20 U100を投与した後の平均血清中IRI濃度を記載する。表41には前採血試料で測定されるベースラインIRIレベルが記載されている。次に、これらのベースラインを、各時点で測定される実際のIRI濃度から差し引いて、ベースライン調節済のIRI濃度を決定した。
表41:血清中IR濃度-時間プロファイル
ベースラインインスリン濃度を差し引いた後のインスリン濃度-時間プロファイル(上記表41)を使って、次に挙げるPKパラメータを算出した:tmax、Cmax、初期t50%、後期t50%、およびAUC区間。WinNonlin Professionalモデル200(バージョン5.2、Pharsight Corp.、カリフォルニア州マウンテンビュー)を使用し、ノンコンパートメント解析によって、血清IRI対時間データをモデル化し、PKパラメータを算出した。統計量の計算および群間の統計的比較は、SASバージョン9.1.3(SAS Institute、ノースカロライナ州キャリー)を使って行った。全ての解析は、処置の固定効果を含む混合モデルを使って行った。各動物ごとの反復観察間に複合対称共分散行列を仮定した。Cmaxおよび全てのAUC評価項目の解析は対数変換値を使って行い、値ゼロは対数変換前に1(対数目盛での0)で置き換えた。時間ベースの評価項目は、元の線形目盛で解析した。
表42:rHuPH20を伴う、またはrHuPH20を伴わない、皮下投与後のインスリンPKパラメータ
c N=10匹
d N=8匹
e N=9匹
この試験では、rHuPH20と共に、およびrHuPH20なしで、異なる濃度で皮下投与される同じ総インスリン用量の効果を調べた。
メチルパラベンの存在下で塩濃度がrHuPH20に及ぼす効果
加速温度(accelerated temperature)(40℃)において、保存剤メチルパラベンを含むrHuPH20、およびメチルパラベンを含まないrHuPH20の安定性に、NaClが及ぼす効果を評価した。rHuPH20(ヒスチジン/HCl、pH6.5、130mM NaCl中、10mg/ml)を、メチルパラベン(Fluka)と共に、またはメチルパラベンなしで、6つの異なる濃度のNaClと混合することにより、12の異なる製剤を調製した。各製剤は、10μg/mLのrHuPH20、25mM Tris、pH7.3、0.01%Tween80と、0、50mM、100mM、150mM、200mMまたは250mM NaClのいずれかとを、0.2%メチルパラベン(methyparaben)と共に、またはメチルパラベンなしで含有した。これらの溶液を、ゴム栓付きの2mlタイプIガラスバイアルに小分けし、試験の間はアルミナキャップで封印した。1セットのバイアルを40℃で4日間保存し、もう1セットのバイアルは、陽性対照とするために、2〜8℃の冷蔵庫で保存した。次にヒアルロニダーゼ(酵素)活性について試料を調べた。凝集のレベルを評価するために、G2000 SWXLカラム(Tosoh Bioscience)を使用し、1×PBSをランニングバッファーとし、流速を1ml/分に設定して、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を行った。
表43:40℃および4℃で4日間保存した試料の酵素活性およびSEC結果
インスリンおよびrHuPH20の共製剤
さまざまな条件下、例えばさまざまな温度およびpH、ならびに製剤での、rHuPH20およびインスリンの安定性を評価するために、一連の試験を行った。
最初の試験では、さまざまな塩濃度およびpH値で製剤を調製し、冷蔵条件下(5℃)、加速条件下(25℃)、およびストレス条件下(25℃、35℃および40℃)で最大3ヶ月まで貯蔵した後に活性の喪失を評価することにより、オスモル濃度およびpHがrHuPH20(Hylenex組換え体(ヒトヒアルロニダーゼ注射剤)として製剤化されたもの)の安定性に及ぼす効果を評価した。Hylenex組換え体(ヒトヒアルロニダーゼ注射剤)は150U/mL rHuPH20、144mM NaCl、10mMリン酸水素ナトリウム、1mg/mLヒトアルブミン(human albumin human)、2.7mMエデト酸二ナトリウム、2.7mM CaClを含有し、290〜350mOsmのオスモル濃度範囲および7.4のpHを持つ。この製剤を調節して、表44に記載する8つの製剤(および対照Hylenex)を調製した。酵素活性(すなわちヒアルロニダーゼ活性)は上述のように決定した。rHuPH20含有量もRP-HPLCで決定した。
表44:rHuPH20の製剤
バッファー系のpHの変動がrHuPH20の安定性に及ぼす効果を評価した。rHuPH20(1,200,000U/mL、10mg/mL)を5.0、5.5、6.0、6.5または7.0のpHを持つ130mM NaCl、10mMヒスチジン中に製剤化した。次にそれらの製剤を、5℃で0、3、6、9および12ヶ月間;60%相対湿度中、25℃で0、3、6、9および12ヶ月間、そして35℃で0、1、2、3および6ヶ月間、貯蔵した。冷蔵温度では、全ての製剤が全期間にわたって安定だった。rHuPH20は、pH6.0、6.5、および7.0の試験物については、5℃で12ヶ月、25℃で6ヶ月、および35℃で3ヶ月にわたって、傾向限度(trend limits)内に保たれた。pH5.0および5.5で調製された製剤は、高温に対してより鋭敏であり、酵素活性の有意な減少を起こした。
最大4週間にわたる冷蔵(5℃)、加速(30℃および35℃)ならびに撹拌(25℃)貯蔵条件において、インスリン類似体と共に製剤化されたrHuPH20の安定性に、pHおよび保存剤が及ぼす影響を評価するために、rHuPH20をHumalog(登録商標)インスリンリスプロまたはNovolog(登録商標)インスリンアスパルトと混合し、酵素活性および安定性を評価した。インスリンの安定性はRP-HPLCで評価した。0.2%フェノール;0.2%m-クレゾール;0.2%パラベン;0.2%フェノールおよび0.1%F68;または0.2%フェノールおよび1mMベンゾエートを含む、10μg/mL rHuPH20、100U/mLインスリン類似体、140mM NaCl、20mM Tris HClで、試験物を調製した。これらの製剤のそれぞれを、pH7、7.25および7.5で調製して、合計30の試験物(15のHumalog(登録商標)インスリンリスプロ/rHuPH20試験物と、15のNovolog(登録商標)インスリンアスパルト/rHuPH20試験物)を得た。次に、これらの試験物を、5℃、30℃、35℃および25℃で、撹拌しながら、4週間貯蔵した。rHuPH20酵素活性を全ての条件下で評価した。インスリンの溶解性を、5℃および25℃で撹拌しながら貯蔵した試験物について、RP-HPLCで評価した。
表45:インスリン類似体/rHuPH20製剤において30℃および35℃で4週間後に残存するrHuPH20活性
Claims (48)
- a)正常血中グルコースレベルを維持するための治療有効濃度の速効型インスリン類似体、ここに、
該類似体はインスリングルリジンまたはインスリンアスパルトであり、
該血中グルコースレベルは食事時および食後血中グルコースレベルである、および
b)少なくとも1単位(U)/mLのヒアルロニダーゼ活性の濃度の可溶性ヒアルロニダーゼ
を含む超速効型インスリン組成物であって、ここに、該超速効型インスリン組成物は、皮下、皮内、筋内および腹腔内投与のなかから選択される投与経路用に製剤化されており、該超速効型インスリン組成物は、該速効型インスリン類似体単独よりも早く作用が発現し、該速効型インスリン類似体単独よりも短い作用持続期間を有し、それにより、投与時に、非糖尿病対象の内因性食後インスリン放出を綿密に模倣する、超速効型インスリン組成物。 - 速効型インスリン類似体の濃度が10単位(U)/mL〜500U/mlのインスリンである、請求項1に記載の組成物。
- 速効型インスリン類似体の濃度が10U/mL〜500U/mlのインスリンであり、
ヒアルロニダーゼの濃度が、少なくとも2U/mLである、
請求項1または2に記載の組成物。 - ヒアルロニダーゼの濃度が、少なくとも30単位/mLのヒアルロニダーゼ活性である、請求項1または2に記載の組成物。
- 組成物の体積が50mLまでである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- ヒアルロニダーゼの濃度が少なくとも1U/mLから5000U/mLまでである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 複数回投与用に製剤化されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
- 単回投与用に製剤化されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
- クローズドループシステム、インスリンペンまたはインスリンポンプによる送達用に製剤化されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
- 血中グルコースレベルが食後血中グルコースレベルである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
- インスリン類似体が、配列番号103に記載するアミノ酸配列を持つA鎖と配列番号147または149のいずれか一つに記載するアミノ酸配列を持つB鎖とを有するインスリンの中から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
- さらに1つ以上の追加インスリンを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
- さらに基礎作用型インスリンを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
- 可溶性ヒアルロニダーゼがヒツジPH20、ウシPH20または切断型ヒトPH20から選択される、請求項1に記載の組成物。
- 可溶性ヒトPH20が、配列番号4〜9および48のいずれか一つに記載するアミノ酸配列を持つポリペプチドの中から選択される切断型ヒトPH20である、請求項14に記載の組成物。
- ヒアルロニダーゼが組換え可溶性ヒトPH20として提供される可溶性ヒアルロニダーゼである、請求項14または15に記載の組成物。
- 請求項1〜16のいずれか一項に記載する組成物を含むシリンジまたはバイアル。
- 請求項1〜16のいずれか一項に記載する組成物を含むクローズドループシステム。
- 請求項1〜16のいずれか一項に記載する組成物を含むインスリンポンプ。
- 請求項1〜16のいずれか一項に記載する組成物を含むインスリンペン。
- 対象における血中グルコースレベルを管理するためのクローズドループシステムであって、
速効型インスリン類似体と可溶性ヒアルロニダーゼとを含み、ここに、
該可溶性ヒアルロニダーゼが少なくとも1単位(U)/mLのヒアルロニダーゼ活性の濃度であり、
該速効型インスリン類似体がインスリングルリジンまたはインスリンアスパルトであり、
該速効型インスリン類似体と該可溶性ヒアルロニダーゼとが同じまたは異なるリザーバに入っており、
該速効型インスリン類似体および該可溶性ヒアルロニダーゼが組み合わされたとき、超速効型インスリン組成物を形成し、
該超速効型インスリン組成物が該速効型インスリン類似体単独よりも早く作用が発現し、該速効型インスリン類似体単独よりも短い作用持続期間を有し、それにより、投与時に、該組成物が非糖尿病対象の内因性食後インスリン放出を綿密に模倣する、
クローズドループシステム。 - グルコースセンサー、ヒアルロニダーゼと速効型インスリン類似体とを送達するための送達システム、およびポンプ機能とモニタリング機能とを統合するようにプログラムされたソフトウェアの1つ以上をさらに含み、それにより、ヒアルロニダーゼと速効型インスリン類似体とが、非糖尿病対象における血糖管理を模倣する血糖管理が達成されるように送達される、請求項21に記載のクローズドループシステム。
- インスリン類似体が、配列番号103に記載するアミノ酸配列を持つA鎖と配列番号147または149のいずれか一つに記載するアミノ酸配列を持つB鎖とを有するインスリンの中から選択される、請求項21または22に記載のクローズドループシステム。
- さらに1つ以上の追加インスリンを含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載のクローズドループシステム。
- 追加インスリンの一つが基礎作用型インスリンである、請求項24に記載のクローズドループシステム。
- 速効型インスリンを含有するリザーバが7000単位(U)までのインスリンを含有する、請求項21〜25のいずれか一項に記載のクローズドループシステム。
- 少なくとも0.1単位の個々の用量増分で速効型インスリンを送達することができる、請求項21〜26のいずれか一項に記載のクローズドループシステム。
- ヒアルロニダーゼを含有するリザーバが、少なくとも0.3単位のヒアルロニダーゼ活性である量のヒアルロニダーゼを含有する、請求項21〜27のいずれか一項に記載のクローズドループシステム。
- 少なくとも0.3単位のヒアルロニダーゼ活性と機能的に等価である量のヒアルロニダーゼという個々の用量増分でヒアルロニダーゼを送達することができる、請求項21〜28のいずれか一項に記載のクローズドループシステム。
- 速効型インスリン類似体を選択し、ここに、該速効型インスリン類似体は、インスリングルリジンまたはインスリンアスパルトであり、
それを、少なくとも1U/mLの可溶性ヒアルロニダーゼと組み合わせて、組成物を超速効型インスリン組成物にすることを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の超速効型インスリン組成物を製造するための方法。 - 10U〜500Uの速効型インスリン類似体を含有する第1組成物、ここに、該速効型インスリン類似体はインスリングルリジンまたはインスリンアスパルトである、および、
少なくとも1U/mLの可溶性ヒアルロニダーゼを含有する第2組成物
を含む組合せであって、ここに、
該速効型インスリン類似体および該ヒアルロニダーゼが組み合わされたとき、超速効型インスリン組成物を形成し、
該超速効型インスリン組成物が該速効型インスリン類似体単独よりも早く作用が発現し、該速効型インスリン類似体単独よりも短い作用持続期間を有し、それにより、投与時に、該組成物が非糖尿病対象の内因性食後インスリン放出を綿密に模倣し、かつ、
該組成物が皮下、腹腔内、筋内および皮内投与のなかから選択される投与経路用に製剤化されている、組合せ剤。 - ヒアルロニダーゼの濃度が少なくとも30単位/mLのヒアルロニダーゼ活性である、請求項31に記載の組合せ剤。
- 第1組成物中の速効型インスリン類似体の量が少なくとも10U/mLである、請求項31または請求項32に記載の組合せ剤。
- 第2組成物中のヒアルロニダーゼの濃度が少なくとも1U/mLから5000U/mLまでである、請求項31〜33のいずれか一項に記載の組合せ剤。
- 対象における正常血中グルコースレベルを維持するための医薬を製造するための、請求項1〜16のいずれか一項に記載する組成物の使用。
- 対象における正常血中グルコースレベルを維持するための医薬を製造するための、請求項31〜34のいずれか一項に記載する組合せ剤の使用。
- 対象における正常血中グルコースレベルの維持における使用のための請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
- 血中グルコースレベルが食後レベルを含む、請求項35または36に記載の使用。
- 血中グルコースレベルが食後レベルを含む、請求項37に記載の組成物。
- 対象における正常血中グルコースレベルの維持における使用のための請求項31〜34のいずれか一項に記載の組合せ剤。
- 血中グルコースレベルが食後レベルを含む、請求項40に記載の組合せ剤。
- 請求項1〜16のいずれか一項に記載する組成物または請求項31〜34のいずれか一項に記載する組合せ剤を含み、指示書を含んでいてもよい、キット。
- 対象において食後血中グルコースレベルを管理するための、食事の20分未満前に、または食事と共にないし食事開始後10分または20分未満内に糖尿病対象に投与するための医薬を製造するための超速効型組成物の使用であって、ここに、該組成物が、
a)正常血中グルコースレベルを維持するための治療有効濃度の速効型インスリン類似体、ここに、
該血中グルコースレベルは、食後血中グルコースレベルであり、
該速効型インスリン類似体は、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、およびインスリングルリジンから選択され、
および
b)投与時に組成物を超速効型インスリン組成物にするのに十分な濃度のヒアルロニダーゼ、ここに、
該ヒアルロニダーゼは、少なくとも1単位(U)/mLのヒアルロニダーゼ活性の濃度である、
を含み、
該超速効型インスリン組成物が、該速効型インスリン類似体単独よりも早く作用が発現し、該速効型インスリン類似体単独よりも短い作用持続期間を有し、それにより、投与時に、該組成物が非糖尿病対象の内因性食後インスリン放出を綿密に模倣し、
かつ、
該超速効型インスリン組成物が、皮下、皮内および腹腔内投与のなかから選択される投与経路用に製剤化されているところの、使用。 - 速効型インスリン類似体がインスリングルリジンまたはインスリンアスパルトである、請求項43記載の使用。
- ヒアルロニダーゼが可溶性ヒトPH20ヒアルロニダーゼである、請求項43または44に記載の使用。
- 対象において食後血中グルコースレベルを管理するための、食事の15分未満前に、または食事と共にないし食事後10分未満内に糖尿病対象に投与するために使用するための超速効型インスリン組成物であって、
a)正常血中グルコースレベルを維持するための治療有効濃度の速効型インスリン類似体、ここに、
該血中グルコースレベルは、食後血中グルコースレベルであり、
該速効型インスリン類似体は、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、およびインスリングルリジンから選択され、
および
b)投与時に組成物を超速効型インスリン組成物にするのに十分な濃度のヒアルロニダーゼ、ここに、
該ヒアルロニダーゼは、少なくとも1単位(U)/mLのヒアルロニダーゼ活性の濃度である、
を含み、
該超速効型インスリン組成物が、該速効型インスリン類似体単独よりも早く作用が発現し、該速効型インスリン類似体単独よりも短い作用持続期間を有し、それにより、投与時に、該組成物が非糖尿病対象の内因性食後インスリン放出を綿密に模倣し、
かつ、
皮下、皮内および腹腔内投与のなかから選択される投与経路用に製剤化されている、超速効型インスリン組成物。 - 速効型インスリン類似体がインスリングルリジンまたはインスリンアスパルトである、請求項46記載の組成物。
- ヒアルロニダーゼがヒトPH20ヒアルロニダーゼの可溶性形態である、請求項46または47記載の組成物。
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