JP5890516B2 - ヒアルロナン分解酵素を用いる連続的皮下インスリン注入方法 - Google Patents

ヒアルロナン分解酵素を用いる連続的皮下インスリン注入方法 Download PDF

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Description

関連出願
優先権の利益を、各々“ヒアルロナン分解酵素を用いる連続的皮下インスリン注入方法”なる表題の2011年10月27日出願の米国仮出願番号61/628,389、2011年6月17日出願の米国仮出願番号61/520,940および2012年6月8日出願の米国仮出願番号61/657,606に対して主張する。
本出願は、これと同日出願の、米国仮出願番号61/628,389、米国仮出願番号61/520,940、および米国仮出願番号61/657,606に基づく優先権を主張する“ヒアルロナン分解酵素を用いる連続的皮下インスリン注入方法”なる表題の米国出願番号13/507,261に関する。上記各関連出願の対象を、その全体を引用により本明細書に包含させる。
本出願はまた、2011年6月17日出願の“ヒアルロナン分解酵素およびインスリンの安定な配合剤”なる表題の仮出願番号61/520,962にも関する。本出願はまた同日付出願の、米国仮出願番号61/520,962に基づく優先権を主張する“ヒアルロナン分解酵素の安定製剤”なる表題の米国出願番号(Attorney Docket No. 33320.03085.US01/3085)および米国出願番号(Attorney Docket No. 33320.03085.US02/3085B)に関する。本出願はまた同日付出願の、米国仮出願番号61/520,962に基づく優先権を主張する“ヒアルロナン分解酵素の安定製剤”なる表題の国際PCT出願番号(Attorney Docket No. 33320.03085.WO01/3085PC)にも関する。
本出願はまた発明者Gregory Frost、Igor Blinsky、Daniel VaughnおよびBarry Sugarmanの、2008年4月28日出願の米国仮出願番号61/125,835に基づく優先権を主張する、2009年4月28日出願の“超速効性インスリン組成物”なる表題の、米国公開番号US20090304665として公開された出願番号12/387,225にも関する。
上記各出願の対象を、その全体を引用により本明細書に包含させる。
電子的に提出された配列を引用することによる取り込み
本出願と共に電子版の配列表が提出され、その内容をその全体を引用により本明細書に包含させる。電子ファイルは2012年6月15日に作製され、860キロバイトのサイズであり、ファイル名3097seqPC1.txtである。
発明の分野
提供されるのは、組み換えヒトPH20(rHuPH20)のようなヒアルロナン分解酵素を用いる、連続的皮下インスリン注入(CSII)である。本方法は、CSIIの間、血糖をより一貫してコントロールするのに使用できる。本方法は糖尿病または他のインスリン関連疾患または状態を有する対象の処置に使用できる。
背景
糖尿病は、膵臓が適切な量のインスリンを産生することができないためまたは細胞が適切にインスリンを合成かつ放出することができないために、慢性高血糖を生じる。高血糖はまた重症患者に発症する可能性があり、死亡率および罹病率の上昇に繋がる。インスリンは、例えば、1型糖尿病、2型糖尿病および妊娠性糖尿病を含む糖尿病を有する患者の治療剤として投与されている。インスリンはまた血糖値をコントロールするために高血糖の重症患者にも投与されている。典型的に、速効性のインスリン類は、このような対象に高血糖に応答して、または高血糖の予想に応じて、例えば、食事の摂取後に投与され、それは血糖コントロールをもたらすことができる。しかしながら、現在の速効性形態のインスリン類は吸収および作用の遅れがあり、それ故に、急速な内因性インスリン作用に近づいていない。それ故に、このような製剤は、インスリン放出のこの第1層の直後に起こる肝グルコース産生を遮断するのに十分に速く作用しない。薬理学的作用の遅延のために、速効性のインスリン製剤は、所望の血糖コントロールを達成するために食事の前に投与する必要がある。さらに、投与すべき投与量は低血糖、および多くの場合肥満に関与する作用持続時間の伸長に至る。それ故に、糖尿病対象における血糖値をコントロールするための改善されたインスリン治療法が必要とされている。
要約
提供されるのは、連続的皮下インスリン注入(CSII)治療により処置される対象における血糖のコントロールのための方法、組成物および使用である。典型的に処置対象は、1型糖尿病、2型糖尿病および妊娠性糖尿病のような、しかしこれらに限定されない糖尿病を有する。
ここに提供する方法は、対象に、組織透過性を高めるためにヒアルロン酸の加水分解を触媒するのに十分な治療有効量のヒアルロナン分解酵素を含む組成物を投与し;そして対象に速効性インスリンを含む組成物を送達するためのCSII治療を実施することを含む。ヒアルロナン分解酵素は、一般的にCSII治療と離して投与する。例えば、ヒアルロナン分解酵素をリーディング・エッジ(leading edge)でCSII治療の投与前に投与する。これらの方法を実施するために、ヒアルロナン分解酵素は、CSIIデバイスの注入セット寿命の最初に超高速インスリン応答に影響を与える量で提供される。本方法は注入セット寿命の間に最小化されるまたは減少される、CSII治療中に観察されるインスリン吸収および/または作用の変化または差異を補正できる。
例えば、ここで提供されるのは、ヒアルロナン分解酵素を含む組成物を対象に投与し;次いで対象にCSIIにより速効性インスリンを連続的に注入することによる連続的皮下インスリン注入(CSII)治療による対象における血糖のコントロール方法であって、ここで、ヒアルロナン分解酵素非存在下で実施されるCSIIと比較して、注入セット寿命中のインスリン吸収の変化または差異が最小化または減少している。ここに記載する方法の例において、ヒアルロナン分解酵素は、対象における注入セット寿命の最初に超高速インスリン応答を起こす量で投与できる。ここでの他の例において、ヒアルロナン分解酵素を、組織透過性を増加するためのヒアルロン酸の加水分解を触媒するのに十分な量で投与できる。
本方法を実施するために、CSII治療を、インスリンポンプ、速効性インスリンを含む貯蔵部、任意のグルコースモニター、および組成物の皮下注入用注入セットを含む連続的注入デバイスで行う。数例において、CSII治療を、インスリンポンプ、速効性インスリンを含む貯蔵部、グルコースモニター、および組成物の皮下注入用注入セットを含む連続的注入デバイスにより実施する。連続的注入デバイスは開放ループまたは閉鎖ループ系を提供できる。
本方法の実施に際し、CSII治療工程を、予定された期間実施するかまたは継続する。典型的に、ヒアルロナン分解酵素組成物を速効性インスリン注入前に投与する。ヒアルロナン分解酵素組成物は、最初のインターバルの前に、後にまたはその間にまたは最初のインターバルの開始と同時に投与できる。ヒアルロナン分解酵素組成物は、周期的に再注入される。典型的にCSII治療を予定されたインバータルで行い;そして各インターバル開始時に、ヒアルロナン分解酵素組成物を投与する。各インターバルの最後に、注入セット(または全ポンプ)を外してよい。典型的予定インターバルは、一般的に1日を超え、数日間、例えば2日間〜4日間であり、または長くてよく、例えば1週間であり得る。
ヒアルロナン分解酵素を、同じ注射部位または異なる注射部位を介するものを含む、CSIIデバイスのインスリン組成物の注入部位にまたはその近辺に投与してよい。ヒアルロナン分解酵素および速効性インスリン組成物は逐次的に、同時にまたは断続的に投与できる。ヒアルロナン分解酵素は、一般的にCSII治療開始前に、またはCSIIデバイスまたは注射セット交換時に投与する。それ故に、ヒアルロナン分解酵素を、CSII治療のあらゆるインバータルにおいてインスリン前に投与する。ヒアルロナン分解酵素組成物の送達は、CSIIによる注入の開始直前にまたはCSIIセット開始時または開始前に投与できる。例えば、インスリン注入は、ヒアルロナン分解酵素投与数秒間または数分間以内に開始できる。数例において、ヒアルロナン分解酵素を、インスリン注入開始少なくとも1時間、例えば少なくとも2時間前に投与する。例えば、ヒアルロナン分解酵素は、一般的にインスリン注入の約または約または正確に15秒〜1時間、30秒〜30分間、CSII開始1分〜15分、1分〜12時間、5分〜6時間、30分〜3時間、または1時間〜2時間前に投与する。数例において、ヒアルロナン分解酵素の送達はCSII治療の後、例えば1分〜12時間、5分〜6時間、30分〜3時間、または1時間〜2時間後であってよい。CSII治療が典型的に連続的であるため、ヒアルロニダーゼ分解酵素を、治療内の予定インターバルで投与しまたはCSII治療中にインスリン吸収および/または作用の変化または差異が観察されたならば必要に応じて投与してよい。典型的に、ヒアルロナン分解酵素を、速効性インスリンの投与の2時間より前に投与しない。
これらの方法において、投与するヒアルロナン分解酵素量は、酵素が正確にまたは約1単位〜200単位、5単位〜150単位、10単位〜150単位、50単位〜150単位または1単位〜50単位と機能的等価である。例えば、投与するヒアルロナン分解酵素量は、特にCHO細胞においてアミノ酸36〜482をコードする核酸の発現により産生された酵素、典型的に8ng〜2μg、20ng〜1.6μg、80ng〜1.25μgまたは200ng〜1μgまたは他のヒアルロニダーゼ分解酵素群の等価量である。
また提供されるのは、特にインスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤(例えば超速効性インスリン組成物)で処置されている対象における、血糖をコントロールするための連続的皮下インスリン注入(CSII)投与レジメンである。これらのレジメンに従い、付加的インスリンを速効性インスリン類とヒアルロナン分解酵素、および任意の基礎的インスリンの配合剤を投与したときに起こる、レベルもしくは作用の低下または血糖上昇に対抗するために周期的に投与してよい。
本方法は:a)インスリンの計画された基底速度およびボーラス投与量に従う対象に超速効性インスリン組成物を含む組成物を送達するためのCSIIの実施;およびb)少なくとも処置経過中1回、ヒアルロナン分解酵素非存在下で投与されたインスリンの計画された基底速度およびボーラス投与量と比較して少なくとも1%投与する基礎インスリンおよび/またはボーラスインスリンを増加させ、それによりインスリン作用を高めることにより実施する。工程b)は少なくとも1日1回実施してよい。ある態様において、基礎インスリン速度を上げ、他ではインスリンのボーラス投与量を上げ、そして他では基礎インスリンおよびボーラス投与量を上げる。これらのレジメンについて、ボーラス投与量は、一定の手段での食時投与量および/または一定の高血糖性矯正のための矯正ボーラスであり得る。基底速度および/またはボーラス投与量は1%〜50%、5%〜40%、10%〜20%または5%〜15%上げ得る。
超速効性インスリン組成物(速効性インスリンおよびヒアルロニダーゼ分解酵素を含む)を投与するこれらのレジメンおよびあらゆる方法において、このような超速効性インスリン組成物は:血糖値をコントロールするための治療有効量の速効性インスリン;および組成物を超速効性インスリン組成物とするのに十分な量のヒアルロナン分解酵素を含む。組成物の例は、速効性インスリンの量が正確にまたは約10U/mL〜1000U/mLであり;組成物を超速効性とするのに十分な量のヒアルロナン分解酵素が、例えば、速効性インスリンの量が正確にまたは約100U/mLであるとき、1U/mL〜10,000U/mLに機能的等価、および組成物を超速効性とするのに十分な量のヒアルロナン分解酵素が正確にまたは約600U/mLに機能的等価であるもの;速効性インスリンの量が正確にまたは約0.35mg/mL〜35mg/mLである組成物;および組成物を超速効性とするのに十分な量のヒアルロナン分解酵素が8ng/mL〜80μg/mLに機能的等価であるものである。
ここに提供する全方法において、ヒアルロナン分解酵素はヒアルロニダーゼまたはコンドロイチナーゼであり得る。ヒアルロナン分解酵素は、中性pHで活性であるヒアルロニダーゼであり得る。ある態様において、ヒアルロナン分解酵素ヒアルロナン分解酵素は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを欠くか、または細胞から発現されたとき膜型ではない、例えばGPIアンカーを欠くヒアルロニダーゼ分解酵素、または通常GPIアンカーを有するが、GPIアンカーの全てまたは一部を除去するために、1個以上のアミノ酸残基のC末端短縮化を有するものである。ヒアルロニダーゼ分解酵素群は、PH20、例えば非ヒトまたはヒトPH20であるヒアルロニダーゼであり、例えばPH20は配列番号1の少なくともアミノ酸36〜464を含むアミノ酸配列を有するか、または配列番号1の少なくともアミノ酸36〜464を含むアミノ酸配列と少なくとも85%配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ヒアルロニダーゼ活性を維持するものであり、または配列番号1の少なくともアミノ酸36〜464を含むアミノ酸配列と少なくとも86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ヒアルロニダーゼ活性を維持するPH20である。このようなPH20ポリペプチド類の例は、配列番号1に示すアミノ酸配列の465位、466位、467位、468位、469位、470位、471位、472位、473位、474位、475位、476位、477位、478位、479位、480位、481位、482位、483位、484位、485位、486位、487位、488位、489位、490位、491位、492位、493位、494位、495位、496位、497位、498位、499位または500位の後にC末端短縮化を含むアミノ酸配列、または配列番号1に示すアミノ酸配列の465位、466位、467位、468位、469位、470位、471位、472位、473位、474位、475位、476位、477位、478位、479位、480位、481位、482位、483位、484位、485位、486位、487位、488位、489位、490位、491位、492位、493位、494位、495位、496位、497位、498位、499位または500位の後にC末端短縮化を含むアミノ酸配列に少なくとも85%配列同一性を有し、ヒアルロニダーゼ活性を維持するまたは配列番号1に示すアミノ酸配列の465位、466位、467位、468位、469位、470位、471位、472位、473位、474位、475位、476位、477位、478位、479位、480位、481位、482位、483位、484位、485位、486位、487位、488位、489位、490位、491位、492位、493位、494位、495位、496位、497位、498位、499位または500位の後にC末端短縮化を含むアミノ酸配列に少なくとも86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%配列同一性を有し、ヒアルロニダーゼ活性を維持するその変異体である。包含されるのは、配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列を含むC末端切断型PH20酵素群であるヒアルロナン分解酵素群である。
ここに提供する全方法において、速効性インスリン類を単独でまたは超速効性インスリン組成物で投与するとき、それらは、単量体または多量体、例えば二量体または六量体であり得る。これらは、レギュラー(regular)インスリン、典型的にヒトインスリンを含み得るが、ブタインスリンでもよい。インスリン類は動物源から単離された天然インスリン類、組み換え的に産生されたインスリン類および合成インスリン類を含む。インスリン類の例は、配列番号103に示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号104に示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するレギュラーインスリンまたは配列番号123のアミノ酸残基位置88〜108として示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号123のアミノ酸残基位置25〜54として示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンを含む。
また使用する速効性インスリン類の中に、同等に速効性または速く作用するように操作されたインスリン類似体およびあらゆる他のインスリン類がある。インスリン類似体はインスリンアスパルト、インスリンリスプロまたはインスリングルリジンである。インスリン類似体の例は、インスリン類似体はとりわけ配列番号103に示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号147〜149のいずれかに示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンから選択される。
ここに提供する方法において、インスリン組成物は、正確にまたは約10U/mL〜1000U/mL、例えば正確にまたは約100U/mLまたは正確にまたは約0.35mg/mL〜35mg/mLで含まれ得る。
インスリン類を含む組成物は、速効性インスリン、特にインスリン類似体、およびヒアルロナン分解酵素、例えば上記のいずれかを含む組成物である超速効性インスリン組成物である。ヒアルロナン分解酵素の量は、組成物を超速効性にする量である。組成物は安定であるように、特に、インスリンの効力が最初の効力の約90%またはそれを超えて残るように製剤できる。超速効性インスリン組成物の例は、適当な塩類、pHおよび防腐剤および、必要であれば、安定化剤と、少なくとも3日間、正確にまたは約32℃〜40℃の温度で安定であるように、例えば組成物中のヒアルロナン分解酵素が最初のヒアルロニダーゼ活性の少なくとも50%を少なくとも3日間、正確にまたは約32℃〜40℃の温度で維持するように;および組成物中のインスリンが少なくとも90%効力または組成物中の最初のインスリンレベルの回復を少なくとも3日間、正確にまたは約32℃〜40℃の温度で有するように;および/または最初のインスリン純度の少なくとも90%を少なくとも3日間、正確にまたは約32℃〜40℃の温度で維持するようにまたは;および/または少なくとも3日間、正確にまたは約32℃〜40℃の温度で2%未満の高分子量(HMWt)インスリ種であるように製剤できる。
このような超速効性インスリン組成物の例は、また正確にまたは約6.5〜7.5のpHを有するもの;および正確にまたは約120mM〜200mMの濃度のNaCl;抗微生物有効量の防腐剤または防腐剤混合物;および1種以上の安定化剤を含む組成物である。安定化剤はヒアルロニダーゼ阻害剤およびインスリンおよびヒアルロニダーゼ分解酵素の分解を予防、阻止または減少させる他の化合物を含む。ヒアルロニダーゼ阻害剤の例は、タンパク質、ヒアルロナン分解酵素の基質、多糖類、脂肪酸、ラノスタノイド類、抗生物質、抗線虫剤、合成有機化合物および植物由来生理活性成分、特にヒアルロニダーゼ分解酵素またはインスリンのいずれとも共有結合的複合体を形成しない阻害剤を含むが、これらに限定されない。植物由来生理活性成分は、アルカノイド、抗酸化剤、ポリフェノール、フラボノイド類、テルペノイド類および抗炎症剤を含むが、これらに限定されない。他のヒアルロニダーゼ阻害剤は、グルコサミノグリカン(GAG)、血清ヒアルロニダーゼ阻害剤、アシュワガンダ(Withania somnifera)糖タンパク質(WSG)、ヘパリン、ヘパリン硫酸、デルマタン硫酸、キトサン類、β−(1,4)−ガラクト−オリゴ糖類、硫酸化ベルバスコース、硫酸化プランテオース、ペクチン、ポリ(スチレン−4−スルホネート)、デキストラン硫酸、アルギン酸ナトリウム、ワカメ(Undaria pinnatifida)由来の多糖、マンデル酸縮合重合体、エイコサトリエン酸、ネルボン酸、オレアノール酸、アリストロキン酸、アジマリン、レセルピン、フラボン、デスメトキシセンタウレイジン、ケルセチン、アピゲニン、ケンフェロール、シリビン、ルテオリン、ルテオリン−7−グルコシド、フロレチン、アピイン、ヘスペリジン、スルホン化ヘスペリジン、カリコシン−7−O−β−D−グルコピラノシド、フラボン−7−硫酸ナトリウム、フラボン7−フルオロ−4’−ヒドロキシフラボン、4’−クロロ−4,6−ジメトキシカルコン、5−ヒドロキシフラボン−7−硫酸ナトリウム、ミリセチン、ルチン、モリン、グリチルリジン、ビタミンC、D−イソアスコルビン酸、D−糖酸−4−ラクトン、L−アスコルビン酸−6−ヘキサデカノエート(Vcpal)、6−O−アシル化ビタミンC、カテキン、ノルジヒドログアイヤレチン酸、クルクミン、没食子酸N−プロピル、タンニン酸、エラグ酸、没食子酸、フロロフコフレッコールA、ジエコール、8,8’−ビエコール、プロシアニジン、ゴシポール、セレコキシブ、ニメスリド、デキサメサゾン、インドメタシン(indomethcin)、フェノプロフェン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、サリチレート、クロモグリク酸二ナトリウム、金チオリンゴ酸ナトリウム、transilist、トラキサノクス、イベルメクチン、リンコマイシンおよびスペクチノマイシン、スルファメトキサゾールおよびトリメトプリム(trimerthoprim)、ネオマイシン硫酸塩、3α−アセチルポリポレン酸A、(25S)−(+)−12α−ヒドロキシ−3α−メチルカルボキシアセテート−24−メチルラノスタ−8,24(31)−ジエン−26−オイック酸、ラノスタノイド、ポリポレン酸C、PS53(ヒドロキノン−スルホン酸−ホルムアルデヒドポリマー)、ポリ(スチレン−4−スルホネート)のポリマー、VERSA-TL 502、1−テトラデカンスルホン酸、マンデル酸縮合重合体(SAMMA)、1,3−ジアセチルベンゾイミダゾール−2−チオン、N−モノアシル化ベンズイミダゾール−2−チオン、N,N’−ジアシル化ベンズイミダゾール−2−チオン、アルキル−2−フェニルインドール誘導体、3−プロパノイルベンゾオキサゾール−2−チオン、N−アルキル化インドール誘導体、N−アシル化インドール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、N−置換インドール−2−および3−カルボキサミド誘導体、N−置換インドール−2−および3−カルボキサミド誘導体のハロゲン化類似体(クロロおよびフルオロ)、2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルインドール、インドールカルボキサミド類、インドールアセトアミド類、3−ベンゾリル−1−メチル−4−フェニル−4−ピペリジノール、ベンゾイルフェニルベンゾエート誘導体、l−アルギニン誘導体、グアニジウムHCL、L−NAME、HCN、リナマリン、アミグダリン、ヘデラゲニン、エスチン、CIS−ヒノキレシノールおよび1,3−ジ−p−ヒドロキシフェニル−4−ペンテン−1−オンを含む。また包含されるのはヒアルロニダーゼ基質、例えば、例えば、二糖または四糖を含むヒアルロナン(HA)オリゴ糖であるヒアルロニダーゼ阻害剤である。HAオリゴ糖は、反応した還元末端を有し、それ故に、複合体を形成し得ない。適当な阻害剤の濃度は経験的に決定できる。例えば、HAは正確にまたは約1mg/mL〜20mg/mLであり得る。
また提供されるのは、連続的皮下インスリン注入(CSII)の間に起こるインスリン吸収の変化を最小化するヒアルロナン分解酵素を含む組成物および連続的皮下インスリン注入の間に起こるインスリン吸収の変化を最小化するためのヒアルロナン分解酵素組成物の使用である。これらの使用のための成分および組成物は、連続的皮下インスリン注入(CSII)治療により処置される対象における血糖をコントロールする方法について上記のとおりである。
また提供されるのは、連続的皮下インスリン注入(CSII)の間に起こるインスリン吸収の変化を最小化する量で直接投与するために製剤されたヒアルロナン分解酵素を含む糖尿病処置のために続的皮下インスリン注入(CSII)治療においてリーディング・エッジとして使用するための組成物の使用およびそれに使用するための組成物であり、ここで、インスリン治療のリーディング・エッジ治療剤は、CSIIによるインスリン組成物の投与前に投与される組成物である。リーディング・エッジ治療のためのここで提供する使用および組成物において、ヒアルロナン分解酵素は、組織透過性を高めるためにヒアルロン酸の加水分解を触媒するのに十分な治療有効量である。
リーディング・エッジ治療のための組成物および使用の具体例において、ヒアルロナン分解酵素はヒアルロニダーゼまたはコンドロイチナーゼである。例えば、ヒアルロナン分解酵素は中性pHで活性であるヒアルロニダーゼである。ヒアルロナン分解酵素は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを欠くものまたは細胞から発現されたとき膜型ではないものである。数例において、ヒアルロナン分解酵素は1個以上のアミノ酸残基のC末端短縮化を有し、GPIアンカーの全てまたは一部を欠く。
ここで提供されるリーディング・エッジ治療のための使用および組成物において、組成物は、PH20ヒアルロニダーゼであるヒアルロナン分解酵素を含み得る。PH20は非ヒトまたはヒトPH20であり得る。PH20は配列番号1の少なくともアミノ酸36〜464を含むアミノ酸配列を有する、または配列番号1の少なくともアミノ酸36〜464を含むアミノ酸配列と少なくとも85%配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ヒアルロニダーゼ活性を維持するものであり得る。例えば、組成物中のPH20は、配列番号1の少なくともアミノ酸36〜464を含むアミノ酸配列と少なくとも86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%配列同一性を有し得て、ヒアルロニダーゼ活性を維持する。数例において、PH20ポリペプチドは配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸465位、466位、467位、468位、469位、470位、471位、472位、473位、474位、475位、476位、477位、478位、479位、480位、481位、482位、483位、484位、485位、486位、487位、488位、489位、490位、491位、492位、493位、494位、495位、496位、497位、498位、499位または500位の後にC末端短縮化を含むアミノ酸配列を有するか、または配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸465位、466位、467位、468位、469位、470位、471位、472位、473位、474位、475位、476位、477位、478位、479位、480位、481位、482位、483位、484位、485位、486位、487位、488位、489位、490位、491位、492位、493位、494位、495位、496位、497位、498位、499位または500位の後にC末端短縮化を含むアミノ酸配列に対し少なくとも85%配列同一性を示し、かつヒアルロニダーゼ活性を維持するその変異体である。例えば、PH20は、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸465位、466位、467位、468位、469位、470位、471位、472位、473位、474位、475位、476位、477位、478位、479位、480位、481位、482位、483位、484位、485位、486位、487位、488位、489位、490位、491位、492位、493位、494位、495位、496位、497位、498位、499位または500位の後にC末端短縮化を含むアミノ酸配列と少なくとも86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%配列同一性を有し、ヒアルロニダーゼ活性を維持する。ここに提供するリーディング・エッジ治療のための組成物におけるヒアルロナン分解酵素の例において、ヒアルロナン分解酵素は、配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列、または配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列と少なくとも85%配列同一性を示すアミノ酸配列を有するC末端切断型PH20である。例えば、PH20は、配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列と少なくとも86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%配列同一性を示すアミノ酸配列を有する。具体例において、PH20は配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列を有する。
ここで提供されるリーディング・エッジ治療のための使用および組成物において、組成物中のヒアルロナン分解酵素は、正確にまたは約1単位〜200単位、5単位〜150単位、10単位〜150単位、50単位〜150単位または1単位〜50単位と機能的等価である量である。組成物中のヒアルロナン分解酵素は、正確にまたは約8ng〜2μg、20ng〜1.6μg、80ng〜1.25μgまたは200ng〜1μgの量であり得る。具体例において、組成物中のヒアルロナン分解酵素は正確にまたは約30単位/mL〜3000U/mL、100U/mL〜1000U/mL、300U/mL〜2000U/mL、600U/mL〜2000U/mLまたは600U/mL〜1000U/mLの量である。例えば、組成物中のヒアルロナン分解酵素は少なくともまたは凡そ少なくともまたは正確に30U/mL、35U/mL、40U/mL、50U/mL、100U/mL、200U/mL、300U/mL、400U/mL、500U/mL、600U/mL、700U/mL、800U/mL、900U/mL、1000U/ml、2000U/mLまたは3000U/mLの量である。
ここで提供されるリーディング・エッジ治療のための使用および組成物において、連続的皮下インスリン注入(CSII)治療において使用するためのインスリン組成物は速効性インスリンである。速効性インスリンは単量体、二量体または六量体であり得る。速効性インスリンは速効性ヒトインスリンであり得る。数例において、速効性のインスリンはレギュラーインスリンである。例えば、レギュラーインスリンはヒトインスリンまたはブタインスリンである。レギュラーインスリンは、配列番号103に示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号104に示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンまたは配列番号123のアミノ酸残基位置88〜108として示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号123のアミノ酸残基位置25〜54として示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンであり得る。速効性インスリンは組み換えインスリン、合成または一部合成または単離されたものであり得る。具体例において、速効性インスリンはインスリン類似体である。例えば、インスリン類似体は、配列番号103に示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号147〜149のいずれかに示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンであり得る。ここに提供するリーディング・エッジ治療において使用するためのあらゆる組成物において、速効性インスリン類似体はインスリンアスパルト、インスリンリスプロまたはインスリングルリジンである。速効性インスリンは、連続的皮下注入用組成物において、正確にまたは約100U/mL〜1000U/mLまたは500U/mL〜1000U/mLの量で製剤される。
また提供されるのは、超速効性インスリン組成物の連続的皮下インスリン注入により起こる総インスリン作用の低下を軽減するために使用するボーラス投与用のインスリンを含む組成物および超速効性インスリン組成物の連続的皮下インスリン注入により起こる総インスリン作用の低下を軽減するためのボーラスインスリンの使用である。これらの使用のための成分および組成物は連続的皮下インスリン注入(CSII)投与レジメンについて上記したとおりである。
インスリンアスパルト(Novolog(登録商標))およびアスパルト−PH20条件の両者について第一クランプおよび第二クランプ研究の血清免疫反応性インスリン(IRIをpmol/L)濃度対時間を記載する。図は、PH20存在下で、アスパルト吸収が1/2日間CSII(第一クランプ)および2.5日CSII(第二クランプ)の両者でアスパルト単独と比較して加速されていることを示す。図はまたいずれの市販アスパルト(Novolog(登録商標))についても、インスリン吸収が1/2日(第一クランプ)CSIIと比較して2.5日(第二クランプ)で加速されたことを示す。この加速はまたアスパルト−PH20条件でも観察されたが、減少していた。 ボーラスインスリン投与後に正常血糖を維持するために必要なグルコース注入速度の決定により測定したインスリンアスパルトのみ(Novolog(登録商標))と比較したアスパルト−PH20の糖力学(glucodynamics)を記載する。 正常血糖性請求方法によりアッセイした総インスリン作用(注入した累積グルコース(Gtot))を記載する。図は総インスリン作用が注入セットの寿命が経過するにつれ減少するが、インスリンアスパルト−PH20製剤で程度が大きいことを示す。 総インスリン作用に対して標準化した累積時間−作用プロットとしての結果を記載する。図は注入されたパーセント(%)グルコースが第一クランプから第二クランプに向かって加速され、PH20添加は両時点で速い時間−作用プロファイルをもたらすことを示す。 rHuPH20(リーディング・エッジ)の前投与有りまたは無しで連続的皮下投与により注入したインスリンの薬物動態学的プロファイルを記載する。結果は、rHuPH20前投与はインスリン吸収を注入開始時に加速し、注入セットの最後と比較した注入セット開始時に暴露される初期インスリンに顕著な差異がないことにより証明されるインスリン吸収辺土の減少をもたらすことを示す。rHuPH20前投与なしで、注入セットの時間が経つに連れて、インスリン吸収が変化した。 ボーラスインスリン注入後に正常血糖を維持するのに必要なグルコース注入速度により証明される、時間の関数としてのインスリン作用の糖力学プロファイルを記載する。結果は、rHuPH20(リーディング・エッジ)で注入開始時のインスリン作用開始が加速され(大きな作用および早い作用開始)、作用時間が短いことを示す。rHuPH20前投与無しで、注入セットの時間が経つに連れて、インスリン吸収が変化した。
詳細な記載
概略
A. 定義
B. インスリン治療
1. インスリン、糖尿病および既存の速効性インスリン治療
2. 連続的皮下注入(CSII)
C. ヒアルロナン分解酵素を用いるインスリンの連続的皮下注入(CSII)方法
1. 投与レジメン方法
a. リーディング・エッジ
b. 総インスリン作用の軽減方法
2. インスリンポンプ類および他のインスリン送達デバイス
a. 開放ループ系
b. 閉鎖ループ系
c. デバイス例
D. インスリンポリペプチド類
速効性インスリン類
a. レギュラーインスリン
b. 速効性類似体
i. インスリンリスプロ
ii. インスリンアスパルト
iii. インスリングルリジン
E. ヒアルロナン分解酵素群
1. ヒアルロニダーゼ群
a. 哺乳動物型ヒアルロニダーゼ群
PH20
b. 細菌ヒアルロニダーゼ群
c. ヒル類、他の寄生虫および甲殻類由来のヒアルロニダーゼ群
2. 他のヒアルロナン分解酵素群
3. 切断型ヒアルロナン分解酵素群または他の溶解性形態
a. C末端切断型ヒトPH20
b. rHuPH20
4. ヒアルロナン分解酵素群のグリコシル化
5. 薬物動態学的特性を改善するためのヒアルロナン分解酵素群の修飾
F. 超速効性インスリン製剤、およびその安定な製剤
1. 安定な配合剤
a. NaClおよびpH
b. ヒアルロニダーゼ阻害剤
c. 緩衝剤
d. 防腐剤
f. 安定化剤
i. 界面活性剤
ii. 他の安定化剤
2. 他の添加物または薬物
G. インスリンまたはヒアルロナン分解酵素をコードする核酸およびそのポリペプチド類の製造方法
1. ベクターおよび細胞
2. リンカー基
3. 発現
a. 真核細胞
b. 酵母細胞
c. 昆虫細胞
d. 哺乳動物細胞
e. 植物
4. 精製方法
H. 治療用途
1. 糖尿病
a. 1型糖尿病
b. 2型糖尿病
c. 妊娠性糖尿病
2. 重症患者のためのインスリン治療
I. 組み合わせ治療
J. 製造品およびキット
K. 実施例
A. 定義
別に定義しない限り、ここで使用する全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者により共通して認識されるものと同じ意味を有する。特に断らない限り、本明細書中で引用される全ての特許、特許出願、公開された出願および刊行物、GENBANK配列、ウェブサイトおよび他の公表物は、引用によりその全体を本明細書に包含させる。本明細書中で用語の定義が複数あるときは、ここに記載したものが優先する。URLまたは他のそのような識別子またはアドレスが引用されているとき、このような識別子は変化することがあり、インターネット上の特定の情報は消去または挿入されるが、同等な情報は知られており、例えばインターネットおよび/または適当なデータベースの検索により容易に入手できると解釈すべきである。それらの引用は当該情報が入手可能であることおよび公衆に頒布されていることを証明する。
ここで使用する持続皮下インスリン注入療法(CSII)は、インスリンがポンプに接続された注入セットを介して、比較的に小注入器またはポンプから数日間にわたり計画された注入により速度で投与される、インスリン投与レジメンを言う。典型的に、CSII治療は注入セットおよびポンプリザーバーを変えなければならなくなるまで2〜4日間続く。本処置は、食前および高血糖値に応答した連続的ベースラインインスリン放出(基底速度)および付加的インスリンボーラス投与量(すなわち補正ボーラス)を組み合わせる。CSII治療は、一般的に投与レジメンに従い速効性のインスリン、特にインスリン類似体を送達するための電池式シリンジドライバー、インスリンポンプまたは他の類似デバイスを含む。一般的に、連続的ベースラインインスリン放出のスケジューリングは各患者対して医師が行う。ボーラス投与量は食事の必要および血糖応答に基づき決定する。それ故に、CSII治療は患者特異的である。ある患者および他の患者の要求、例えば患者の体重、年齢、運動、食習慣および臨床症状のようなパラメータによって、患者毎に特定のインスリン投与レジメンを決定するのは熟練した医師および患者の技術レベルの範囲内であることは周知である。
ここで使用する、注入セットは、インスリンをポンプの貯蔵部から皮膚下に直接送達させるインスリンポンプに結合した系を言う。一般的に、インスリン注入セットは1個以上のチューブ系;セットを皮膚下に挿入するための皮下カニューレ、鋼針または他の挿入デバイス;挿入デバイスを投与部位、例えば腹壁にマウントするための接着マウント;および/またはポンプカートリッジコネクターを含む。注入セットはまた患者が該デバイスを、例えば、例えばシャワーまたは水泳のような活動を行っている間は便利に外すことが可能であるための挿入デバイスおよび接着マウントを外すクイック・ディスコネクトも含み得る。
ここで使用する、インスリンの基底速度は、食事無しでの身体のインスリン必要量を言う。一般的に、それは単位(U/H)で測定される予め計画されたまたは予定された特性である。インスリンの基底速度はライフスタイルの多様性、例えば運動、食習慣、また病気、および患者の要求により変えることができ、または変わり得る。
ここで使用する、インスリンのボーラス速度または投与量は、食事または上昇した血糖値を矯正するためにインスリン要求の変化による付加的インスリン必要量を言う。一般的に、ボーラスインスリンは使用者により必要時送達されるおよび/または食事、軽食についておよび/または血糖上昇矯正のためにインスリン投与について計画されている。
ここで使用する閉鎖ループ系は、連続的血糖コントロールを提供するための集積系である。閉鎖ループ系は、血糖測定のための機構、インスリン組成物を含む1種以上の組成物送達のための機構、および血糖コントロールを達成するために送達が必要であるインスリンの量を決定するための機構を含む。典型的に、それ故に、閉鎖ループ系はグルコースセンサー、インスリン送達デバイス、例えばインスリンポンプ、およびグルコースセンサーからの情報を受け取り、インスリン送達デバイスに命令を発するコントローラーを含む。命令は、コントローラーのソフトウェアにより作成され得る。ソフトウェアは、典型的にグルコースセンサーにより検出されるまたは使用者により予測される血糖値に基づき、血糖コントロールを達成するために送達するのが必要なインスリン量を決定するためのアルゴリズムを含む。
開放ループ系は、デバイスが自動的にグルコースレベルを測定し、応答しない以外、閉鎖ループ系に類似のデバイスを言う。一般的に、開放ループ系において、インスリンポンプまたは他の類似のデバイスがインスリンの基底速度を送達するために連続的にインスリンを注入するようプログラムされており、ここで、患者は、ポンプのボタンによりまたは他の手動の手段により、食事時または食事時間付近でインスリンのボーラスを投与することが可能である。投与するボーラス投与量は、分かったまたは予測されるグルコースレベルに基づき決定され、グルコースレベルは手動でモニターできまたはリアルタイム血糖結果を表示するグルコースモニターを使用してモニターできる。
ここで使用する“インスリン”は、グルコース取り込みおよび保存を増加させおよび/または内因性グルコース産生を減らすように作用するホルモン、前駆体またはその合成もしくは組み換え類似体を言う。ヒトインスリンは、タンパク質を小胞体(ER)に配向させる24アミノ酸のシグナルペプチドを含む、プレプロインスリン(配列番号101)である110アミノ酸の前駆体ポリペプチドとして翻訳され、小胞体(ER)でシグナル配列は開裂され、プロインスリン(配列番号102)を生じる。プロインスリンはさらに処理されて、31アミノ酸C鎖または連結鎖ペプチド(配列番号101に示すプレプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基57〜87、および配列番号102に示すプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基33〜63に対応)を放出する。形成されたインスリンは、21アミノ酸のA鎖(配列番号101に示すプレプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基90〜110、および配列番号102に示すプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基66〜86に対応)および30アミノ酸のB鎖(配列番号101に示すプレプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基25〜54、および配列番号102に示すプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基1〜30)を含み、これらはジスルフィド結合で架橋されている。適切に架橋されたヒトインスリンは3個のジスルフィド架橋を有する。一つ目はA鎖の7位とB鎖の7位の間であり、二つ目はA鎖の20位とB鎖の19位の間であり、三つ目はA鎖の6位と11位の間である。インスリンなる用語は、活性を有するその一本鎖または二本鎖形態、切断型形態のプレプロインスリン、プロインスリンおよびインスリンポリペプチド類を含み、対立形質変異体および種変異体、スプライス変態によりコードされる変異体、および他の変異体、例えば配列番号101に示す前駆体ポリペプチドと少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有するポリペプチド類を含むインスリン類似体またはその成熟形態を含む。インスリン類似体の例には、配列番号147〜149、152に示すもの、および配列番号150、156、158、160、162および164に示すA鎖および/または配列番号151、153〜155、157、159、161、163および165に示すB鎖を含むものが含まれる。
インスリンポリペプチド類の例はヒトを含む哺乳動物起源のものである。ヒト起源のインスリンのアミノ酸配列の例は配列番号101〜104に示す。インスリン類似体の例は配列番号147〜149、152に示すもの、および配列番号150、156、158、160、162および164に示すA鎖および/または配列番号151、153〜155、157、159、161、163および165に示すB鎖を含むものを含む。インスリンポリペプチド類はまた、配列番号105〜146に示す前駆体インスリンポリペプチド類のいずれも含むが、これらに限定されないあらゆる非ヒト起源のものを含む。インスリンなる用語は、単量体および六量体インスリン類を含む多量体インスリン類、ならびにヒト化インスリン類を含む。
ここで使用する“速効性のインスリン”は、速効性のインスリン(例えば、食事が原因のまたは食事により起こることが予測される食事性高血糖状態)の投与時に、または投与後約4時間以内に、糖尿病対象においける実際の、認知された、または予測される高血糖状態に応答して糖尿病対象に急性投与するためのあらゆるインスリンまたは速効性のインスリン組成物を言い、ここで、速効性のインスリンは急性高血糖状態を予防、制御または軽減できる。典型的に、速効性のインスリンは対象への皮下投与時にまたは約4時間を超えずに、ピークインスリンレベルを示すインスリンである。速効性のインスリン類は組み換えインスリン類および単離されたインスリン類(“レギュラー”インスリン類とも呼ぶ)、例えば、Humulin(登録商標)Rとして販売されているインスリン、ブタインスリン類およびウシインスリン類、ならびにアミノ酸改変により速効型であるように設計された速効型インスリン類似体(ここでは速効性のインスリン類似体とも呼ぶ)を含む。レギュラーインスリン製剤の例は、ヒトレギュラーインスリン類、例えば商品名Humulin(登録商標)R、Novolin(登録商標)RおよびVelosulin(登録商標)、インスリンヒト、USPおよびインスリンヒト注射、USP、ならびにインスリンの酸製剤、例えば、例えば、トロントインスリン、旧インスリン、およびクリアーインスリン、およびレギュラーブタインスリン類、例えばIletin II(登録商標)(ブタインスリン)を含むが、これらに限定されない。レギュラーインスリン類は、典型的に投与後30分間〜1時間で作用を発現し、2〜5時間でインスリンレベルがピークとなる。
ここで使用する速効型インスリン類似体(速効性のインスリン類似体とも呼ぶ)は、作用発現が急速なインスリン類である。急速インスリン類は、典型的にレギュラーインスリン類よりも速効型となるように、例えば、1個以上のアミノ酸置換の導入により操作されているインスリン類似体である。速効型インスリン類似体は、典型的に注射後10〜30分間で作用を発現し、注射後30〜90分間でピークインスリンレベルが観察される。速効型インスリン類似体は、例えば、インスリンリスプロ(例えばHumalog(登録商標)インスリン)、インスリンアスパルト(例えばNovoLog(登録商標)インスリン)、およびインスリングルリジン(例えばApidra(登録商標)インスリン)、VIAject(登録商標)およびVIAtab(登録商標)として販売されている速効性のインスリン組成物(例えば、米国特許7,279,457参照)を含むが、これらに限定されない。また、注射後30分未満で作用が発現し、90分以内、典型的に30〜90分以内にピークレベルとなるあらゆる他のインスリン類を含む。
ここで使用するヒトインスリンは、対立形質変異体および類似体を含むヒトポリペプチドとして合成または組み換えにより産生されたインスリンを言う。
ここで使用する速効性のヒトインスリン類またはヒト速効性のインスリン組成物は、即効性であるあらゆるヒトインスリンまたはヒトインスリンの組成物を含むが、非ヒトインスリン類、例えばレギュラーブタインスリンを除く。
ここで使用する用語“基礎作用(basal-acting)インスリン類”または“基礎(basal)インスリン類”は、糖尿病のような慢性状態の処置のための全体的処置レジメンの一部として基礎インスリンレベルを維持するために投与するインスリン類を言う。典型的に、基礎作用インスリンは、定期的(例えば1日1回または2回)投与したとき、インスリンの制御放出により凡そ定常状態インスリンレベルを維持するように製剤される。基礎作用インスリン類は、結晶インスリン類(例えばNPHおよびLente(登録商標)、プロタミンインスリン、サーフェンインスリン)、基礎インスリン類似体(インスリングラルジン、HOE 901、NovoSol Basal)およびレギュラーインスリンの吸収速度を遅延させるインスリンの他の化学製剤(例えばアラビアゴム、レシチンまたは油懸濁液)を含む。ここで使用する基礎作用型インスリン類は、典型的に長時間作用型(典型的に到達するピーク濃度は相対的に低いが、約20〜30時間を超える最大作用時間を有する)または中間型(典型的に投与約4〜12時間後にピークインスリン濃度をもたらす)として理解されているインスリン類を含み得る。
ここで使用する、“血糖”は血糖(グルコース)レベルを言う。
ここで使用する用語“高血糖状態”または“高血糖”は望ましくない血糖上昇を言う。
ここで使用する用語“低血糖状態”または“低血糖”は望ましくない血糖低下を言う。
ここで使用する血糖コントロールまたは“血糖値のコントロール”は、所望のレベル、典型的に70〜130mg/dLまたは90〜110mg/dLでの血糖濃度の維持を言う。
ここで使用する、糖化ヘモグロビン(HbA1c)検査は、血中の修飾ヘモグロビンの特定の型のパーセンテージを提供する臨床検査を言う。検査は過去3〜4ヶ月間の糖尿病性血糖コントロールのレベルを確認する。
ここで使用する、“インスリン吸収”は注射後の血中における遊離および総インスリンの出現を言う。インスリン吸収を決定または測定する方法は当業者に周知であり、注射部位からの放射活性の消失または消滅(外的ガンマ計数)および/または血漿免疫反応性インスリン(IRI)の出現を含むが、これらに限定されない(例えばFernqvist et al. (1988) Diabetes, 37:694-701; Bowsher (1999) Clinical Chemistry, 45:104-110参照)。血漿免疫反応性インスリンの測定方法は、インスリン吸収を追跡するための放射標識インスリントレーサーおよび抗インスリン抗体を使用する慣用の競合的放射免疫アッセイ(RIA)を含む。血清遊離インスリン濃度は、ポリエチレングリコールで沈殿後にRIAで決定でき、血清総インスリン濃度は同じRIA方法でポリエチレングリコール沈殿無しに決定できる。
ここで使用する、“インスリン作用”は、インスリン活性の指標である。正常血糖クランプ中に等血糖を維持するのに必要なグルコース注入速度の測定により決定できる。それは一定時間間隔での注入した総グルコース(g/kg)として記載できる。
ここで使用する、“総インスリン作用”は、正常血糖クランプ実験の経過中のインスリン作用の指標である。それは、実験経過中の注入した累積グルコースとして記載できる。
ここで使用する、“超速効性インスリン応答”は、インスリン吸収加速および作用時間短縮があるように、速い進入/速い消失(PK)プロファイルを示すインスリン作用応答を言う。ここに記載するとおり、“超速効性インスリン応答”はインスリン連続的注入の経過注に時間と共に観察される。また、ここに記載するとおり、“超速効性インスリン応答”は、ヒアルロナン分解酵素でのリーディング・エッジ治療により産生できる。例えば、超高速作用インスリン応答を、インスリン注入または注射の直前または直後(例えば±12時間以内)にヒアルロナン分解酵素を投与することにより、最初の40分間〜1時間以内に作製できる。“超速効性インスリン組成物”の投与はまた“超速効性インスリン応答”を起こす。
ここで使用する、連続的皮下インスリン注入(CSII)に関する“リーディング・エッジ治療”は、連続的皮下インスリン注入による注入セットの間のインスリン組成物(例えば速効性インスリン組成物または超速効性インスリン組成物)投与前のヒアルロナン分解酵素投与を言う。リーディング・エッジ設計は、注入部位でのポンプの引き金を引き、それにより注入セット寿命の開始時にインスリン吸収速度を高め、それにより注入セットの使用と共に起こるインスリン吸収の変動を減少させる。リーディング・エッジ治療への言及は、一般的に注入セットを用いる1回のインターバルまたはCSII治療の経過にのみ言及し、それは次の注入セットでの処置の経過注に繰り返すことができきる。各インターバルで、インスリン注入前に、ヒアルロナン分解酵素でのリーディング・エッジ処置を投与できる。リーディング・エッジ投与は一般的にインスリン投与の12時間前、一般的に投与2時間以内に行う。
ここで使用する、“超速効性インスリン組成物”は、インスリン組成物が、対象への非経腸投与後最初の40分間以内に、同じ投与量の同じ速効性インスリンを、同じ経路で、ヒアルロナン分解酵素を伴わず投与したときの同じ時間の対象において提供される累積全身インスリン暴露より大きな累積全身インスリン暴露を提供するように、速効性インスリン、典型的に速効性インスリン類似体、およびヒアルロナン分解酵素(例えばrHuPH20製剤を含むが、これに限定されない溶解性ヒアルロニダーゼ)を含むインスリン組成物を言う。ここに記載する超速効型のインスリン組成物は、所望により基礎作用インスリンを含み得る。
ここで使用する投与レジメは、インスリン投与量および投与頻度を言う。投与レジメは処置すべき疾患または状態の関数であり、故に変わり得る。
ここで使用するヒアルロナン分解酵素は、ヒアルロナンポリマー(ヒアルロン酸またはHAとも言う)の小分子量フラグメントへの開裂を触媒する酵素を言う。ヒアルロナン分解酵素群の例はヒアルロニダーゼ群、および、ヒアルロナンを脱重合する能力を有する特定のコンドロイチナーゼ群およびリアーゼ群を言う。ヒアルロナン分解酵素群であるコンドロイチナーゼ群の例は、コンドロイチンABCリアーゼ(コンドロイチナーゼABCとしても知られる)、コンドロイチンACリアーゼ(コンドロイチン硫酸リアーゼまたはコンドロイチン硫酸エリミナーゼとしても知られる)およびコンドロイチンCリアーゼを含むが、これらに限定されない。コンドロイチンABCリアーゼは2種の酵素群、コンドロイチン−硫酸−ABCエンドリアーゼ(EC 4.2.2.20)およびコンドロイチン−硫酸−ABCエキソリアーゼ(EC 4.2.2.21)を含む。コンドロイチン−硫酸−ABCエンドリアーゼ群およびコンドロイチン−硫酸−ABCエキソリアーゼ群の例は、プロテウス・ブルガリスおよびフラボバクテリウム・ヘパリナム由来のものを含むが、これらに限定されない(プロテウス・ブルガリスコンドロイチン−硫酸−ABCエンドリアーゼは配列番号98に示す;Sato et al. (1994) Appl. Microbiol. Biotechnol. 41(1):39-46)。細菌由来のコンドロイチナーゼAC酵素群の例は、配列番号99に示すフラボバクテリウム・ヘパリナム、配列番号100に示すビクチバリス・バンデンシスおよびアルスロバクタ・オウレセンス由来のものを含むが、これらに限定されない(Tkalec et al. (2000) AppliedおよびEnvironmental Microbiology 66(1):29-35; Ernst et al. (1995) Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology 30(5):387-444)。細菌由来のコンドロイチナーゼC酵素群の例は、レンサ球菌およびフラボバクテリウム由来のものを含むが、これらに限定されない(Hibi et al. (1989) FEMS-Microbiol-Lett. 48(2):121-4; Michelacci et al. (1976) J. Biol. Chem. 251:1154-8; Tsuda et al. (1999) Eur. J. Biochem. 262:127-133)。
ここで使用するヒアルロニダーゼは、ヒアルロナン分解酵素群を言う。ヒアルロニダーゼ群は、細菌ヒアルロニダーゼ群(EC 4.2.2.1またはEC 4.2.99.1)、ヒル類、他の寄生虫、および甲殻類由来のヒアルロニダーゼ群(EC 3.2.1.36)、および哺乳動物型ヒアルロニダーゼ群(EC 3.2.1.35)を含む。ヒアルロニダーゼ群は、マウス、イヌ、ネコ、ウサギ、トリ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、サカナ、カエル、細菌を含むが、これらに限定されないすべての非ヒト起源、およびヒル類、他の寄生虫、および甲殻類のすべてのものを含む。非ヒトヒアルロニダーゼ群の例は、ウシ(配列番号10、11、64およびBH55(米国特許5,747,027および5,827,721)、スズメバチ(配列番号12および13)、ミツバチ(配列番号14)、北米産スズメバチ(配列番号15)、アシナガバチ(配列番号16)、マウス(配列番号17〜19、32)、ブタ(配列番号20〜21)、ラット(配列番号22〜24、31)、ウサギ(配列番号25)、ヒツジ(配列番号26、27、63および65)、オランウータン(配列番号28)、カニクイザル(配列番号29)、モルモット(配列番号30)、チンパンジー(配列番号185)、アカゲザル(配列番号186)、アルスロバクター属(株FB24)(配列番号67)、ブデロビブリオ・バクテリオヴォルス(配列番号68)、プロピオニバクテリウム・アクネス(配列番号69)、ストレプトコッカス・アガラクチア(配列番号70);18RS21(配列番号71);血清型Ia(配列番号72);血清型III(配列番号73)、黄色ブドウ球菌(株COL)(配列番号74);株MRSA252(配列番号75および76);株MSSA476(配列番号77);株NCTC 8325(配列番号78);株ウシRF122(配列番号79および80);株USA300(配列番号81)、肺炎レンサ球菌(配列番号82);株ATCC BAA-255/R6(配列番号83);血清型2、株D39/NCTC 7466(配列番号84)、A群溶血レンサ球菌(血清型M1)(配列番号85);血清型M2、株MGAS10270(配列番号86);血清型M4、株MGAS10750(配列番号87);血清型M6(配列番号88);血清型M12、株MGAS2096(配列番号89および90);血清型M12、株MGAS9429(配列番号91);血清型M28(配列番号92);豚レンサ球菌(配列番号93〜95);ビブリオ・フィッシェリ(株ATCC 700601/ES114(配列番号96))由来のヒアルロニダーゼ群、およびヒアルロン酸に特異的であり、コンドロイチンまたはコンドロイチン硫酸を開裂しないストレプトマイセス・ヒアルロノリチクスヒアルロニダーゼ酵素を含むが、これらに限定されない(Ohya, T. and Kaneko, Y. (1970) Biochim. Biophys. Acta 198:607)。ヒアルロニダーゼ群はまたヒト起源のものを含む。ヒトヒアルロニダーゼ群の例は、HYAL1(配列番号36)、HYAL2(配列番号37)、HYAL3(配列番号38)、HYAL4(配列番号39)、およびPH20(配列番号1)を含む。またとりわけ包含されるヒアルロニダーゼ群は、ヒツジおよびウシPH20、溶解性ヒトPH20および溶解性rHuPH20を含む、溶解性ヒアルロニダーゼ群である。市販のウシまたはヒツジ溶解性ヒアルロニダーゼ群の例は、Vitrase(登録商標)(ヒツジヒアルロニダーゼ)およびAmphadase(登録商標)(ウシヒアルロニダーゼ)である。
ヒアルロナン分解酵素群について述べるとき、それは前駆体ヒアルロナン分解酵素ポリペプチド類および成熟ヒアルロナン分解酵素ポリペプチド類(例えば、シグナル配列が除去されているもの)、活性を有する切断型形を含み、対立形質変異体および種変異体、スプライス変異体によりコードされる変異体、および配列番号1および10〜48、63〜65、67〜100に示す前駆体ポリペプチド類と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を有するポリペプチド類またはその成熟形態を含む他の変異体を含む。例えば、ヒアルロナン分解酵素(例えばPH20)の言及は、配列番号2に示す成熟ヒトPH20および活性を有するその切断型形態を含み、対立形質変異体および種変異体、スプライス変態によりコードされる変異体、および配列番号2に対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有するポリペプチド類を含む他の変異体を含む。例えば、ヒアルロナン分解酵素への言及はまた配列番号50〜51に示すヒトPH20前駆体ポリペプチド変異体を含む。ヒアルロナン分解酵素群はまた化学的または翻訳後修飾を含むものおよび化学的または翻訳後修飾を含まないものを含む。このような修飾は、ペグ化、アルブミン化、グリコシル化、ファルネシル化、カルボキシル化、ヒドロキシル化、リン酸化、および当分野で知られる他のポリペプチド修飾を含むが、これらに限定されない。
ここで使用するPH20は、精子で発生し、中性で活性なヒアルロニダーゼ群を言う。PH−20は精子表面および内部アクロソーム膜に結合する場所であるリソソーム由来アクロソームで発生する。PH20は、ヒト、チンパンジー、カニクイザル、アカゲザル、マウス、ウシ、ヒツジ、モルモット、ウサギおよびラット起源のものを含むが、これらに限定されないあらゆる起源のものを含む。PH20タンパク質類の例は、ヒト(配列番号1に示す前駆体ポリペプチド、配列番号2に示す成熟ポリペプチド)、ウシ(配列番号11および64)、ウサギ(配列番号25)、ヒツジPH20(配列番号27、63および65)、カニクイザル(配列番号29)、モルモット(配列番号30)、ラット(配列番号31)、マウス(配列番号32)、チンパンジー(配列番号185)およびアカゲザル(配列番号186)PH20ポリペプチド類を含むが、これらに限定されない。PH20に関する言及は、前駆体PH20ポリペプチド類および成熟PH20ポリペプチド類(例えばシグナル配列が除去されているもの)、活性を有するその切断型形態を含み、対立形質変異体および種変異体、スプライス変異体によりコードされる変異体、および配列番号1、11、25、27、29〜32、63〜65、185または186に示す前駆体ポリペプチド類と少なくとも40%、45%、50%、55%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を有するポリペプチド類またはその成熟形態を含む、他の変異体を含む。PH20ポリペプチド類はまた化学的または翻訳後修飾を含むものおよび化学的または翻訳後修飾を含まないものを含む。このような修飾は、ペグ化、アルブミン化、グリコシル化、ファルネシル化、カルボキシル化、ヒドロキシル化、リン酸化、および当分野で知られる他のポリペプチド修飾を含むが、これらに限定されない。市販のウシまたはヒツジ溶解性ヒアルロニダーゼ群の例は、Vitrase(登録商標)ヒアルロニダーゼ(ヒツジヒアルロニダーゼ)およびAmphadase(登録商標)ヒアルロニダーゼ(ウシヒアルロニダーゼ)である。
ここで使用する溶解性ヒアルロニダーゼは、細胞から分泌され、膜アンカー型または結合性ではなく、故に、生理的条件下のその溶解性により特徴付けることができるポリペプチドである。溶解性ヒアルロニダーゼ群は、例えば、37℃に温めたTriton X-114溶液の水相へのその分配により区別できる(Bordier et al., (1981) J. Biol. Chem., 256:1604-7)。膜アンカー型、例えば脂質アンカーヒアルロニダーゼ群は、界面活性剤リッチ相に分配されるが、ホスホリパーゼ−C処置後は界面活性剤プアまたは水相に分配される。溶解性ヒアルロニダーゼ群に包含されるのは、ヒアルロニダーゼの膜へのアンカーと結合性の1カ所以上の領域が除去または修飾されており、溶解性形態がヒアルロニダーゼ活性を維持する、膜アンカー型ヒアルロニダーゼ群である。溶解性ヒアルロニダーゼ群は、組み換え溶解性ヒアルロニダーゼ群および天然源中に含まれるものまたは、例えば、ヒツジまたはウシからの精巣抽出物のようなそこから単離されたものを含む。このような溶解性ヒアルロニダーゼ群の例は、溶解性ヒトPH20を含む。他の溶解性ヒアルロニダーゼ群はヒツジ(配列番号27、63、65)およびウシ(配列番号11、64)PH20を含む。
ここで使用する溶解性ヒトPH20またはsHuPH20は、発現に際し、ポリペプチド類がそれらが産生された宿主細胞の膜と結合性ではなく、細胞培養培地に分泌され、それ故に、溶解性であるように、C末端でグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)結合部位の全てまたは一部を欠く成熟PH20ポリペプチド類を含む。それ故に、溶解性ヒトPH20はC末端切断型ヒトPH20ポリペプチド類を含む。溶解性またはC末端切断型PH20ポリペプチド類の例は、配列番号4〜9、47〜48、234〜254、および267〜273のいずれかに示すアミノ酸配列を有する成熟ポリペプチド類、または配列番号4〜9、47〜48、234〜254、および267〜273のいずれかと少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を示すポリペプチドを含む。sHuPH20ポリペプチド類の例は、配列番号4〜9および47〜48のいずれかに示すアミノ酸配列を有する成熟ポリペプチド類を含む。このようなsHuPH20ポリペプチド類の前駆体ポリペプチド類の例はシグナル配列を含む。前駆体の例は、配列番号3および40〜46に示すものであり、その各々がアミノ酸1〜35位に35アミノ酸シグナル配列を含む。溶解性HuPH20ポリペプチド類はまたここに記載する産生および精製方法の途中でまたは後に分解するものも含む。
ここで使用するrHuPH20と言う組み換えヒトPH20は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で組み換え発現されたヒトPH20の分泌された溶解性形態を言う。溶解性rHuPH20は、シグナル配列、例えば天然シグナル配列をコードする核酸により産生される生成物であり、アミノ酸類36〜482をコードする核酸を含み、天然シグナル配列をコードする核酸を含むその例示的な配列を配列番号49に示す。また包含されるのは、その対立形質変異体および他の溶解性変異体であるDNA分子である。溶解性rHuPH20をコードする核酸はCHO細胞で発現され、それは成熟ポリペプチドを分泌する。培養培地で産生されるため、生成物が種々の量で配列番号4〜9のいずれか1種以上を含み得る種の混合物を含むように、C末端に不均一性がある。配列番号50〜51に示す前駆体ヒトPH20ポリペプチド類に対応するものを含む、対応する対立形質変異体および他の変異体も含まれる。他の変異体は、ヒアルロニダーゼ活性を維持し、溶解性である限り、配列番号4〜9および47〜48のいずれかと60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有し得る。
ここで使用する製剤は、少なくとも1種の活性剤または薬剤および1種以上の添加物を含む組成物を言う。
ここで使用する配合剤は、2種以上の活性剤または薬剤および1種以上の添加物を含む組成物を言う。例えば、速効性のインスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤は速効性のインスリン、ヒアルロナン分解酵素、および1種以上の添加物を含む。
ここで使用する本組成物は、初期活性および/または純度および/または効力または回収と比較して、その中の活性成分が少なくとも必要レベルの活性および/または純度および/または効力または回収を維持するならば、規定条件下で安定である。本発明の目的で、本組成物は、ヒアルロナン分解酵素活性の少なくとも50%を維持するかおよび/またはインスリン効力または回収の少なくとも90%を保持するときおよび/またはインスリン純度の少なくとも90%を保持するとき、安定である。
ここで使用する少なくとも2種の活性成分を含む安定な配合剤は、初期活性および/または純度および/または効力または回収と比較して、各活性成分が少なくとも必要レベルの活性および/または純度および/または効力または回収を維持するならば、安定である。本発明の目的で、配合剤は、ヒアルロナン分解酵素活性の少なくとも50%を維持するならばおよびインスリン効力または回収の少なくとも90%および/またはインスリン純度の少なくとも90%を維持するならば、安定である。
ここで使用する規定条件は保存および/または使用条件を言う。
安定性を測定する、保存または使用に関するここで使用する規定条件は、温度条件、保存条件および/または使用条件の時間を含む。例えば基底温度条件は、2℃〜8℃の低温または冷蔵温度、20℃〜30℃の環境温度または32℃〜40℃の高温を含む。他の例において、規定時間条件は、種々の温度条件下の保存の長さ、例えば数日間(少なくとも3日間、4日間、5日間、6日間または7日間)、数週間(少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間または少なくとも数週間)または数ヶ月間(少なくとも1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間、24ヶ月間以上)の保存を言う。さらなる例において、規定使用条件は、組成物混合物を混乱させるまたは変える条件、例えば撹拌条件を言う。
ここで使用する“保存”は、製剤が製造後直ぐに対象に投与されず、使用前に一定期間特定の条件(例えば特定の温度;時間、液体または凍結乾燥形態)に維持されることを意味する。例えば、液体製剤は、冷蔵(0〜10℃、例えば2℃〜8℃)、室温(例えば最高〜32℃、例えば18℃〜約または正確に32℃の温度)、または高温(例えば、30℃〜42℃、例えば32℃〜37℃または35℃〜37℃)のような種々の温度下に、対象への投与前に数日間、数週間、数ヶ月または数年間維持できる。
安定性と関連する条件と関連してここで使用する“使用”は、特定の目的で製剤を用いる行動を言う。特定の適用はタンパク質または薬物の活性または特性に影響され得る。例えば、ある適用は、製剤を一定温度に一定時間付すこと、温度変化に付すことおよび/または撹拌、振盪、撹拌または活性剤の安定性(例えば活性および/または溶解性)に影響し得る同等な運動に付すことを必要とし得る。条件の例は、連続的注入方法であり、そこで、活性剤は、対象に使用者と連結したポンプまたは注入器から数日間連続的に注入される。このような条件は撹拌および温度変動と関連し得る。
ここで使用する単回投与製剤は、直接投与用製剤または配合剤を言う。一般的に、単回投与製剤は、直接投与のための単回投与量治療剤を含む製剤を言う。単回投与製剤は、一般的に防腐剤を含まない。
ここで使用する多数回投与製剤は、治療剤の多数回投与量を含み、直接投与して治療剤の単回投与数回分投与量を提供できる製剤を言う。多数回投与量は数分間、数時間、数週間、数日間または数ヶ月にわたり投与し得る。多数回投与製剤は用量調節、用量貯蔵および/または用量分割が可能である。多数回投与製剤は長時間にわたり使用されるため、一般的に微生物増殖を防止するための1種以上の防腐剤を含む。多数回投与製剤は注射または注入(例えば連続的注入)用に製剤できる。
ここで使用する“安定な頻回注射法配合剤”は、初期活性および/または純度および/または効力または回収と比較して、必要レベルの活性および/または純度および/または効力または回収が規定時間および温度で維持されるように、正確にまたは約2℃〜8℃の温度で少なくとも6ヶ月間および/または正確にまたは約20℃〜30℃の温度で少なくとも14日間安定である安定な配合剤を言う。例えば、安定な頻回注射法製剤はヒアルロナン分解酵素活性の少なくとも50%およびインスリン効力または回収の少なくとも90%および/またはインスリン純度の少なくとも90%を正確にまたは約2℃〜8℃の温度で少なくとも6ヶ月間および/または正確にまたは約20℃〜30℃の温度で少なくとも14日間維持する。
ここで使用する“安定な連続的インスリン注入製剤”は、初期活性および/または純度および/または効力または回収と比較して、必要レベルの活性および/または純度および/または効力または回収が規定時間および温度で維持されるように、少なくとも3日間正確にまたは約32℃〜40℃の温度で安定である安定な配合剤を言う。例えば、安定な連続的インスリン注入製剤は、ヒアルロナン分解酵素活性の少なくとも50%およびインスリン効力または回収の少なくとも90%および/またはインスリン純度の少なくとも90%を少なくとも3日間正確にまたは約32℃〜40℃の温度で維持する。
ここで使用する安定化剤は、例えば配合剤が保存されまたは使用される塩、pHおよび温度の条件下、ヒアルロナン分解酵素またはインスリンまたは両者を分解から保護するために製剤に添加される化合物を言う。それ故に、包含されるのは、組成物中のタンパク質類が分解して他の成分になるのを防止する薬剤である。それ故に、それらはタンパク質安定化剤である。このような薬剤の例はアミノ酸類、アミノ酸誘導体、アミン類、糖類、ポリオール類、塩類および緩衝剤、界面活性剤、阻害剤または基質およびここに記載する他の薬剤である。
ここで使用する抗微生物有効性試験は、製品中の防腐剤系の効果を証明する。製品に規定量の特定の生物を接種する。続いて、28日間にわたり対照サンプル対試験サンプルで見られる微生物レベルを比較する試験を行う。抗菌有効性試験を実施するためのパラメータはここに記載する分野の当業者には知られている。
ここで使用する防腐剤の抗微生物または抗菌有効量は、保存または使用により混入し得るサンプル中の微生物を殺すまたは繁殖を阻害する防腐剤の量を言う。例えば、多数回投与容器について、抗微生物有効量の防腐剤は、単回量の繰り返し吸引により混入し得る微生物の増殖を阻害し得る。USPおよびEP(EPAおよびEPB)は、防腐剤有効性を規定し、厳密性が異なる抗菌要求がある。例えば、防腐剤の抗菌有効量は、抗菌防腐剤有効性試験(APET)において、接種7日間後に細菌性微生物の少なくとも1.0log10単位減少が起こる量である。特定の例において、防腐剤の抗菌有効量は、接種7日間後に細菌性微生物の少なくとも1.0log10単位減少が起こる、接種14日間後に細菌性微生物の少なくとも3.0log10単位減少が起こる、少なくとも接種後28日間細菌性微生物のさらなる増殖がない;および少なくとも接種後7日間真菌性微生物の増殖がないような量である。さらなる例において、防腐剤の抗菌有効量は、接種後28日間細菌性微生物のさらなる増殖がない、接種後14日間で真菌性微生物が少なくとも1.0log10単位減少する、接種7日間後に細菌性微生物の少なくとも3.0log10単位減少が起こる、少なくとも接種後28日間細菌性微生物のさらなる増殖がない、接種14日間後に細菌性微生物の少なくとも1.0log10単位減少が起こる、および少なくとも接種後28日間真菌性微生物のさらなる増殖がないような量である。付加的例において、防腐剤の抗菌有効量は、接種後6時間で細菌性微生物が少なくとも2.0log10単位減少する、接種24時間後細菌性微生物が少なくとも3.0log10単位減少する、接種後28日間細菌性微生物の回収がない、接種後7日間で真菌性微生物が少なくとも2.0log10単位減少する、および少なくとも接種28日間真菌性微生物のさらなる増殖がないような量である。
ここで使用する“添加物”は、活性剤非存在下で投与したとき、活性剤の生物学的効果を提供しない、活性剤の製剤中の化合物を言う。添加物の例は、塩類、緩衝剤、安定化剤、浸透圧修飾剤、金属類、ポリマー類、界面活性剤、防腐剤、アミノ酸類および糖類を含むが、これらに限定されない。
ここで使用する“緩衝剤”は、強酸類または強塩基類の添加および温度、圧力、容積または酸化還元電位の外的影響の付加にかかわらずpHを一定に保ことができる、物質、一般的に溶液を言う。緩衝剤は他の化学物質の濃度変化を防止し、例えばプロトンドナーおよびアクセプター系は水素イオン濃度(pH)の著しい変化を防止する。全緩衝剤のpH値は温度および濃度依存的である。pH値または範囲を維持するための緩衝剤の選択は、既知緩衝剤の既知緩衝能に基づき、当業者により経験的に決定できる。緩衝剤の例は、炭酸水素緩衝剤、カコジル酸緩衝剤、リン酸緩衝液またはTris緩衝剤を含むが、これらに限定されない。例えば、Tris緩衝剤(トロメタミン)はアミンベースの緩衝剤であり、8.06のpKaを有し、有効pH範囲は7.9〜9.2である。Tris緩衝剤について、pHは温度が1℃下がるに連れて約0.03単位上昇し、10倍希釈当たり0.03〜0.05単位減少する。
ここで使用する活性は、ポリペプチドまたはその一部の、完全長(完全)タンパク質と関連する1種または複数種の機能的活性を言う。機能的活性は、触媒または酵素活性、抗原性(抗ポリペプチド抗体に対する結合能または当該結合についてポリペプチドと競合する能力)、免疫原性、多量体形成能、およびポリペプチドについての受容体またはリガンドと特異的に結合する能力を含むが、これらに限定されない。
ここで使用するヒアルロニダーゼ活性は、ヒアルロン酸開裂を酵素的に触媒する能力を言う。米国薬局方(USP)XXIIのヒアルロニダーゼアッセイは、酵素を30分間、37℃でHAを反応させた後の(HA)基質である高分子量ヒアルロン酸またはヒアルロナンの量を測定することにより間接的にヒアルロニダーゼ活性を測定する(USP XXII-NF XVII (1990) 644-645 United States Pharmacopeia Convention, Inc, Rockville, MD)。あらゆるヒアルロニダーゼの相対的活性を単位で確認するために、アッセイにおいて標準品溶液を使用できる。ヒアルロニダーゼ群、例えば溶解性rHuPH20のヒアルロニダーゼ活性を測定するためのインビトロアッセイは当分野で知られ、ここに記載されている。アッセイの例は、非開裂ヒアルロン酸が血清アルブミンと結合したときに形成される不溶性沈殿を検出することによりヒアルロニダーゼによるヒアルロン酸開裂を間接的に測定する微少濁度アッセイ(例えば実施例8参照)である。試験するヒアルロニダーゼの活性を単位で決定するために、例えば、標準曲線を作成するために、標準品を使用できる。
ヒアルロナン分解酵素に関連してここで使用する“機能的等価量”またはその文法的な変化形は、参照酵素、例えばヒアルロニダーゼの一定量(例えば、ヒアルロニダーゼ活性の既知単位数)と同じ効果を達成するヒアルロナン分解酵素の量である。例えば、あらゆるヒアルロナン分解酵素の活性を、rHuPH20の既知量と同じ効果を達成できる機能的等価ヒアルロナン分解酵素の量を決定するために、rHuPH20の活性と比較できる。例えば、展着または拡散剤として作用するヒアルロナン分解酵素の能力を、マウスの脇腹皮膚にトリパンブルーと共に注射し(例えば米国特許公開番号20050260186参照)、例えば、100単位のヒアルロニダーゼ標準品と同じ量の展着または拡散をするのに必要なヒアルロナン分解酵素の量を決定できる。必要なヒアルロナン分解酵素量は、それ故に、100単位と機能的等価である。他の例において、併用インスリンの吸収レベルおよび速度を増加させるヒアルロナン分解酵素の能力を、ヒト対象において、例えば下の実施例1に記載のとおり測定でき、例えば、投与された量のrHuPH20と同程度にインスリンの吸収レベルおよび速度を増加させるのに必要なヒアルロナン分解酵素の量を決定できる(例えば、血中最大インスリン濃度(Cmax)、血中最大インスリン濃度に到達するまでの時間(tmax)および一定時間にわたる累積的全身インスリン暴露(AUC)を評価することによる)。
ここで使用する核酸類はペプチド核酸類(PNA)およびそれらの混合物を含み、DNA、RNAおよびそれらの類似体を含む。核酸類は一本鎖または二本鎖であり得る。所望により検出可能標識、例えば蛍光または放射標識で標識されていてよいプローブまたはプライマーを言うとき、一本鎖分子が意図される。このような分子は、典型的にその標的が、ライブラリー探索またはプライミングのために統計学的に独特であるまたは低コピー数である(典型的に5未満、一般的に3未満)ような長さである。一般的にプローブまたはプライマーは、目的遺伝子と相同的なまたは同一の配列の少なくとも14、16または30連続ヌクレオチドを含む。プローブおよびプライマーは10、20、30、50、100以上の核酸長であり得る。
ここで使用するペプチドは、2アミノ酸長以上であり、40アミノ酸長未満であるポリペプチドを言う。
ここに提供されるアミノ酸類の種々の配列に現れる、ここで使用するアミノ酸類は周知の三文字または一文字略語に従い同定する(表1)。種々の核酸フラグメントに現れるヌクレオチドは、当分野で慣用の標準的一文字命名法で指定する。
ここで使用する“アミノ酸”は、アミノ基およびカルボン酸基を含む有機化合物である。ポリペプチドは2個以上のアミノ酸類を含む。本発明の目的で、アミノ酸類は20種の天然に存在するアミノ酸類、非天然アミノ酸類およびアミノ酸類似体(すなわち、α−炭素が側鎖を有するアミノ酸類)を含む。
ここで使用する“アミノ酸残基”は、ポリペプチドのペプチド結合の化学分解(加水分解)により形成されたアミノ酸を言う。ここに記載するアミノ酸残基は、“L”異性体形態であると推定される。“D”異性体形態の残基は、そう命名されているが、所望の機能的特性がポリペプチドにより維持されている限り、あらゆるL−アミノ酸残基と置き換えてよい。NHは、ポリペプチドのアミノ末端に存在する遊離アミノ基を言う。COOHは、ポリペプチドのカルボキシル末端に存在する遊離カルボキシ基を言う。J. Biol. Chem., 243: 3557-3559 (1968)に記載され、37 C.F.R. §§ 1.821-1.822に再用された標準ポリペプチド命名法を遵守して、アミノ酸残基の略語を表1に示す。
ここで使用する式で表されるアミノ酸残基配列は、全て、左から右に、アミノ末端からカルボキシル末端に向かう通常の向きで表されている。また、“アミノ酸残基”という表現は、対応表(表1)に挙げたアミノ酸ならびに修飾アミノ酸および異常アミノ酸、例えば37C.F.R.§§1.821〜1.822で言及され引用により本明細書に組み込まれるものを包含すると広く定義される。さらにまた、アミノ酸残基配列の最初または最後にあるダッシュ記号は、1つ以上のアミノ酸残基のさらなる配列へのペプチド結合、アミノ末端基(例えばNH)またはカルボキシル末端基(例えばCOOH)へのペプチド結合を示す。
ここで使用する“天然アミノ酸”とは、ポリペプチド中に見いだされる20種のL−アミノ酸を言う。
ここで使用する“非天然アミノ酸”は、天然アミノ酸に類似する構造を持つが、天然アミノ酸の構造および反応性を模倣するように構造的に修飾されている有機化合物を言う。したがって非天然アミノ酸は、例えば20種類の天然アミノ酸以外のアミノ酸またはアミノ酸類似体を包含し、例えばアミノ酸のD−立体異性体(isostereomer)を含むが、これらに限定されない。典型的な非天然アミノ酸は本明細書に記載され、当業者に知られている。
ここで使用するDNAコンストラクトは、DNAのセグメントが自然界には見いだされない形で組み合わされ隣接して配置されている一本鎖または二本鎖の線状または環状DNA分子である。DNAコンストラクトは、人為的操作の結果として存在し、操作された分子のクローンおよび他のコピーを含む。
ここで使用するDNAセグメントは、指定された属性を持つ、より大きなDNA分子の一部分である。例えば、指定されたポリペプチドをコードするDNAセグメントは、プラスミドまたはプラスミドフラグメントのような、より長いDNA分子の一部であって、5’から3’に向かう方向に読んだ場合に、指定されたポリペプチドのアミノ酸配列をコードするものである。
ここで使用する用語ポリヌクレオチドは、5’端から3’端に向かって読み取られるデオキシリボヌクレオチド塩基またはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖ポリマーを意味する。ポリヌクレオチドにはRNAおよびDNAが包含され、自然源から単離するか、インビトロで合成するか、天然分子と合成分子の組合せから製造することができる。ポリヌクレオチド分子の長さは、本明細書では、ヌクレオチド(“nt”と略記)または塩基対(“bp”と略記)の数で記載される。ヌクレオチドという用語は、文脈に応じて、一本鎖分子および二本鎖分子に使用される。この用語が二本鎖分子に適用される場合、それは全長を表すために使用され、塩基対という用語と等価であると理解される。二本鎖ポリヌクレオチドの2本の鎖の長さがわずかに異なり得ること、およびそれらの末端がずれていてもよいこと、したがって二本鎖ポリヌクレオチド分子内の全てのヌクレオチドが対を形成しているとは限らないことは、当業者には理解される。そのような非対合末端は、一般に、20ヌクレオチド長を超えない。
ここで使用する2つのタンパク質または核酸間の“類似性”とは、タンパク質のアミノ酸配列間または核酸のヌクレオチド配列間の類縁性を言う。類似性は、残基の配列およびそこに含まれる残基の同一性および/または相同性の度合いに基づくことができる。タンパク質間または核酸間の類似性の度合いを評価するための方法は、当業者には知られている。例えば、配列類似性を評価する一方法では、2つのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を、それら配列間の同一性が最大レベルになるように整列させる。
ここで使用する“同一性”とは、アミノ酸配列またはヌクレオチド配列が不変である程度を言う。アミノ酸配列の整列では(また、ある程度はヌクレオチド配列の整列でも)、アミノ酸(またはヌクレオチド)の保存的相違および/または頻繁な置換も考慮することができる。保存的相違とは、関与する残基の物理化学的性質が維持されるような相違である。整列はグローバル(配列の全長にわたり、全ての残基を含む、比較配列の整列)またはローカル(配列のうち、最も類似する1または複数の領域だけを含む部分の整列)であることができる。ここで使用する“同一性”そのものは、当技術分野で認められている意味を持ち、公表された技法を使って算出することができる(例えばComputational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H.G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; and Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M Stockton Press, New York, 1991)参照)。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド間の同一性を測定するための方法はいくつか存在するが、“同一性”という用語は当業者にはよく知られている(Carrillo, H. & Lipton, D., SIAM J Applied Math 48:1073 (1988))。
ここで使用する相同(核酸および/またはアミノ酸配列に関して)は、約25%以上の配列相同性、典型的には、25%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上または95%以上の配列相同性を意味し、必要であれば正確なパーセンテージを指定することができる。ここで使用するは、“相同性”および“同一性”という用語は、別段の表示がない限り、しばしば可換的に使用される。一般に、相同率または同一率を決定するには、最も高度な一致が得られるように配列が整列される(例えばComputational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H.G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; and Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M Stockton Press, New York, 1991; Carrillo et al. (1988) SIAM J Applied Math 48:1073参照)。配列相同性により、保存されているアミノ酸の数は、標準的なアラインメントアルゴリズムプログラムで決定され、各供給者によって設定されたデフォルトギャップペナルティを用いて使用することができる。実質的に相同な核酸分子は、典型的には、中ストリンジェンシーまたは高ストリンジェンシーで、目的とする対象の核酸の全長にわたってハイブリダイズする。ハイブリダイズする核酸分子中のコドンの代わりに縮重したコドンを含有する核酸分子も意図される。
任意の2分子が、少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%“同一”または“相同”なヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を持つかどうかは、“FASTA”プログラムなどの公知コンピュータアルゴリズムを使用し、例えばPearson et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444に記載されているデフォルトパラメータを使って決定することができる(他のプログラムには、GCGプログラムパッケージ((Devereux, J., et al., Nucleic Acids Research 12(I):387 (1984))、BLASTP、BLASTN、FASTA(Altschul, S.F., et al., J Molec Biol 215:403 (1990)); Guide to Huge Computers, Martin J. Bishop, ed., Academic Press, San Diego, 1994, およびCarrillo et al. (1988) SIAM J Applied Math 48:1073)。例えば、米国国立バイオテクノロジー情報センターデータベースのBLAST機能を使って同一性を決定することができる。他の市販プログラムまたは公に利用可能なプログラムには、DNAStar “MegAlign” program (Madison, WI)およびUniversity of Wisconsin Genetics Computer Group (UWG) “Gap” program (Madison WI)などがある。タンパク質分子および/または核酸分子の相同率または同一率は、例えば、GAPコンピュータプログラム(例えばNeedleman et al. (1970) J. Mol. Biol. 48:443, as revised by Smith and Waterman (1981) Adv. Appl. Math. 2:482)を使って配列情報を比較することによって決定することができる。簡単に述べると、GAPプログラムは、類似性を、整列させた記号(すなわちヌクレオチドまたはアミノ酸)のうち、類似しているものの数を、それら2つの配列の短い方の配列中の記号の総数で割ったものと定義する。GAPプログラムのデフォルトパラメータとしては、(1)Schwartz and Dayhoff, eds., ATLAS OF PROTEIN SEQUENCE AND STRUCTURE, National Biomedical Research Foundation, pp. 353-358 (1979)に記載されているように、単項比較マトリックス(unary comparison matrix)(一致に対して1の値を、不一致に対して0の値を含む)およびGribskov et al. (1986) Nucl. Acids Res. 14:6745の加重比較マトリックス(weighed comparison matix);(2)各ギャップに対して3.0のペナルティおよび各ギャップ中の各記号に対して0.10の追加ペナルティ;ならびに(3)エンドギャップ(end gap)に対するペナルティなしを挙げることができる。
したがって、ここで使用する“同一性”または“相同性”という用語は、試験ポリペプチドまたは試験ポリヌクレオチドと基準ポリペプチドまたは基準ポリヌクレオチドの間の比較を表す。本明細書で使用する“〜に少なくとも90%同一”という用語は、そのポリペプチドの基準核酸配列または基準アミノ酸配列に対する90〜100%の同一率を言う。90%以上のレベルの同一性とは、例えば、比較される試験ポリペプチドと基準ポリペプチドの長さが100アミノ酸であるとすると、基準ポリペプチド中のアミノ酸と異なる試験ポリペプチド中のアミノ酸が10%(すなわち100個中10個)を上回らないことを示す。同様の比較を、試験ポリヌクレオチドと基準ポリヌクレオチドの間でも行うことができる。そのような相違は、ポリペプチドの全長にわたってランダムに分布する点突然変異として現れる場合も、許容される最大値までの、例えば100個中10個のアミノ酸相違(約90%の同一性)までの、種々の長さを持つ1つ以上の位置にクラスターを形成する場合もあり得る。相違は、核酸またはアミノ酸の置換、挿入または欠失と定義される。約85〜90%を上回る相同性または同一性のレベルでは、結果が、プログラムにも、設定されたギャップパラメータにも、依存しないはずであり、そのような高レベルの同一性は、多くの場合、ソフトウェアに頼らなくても手動での整列によって、容易に評価することができる。
ここで使用する、整列された配列とは、相同性(類似性および/または同一性)を使った、ヌクレオチド配列中またはアミノ酸配列中の対応する位置の整列を言う。典型的には、50%以上が同一である関係する2つ以上の配列が整列される。整列された一組の配列とは、対応する位置で整列させた2つ以上の配列を指し、RNAに由来する配列、例えばESTおよび他のcDNAを、ゲノムDNA配列と整列させたものを含み得る。
ここで使用するある生成物と実質的に同一であるとは、十分に類似しているので、その物品の代わりに実質的に同一な生成物を使用しても、目的とする対象の性質が十分に不変であることを意味する。
また、ここで使用する“実質的に同一”または“類似する”という用語は、当業者には理解されるとおり、文脈によってさまざまであると理解される。
ここで使用する対立遺伝子変異型または対立遺伝子変異は、同じ染色体座を占める遺伝子の2つ以上の変異形態のいずれかを言う。対立遺伝子変異は突然変異によって自然に発生し、集団内の表現型多型をもたらし得る。遺伝子突然変異はサイレント(コードされるポリペプチドを変化させない)であるか、変化したアミノ酸配列を持つポリペプチドをコードすることができる。“対立遺伝子変異型”という用語は、本明細書では、ある遺伝子の対立遺伝子変異型によってコードされるタンパク質を表すためにも使用される。典型的に、基準型の遺伝子は、ある集団から得られるまたはある種の単一の基準メンバーから得られるポリペプチドの野生型および/または優勢型をコードする。典型的に、対立遺伝子変異型(2種間および3種以上の間での変異型を含む)は、同じ種から得られる野生型および優勢型と、典型的には少なくとも80%、90%またはそれ以上のアミノ酸同一性を持つ。また、同一性の度合いは、遺伝子に依存し、比較が種間比較であるか種内比較であるかにも依存する。一般に、種内対立遺伝子変異型は、野生型および/または優勢型と少なくとも約80%、85%、90%または95%またはそれ以上の同一性(野生型および/または優勢型のポリペプチドと96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を含む)を持つ。本明細書において対立遺伝子変異型は、一般に、同じ種内のメンバー間でのタンパク質中の変異を言う。
ここで使用する“対立遺伝子”は、本明細書では“対立遺伝子変異型”と可換的に使用され、遺伝子またはその一部の変異型を言う。対立遺伝子は相同染色体上の同じ座または位置を占める。ある対象がある遺伝子について2つの同一対立遺伝子を持っている場合、その対象はその遺伝子または対立遺伝子に関してホモ接合であるという。ある対象がある遺伝子について2つの異なる対立遺伝子を持っている場合、その対象はその遺伝子についてヘテロ接合であるという。ある特定遺伝子の対立遺伝子は互いに1個のヌクレオチドが異なる場合または数個のヌクレオチドが異なる場合があり、ヌクレオチドの置換、欠失および挿入を含む場合もある。ある遺伝子の対立遺伝子は、突然変異を含有する遺伝子の一形態であることもできる。
ここで使用する種変異型は、マウスとヒトのような異なる哺乳動物種間を含む異なる種間のポリペプチドにおける変異型を言う。
ここで使用する改変は、ポリペプチドのアミノ酸配列または核酸分子中のヌクレオチド配列の改変に関し、それぞれアミノ酸およびヌクレオチドの欠失、挿入および置換を含む。ポリペプチドを改変する方法は、組換えDNA法を用いる方法など、当業者にとっては日常的である。
ここで使用する単離されたまたは精製されたポリペプチドもしくはタンパク質またはその生物学的活性部分は、そのタンパク質が得られる細胞または組織に由来する細胞性物質または他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか、または化学合成された場合は化学的前駆体または他の化学薬品を実質的に含まない。当業者が純度を評価するために使用する薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの標準的分析方法で決定した場合に調製物が容易に検出できる不純物を含まないと考えられるか、または調製物が十分に純粋であって、さらなる精製を行ってもその物質の物理的および化学的性質(例えば酵素活性および生物学的活性)が検出できるほどには変化しないであろう場合に、調製物は不純物を実質的に含まないと決定することができる。化合物を精製して実質的に化学的に純粋な化合物を製造するための方法は、当業者には知られている。ただし、実質的に化学的に純粋な化合物は、立体異性体の混合物であることができる。そのような場合は、さらなる精製により、化合物の比活性が増加するかもしれない。
細胞性物質を実質的に含まないという用語は、タンパク質がその単離源または組換え生産源となった細胞の細胞性構成要素から分離されているタンパク質の調製物を包含する。ある態様において、細胞性物質を実質的に含まないという用語は、約30%未満(乾燥重量で)の非酵素タンパク質(ここでは夾雑タンパク質ともいう)、一般的には約20%未満の非酵素タンパク質または約10%未満の非酵素タンパク質または約5%未満の非酵素タンパク質を含む酵素タンパク質の調製物を包含する。酵素タンパク質が組換え生産される場合、それは培養培地も実質的に含まない。すなわち培養培地は、酵素タンパク質調製物の体積の約または正確に20%、10%もしくは5%未満に相当する。
本明細書で使用する、化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まないという用語は、タンパク質がそのタンパク質の合成に関与した化学的前駆体または他の化学物質から分離されている酵素タンパク質の調製物を包含する。この用語は、含まれる化学的前駆体または非酵素化学物質もしくは構成要素が約30%(乾燥重量で)、20%、10%、5%またはそれ以下より少ない酵素タンパク質の調製物を包含する。
ここで使用する例えば合成核酸分子または合成遺伝子または合成ペプチドなどに関していう合成とは、組換え法および/または化学合成法によって製造される核酸分子またはポリペプチド分子を言う。
ここで使用する組換えDNA法を使った組み換え手段による生産とは、クローン化されたDNAによってコードされるタンパク質を発現させるために、分子生物学の周知の方法を使用することを意味する。
ここで使用するベクター(またはプラスミド)は、異種核酸をその発現またはその複製を目的として細胞中に導入するために使用される不連続な要素を言う。ベクターは一般的に、エピソームであり続けるが、ゲノムの染色体への遺伝子またはその一部の組込みが達成されるように設計することもできる。酵母人工染色体および哺乳類人工染色体などの人工染色体であるベクターも考えられる。そのような運搬体の選択と使用は当業者にはよく知られている。
ここで使用する発現ベクターは、当該DNAフラグメントの発現を達成する能力を持つプロモーター領域などの調節配列に作動的に連結されたDNAを発現させる能力を持つベクターを包含する。そのような追加セグメントはプロモーター配列およびターミネーター配列を含むことができ、場合によっては、1つ以上の複製起点、1つ以上の選択可能マーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナルなども含むことができる。発現ベクターは一般にプラスミドまたはウイルスDNAから誘導されるか、または両方の要素を含有することができる。したがって、発現ベクターとは、適当な宿主細胞に導入された時にクローン化されたDNAの発現をもたらす、プラスミド、ファージ、組換えウイルスまたは他のベクターなどの組換えDNAまたはRNAコンストラクトを言う。適当な発現ベクターは当業者にはよく知られており、真核細胞および/または原核細胞中で複製可能なものや、エピソームであり続けるもの、または宿主細胞ゲノムに組み込まれるものがある。
ここで使用するベクターは、“ウイルスベクター”または“ウイルス様ベクター”も包含する。ウイルス様ベクターは、(運搬体またはシャトルとして)細胞中に外来遺伝子を導入するためにそれら外来遺伝子に作動的に連結された工学的改変ウイルスである。
ここで使用するDNAセグメントに関して作動可能に連結または作動的に連結とは、複数のセグメントが、その意図された目的のために、それらが協力して機能するように、例えば転写がプロモーターの下流かつ任意の転写配列の上流で開始するように、配置されることを意味する。プロモーターとは、通常、転写装置がそこに結合して転写を開始するドメインであり、その転写装置はコードセグメントを通ってターミネーターまで進行する。
本明細書で使用する、評価するという用語は、試料中に存在するプロテアーゼまたはそのドメインの活性について絶対値を得るという意味での、そしてまた活性のレベルを示す指数、比、パーセンテージ、視覚化または他の値を得るという意味での、定量的および定性的決定を包含するものとする。評価は直接的または間接的であることができ、実際に検出される化学種は、もちろん、加水分解産物そのものである必要はなく、例えばその誘導体または他の何らかの物質であることができる。例えば、SDS−PAGEおよびクーマシーブルーを使ったタンパク質染色などによる、相補タンパク質の切断産物の検出が意図される。
ここで使用する生物学的活性とは、化合物のインビボ活性、または化合物、組成物もしくは他の混合物をインビボ投与した時に起こる生理学的応答を言う。したがって生物学的活性は、そのような化合物、組成物および混合物の治療効果および薬理活性を包含する。生物学的活性は、そのような活性を試験または使用するために設計されたインビトロ系で観察することができる。したがって、ここで使用するは、プロテアーゼの生物学的活性とは、ポリペプチドの加水分解がなされるその触媒活性である。
2つの核酸配列に関してここで使用する等価とは、問題の2つの配列が同じアミノ酸配列または等価なタンパク質をコードすることを意味する。2つのタンパク質またはペプチドに関して等価という場合、それは、それら2つのタンパク質またはペプチドが実質的に同じアミノ酸配列を持ち、アミノ酸置換はそのタンパク質またはペプチドの活性または機能を実質的に変化させないものだけであることを意味する。等価が性質を指す場合、その性質は同程度に存在する必要はないが(例えば2つのペプチドは同じタイプの酵素活性を異なる比率で示すことができる)、それらの活性は通常、実質的に同じである。
ここで使用する組成物は任意の混合物を言う。それは、水性、非水性またはその任意の組合せである溶液、懸濁液、液体、粉末、ペーストであることができる。
ここで使用する組合せは、2つまたはそれ以上の物の間の任意の関連を言う。組合せは、2つまたはそれ以上の別々の品目、例えば2つの組成物であるか、その混合物、例えばそれら2つまたはそれ以上の品目の単一混合物であるか、それらの任意の変更物であることができる。組合せの要素は、一般に、機能的に関連または関係する。
ここで使用する“疾患または障害”は、感染、後天的状態、遺伝的状態などを含むが、これらに限定されない原因または状態に起因し、同定可能な症状を特徴とする、ある生物における病理学的状態を言う。ここで目的とする疾患および障害は糖尿病を含む。
ここで使用する、ある疾患または状態を持つ対象を“処置する”とは、処置後に、その対象の症状が部分的にまたは完全に治癒すること、または静的状態を保つことを意味する。したがって、処置は、予防、治療および/または治癒を包含する。予防とは、潜在的疾患の防止および/または症状の悪化もしくは疾患の進行の防止を言う。処置はまたここで提供するインスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤の医薬的使用も包含する。
ここで使用する医薬有効剤は、任意の治療剤または生物活性剤、例えば麻酔薬、血管収縮薬、分散剤、従来の治療薬(小分子薬および治療用タンパク質を含む)を包含するが、これらに限定されない。
ここで使用する処置は、ある状態、障害もしくは疾患または他の適応の症状を寛解するか他の有益な形で変化させる、任意の方法を意味する。
ここで使用する治療効果は、疾患または状態の症状を変化(一般的に、改善または寛解)させるか、疾患または状態を治癒させる、対象の処置に起因する効果を意味する。治療有効量とは、対象への投与後に治療効果をもたらす、組成物、分子または化合物の量を言う。
本明細書で使用する“対象”という用語は、ヒトなどの哺乳動物を含む動物を言う。
ここで使用する患者は、疾患または障害の症状を示すヒト対象を言う。
ここで使用する処置による、例えば医薬組成物または他の治療薬の投与による、特定の疾患または障害の症状の寛解とは、その組成物または治療薬の投与に起因すると考えることができる、またはその組成物もしくは治療薬の投与に関連づけることができる、永続的であるか一時的であるか、持続的であるか一過性であるかを問わない症状の減少を言う。
ここで使用する防止または予防は、疾患または状態が発生するリスクを低下させる方法を言う。
ここで使用する“治療有効量”または“治療有効用量”は、少なくとも、治療効果をもたらすのに十分な、薬剤、化合物、物質、または化合物を含有する組成物の量を言う。したがって、これは、疾患または障害を防止し、治癒させ、寛解させ、抑止し、または部分的に抑止するのに必要な量である。
ここで使用する治療有効インスリン投薬量は、血糖管理を達成するのに必要なまたは十分なインスリンの量である。この量は、グルコース負荷または食事負荷などにより、実験的に決定することができる。本明細書に記載する組成物は、治療有効投薬量が投与されるように、治療有効量または治療有効濃度のインスリンを含有する。
ここで使用する単位投与形態は、当技術分野で知られているように、ヒトおよび動物対象に適し、個別に包装された、物理的に不連続な単位を言う。
ここで使用する単回投与製剤は、直接投与用製剤を言う。
ここで使用する“製品”は、製造され販売される物品である。本願の全体にわたって使用されるこの用語は、同じ包装物または別々の包装物に含まれている速効型インスリン組成物およびヒアルロナン分解酵素組成物を包含するものとする。
ここで使用する流体は、流動し得る任意の組成物を言う。したがって流体は、半固形、ペースト、溶液、水性混合物、ゲル、ローション、クリームおよび他のそれに類する組成物の形態をとる組成物を包含する。
ここで使用する“キット”は、本明細書に記載する組成物と、もう一つの品目、例えば再構成、活性化などを目的とするもの、送達、投与、診断および生物学的活性または性質の評価を行うためであるが、これらに限定されない機器/器具などとの組合せを言う。キットは、場合によっては、使用に関する指示を含む。
ここで使用する動物には、任意の動物、例えば限定するわけではないが、ヒト、ゴリラおよびサルを含む霊長類;マウスおよびラットなどの齧歯類;ニワトリなどの家禽;ヤギ、ウシ、シカ、ヒツジなどの反芻動物;ブタおよび他の動物が含まれる。非ヒト動物として想定される動物にヒトは含まれない。本明細書に記載する酵素は、任意の供給源、動物、植物、原核生物および真菌に由来する。大半の酵素は哺乳動物由来を含む動物由来である。
ここで使用する対照は、それが試験パラメータで処置されない点以外は、またはそれが血漿試料である場合は、目的とする対象の状態を有さない健常ボランティアから得られたものであり得る点以外は、試験試料と実質的に同一な試料を言う。対照は内部対照であることもできる。
ここで使用する使用する単数表現は、文脈上そうでないことが明らかでない限り、複数の指示物を包含する。したがって、例えば“細胞外ドメイン”を含む化合物への言及は、1つまたは複数の細胞外ドメインを持つ化合物を包含する。
ここで使用する範囲および量は、特定の値または範囲の“約”と表現する場合がある。この“約”には、まさにその量も包含される。したがって“約5塩基”は“約5塩基”を意味すると共に“5塩基”も意味する。
ここで使用する“任意”または“所望により”は、それに続けて述べられる事象または状況が起こることまたは起こらないこと、およびその説明が、該事象または状況が起こる場合と起こらない場合を包含することを意味する。例えば、場合により置換されている基とは、その基が無置換であるか、または置換されていることを意味する。
ここで使用する、任意の保護基、アミノ酸および他の化合物の略号は、別段の表示がない限り、その一般的使用法、広く認識されている略号、またはIUPAC−IUB生化学命名委員会((1972) Biochemistry 11:1726参照)に従う。
B. インスリン治療
頻回注射(MDI)および連続的皮下インスリン注入(CSII)投与の両者のための食事時のインスリン製品の吸収および作用の加速は、非糖尿病性対象の内因性(すなわち自然の)食後インスリン放出をより模倣するために望まれる。ヒアルロナン分解酵素群、例えばPH20と配合されたまたは共混合された速効性インスリン(例えばインスリン類似体)は、皮下注入またはポンプ注入により投与したときインスリン単独と比較して吸収および作用を加速し、それにより血糖コントロールを改善することが示されている(例えば米国特許公開番号US20090304665参照)。
また、インスリンの連続的皮下注入(CSII)は、CSII注入セットの通常の使用期間である3〜4日間にわたりインスリン暴露および/または作用を加速することが知られている機構である(例えばSwan et al. (2009) Diabetes Care, 32:240-244; Liu et al. Diabetes Res. and Clin. Prac. (1991) 12:19-24; Olsson et al. Diabetic Medicine (1993) 10:477-80; and Clausen et al. Diabetes Tech Therapeutics (2009) 11:575-580参照)。先の試験では、しかしながら、インスリン注入セットの時間が経つに連れて速効型類似体インスリンの暴露および作用の両者で不一致が証明されている(Swan et al. (2009) Diabetes Care, 32:240-244; Clausen et al. Diabetes Tech Therapeutics (2009) 11:575-580)。速い進入/速い消失吸収が注入セット寿命の後期で現れるが、インスリン吸収は注入セット寿命の初期に観察されるインスリン吸収が注入セット寿命の後期で起こるより遙かに少ないために、一致しない。これは、インスリン吸収が注入セット寿命後期にのみ増加または加速されるため、CSII治療におけるインスリン暴露の変動をもたらす。例えば、最大インスリン濃度までの時間は4日間の注入セット寿命で55±3分から45±4分(p=.019)に変わる。対応して、注入セット寿命の間にインスリン作用開始は、25%まで変わり、インスリン作用時間は40分まで変わる。
インスリン暴露および作用におけるこの作用の程度は糖尿病コントロールのための意味のある交絡要因である。実際、連続的グルコースモニタリングにより評価した注入セット使用中のグルコース管理の単一アーム研究は、血糖管理の劇的な低下を示しており、1日平均グルコースレベルは、5日間の注入セット使用後122.7mg/dLから163.9mg/dLに増加した(p<.05)(Thethi et al. (2010) J. Diab. and its Complications, 24, 73-78)。平均1日グルコース上昇と一致して、180mg/dLを超える値の割合は14.5%から38.3%に上昇した(p<.05)。また、本発明により、CSIIによるインスリン単独の送達はまた注入セット寿命の間に総インスリン作用を低下させることが判明した。この減少の効果は、インスリン暴露プロファイルにおいて患者に変動性である。
ここで提供されるのは、注入セットの使用期間中、一定した超速効性インスリン暴露および作用プロファイルを提供するための、注入セット寿命の間に(すなわち注入の時間にわたり)インスリン加速を最小化するための連続的皮下インスリン注入(CSII)投与レジメ方法である。本発明により、ヒアルロナン分解酵素(例えばPH20)と配合したインスリンをCSIIにより注入したとき、CSII注入加速減少は低下するが、なくならず、一方総インスリン作用の消失が増大することが判明した(例えば実施例2参照)。インスリン暴露および/または作用に対するPH20のより一貫した効果を利用しながら総インスリン作用減少を打ち消すために、ここで提供されるのは、インスリン投与が注入セット寿命を通して全身的に増加し、それにより開放ループおよび閉鎖ループ系の両者を含む注入ポンプ治療によるグルコース管理を経時的に改善する方法である。
またここで提供されるのは、ヒアルロナン分解酵素を、CSII治療においてインスリンを注入する前にリーディング・エッジ投与レジメにおいて使用する注入セットの開始時に投与する、インスリン暴露および/または作用を制御する方法である。注入前のヒアルロナン分解酵素の前投与の効果は、注入セット寿命の間に起こるインスリン暴露の変動の減少である。本明細書のあらゆる場所に記載したとおり、注入開始時に、ヒアルロナンはバルク流体流動の障壁として作用し、それによりインスリン吸収を制限すると考えられる。注入セットが時間が経つに連れて、体は自然に注入セット使用の経過とともにバルク流体流動に対するヒアルロナン障壁を修復する。インスリン注入開始前のヒアルロナン分解酵素投与により、バルク流体流動に対する初期障壁は減少する。それ故に、ここに提供する方法において、ヒアルロナン分解酵素(例えばPH20)は注入セット寿命にわたるインスリン暴露および/または作用の加速を減少でき、非糖尿病性対象の食後インスリン放出を模倣した超速効性インスリンのより一貫した送達を提供できる。
1. インスリン、糖尿病および既存の速効性インスリン治療
インスリンは膵臓から分泌される天然に存在するポリペプチドホルモンである。インスリンは、血液からグルコースを効率的に採り、使用するために体の細胞が必要とする。グルコースは、細胞機能を行うための優勢なエネルギー基質である。炭水化物恒常性の一次モジュレーターであることに加えて、インスリンは脂肪代謝に効果を有する。それは、とりわけ、脂肪貯蔵物を放出する肝臓および脂肪組織の能力を変えることができる。インスリンは、脂質合成増加、脂質分解減少、タンパク質合成増加、重要酵素群およびグルコース代謝過程制御(グルコース取り込み刺激、グルコース酸化刺激、グリコーゲン合成増加およびグリコーゲン分解減少を含む)を含むが、これらに限定されない種々の薬力学的効果を体中に有する。
インスリンは基本的に通常0.5〜1.0単位/時間の範囲で分泌されるが、そのレベルは食後上昇する。食後、膵臓はグルコースの上昇に応答して大量のインスリンを分泌する。インスリンはグルコースの細胞への取り込みを刺激し、肝臓にグルコース産生を減少させるシグナルを起こる。これにより血糖が正常レベルに戻る。健常成人では、食事に応答した2相のインスリン放出がある。初期総は食後2〜15分以内に起こるインスリン放出の急上昇である。後期相放出は約2時間続く。初期相は肝臓グルコース産生の停止を担い、それ故に血糖値を下げ、末梢組織にグルコース取り込み増加を感作させまたはシグナル伝達する。筋肉において、大量のグルコースがグリコーゲンとして貯蔵される。グリコーゲンは幾分かは乳酸に分解され、それは肝臓を循環し、変換されてグルコースに戻り、グリコーゲンとして貯蔵される。食間に、肝臓はこれらのグリコーゲン貯蔵物を分解して、グルコースを脳および他の組織に提供する。
糖尿病は、膵臓が適切な量のインスリンを産生することができないためまたは能力が低下したためにまたは細胞が必要なインスリンを合成および/または放出することができないために、慢性高血糖を生じる。糖尿病において、上記第一相応答の有効性が減少しているか、または欠如し、食後グルコースレベル増加に至る。例えば、食後最初の4時間(すなわち食後直ぐの4時間)の間の曲線下血糖面積(AUC)は非糖尿病より糖尿病で2.5〜3.0倍大きい。食後グルコース変動が全体的高血糖およびHbA1cレベル上昇に関与し、これらの変動が2型糖尿病の初期段階で見られるHbA1c上昇の主起因である。
多くの糖尿病患者は膵臓が不適切な量のインスリンを産生したとき、またはそれが産生するインスリンを使用できないとき、適切な血糖管理を維持するためにインスリンでの処置を必要とする。インスリンは、例えば、1型糖尿病、2型糖尿病および妊娠性糖尿病を含む糖尿病を有する患者を処置するために、正常個体で生じる内因性インスリン応答を模倣するために、治療剤として投与されている。インスリンはまた血糖値をコントロールするために高血糖の重症患者にも投与されている。
インスリン補充治療は基礎およびボーラス両者のインスリン補充に関与する。基礎インスリン補充、または背景インスリンは空腹時、例えば、一夜または食間の血糖管理に使用し、通常一定の1日量で投与される。ボーラスインスリン補充は炭水化物、すなわち、食物摂取、およびまた高血糖矯正に関与し、またインスリン感度因子としても知られる。食物被覆範囲のためのボーラス投与量は、インスリン対炭水化物比、または炭水化物被覆範囲比として規定される。インスリン対炭水化物比は何gの炭水化物が1単位のインスリンを被覆するかまたは処分するかを表す。一般的に、1単位の速効性インスリンは12〜15gの炭水化物を処分する。この範囲は個々のインスリンに対する感受性によって4〜30gまたはそれ以上の炭水化物で変動し得る。インスリン感受性は1日の間の時間で、人により変わり得て、身体的活性およびストレスによる。高血糖矯正のためのボーラス投与量は、1単位の速効性インスリンがどの程度血糖を低下させるかによる。一般的に、高血糖を矯正するために、1単位のインスリンが血糖を50mg/dl低下させるのに必要である。この血糖低下は、個々のインスリン感受性、および他の状況によって15〜100mg/dlまたはそれ以上で変動し得る。過体重患者は、大きなインスリン抵抗性および欠損のために高投与量のインスリンを必要とする。投与量調節もまた患者で炭水化物代謝またはインスリンに対する応答に影響し得る薬剤を摂取したとき必要であり得る。肝疾患または腎疾患もインスリンの薬物動態学に影響し得る。加えて、運動、病気、ストレス、異常節食パターン、アルコール、および旅行でも投与量調節が必要となり得る。
インスリン投与量の概算に使用するアルゴリズムは多様であり、当業者が知っている(例えば、Hirsch et al., (2005) Clinical Diabetes 23:78-86; Global Guideline for Type 2 Diabetes, Chapter 10: Glucose control: insulin therapy, International Diabetes Federation, (2005) pp. 39-42; Zisser et al., (2009) J Diabetes Sci Technol 3(3):487-491参照).出発レジメンは、血糖モニタリングおよびA1C値により測定した高血糖の程度により主に決定する。体重も適当な出発インスリン投与量計算に使用される。血糖モニタリングは投与レジメン評価に必須である。典型的に、少なくとも1回の空腹時および1回の食後血糖値を測定し、記録する。血糖検査の頻度および時間は主にインスリンレジメンによる。頻回注射(MDI)治療を使用する者は、各食事前、しばしば食後2時間、そして毎日就寝時に血糖値を確認する必要がある。指先穿刺を、食前インスリン投与量に対する影響を調べるために1回の食事の前および後に行うことができ、それに応じて調節できる。選択する食事は変わるはずであり、それ故に評価期間の最後に、各食事を少なくとも1回試験する。1回夜および翌朝の試験により、基礎インスリンの影響に対する情報が提供される。
基礎インスリン投与量、または背景インスリン投与量を計算するために、最初に総1日インスリン投与量を概算または計算しなければならない。総1日インスリン必要量(単位)は、一般的に患者の体重(ポンド)を4で割ったもの、あるいは、患者の体重(kg)に0.55をかけたものとして定義される。例えば、患者の体重が160ポンドであるならば、総1日インスリン必要量は40単位のインスリン/日(160÷4)であろう。インスリン感受性を有する患者は高い総1日インスリン投与量を必要とする可能性があり、あるいは、インスリンに感受性の患者は低い総1日インスリン投与量を必要とし得る。基礎インスリン投与量を、次いで、総1日インスリン投与量(TDI)に基づき計算する。基礎インスリン投与量は総1日インスリン投与量の約40〜50%である。それ故に、40単位を超えるTDIの患者で、基礎または背景インスリン投与量は20単位である。
炭水化物被覆範囲比、または1単位のインスリンにより被覆される炭水化物のgを、式500÷総1日インスリン投与量で計算する。それ故に、あなたのTDIが40単位であるならば、あなたの炭水化物被覆範囲比は12g炭水化物/単位インスリン(500÷40に等しい)である。高血糖矯正係数、または1単位のインスリン量が血糖(mg/dlで)を減らすであろう量を、1800を総1日インスリン投与量で割って計算する。それ故に、あなたのTDIが40単位であるならば、あなたの矯正係数は45mg/dl(1800÷40に等しい)である。
炭水化物、または食物摂取に対するボーラスインスリン投与量を計算するために、食事中の総炭水化物gを、1単位のインスリンにより消費される炭水化物のg、すなわち、上記炭水化物被覆範囲比で割って計算する。例えば、1単位の速効性類似体を10〜15g毎の炭水化物消費のために投与できる。それ故に、90gの炭水化物を含む食事は、6単位インスリンのボーラス投与量を必要とする(1:15比)。高血糖矯正のためのボーラスインスリン投与量計算のために、実際の血糖と目標血糖の差(すなわち、実際血糖−目標血糖)を取り、矯正係数で割る。一般に、1単位のインスリンは血糖を50ポイント(mg/dl)下げ、それ故に高血糖矯正係数は50である。それ故に、患者の測定した血糖値が220mg/dlであり、食前血糖目標が120mg/dlであるならば、高血糖矯正のための必要投与量は(220−120mg/dl)÷50であり、2単位のインスリン投与量となる。典型的に、MDIまたはインスリンポンプを使用する患者は、食事中の概算炭水化物含量ならびに血糖読み取り値に基づき、食事時のインスリン投与量を調節できる。例えば患者が90gの炭水化物を含むと概算される食事を食べるとして、患者の食前血糖目標は100mg/dLであるが、測定した血糖値が200mg/dであったならば、ボーラスインスリン投与量を計算できる。それ故に、1:15のインスリン:炭水化物比を使用して、患者は、90gの炭水化物(90g炭水化物/15)を被覆するための6単位のインスリンアスパルト+さらに目標グルコースレベルである100mg/dLに矯正するための2単位のインスリンアスパルトを摂取する。彼の目標ボーラスインスリン投与量は8単位であろう。
インスリン類の種々の源が患者の必要性に応じて使用される。市販のインスリン製剤は活性時間によって分類できる(例えば、DeFelippis et al. (2002) Insulin Chemistry and Pharmacokinetics. In Ellenberg and Rifkin's Diabetes Mellitus (pp. 481-500) McGraw-Hill Professional参照)。例えば、インスリンは速効性製剤、ならびに中間型または長時間作用型製剤として提供され、後2者の分類はここでは基礎作用インスリン類と呼ぶ。速効性形態は開始が速く、典型的にピークインスリンレベルを2〜3時間以内に示し、4時間を超えない。それ故に、速効性形態のインスリンは食事グルコースコントロールに使用される。他の形態のインスリンは、皮下投与後約4〜12時間でピークインスリン濃度に達する中間型、および相対的に穏やかなピークに到達し、最大作用時間20〜30時間を有する長時間作用型インスリン類を含む。中間型および長時間作用型形態はしばしば非結晶および/または結晶性インスリン製剤から成り、主に基礎治療に使用される。
速効性インスリン組成物の食事投与の目的は、食事の前、食事中または食事直後の速効性インスリンの非経腸投与により経時的に安定な血糖値を達成することである。この方法で、インスリンの血中濃度は一時的に(a)肝臓グルコース産生を止めるおよび(b)グルコース取り込みを増加するために上昇し、そうして食事の消化に関連する血糖上昇中の血糖コントロールを維持する。
組み換えヒトインスリン(レギュラーインスリンとも呼ぶ;例えば、Humulin(登録商標)Rインスリン)を、食事前の注射による自己投与のために使用する。不運なことに、組み換えヒトインスリンは、外因性インスリンレベルに反して血糖量上昇が起きないことを保証するために、注射の約1時間半以上前に投与しなければならない。組み換えヒトインスリンの遅い吸収の理由の一つは、インスリンがインビボおよびインビトロのいずれでも亜鉛イオン存在下で六量体複合体を形成することである。このような六量体亜鉛−含有複合体は、亜鉛を欠く単量体インスリンよりも安定である。注射により、これらのインスリン六量体は小さい二量体または単量体に、毛細血管床を介して吸収され、全身循環に入り得る前に解離しなければならない。六量体の二量体および単量体への解離は濃度依存的であり、インスリンが注射部位から拡散されるに連れて低濃度でのみ起こる。それ故に、局所インスリンデポが注射部位に起こり、インスリン濃度が低下するまで吸収され得ない注射部位での六量体インスリンの初期高濃度をもたらす(Soeborg et al., (2009) Eur. J. Pharm. Sci. 36:78-90)、インスリンが注射部位からゆっくり拡散されるため、インスリン濃度は注射部位から離れるに連れて低下し、六量体の解離およびインスリン単量体および二量体の吸収をもたらす。それ故に、六量体インスリン複合体の分散は体内で自然に起こるが、起こるまで時間がかかり得て、インスリンの全身アベイラビリティを遅延させる。さらに、この濃度依存的吸収のために、インスリン濃度が高い程および投与量が高い程、吸収は遅い(Soeborg et al., (2009) Eur. J. Pharm. Sci. 36:78-90)。
単量体形態のインスリンが急速に吸収されるため、六量体状態のインスリン類がより安定ではあるが、投与により六量体から単量体への速い解離を示す速効性類似体(速効型とも呼ぶ)形態のインスリンが開発されている。このようなインスリン類は、例えばアミノ酸変化により修飾され、解離速度が高められ、それよりより注射により急速な薬力学活性を有する。セクションDに記載するとおり、速効性類似体形態のインスリンは、インスリングルリジン、インスリンアスパルト、およびインスリンリスプロを含むが、これらに限定されない。
速効性類似体を含む速効性形態のインスリン類は吸収および作用が遅延し、それ故に食後の約10分間に起こる初期相を有する内因性インスリンを模倣しない。それ故に、このような製剤は、インスリン放出のこの第1層の直後に起こる肝グルコース産生を遮断するのに十分に速く作用しない。この理由のために、速効性インスリン類似体製剤でさえ、所望の血糖コントロールのあらゆる機会を達成するために食事より前に投与しなければならない。レギュラーインスリンで必要な30〜60分間以内よりも15分間以内の方が食事時間を概算し易いが、患者の食事が最良の血糖コントロールを提供するには早すぎるまたは遅すぎる危険性がある。
さらに、速効性インスリン治療を含むあらゆるインスリン治療での処置での主副作用は低血糖である。低血糖は低い血糖として定義され、空腹からより厄介な症状、例えば振戦、発汗、錯乱または発作、昏睡および死の終点までの範囲であり得る多様な病的状態と関連する。低血糖は十分な食事をしなかったこと、欠食、通常より激しい運動またはインスリン過剰摂取または不適切に長い暴露および作用を有する食事インスリン製剤の使用により起こり得る。例えば、多くの速効性インスリン治療を食事前に投与すべきであるため、患者が先に食事をするかまたは食事を抜かして、低血糖に至る危険性がある。さらに、速効性インスリン投与により、血清インスリンレベルおよびインスリン作用(例えば、グルコース注入速度(GIR)として測定)は典型的に食事グルコース負荷が無効となった後高いままであり、低血糖の恐れがある。インスリン投与量によりピークグルコース負荷をよりよくコントロールする試みが、さらにこの危険性を高める。また、食後低血糖がインスリン治療の共通の結果であるため、しばしば患者が食間に軽食を食べることになるかまたはそれが必要となる。これは体重増加に関与し、肥満はしばしばインスリン治療と関連する。
ヒアルロナン分解酵素(例えばPH20例えばrHuPH20)と併用したインスリンの先野試験は、健常個体における食事に対する自然のインスリン応答をより複製するインスリン薬物動態学的が証明されている(例えば米国特許公開番号US20090304665;Vaughn et al. (2009) Diabetes Technol. Ther., 11:345-52; Muchmore and Vaughn (2010) J. Diabetes Sci. Technol., 1:419-428参照)。特に、インスリンとPH20の共投与はインスリン作用開始(初期t50%max)、ピークインスリン濃度時間(tmax)、およびインスリン作用消失(後期t50%max)を加速する。PH20共投与はまたピークインスリン濃度を高め、初期インスリン暴露を高め、後期食後インスリン暴露を減少させる。健常ボランティアで、このインスリン暴露の加速は、正常血糖クランプの間のグルコース注入速度で測定したグルコース代謝を加速させる。1型および2型糖尿病において、インスリン暴露加速は、標準液体試験食に対する応答として起こるピーク血糖、食後2時間グルコース、およびグルコース変動総面積>150mg/dで測定して、食後高血糖を加速する。
2. 連続的皮下注入(CSII)
連続的皮下インスリン注入(CSII)は最近30年にわたり糖尿病の処置のために臨床的に使用されており、遠心性制御要素のためのCSIIを使用する閉鎖ループ“人工膵臓”系が開発中である。CSIIは、皮下注射で達成できなかったインスリン治療の管理を可能にする。例えば、インスリンポンプは、短期間の複数回ボーラス投与量と関連する低血糖を予防するための付随するソフトウェアで残存インスリン作用を把握できる。
CSIIポンプ治療は注入部位が時間が経つに連れて増加するグルコース変動と関連し、これは管理上問題となり得る(Swan et al. (2009) Diabetes Care, 32:240-244)。例えば、注入部位の長期使用(例えば4日間まで)は標準ボーラス投与量の速いピーク作用および短い作用時間をもたらし、これは種々の速効性インスリン類似体で類似である。この効果は糖尿病患者における日々の可変性および血漿グルコース障害に関与し得る。
この効果は数試験で観察されている。
例えば、Liu et al. (Diabetes Res. and Clin. Prac. (1991) 12:19-24)の論文は、総インスリン暴露を変化させないインスリン暴露の加速が、インスリン注入セット使用1日目と4日目の間で起こることを証明した。とりわけ、1日目の試験は注入セット交換直後(10分間以内)に行った。インスリン暴露タイミングの変更は、1日目と比較した4日目のボーラス投与量(1単位/10kg体重)の送達後の血糖値の速く、かつ大きな低下と関連した。インスリン吸収速度が注入セットが時間が経つに連れて増加し、吸収の変化がインスリンボーラス投与および続く食事後の血糖減少により評価して、より急速なインスリン作用と関連するとの結論であった。
類似の研究がOlsson et al. (Diabetic Medicine (1993) 10:477-80)により報告されており、注入セット使用1日目、3日目および5日目に行った試験を比較したとき、インスリン暴露の何らかの意味のある差異を示すことには失敗した。Liu et al. による試験のとおり、総インスリン暴露は研究日間を通して同等であった。とりわけ、この研究において、1日目のインスリンボーラスは注入セット交換約12時間後に投与された。著者らは、極めて一定であることが分かっていたインスリンの毎朝のボーラスの後に与えた標準食後の血糖値に従いインスリン作用を評価した。血糖に統計学的有意差はなかったが、血糖がそれぞれ1日目、3日目および5日目でより速く上昇する傾向にあり、空腹時血糖は1日目または3日目より5日目で高い傾向にあることが示された。
Swan et al. (Diabetes Care (2009) 32:240-244)による、より最近の研究により、1日目のインスリン作用(注入セット交換12時間後)を4日目(注入セット交換84時間後)と比較した。インスリン作用を、インスリンボーラス投与後の正常血糖を維持するのに必要なグルコース注入速度の経時的測定により評価した、インスリン血中濃度はこの研究では測定されなかった。著者らは注入セットが時間が経過するに連れて起きるインスリン作用の顕著な加速を発見した。著者らは、実験中注入された総グルコースで測定して、総インスリン作用は1日目と4日目で異ならないが、本データは、4日目を1日目と比較したとき、軽度な、しかし有意ではないインスリン作用減少の傾向を示したと結論付けた。先の2つの試験と対照的に、注入部位は臀部であり、腹部ではなく、対象は青年であった。
Clausen et al. (Diabetes Tech Therapeutics (2009) 11:575-580)により報告された研究は、により送達された1日目から4日目(日0〜3)の男性健常者における皮下血流およびインスリン薬物動態学を評価した。インスリンボーラスを注入セット挿入90分後に与えた。ボーラスを対象に送達した後、対象は、次の計画されたボーラスまで食塩水を連続的注入された。結果は、Liu et al.のものを確認し、注入セットの寿命をとおして総暴露の変化が無くインスリン暴露の進行性の加速があった。インスリン作用評価は実施されなかった。
これらの知見は、一般的にインスリン暴露および作用が注入セットの寿命をとおして全身性に加速するとの考えを支持する。一般的に、皮下組織に注入または注射された後、インスリンはデポを形成し、これは最終的に間質性間隙を通って血管床に拡散し、そこで六量体解離単量体または二量体が血管床に吸収される。注入後期のボーラス投与量の早い作用開始および短い持続時間は種々の因子、例えば血管微小環境変化による注入部位周囲の血流増加(例えば注入部位での炎症反応による)、セット内の沈殿またはインスリンによる注入セットの一部閉塞によるインスリン消失によるものであり得る(Swan et al. (2009) Diabetes Care, 32:240-244)。また、初期の膜を通過するインスリンの輸送はインスリンデポの形成、拡散能または血流により制限され得る。例えば、加速は注入開始時のバルク流体流動に対するヒアルロナン障壁によるものであり得る。このバルク流体流動に対する障壁は、注入時期の後期には存在しない可能性があり、または他の因子により代償されている。ここに提供する方法において、経時的なインスリン暴露および/または作用変化は、ヒアルロナン分解酵素を注入セット使用開始時に投与し、インスリン単独またはインスリン−PH20組み合わせまたは配合剤によるCSIIが続くリーディング・エッジ処置により最小化できる。注入セット使用の後期に、体は自然に注入セット使用の経過とともにバルク流体流動に対するヒアルロナン障壁を修復し、加速が減少する。
開放ループ系および閉鎖ループ系のいずれもPH20含有インスリン製剤の開発により利益を受け、これは注射と作用の間のタイムラグが短い。インスリンとの組み合わせにおけるPH20の存在は、注入セットの時間にわたりインスリン暴露の加速を減少する。PH20および/またはインスリンを使用した投与レジメは、さらにインスリン暴露加速の可変性を減少し、それにより注入の時間にわたり起こるインスリン暴露可変性を制御する。ここで提供されるのは、注入セット使用期間をとおして一貫した超速効性インスリン暴露および作用プロファイルを送達するための注入セット寿命にわたる(すなわち注入の時間にわたる)インスリン加速の効果を最小化するCSII投与レジメ方法である。インスリン暴露および/または作用を制御する方法は、CSII方法で使用でき、糖尿病および/またはより一貫した対象の血糖値管理に使用できる。
C. ヒアルロナン分解酵素を用いるインスリンの連続的皮下注入(CSII)方法
ここで提供されるのは、対象における血糖値を管理するための連続的皮下注入(CSII)投与レジメン方法である。本方法は糖尿病または他のインスリン関連疾患または状態を有する患者の処置に使用できる。ここに提供する方法はヒアルロナン分解酵素を含む投与レジメンは、注入セット使用期間をとおして一貫して超高速インスリン暴露および作用プロファイルを提供するとの知見に基づく。それ故に、特にリーディング・エッジ投与で、ヒアルロナン分解酵素を使用する本発明の方法は、対象におけるインスリン注入の経時的なインスリン吸収変化を最小化するために使用できる。
本発明の方法のいずれにおいても、例えば、ポンプ故障、カテーテル閉塞または使用者の誤りによるポンプ遮断により、連続的皮下注入が中断または中止されたら、インスリン作用は遅く作用するインスリンより早く停止し得る。これは、高血糖、最終的に糖尿病性ケトアシドーシスの時期を早めさせる。それ故に、ここに提供する方法のいずれにおいて、任意の工程として、必要に応じて、長時間作用型(別名基礎)インスリンを適当なインターバルで投与する。典型的に、長時間作用型インスリンは、少なくとも約12時間の作用時間を有するものである。当分野で知られている長時間作用型インスリン類の例は、レベミル、デテミル、NPHインスリンまたはデグルデクを含むが、これらに限定されない。長時間作用型インスリンは、患者総1日インスリン投与量の約5%〜50%、例えば患者総1日インスリン投与量の約1/3または33%で投与できる。基礎インスリンを適当なインターバルで、例えば特定のインスリンの作用時間および患者の嗜好性により、注入セットあたり少なくとも1回投与してよい。例えば、基礎インスリンを、少なくとも週に1回または2回または少なくとも1日1回または2回投与してよい。
1. 投与レジメン方法
a. リーディング・エッジ
一例において、ここに提供する方法は速効性インスリンのCSII開始前に対象にヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20を投与することを含む。間質性間隙のヒアルロナンはバルク流体流動に対する障壁として作用し、それにより注入開始時のインスリン暴露の作用の遅い速度を提供する。このバルク流体流動に対する障壁は注入時期の後期には存在しない可能性があり、または他の因子により代償されている。それ故に、ここに示すとおり、注入セットの経過中、注入セット寿命後期のインスリン作用が超速効性インスリン応答を示すように、注入の最初の時期と比較して注入セット寿命後期にインスリン作用が加速される。注入セットの寿命をとおして、これはインスリン作用および吸収変動および不一致をもたらす。ここに提供する方法において、経時的なインスリン暴露および/または作用差異は、ヒアルロナン分解酵素を注入セット使用開始時または開始時近くに投与し、インスリン単独またはインスリン−PH20超速効性組成物でのCSIIが続くことにより最小化できる。例えば、ヒアルロナン分解酵素をリーディング・エッジ処置により投与する。注入セット使用後期に、体は自然に注入セット使用の経過とともにバルク流体流動に対するヒアルロナン障壁を修復し、インスリン加速の差異が減少する。これは、CSII治療中に患者で起こるインスリン暴露および作用の可変性を減少または最小化できる。
本方法において、ヒアルロナン分解酵素を含む組成物を、対象に組織透過性を高めるためにヒアルロン酸の加水分解を触媒するのに十分な治療有効量で投与する。ヒアルロナン分解酵素の量は、注入寿命開始時に超高速インスリン応答を起こす量である。ヒアルロナン分解酵素投与後、速効性インスリンをCSIIを使用して対象に送達する。連続的皮下インスリン注入方法の実施により、注入セット寿命を通してインスリン吸収の際が最小化または減少する。それ故に、またここで提供されるのは、連続的皮下インスリン注入(CSII)の間に起こるインスリン吸収における差異の最小化に使用するためのヒアルロナン分解酵素を含む使用、方法または組成物である。
CSII治療により送達される、基底速度およびボーラス投与量を含むインスリンの特定の量および投与レジメンは、患者の特定の性質および要求による患者特異的プロトコルに従う。CSII治療は当業者に周知である(Boland et al. (1999) Diabetes Care, 22:1779-1784)。知られたおよび既存のプロトコルおよび推奨に従いCSIIを使用して患者を処置することは熟練した医師の技術の範囲内である。使用する特定のプロトコルおよび連続的注入デバイスによって、CSII治療は、一般的にポンプ、例えば開放ループまたは閉鎖ループポンプを介する、インスリンの注入することにより実施ができる。典型的に、CSIIは、使用する注入セット寿命または連続的注入デバイスの性能に合った予定されたインバータルで行う。チューブ系および挿入デバイス、例えばカニューレを含む注入セットを含むインスリンポンプについて、インターバルは一般的にわずか数日間、例えば2〜4日間毎である。例えば、注入セットを2〜4日間毎に交換する。一例において、注入セットを週に二回交換する。
このような方法において、あらゆるヒアルロナン分解酵素、例えば下記セクションEのあらゆるものを使用できる。ここでの例において、組織透過性を高めるためにヒアルロン酸の加水分解を触媒するために投与するヒアルロナン分解酵素の量を経験的に決定できる。ヒアルロナン分解酵素の活性は当技術分野で周知の方法を使って評価することができる。例えば、ヒアルロニダーゼに関するUSP XXIIアッセイでは、酵素をHAと37℃で30分間反応させた後に残存する未分解ヒアルロン酸またはヒアルロナン(HA)基質の量を測定することにより、活性が間接的に決定される(USP XXII-NF XVII (1990) 644-645 United States Pharmacopeia Convention, Inc, Rockville, MD)。アッセイでは、ヒアルロニダーゼ参照標準(USP)または国民医薬品集(National Formulary)(NF)標準ヒアルロニダーゼ溶液を使って、任意のヒアルロニダーゼの活性を単位数として確認することができる。一例において、活性をビオチニル化ヒアルロン酸を使用した微小濁度アッセイまたはマイクロタイターアッセイで測定する(例えばFrost and Stern (1997) Anal. Biochem. 251:263-269、米国特許公開番号20050260186参照)。他のアッセイもまた知られている(例えばDelpech et al., (1995) Anal. Biochem. 229:35-41; Takahashi et al., (2003) Anal. Biochem. 322:257-263参照)。透過性を増加させるための展着または拡散剤として作用するヒアルロナン分解酵素の能力も評価することができる。例えばトリパンブルー色素を、ヒアルロナン分解酵素と共に、またはヒアルロナン分解酵素なしで、ヌードマウスの左右の外側皮膚に皮下注射することができる。次に、色素面積を、例えばマイクロキャリパーを使って測定することで、展着剤として作用するヒアルロナン分解酵素の能力を決定する(米国特許第20060104968号)。同等の実験を他の対象で行うことができる。
典型的に、ヒアルロナン分解酵素を、正確にまたは約0.5単位〜500単位、1単位〜200単位、5単位〜150単位、10単位〜150単位、50単位〜150単位または1単位〜50単位と機能的等価である量で投与する。例えば、ヒアルロナン分解酵素を、少なくとも1単位、5単位、10単位、50単位、100単位、150単位、200単位、300単位、400単位、500単位以上の量で投与する。他の例において、ヒアルロナン分解酵素を正確にまたは約1ng〜10μg、8ng〜2μg、20ng〜1.6μg、80ng〜1.25μgまたは200ng〜1μgの量で投与する。例えば、ヒアルロナン分解酵素iを少なくとも1ng、8ng、80ng、1.0μg、1.25μg、1.6μg、2μg、3μg、4μg、5μg、6μg、7μg、8μg、9μg、10μg以上の量で投与する。投与するヒアルロナン分解酵素の容積は一般的に0.1mL〜50mL、例えば0.5mL〜5mL、一般的に正確にまたは約0.5mL〜2.0mL、例えば少なくともまたは約または正確に0.20mL、0.50mL、1.0mL、1.5mL、2.0mL、3.0mL、4.0mL、5.0mL、6.0mL、7.0mL、8.0mL、9.0mL、10.0mL以上、例えば少なくともまたは凡そ少なくともまたは正確に1.0mLである。
本発明の方法において、ヒアルロナン分解酵素を典型的にCSII開始直前に投与する。一般的に、しかしながら、注入セット寿命のインターバル中に1回しか投与しない。それ故に、本発明の方法において、ヒアルロナン分解酵素をCSIIの開始時に1回投与する。典型的に、各インターバルの収量後、注入セットを変え、ヒアルロナン分解酵素を対象に投与する過程を繰り返す。例えば、ヒアルロナン分解酵素は、注入セットインターバルの経過中、CSIIにより送達される速効性インスリン組成物と逐次的に、同時にまたは断続的に投与できる。
具体例において、各注入セットインターバルにおいて、ヒアルロナン分解酵素を先導する投与レジメンにおいて注入開始前に投与する。次いで、ヒアルロナン分解酵素投与後、速効性インスリンをCSIIを使用して対象に送達する。ヒアルロナン分解酵素は、CSIIによる速効性インスリンの注入開始正確にまたは約30秒間〜30分間前、注入開始30秒間〜30分間前、注入開始1分間〜15分間前、注入開始1分間〜12時間前、例えば注入開始5分間〜6時間前、注入開始30分間〜30時間前、または注入開始1時間前に投与する。典型的に、ヒアルロナン分解酵素を、CSIIによる速効性インスリンの注入の2時間より前には投与しない。換言すると、ヒアルロナン分解酵素を速効性インスリンの注入開始の前2時間以内に投与する。以内に投与する。例えば、ヒアルロナン分解酵素を、速効性インスリン類似体注入の少なくとも10秒間、少なくとも30秒間、少なくとも1分間、少なくとも2分間、少なくとも3分間、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも40分間、少なくとも50分間、少なくとも1時間または少なくとも2時間前に投与する。
他の例において、各注入セットインターバルにおいて、ヒアルロナン分解酵素をCSIIの開始と同時にまたはほぼ同時に投与する。例えば、ヒアルロナン分解酵素を注入開始の正確にまたは約0〜1分間前にまたは注入の後正確にまたは約0〜1分間に投与できる。
ある例において、ヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20を速効性インスリンのCSII開始直後に対象に投与できることは理解される。このような例において、ヒアルロナン分解酵素の投与のタイミングは、注入セット寿命の初期にインスリン吸収増加に十分に有効であり、それによりヒアルロナン分解の投与なしでCSII治療を受けている患者で起こる可変性を減少させる。それ故に、ヒアルロナン分解酵素の投与はインスリン注入に先立たないが、ヒアルロナン分解酵素は、注入セット寿命初期のインスリン吸収を増加させることが可能なヒアルロナンを除去できるために、なおリーディング・エッジ効果を有する。
それ故に、さらなる例において、各注入セットインターバルにおいて、ヒアルロナン分解酵素を注入開始後に投与してよい。それ故に、ヒアルロナン分解酵素投与に先立ち、速効性インスリンをCSIIを使用して対象に送達する。ヒアルロナン分解酵素を注入開始後正確にまたは約1分間〜12時間、例えば注入開始後正確にまたは約5分間〜6時間、注入開始後正確にまたは約30分間〜3時間、または注入開始後正確にまたは約1時間〜2時間に投与できる。典型的に、このような例において、ヒアルロナン分解酵素を、CSIIによる速効性インスリンの注入開始後2時間を超えて投与しない。
ヒアルロナン分解酵素は、例えば、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、および皮内投与を含む非経腸投与のような任意の適当な経路用により投与され得る。ヒアルロナン分解酵素はまた静脈内投与できる。典型的に、ヒアルロナン分解酵素は皮下投与する。ヒアルロナン分解酵素は速効性インスリン注入部位または注入部位近辺に投与できる。数例において、ヒアルロナン分解酵素を、速効性インスリンのCSIIと同じ注射部位を通して投与する。他の例において、ヒアルロナン分解酵素を速効性インスリンのCSIIと異なる注射部位で投与する。
あらゆる速効性インスリン、例えば下記セクションDのあらゆるものを、CSIIによる送達のための本発明の方法に使用できる。典型的に、貯蔵部は、正確にまたは約10U/mL〜1000U/mL、50U/mL〜500U/mL、100U/mL〜250U/mL、例えば少なくともまたは凡そ少なくともまたは正確に25U/mL、50U/mL、100U/mL、200U/mL、300U/mL、400U/mL、500U/mL以上、例えば少なくとも正確にまたは少なくとも約100U/mLである量の速効性インスリンを含む速効性インスリン組成物を含む。ある例において、組成物中のインスリンの量は正確にまたは約0.35mg/mL〜35mg/mL、0.7mg/mL〜20mg/mL、1mg/mL〜15mg/mL、5mg/mL〜10mg/mL、例えば少なくとも正確にまたは少なくとも約0.5mg/mL、1mg/mL、1.5mg/mL、2.0mg/mL、3.0mg/mL、4.0mg/mL、5.0mg/mL、10.0mg/mL、15mg/mL、20mg/mL、30mg/mL以上である。一般的に、速効性インスリンは速効性インスリン類似体(速効型類似体とも呼ぶ)である。ある例において、CSIIにより送達される速効性インスリンは、速効性インスリンまたは速効性インスリン類似体および組成物を超速効性とするのに十分なヒアルロナン分解酵素を含む超速効性インスリン組成物である(米国公開番号US20090304665として公開)。超速効性インスリン組成物は下のセクションFに記載する。さらなる例において、超速効性インスリン組成物は、さらに下におよび仮出願番号61/520,962に記載のとおり、少なくとも3日間、32℃〜40℃で安定な、安定な組成物である。
あらゆる連続的注入デバイスを、CSIIによる速効性インスリンを送達するための本発明の方法で使用できる。一般的に、連続的インスリン注入デバイスはインスリンポンプ、速効性インスリンを含む貯蔵部または超速効性インスリン組成物およびデバイスの皮下注入のための注入セットを含む。デバイスは開放ループまたは閉鎖ループデバイスであり得る。連続的インスリン注入のためのインスリンポンプ類および他のインスリン送達デバイスの例は下のセクションC.2に記載する。
方法の例において、連続的注入デバイスの新規ポンプ貯蔵部を、有効濃度の速効性インスリン、例えば速効性インスリン類似体組成物で満たす。組成物中のインスリンの量は一般的に約または少なくともまたは正確に100U/mLである。次いで、患者に新規注入セットで、典型的に腹部に挿入する。挿入針またはカニューレを接着パッドで固定する。次いで注入セットを充填したポンプ貯蔵部に接続する。次いで注入セットをインスリンで開始させる。患者へのポンプを介するインスリン注入開始前に、少なくともまたは約または正確に100U/mL、150U/mL、200U/mL、300U/mL、400U/mL、500U/mLまたは600U/mLである量の酵素を含む1.0mLのヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20(例えばrHuPH20)組成物を患者の注入部位にまたは注射部位近辺に注射する。例えば、ヒアルロナン分解酵素を、典型的注射針を含むシリンジまたは他の類似デバイスまたはチューブを介して注入する。他のデバイスは、カニューレまたは注入部位を介した挿入に適合性のアダプターであり得る。一般的に、酵素を同じ注射部位におよび注入に使用するのど同様同じカニューレで注入する。ヒアルロナン分解酵素をゆっくり、一般的に20秒間〜30秒間以上、患者に投与する。ヒアルロナン分解酵素注入直後、ヒアルロナン分解酵素注入セットをカニューレまたは他の類似挿入デバイスから外し、インスリン含有ポンプ/注入セットと変える。次いで、ポンプをカニューレサイズによって(例えばカニューレのサイズによって0.2U〜1.0U;例えば、6mmカニューレには0.4Uおよび9mmカニューレには0.6U)固定された初期注入量を送達するようにプログラムし、次いで予定された患者特異的にプログラムされたインスリンの基底注入速度を連続的に送達する。それ故に、本発明の方法の例において、ヒアルロナン分解酵素を一般的にインスリン注入正確にまたは約もしくは約5秒間〜20分間、例えば1分間〜15分間以内に投与する。
b. 総インスリン作用の軽減方法
本発明により、超速効性インスリン組成物を、CSII投与レジメンで投与したとき、注入セットの寿命を通して総インスリン作用減少のあることが判明した。この注入セットの経時的な総インスリン作用の減少は、速効性製剤よりヒアルロナン分解酵素を含む超速効性インスリン製剤で大きい。経時的に増加する全身的インスリン投与は、インスリン作用消失を打ち消し、開放ループおよび閉鎖ループコントロール両者におけるグルコースコントロールを改善する。それ故に、超速効性インスリン組成物におけるインスリンの基礎またはボーラス投与量を、経時的に見られる観察される総インスリン効果の減少を打ち消すために注入セットの寿命を通して増加させる、方法が提供される。
ここで提供されるのは、注入セットの経過をとおしてより一貫した超速インスリンプロファイルを提供する、血糖コントロールのための連続的皮下インスリン注入(CSII)投与レジメン方法である。このような例において、CSIIを、インスリンの計画された基底速度およびボーラス投与量に従い患者に超速効性インスリン組成物を送達するために使用する。セクションFは超速効性インスリン組成物を記載する。ある例において、安定な配合剤を本方法に用いる。閉鎖ループまたは開放ループ系を提供するデバイスを含む、連続的注入のためのあらゆるインスリン送達デバイスを本方法において用いることができる。このようなデバイスの例を下のセクションC.2に記載する。
本方法において、投与レジメンの経過中、投与する超速効性インスリン、基礎および/またはボーラス量は、ヒアルロナン分解酵素を含まない速効性インスリン組成物を使用する患者に対する通常の計画された投与レジメンと比較して、少なくとも1%増加する。具体例において、インスリンの基底速度および/またはボーラス投与量は、ヒアルロナン分解酵素を含まない速効性インスリン組成物を使用する患者に対する通常の計画された投与レジメンと比較して、1%〜50%、5%〜40%、10%〜20%または5%〜15%増加する。本方法の実施に際し、総インスリン作用を、注入セットの間にインスリン送達の組織的増加を含まない投与レジメンと比較して増加さる。例えば、正常血糖クランプ実験における累積グルコース注入(U/kg)で測定して、総インスリン作用は少なくともまたは約または正確に1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2.0倍、3.0倍、4.0倍、5.0倍以上増加し得る。
数例において、基礎インスリンおよび/またはボーラスインスリンを、注入セット寿命の間に少なくとも1日1回増加させる。増加できるボーラスインスリンは、一定の手段での食時投与量および/または一定の高血糖性矯正のための矯正ボーラスおよび広い範囲の多量のインスリンのボーラスであり得る。
さらなる例において、超速効性インスリンでCSIIを開始する前に、ヒアルロナン分解酵素をC.1.aに上記のとおりCSIIの注入開始直前または直後に患者に投与する。ヒアルロナン分解酵素群は当業者に周知であり、下のセクションEに記載する。あらゆるこのようなヒアルロナン分解酵素群を、ここの方法における超速効性インスリン組成物のCSII開始直前または直後に本方法の実施に際し用いることができる。
2. インスリンポンプ類および他のインスリン送達デバイス
本発明の方法に使用するインスリン送達デバイスは連続的皮下インスリン注入を可能にするインスリンポンプまたは他の類似デバイスを含む。開放ループおよび閉鎖ループ系を含むインスリン送達デバイスは、典型的に少なくとも1個のインスリン配合剤を含む使い捨てリザーバー、ポンプ(あらゆるコントロール、ソフトウェア、処理モジュールおよび/またはバッテリーを含む)および皮下注射用カニューレまたは針およびインスリンリザーバーにカニューレまたは針を連結するチューブを含む使い捨て注入セットを含む。閉鎖ループ送達デバイスは、さらにグルコースモニターまたはセンサーを含む。本発明の方法において使用するために、インスリン送達デバイスは、速効性インスリンまたはインスリンおよびヒアルロナン分解酵素の超速効性インスリン配合剤を含む貯蔵部を含み得る。
インスリンまたは超速効型配合剤は連続的におよび/またはボーラス注射で投与し得る。使用者は、安定した点滴または“既定”量のインスリン製剤を、1日をとおして連続的に提供するようにポンプを設定できる。ポンプはまた放出付加的(“ボーラス”)投与量のインスリン製剤を食事時におよび使用者入力に基づき血糖が高すぎるときに放出する。頻繁な血糖モニタリングが、インスリン投与量決定におよびインスリンが適切に送達されることを確実にするために必要である。これは、手動モニタリング、別のまたは包含されたグルコースモニターにより達成できる。さらに、インスリン送達デバイス使用者は、ボーラスを形作ることによりインスリンのプロファイルに影響を与える能力を有する。例えば、標準的ボーラスを投与でき、これは、全ての投与量をすぐにポンプ輸送する別々の注射に類似する注入である。拡張ボーラスは、高初期投与量を避け、組成物作用を持続する長時間にわたるゆっくりした注入である。標準的ボーラスおよび拡張ボーラスの両者を含む組み合わせボーラスもインスリンポンプまたは他の連続的送達系を使用して送達できる。
インスリン送達デバイスは当分野で知られており、米国特許番号6,554,798、6,641,533、6,744,350、6,852,104、6,872,200、6,936,029、6,979,326、6,999,854、7,025,743および7,109,878を含むが、これらに限定されないあらゆる場所に記載されている。インスリン送達デバイスはまたグルコースモニターまたはセンサー、例えば、閉鎖ループ系に接続でき、および/または血糖値、食事の炭水化物量、または他の入力に基づく推奨インスリンを計算するための手段を含み得る。さらにインスリン送達デバイスはインプラント可能であるまたは対象に外的であり得る。外的インスリン注入ポンプの使用者は、個体の注意深い選択、注意深いモニタリング、および十分な教育および長期フォローアップが必要である。このケアは、一般的にインスリンポンプ処置の特定の専門知識および経験を有する医療従事者の集学的チームにより提供される。
a. 開放ループ系
開放ループ系を、ここに提供する配合剤で使用できる。開放ループ系は、典型的にインスリン製剤を含む少なくとも1個の使い捨てリザーバー、ポンプ(あらゆるコントロール、ソフトウェア、処理モジュールおよび/またはバッテリーを含む)および皮下注射用カニューレまたは針およびインスリンリザーバーにカニューレまたは針を連結するチューブを含む使い捨て注入セットを含む。開放ループ系は小(既定)投与量を数分毎におよび患者が手動で設定する大(ボーラス)投与量を注入する。しかし、開放ループ系は、グルコースモニターまたはセンサーを含まず、それ故に、患者の血清グルコースレベル変換に応答できない。血糖値を測定するための種々の方法およびデバイスは当業者に知られている。多くの糖尿病患者で個人的に血糖値をモニタリングするために使用される寛容の技術は定期的採血、試験紙への血液の塗布、および熱量測定、電気化学、または光度計検出を使用する血糖値の決定を含む。多様なデバイスが、血流または間質性流体中の検体、例えばグルコースの連続的または自動モニタリングのために開発されている。これらのデバイスのいくつかは、患者の血管または皮下組織に直接インプラントされる電気化学センサーを使用する。グルコースレベルをモニタリングするための方法およびデバイスの例は、引用により本明細書に包含させる米国特許番号5,001,054、5,009,230,5,713,353、6,560,471、6,574,490、6,892,085、6,958,809、7,299,081、7,774,145、7,826,879、7,857,760および7,885,699に記載のものを含むが、これらに限定されない。
インスリン送達系、例えばインスリンポンプは当分野で知られており、開放ループ系で使用できる。開放ループインスリン送達デバイスの例(例えば上記のもの)は、引用により本明細書に包含させる米国特許番号4,562,751、4,678,408、4,685,903、4,373,527、4,573,994、6,554,798、6,641,533、6,744,350、6,852,104、6,872,200、6,936,029、6,979,326、6,999,854、7,109,878、7,938,797および7,959,598に記載のものを含むが、これらに限定されない。これらおよび当業者により容易に同定される類似の系は、ここに提供する配合剤の送達に使用できる。インスリン送達デバイス典型的に一般的に使い捨てであり、インスリン製剤、例えば本明細書に記載する速効性インスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤を含む1個以上のリザーバーを含む。数例において、配合剤は注入チューブおよびカニューレまたは針を介して送達される。他の例において、注入デバイスは直接皮膚に接続され、配合剤は注入デバイスからカニューレまたは針を介して、直接チューブを使用せずに注入される。さらなる例において、注入デバイスは体内であり、注入チューブは、所望により配合剤の送達に使用できる。
b. 閉鎖ループ系
閉鎖ループ系は、ある場合人工膵臓と呼ばれるが、ここに提供する配合剤の使用のために特に興味深い。閉鎖ループ系は、統合された連続的グルコースモニター、インスリンポンプまたは他の送達系および血糖値のリアルタイム測定に基づく血糖コントロールのための必要インスリン注入を常に計算する数学アルゴリズムを含むコントローラーを備えた系である。このような系は、最適化されたとき、健常非糖尿病対象で観察される自然なインスリン応答および血糖コントロールに類似する、一定で非常に密接な血糖コントロールを促進できる。しかしながら、有効であるためには、閉鎖ループ系は信頼でき、かつ正確な連続的グルコースモニター、およびきわめて速い作用のインスリン送達を必要とする。例えば、速効性のインスリン類の皮下送達と関連したインスリン吸収および作用の遅延は、大きな食後血糖変動を起こし得る(Hovorka et al. (2006) Diabetic Med. 23:1-12)。対外モニタリング系のインスリン吸収、インスリン作用、間質性グルコース動力学、および輸送時間の遅延、例えば微小透析技術によるものは、インスリン送達からその検出可能なグルコース低下効果のピークまで全体で100分間以上のタイムラグを生じ得る(Hovorka et al. (2006) Diabetic Med. 23:1-12)。それ故に、投与されたら、インスリンはその測定可能な効果を約2時間上げ続ける。これは閉鎖ループ系を使用した、食後グルコース濃度の有効低下を複雑化し得る。第一に、グルコース上昇が検出されている。しかしながら、これは典型的に約10〜40分間後のみに起こる。系は食事が消化されていることおよび適当なインスリン投与量が投与されていることを決定しなければならない。系が‘誤った’インスリン投与量の後に相殺する能力は、長期遅延および投与されたインスリンを‘撤回’できないことにより危うくなる。このような問題は、少なくとも一部、吸収速度およびレベルの増加を示し、薬力学的改善を伴い得る速効性のインスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤、例えばここに提供されるものの使用により解消され得る(例えば米国公開番号US20090304665および国際PCT公開番号WO2009134380参照)。速効性のインスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤は速効性のインスリン類単独と比較して減少したtmax(すなわち速い最高濃度達成)を有し、血糖値のコントロールを、速効性のインスリン類単独より速く開始する。この吸光度の増加および作用開始はインスリン作用およびグルコースモニタリングおよび入力のラグを減らし、血糖値をより密接にコントロールでき、血糖変動を減らすより有効な閉鎖ループ系をもたらし得る。
閉鎖ループ系は当分野で知られ、引用により本明細書に包含させる米国特許番号5,279,543、5,569,186、6,558,351、6,558,345、6,589,229、6,669,663、6,740,072、7,267,665、7,354,420および7,850,674を含むが、これに限定されないあらゆる場所に記載されている。これらおよび当業者により容易に同定される類似の系は、ここに提供する配合剤の送達に使用できる。閉鎖ループ系は、血糖値を測定するセンサー系、コントローラーおよび送達系を含む。この集積系は、体内の血糖濃度変化に応答したときに完全に機能しているヒトβ細胞でなされるのと類似の濃度プロファイルで対象にインスリンを送達するように注入デバイスをコントロールするように、膵臓ベータ細胞(β細胞)を模倣する。それ故に、系は体内の血糖値に対する自然なインスリン応答を模倣し、インスリンを有効に使用させるだけでなく、インスリンが代謝効果および分裂促進的効果を有するために、他の身体機能を構成する。さらに、閉鎖ループ系を使用して達成される血糖コントロールは、食事の量および時間、または他の因子について何ら情報を必要としない。系は、単にリアルタイム血糖測定値のみに従い得る。グルコースセンサーは、体内の血糖値を表すセンサーシグナルを発生させ、センサーシグナルをコントローラーに送る。コントローラーはセンサーシグナルを受信し、インスリン送達系と連絡する命令を発生させる。インスリン送達系は命令を受信し、命令に応答してインスリンを体内に注入する。
下に、ここに提供する速効性インスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤の送達に使用できる閉鎖ループ系の例示的な成分の明細である。当業者は、配合剤で使用するための適当な閉鎖ループ系を容易に同定できることは理解される。このような系は、米国特許番号5,279,543、5,569,186、6,558,351、6,558,345、6,589,229、6,669,663、6,740,072、7,267,665および7,354,420のものを含み、これらに限定されない文献に記載されている。系の個々の成分はまた文献に個々におよび血糖コントロールを達成するために使用する閉鎖ループ系の状況で記載されている。ここに提供される例は、単なる例であり、他の閉鎖ループ系または個々の成分をここに提供する配合剤の送達に使用できることは理解される。
閉鎖ループ系は、連続的に機能するグルコースセンサーまたはモニターを含む。このようなデバイスは、皮下に挿入し、小レシーバーに無線周波数遠隔測定法によりワイアレスにグルコースデータを送達する小トランスミッターと結合した針型センサー類を含み得る。数例において、センサーを、センサーが皮下組織に配置されたら除去され、廃棄される挿入針を使用して対象の皮膚に挿入される。挿入針は、皮膚への挿入中センサーを維持するための鋭い先およびオープンスロットを有する(例えば米国特許番号5,586,553および5,954,643参照)。閉鎖ループ系において使用されるセンサーは、所望により皮下組織の間質性流体(ISF)に暴露される3個の電極を含む。3個の電極は回路を形成するために使用される作用電極、基準電極および対電極を含む。適当な電圧を作用電極および基準電極を介して適用したとき、ISFはこれらの電極間にインピーダンスを提供する。アナログ電流シグナルが作用電極から体をとおり、対電極に流れる。作用電極の電圧は、一般的に既定に維持され、基準電極の電圧は、例えば、300〜700mVのような設定電圧V設定に維持できる。電極間の電圧差異により刺激されるほとんどの顕著な反応は、最初にグルコン酸および過酸化水素(H)を産生するためにグルコースオキシダーゼ酵素(GOX)と反応するため、グルコースの減少である。次いで、Hが作用電極表面で水(HO)および(O)に還元される。Oはセンサー電気成分から正荷電を取り、故に電子を反発させ、電気電流を起こす。これは、センサー電極に接触するISF中のグルコース濃度に比例するアナログ電流シグナルを生じる(例えば米国特許7,354,420参照)。
ある例において、1個以上のセンサーを血糖の測定に使用する。例えば、冗長なセンサー類を使用でき、対象は、テレメーターの特徴的送信電子回路によりセンサーが拒否されたとき気づき得る。インディケーターも、そのセンサーがまた機能しているおよび/またはまた機能しているセンサー数を対象に知らせ得る。他の例において、センサーシグナルを平均化または他の手段により組み合わせ得る。さらに、種々のタイプのセンサー類を使用できる。例えば、内部グルコースセンサーおよび外部グルコースセンサーを同時に血糖を測定するために使用できる。
閉鎖ループ系で使用できるグルコースセンサー類は周知であり、容易に同定でき、所望により、さらに当業者により修飾できる。内部グルコースセンサー類の例は、米国特許番号5,497,772、5,660,163、5,791,344、5,569,186、6,895,265および7,949,382に記載のものを含むが、これらに限定されない。蛍光を使用するグルコースセンサーの例は、米国特許6,011,984に記載されているものである。グルコースセンサー系はまた、光線、伝導性、ジェットサンプリング、微小透析、マイクロポーレーション、超音波サンプリング、逆イオントフォレシス、または他の方法(例えば米国特許番号5,433,197および5,945,676、および国際特許公開WO199929230)を含む他の検知技術も使用する。数例において、作用電極のみが皮下組織に位置し、ISFと接触し、および対電極および基準電極は体外に位置し、皮膚と接触する。対電極および基準電極はモニターハウジング表面に位置でき、皮膚にテレメーターの特徴的モニターの一部として固定され得る。さらなる例において、対電極および基準電極は他のデバイスを使用して皮膚に固定され、例えばワイヤを電極にまき、電極を皮膚にテーピングし、電極を皮膚に接触する監視の下側に置く。なおさらに、1個を超える作用電極を冗長性のために皮下組織下に置き得る。間質性流体もまた対象から回収し、体内にインプラントされた外部センサー上を流し得る。
コントローラーはグルコースセンサーからの入力を受信する。コントローラーは、膵臓ベータ細胞(β細胞)を模倣するように設計され、血糖コントロールに必要な量のインスリンを注入するようにインスリン送達デバイスに命令する。コントローラーは、グルコースセンサーで検出されたグルコースレベルに基づき必要量のインスリンを計算するアルゴリズムを備えたソフトウェアを利用する。アルゴリズムの例は、どの程度インスリンが送達されたかに関わらず体内のグルコース変動が最少となるように設計されたアルゴリズムは過度の体重増加、高血圧、およびアテローム性動脈硬化症を生じ得るため、β細胞を密接に模倣するものを含む。典型的に、系はインビボインスリン分泌パターンを模倣し、正常健常個体で経験されるインビボβ細胞と一致してこのパターンを調節することを意図する。閉鎖ループ系で有用なコントロールアルゴリズは、比例積分制御(PID)コントローラーで使用されているものを意味する。比例制御コントローラーおよびモデル予測制御(MPC)アルゴリズムもある系で使用できる(Hovorka et al. (2006) Diabetic Med. 23:1-12)。アルゴリズムの例はHovorka et al. (Diabetic Med. (2006) 23:1-12), Shimoda et al., (Front Med Biol Eng (1997) 8:197-211), Shichiri et al. (Artif. Organs (1998) 22:32-42), Steil et al. (Diabetes Technol Ther (2003) 5: 953-964), Kalatz et al., (Acta Diabetol. (1999) 36:215))および米国特許番号5,279,543、5,569,186、6,558,351、6,558,345、6,589,229、6,740,042、6,669,663、6,740,072、7,267,665および7,354,420および米国特許公開番号20070243567により記載されているものを含むが、これらに限定されない。
一例において、PIDコントローラーは閉鎖ループ系で使用される。PIDコントローラーはインスリン注入を、グルコース変動を、標的グルコース(比例的要素)からの逸脱、環境および標的グルコース間の曲線化面積(積分要素)、および環境グルコース(誘導要素)変化の3点の評価により連続的に調節する。一般的に、グルコース変化に対するインビボβ細胞応答は、“第一”および“第二”相インスリン応答により特徴づけられる。β細胞の二相インスリン応答は、比例的要素に積分および誘導(PID)コントローラーを使用して模倣できる(例えば米国特許7,354,420参照)。
コントローラーは所望のインスリン送達のための命令を生じる。インスリン送達系、例えばインスリンポンプは当分野で知られており、閉鎖ループ系で使用できる。インスリン送達デバイスの例(例えば上記のもの)は、米国特許番号4,562,751、4,678,408、4,685,903、4,373,527、4,573,994、6,554,798、6,641,533、6,744,350、6,852,104、6,872,200、6,936,029、6,979,326、6,999,854、7,025,743および7,109,878に記載のものを含むが、これらに限定されない。インスリン送達デバイス典型的に一般的に使い捨てであり、インスリン製剤、例えば本明細書に記載する速効性インスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤を含む1個以上のリザーバーを含む。数例において、配合剤は注入チューブおよびカニューレまたは針を介して送達される。他の例において、注入デバイスは直接皮膚に接続され、配合剤は注入デバイスからカニューレまたは針を介して、直接チューブを使用せずに注入される。さらなる例において、注入デバイスは体内であり、注入チューブは、所望により配合剤の送達に使用できる。閉鎖ループ系はまたフィルター、キャリブレータおよびトランスミッターを含むが、これらに限定されない付加的要素を含み得る。
c. デバイス例
外的インスリンポンプ技術は単純な電池式ポンプならびにポンプデバイスの別の部分または他のタイプのデバイスにワイアレスで接続できるポンプを含む。
一つのこのようなポンプであるInsulet OmniPod(登録商標)は、ワイアレス無線周波数接続した2個のデバイスを含む。このデバイスの第一の部分は、“Pod”と呼ばれ、インスリン貯蔵部、マイクロコンピュータ制御インスリンポンプ、およびカニューレ挿入デバイスを含む使い捨て自己接着ユニットである。デバイスの“Pod”部分にインスリンを個々に満たし、次いで自動化カニューレインサーターで皮膚に接着する。“Pod”を72時間暖気し、次いで除く。デバイス野第二の部分は、“PDM”、または“個人的糖尿病マネージャー”と呼ばれ、基底速度およびボーラスインスリン投与を制御するために“Pod”とワイアレスに接続している形態制御ユニットである。このPDMはまた血糖モニター(連続的間質性モニターではない)を含み、これはPodの制御系に統合され、このデータを投与計算に使うことを可能とする。PDMはFreeStyle(商標)血糖メーターを含み、これは孤立型血糖モニターと同様に働き、血液サンプル獲得に伝統的指先穿刺方法を必要とする。“Pod”が活性化し、プログラム化されたら、PDMを、血糖値の再チェック、ボーラス投与または基底注入速度調節に使用するまで個人が持つ必要がない。
他のタイプのワイアレスインスリンポンプデバイスは、外的インスリンポンプと連続的グルコースセンサー/トランスミッターの連結を含む。一つのこのようなデバイスはMedtronic MiniMed Paradigm REAL-Time Systemであり、これはMiniMedパラダイムモデルインスリンポンプ(models 522, 722および新しいもの)とMiniMed連続的グルコースセンサーおよびMiniLink(商標)リアルタイムトランスミッターを含む。この系で、連続的グルコースセンサー−トランスミッターは間質性グルコース濃度データ(24時間に288読み取り)をポンプ単位にワイアレスに伝達し、これは“リアルタイム”で表示される。しかしながら、ワイアレス供給により伝達されるデータは途切れなく投与計算に使用できない。このような計算は血糖測定を必要とする。グルコースセンサー/トランスミッターデバイスはまた外的に着けた連続的グルコースレシーバー/モニター(例えば、Guardian(登録商標)リアルタイム連続的グルコースモニタリング系)とワイアレスに統合してもよい。
D. インスリンポリペプチド類
ここで提供するCSII方法は速効性インスリン製剤または速効性インスリンおよびPH20組み合わせまたは配合剤(すなわちセクションFに記載する超速効性インスリン組成物)を使用する。速効性インスリンは、レギュラーインスリンまたはインスリンの自己会合を減らし、六量体のより急速な解離をもたらすために修飾(例えばアミノ酸置換による)されたインスリン類似体(例えばここで同義に使用する速効性の類似体または速効型類似体と呼ぶ)を含む。
インスリンは、5808ダルトン分子量の51アミノ酸残基から成るポリペプチドである。これは膵臓中のランゲルハンスβ細胞島で産生される。典型的なヒトインスリンは、ERに向かう24アミノ酸シグナルペプチドを含有する110アミノ酸前駆体ポリペプチド、プレプロインスリン(配列番号101)として翻訳され、シグナル配列が切断されてプロインスリン(配列番号102)をもたらす。プロインスリン分子は、次に、プロホルモン変換酵素(PC1およびPC2)と呼ばれるタンパク質分解酵素の作用およびエキソプロテアーゼカルボキシペプチダーゼEの作用によって、成熟インスリンに変換される。これにより、4つの塩基性アミノ酸残基と、残っている31アミノ酸のC−ペプチド、すなわち連結鎖(配列番号101に記載するプレプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基57〜87に相当)とが除去される。結果として生じるインスリンは、21アミノ酸のA鎖(配列番号102に記載するプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基66〜86に相当)と、30アミノ酸のB鎖(配列番号102に記載するプロインスリンポリペプチドのアミノ酸残基1〜30に相当)とを含有し、それらがジスルフィド結合で架橋されている。一般的に、成熟インスリンは3つのジスルフィド橋を含有し、1つはA鎖の位置7とB鎖の位置7の間、2つ目はA鎖の位置20とB鎖の位置19の間、そして3つ目はA鎖の位置6と11の間にある。成熟インスリンのA鎖の配列を配列番号103に記載し、B鎖の配列を配列番号104に記載する。
インスリンへの言及は、単鎖型または二鎖型のプレプロインスリン、プロインスリンおよびインスリンポリペプチド、活性を持つその切断型を包含し、対立遺伝子変異型および種変異型、スプライス変異型によってコードされる変異型、ならびに他の変異型、例えばインスリン類似体または他の誘導体型、例えば配列番号101に記載する前駆体ポリペプチドまたはその成熟型に対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を持つポリペプチドを、そのインスリンがヒトインスリン受容体に結合して、グルコース取り込みおよびグルコース貯蔵の増加および/または内因性グルコース産生の減少をもたらすシグナリングカスケードを開始させる限りにおいて、包含する。例えば、インスリンには、インスリンの種変異型が包含される。これらには、ウシ由来のインスリン(配列番号133に記載)およびブタ由来のインスリン(配列番号123)が含まれるが、これらに限定されない。ウシインスリンは、A鎖のアミノ酸8および10、ならびにB鎖のアミノ酸30が、ヒトインスリンとは異なる。ブタインスリンはB鎖のアミノ酸30だけがヒトインスリンとは異なり、そこでは、ウシ配列と同じように、スレオニンの代わりにアラニン置換が起こっている。インスリンの他の典型的種変異型を配列番号105〜146のいずれかに記載する。
インスリンの変異型には、配列番号103および104(A鎖およびB鎖)に記載するヒトインスリンと比較して1つ以上のアミノ酸修飾を含有するインスリン類似体も含まれる。これらの変異体は速効性のまたは長時間作用型インスリン類似体(全てここでは速効性のインスリン類似体と呼ぶが、本発明の目的で、速効型および長時間作用型インスリン類似体形態を含む)。典型的なインスリン類似体(A鎖および/またはB鎖)を、速効型類似体と、それより持効性の類似体を含めて、配列番号147〜165、182〜184に記載する。例えばインスリン類似体には、グルリジン(LysB3、GluB29;配列番号103(A鎖)および配列番号149(B鎖)に記載)、HMR−1 153(LysB3、IleB28;配列番号103(A鎖)および配列番号182(B鎖)に記載)、HMR−1423(GlyA21、HisB31、HisB32;配列番号183(A鎖)および配列番号184(B鎖)に記載)、インスリンアスパルト(AspB28;配列番号103(A鎖)および配列番号147(B鎖)に記載)、およびインスリンリスプロ(LysB28、ProB29;配列番号103(A鎖)および配列番号148(B鎖)に記載)が含まれるが、これらに限定されない。上記のどの例でも、類似体の命名法は、鎖のN末端から数えたインスリンA鎖またはB鎖上の特定位置におけるアミノ酸置換の説明に基づいており、残りの配列は天然ヒトインスリンの配列である。
それ故に、ここに提供される輸液方法におけるレギュラーインスリンは、配列番号103および104に示すアミノ酸配列を含む成熟インスリンである。レギュラーヒトインスリンの例は組み換えヒトインスリン指定されたHumulin(登録商標)Rである。レギュラーインスリン類はまたA鎖およびB鎖を有する成熟インスリンの種変異体、例えば、配列番号105〜146のいずれかの成熟形態を含む。本発明の配合剤に包含される他のインスリン類似体の例は、配列番号103(A鎖)および配列番号149(B鎖)に示すアミノ酸配列;配列番号103(A鎖)および配列番号147(B鎖)に示すアミノ酸配列;または配列番号103(A鎖)および配列番号148(B鎖)に示すアミノ酸配列を有するインスリンである。
上記インスリンポリペプチドはいずれも、任意の種(例えばヒト)の膵臓によって産生されるものを包含すると共に、合成的にまたは組換え技法を使って生産されるインスリンも包含する。例えば、本明細書のどこか他の項で述べるように、インスリンは、インスリンのA鎖およびB鎖の合成遺伝子を発現させることによって、またはプロインスリン全体を発現させ、それを適当な酵素法および化学法にさらして成熟インスリンを生成させることによって、またはリンカーペプチドで連結されたA鎖およびB鎖を発現させることによって、生合成的に生産することができる(例えばDeFelippis et al. (2002) Insulin Chemistry and Pharmacokinetics. In Ellenberg and Rifkin's Diabetes Mellitus (pp. 481-500) McGraw-Hill Professiona参照)。
インスリンには、単量体型およびオリゴマー型、例えば六量体型も包含される。インスリンは、血漿中を循環する時は単量体として存在することができ、単量体型である時にはその受容体にも結合する。しかしインスリンは二量体に自己会合する傾向を持ち、Zn2+などの金属イオンの存在下では、六量体などの高次構造へと容易に会合することができる。Zn2+に対して2つの対称的高アフィニティ結合部位が存在するが、他の弱い亜鉛結合部位も報告されてはいる(例えばeFelippis et al. (2002) Insulin Chemistry and Pharmacokinetics. In Ellenberg and Rifkin's Diabetes Mellitus (pp. 481-500) McGraw-Hill Professional参照)。自己会合は、化学的分解および物理的変性を防止するために、この分子の安定化にとって重要である。したがって、膵β細胞の貯蔵小胞では、インスリンは六量体として存在する。しかし細胞外間隙に放出されると、インスリン六量体はより中性条件へのpH変化を体験することになり、亜鉛イオン含有六量体が希釈されて、それが六量体を不安定にすると考えられている。細胞外間隙におけるインスリン六量体の不安定化に寄与する他の理由も存在し得る。こうしてインスリンは血液中では主として単量体として見いだされる。安定化効果を利用するために、大半の市販インスリン製剤は、六量体への自己会合を促進するのに十分な量の亜鉛イオンを含有している。しかし六量体構造は、皮下投与された時のこれらの製剤の吸収速度を遅くする。
インスリンは血糖管理用の治療薬として糖尿病患者などで使用される。グルコースを管理するために投与されるインスリンが、基礎治療用であるか、食事時治療用であるか、その組合せ用であるかに応じて、種々のタイプの既存インスリン製剤がある。インスリン製剤は、もっぱら速効型製剤として提供するか、もっぱら基礎作用型製剤(すなわち中間型および/または持効型)として提供するか、それらの混合物として提供することができる(例えば表2参照)。一般的に、混合物は速効型インスリンと中間型または持効型インスリンとを含有する。例えば速効型インスリンは、NPHインスリン(後述する典型的中間型インスリン)と、10:90、20:80、30:70、40:60および50:50などといった種々の混合比で組み合わせることができる。そのような混合済み調製物は、食事関連インスリン要求量と基礎インスリン要求量をどちらも単一の製剤で都合よく提供することにより、毎日のインスリン注射の数を減らすことができる。
特定の方法で製剤されたインスリン製剤はインスリンポリペプチドまたはその変異体(すなわち類似体)を含む。ある例において、それは、インスリンに異なる特性、例えば異なる作用時間を付与する製剤中の成分および物質である。例えば、ほとんどのインスリン製剤は、製剤中に金属イオン、例えば亜鉛を含み、それはインスリンを分子自己会合を促進することにより安定化させる。六量体形態への自己会合は、投与によるインスリン吸収を変える。さらに、いくつかの持効型基礎インスリン製剤は(リン酸緩衝液ではなく)酢酸緩衝液から亜鉛の添加によってインスリンを沈殿させることで製造される。亜鉛含有量が高いインスリンの大きな結晶は、収集して酢酸ナトリウム−塩化ナトリウム(pH7.2〜7.5)の溶液中に再懸濁した場合、皮下注射後にゆっくりと吸収され、持続時間の長い作用を発揮する。この結晶調製物は長時間型(extended)インスリン亜鉛懸濁剤(ウルトラレンテインスリン)と呼ばれている。他の亜鉛含有インスリン調製物には、例えばセミレンテインスリン(即時型(prompt)インスリン亜鉛懸濁剤)およびレンテインスリン(インスリン亜鉛懸濁剤)などがあり、これらは主として、使用される亜鉛含量が異なっている。亜鉛含有インスリン調製物には、プロタミンで修飾されたもの、例えばNPHインスリンなども包含される。
もう一つの例では、微結晶懸濁液を生成させるために、プロタミンなどの沈殿剤をインスリンポリペプチドに加えることができる。一般的に、結晶性インスリンは、結晶型では存在しないインスリンと比較して、長時間にわたる作用持続時間を持つ。プロタミン亜鉛インスリンは、水性懸濁液として皮下注射した場合、沈着部位でゆっくりとしか溶解せず、インスリンは遅延した速度で吸収される。プロタミン亜鉛懸濁液インスリンは、大半が、NPHインスリンとも呼ばれるイソフェンインスリン懸濁液で置き換えられている。これは、結晶性の修飾プロタミン亜鉛インスリン懸濁液である。インスリン、プロタミンおよび亜鉛の濃度は、調製物の作用発現および作用持続時間が、レギュラーインスリンとプロタミン亜鉛インスリン懸濁液との中間になるように配分される。
さらにまた、調製物のpHの相違もインスリンのタイプおよび性質に影響を及ぼす。大半のインスリンは中性pHで製剤化される。例外はpH4.0の市販製剤として提供されるインスリングラルギンである。B鎖のC末端に2つのアルギニンが付加されたことにより、グラルギンインスリンの等電点がシフトして、それを酸性pHでより安定なものにしている。酸感受性アスパラギンに起因する脱アミド化および二量体化を防止するために、さらにもう一つのアミノ酸変異が、A鎖中に存在する(N21G)。グラルギンインスリンのA鎖の配列を配列番号150に記載し、B鎖を配列番号151に記載する。投与後は生理的pHへの曝露が起こるので、微小沈殿物(microprecipitate)が形成され、それがグラルギンを結晶性持効型インスリンと類似するものにする。
以下の表2に、種々のタイプのインスリンと、それらの作用発現およびそれらの応用を要約する。
最もよく使用されるインスリンは速効型インスリンであり、これにはレギュラーインスリン(すなわち、天然型(native)または野生型インスリン、その対立遺伝子変異型および種変異型を含む)および速効型インスリン類似体が包含される。ここで使用するインスリンという場合、それは別段の注記が特にない限り、速効型インスリンである。
速効性のインスリン類
ここに提供するCSII注入方法で使用できる速効性インスリン類は、野生型または天然インスリンであるレギュラーインスリン、および速効性インスリン類似体を含む。基礎作用インスリン類と比較した速い吸収速度のために、速効性のインスリン類は、食後コントロール目的で主に使用される。速効性のインスリン類の例を下記表3に示す。速効性のインスリン類は当分野で既知のあらゆるものを含み、例えば、米国特許7,279,457および米国公開番号20070235365、20080039368、20080039365、20070086952、20070244467、および20070191757に開示されたあらゆるインスリン製剤およびデバイスを含むが、これらに限定されない。あらゆる速効性インスリンを、本発明のCSII方法において使用するために単独でまたはPH20との組み合わせまたは配合剤として製剤できる。このような製剤はまたさらにヒアルロナン分解酵素に加えて、速効性のインスリと中程度または長時間作用型インスリンの混合物を含み得る。
a. レギュラーインスリン
レギュラーインスリン類は天然または野生型インスリンポリペプチドを含む。これらはヒトインスリン、ならびにウシ、ブタおよび他の種由来のインスリン類を含む。レギュラーヒトインスリン類はHumulin(登録商標)R、Novolin(登録商標)RおよびVelosulin(登録商標)として市販されている。ブタインスリンはIletin II(登録商標)として市販された。一般的に、レギュラーインスリンは、単独で皮下投与したとき、作用開始まで30分間かかる。最高血漿レベルは1〜3時間で見られ、作用期間は投与量が増えると伸びる。皮下投与後の血漿半減期は約1.5時間である。
b. 速効性類似体(速効型インスリンとも呼ぶ)
即効型インスリン類とも呼ぶ速効型インスリン類似体は、一般的に、1つ以上のアミノ酸変異を含有する改変型インスリンである。類似体は、レギュラーインスリンと比較して吸収速度を増加させ、作用発現を速める目的で、インスリン分子の自己会合が減少するように設計される。一般にそのような類似体は亜鉛の存在下で製剤化されるので、安定な亜鉛六量体として存在する。しかし、その改変ゆえに、これらは皮下投与後にレギュラーインスリンよりも迅速に六量体状態から解離する。
i. インスリンリスプロ
ヒトインスリンリスプロは、B鎖の位置28および29にアミノ酸変異を含有して、配列番号104に記載する野生型インスリンB鎖のこの位置にあるPro−LysがLys−Proに逆位している、インスリンポリペプチド製剤である。インスリンリスプロの配列を配列番号103(A鎖)および配列番号148(B鎖)に記載する。これはHumalog(登録商標)(インスリンリスプロ、rDNA起源)という名称で販売されている。これら2つのアミノ酸の逆位の結果は、自己会合傾向が減少していて、そのことが、より迅速な作用の発現を可能にする、ポリペプチドである。具体的に述べると、B鎖における配列逆位は、2つの疎水相互作用の排除と、二量体を安定化する2つのβプリーツシートの弱化をもたらす(例えばDeFelippis et al. (2002) Insulin Chemistry and Pharmacokinetics. In Ellenberg and Rifkin's Diabetes Mellitus (pp. 481-500) McGraw-Hill Professional参照)。このポリペプチドは、製剤中に用意される賦形剤、例えば抗微生物剤(例:m−クレゾール)および安定化のための亜鉛の結果として、自己会合し、六量体を形成する。それでもなお、そのアミノ酸改変ゆえに、インスリンリスプロはレギュラーインスリンより迅速に作用する。
ii. インスリンアスパルト
ヒトインスリンアスパルトは、配列番号104に記載するヒトインスリンのB鎖の位置28にプロリンからアスパラギン酸へのアミノ酸置換を含有するインスリンポリペプチド製剤である。インスリンアスパルトの配列を配列番号103(A鎖)および配列番号147(B鎖)に記載する。これはNovoLog(登録商標)(インスリンアスパルト[rDNA起源]注射)という名称で販売されている。インスリンアスパルトにおける改変は、負に帯電した側鎖カルボキシル基を付与して、電荷斥力を生じさせ、単量体−単量体相互作用を不安定にする。さらに、プロリンの除去により、単量体間の重要な疎水相互作用が排除される(例えばDeFelippis et al. (2002) Insulin Chemistry and Pharmacokinetics. In Ellenberg and Rifkin's Diabetes Mellitus (pp. 481-500) McGraw-Hill Professional参照)。この類似体は大部分が単量体として存在し、リスプロなどの他の速効型類似体と比較して凝集しにくい。一般に、インスリンアスパルトとインスリンリスプロは、各々の薬物動態的性質および薬力学的性質が似ている。
iii. インスリングルリジン
ヒトインスリングルリジンは、配列番号104に記載するヒトインスリンのB鎖の配列と比較して、B鎖の位置B3にアスパラギンからリジンへのアミノ酸置換を含有し、アミノ酸B29にリジンからグルタミン酸へのアミノ酸置換を含有する、インスリンポリペプチド製剤である。インスリングルリジンの配列を配列番号103(A鎖)および配列番号149(B鎖)に記載する。それはApidra(登録商標)の名で市販されている(インスリングルリジン[rDNA起源]注射)。修飾により、ヒトインスリンと比較してポリペプチド分子が自己会合する傾向が低い。他のインスリン類似体と異なり、ポリペプチドは、六量体促進亜鉛非存在下で商業的に製剤される(Becker et al. (2008) Clinical Pharmacokinetics, 47:7-20)。それ故に、インスリングルリジンは、インスリンリスプロおよびインスリンアスパルトより作用発現が速い。
E. ヒアルロナン分解酵素群
ヒアルロナン分解酵素群、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20(例えばrHuPH20)を本発明のCSII方法で使用できる。ヒアルロナン分解酵素は、例えば、リーディング・エッジ態様で使用するために、別に製剤できる。他の例において、ヒアルロナン分解酵素は、CSIIのための速効性インスリンとの配合剤として一緒に製剤できる。
ヒアルロナン分解酵素群は、交互のβ−1→4およびβ−1→3グリコシド結合を介して互いに結合している二糖類単位であるD−グルクロン酸(GlcA)およびN−アセチル−D−グルコサミン(GlcNAc)の反復からなるヒアルロナンポリマー類を開裂することにより、ヒアルロナンを分解するように働く。ヒアルロナン鎖は約25,000二糖反復以上の長さに達し、ヒアルロナンのポリマー類のサイズはインビボで約5,000〜20,000,000Daの範囲であり得る。ヒアルロン酸またはヒアルロナートとも呼ばれるヒアルロナンは、結合組織、上皮組織、および神経組織に広く分布する非硫酸化グリコサミノグリカンである。ヒアルロナンは、細胞外基質の必須成分であり、間質性障壁の主構成要素である。ヒアルロナンの加水分解を触媒することにより、ヒアルロナン分解酵素群はヒアルロナンの粘度を下げ、それにより組織透過性を高め、非経腸的に投与された流体の吸収速度を上げる。そのようなものとして、ヒアルロナン分解酵素群、例えばヒアルロニダーゼ群は、例えば、分散および送達を亢進するために他の薬物、薬剤およびタンパク質類と組み合わせて展着または分散剤として使用されている。
従って、ヒアルロナン分解酵素群は、ヒアルロナン二糖鎖またはポリマーの開裂を触媒する能力を有するあらゆる酵素を含む。ある例において、分解酵素はヒアルロナン鎖またはポリマーにおけるβ−1→4グリコシド結合の開裂をする。他の例において、分解酵素はヒアルロナン鎖またはポリマーにおけるβ−1→3グリコシド結合の開裂を分解を触媒する。ここに提供される配合剤中のヒアルロナン分解酵素群の例は、細胞発現系から発現されたとき培地に分泌されるヒアルロニダーゼ群であり、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを含まない天然のヒアルロニダーゼ群またはGPIアンカーの1個以上のアミノ酸を欠く切断型ヒアルロニダーゼ群、または発現されたとき細胞膜と他の点で結合性ではないヒアルロニダーゼ群を含む。このようなヒアルロニダーゼ群は組み換えまたは合成により製造できる。ヒアルロナン分解酵素群の他の例は、ヒアルロナンを開裂する能力を有する特定のコンドロイチナーゼ群およびリアーゼ群を含むが、これらに限定されない。
本発明の配合剤中に提供されるヒアルロナン分解酵素群はまた、ここに記載するヒアルロナン分解酵素の対立形質または種変異体または他の変異体を含む。例えば、ヒアルロナン分解酵素群は、その一次配列に1種以上の変異、例えばアミノ酸置換、付加および/または欠失を含み得る。ヒアルロナン分解酵素の変異体は、一般的に変異を含まないヒアルロナン分解酵素と比較して、少なくともまたは約60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を示す。酵素がヒアルロニダーゼ活性を変異を含まないヒアルロナン分解酵素の活性と比較して、例えば少なくともまたは約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の活性を維持する限り、あらゆる変異が本発明の目的でヒアルロナン分解酵素に導入され得る(当分野で知られたおよびここに記載するインビトロおよび/またはインビボアッセイで測定)。
ヒアルロニダーゼ群を含む種々の形態のヒアルロナン分解酵素群が製造され、ヒトを含む対象における治療的使用が承認されている例えば、動物由来ヒアルロニダーゼ製剤はVitrase(登録商標)(ISTA Pharmaceuticals)、精製ヒツジ精巣ヒアルロニダーゼ、およびAmphadase(登録商標)(Amphastar Pharmaceuticals)、ウシ精巣ヒアルロニダーゼを含む。Hylenex(登録商標)(Baxter)は、切断型ヒトPH20ポリペプチド(rHuPH20と命名)をコードする核酸を含む遺伝子操作されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生されたヒト組み換えヒアルロニダーゼである。あらゆるヒアルロナン分解酵素、例えばあらゆるヒアルロニダーゼをここで提供される安定な配合剤に包含できることは理解されるべきである(例えば、本明細書に引用によりその全体を包含させる米国特許7,767,429、および米国公開番号20040268425および20100143457参照)。
典型的に、ここでの使用のために、ヒトヒアルロナン分解酵素、例えばヒトPH20および特にここに記載したC末端切断型ヒトPH20が使用される。他の動物由来のヒアルロナン分解酵素群、例えばPH20を使用できるが、このような製剤は、動物タンパク質であるために免疫原性である可能性がある。例えば、患者の相当な割合で、食物摂取に二次的な事前感作が示され、そして、これらが動物タンパク質類であるために、全患者にその後の感作のリスクがある。それ故に、非ヒト製剤は慢性使用には適していない可能性がある。非ヒト製剤が望ましいならば、免疫原性を低下させるように製造できる。このような修飾は当業者の技術の範囲であり、例えば、分子上の1子以上の抗原性エピトープの除去および/または置換を含み得る。
ここに提供する配合剤に使用されるヒアルロニダーゼ群(例えば、PH20)を含むヒアルロナン分解酵素群は、組み換えにより製造できまたは、例えば、精巣抽出物のような天然源から精製または部分精製できる。組み換えヒアルロナン分解酵素群を含む組み換えタンパク質類の製造方法は、本明細書のあらゆる場所に提供され、そして当分野で周知である。
1. ヒアルロニダーゼ群
ヒアルロニダーゼ群はヒアルロナン分解酵素群の大ファミリーのメンバーである。ヒアルロニダーゼ群には哺乳動物型ヒアルロニダーゼ群、細菌ヒアルロニダーゼ群およびヒル類、他の寄生虫および甲殻類由来のヒアルロニダーゼ群の3種がある。このような酵素群をここに提供する配合剤に使用できる。
a. 哺乳動物型ヒアルロニダーゼ群
哺乳動物型ヒアルロニダーゼ群(EC 3.2.1.35)は、ヒアルロナンのβ−1→4グリコシド結合を四糖類および六糖類のような種々のオリゴ糖長に加水分解するendo−β−N−アセチル−ヘキソサミニダーゼ類である。これらの酵素群は加水分解性およびトランスグリコシダーゼ活性の両者を有し、ヒアルロナンおよびコンドロイチン硫酸(CS)、一般的にC4−SおよびC6−Sを分解できる。このタイプのヒアルロニダーゼ群は、ウシ(ウシ属)(配列番号10、11および64およびBH55(米国特許5,747,027および5,827,721))、ヒツジ(Ovis aries)(配列番号26、27、63および65)、スズメバチ(配列番号12および13)、ミツバチ(配列番号14)、北米産スズメバチ(配列番号15)、アシナガバチ(配列番号16)、マウス(配列番号17〜19、32)、ブタ(配列番号20〜21)、ラット(配列番号22〜24、31)、ウサギ(配列番号25)、オランウータン(配列番号28)、カニクイザル(配列番号29)、モルモット(配列番号30)、チンパンジー(配列番号185)、アカゲザル(配列番号186)およびヒトヒアルロニダーゼ群からのヒアルロニダーゼ群を含むが、これらに限定されない。
哺乳動物ヒアルロニダーゼ群は、さらに、主に精巣抽出物で見られる中性活性のもの、および主に肝臓のような臓器で見られる酸活性のものにさらに細分できる。中性活性ヒアルロニダーゼ群の例は、ヒツジ(配列番号27)、ウシ(配列番号11)およびヒト(配列番号1)のような種由来のPH20を含むが、これらに限定されないPH20を含む。ヒトPH20(SPAM1または精子表面タンパク質PH20としても既知)は、一般的にグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを介して原形質膜に結合している。これは精子−卵付着に天然で関与し、ヒアルロン酸を消化することにより卵丘細胞の層への精子浸透を助ける。本発明の配合剤で使用されるヒアルロニダーゼ群の例は中性活性ヒアルロニダーゼ群である。
ヒトPH20(SPAM1とも呼ぶ)以外に、5種のヒアルロニダーゼ様遺伝子、HYAL1、HYAL2、HYAL3、HYAL4およびHYALP1がヒトゲノムで同定されている。HYALP1は偽遺伝子であり、HYAL3(配列番号38に示す前駆体ポリペプチド)はあらゆる既知の基質に対して酵素活性を示さない。HYAL4(配列番号39に示す前駆体ポリペプチド)はコンドロイチナーゼであり、ヒアルロナンに対してわずかに活性を示す。HYAL1(配列番号36に示す前駆体ポリペプチド)はプロトタイプ酸活性酵素であり、PH20(配列番号1に示す前駆体ポリペプチド)はプロトタイプ中性活性酵素である。酸活性ヒアルロニダーゼ群、例えばHYAL1およびHYAL2(配列番号37に示す前駆体ポリペプチド)は、一般的に中性pH(すなわちpH7)で触媒活性を欠く。例えば、HYAL1は、インビトロでpH4.5を超えるとほとんど触媒活性を有しない(Frost et al. (1997) Anal. Biochem. 251:263-269)。HYAL2は、インビトロで極めて低比活性の酸活性酵素である。ヒアルロニダーゼ様酵素群はまた一般的にヒトHYAL2およびヒトPH20のようなグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを介して原形質膜に結合するもの(Danilkovitch-Miagkova, et al. (2003) Proc Natl Acad Sci USA 100(8):4580-5)、およびヒトHYAL1のように一般的に溶解性であるもの(Frost et al. (1997) Biochem Biophys Res Commun. 236(1):10-5)により特徴付けもできる。
PH20
PH20は、他の哺乳動物ヒアルロニダーゼ群と同様、ヒアルロン酸のβ1→4グリコシド結合を四糖類および六糖類のような種々のオリゴ糖長に加水分解するendo−β−N−アセチル−ヘキソサミニダーゼである。これらは加水分解性およびトランスグリコシダーゼ活性の両者を有し、ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸、例えばC4−SおよびC6−Sを分解できる。これは精子−卵付着に天然で関与し、ヒアルロン酸を消化することにより卵丘細胞の層への精子浸透を助ける。PH−20は精子表面および内部アクロソーム膜に結合する場所であるリソソーム由来アクロソームに位置する。原形質膜PH20は、中性pHでのみヒアルロニダーゼ活性を有するのに対し、内アクロソーム膜PH20は、中性および酸pHのいずれでも活性を有する。ヒアルロニダーゼである以外に、PH20はまたHA誘発細胞シグナリングの受容体、および卵母細胞を囲む透明帯の受容体であるように見える。
PH20タンパク質類の例は、ヒト(配列番号1に示す前駆体ポリペプチド、配列番号2に示す成熟ポリペプチド)、ウシ(配列番号11および64)、ウサギ(配列番号25)、ヒツジPH20(配列番号27、63および65)、カニクイザル(配列番号29)、モルモット(配列番号30)、ラット(配列番号31)、マウス(配列番号32)、チンパンジー(配列番号185)およびアカゲザル(配列番号186)PH20ポリペプチド類を含むが、これらに限定されない。
ウシPH20は553アミノ酸前駆体ポリペプチド(配列番号11)である。ウシPH20とヒトPH20のアラインメントはわずかな相同性しか示さず、ウシポリペプチドにおけるGPIアンカーの不存在により、アミノ酸470から各カルボキシ末端まで複数ギャップが存在する(例えば、Frost GI (2007) Expert Opin. Drug. Deliv. 4: 427-440参照)。実際、明らかなGPIアンカーはヒト以外の多くの他のPH20種で予測されない。それ故に、ヒツジおよびウシから産生されたPH20ポリペプチド類は、本来溶解性形態として存在する。ウシPH20は原形質膜への極めて緩い結合で存在するが、ホスホリパーゼ感受性アンカーを介して固定されていない(Lalancette et al. (2001) Biol Reprod. 65(2):628-36)。ウシヒアルロニダーゼのこの独特な特徴は臨床使用のための抽出物としての溶解性ウシ精巣ヒアルロニダーゼ酵素の使用を可能にする(Wydase(登録商標)、Hyalase(登録商標))。
ヒトPH20mRNA転写物は通常翻訳されて、N末端に35アミノ酸シグナル配列(アミノ酸残基1〜35位)およびC末端に19アミノ酸グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー付着シグナル配列(アミノ酸残基491〜509位)を含む509アミノ酸前駆体ポリペプチド(配列番号1)を生じる。成熟PH20は、それ故に、配列番号2に示す474アミノ酸ポリペプチドである。ERの前駆体ポリペプチドへの輸送およびシグナルペプチドの除去に続き、C末端GPI付着シグナルペプチドは開裂され、GPIアンカーの配列番号1に示す前駆体ポリペプチドの490位に対応するアミノ酸位置に新たに形成されたC末端アミノ酸との共有結合が促進される。それ故に、配列番号2に示すアミノ酸配列を有する474アミノ酸GPIアンカー型成熟ポリペプチドが産生される。
ヒトPH20は、GPIアンカーを介して原形質膜に存在するとき中性活性ヒアルロニダーゼであるが、内アクロソーム膜上に発現されたとき中性および酸性pHのいずれでも活性を示す。PH20は、ポリペプチドのペプチド1およびペプチド3領域の2カ所の領域に二つの触媒部位を有するように見える(Cherr et al., (2001)Matrix Biology 20:515-525)。配列番号2に示す成熟ポリペプチドのアミノ酸107〜137位に対応するPH20のペプチド1領域および配列番号1に示す前駆体ポリペプチドの142〜172位が、中性pHでの酵素活性に必要であることを示す証拠がある。この領域内の111位および113位のアミノ酸(配列番号2に示す成熟PH20ポリペプチドに対応)が、アミノ酸置換による変異原性が、それぞれ野生型PH20と比較してPH20ポリペプチド類の3%ヒアルロニダーゼ活性および検出不能なヒアルロニダーゼ活性を生じるために、活性に必須であるように見える(Arming et al., (1997) Eur. J. Biochem. 247:810-814)。
配列番号2に示す成熟ポリペプチドのアミノ酸242〜137位に対応するペプチド3領域および配列番号1に示す前駆体ポリペプチドの277〜297位が、中性pHでの酵素活性に重要であるように見える。この領域内で、成熟PH20ポリペプチドの249位および252位のアミノ酸は活性に必須であり、このいずれかの変異原性は、本質的に活性を欠くポリペプチドとなる(Arming et al., (1997) Eur. J. Biochem. 247:810-814)。
触媒部位に加えて、PH20またはヒアルロナン結合部位を含む。実験的証拠は、この部位が配列番号1に示す前駆体ポリペプチドのアミノ酸205〜235位および配列番号2に示す成熟ポリペプチドの170〜200位に対応するペプチド2領域に位置することを示す。この領域はヒアルロニダーゼ群で高度に保存され、ヘパリン結合モチーフと類似する。アルギニン残基176位(配列番号2に示す成熟PH20ポリペプチドに対応)のグリシンへの変異は、野生型ポリペプチドのヒアルロニダーゼ活性の約1%しか活性がないポリペプチドとなる(Arming et al., (1997) Eur. J. Biochem. 247:810-814)。
ヒトPH20において、配列番号1に例示する該ポリペプチドのN82、N166、N235、N254、N368、N393、N490に7カ所の潜在的N架橋グリコシル化部位がある。配列番号1のアミノ酸36〜464が活性が最小のヒトPH20ヒアルロニダーゼドメインを含むように見えるため、N架橋グリコシル化部位N−490は適切なヒアルロニダーゼ活性に必須ではない。ヒトPH20において6個のジスルフィド結合がある。配列番号1に例示するポリペプチドのシステイン残基C60とC351およびC224とC238の間の2個のジスルフィド結合(それぞれ配列番号2に示す成熟ポリペプチドの残基C25とC316、およびC189とC203に対応)がある。さらに4カ所のジスルフィド結合が配列番号1に例示するポリペプチドのシステイン残基C376とC387;C381とC435;C437とC443;C458とC464(それぞれ配列番号2に示す成熟ポリペプチドの残基C341とC352;C346とC400;C402とC408;およびC423とC429に対応)に形成される。
b. 細菌ヒアルロニダーゼ群
細菌ヒアルロニダーゼ群(EC 4.2.2.1またはEC 4.2.99.1)はヒアルロナン、および種々の程度で、コンドロイチン硫酸およびデルマタン硫酸を分解する。細菌から単離されたヒアルロナンリアーゼ群は、作用機序がヒアルロニダーゼ群と異なる(他の源由来、例えば、ヒアルロノグルコサミニダーゼ群、EC 3.2.1.35)。ヒアルロナンのN−アセチル−ベータ−D−グルコサミンとD−グルクロン酸残基の間のβ1→4−グリコシド結合の加水分解ではなく、脱離反応を触媒するendo−β−N−アセチルヘキソサミニダーゼ類であり、3−(4−デオキシ−β−D−グルコ−4−エヌロノシル)−N−アセチル−D−グルコサミンテトラ−および六糖類、および二糖最終産物を生じる。反応は、非還元末端に不飽和ヘキスロン酸残基を伴うオリゴ糖類の形成を生じる。
ここに提供する配合剤のための細菌由来ヒアルロニダーゼ群の例は、アルスロバクター属、デロビブリオ属、クロストリジウム属、ミクロコッカス属、レンサ球菌属、ペプトコッカス属、プロピオニバクテリウム属、バクテロイデス属、およびストレプトマイセス属の株を含む微生物におけるヒアルロナン分解酵素群を含むが、これらに限定されない。このような酵素群の具体例は、アルスロバクター属(株FB24)(配列番号67)、ブデロビブリオ・バクテリオヴォルス(配列番号68)、プロピオニバクテリウム・アクネス(配列番号69)、ストレプトコッカス・アガラクチア((配列番号70);18RS21(配列番号71);血清型Ia(配列番号72);血清型III(配列番号73))、黄色ブドウ球菌(株COL)(配列番号74);株MRSA252(配列番号75および76);株MSSA476(配列番号77);株NCTC 8325(配列番号78);株ウシRF122(配列番号79および80);株USA300(配列番号81)、肺炎レンサ球菌((配列番号82);株ATCC BAA-255/R6(配列番号83);血清型2、株D39/NCTC 7466(配列番号84)、A群溶血レンサ球菌(血清型M1)(配列番号85);血清型M2、株MGAS10270(配列番号86);血清型M4、株MGAS10750(配列番号87);血清型M6(配列番号88);血清型M12、株MGAS2096(配列番号89および90);血清型M12、株MGAS9429(配列番号91);血清型M28(配列番号92);豚レンサ球菌(配列番号93〜95);ビブリオ・フィッシェリ(株ATCC 700601/ES114(配列番号96))、およびヒアルロン酸に特異的であり、コンドロイチンまたはコンドロイチン硫酸を開裂しないストレプトマイセス・ヒアルロノリチクスヒアルロニダーゼ酵素を含むが、これらに限定されない(Ohya, T. and Kaneko, Y. (1970) Biochim. Biophys. Acta 198:607)。
c. ヒル類、他の寄生虫および甲殻類由来のヒアルロニダーゼ群
ヒル類、他の寄生虫、および甲殻類由来のヒアルロニダーゼ群(EC 3.2.1.36)は、四糖類および六糖類最終産物を生じるendo−β−グルクロニダーゼ群である。これらの酵素群は、ヒアルロナートのβ−D−グルクロネートとN−アセチル−D−グルコサミン残基の間の1→3−架橋の加水分解を触媒する。ヒル類由来のヒアルロニダーゼ群の例は、Hirudinidae(例えば、ドイツ蛭)、イシビル科(例えば、Nephelopsis obscuraおよびErpobdella punctata)、Glossiphoniidae(例えば, Desserobdella picta, Helobdella stagnalis, Glossiphonia complanata, Placobdella ornateおよびテロミゾン属)およびヘモピ科(Haemopis marmorata)を含むが、これらに限定されない(Hovingh et al. (1999) Comp Biochem Physiol B BiochemMol Biol. 124(3):319-26)ヒアルロニダーゼである。ヒルヒアルロニダーゼと同じ作用機序を有する細菌由来のヒアルロニダーゼの例は、シアノバクテリア、シネココックス属(株RCC307、配列番号97)由来のものである。
2. 他のヒアルロナン分解酵素群
ヒアルロニダーゼファミリーに加えて、他のヒアルロナン分解酵素群が、ここに提供するCSII方法において使用できる。例えば、ヒアルロナンを開裂する能力を有する特定のコンドロイチナーゼ群およびリアーゼ群を含む酵素群を用いることができる。ヒアルロナンを分解できるコンドロイチナーゼ群の例は、コンドロイチンABCリアーゼ(コンドロイチナーゼABCとしても知られる)、コンドロイチンACリアーゼ(コンドロイチン硫酸リアーゼまたはコンドロイチン硫酸エリミナーゼとしても知られる)およびコンドロイチンCリアーゼを含むが、これらに限定されない。このような酵素群のここに提供する組成物、組み合わせおよび方法において使用するための産生および精製方法は知られている(例えば、米国特許6,054,569;Yamagata, et al. (1968) J. Biol. Chem. 243(7):1523-1535;Yang et al. (1985) J. Biol. Chem. 160(30):1849-1857)。
コンドロイチンABCリアーゼは、2種の酵素群、コンドロイチン−硫酸−ABCエンドリアーゼ(EC 4.2.2.20)およびコンドロイチン−硫酸−ABCエキソリアーゼ(EC 4.2.2.21)(Hamai et al. (1997) J Biol Chem. 272(14):9123-30)を含み、コンドロイチン−硫酸−およびデルマタン−硫酸タイプの種々のグリコサミノグリカン類を分解する。コンドロイチン硫酸、コンドロイチン−硫酸プロテオグリカンおよびデルマタン硫酸はコンドロイチン−硫酸−ABCエンドリアーゼの好ましい基質であるが、本酵素はまたヒアルロナン上で低速で作用する。コンドロイチン−硫酸−ABCエンドリアーゼはコンドロイチン−硫酸−およびデルマタン−硫酸型の種々のグリコサミノグリカン類を分解し、種々のサイズのΔ4−不飽和オリゴ糖類の混合物を生じ、それは最終的にΔ4−不飽和四糖類および二糖類に分解される。コンドロイチン−硫酸−ABCエキソリアーゼは、類似の基質特異性を有するが、重合体コンドロイチン硫酸およびコンドロイチン−硫酸−ABCエンドリアーゼにより産生されるそのオリゴ糖フラグメントの両方の非還元末端から二糖残基を事除去する(Hamai, A. et al. (1997) J. Biol. Chem. 272:9123-9130)。コンドロイチン−硫酸−ABCエンドリアーゼ群およびコンドロイチン−硫酸−ABCエキソリアーゼ群の例は、プロテウス・ブルガリスおよびフラボバクテリウム・ヘパリナム由来のものを含むが、これらに限定されない(プロテウス・ブルガリスコンドロイチン−硫酸−ABCエンドリアーゼは配列番号98に示す;Sato et al. (1994) Appl. Microbiol. Biotechnol. 41(1):39-46)。
コンドロイチンACリアーゼ(EC 4.2.2.5)は、コンドロイチン硫酸AおよびC、コンドロイチンおよびヒアルロン酸に活性であるが、デルマタン硫酸(コンドロイチン硫酸B)に活性ではない。細菌由来のコンドロイチナーゼAC酵素群の例は、それぞれ配列番号99および100に示すフラボバクテリウム・ヘパリナムおよびビクチバリス・バンデンシスおよびアルスロバクタ・オウレセンス由来のものを含むが、これらに限定されない(Tkalec et al. (2000) Applied and Environmental Microbiology 66(1):29-35; Ernst et al. (1995) Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology 30(5):387-444)。
コンドロイチナーゼCはコンドロイチン硫酸Cを分解し、四糖と不飽和6−硫酸化二糖(デルタジ−6S)を産生する。それはまたヒアルロン酸を開裂し、不飽和非硫酸化二糖(デルタジ−OS)を産生する。細菌由来のコンドロイチナーゼC酵素群の例は、レンサ球菌およびフラボバクテリウム由来のものを含むが、これらに限定されない(Hibi et al. (1989) FEMS-Microbiol-Lett. 48(2):121-4; Michelacci et al. (1976) J. Biol. Chem. 251:1154-8; Tsuda et al. (1999) Eur. J. Biochem. 262:127-133)。
3. 切断型ヒアルロナン分解酵素群または他の溶解性形態
ヒアルロナン分解酵素群は、膜結合または膜型形態として存在でき、または細胞から発現されたとき培地に分泌され、それ故、溶解性形態として存在できる。本発明の目的で、ヒアルロナン分解酵素群は、細胞から発現され、分泌されたとき、細胞膜と結合性ではなく、それ故に溶解性形態で存在するあらゆるヒアルロナン分解酵素群を含む。溶解性ヒアルロナン分解酵素群は、非ヒトヒアルロニダーゼ群(例えば動物または細菌ヒアルロニダーゼ群)、例えばウシPH20またはヒツジPH20、およびヒトヒアルロニダーゼ群、例えばHyal1、または非ヒトまたはヒト膜型ヒアルロニダーゼ群の切断型形態、特にヒトPH20の切断型形態、その対立形質変異体およびその他の変異体を含む、ヒアルロニダーゼ群を含むが、これらに限定されない。本発明の配合剤におけるヒアルロナン分解酵素群の例は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーの1個以上のアミノ酸残基を欠き、ヒアルロニダーゼ活性を維持するヒアルロナン分解酵素の切断型形態である。一例において、通常GPIアンカーを介する膜アンカー型であるヒトヒアルロニダーゼPH20を、C末端のGPIアンカーの全てまたは一部の短縮化および除去により溶解性できる。
それ故に、数例において、通常GPIアンカー型(例えば、ヒトPH20)であるヒアルロナン分解酵素を、C末端短縮化により溶解性にできる。このような短縮化は、GPIアンカー付着シグナル配列の全ての除去であってよく、またはGPIアンカー付着シグナル配列のいくつかのみの除去であってよい。得られるポリペプチドは、しかしながら、溶解性である。溶解性ヒアルロナン分解酵素がGPIアンカー付着シグナル配列の一部を残すとき、ポリペプチドが溶解性であり(すなわち細胞で発現されたとき分泌され)、かつ活性である限り、GPIアンカー付着シグナル配列の1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個以上アミノ酸残基を維持する。当業者は、当分野で知られた方法を使用してポリペプチドがGPIアンカー型であるか否かを決定できる。このような方法は、GPIアンカー付着シグナル配列およびω部位の存在および位置を予測するための既知あるゴリ済みの使用、およびホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼC(PI−PLC)またはD(PI−PLD)での消化前後の溶解性分析実施を含むが、これらに限定されない。
溶解性ヒアルロニダーゼの例は、ヒアルロニダーゼが溶解性であり、ヒアルロニダーゼ活性を維持する限り、あらゆる種由来のPH20、例えば配列番号1、2、11、25、27、30〜32、63〜65および185〜186に示すいずれか、またはC末端GPIアンカーの全てまたは一部を欠くその切断型形態である。C末端切断型であり、GPIアンカー付着シグナル配列の全てまたは一部を欠く溶解性ヒアルロニダーゼ群の例は、例えば、ヒトおよびチンパンジーPH20ポリペプチド類のような霊長類起源PH20ポリペプチド類を含むが、これらに限定されない。例えば、溶解性PH20ポリペプチド類は、配列番号1、2または185に示す成熟または前駆体ポリペプチド、またはその活性フラグメントを含む、その対立形質または他の変異体のいずれかのC末端短縮化により製造でき、ここで、得られるポリペプチドは溶解性であり、GPIアンカー付着シグナル配列由来のアミノ酸残基の全てまたは一部を欠く。また溶解性ヒアルロニダーゼ群に包含されるのは、配列番号1、2、11、25、27、30〜32、63〜65および185〜186のいずれかの対立形質変異体または他の変異体、またはその切断型形態である。対立形質変異体および他の変異体は当業者に知られており、配列番号1、2、11、25、27、30〜32、63〜65および185〜186、またはその切断型形態のいずれかと60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%またはそれ以上の配列同一性を有するポリペプチド類を含む。アミノ酸変異体は保存的および非保存的変異を含む。アミノ酸変異体は保存的および非保存的変異を含む。重要であるか、他の点でヒアルロニダーゼの活性に必要である残基、例えば上記のまたは当業者に知られたいずれかは、一般的に不変であり、変化できないことは理解されよう。これらは、例えば、活性部位残基を含む。それ故に、例えば、ヒトPH20ポリペプチド、またはその溶解性形態のアミノ酸残基111、113および176(配列番号2に示す成熟PH20ポリペプチドの残基に対応)は一般的に不変であり、変えられない。グリコシル化および適切な折りたたみに必要なジスルフィド結合形成に関与する他の残基も不変であり得る。
a. C末端切断型ヒトPH20
溶解性ヒアルロニダーゼの例はC末端切断型ヒトPH20である。組み換えヒトPH20のC末端切断型形態は製造され、ここに記載する配合剤に使用できる。このような溶解性形態のPH20製造は米国特許7,767,429および米国特許出願番号US20040268425、US20050260186、US20060104968およびUS20100143457に記載されている。
例えば、C末端切断型PH20ポリペプチド類は、少なくともアミノ酸類36〜464(ヒアルロニダーゼ活性に必須の最小部分)または配列番号1の少なくともアミノ酸類36〜464と少なくとも85%、例えば少なくとも86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ヒアルロニダーゼ活性を維持するアミノ酸配列を含むポリペプチド類である。これらのポリペプチド類に包含されるのは、GPIアンカー付着シグナル配列の全てを完全に欠くヒトPH20ポリペプチド類である。またこれらのポリペプチド類に包含されるのは、GPIアンカー付着シグナル配列の連続アミノ酸残基のいくつかを欠くヒトPH20ポリペプチド類である(伸長溶解性PH20(esPH20)と呼ぶ;例えばUS20100143457参照)。C末端切断型PH20ポリペプチド類は、完全長野生型ポリペプチド、例えば配列番号1または2に示す配列を有する完全長野生型ポリペプチド、または対立形質または種変異体またはその他の変異体と比較して1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個以上アミノ酸によりC末端切断型である。それ故に、ERにおけるタンパク質のC末端と共有結合し、原形質膜の細胞外小葉に固定されているGPIアンカーを有する代わりに、これらのポリペプチド類は細胞から発現されたときに分泌され、溶解性である。
ここに提供されるC末端切断型ヒトPH20ポリペプチド類の例は、配列番号1の少なくともアミノ酸類36〜464を含み、配列番号1に示すアミノ酸配列のアミノ酸465位、466位、467位、468位、469位、470位、471位、472位、473位、474位、475位、476位、477位、478位、479位、480位、481位、482位、483位、484位、485位、486位、487位、488位、489位、490位、491位、492位、493位、494位、495位、496位、497位、498位、499位または500位の後でC末端切断型であるか、またはそれに対して少なくとも85%配列同一性、例えば少なくとも86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%配列同一性を示し、ヒアルロニダーゼ活性を維持するその変異体である。表4は、例示的なC末端切断型PH20ポリペプチド類の非限定的例を示す。C末端切断型PH20タンパク質類の前駆体および成熟ポリペプチド類の例示的なアミノ酸配列が示される下記表3において、前駆体および成熟ポリペプチド類の長さ(アミノ酸長)、および配列識別子(配列番号)を提供する。野生型PH20ポリペプチドもまた比較のために表4に包含させる。
b. rHuPH20
配列番号1のC末端切断型形態の例は、配列番号1に示す配列のアミノ酸482の後で切断型であるそのポリペプチドである。このようなポリペプチドは、アミノ酸類1〜482をコードする核酸分子により産生できる(配列番号3に示す)。このような核酸分子の例を配列番号49に示す。翻訳後処理は35アミノ酸シグナル配列を除き、447アミノ酸溶解性組み換えヒトPH20(配列番号4)をもたらす。培養培地で産生されるため、rHuPH20と命名された生成物が種々の量で配列番号4〜9のいずれか1種以上を含み得る種の混合物を含むように、C末端に不均一性がある。典型的に、rHuPH20は、活性を維持するための正確なN−グリコシル化を促進する細胞、例えばCHO細胞(例えばDG44 CHO細胞)で産生される。
4. ヒアルロナン分解酵素群のグリコシル化
ヒアルロニダーゼ群を含むいくつかのヒアルロナン分解酵素群の、N−およびO架橋グリコシル化を含むグリコシル化は、その触媒活性および安定性に重要である。糖タンパク質を修飾するグリカンのタイプの変更はタンパク質の抗原性、構造的折りたたみ、溶解性、および安定性に大きな影響を与え得るが、ほとんどの酵素群は、最適酵素活性のためにグリコシル化は不要であると考えられている。あるヒアルロニダーゼ群について、N架橋グリコシル化の除去は、ヒアルロニダーゼ活性をほぼ完全に不活化する。それ故に、このようなヒアルロニダーゼ群にとって、N架橋グリカン類の存在は活性酵素産生に重要である。
N架橋オリゴ糖類は大きく数種(オリゴマンノース、複合体、ハイブリッド、硫酸化)に分けられ、その全てが、−Asn−Xaa−Thr/Ser−配列(ここで、XaaはProではない)に入るAsn残基のアミド窒素を介して結合した(Man)3−GlcNAc−GlcNAc−コアを有する。−Asn−Xaa−Cys−部位でのグリコシル化は、凝固タンパク質Cについて報告されている。ある例において、ヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼはN−グリコシド架橋およびO−グリコシド架橋の両者を含み得る。例えば、PH20はO架橋オリゴ糖類ならびにN架橋オリゴ糖類を含む。配列番号1に例示するヒトPH20のN82、N166、N235、N254、N368、N393、N490に7カ所の潜在的N架橋グリコシル化部位がある。アミノ酸残基N82、N166およびN254は、複合体型グリカンで占拠され、アミノ酸残基N368およびN393は高マンノース型グリカンで占拠されている。アミノ酸残基N235は約80%高マンノース型グリカンおよび20%複合体型グリカンで占拠されている。上記のとおり、N490でのN架橋グリコシル化はヒアルロニダーゼ活性に必須ではない。
数例において、ここで使用するためのヒアルロナン分解酵素群は、グリコシル化部位の1カ所または全てでグリコシル化されている。例えば、ヒトPH20、またはその溶解性形態について、配列番号1のアミノ酸類N82、N166、N235、N254、N368、およびN393に対応する2箇所、3箇所、4箇所、5箇所、または6箇所のN−グリコシル化部位がグリコシル化される。数例において、ヒアルロナン分解酵素群は、1箇所以上の天然グリコシル化部位でグリコシル化される。一般的にPH20の溶解性形態は、グリコシル化がヒアルロニダーゼ群の触媒活性および安定性に重要であるために、ポリペプチドが活性を維持することを確実にするために、正確なN−グリコシル化を促進するタンパク質発現系を使用して産生される。このような細胞は、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えばDG44 CHO細胞)を含む。
他の例において、ヒアルロナン分解酵素群は、1箇所以上の付加的部位でポリペプチドのグリコシル化を付与するために1箇所以上の非天然グリコシル化部位で修飾される。このような例において、付加的糖分子の付着は、分子の薬物動態学的特性を亢進でき、例えば半減期を改善しおよび/または活性を改善する。
ここに提供され方法において使用する他の例において、ヒアルロナン分解酵素群、例えばPH20またはヒトPH20は、一部脱グリコシル化されている(またはN−部分的グリコシル化ポリペプチド類)(例えばUS20100143457参照)。グリコシダーゼ群、またはグリコシドヒドロラーゼ群は、2個の小さな糖類を産生するためにグリコシド結合の加水分解を触媒する酵素群である。N−グリカン類の主なタイプは高マンノースグリカン、ハイブリッドグリカンおよび複合体グリカンを含む。部分的タンパク質脱グリコシル化しか生じない数種のグリコシダーゼ群は以下のものを含む。高マンノースおよびハイブリッド型グリカンを開裂するEndoF1;二分岐複合体型グリカンを開裂するEndoF2;二分岐およびさらに分岐した複合体グリカンを開裂するEndoF3;および高マンノースおよびハイブリッド型グリカンを開裂するEndoH。例えば、PH20(例えばrHuPH20と命名された組み換えPH20)の上記グリコシダーゼ群の一つまたは全て(例えばEndoF1、EndoF2、EndoF3および/またはEndoH)での処理は、部分的脱グリコシル化をもたらす。これらの部分的脱グリコシル化PH20ポリペプチド類は、完全グリコシル化ポリペプチド類と同等なヒアルロニダーゼ酵素活性を示し得る。対照的に、PH20を、全てのN−グリカンを開裂するグリコシダーゼであるPNGaseFまたはGlcNAcホスホトランスフェラーゼ(GPT)阻害剤ツニカマイシンで処理すると、全N−グリカンの完全脱グリコシル化をもたらし、それ故に、PH20を酵素的に不活性とする。それ故に、全てのN架橋グリコシル化部位(例えば、配列番号1に例示するヒトPH20のアミノ酸類N82、N166、N235、N254、N368、およびN393)をグリコシル化できるが、1種以上のグリコシダーゼ群での処理は、1種以上のグリコシダーゼ群で消化されていないヒアルロニダーゼと比較して、グリコシル化の程度を低下させ得る。
それ故に、部分的脱グリコシル化ヒアルロナン分解酵素群、例えば部分的脱グリコシル化溶解性ヒアルロニダーゼ群を、1種以上のグリコシダーゼ群、一般的に全てのN−グリカンを除去せず、タンパク質を部分的脱グリコシル化するグリコシダーゼで消化させることにより製造できる。部分的脱グリコシル化溶解性PH20ポリペプチド類を含む部分的脱グリコシル化ヒアルロナン分解酵素群は、完全グリコシル化ポリペプチドのグリコシル化レベルの10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%を有し得る。一例において、配列番号1のアミノ酸類N82、N166、N235、N254、N368、およびN393に対応する1箇所、2箇所、3箇所、4箇所、5箇所または6箇所のN−グリコシル化部位は、高マンノースまたは複合体型グリカンをもはや含まないが、少なくとも1個のN−アセチルグルコサミン部分を含むように、部分的脱グリコシル化される。数例において、配列番号1のアミノ酸類N82、N166およびN254に対応するN−グリコシル化部位の1箇所、2箇所または3箇所が脱グリコシル化され、すなわち、それは糖部分を含まない。他の例において、配列番号1のアミノ酸類N82、N166、N235、N254、N368、およびN393に対応する3箇所、4箇所、5箇所、または6箇所のN−グリコシル化部位がグリコシル化される。グリコシル化アミノ酸残基はN−アセチルグルコサミン部分を最小限含む。典型的に、部分的脱グリコシル化溶解性PH20ポリペプチド類を含む部分的脱グリコシル化ヒアルロナン分解酵素群は、完全グリコシル化ポリペプチドのヒアルロニダーゼ活性の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、200%、300%、400%、500%、1000%またはそれ以上であるヒアルロニダーゼ活性を示す。
5. 薬物動態学的特性を改善するためのヒアルロナン分解酵素群の修飾
ヒアルロナン分解酵素群を、その薬物動態学的特性を修飾するために、例えばインビボ半減期を延長するためにおよび/または活性を高めるために修飾できる。ここに提供する方法において使用するためのヒアルロナン分解酵素群の修飾は、ポリマー、例えばデキストラン、ポリエチレングリコール(ペグ化(PEG))またはシアリル部分、または他のこのようなポリマー類、例えば自然なまたは糖ポリマー類を、直接的なまたは、例えば共有結合したまたは他の安定な架橋を介するようなリンカーを介して間接的に結合することを含み得る。
治療剤のペグ化はタンパク質分解に対する抵抗性を高め、血漿半減期を延長し、抗原性および免疫原性を減少させることが知られている。重合体分子、例えばポリエチレングリコール部分(PEG)のヒアルロナン分解酵素への共有結合性のまたは他の安定な付着(conjugation)は、故に、得られた酵素−ポリマー組成物に有利な特性を付与し得る。このような特性は生体適合性改善、対象、細胞および/または他の組織内の血中タンパク質(および酵素活性)半減期延長、プロテアーゼ群および加水分解からのタンパク質の有効な遮蔽、体内分布改善、薬物動態学および/または薬力学改善、および水溶解性を含む。
ヒアルロナン分解酵素と組み合わせることができるポリマー類の例は、天然および合成ホモポリマー類、例えばポリオール類(すなわちポリ−OH)、ポリアミン類(すなわちポリ−NH)およびポリカルボキシル酸類(すなわちポリ−COOH)、およびさらなるヘテロポリマー類、すなわち1種以上の種々のカップリング基、例えばヒドロキシル基およびアミン基を含むポリマー類を含む。適当な重合体分子の例は、ポリアルキレンオキシド類(PAO)、例えばポリプロピレングリコール類(PEG)、メトキシポリエチレングリコール類(mPEG)およびポリプロピレングリコール類を含むポリアルキレングリコール類(PAG)、PEG−グリシジルエーテル類(Epox−PEG)、PEG−オキシカルボニルイミダゾール(CDI−PEG)分枝ポリエチレングリコール類(PEGs)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート類、ポリビニルピロリドン、ポリ−D,L−アミノ酸類、ポリエチレン−コ−マレイン酸無水物、ポリスチレン−コ−マレイン酸無水物、カルボキシメチル−デキストラン類を含むデキストラン類、ヘパリン、相同的アルブミン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースカルボキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを含むセルロース類、キトサンの加水分解物、デンプン類、例えばヒドロキシエチル−デンプン類およびヒドロキシプロピル−デンプン類、グリコーゲン、アガロース類およびその誘導体、グアーガム、プルラン、イヌリン、キサンタンガム、カラゲナン、ペクチン、アルギン酸加水分解物およびバイオポリマー類から選択される重合体分子である。
典型的に、ポリマー類は、多糖類、例えばデキストラン、プルランなどと比較して、架橋できる活性基が少ない、ポリアルキレンオキシド類(PAO)、例えばポリエチレンオキシド類、例えばPEG、典型的にmPEGである。典型的に、ポリマー類は、非毒性重合体分子、例えば相対的に単純な化学反応を使用してヒアルロナン分解酵素(例えば、タンパク質表面上の付着基)と共有結合できる(m)ポリエチレングリコール(mPEG)である。
ヒアルロナン分解酵素への結合のための適当な重合体分子は、ポリエチレングリコール(PEG)およびPEG誘導体、例えばメトキシ−ポリエチレングリコール類(mPEG)、PEG−グリシジルエーテル類(Epox−PEG)、PEG−オキシカルボニルイミダゾール(Cジ−PEG)、分枝PEGs、およびポリエチレンオキシド(PEO)を含むが、これらに限定されない(例えばRoberts et al., Advanced Drug Delivery Review 2002, 54: 459-476; Harris and Zalipsky, S (eds.) “Poly(ethylene glycol), Chemistry and Biological Applications” ACS Symposium Series 680, 1997; Mehvar et al., J. Pharm. Pharmaceut. Sci., 3(1):125-136, 2000; Harris, Nature Reviews 2(3):214-221 (2003); and Tsubery, J Biol. Chem 279(37):38118-24, 2004参照)。重合体分子は、典型的に約3kDa〜約60kDaの範囲の分子量を有する。幾つかの態様において、タンパク質、例えばrHuPH20とコンジュゲートする重合体分子は、5kDa、10kDa、15kDa、20kDa、25kDa、30kDa、35kDa、40kDa、45kDa、50kDa、55kDa、60kDaまたは60kDaを超える分子量を有する。
PEGまたはPEG誘導体(すなわち“ペグ化”)を共有結合により結合(コンジュゲート)させることによりポリペプチド類を修飾する種々の方法が当分野で知られている(例えば、米国公開番号20060104968および米国20040235734;米国特許番号5,672,662および米国6,737,505参照)。ペグ化の方法は、特定化リンカーおよびカップリング化学(例えば、Roberts et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 54:459-476, 2002参照)、単一コンジュゲーション部位への複数PEG分子の付着(例えば、分枝PEGの使用を介する;例えば、Guiotto et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 12:177-180, 2002参照)、部位特異的ペグ化および/またはモノ−ペグ化(例えば、Chapman et al., Nature Biotech. 17:780-783, 1999参照)、および部位特異的酵素ペグ化(例えば、Sato, Adv. Drug Deliv. Rev., 54:487-504, 2002参照)を含むが、これらに限定されない(また例えば、Lu and Felix (1994) Int. J. Peptide Protein Res. 43:127-138; Lu and Felix (1993) Peptide Res. 6:142-6, 1993; Felix et al. (1995) Int. J. Peptide Res. 46:253-64; Benhar et al. (1994) J. Biol. Chem. 269:13398-404; Brumeanu et al. (1995) J Immunol. 154:3088-95; see also, Caliceti et al. (2003) Adv. Drug Deliv. Rev. 55(10):1261-77 and Molineux (2003) Pharmacotherapy 23 (8 Pt 2):3S-8S参照)。文献に記載された方法および技術により、一タンパク質分子に結合した1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個または10個を超えるPEGまたはPEG誘導体を有するタンパク質類が産生される(例えば、米国特許公開番号20060104968参照)。
ペグ化のための多くの反応材が文献に記載されている。このような反応材は、N−ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)活性化PEG、スクシンイミジルmPEG、mPEG2−N−ヒドロキシスクシンイミド、mPEGスクシンイミジルアルファ−メチルブタノエート、mPEGスクシンイミジルプロピオネート、mPEGスクシンイミジルブタノエート、mPEGカルボキシメチル3−ヒドロキシブタノイック酸スクシンイミジルエステル、ホモ二官能的PEG−スクシンイミジルプロピオネート、ホモ二官能的PEGプロピオンアルデヒド、ホモ二官能的PEGブチルアルデヒド、PEGマレイミド、PEGヒドラジド、p−ニトロフェニル−カーボネートPEG、mPEG−ベンゾトリアゾールカーボネート、プロピオンアルデヒドPEG、mPEGブチルアルデヒド、分枝mPEG2ブチルアルデヒド、mPEGアセチル、mPEGピペリドン、mPEGメチルケトン、mPEG“リンカーレス”マレイミド、mPEGビニルスルホン、mPEGチオール、mPEGオルトピリジルチオエステル、mPEGオルトピリジルジスルフィド、Fmoc−PEG−NHS、Boc−PEG−NHS、ビニルスルホンPEG−NHS、アクリレートPEG−NHS、フルオレッセインPEG−NHS、およびビオチンPEG−NHSを含むが、これらに限定されない(例えば、Monfardini et al., Bioconjugate Chem. 6:62-69, 1995; Veronese et al., J. Bioactive Compatible Polymers 12:197-207;米国5,672,662;米国5,932,462;米国6,495,659;米国6,737,505;米国4,002,531;米国4,179,337;米国5,122,614;米国5,324、844;米国5,446,090;米国5,612,460;米国5,643,575;米国5,766,581;米国5,795、569;米国5,808,096;米国5,900,461;米国5,919,455;米国5,985,263;米国5,990、237;米国6,113,906;米国6,214,966;米国6,258,351;米国6,340,742;米国6,413,507;米国6,420,339;米国6,437,025;米国6,448,369;米国6,461,802;米国6,828,401;米国6,858,736;米国2001/0021763;米国2001/0044526;米国2001/0046481;米国2002/0052430;米国2002/0072573;米国2002/0156047;米国2003/0114647;米国2003/0143596;米国2003/0158333;米国2003/0220447;米国2004/0013637;US 2004/0235734;米国2005/0114037;米国2005/0171328;米国2005/0209416;EP01064951;EP0822199;WO01076640;WO0002017;WO0249673;WO0500360;WO9428024;およびWO0187925参照)。
F. 超速効性インスリン製剤、およびその安定な製剤
超速効性インスリン組成物は、速効性インスリン、例えば速効性インスリン類似体(または速効型類似体)、およびヒアルロナン分解酵素を含む配合剤である。このような組成物を本発明のCSII方法に使用できる。超速効性インスリン組成物は、慣用の速効性インスリン類、例えばインスリン類似体と比較して、非糖尿病性対象で遊離される内因性(すなわち自然の)食後インスリンをより模倣する超高速インスリン応答を産生する。このような超速効性インスリン組成物は当分野で知られている(例えば米国公開番号US20090304665参照)。
超速効性インスリン組成物は、血糖値をコントロールするための治療有効量の速効性インスリンおよび組成物を超速効性インスリン組成物とするのに十分な量のヒアルロナン分解酵素を含む。セクションDに記載したあらゆる速効性インスリンおよびセクションEに記載したあらゆるヒアルロナン分解酵素を、得られる組成物が投与したとき超高速インスリン応答を発揮する限り、超速効性インスリン組成物を作製するために配合剤で組み合わせることができる。
一般的に、超速効性インスリン組成物中の速効性インスリンの量は正確にまたは約10U/mL〜1000U/mLであり、ヒアルロナン分解酵素の量は1U/mL〜10,000U/mLに機能的等価である。例えば、速効性インスリンの量は正確にまたは約または少なくとも100U/mLであり、ヒアルロナン分解酵素の量は正確にまたは約または少なくとも600U/mLと機能的等価である。速効性インスリンがレギュラーインスリン、インスリンリスプロ、インスリンアスパルトまたはインスリングルリジンまたは他の同様は大きさの速効性インスリンであるいくつかの例において、超速効性組成物中のインスリンの量は正確にまたは約0.35mg/mL〜35mg/mLである。
具体例において、ヒアルロナン分解酵素は、米国仮出願番号61/520,962であり、“ヒアルロナン分解酵素およびインスリンの安定な配合剤”と題するものに記載の安定な配合剤である。具体例において、連続的皮下注入の目的のために、超速効性インスリン組成物は少なくとも3日間、正確にまたは約32℃〜40℃の温度で安定である。
1. 安定な配合剤
ここに提供する配合剤は治療有効量の速効性インスリン、例えば速効型インスリン類似体(例えばインスリンリスプロ、インスリンアスパルトまたはインスリングルリジン)を含む。例えば、配合剤は超即効性インスリンを約10単位/mL〜1000U/mL、100U/mL〜1000U/mL、または500U/mL〜1000U/mL、例えば少なくともまたは凡そ少なくとも10U/mL、20U/mL、30U/mL、40U/mL、50U/mL、60U/mL、70U/mL、80U/mL、90U/mL、100U/mL、150U/mL、200U/mL、250U/mL、300U/mL、350U/mL、400U/mL、450U/ml、500U/mLまたは1000U/mLの量で含む。例えば、ここに提供する配合剤は、速効性のインスリン、例えば速効型インスリン類似体(例えばインスリンリスプロ、インスリンアスパルトまたはインスリングルリジン)を少なくとも正確にまたは約100U/mLの量で含む。
安定な配合剤中のヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20(例えばrHuPH20)の量は、組成物を超速効性とする量である。例えば、ヒアルロナン分解酵素は、少なくとも正確にまたは少なくとも約30単位/mLと機能的等価の量である。例えば、安定な配合剤は、ヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20(例えばrHuPH20)を正確にまたは約30単位/mL〜3000U/mL、300U/mL〜2000U/mLまたは600U/mL〜2000U/mLまたは600U/mL〜1000U/mL、例えば少なくとも正確にまたは少なくとも約30U/mL、35U/mL、40U/mL、50U/mL、100U/mL、200U/mL、300U/mL、400U/mL、500U/mL、600U/mL、700U/mL、800U/mL、900U/mL、1000U/ml、2000U/mLまたは3000U/mLの量で含む。例えば、ここに提供する配合剤は少なくとも100U/mL〜1000U/mL、例えば少なくともまたは凡そ少なくともまたは約または600U/mLの量のPH20(例えばrHuPH20)を含む。
安定な配合剤の容積は、それを入れる容器に適当なあらゆる容積であり得る。数例において、配合剤はバイアル、シリンジ、ペン、ポンプ用保存室または閉鎖ループ系、またはあらゆる他の適切な容器に入れられる。例えば、ここに提供される配合剤は、正確にまたは約0.1mL〜500mL、例えば0.1mL〜100mL、1mL〜100mL、0.1mL〜50mL、例えば少なくともまたは凡そ少なくともまたは約または0.1mL、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、10mL、15mL、20mL、30mL、40mL、50mLまたはそれ以上である。
安定な配合剤において、製剤中のインスリン類似体を含むインスリンの安定性は、少なくともまたは約32℃〜40℃の保存温度下のインスリンの回収、純度および/または活性の関数である。ここに提供する製剤はインスリン回収、純度および/または活性を、製剤が使用ここに記載するとおり治療使用に適当であるように維持する。例えば、ここに提供する製剤において、ここに記載するとおりの時間および保存または使用条件下のインスリン純度(例えばRP−HPLCまたは他の類似法で測定して)は、保存または使用前の製剤におけるインスリン純度、効能または回収の少なくとも90%、例えば、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上である。一般的に、インスリン純度(例えばRP−HPLCによる)について、目標とする許容される明細は少なくともまたは約90%純度または約または90%を超える純度である。他の例において、インスリン純度は、例えば、非変性または変性サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して、インスリン凝集の関数として評価できる。このような例において、ここに提供される配合剤において、ピーク面積で2%以下、例えば、1.9%以下、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%,1.3%、1.2%、1.1%、1.0%以下の高分子量(HMWt)インスリ種を含む。
安定な配合剤において、製剤中のヒアルロニダーゼ例えばPH20(例えばrHuPH20)を含むヒアルロナン分解酵素の安定性は、少なくともまたは約32℃〜40℃の保存温度下の酵素の回収および/または活性の関数である。ここに提供する製剤は、ここに記載する治療的使用に適当であるようにヒアルロニダーゼ回収および/または活性を保持する。ここに提供する安定な配合剤において、ヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20の活性は、典型的に少なくとも3日間、正確にまたは約32℃〜40℃の温度で最初のヒアルロニダーゼ活性の50%より大きく、例えば少なくとも55%、60%、65%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上である。一般的に、ヒアルロニダーゼ活性について、安定性の許容される目標仕様は酵素活性の少なくとも62%である。それ故に、例えば、600U/mLのヒアルロナン分解酵素、例えばrHuPH20で製剤した溶液において、少なくともまたは凡そ少なくとも360単位/mL、365U/mL、370U/mL、375U/mL、380U/mL、390U/mL、420U/mL、480U/mL、540U/mL、546U/mL、552U/mL、558U/mL、564U/mL、570U/mL、576U/mL、582U/mL、588U/mL、594U/mL以上の活性が一定時間かつ保存または使用条件下維持される。他の例において、安定性を、例えば、RP−HPLCを使用して、酵素の回収の関数として評価できる。このような例において、ここで提供される安定な配合剤におけるヒアルロニダーゼ酵素回収は正確にまたは約60%〜140%である。例えば、ここに提供する製剤において、ヒアルロニダーゼ酵素回収は正確にまたは約3〜7μg/mLである。
典型的に、化合物は、当分野で周知の技術および方法を使用して医薬組成物に製剤される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms, Fourth Edition, 1985, 126)。薬学的に許容される組成物は、一般的に動物およびヒトでの使用のための認められた薬局方に従い、準備される規制当局または他の当局の承認の観点で製造される。製剤は投与方法に適合させるべきである。
安定な配合剤は、溶液、シロップまたは懸濁液としての液体形態の医薬製剤として提供できる。液体形態で、医薬製剤は使用前に治療的有効濃度に希釈すべき濃縮製剤として提供できる。一般的に、製剤は、使用時に希釈を必要としない投与形態、すなわち直接投与用製剤として提供される。このような液体製剤は、薬学的に許容される添加物、例えば懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または硬化可食脂肪);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性媒体(例えば、アーモンド油、油性エステル類、または分画植物油);および防腐剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸プロピルまたはソルビン酸)と共に緩衝手段により製造できる。他の例において、医薬製剤は、使用前に水または他の適当な媒体で再構成するための凍結乾燥形態で提供できる。
下に提供するのは、ここでの安定な配合剤に含まれるインスリンおよびヒアルロナン分解酵素以外のさらなる成分の明細である。ここに提供される配合剤に包含される両タンパク質の安定性を、両タンパク質の安定性を維持しながら最大にするために少なくとも3日間配合剤を連続的皮下注入に利用可能とする必要量の特定のバランスを必要とする。成分または条件、例えば添加物、安定化剤またはpHの各々の条件を下に提供する。
典型的に、安定な配合剤組成物は正確にまたは約6.5〜7.5のpHを有し、また正確にまたは約120mM〜200mMの濃度のNaCl、抗微生物有効量の防腐剤または防腐剤混合物、1種以上の安定化剤を含む。
a. NaClおよびpH
特に、本発明により、インスリンは2℃〜8℃で高塩濃度および低pHで結晶化するが、高塩濃度および低pHで32℃〜40℃の高温で結晶化しないことが判明した。従って、32℃〜40℃の高温でヒアルロナン分解酵素群(例えばPH20)の安定性を維持するために必要なものの逆の高塩濃度および低pH要求が、高温で少なくとも数時間、少なくとも3日間とより適合性である。また、同じ高塩および低pH製剤が、低温でインスリン安定性に影響する外観の溶解性の差異にかかわらず、インスリン類似体で類似の安定性が得られる。
例えば、32℃〜40℃の高温で少なくとも3日間安定なここに提供する配合剤は、120mM〜200mMのNaCl、例えば150mMのNaCl〜200mMのNaClまたは160mMのNaCl〜180mMのNaCl、例えば正確にまたは約120mM、130mM、140mM、150mM、155mM、160mM、165mM、170mM、175mM、180mM、185mM、190mM、195mMまたは200mMのNaClを含む。また、32℃〜40℃の高温で少なくとも3日間安定なここに提供する配合剤は6.5〜7.5または6.5〜7.2のpH、例えば正確にまたは約6.5±0.2、6.6±0.2、6.7±0.2、6.8±0.2、6.9±0.2、7.0±0.2、7.1±0.2、7.2±0.2、7.3±0.2、7.4±0.2または7.5±0.2のpHである。特に冷蔵温度で、インスリン溶解性は、これらの低pHおよび高塩条件で減少する。それ故、このような製剤は、典型的に使用前に冷蔵または環境温度で保存しない。
b. ヒアルロニダーゼ阻害剤
他の例において、安定な配合剤は、安定化剤として配合剤におけるヒアルロナン分解酵素を安定化するためのヒアルロニダーゼ阻害剤を含む。具体例において、ヒアルロニダーゼ阻害剤は、インスリンまたはヒアルロナン分解酵素と、結合性および非共有結合性方法で反応し、インスリンまたはヒアルロナン分解酵素と共有結合複合体を形成しないものである。ヒアルロニダーゼ阻害剤は、少なくともその平衡濃度で存在する。当業者は、種々のクラスのヒアルロニダーゼ阻害剤をよく知っている(例えばGirish et al. (2009) Current Medicinal Chemistry, 16:2261-2288、およびその中の引用文献参照)。当業者は、反応または本発明の安定な組成物におけるヒアルロニダーゼ阻害剤の平衡濃度を知っているか、または当分野の標準方法により決定できる。ヒアルロニダーゼ阻害剤の選択は、組成物で使用される特定のヒアルロナン分解酵素による。例えば、ヒアルロナンは、ヒアルロナン分解酵素がPH20であるとき、本発明の安定な組成物で使用されるヒアルロニダーゼ阻害剤の例である。
本発明で安定化剤として使用されるヒアルロニダーゼ阻害剤の例は、タンパク質、グリコサミノグリカン(GAG)、多糖類、脂肪酸、ラノスタノイド類、抗生物質、抗線虫剤、合成有機化合物または植物由来生理活性成分を含むが、これらに限定されない。例えば、ヒアルロニダーゼ植物由来生理活性成分はアルカロイド、抗酸化剤、ポリフェノール、フラボノイド類、テルペノイド類および抗炎症剤であり得る。ヒアルロニダーゼ阻害剤の例は、例えば、血清ヒアルロニダーゼ阻害剤、アシュワガンダ(Withania somnifera)糖タンパク質(WSG)、ヘパリン、ヘパリン硫酸、デルマタン硫酸、キトサン類、β−(1,4)−ガラクト−オリゴ糖類、硫酸化ベルバスコース、硫酸化プランテオース、ペクチン、ポリ(スチレン−4−スルホネート)、デキストラン硫酸、アルギン酸ナトリウム、ワカメ(Undaria pinnatifida)由来の多糖、マンデル酸縮合重合体、エイコサトリエン酸、ネルボン酸、オレアノール酸、アリストロキン酸、アジマリン、レセルピン、フラボン、デスメトキシセンタウレイジン、ケルセチン、アピゲニン、ケンフェロール、シリビン、ルテオリン、ルテオリン−7−グルコシド、フロレチン、アピイン、ヘスペリジン、スルホン化ヘスペリジン、カリコシン−7−O−β−D−グルコピラノシド、フラボン−7−硫酸ナトリウム、フラボン7−フルオロ−4’−ヒドロキシフラボン、4’−クロロ−4,6−ジメトキシカルコン、5−ヒドロキシフラボン−7−硫酸ナトリウム、ミリセチン、ルチン、モリン、グリチルリジン、ビタミンC、D−イソアスコルビン酸、D−糖酸1,4−ラクトン、L−アスコルビン酸−6−ヘキサデカノエート(Vcpal)、6−O−アシル化ビタミンC、カテキン、ノルジヒドログアイヤレチン酸、クルクミン、没食子酸N−プロピル、タンニン酸、エラグ酸、没食子酸、フロロフコフレッコールA、ジエコール、8,8’−ビエコール、プロシアニジン、ゴシポール、セレコキシブ、ニメスリド、デキサメサゾン、インドメタシン(indomethcin)、フェノプロフェン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、サリチレート、クロモグリク酸二ナトリウム、金チオリンゴ酸ナトリウム、transilist、トラキサノクス、イベルメクチン、リンコマイシン(linocomycin)およびスペクチノマイシン、スルファメトキサゾールおよびトリメトプリム(trimerthoprim)、ネオマイシン硫酸塩、3α−アセチルポリポレン酸A、(25S)−(+)−12α−ヒドロキシ−3α−メチルカルボキシアセテート−24−メチルラノスタ−8,24(31)−ジエン−26−オイック酸、ラノスタノイド、ポリポレン酸c、PS53(ヒドロキノン−スルホン酸−ホルムアルデヒドポリマー)、ポリ(スチレン−4−スルホネート)のポリマー、VERSA-TL 502、1−テトラデカンスルホン酸、マンデル酸縮合重合体(SAMMA)、1,3−ジアセチルベンゾイミダゾール−2−チオン、N−モノアシル化ベンズイミダゾール−2チオン、N,N’−ジアシル化ベンズイミダゾール−2−チオン、アルキル−2−フェニルインドール誘導体、3−プロパノイルベンゾオキサゾール−2−チオン、N−アルキル化インドール誘導体、N−アシル化インドール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、N−置換インドール−2−および3−カルボキサミド誘導体、N−置換インドール−2−および3−カルボキサミド誘導体のハロゲン化類似体(クロロおよびフルオロ)、2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルインドール、インドールカルボキサミド類、インドールアセトアミド類、3−ベンゾリル−1−メチル−4−フェニル−4−ピペリジノール、ベンゾイルフェニルベンゾエート誘導体、l−アルギニン誘導体、グアニジウムHCL、L−NAME、HCN、リナマリン、アミグダリン、ヘデラゲニン、エスチン、CIS−ヒノキレシノールおよび1,3−ジ−p−ヒドロキシフェニル−4−ペンテン−1−オンを含む。
例えば、ヒアルロナン(HA)は、32℃〜40℃の高温のストレス条件で少なくとも3日間安定なここに提供される配合剤に包含される。HAオリゴマー類が、ヒアルロナン分解酵素とヒアルロナンの酵素反応の基質/生成物であるため、ヒアルロナンオリゴマー類は酵素活性部位と結合でき、安定化効果を生じる。ここでの例において、安定な配合剤は、5kDa〜5,000kDa、5kDa〜または〜約1,000kDa、5kDa〜または〜約200kDa、または5kDa〜または〜約50kDaの分子量を有するヒアルロナン(ヒアルロン酸;HA)を含む。特に、HAの分子量は10kDa未満である。HAは、二糖類から成るオリゴ糖、例えば2量体〜30量体または4量体〜16量体であり得る。インスリンおよびヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えば、PH20(例えばrHuPH20)の配合剤はHAを正確にまたは約1mg/mL〜20mg/mLの濃度で、例えば少なくともまたは約1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mLまたは20mg/mL以上のHAを含む。安定な配合剤の例は、正確にまたは約8mg/mL〜または〜約12mg/mLのHA、例えば、例えば10mg/mLまたは約10mg/mLを含む。数例において、HA対ヒアルロナン分解酵素のモル比は正確にまたは約100,000:1、95,000:1、90,000:1、85,000:1、80,000:1、75,000:1、70,000:1、65,000:1、60,000:1、55,000:1、50,000:1、45,000:1、40,000:1、35,000:1、30,000:1、25,000:1、20,000:1、15,000:1、10,000:1、5,000:1、1,000:1、900:1、800:1、700:1、600:1、500:1、400:1、300:1、200:1、または100:1以下である。
それにもかかわらず、本発明により、一定時間、32℃〜40℃の高温の負荷条件下、例えば1週間または2週間以上、37℃で、配合剤中のヒアルロニダーゼ阻害剤、例えばHAの存在はインスリン分解を起こし得て、それにより、共有結合性HA−インスリン類似体付加物を生じ得る。例えば、ここに提供する配合剤における高濃度のHAの存在は、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)で、1週間、37℃後インスリンアスパルト(登録商標)および2週間、30℃後でインスリングルリジン(登録商標)を分解させることが示されている。液体クロマトグラフィー−マススペクトロメトリー(LC−MS)分析は、分解産物のいくつかが、インスリとHAの還元末端の反応により形成された共有結合性HA−インスリン類似体糖化付加物であることを示す。例えば、1つのピークはインスリンアスパルト(登録商標)およびHA7量体の生成物と同定され、他のピークはインスリンアスパルト(登録商標)およびHA2量体の生成物であった。
ヒアルロニダーゼ阻害剤、例えばHAの存在はまた配合剤の沈殿および変色に効果を有し得る。それ故に、HAはヒアルロナン分解酵素を32℃〜40℃の高温の負荷条件で安定性を改善させるが、配合剤のインスリン分解、沈殿および変色にも影響を有し得る。これらの条件を所望の安全性および薬理的パラメータおよびガイドライン内でモニターすることは当業者のレベルの範囲内である。一般的に、ヒアルロニダーゼ阻害剤、例えばHAを含むここで提供される安定な配合剤は、高温で、例えば32℃〜40℃の温度の負荷条件下で、これらのパラメータに対する効果のために、少なくとも3時間、しかし7日間を超えず安定である。
ここに提供するいくつかの例において、インスリンまたはヒアルロナン分解酵素群と共有結合複合体を形成できないヒアルロニダーゼ阻害剤を使用する。それ故に、会合性結合により作用する非共有結合性阻害剤が本発明の製剤において意図される。例えば、安定な配合剤は、もはやインスリンと糖化付加物を形成しないように、反応した還元末端を有するHAを含む配合剤である。例えば、数例において、ここに提供する配合剤において使用するHAは還元的アミノ化により修飾されている。還元的アミノ化は、アルデヒドおよびアミンの間のシッフ塩基の形成を含み、これは次いで還元されたより安定なアミンを形成する。糖、すなわち、HAの還元末端は、環状ヘミアセタール形態と開鎖アルデヒド形態の平衡混合物である。当業者に知られた適当な条件下、アミン基は糖アルデヒドと縮合してイミニウムイオンを形成し、これは還元剤、例えばナトリウムシアノボロハイドライドでアミンに還元できる(例えば、Gildersleeve et al., (2008) Bioconjug Chem 19(7):1485-1490参照)。得られたHAはインスリンと反応せず、インスリン糖化付加物を形成できない。
c. 緩衝剤
あらゆる緩衝剤を、配合剤の安定性に不利に影響せず、必要pH範囲要求を支持する限り、ここに提供する配合剤において使用できる。特に適当な緩衝剤の例は、Tris、スクシネート、アセテート、リン酸緩衝液、シトレート、アコニテート、マレートおよびカーボネートを含む。しかしながら、当業者は、ここに提供される製剤は、緩衝剤が許容される程度のpH安定性、または示す範囲の“緩衝能”を提供する限り、特定の緩衝剤に限定されないことを認識する。一般的に、緩衝剤は、そのpKの約1pH単位以内で適切な緩衝能を有する(Lachman et al. 1986)。緩衝剤適合性は、公開されているpK集計により推定でき、または当分野で周知の方法により経験的に決定できる。溶液のpHは、例えば、あらゆる許容される酸または塩基を使用して、上記範囲内の所望のエンドポイントに調節できる。
ここに提供する配合剤において包含できる緩衝剤は、Tris(トロメタミン)、ヒスチジン、リン酸緩衝液、例えばリン酸水素ナトリウム、およびシトレート緩衝剤を含むが、これらに限定されない。一般的に、緩衝剤は、本配合剤のpH範囲を正確にまたは約7.0〜7.6に維持する量で含まれる。このような緩衝剤は、配合剤中に正確にまたは約1mM〜100mM、例えば10mM〜50mMまたは20mM〜40mM、例えば正確にまたは約30mMで存在できる。例えば、このような緩衝剤は配合剤中に正確にまたは約1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、またはそれ以上の濃度で存在できる。
本発明の配合剤中の緩衝剤の例は、金属結合性緩衝剤、例えばリン酸緩衝液と比較して、インスリン沈殿を減少させるTrisのような非金属結合性緩衝剤である。ここに提供する配合剤における緩衝剤としてのTrisの包含は、付加的利益を有する。例えば、Trisで緩衝化した溶液pHは、溶液を維持する温度に影響される。それ故に、インスリンおよびヒアルロナン分解酵素配合剤を室温でpH7.3で調製したとき、冷蔵により、pHは約pH7.6まで上がる。このようなpHは、インスリンがそうでなければ不溶性である可能性のある温度でインスリン溶解性を促進する。逆に、高温で、製剤のpHは約pH7.1まで下がり得て、それはヒアルロナン分解酵素がそうでなければ不安定となる可能性のある温度で酵素の安定性を促進する。それ故に、インスリンおよびヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20(例えばrHuPH20)の溶解性および安定性は、他の緩衝剤と比較して、配合剤が緩衝剤としてのTrisを含むとき最大である。さらに、Trisが陽イオンであるため、カウンターイオンとしてのNaClの溶液への添加は不要である。これは、高濃度のNaClが〜インスリン溶解性に有害であるため、配合剤の全体的安定性にも有利である。
典型的に、Trisが、ここに提供する配合剤において正確にまたは約10mM〜50mM、例えば、例えば、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mMまたは50mMの濃度で包含される。具体例において、配合剤は正確にまたは約20mM〜30mMのTris、例えば21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mMまたは30mMのTrisを含む。具体例において、ここに提供する配合剤はTrisを正確にまたは約30mMの濃度で含む。
d. 防腐剤
防腐剤はインスリン溶解性およびヒアルロナン分解酵素群、例えばPH20(例えばrHuPH20)安定性および活性に有害な影響を有し得るが、同時に六量体インスリン分子を安定化し、多数回投与製剤において抗菌剤として必要である。それ故に、配合剤に存在する1種以上の防腐剤は、保存条件(例えば一定時間および種々の温度で)活性を失うように、実質的にヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20(例えばrHuPH20)を脱安定化させてはならない。さらに、これらの防腐剤は、インスリン六量体を安定化し、必要な抗菌効果を発揮するのに十分な濃度で存在しなければならないが、インスリン溶解性を減少させるほど濃くではならない。重要なことに、防腐剤は例えば、米国薬局方(USP)および欧州薬局方(EP)の抗菌要求を提供するために十分な濃度で存在しなければならない。典型的に、EP(EPAまたはEPB)抗菌要求を満たす製剤は、USP抗菌要求のみを満たすために製剤されたものより多くの防腐剤を含む。
それ故に、安定な配合剤は、抗菌防腐剤有効性試験(APET)で評価して、組成物サンプル中の微生物を殺すかまたは繁殖を阻止することにより抗菌活性を示す量で防腐剤(複数も可)を含む。最少要求を満たすためのUSPおよびEPAまたはEPB下の満たすべき抗菌防腐剤有効性試験および標準は当業者に周知である。一般に、抗菌防腐剤有効性試験は組成物、例えば、ここに提供する配合剤を、適当な微生物、すなわち、細菌、酵母および真菌の処方接種菌液で攻撃し、接種調整物を処方温度で貯蔵し、サンプルを一定時間間隔で取り、サンプル中の生物を計数することを含む(Sutton and Porter, (2002) PDA Journal of Pharmaceutical Science and Technology 56(11);300-311; The United States Pharmacopeial Convention, Inc., (effective January 1, 2002), The United States Pharmacopeia 25th Revision, Rockville, MD, Chapter <51> Antimicrobial Effectiveness Testing; and European Pharmacopoeia, Chapter 5.1.3, Efficacy of Antimicrobial Preservation参照)。攻撃に使用する微生物は、一般的に3種の細菌株、すなわち大腸菌(ATCC No. 8739)、緑膿菌(ATCC No. 9027)および黄色ブドウ球菌(ATCC No. 6538)、酵母(カンジダ・アルビカンスATCC No. 10231)および真菌(クロコウジカビATCC No. 16404)を含み、その全て接種組成物が10または10コロニー形成単位(cfu)の微生物/mLの組成物を含むように添加する。組成物の防腐剤特性は、試験条件下、下記表5に明記するとおり、処方された時間および温度後に接種組成物中の微生物数が顕著に減少するかまたは増加がないならば、適切であると考えられる。評価基準は初期サンプルまたは前の時点と比較して、生存微生物数のlog減少の点で示される。
具体的に、組成物、例えば、本配合剤を少なくとも5個の容器に分配し、細菌または真菌(大腸菌(ATCC No. 8739)、緑膿菌(ATCC No. 9027)、黄色ブドウ球菌(ATCC No. 6538)、カンジダ・アルビカンス(ATCC No. 10231)およびクロコウジカビ(ATCC No. 16404))1種につき1容器である。次いで各容器に試験生物の1種を接種して、10または10微生物/mLの組成物の接種菌液を得て、接種菌液は組成物容積の1%を超えない。接種組成物を20〜25℃の温度で28日間維持し、サンプルを6時間、24時間、7日間、14日間および28日間に、上記表5に示す基準に従い、取る。各サンプルの生存微生物数(cfu)をプレート数または膜濾過により決定する。最後に、各サンプルのcfuを、接種菌液または先のサンプルと比較し、log減少を決定する。
USP標準下、微生物を接種したサンプルにおける防腐剤の抗菌活性の割合またはレベルは、組成物に微生物接種菌液接種後、接種後7日間で細菌性微生物が少なくとも1.0log10単位減少;接種後14日間で細菌性微生物が少なくとも3.0log10単位減少;少なくとも接種後28日間細菌性微生物のさらなる増殖がない、すなわち、多くて0.5log10単位増加であることを必要とする。USP標準に従う真菌性微生物について、微生物を接種したサンプルにおける防腐剤の抗菌活性の割合またはレベルは、組成物に微生物接種菌液接種後、少なくとも接種後7日間、14日間および28日間真菌性微生物の増殖がないことを必要とする。EPB、または最少EP標準下、微生物を接種したサンプルにおける防腐剤の抗菌活性の割合またはレベルは、組成物に微生物接種菌液接種後、接種後24時間で細菌性微生物が少なくとも1.0log10単位減少;接種後7日間で細菌性微生物が少なくとも3.0log10単位減少;および接種後28日間細菌性微生物のさらなる増殖がない、すなわち、多くて0.5log10単位増加であることを必要とする。EPA標準は、接種後28日間細菌性微生物の回収がないように、接種後7日間で真菌性微生物が少なくとも2.0log10単位減少と、接種24時間後細菌性微生物が少なくとも3.0log10単位減少、および接種後28日間細菌性微生物の回収がないことを必要とする。最少EPB標準に従う真菌性微生物について、微生物を接種したサンプルにおける防腐剤の抗菌活性の割合またはレベルは、接種後14日間で真菌性微生物が少なくとも1.0log10単位減少および少なくとも接種後28日間真菌性微生物のさらなる増殖がないことを必要とする、および増加EPA標準は、組成物に微生物接種菌液接種後接種後7日間で真菌性微生物が少なくとも2.0log10単位減少および少なくとも接種28日間真菌性微生物のさらなる増殖がないことを必要とする。
ここに提供する配合剤に包含できる防腐剤の非限定的例は、フェノール、メタ−クレゾール(m−クレゾール)、メチルパラベン、ベンジルアルコール、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、4−クロロ−1−ブタノール、クロルヘキシジン二塩酸塩、グルコン酸クロルヘキシジン、L−フェニルアラニン、EDTA、ブロノポール(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)、酢酸フェニル水銀、グリセロール(グリセリン)、イミド尿素、クロルヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、オルト−クレゾール(o−クレゾール)、パラ−クレゾール(p−クレゾール)、クロロクレゾール、セトリミド、塩化ベンゼトニウム、エチルパラベン、プロピルパラベンまたはブチルパラベンおよびこれらのあらゆる組み合わせを含むが、これらに限定されない。例えば、ここに提供する配合剤は1種の防腐剤を含み得る。他の例において、配合剤は少なくとも2種の防腐剤または少なくとも3種の防腐剤を含み得る。例えば、ここに提供する配合剤はL−フェニルアラニンおよびm−クレゾール、L−フェニルアラニンおよびメチルパラベン、L−フェニルアラニンおよびフェノール、m−クレゾールおよびメチルパラベン、フェノールおよびメチルパラベン、m−クレゾールおよびフェノールまたは他の類似の組み合わせのような2種の防腐剤を含み得る。一例において、配合剤中の防腐剤は少なくとも1種のフェノール防腐剤を含む。例えば、本配合剤はフェノール、m−クレゾールまたはフェノールおよびm−クレゾールを含む。
ここに提供する配合剤において、製剤中の重量濃度(w/v)のパーセンテージ(%)としての1種以上の防腐剤の総量は、例えば、正確にまたは約0.1%〜0.4%、例えば0.1%〜0.3%、0.15%〜0.325%、0.15%〜0.25%、0.1%〜0.2%、0.2%〜0.3%、または0.3%〜0.4%であり得る。一般的に、配合剤は0.4%(w/v)未満の防腐剤を含む。例えば、ここに提供する配合剤は少なくともまたは凡そ少なくとも0.1%、0.12%、0.125%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.175%、0.18%、0.19%、0.2%、0.25%、0.3%、0.325%、0.35%であるが、0.4%未満の総防腐剤を含む。
数例において、ここで提供される安定な配合剤は正確にまたは約0.1%〜0.25%フェノール、および正確にまたは約0.05%〜0.2%m−クレゾール、例えば正確にまたは約0.10%〜0.2%フェノールおよび正確にまたは約0.6%〜0.18%m−クレゾールまたは正確にまたは約0.1%〜0.15%フェノールおよび正確にまたは約0.8%〜0.15%m−クレゾールを含む。例えば、ここで提供される安定な配合剤は、正確にまたは約0.1%フェノールおよび0.075%m−クレゾール;0.1%フェノールおよび0.15%m−クレゾール;0.125%フェノールおよび0.075%m−クレゾール;0.13%フェノールおよび0.075%m−クレゾール;0.13%フェノールおよび0.08%m−クレゾール;0.15%フェノールおよび0.175%m−クレゾール;または0.17%フェノールおよび0.13%m−クレゾールを含む。
e. 安定化剤
ここに提供される製剤に含むことができる安定化剤のタイプに包含されるのは、とりわけアミノ酸類、アミノ酸誘導体、アミン類、糖類、ポリオール類、塩類および緩衝剤、界面活性剤、および他の薬剤である。ここに提供する配合剤は少なくとも1種の安定化剤を含む。例えば、ここに提供する配合剤は少なくとも1種、2種、3種、4種、5種、6種以上の安定化剤を含む。それ故に、アミノ酸類、アミノ酸誘導体、アミン類、糖類、ポリオール類、塩類および緩衝剤、界面活性剤、および他の薬剤の任意の1種以上を本発明の配合剤に包含できる。一般的に、本発明の配合剤は、少なくとも界面活性剤および適当な緩衝剤を含む。所望により、ここに提供する配合剤は他の付加的安定化剤を含み得る。
アミノ酸安定化剤、アミノ酸誘導体またはアミン類の例は、L−アルギニン、グルタミン、グリシン、リシン、メチオニン、プロリン、Lys−Lys、Gly−Gly、トリメチルアミンオキシド(TMAO)またはベタインを含むが、これらに限定されない。糖類およびポリオール類の例は、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、スクロースまたはトレハロースを含むが、これらに限定されない。塩類および緩衝剤の例は、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、Tris、例えばTris(100mM)、または安息香酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。界面活性剤の例は、ポロクサマー188(例えばPLURONIC(登録商標)F68)、ポリソルベート80(PS80)、ポリソルベート20(PS20)を含むが、これらに限定されない。他の防腐剤は、ヒアルロン酸(HA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、フェニル酪酸、タウロコール酸、ポリビニルピロリドン(PVP)または亜鉛を含むが、これらに限定されない。
i. 界面活性剤
数例において、安定な配合剤は1種以上の界面活性剤を含む。このような界面活性剤はヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20(例えばrHuPH20)の凝集を阻害し、吸着損失を最小化する。界面活性剤は、一般的に非イオン性界面活性剤である。本発明の配合剤に包含できる界面活性剤は、多価アルコール類、例えばグリセロール、またはソルビトールの部分的および脂肪酸エステル類およびエーテル類、ポロクサマー類およびポリソルベート類を含む。例えば、本発明の配合剤中の界面活性剤の例は、ポロクサマー188(PLURONICS(登録商標)、例えばPLURONIC(登録商標)F68)、TETRONICS(登録商標)、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PEG400、PEG3000、Tween(登録商標)(例えばTween(登録商標)20またはTween(登録商標)80)、Triton(登録商標)X-100、SPAN(登録商標)、MYRJ(登録商標)、BRIJ(登録商標)、CREMOPHOR(登録商標)、ポリプロピレングリコール類またはポリエチレングリコール類のあらゆる1種類以上を含む。数例において、本発明の配合剤はポロクサマー188、ポリソルベート20、ポリソルベート80、一般的にポロクサマー188(PLURONIC F68)を含む。ここに提供する配合剤は、一般的に少なくとも1種の界面活性剤、例えば1種、2種または3種の界面活性剤を含む。
安定な配合剤において、製剤中の重量濃度(w/v)のパーセンテージ(%)としての1種以上の界面活性剤の総量は、例えば、正確にまたは約0.0005%〜1.0%、例えば正確にまたは約0.0005%〜0.005%、0.001%〜0.01%、0.01%〜0.5%、例えば0.01%〜0.1%または0.01%〜0.02%であり得る。一般的に、配合剤は少なくとも0.01%の界面活性剤を含み、1.0%未満、例えば0.5%未満または0.1%未満の界面活性剤を含む。例えば、ここに提供する配合剤は、正確にまたは約0.001%、0.005%、0.01%、0.015%、0.02%、0.025%、0.03%、0.035%、0.04%、0.045%、0.05%、0.055%、0.06%、0.065%、0.07%、0.08%、または0.09%界面活性剤を含む。具体例において、ここに提供する配合剤は正確にまたは約0.01%〜または〜約0.05%界面活性剤を含み得る。
酵素の酸化は、界面活性剤レベルを増加させるに連れ増加できる。また、界面活性剤ポロクサマー188は、ポリソルベート類より少ない酸を生じる。それ故に、本発明の配合剤は、一般的にポロクサマー188を含む。それ故に、界面活性剤がヒアルロナン分解酵素を安定化させるが、ここに提供する配合剤における界面活性剤の包含は、高濃度でヒアルロナン分解酵素の酸化をもたらし得る。それ故に、一般的に、例えば、重量濃度(w/v)のパーセンテージ(%)で1.0%未満および一般的に正確にまたは約0.01%または0.05%、例えば0.01%のような低濃度の界面活性剤が本発明の配合剤で使用される。また、下記のとおり、所望により、酸化防止剤を製剤に包含し、酸化を減少または阻止できる。
ここに提供する配合剤の例は、ポロクサマー188を含む。ポロクサマー188は高臨界ミセル濃度(cmc)を有する。それ故に、ポロクサマー188の使用は、防腐剤の有効性を低下させ得る、製剤中のミセル形成を減少できる。それ故に、ここに提供される配合剤の中で、正確にまたは約0.01%または0.05%ポロクサマー188を含む。
ii. 他の安定化剤
安定な配合剤は、所望により、上記のとおり防腐剤と、塩および安定化剤と適当なpHで組み合わせたとき、安定な配合剤を生じる他の成分を含み得る。他の成分は、例えば、1種以上の浸透圧修飾剤、1種以上の抗酸化剤、亜鉛または他の安定化剤を含む。
例えば、浸透圧修飾剤は、製剤において所望のモル浸透圧濃度の溶液を提供するために包含され得る。安定な配合剤は正確にまたは約245mOsm/kg〜305mOsm/kgのモル浸透圧濃度を有する。例えば、モル浸透圧濃度は正確にまたは約245mOsm/kg、250mOsm/kg、255mOsm/kg、260mOsm/kg、265mOsm/kg、270mOsm/kg、275mOsm/kg、280mOsm/kg、285mOsm/kg、290mOsm/kg、295mOsm/kg、300mOsm/kgまたは305mOsm/kgである。数例において、インスリンおよびヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20(例えばrHuPH20)の配合剤は正確にまたは約275mOsm/kgのモル浸透圧濃度を有する。
浸透圧修飾剤は、グリセリン、NaCl、アミノ酸類、ポリアルコール類、トレハロース、および他の塩類および/または糖類を含むが、これらに限定されない。他の例において、グリセリン(グリセロール)は配合剤に包含される。例えば、ここに提供する配合剤は、典型的に60mM未満 グリセリン、例えば55mM未満、50mM未満、45mM未満、40mM未満、35mM未満、30mM未満、25mM未満、20mM未満、15mM未満、10mM以下を含む。グリセリン量は、典型的に存在するNaCl量による。配合剤に存在するNaClが多いほど、所望のモル浸透圧濃度の達成に必要なグリセリンは少ない。それ故に、例えば、高NaCl濃度を含む配合剤において、例えば高い見かけの溶解性を有するインスリン類(例えばインスリングルリジン)で製剤されたものにおいて、製剤に包含するのに必要なグリセリンはわずかであるか、必要ない。対照的に、わずかに低NaCl濃度を含む配合剤において、例えば低い外観の溶解性を有するインスリン類(例えばインスリンアスパルト)で製剤されたものにおいて、グリセリンは包含され得る。例えば、インスリンアスパルトを含む配合剤は、グリセリンを50mM未満、例えば20mM〜50mM、例えば正確にまたは約50mMの濃度で含む。さらに低いNaCl濃度を含む配合剤において、例えばさらに低い外観の溶解性を有するインスリン類(例えばインスリンリスプロまたはレギュラーインスリン)で製剤されたものにおいて、グリセリンは正確にまたは約、例えば40mM〜60mMの濃度で包含され得る。
配合剤はまた酸化、特にヒアルロナン分解酵素の酸化を減少または阻止するために抗酸化剤も含み得る。抗酸化剤の例は、システイン、トリプトファンおよびメチオニンを含むが、これらに限定されない。具体例において、抗酸化剤はメチオニンである。インスリンおよびヒアルロナン分解酵素、例えばヒアルロニダーゼ、例えばPH20(例えばrHuPH20)を含むここに提供する配合剤は、抗酸化剤を正確にまたは約5mM〜または〜約50mM、例えば5mM〜40mM、5mM〜20mMまたは10mM〜20mMの濃度で含み得る。例えば、メチオニンは、本発明の配合剤に正確にまたは約5mM〜または〜約50mM、例えば5mM〜40mM、5mM〜20mMまたは10mM〜20mMの濃度で存在できる。例えば、抗酸化剤、例えばメチオニン、は、正確にまたは約5mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、20mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM、30mM、35mM、40mM、45mMまたは50mMの濃度で存在できる。数例において、配合剤は10mM〜20mMのメチオニン、例えば正確にまたは約10mMまたは20mMのメチオニンを含む。
ある例において、亜鉛は、配合剤にインスリン六量体の安定化剤として包含される。例えば、レギュラーインスリン、インスリンリスプロまたはインスリンアスパルトを含む製剤は典型的に亜鉛を含み、一方インスリングルリジンを含む製剤は亜鉛を含まない。亜鉛は、例えば、酸化亜鉛、酢酸亜鉛または塩化亜鉛として提供され得る。亜鉛は、ここに提供する組成物において、正確にまたは約0.001〜0.1mg/インスリン100単位(mg/100U)、0.001〜0.05mg/100Uまたは0.01〜05mg/100Uで存在し得る。例えば、ここに提供する配合剤は、亜鉛を正確にまたは約0.002mg/インスリン100単位(mg/100U)、0.005mg/100U、0.01mg/100U、0.012mg/100U、0.014mg/100U、0.016mg/100U、0.017mg/100U、0.018mg/100U、0.02mg/100U、0.022mg/100U、0.024mg/100U、0.026mg/100U、0.028mg/100U、0.03mg/100U、0.04mg/100U、0.05mg/100U、0.06mg/100U、0.07mg/100U、0.08mg/100Uまたは0.1mg/100U含み得る。
安定な配合剤はまた、製剤安定性に寄与するアミノ酸安定化剤も含み得る。安定化剤は非極性および塩基性アミノ酸であり得る。非極性および塩基性アミノ酸類の例は、アラニン、ヒスチジン、アルギニン、リシン、オルニチン、イソロイシン、バリン、メチオニン、グリシンおよびプロリンを含むが、これらに限定されない。例えば、アミノ酸安定化剤はグリシンまたはプロリン、典型的にグリシンである。安定化剤は1種のアミノ酸であってよく、または2種以上のこのようなアミノ酸類の組み合わせであり得る。アミノ酸安定化剤は天然アミノ酸類、アミノ酸類似体、修飾アミノ酸類またはアミノ酸等価体であり得る。一般的に、アミノ酸はL−アミノ酸である。例えば、プロリンを安定化剤として使用するとき、一般的にL−プロリンである。アミノ酸等価体、例えば、プロリン類似体を使用することも可能である。配合剤に包含されるアミノ酸安定化剤、例えばグリシンの濃度は、0.1M〜1Mアミノ酸、典型的に0.1M〜0.75M、一般的に0.2M〜0.5M、例えば、少なくとも正確にまたは約0.1M、0.15M、0.2M、0.25M、0.3M、0.35M、0.4M、0.45M、0.5M、0.6M、0.7M、0.75Mまたはそれ以上の範囲である。アミノ酸、例えばグリシンは薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの形で使用できる。アミノ酸、例えばグリシンの純度は少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%またはそれ以上でなければならない。
2. 他の添加物または薬物
所望により、安定な配合剤は配合剤が投与される、担体、例えば希釈剤、アジュバント、添加物、または媒体を含み得る。適当な医薬担体の例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences” by E. W. Martinに記載されている。このような組成物は、治療有効量の、一般的に精製形態または部分的精製形態の化合物を、患者への適切な投与のための形態を提供するための適当な量の担体と共に含む。このような医薬担体は滅菌液体、例えば水および石油、動物、植物または合成起源のものを含む油、例えばピーナツ油、ダイズ油、鉱油、およびゴマ油を含む。水は、医薬組成物を静脈内投与するときの典型的担体である。食塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液も、特に注射液のための液体担体として使用できる。
例えば、非経腸製剤に使用される薬学的に許容される担体は、水性媒体、非水性媒体、抗微生物剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁および分散剤、乳化剤、隔離またはキレート剤および他の薬学的に許容される物質を含む。水性媒体の例は、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、等張デキストロース注射、滅菌水注射、デキストロースおよび乳酸リンゲル注射を含む。非水性非経腸媒体は、植物起源の固定油、綿実油、コーン油、ゴマ油およびピーナツ油を含む。静菌性または静真菌性濃度の抗菌剤を、多数回投与容器に包装された非経腸製剤に添加でき、それはフェノール類またはクレゾール類、水銀、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルおよびプロピルp−ヒドロキシ安息香酸エステル類、チメロサール、塩化ベンザルコニウムおよび塩化ベンゼトニウムを含む。等張化剤は塩化ナトリウムおよびデキストロースを含む。緩衝剤はリン酸およびシトレートを含む。抗酸化剤は硫酸水素ナトリウムを含む。局所麻酔剤は塩酸プロカインを含む。懸濁および分散剤はナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンを含む。乳化剤はポリソルベート80(TWEEN 80)を含む。金属イオンの隔離またはキレート剤はEDTAを含む。医薬担体はまた水混和性媒体のためのエチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールおよびpH調節のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸または乳酸を含む。
組成物はまた活性成分意外に、希釈剤、例えばラクトース、スクロース、リン酸二カルシウム、またはカルボキシメチルセルロース;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびタルク;および結合剤、例えばデンプン、天然ゴム、例えばアカシアガム、ゼラチン、グルコース、モラセス、ポリビニルピロリドン、セルロース類およびその誘導体、ポビドン、クロスポビドン類および当業者に知られた他のこのような結合剤を含み得る。
例えば、あらゆる数の薬学的に許容されるタンパク質類またはペプチドであり得る、添加物タンパク質を配合剤に添加できる。一般的に、添加物タンパク質は、免疫応答を誘発せずに哺乳動物対象に投与できる能力により選択する。例えば、ヒト血清アルブミンは、医薬製剤における使用によく適する。他の既知医薬タンパク質添加物は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、一ステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、およびエタノールを含むが、これらに限定されない。添加物は、製剤に、保持容器またはバイアルへのタンパク質の吸着を妨げる十分な濃度で包含される。添加物濃度は添加物の性質および配合剤中のタンパク質濃度により異なる。
組成物は、望むならば、また少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝剤、例えば、アセテート、ナトリウムシトレート、シクロデキストリン誘導体、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、トリエタノールアミンオレエート、および他のこのような薬剤を含み得る。
G. インスリンまたはヒアルロナン分解酵素をコードする核酸およびそのポリペプチド類の製造方法
本明細書に記載するインスリンおよびヒアルロナン分解酵素のポリペプチドは、当技術分野で周知のタンパク質精製方法および組換えタンパク質発現方法によって得ることができる。ポリペプチドは化学的に合成することもできる。例えばインスリンのA鎖およびB鎖を化学合成してから、それらを、例えば還元−再酸化反応などにより、ジスルフィド結合で架橋することができる。ポリペプチドを組換え手段によって製造する場合は、所望の遺伝子をコードする核酸を同定するための当業者に知られる任意の方法を使用することができる。当技術分野で利用できる任意の方法を使って、例えば細胞または組織供給源から、ヒアルロニダーゼをコードする完全長(すなわち全コード領域を包含する)cDNAまたはゲノムDNAクローンを得ることができる。改変型または変異型インスリンまたはヒアルロナン分解酵素は、野生型ポリペプチドから、部位特異的突然変異誘発法などによって工学的に作製することができる。
ポリペプチドは、核酸分子をクローン化または単離するための当技術分野で知られる任意の利用可能な方法を使って、クローン化または単離することができる。そのような方法には、核酸のPCR増幅およびライブラリーのスクリーニング、例えば核酸ハイブリダイゼーションスクリーニング、抗体に基づくスクリーニング、および活性に基づくスクリーニングが含まれる。
例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を含む核酸増幅法を使って、所望のポリペプチドをコードする核酸分子を単離することができる。核酸含有材料を出発物質として使用して、そこから所望のポリペプチドコード核酸分子を単離することができる。増幅方法では、例えばDNAおよびmRNA調製物、細胞抽出物、組織抽出物、体液試料(例えば血液、精子、唾液)、および健常被験者および/または罹患被験者から得た試料を使用することができる。核酸ライブラリーも出発物質の供給源として使用することができる。所望のポリペプチドが増幅されるようにプライマーを設計することができる。例えば、所望のポリペプチドがそこから生成される発現された配列に基づいて、プライマーを設計することができる。プライマーは、逆翻訳(back-translation)に基づいて設計することができる。増幅によって生成した核酸分子を配列決定し、所望のポリペプチドがコードされていることを確認することができる。
追加ヌクレオチド配列、例えば合成遺伝子をベクター(例えばタンパク質発現ベクターまたはコアタンパク質コードDNA配列を増幅するために設計されたベクター)中にクローニングするための制限エンドヌクレアーゼ部位を含有するリンカー配列などを、ポリペプチドコード核酸分子につなぐことができる。さらにまた、機能的DNA要素を指定する追加ヌクレオチド配列をポリペプチドコード核酸分子に作動的に連結することもできる。そのような配列の例には、細胞内タンパク質発現が容易になるように設計されたプロモーター配列、およびタンパク質分泌が容易になるように設計された分泌配列、例えば異種シグナル配列などがあるが、これらに限定されない。そのような配列は当業者には知られている。タンパク質結合領域を指定する塩基配列などの追加ヌクレオチド残基配列も酵素コード核酸分子に連結することができる。そのような領域には、特異的標的細胞への酵素の取り込みを容易にするか、合成遺伝子の産物の薬物動態を他の形で変化させる残基の配列、または特異的標的細胞への酵素の取り込みを容易にするか、合成遺伝子の産物の薬物動態を他の形で変化させるタンパク質をコードする残基の配列などがあるが、これらに限定されない。例えば酵素をPEG部分に連結することができる。
さらに、例えばポリペプチドの検出またはアフィニティ精製を助けるためなどの目的で、タグまたは他の部分を付加することもできる。例えば、エピトープタグまたは他の検出可能マーカーを指定する塩基配列などの追加ヌクレオチド残基配列も、酵素コード核酸分子に連結することができる。そのような配列の典型例には、Hisタグ(例えば6×His、HHHHHH;配列番号54)またはFlagタグ(DYKDDDDK;配列番号55)などがある。
次に、同定され単離された核酸を適当なクローニングベクターに挿入することができる。当技術分野で知られる多数のベクター−宿主系を使用することができる。考えられるベクターには、プラスミドまたは改変ウイルスなどがあり、これらに限定されないが、ベクター系は使用する宿主細胞と適合しなければならない。そのようなベクターには、ラムダ誘導体などのバクテリオファージ、またはpCMV4、pBR322もしくはpUCプラスミド誘導体などのプラスミド、またはBluescriptベクター(Stratagene, La Jolla, CA)などがあるが、これらに限定されない。他の発現ベクターには、本明細書に例示するHZ24発現ベクターがある。クローニングベクターへの挿入は、例えば、相補的付着末端を持つクローニングベクター中に、DNAフラグメントをライゲートすることによって達成することができる。挿入はTOPOクローニングベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA)を使って達成することができる。DNAをフラグメント化するために使用される相補的制限部位がクローニングベクター中に存在しない場合は、DNA分子の末端を酵素的に修飾することができる。あるいは、ヌクレオチド配列(リンカー)をDNA末端にライゲートすることによって所望する任意の部位を作り出すこともでき、これらのライゲートされたリンカーは、制限エンドヌクレアーゼ認識配列をコードする特異的な化学合成オリゴヌクレオチドを含有することができる。これに代わる方法として、切断されたベクターおよびタンパク質遺伝子を、ホモポリマーテーリング(homopolymer tailing)によって修飾することもできる。組換え分子は、例えば形質転換、トランスフェクション、感染、エレクトロポレーションおよびソノポレーションなどによって、その遺伝子配列のコピーが数多く生成するように、宿主細胞中に導入することができる。
インスリンは種々の技法を使って製造することができる(例えばLadisch et al. (1992) Biotechnol. Prog. 8:469-478参照)。いくつかの例では、プレプロインスリンポリペプチドまたはプロインスリンポリペプチドをコードする核酸を、発現ベクター中に挿入する。発現させた後、プレプロインスリンポリペプチドまたはプロインスリンポリペプチドは、シグナル配列および/またはCペプチドを切断する酵素的方法または化学的方法(これは、A鎖およびB鎖をもたらし、それらが例えば還元−再酸化反応などによってジスルフィド結合で架橋される)によって、インスリンに変換される(例えばCousens et al., (1987) Gene 61:265-275, Chance et al., (1993) Diabetes Care 4:147-154参照)。もう一つの例では、インスリンのA鎖およびB鎖をコードする核酸を、1つまたは2つの発現ベクターに挿入して、1つの発現ベクターから単一ポリペプチドとして共発現させるか、1つまたは2つの発現ベクターから2つのポリペプチドとして発現させる。したがって、C鎖の非存在下で、A鎖ポリペプチドとB鎖ポリペプチドを、別々に発現させてからそれらを組み合わせてインスリンを生成させるか、共発現させることができる。A鎖およびB鎖を単一ポリペプチドとして共発現させる例では、サブユニットをコードする核酸が、後述するリンカーまたはスペーサーのようなリンカーまたはスペーサーを、B鎖とA鎖の間にコードすることもできる。発現ベクター中に挿入される核酸は、例えばインスリンB鎖、リンカー(例えばアラニン−アラニン−リジンリンカーなど)およびA鎖をコードする核酸を含有して、例えば“インスリンB鎖−Ala−Ala−Lys−インスリンA鎖”の発現をもたらすことができる。
特別な態様では、宿主細胞を、単離されたタンパク質遺伝子、cDNA、または合成DNA配列を組み込んだ組換えDNA分子で形質転換することにより、その遺伝子のコピーを多数生成させることができる。こうして、形質転換体を成長させ、形質転換体から組換えDNA分子を単離し、必要であれば、単離した組換えDNAから挿入された遺伝子を回収することにより、遺伝子を大量に得ることができる。
1. ベクターおよび細胞
本明細書に記載する任意のタンパク質など、所望のタンパク質の1つ以上を組換え発現させるために、タンパク質をコードするヌクレオチド配列の全部または一部を含有する核酸を、適当な発現ベクター中に、すなわち挿入されたタンパク質コード配列の転写および翻訳に必要な要素を含有するベクター中に、挿入することができる。必要な転写および翻訳シグナルは、酵素遺伝子の天然プロモーターおよび/またはそれらの隣接領域によって供給され得る。
酵素をコードする核酸を含有するベクターも提供する。ベクターを含有する細胞も提供する。細胞には真核細胞および原核細胞が含まれ、ベクターはそこでの使用に適した任意のベクターである。
ベクターを含有する原核細胞および真核細胞(内皮細胞を含む)を提供する。そのような細胞には、細菌細胞、酵母細胞、真菌細胞、古細菌、植物細胞、昆虫細胞および動物細胞などがある。細胞は、コードされているタンパク質が細胞によって発現されるような条件下で上述の細胞を成長させ、発現されたタンパク質を回収することにより、そのタンパク質を生産するために使用される。本発明では、例えば酵素を、培地中に分泌させることができる。
天然のまたは異種のシグナル配列に結合された溶解性ヒアルロニダーゼポリペプチドをコードするヌクレオチド配列ならびにその複数コピーを含有するベクターを提供する。ベクターは酵素タンパク質が細胞中で発現されるように選択するか、酵素タンパク質が分泌タンパク質として発現されるように選択することができる。
種々の宿主−ベクター系を使って、タンパク質コード配列を発現させることができる。これらには、ウイルス(例えばワクシニアウイルス、アデノウイルスおよび他のウイルス)に感染した哺乳動物細胞系;ウイルス(例えばバキュロウイルス)に感染した昆虫細胞;酵母ベクターを含有する酵母などの微生物;またはバクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNAで形質転換された細菌などがあるが、これらに限定されない。ベクターの発現要素はその強さおよび特異性がさまざまである。使用する宿主−ベクター系に依存して、数ある適切な転写および翻訳要素のどれでも1つを使用することができる。
ベクター中にDNAフラグメントを挿入するための当業者に知られる任意の方法を使用して、適当な転写/翻訳制御シグナルとタンパク質コード配列とを含むキメラ遺伝子を含有する発現ベクターを構築することができる。これらの方法には、インビトロ組換えDNAおよび合成技法、ならびにインビボ組換え体(遺伝子組換え)を含めることができる。タンパク質またはそのドメイン、誘導体、フラグメントもしくはホモログをコードする核酸配列の発現は、遺伝子またはそのフラグメントが組換えDNA分子で形質転換された宿主中で発現されるように、第2の核酸配列によって調節することができる。例えば、タンパク質の発現は、当技術分野で知られる任意のプロモーター/エンハンサーで制御することができる。具体的一態様では、プロモーターが、所望するタンパク質の遺伝子にとって天然のプロモーターではない。使用することができるプロモーターには、SV40初期プロモーター(Bernoist and Chambon, Nature 290:304-310 (1981))、ラウス肉腫ウイルスの3’末端反復配列(long terminal repeat)に含まれるプロモーター(Yamamoto et al. Cell 22:787-797 (1980))、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1441-1445 (1981))、メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Brinster et al., Nature 296:39-42 (1982));原核発現ベクター、例えばβ−ラクタマーゼプロモーター(Jay et al., (1981) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:5543)またはtacプロモーター(DeBoer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:21-25 (1983));“Useful Proteins from Recombinant Bacteria”: in Scientific American 242:79-94 (1980)も参照;ノパリンシンテターゼプロモーター(Herrara-Estrella et al., Nature 303:209-213 (1984))またはまたはカリフラワーモザイクウイルス35S RNAプロモーター(Gardner et al., Nucleic Acids Res. 9:2871 (1981))、およびおよび光合成酵素リブロースビスリン酸カルボキシラーゼのプロモーター(Herrera-Estrella et al., Nature 310:115-120 (1984))を含有する植物発現ベクター;酵母および他の真菌由来のプロモーター要素、例えばGal4プロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター、ホスホグリセロールキナーゼプロモーター、アルカリホスファターゼプロモーター、および組織特異性を示し、トランスジェニック動物で使用されてきた、以下の動物転写制御領域:膵腺房細胞中で活性なエラスターゼI遺伝子制御領域(Swift et al., Cell 38:639-646 (1984); Ornitz et al., Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 50:399-409 (1986); MacDonald, Hepatology 7:425-515 (1987));膵β細胞中で活性なインスリン遺伝子制御領域(Hanahan et al., Nature 315:115-122 (1985))、リンパ球様細胞中で活性な免疫グロブリン遺伝子制御領域(Grosschedl et al., Cell 38:647-658 (1984); Adams et al., Nature 318:533-538 (1985); Alexander et al., Mol. Cell Biol. 7:1436-1444 (1987))、精巣、乳房、リンパ球様細胞およびマスト細胞中で活性であるマウス乳房腫瘍ウイルス制御領域(Leder et al., Cell 45:485-495 (1986))、肝臓中で活性なアルブミン遺伝子制御領域(Pinkert et al., GenesおよびDevel. 1:268-276 (1987))、肝臓中で活性なα−フェトプロテイン遺伝子制御領域(Krumlauf et al., Mol. Cell. Biol. 5:1639-1648 (1985); Hammer et al., Science 235:53-58 1987))、肝臓中で活性なα−1アンチトリプシン遺伝子制御領域(Kelsey et al., GenesおよびDevel. 1:161-171 (1987))、骨髄性細胞中で活性なβグロビン遺伝子制御領域(Magram et al., Nature 315:338-340 (1985); Kollias et al., Cell 46:89-94 (1986))、脳の希突起膠細胞中で活性なミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域(Readhead et al., Cell 48:703-712 (1987))、骨格筋中で活性なミオシン軽鎖−2遺伝子制御領域(Shani, Nature 314:283-286 (1985))、および視床下部の性腺刺激細胞中で活性な性腺刺激ホルモン放出ホルモン放出ホルモン遺伝子制御領域(Mason et al., Science 234:1372-1378 (1986))を含むが、これらに限定されない。
具体的態様において、所望のタンパク質またはそのドメイン、フラグメント、誘導体もしくはホモログをコードする核酸に作動的に連結されたプロモーター、1つ以上の複製起点、および場合によっては、1つ以上の選択可能マーカー(例えば抗生物質耐性遺伝子)を含有するベクターを使用する。大腸菌(E. coli)細胞を形質転換するための典型的プラスミドベクターには、例えばpQE発現ベクター(Qiagen, Valencia, CA)から入手可能;Qiagenが発行したこの系に関する文献も参照されたい)がある。pQEベクターは、ファージT5プロモーター(大腸菌RNAポリメラーゼによって認識される)と、大腸菌における組換えタンパク質の緻密に調節された高レベル発現をもたらすための二重lacオペレーター抑制モジュール(double lac operator repression module)、効率のよい翻訳のための合成リボソーム結合部位(RBS II)、6×Hisタグコード配列、t0およびT1転写ターミネーター、ColE1複製起点、およびアンピシリン耐性を付与するためのβ−ラクタマーゼ遺伝子を持つ。pQEベクターは6×Hisタグを組換えタンパク質のN末端またはC末端に置くことを可能にする。そのようなプラスミドには、3つの読み枠全てにマルチクローニング部位を与え、N末端が6×Hisタグで標識されたタンパク質の発現をもたらす、pQE32、pQE30、およびpQE31がある。大腸菌細胞を形質転換するための他の典型的プラスミドベクターには、例えばpET発現ベクター(米国特許第4,952,496号;NOVAGEN(Madison, WI)から入手可能;NOVAGENが発行したこの系に関する文献も参照されたい)などがある。そのようなプラスミドには、pET11a(これは、T7 lacプロモーター、T7ターミネーター、誘導性大腸菌lacオペレーター、およびlacリプレッサー遺伝子を含有する);pET12a-c(これは、T7プロモーター、T7ターミネーター、および大腸菌ompT分泌シグナルを含有する);ならびにpET15bおよびpET19b(NOVAGEN, MADISON, WI)(これらは、Hisカラムによる精製に使用するためのHis−Tag(商標)リーダー配列、およびカラムでの精製後に行われる切断を可能にするトロンビン切断部位、T7−lacプロモーター領域およびT7ターミネーターを含有する)などがある。
哺乳動物細胞発現用ベクターの例は、HZ24発現ベクターである。HZ24発現ベクターはpCIベクターバックボーン(Promega)から誘導された。これは、β−ラクタマーゼ耐性遺伝子(AmpR)をコードするDNA、F1複製起点、サイトメガロウイルス前初期エンハンサー/プロモーター領域(CMV)、およびSV40後期ポリアデニル化シグナル(SV40)を含有する。この発現ベクターは、ECMVウイルス(Clontech)由来の配列内リボソーム進入部位(IRES)およびマウスジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子も持つ。
2. リンカー基
いくつかの例では、例えばB鎖のC末端が短いリンカーでA鎖のN末端に接合されるようになっている、リンカーを持つA鎖ポリペプチドとB鎖ポリペプチドを作製することによって、インスリンが製造される。A鎖とB鎖は、リンカーを含有する単一ポリペプチドから発現させるか、別々に発現させてからリンカーで接合することができる。リンカー部分は、所望する性質に応じて選択される。リンカー部分は、A鎖とB鎖がインスリンの天然のコンフォメーションを模倣することができるように、十分に長くフレキシブルでなければならない。
リンカーは、インスリンA鎖およびB鎖に適した部分であれば、なんでもよい。そのような部分には、ペプチド性結合(peptidic linkage);アミノ酸およびペプチド結合、一般的に、1〜約60個のアミノ酸を含有するもの;化学的リンカー、例えばヘテロ二官能性切断可能架橋剤、光切断可能リンカー、および酸切断可能リンカーなどがあるが、これらに限定されない。
リンカー部分はペプチドであることができる。ペプチドリンカーは、一般的に、約2〜約60個のアミノ酸残基、例えば約5〜約40個、または約10〜約30個のアミノ酸残基を持つ。好都合なことに、ペプチド性リンカー(peptidic linker)は核酸にコードして、大腸菌などの宿主細胞における発現時に融合タンパク質に組み込むことができる。ある例では、発現時に“インスリンB鎖−AAK−インスリンA鎖”ポリペプチドが生成するように、インスリンB鎖をコードする核酸とA鎖をコードする核酸との間にある核酸中に、アラニン−アラニン−リジン(AAK)(配列番号178)リンカーをコードする。ペプチドリンカーは、フレキシブルなスペーサーアミノ酸配列、例えば単鎖抗体研究で知られているものなどであることができる。そのような既知リンカーの例には、RPPPPC(配列番号166)またはSSPPPPC(配列番号167)、GGGGS(配列番号168)、(GGGGS)(配列番号169)、GKSSGSGSESKS(配列番号170)、GSTSGSGKSSEGKG(配列番号171)、GSTSGSGKSSEGSGSTKG(配列番号172)、GSTSGSGKSSEGKG(配列番号173)、GSTSGSGKPGSGEGSTKG(配列番号174)、EGKSSGSGSESKEF(配列番号175)、SRSSG(配列番号176)およびSGSSC(配列番号177)があるが、これらに限定されない。
あるいは、ペプチドリンカー部分はVM(配列番号179)またはAM(配列番号180)であるか、式:AM(G2−4S)xAM[式中、Xは1〜11の整数である](配列番号181)で記述される構造を持つこともできる。例えばHuston et al.(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:5879-5883; Whitlow, M., et al. (1993) Protein Engineering 6:989-995; Newton et al. (1996) Biochemistry 35:545-553; A. J. Cumber et al. (1992) Bioconj. Chem. 3:397-401; Ladurner et al. (1997) J. Mol. Biol. 273:330-337;および米国特許第4,894,443号などには、さらなる連結部分が記載されている。
いくつかの例では、ペプチドリンカーが核酸によってコードされ、大腸菌や出芽酵母(S. cerevisiae)などの宿主細胞中で発現させた時に、B鎖とA鎖の間に組み込まれる。別の例では、ペプチドリンカーが化学的方法によって合成される。これは、A鎖およびB鎖の一つ以上の合成とは別個のプロトコルで行うことができ、構成要素は、その後に、例えばヘテロ二官能性リンカーなどを使って接合される。あるいは、ペプチドリンカーを一方のインスリン鎖のN末端またはC末端に合成し、次にそれを他方の鎖に、そのペプチドリンカーを介して、例えばヘテロ二官能性リンカーなどを使って連結することもできる。
ここでは、インスリンA鎖およびB鎖を連結するために、当業者に知られる任意のリンカーを使用することができる。鎖を化学的に連結するのに適したリンカーおよび結合様式には、ジスルフィド結合、チオエーテル結合、ヒンダード(hindered)ジスルフィド結合、およびアミン基やチオール基などの遊離反応性基間の共有結合などがあるが、これらに限定されない。これらの結合は、ヘテロ二官能性試薬を使って一方または両方のポリペプチド上に反応性チオール基を生成させた後、一方のポリペプチド上のチオール基を、他方の鎖上の反応性チオール基または反応性マレイミド基もしくはチオール基を結合させることができるアミン基と反応させることによって作られる。他のリンカーには、酸性が強い細胞内区画では切断されるであろう酸切断可能リンカー、例えばビスマレイミドエトキシプロパン(bismaleimideothoxy propane)、酸不安定性トランスフェリンコンジュゲートおよびアジピン酸ジヒドラジド(adipic acid diihydrazide);UVまたは視覚光に曝露すると切断される架橋剤、ならびにヒトIgG1の定常領域に由来する種々のドメイン(例えばCH1、CH2、およびCH3)などのリンカー(Batra et al. (1993) Molecular Immunol. 30:379-386参照)などがある。いくつかの態様では、各リンカーの望ましい性質を利用するために、数個のリンカーを含めることができる。化学的リンカーおよびペプチドリンカーは、リンカーをインスリンA鎖およびB鎖に共有結合でカップリングすることによって挿入することができる。そのような共有結合的カップリングは、下記のヘテロ二官能性剤を使って達成することができる。B鎖とA鎖の間にリンカーをコードしているDNAを発現させることによって、ペプチドリンカーを連結することもできる。
インスリンのA鎖とB鎖を接合するために使用することができる他のリンカーには、次に挙げるものがある:酵素基質、例えばカテプシンB基質、カテプシンD基質、トリプシン基質、トロンビン基質、スブチリシン基質、第Xa因子基質、およびエンテロキナーゼ基質;溶解性、可撓性(flexibility)および/または細胞内切断可能性を増加させるリンカーには、(glyser)および(sermgly)[式中、mは1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは2〜4であり、nは1〜30、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4である]などのリンカーがある(例えば典型的リンカーが記載されているPCT国際出願WO96/06641を参照されたい)。いくつかの態様では、各リンカーの望ましい性質を利用するために、数個のリンカーを含めることができる。
3. 発現
インスリンおよびヒアルロナン分解酵素ポリペプチドは、インビボ法およびインビトロ法を含む、当業者に知られる任意の方法によって製造することができる。所望のタンパク質は、要求される量および形態(例えば投与および処置に必要とされる量および形態)でそのタンパク質を生産するのに適した任意の生物中で発現させることができる。発現宿主には、原核生物および真核生物、例えば大腸菌、酵母、植物、昆虫細胞、哺乳動物細胞(ヒト細胞株およびトランスジェニック動物を含む)が含まれる。発現宿主は、そのタンパク質産生レベルが異なり得ると共に、発現されたタンパク質上に存在する翻訳後修飾のタイプも異なり得る。発現宿主の選択は、これらの因子および他の因子、例えば調節および安全性の問題、生産コスト、ならびに精製の必要性および精製の方法などに基づいて行うことができる。
多くの発現ベクターが利用可能であり、当業者に知られており、それらをタンパク質の発現に使用することができる。発現ベクターの選択は、宿主発現系の選択によって左右されるだろう。一般に発現ベクターは、転写プロモーターを含み、場合によってはエンハンサー、翻訳シグナル、ならびに転写および翻訳終結シグナルを含み得る。安定形質転換に使用される発現ベクターは、一般的に、形質転換細胞の選択と維持を可能にする選択可能マーカーを持つ。複製起点を使用してベクターのコピー数を増幅することができる場合もある。
溶解性ヒアルロニダーゼポリペプチドは、タンパク質融合物として利用し、または発現させることもできる。例えば、酵素に付加的機能を加えるために、酵素融合物を作製することができる。酵素融合タンパク質の例には、シグナル配列、タグ、例えば位置確認(localization)用のタグ、例えばhisタグもしくはmycタグ、または精製用タグ、例えばGST融合物、ならびにタンパク質分泌および/または膜会合を指示するための配列の融合物などがあるが、これらに限定されない。
a. 真核細胞
原核生物、特に大腸菌は、大量のタンパク質を生産するための系になる。大腸菌の形質転換は当業者に周知の簡便で迅速な技法である。大腸菌用の発現ベクターは誘導性プロモーターを含有することができ、そのようなプロモーターは、高レベルのタンパク質発現を誘導するのに有用であり、宿主細胞に対して何らかの毒性を示すタンパク質を発現させるのにも有用であるものを含む。誘導性プロモーターの例には、lacプロモーター、trpプロモーター、ハイブリッドtacプロモーター、T7およびSP6 RNAプロモーター、ならびに温度感受性λPLプロモーターなどがある。
タンパク質(例えば本明細書に記載する任意のタンパク質)は、大腸菌の細胞質環境中で発現させることができる。細胞質は還元的環境であり、一部の分子にとって、これは不溶性封入体の形成をもたらし得る。タンパク質を再可溶化するにはジチオスレイトールやβ−メルカプトエタノールなどの還元剤およびグアニジン−HClや尿素などの変性剤を使用することができる。代替的アプローチは、周辺腔におけるタンパク質の発現である。代替的アプローチは、酸化的環境ならびにシャペロニン様イソメラーゼおよびジスルフィドイソメラーゼを含み、溶解性タンパク質の産生をもたらすことができる周辺腔におけるタンパク質の発現である。一般的に、タンパク質をペリプラズムに向かわせるリーダー配列が、発現されるべきタンパク質に融合される。その場合、リーダーは、ペリプラズム内で、シグナルペプチダーゼによって除去される。ペリプラズムを標的とする(periplasmic-targeting)リーダー配列には、ペクチン酸リアーゼ遺伝子由来のpelBリーダー、およびアルカリホスファターゼ遺伝子由来のリーダーなどがある。ペリプラズム発現により、発現されたタンパク質の培養培地への漏出が可能になる場合もある。タンパク質の分泌は培養上清からの迅速かつ簡便な精製を可能にする。分泌されないタンパク質は浸透圧溶解によってペリプラズムから得ることができる。細胞質発現と同様に、時には、タンパク質が不溶性になることもあり、可溶化および再フォールディングが容易になるように、変性剤および還元剤を使用することができる。誘導温度および成長温度も、発現レベルおよび溶解性に影響を及ぼすことがあり、一般的に、25℃〜37℃の温度が使用される。一般的に、細菌は非グリコシル化タンパク質を産生する。タンパク質が機能するためにグリコシル化を要求する場合は、宿主細胞から精製した後に、インビトロでグリコシル化を追加することができる。
b. 酵母細胞
サッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ヤロウイア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)およびピキア・パストリス(Pichia pastoris)などの酵母は、タンパク質(例えば本明細書に記載する任意のタンパク質)の生産に使用することができる周知の酵母発現宿主である。酵母は、エピソーム複製ベクターで形質転換させるか、相同組換えによる安定染色体組込みで形質転換させることができる。一般的に、遺伝子発現を調節するために、誘導性プロモーターが使用される。そのようなプロモーターの例には、GAL1、GAL7およびGAL5、ならびにメタロチオネインプロモーター、例えばCUP1、AOX1、または他のピキア(Pichia)プロモーターもしくは他の酵母プロモーターがある。発現ベクターは、多くの場合、形質転換されたDNAを選択し維持するために、LEU2、TRP1、HIS3およびURA3などの選択可能マーカーを含む。酵母中で発現されたタンパク質は溶解性であることが多い。Bipなどのシャペロニン類およびタンパク質ジスルフィドイソメラーゼとの共発現により、発現レベルおよび溶解性が改善され得る。また、酵母中で発現されるタンパク質は、例えばサッカロミセス・セレビシェに由来する酵母接合型α因子分泌シグナルなどの分泌シグナルペプチド融合物、およびAga2p接合付着受容体(mating adhesion receptor)またはアークスラ・アデニニボランス(Arxula adeninivorans)グルコアミラーゼなどの酵母細胞表面タンパク質との融合物を使って、分泌するように指示することもできる。発現されたポリペプチドが分泌経路を出た時に、融合された配列を発現されたポリペプチドから除去するために、プロテアーゼ切断部位、例えばKex−2プロテアーゼの切断部位を、工学的に作ることができる。酵母はAsn−X−Ser/Thrモチーフでグリコシル化を行う能力も持つ。
c. 昆虫細胞
昆虫細胞、特にバキュロウイルス発現を用いるものは、ヒアルロニダーゼポリペプチドなどのポリペプチドを発現させるのに有用である。昆虫細胞は高レベルのタンパク質を発現し、高等真核生物が使用する翻訳後修飾の大半を行う能力を持つ。バキュロウイルスは宿主域が制限されており、それが安全性を向上させ、真核細胞発現に関する規制上の懸念を減少させる。典型的な発現ベクターは、高レベル発現用のプロモーター、例えばバキュロウイルスのポリヘドリンプロモーターを使用する。よく使用されるバキュロウイルス系は、例えばオートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多核体病ウイルス(AcNPV)およびカイコ(Bombyx mori)核多核体病ウイルス(BmNPV)などのバキュロウイルスと、例えばツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)に由来するSf9、シューダレチア・ユニパンクタ(Pseudaletia unipuncta)(A7S)およびオオカバマダラ(Danaus plexippus)(DpN1)などの昆虫細胞株を含む。高レベル発現には、発現されるべき分子のヌクレオチド配列を、ウイルスのポリヘドリン開始コドンのすぐ下流に融合する。哺乳類分泌シグナルは昆虫細胞では正確にプロセシングされ、発現されたタンパク質を培養培地中に分泌させるには、これらのシグナルを使用することができる。加えて、細胞株シューダレチア・ユニパンクタ(A7S)およびオオカバマダラ(DpN1)は、哺乳動物細胞系と類似するグリコシル化パターンを持つタンパク質を産生する。
昆虫細胞におけるもう一つの発現系は安定形質転換細胞の使用である。発現には、シュナイダー(Schneider)2(S2)細胞およびKc細胞(キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster))およびC7細胞(ヒトスジシマカ(Aedes albopictus))などの細胞株を使用することができる。カドミウムまたは銅による重金属誘導の存在下で高レベル発現を誘導するために、ショウジョウバエ(Drosophila)メタロチオネインプロモーターを使用することができる。発現ベクターは、典型的には、ネオマイシンやハイグロマイシンなどの選択可能マーカーの使用によって維持される。
d. 哺乳動物細胞
溶解性ヒアルロニダーゼポリペプチドなどのタンパク質を発現させるために、哺乳類発現系を使用することができる。発現コンストラクトは、アデノウイルスなどのウイルス感染によって、またはリポソーム、リン酸カルシウム、DEAE−デキストランなどの直接的DNA導入によって、また、エレクトロポレーションやマイクロインジェクションなどの物理的手段によって、哺乳動物細胞に導入することができる。哺乳動物細胞用の発現ベクターは、一般的に、mRNAキャップ部位、TATAボックス、翻訳開始配列(コザック(Kozak)コンセンサス配列)およびポリアデニル化要素を含む。選択可能マーカーなどのもう一つの遺伝子との2シストロン性発現が可能になるように、IRES要素も加えることができる。そのようなベクターは、多くの場合、高レベル発現のための転写プロモーター−エンハンサー、例えばSV40プロモーター−エンハンサー、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターおよびラウス肉腫ウイルス(RSV)の末端反復配列などを含む。これらのプロモーター−エンハンサーは多くの細胞タイプにおいて活性である。発現には、組織型および細胞型のプロモーターおよびエンハンサー領域も使用することができる。典型的なプロモーター/エンハンサー領域には、エラスターゼI、インスリン、免疫グロブリン、マウス乳房腫瘍ウイルス、アルブミン、αフェトプロテイン、α1アンチトリプシン、βグロビン、ミエリン塩基性タンパク質、ミオシン軽鎖2、および性腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子制御領域(gonadotropic releasing hormone gene control)などの遺伝子に由来するものがあるが、これらに限定されない。発現コンストラクトを持つ細胞を選択し、維持するために、選択可能マーカーを使用することができる。選択可能マーカー遺伝子の例には、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)およびチミジンキナーゼなどがあるが、これらに限定されない。例えば、DHFR遺伝子を発現させる細胞だけを選択するために、メトトレキサートの存在下で発現を行うことができる。TCR−ζやFcεRI−γなどの細胞表面シグナリング分子との融合により、細胞表面上で活性な状態にあるタンパク質の発現を指示することができる。
哺乳類発現には、マウス細胞、ラット細胞、ヒト細胞、サル細胞、ニワトリ細胞およびハムスター細胞など、多くの細胞株を利用することができる。典型的細胞株には、CHO、Balb/3T3、HeLa、MT2、マウスNS0(非分泌性)および他の骨髄腫細胞株、ハイブリドーマおよびヘテロハイブリドーマ細胞株、リンパ球、線維芽細胞、Sp2/0、COS、NIH3T3、HEK293、293S、2B8、およびHKB細胞などがあるが、これらに限定されない。細胞培養培地からの分泌タンパク質の精製を容易にする無血清培地に適応した細胞株も利用できる。例として、CHO−S細胞(Invitrogen, Carlsbad, CA, cat # 11619-012)および無血清EBNA−1細胞株(Pham et al., (2003) Biotechnol. Bioeng. 84:332-42)が挙げられる。発現量が最大になるように最適化された特別な培地での成長に適応した細胞株も利用できる。例えばDG44 CHO細胞は、動物性産物を含まない合成培地における懸濁培養での成長に適応している。
e. 植物
タンパク質(例えば本明細書に記載する任意のタンパク質)を発現させるために、トランスジェニック植物細胞およびトランスジェニック植物を使用することができる。発現コンストラクトは、一般的に、微粒子銃(microprojectile bombardment)やプロトプラストへのPEGによる導入などといった直接的DNA導入を使って、またアグロバクテリウムによる形質転換を使って、植物に導入される。発現ベクターは、プロモーターおよびエンハンサー配列、転写終結要素および翻訳制御要素を含むことができる。発現ベクターおよび形質転換技法は、通常は、アラビドプシス(Arabidopsis)やタバコなどの双子葉植物宿主用と、トウモロコシやイネなどの単子葉植物宿主用とに分けられる。発現に使用される植物プロモーターの例には、カリフラワーモザイクウイルスプロモーター、ノパリンシンターゼプロモーター、リボース二リン酸カルボキシラーゼプロモーター、ならびにユビキチンプロモーターおよびUBQ3プロモーターなどがある。形質転換細胞の選択と維持が容易になるように、ハイグロマイシン、ホスホマンノースイソメラーゼおよびネオマイシンホスホトランスフェラーゼなどの選択可能マーカーが、多くの場合、使用される。形質転換植物細胞は、細胞、凝集体(カルス組織)として培養維持するか、全植物体に再生させることができる。トランスジェニック植物細胞には、ヒアルロニダーゼポリペプチドを産生するように工学的に操作された藻類も含めることができる。植物は哺乳動物細胞とは異なるグリコシル化パターンを持つので、これは、これらの宿主中で生産されたタンパク質の選択に影響を及ぼし得る。
4. 精製方法
インスリンポリペプチドおよびヒアルロナン分解酵素ポリペプチドまたは他のタンパク質などといったポリペプチドを宿主細胞から精製するための方法は、選択した宿主細胞と発現系に依存するだろう。分泌される分子の場合、タンパク質は一般に、細胞を除去した後に、培養培地から精製される。細胞内発現の場合は、細胞を溶解し、タンパク質を抽出物から精製することができる。トランスジェニック植物やトランスジェニック動物などのトランスジェニック生物を発現に使用する場合は、組織または臓器を、溶解細胞抽出物を作るための出発物質として使用することができる。また、トランスジェニック動物生産には、乳または卵におけるポリペプチドの生産を含めることができ、それらは、収集し、必要であれば、当技術分野における標準的方法を使って、タンパク質を抽出し、さらに精製することができる。
インスリンポリペプチドまたはヒアルロナン分解酵素ポリペプチドなどのタンパク質は、当技術分野において知られる標準的なタンパク質精製技法、例えば限定するわけではないが、SDS−PAGE、サイズ分画およびサイズ排除クロマトグラフィー、硫酸アンモニウム沈殿、およびアニオン交換クロマトグラフィーなどのイオン交換クロマトグラフィーなどを使って精製することができる。効率および調製物の純度を改善するためにアフィニティ精製技法を利用することもできる。アフィニティ精製では、例えばヒアルロニダーゼ酵素を結合する抗体、受容体および他の分子を使用することができる。発現コンストラクトを工学的に操作して、mycエピトープ、GST融合物またはHisなどのアフィニティタグをタンパク質に付加し、それぞれmyc抗体、グルタチオン樹脂およびNi樹脂を使ってアフィニティ精製することもできる。純度は、当技術分野で知られる任意の方法、例えばゲル電気泳動、オルソゴナル(ortoganal)なHPLC法、染色および分光測光技法などによって評価することができる。
H. 治療用途
ここで提供するヒアルロナン分解酵素リーディング・エッジCSII方法を含むCSII方法は、速効性インスリンを用いるあらゆる状態の処置に使用できる。このセクションは、速効性のインスリンの治療用途の例を示す。下記治療用途は例であり、ここに記載する方法の適用を限定しない。治療用途は、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠性糖尿病、および重症患者における血糖コントロールを含むが、これらに限定されない。このような疾患または状態の同定は処置医の技術の範囲内である。
上記のとおり、特定の投与量および処置プロトコルは典型的に各対象に個別的である。必要であれば、特定の投与量および期間および処置プロトコルを経験的に決定または外挿できる。例えば、ヒアルロナン分解酵素を伴わない速効性のインスリンの例示的投与量を出発点として使用して、ここに提供する方法における適当な投与量を決定できる。投与レベルは多様な因子、例えば個体の体重、一般的健康、年齢、用いる特定化合物の活性、性別、食習慣、代謝活性、血糖濃度、投与時間、排泄速度、薬剤組み合わせ、疾患の重症度および経過、および患者の疾患に対する素質および処置医の判断により決定できる。特に例えば血糖センサーで測定した、血糖値を測定し、使用して、血糖コントロールを達成するために投与すべきインスリンおよびヒアルロナン分解酵素の量を決定できる。アルゴリズムは当分野で知られており、ここに提供する速効性インスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤の吸収速度および吸収レベルに基づき、およびまた血糖値に基づき決定するために使用できる。食後血糖コントロールのためのインスリン投与量は、例えば、食事の炭水化物量の決定により計算または調節できる(例えば、Bergenstal et al., (2008) Diabetes Care 31:1305-1310, Lowe et al., (2008) Diabetes Res. Clin. Pract. 80:439-443, Chiesa et al.,(2005) Acta Biomed. 76:44-48参照)。
1. 糖尿病
真性糖尿病(または糖尿病)はグルコース代謝障害を特徴とする。血中グルコースは腸で吸収された糖質に由来し、肝臓で産生される。血中グルコースレベルの増加はインスリン放出を刺激する。食後グルコースインフラックス(influx)は食間に観察されるグルコースの肝産生量より20〜30倍高くなり得る。10分前後続く初期相インスリン放出は肝グルコース産生を抑制し、その後に、2時間以上持続して食事時間糖質インフラックスをカバーする長い(後期)放出相が起こる。食間は、低い連続的インスリンレベル(基礎インスリン)が進行中の代謝要件をカバーして、特に、肝糖産生を調節すると共に、脂肪組織、筋組織および他の標的部位によるグルコース利用を調節する。糖尿病を持つ患者は高い血中グルコースレベル(高血糖)を示す。糖尿病は、1型糖尿病と2型糖尿病の2つに大別することができる。1型糖尿病またはインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)は、インスリンの欠乏につながる膵臓におけるランゲルハンス島のインスリン産生β細胞の消失を特徴とする。β細胞欠乏の主要原因はT細胞による自己免疫である。2型糖尿病またはインスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM)はβ細胞機能異常を持つ患者で起こる。これらの患者は、インスリン抵抗性または低下したインスリン感受性と、インスリン分泌量の減少とを併せ持つ。2型糖尿病は最終的には1型糖尿病に進展し得る。糖尿病には妊娠糖尿病も含まれる。糖尿病を持つ患者には、基礎インスリンレベルを維持するためにも、食事後などに起こる血糖エクスカーションを防止するためにも、インスリンを投与することができる。
a. 1型糖尿病
1型糖尿病は、膵臓の内分泌単位であるランゲルハンス島の浸潤およびβ細胞の破壊を特徴とし、それがインスリン産生量の不足と高血糖につながる、T細胞依存的自己免疫疾患である。1型糖尿病は、最も一般的には小児および若年成人で診断されるが、どの年齢でも診断され得る。1型糖尿病を持つ患者は、低いインスリンレベルおよび高い血中グルコースレベルに加えて、多尿症、多飲症(polydispia)、多食症、かすみ目および疲労を示し得る。126mg/dL(7.0mmol/l)以上の空腹時血漿中グルコースレベル、例えばグルコース耐性検査などにおける75g経口グルコース負荷の2時間後に200mg/dL(11.1mmol/l)以上の血漿中グルコースレベル、および/または200mg/dL(11.1mmol/l)以上の随時血漿中グルコースレベルを示すことによって、患者を診断することができる。
1型糖尿病を持つ患者に対する主要な処置は、一般的に、血中グルコースモニタリングと合わせて行われる補充療法としてのインスリンの投与である。十分なインスリンの補充がないと、糖尿病性ケトアシドーシスが発生する可能性があり、それは昏睡または死をもたらし得る。患者には、1日中適切な血中グルコースレベルを維持するためにも、食後グルコースレベルを管理するためにも、例えばシリンジもしくはインスリンペン、またはインスリンポンプを使って、速効型インスリンの皮下注射を投与することができる。いくつかの例では、インスリンポンプ(クローズドループ系におけるものを含む)を使ってインスリンを腹腔内投与することができる。このように、1型糖尿病を持つ患者には、血中グルコースレベルおよび血中インスリンレベルをより迅速に管理するために、本明細書に記載する速効性インスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤を、シリンジ、インスリンペン、もしくはインスリンポンプ、またインスリンを送達するのに役立つ他の任意の手段によって、皮下投与または腹腔内投与することができる。
b. 2型糖尿病
2型糖尿病はインスリン抵抗性に関連し、いくつかの集団では、インスリン減少症(insulinopenia)(β細胞機能の消失)にも関連する。2型糖尿病では、インスリンの第1相放出がなく、第2相放出が遅延し、しかも不十分である。食事中および食事後に健常な被験者で起こるインスリン放出の鋭いスパイクが、2型糖尿病を持つ患者では遅延し、長引き、量的に不十分になり、その結果、高血糖になる。2型糖尿病を持つ患者には、血中グルコースレベルを管理するために、インスリンを投与することができる(Mayfield et al. (2004) Am Fam Physican 70:489-500)。これは、他の処置および処置レジメ、例えば食事制限、運動および他の抗糖尿病治療(例えばスルホニル尿素類、ビグアニド類、メグリチニド類、チアゾリジンジオン類およびα−グルコシダーゼ阻害剤)などと組み合わせて行うことができる。このように、2型糖尿病を持つ患者には、血中グルコースレベルおよび血中インスリンレベルをより迅速に管理するために、本明細書に記載する速効性インスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤を、シリンジ、インスリンペン、もしくはインスリンポンプ、またインスリンを送達するのに役立つ他の任意の手段によって、皮下投与または腹腔内投与することができる。
c. 妊娠性糖尿病
今までに糖尿病を患ったことは一度もないが、妊娠中に高い血中グルコースレベルを持つ妊婦は、妊娠糖尿病と診断される。このタイプの糖尿病は、試験対象の集団に依存して、全妊婦の約1〜14%を冒す(Carr et al., (1998) Clinical Diabetes 16)。基礎となる原因はまだわかっていないが、おそらく妊娠中に産生されるホルモンがインスリンに対する妊婦の感受性を低下させるものと思われる。インスリン感受性細胞による正常なインスリン結合が証明されているので、インスリン抵抗性の機序はおそらく受容体後の欠陥(postreceptor defect)である。膵臓は、結果として起こるインスリン抵抗性の増加に応答するために、1.5〜2.5倍多いインスリンを放出する。正常な膵臓機能を持つ患者はこれらの需要を満たすことができる。境界的な膵臓機能を持つ患者は、インスリン分泌を増加させることが困難であり、その結果、不十分なレベルのインスリンを産生する。こうして、増加した末梢インスリン抵抗性の存在下で、遅延したまたは不十分なインスリン分泌が起こる場合に、妊娠糖尿病が生じる。
妊娠糖尿病を持つ患者には、血中グルコースレベルを管理するために、インスリンを投与することができる。したがって妊娠糖尿病を持つ患者には、血中グルコースレベルおよび血中インスリンレベルをより迅速に管理するために、シリンジ、インスリンペン、インスリンポンプもしくは人工膵臓、または他の任意の手段により、本明細書に記載する速効性インスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤を皮下投与することができる。
2. 重症患者のためのインスリン治療
高血糖およびインスリン抵抗性は内科的および/または外科的に重篤な患者においてしばしば起こり、糖尿病患者でも被糖尿病患者でも、また外傷性傷害、脳卒中、無酸素性脳損傷、急性心筋梗塞、心臓手術後、および重症の他の原因を持つ患者でも、罹病率および死亡率の増加と関連づけられている(McCowen et al. (2001) Crit Clin. Care 17:107-124)。高血糖を持つ重篤患者は、血中グルコースレベルを管理するためにインスリンで処置されてきた。そのような処置はこの群における罹病率および死亡率を低下させることができる(Van den Berghe et al. (2006) N.Eng.J Med. 354:449-461)。インスリンは一般的に、例えば開業医によるシリンジを使った注射によって、またはインスリンポンプを使った注入によって、患者に静脈内投与される。いくつかの例では、アルゴリズムおよびソフトウェアを使って用量が算出される。したがって、高血糖を持つ重篤患者には、血中グルコースレベルを管理するために、本明細書に記載する速効性インスリンおよびヒアルロナン分解酵素の配合剤を投与し、それによって高血糖を軽減し、罹病率および死亡率を減少させることができる。
J. 組み合わせ治療
ここに記載する方法は、さらに、他の生物製剤および小分子化合物を含むが、これらに限定されない他の治療剤を、予め、断続的にまたは連続して、投与する工程を含み得る。速効型インスリンが適応となるか、速効型インスリンが使用されてきた疾患または状態であって、他の薬剤および処置を利用することができるものには、上に例示したものを全て含めてどれでも、それらは本方補得において使用できる。処置される疾患または状態に応じて、典型的な他の治療剤には、抗糖尿病薬、例えば限定するわけではないが、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、チアゾリジンジオン、α−グルコシダーゼ阻害剤、ペプチド類似体、例えばグルカゴン様ペプチド(GLP)類似体、および胃抑制ペプチド(GIP)類似体、ならびにDPP−4阻害剤との組合せなどがあるが、これらに限定されない。他の例において、本方法はさらに速効性インスリン、および基礎作用インスリン類を含む1種以上他のインスリン類と組み合わせて、前に、断続的に、または連続的に投与することを含む。
K. 実施例
以下に掲載する実施例は例示を目的とし、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
実施例1
インスリンおよびインスリン−PH20製剤
A. インスリンアスパルト
これらの試験で使用したインスリンアスパルトは市販品インスリンアスパルト: Novo Nordisk, NovoRapid(登録商標)(インスリンアスパルト。米国ではNovoLog(登録商標)と命名; Lot XS60195)。本製品は100U/mLインスリンアスパルト、0.1096mg/mL亜鉛、1.25mg/mL(7mM)リン酸水素二ナトリウム二水和物、0.58mg/mL(10mM)NaCl、16mg/mL(170mM)グリセリン、1.5mg/mL(0.15%)フェノールおよび1.72mg/mL(0.172%)m−クレゾールを含んだ。
B. インスリンアスパルト−PH20製剤
医薬品アスパルト−PH20は、活性成分組み換えインスリンアスパルトと組み換えヒトヒアルロニダーゼ(rHuPH20、実施例5〜7参照)の中性pH、緩衝等張水溶液中の滅菌、複数投与用防腐製剤である。水溶液は1mLあたりインスリンアスパルト(組み換えインスリンアスパルト)3.50mg;rHuPH20(組み換えヒトヒアルロニダーゼ)5.0μg;トロメタミン(Tris塩基)3.63mg;塩化ナトリウム2.92mg;メチオニン14.9mg;ポロキサマー188(Pluronic F68)0.10mg;メタクレゾール0.78mg;フェノール1.34mg;およびpHを7.4に調節するための水酸化ナトリウムおよび/または塩酸を含む。いくつかの製剤において、水溶液は1mLあたりインスリンアスパルト(組み換えインスリンアスパルト)3.50mg;rHuPH20(組み換えヒトヒアルロニダーゼ)5.0μg;トロメタミン(Tris塩基)3.63mg;塩化ナトリウム2.92mg;メチオニン14.9mg;ポロキサマー188(Pluronic F68)0.10mg;メタクレゾール0.75mg;フェノール1.25mg;およびpHを7.4に調節するための水酸化ナトリウムおよび/または塩酸を含む。
実施例2
連続的皮下インスリン注入(CSII)によるインスリンアスパルトおよびPH20製剤の薬物動態学(PK)および糖力学
実施例1に記載したインスリンアスパルト製剤(アスパルト−PH20)とヒトヒアルロニダーゼ(rHuPH20)を、入院患者における連続的皮下注入により送達したときの3日間の糖尿病処置について市販インスリンアスパルト製剤(NovoLog(登録商標))と比較した。既に連続的皮下インスリン注入(CSII)を使用している16名の型糖尿病対象は、2回の来院で無作為の順序でCSIIによる各治験薬を投与された。対象は、3日間の治験で入院患者に限定した。
A. 治験プロトコル
第一日(日1)の午後、Medtronic Paradigmポンプ系を使用して、対象に新規注入部位を設置し、貯蔵部をアスパルト−PH20またはNovolog(登録商標)で満たした。治験設計は、約72時間にわたる観察期間の注入セット性能の比較を可能にした。
新規インスリン注入カテーテルセット挿入12〜14時間後、正常血糖性グルコースクランプ実験を行った(第一クランプ;注入設置1/2日間後)。正常血糖性グルコースクランプをBiostatorで行い、連続的グルコース測定および一定血糖値を維持するための20%グルコース水溶液の静脈内注入可変速度の調節をした(Heinemann L, Anderson JH, Jr. Measurement of insulin absorption and insulin action. Diabetes Technol Ther 2004;6:698-718);基礎静脈内インスリン注入は本治験では用いなかった。血糖を治験中内因性インスリン放出を抑制するために空腹時レベルの90%にクランプした。0.15U/kgボーラスをインスリンポンプで投与し、通常の個々の基底速度をクランプの間続け、それ故に、PK結果はベースラインが減算されている。
正常血糖性グルコースクランプ治験中、対象を6時間追跡し、その間採血し、遊離インスリンレベルおよび正常血糖を維持するのに必要なグルコース注入速度を決定した。有効な慣用の競合的放射免疫アッセイ(RIA)方法を使用してヒト血清サンプル中のインスリンアスパルト濃度を決定した。RIAに使用したトレーサーおよび一次抗体は[125I]−インスリントレーサー(Millipore, Catalog # 9011)およびモルモット抗インスリン(Millipore, Catalog # 1013-K)抗血清(ヒトインスリン、ラットインスリン、イヌインスリン、およびインスリンリスプロと100%交差反応するであった。試験サンプル中のIRI濃度を10〜5,000pM範囲のインスリンアスパルトの標準曲線からの内挿により概算した。
4日目の注入セット設置約60時間後、および第一クランプ約48時間後、正常血糖性グルコースクランプ実験を繰り返した(第二クランプ;注入設置2.5日後)。対象を上記のとおり6時間追跡し、その間採血し、遊離インスリンレベルおよび正常血糖を維持するのに必要なグルコース注入速度を決定した。
B. 結果
1. インスリンの薬物動態学
第一および第二クランプ研究の結果を血清免疫反応性インスリン(IRIをpmol/L)濃度対時間で表6に示す。表7は血清免疫反応性インスリン結果(平均±SD)を示す。結果をまた図1に示す。
RHuPH20存在下、アスパルト吸収は1/2日間CSII(第一クランプ)および2.5日CSII(第二クランプ)のいずれの後もアスパルト単独と比較して加速される(図1参照)。例えば、1/2日間CSII結果は、インスリンアスパルト−PH20製剤の最初の1時間のインスリン暴露が総AUCの35%であり、アスパルト単独では総AUCの21%であるのに対し、2時間での暴露はそれぞれ29%および48%であることを示し、総AUCの2.5日CSII結果は、インスリンアスパルト−PH20製剤の最初の1時間のインスリン暴露が総AUCの51%であり、アスパルト単独では総AUCの33%であるのに対し、2時間での暴露はそれぞれ総AUCの17%および34%であることを示した。これは、rHuPH20がインスリン暴露を加速するとの先の試験と一致する。
市販アスパルト(Novolog(登録商標))について、インスリン吸収は、1/2日間CSIIに比較して2.5日後加速され、インスリン暴露で最初の1時間が総AUCの21%から33%に増加し、2時間後の暴露が48%から34%に減少した。インスリンアスパルト−PH20製剤について、インスリン暴露はまた1/2日と比較して2.5日CSIIで加速され、最初の1時間のインスリン暴露が35%から51%に増加し、2時間後の暴露が総暴露の29%から17%に減少した。最初の1時間の絶対的インスリン暴露もまたインスリンアスパルトについて日1/2の11.4nM*分から日2.5の21.4nM*分に増加した。これは、幾何平均比の67%増加に対応する。日2.5の最初の1時間の暴露増加に加えて、暴露の患者間可変性も、変動係数(CV)が33%から63%に増加して増えた。インスリンアスパルト−rHuPH20製剤について、最初の1時間のインスリン暴露はあまり増加せず、日1/2の22.4nM*分から日2.5の30.0nM*分であった。これは、幾何平均比の39%増加に対応する。インスリンアスパルト−rHuPH20製剤はまた患者間可変性の増加も示さず、CVは実際35%から28%にわずかに減少した。
総インスリン暴露(0〜6時間)は、1/2日と2.5日の注入セット装着を比較したとき、インスリンアスパルト単独またはrHuPH20との配合剤のいずれも一般的に同じであった(統計学的有意差なし)。
2. 糖力学
糖力学を、ボーラスインスリン投与後の正常血糖を維持するのに必要なグルコースの注入速度の測定により決定した。各処置群の糖力学結果を表8に要約する。GIR注入速度も図2に表す。結果は上記薬物動態学における加速と一致する。
GIRmax:グルコース注入のピーク速度;G(0−1、0−2、0−3、0−4):示した時間間隔での注入した総グルコース(g/kg)
注入セット寿命の間に見られる速い作用開始と短い作用時間に加えて(第二クランプと比較した第一クランプ)、結果はまた正常血糖クランプ方法でアッセイした総インスリン作用(Gtot;実験の間注入した累積グルコース)が、注入セットの全期間にわたって低下することを示した。例えば、市販アスパルト単独(Novolog(登録商標))およびインスリンアスパルト−rHuPH20製剤のいずれも、第一クランプの時期は2.0g/kgの同じ総インスリン作用を示した。しかしながら、2日後、第二クランプで、総インスリン作用は、インスリンアスパルト−rHuPH20製剤の程度が大きかったが両治験で減少していた(図3参照)。両処置(市販インスリンアスパルト単独またはインスリンアスパルト−rHuPH20製剤)は第一クランプから第二クランプで加速されており、rHuPH20のインスリンアスパルトへの添加は、両時点で市販インスリンアスパルト単独と比較して速い時間−作用プロファイルをもたらした(図4参照)。
3. 食事に対する血糖応答
食事に対する血糖応答を表9に示す。
アスパルト−rHuPH20で、食事変動は一貫して良好にコントロールされており、食後高血糖は添加なしより良かった。
4. 有害事象
有害事象を注入処置の間評価した。表10は観察された有害事象を示す。結果は、中程度または重篤な有害事象はrHuPH20暴露と関連しなかったことを示す。
5. 要約
結果は、rHuPH20が、インスリンと共投与したとき、1/2日間CSIIと比較した2.5日後のインスリン吸収の加速を、無くしはしないが、減少させることを示す。これは、注入セット寿命の関数としてのインスリン暴露および作用の毎日の可変性の減少と相関する。rHuPH20が存在すると、データは時間−暴露および総インスリン作用−標準化時間−作用プロファイルの一貫性の増加を示す。
実施例3
PH20前処置有りおよび無しの連続的皮下インスリン注入(CSII)によるインスリンアスパルト投与
市販インスリンアスパルト製剤(NovoLog(登録商標))を、入院患者で連続的皮下注入により3日間の糖尿病処置で投与した。最初に、4名の既に連続的皮下インスリン注入(CSII)を使用している1型糖尿病の対象に、NovoLog(登録商標)を、150単位(U)のrHuPH20(実施例5〜7に記載のとおり製造)での前処置有りまたは無しで、2回の来院時無作為の順序でCSIIで投与した。治験を、治験プロトコルを完了した対象が15名になるまで続け、さらに治験プロトコルを完了した対象が17名になるまで続けた。対象は、3日間の治験で入院患者に限定した。
A. 治験プロトコル
1日目の午前、対象に新規注入部位カニューレを設置し(Medtronic Quick-set)、偽注射または1mLのrHuPH20(1mg/mLのヒト血清アルブミンを用いリン酸緩衝化食塩水で製剤された150U/mL組み換えヒトヒアルロニダーゼ)の注射を、注入セットおよびカニューレを通して行った。RHuPH20投与直後(例えば数分以内)、貯蔵部にNovoLog(登録商標)を満たし、患者にインスリンをCSII(Medtronic Paradigmポンプ系)により約3日間の観察期間投与した。
新規インスリン注入カテーテルセット挿入約2時間後、正常血糖性グルコースクランプ実験を行った(第一クランプ)。正常血糖性グルコースクランプをBiostatorで行い、連続的グルコース測定および一定血糖値を維持するための20%グルコース水溶液の静脈内注入可変速度の調節をした(Heinemann L, Anderson JH, Jr. Measurement of insulin absorption and insulin action. Diabetes Technol Ther 2004;6:698-718);基礎静脈内インスリン注入は本治験では用いなかった。血糖を治験中内因性インスリン放出を抑制するために空腹時レベルの90%にクランプした。0.15U/kgボーラスをインスリンポンプで投与し、通常の個々の基底速度をクランプの間続け、それ故に、PK結果はベースラインが減算されている。
正常血糖性グルコースクランプ治験中、対象を6時間追跡し、その間採血し、遊離インスリンレベルおよび正常血糖を維持するのに必要なグルコース注入速度を決定した。有効な慣用の競合的放射免疫アッセイ(RIA)方法を使用してヒト血清サンプル中のインスリンアスパルト濃度を決定した。RIAに使用したトレーサーおよび一次抗体は[125I]−インスリントレーサー(Millipore, Catalog # 9011)およびモルモット抗インスリン(Millipore, Catalog # 1013-K)抗血清(ヒトインスリン、ラットインスリン、イヌインスリン、およびインスリンリスプロと100%交差反応するであった。試験サンプル中のIRI濃度を10〜5,000pM範囲のインスリンアスパルトの標準曲線からの内挿により概算した。
注入セット設置約26時間後、および第一クランプ約24時間後、正常血糖性グルコースクランプ実験を繰り返した(第二クランプ)。注入セット設置約74時間後、および第二クランプ約48時間後、正常血糖性グルコースクランプ実験を再び繰り返した(第三クランプ)。各治験において、対象を上記のとおり6時間追跡し、その間採血し、遊離インスリンレベルおよび正常血糖を維持するのに必要なグルコース注入速度を決定した。
患者はまた標準化固形夕食(45〜50%CHO、18〜22%タンパク質、30〜34%脂肪)を各連続4日間受領した(rHuPH20無しで新規注入セット約2時間後、およびrHuPH20有りまたは無しで注入セット使用約1/2日、1.5日、および2.5日後)。各食事直前、患者にインスリンポンプを介してNovoLog(登録商標)の患者および食事特異的ボーラス注入をして、食事に対する血糖応答を決定した。
B. 結果
1. インスリンの薬物動態
各クランプ実験からの結果を表11に示し、結果は15名の完了者(表11a)および完全17名完了者(表11b)の要約である。結果をまた図5に示す。
幾何平均として記載
rHuPH20での前処置で、インスリンは注入部位寿命をとおして急速に吸収された。rHuPH20なしの第一クランプと比較して、rHuPH20有りの全クランプは、最初の1時間の大きな暴露、大きくかつ速いピーク暴露および少ない2時間後の暴露の特徴的超速プロファイルを有した。
rHuPH20前処置後のクランプの各々は類似の超速プロファイルを有したが、rHuPH20無しのクランプは注入セットが古くなるに連れてインスリン吸収の系統的変動を示した。
2. 糖力学
時間の関数としてのインスリン作用プロファイル、または糖力学を、ボーラスインスリン注入後に正常血糖を維持するのに必要なグルコース注入速度の測定により結果した。各クランプ実験の結果を表12に示し、結果は15名の完了者(表12a))および完全17名完了者(表12b)の要約である。結果をまた図6に示す。
rHuPH20での前処置で、急速なインスリン吸収は注入部位寿命をとおして超速インスリン作用プロファイルに酷似した。rHuPH20なしの第一クランプと比較して、rHuPH20有りの全クランプは、最初の1−2時間の大きな作用、および早い作用開始(初期t50%)、短い作用時間、および4時間を超えて低い作用の特徴的超速プロファイルを有した。
rHuPH20前処置後のクランプの各々は類似の超速プロファイルを有したが、rHuPH20無しのクランプは注入セットが古くなるに連れてインスリン吸収の系統的変動を示した。
3. 食事に対する血糖応答
食事に対する血糖応答を表13に示し、結果は15名の完了者(表13a)および完全17名完了者(表13b)の要約である。
rHuPH20前処置有りで、食事変動は一貫して良好にコントロールされており、食後高血糖は添加なしより良かった。
4. 有害事象
有害事象を注入処置の間評価した。表14は観察された有害事象を示し、結果は15名の完了者(表14a)および完全17名完了者(表14b)の要約である。結果は、CSII注入部位に関連する有害事象のうち、2名の対象はrHuPH20暴露と関連する事象を有し(注入部位疼痛および注入部位出血)、1名の対象はインスリンアスパルト単独と関連する事象を有した(注入部位疼痛)。
CSII注入部位疼痛(n=2);CSII注入部位出血(n=1);末梢浮腫(n=2);他の事象は全て正常血糖クランプ過程で使用したIV注入部位に関連した
一次的頭痛;めまい(n=1)、振戦(n=1)
IV注入部位感染(n=1)、真菌感染(n=1)、麦粒腫(n=1)、IV注入部位蜂巣炎(n=1)
悪心(n=2)、消化不良(n=1)
頚部痛(n=1)、四肢の疼痛(n=1)
乾燥皮膚(n=1)、多汗症(n=1)
貧血(n=1)
低カリウム血症(n=1)
CSII注入部位疼痛(n=2);CSII注入部位出血(n=1);末梢浮腫(n=2);他の事象は全て正常血糖クランプ過程で使用したIV注入部位に関連した
頭痛(n=8)、めまい(n=1)、振戦(n=1)
IV注入部位感染(n=2)、真菌感染(n=1)、麦粒腫(n=1)、IV注入部位蜂巣炎(n=1)、膣感染(n=1)
悪心(n=2)、消化不良(n=1)
頚部痛(n=1)、四肢の疼痛(n=2)
乾燥皮膚(n=1)、出血斑(n=1)、多汗症(n=1)
貧血(n=2)
熱傷、1度(n=1)
低カリウム血症(n=1)
5. 結果の要約
先の報告と一致して、インスリン吸収および作用は3日間の注入セット使用で顕著に変化した。例えば、rHuPH20無しで処置した患者について、3日間の注入の最初から最後まで、15名の完了者の結果は初期インスリン暴露の15%から27%への変化への変化(p=.0004)、作用開始の60分から30分への変化(p<.0001)、および作用時間の180分間から156分間への変化(p=.0005)を示した。17名の完了者の結果は、3日間の注入の最初から最後まで、初期インスリン暴露の16%から27%への変化(p<.0001)、作用開始の59分から27分への変化(p<.0001)、および作用時間の180分間から156分間への変化(p=.0001)への変化を示した。
rHuPH20での前処置は、3日間の連続的注入の間の初期インスリン暴露、作用開始または作用時間の有意差がないため、この可変性を無くした。rHuPH20前処置はまたインスリン吸収を加速した。例えば、15名の完了者の結果の要約は、rHuPH20が56%多い初期インスリン暴露(P<.0001)、9分間速い作用開始(p=.037)、および27分間短い作用時間(p<.0001)を示し、17名の完了者では、55%多い初期インスリン暴露(P<.0001)、9分間速い作用開始(p=.018)、および27分間短い作用時間(p<.0001)をもたらいた。これは一貫し、超速プロファイルは一貫した食後変動に変換された。例えば、15名の完了者の結果の要約は2時間食後グルコース(PPG)が117mg/dLおよび無しで133mg/dL(p=.073)であり、17名の完了者でrHuPH20ありで112mg/dLおよび無しで126mg/dL(p=.098)であることを示した。また、15名の完了者での21mg/dLの2時間血糖可動域減少は有意であった(p=.017)。同様に、完全な17名の完了者の19mg/dLの2時間血糖可動域減少も有意であった(p=.020)。rHuPH20有りおよび無しのインスリンアスパルト注入は同様に良好に耐容性であった。
それ故に、結果は、150UのrHuPH20の前投与は、3.5日間の連続的注入で一貫した超速プロファイルをもたらし、これは混合夕食の一貫した食後管理を提供し、患者による一貫したPPG管理の目標レベル達成を可能とすることを示した。
実施例4
PH20前処置前処置有りおよび無しの連続的皮下インスリン注入(CSII)によるインスリンアスパルト投与
1型糖尿病患者は、CSII治療における各注入セットの単回ヒアルロニダーゼ注射の投与と、偽注射の交換を含む無作為、二重盲検、2期クロスオーバー設計臨床試験に参加した。本治験は、3日間の連続的注入の開始時および終了時の正常血糖クランプエンドポイントおよび一連の朝食固形食負荷に対する血糖応答を比較した。治験を完了した最初の3名の対象についての結果を下に示す。加えて、日常的外来糖尿病ケアにおけるグルコース管理を比較するために、3名の対象の連続的グルコースモニタリングも評価した。
A. 治験プロトコル
患者を、約16日処置期間の2期間について、偽注射またはrHuPH20ヒアルロニダーゼ注射(実施例5〜7に記載のとおり製造)を受けるよう無作為化した。各期間において、対象は最初に臨床研究ユニット(CRU)に行き、実施例3に記載の新規注入セットを受けた。簡単に言うと、対象に新規注入部位カニューレを設置し、偽注射または1mLのrHuPH20(Hylenex(登録商標);8.5mg塩化ナトリウム、1.4mgリン酸水素ナトリウム、1.0mgアルブミンヒト、0.9mg二ナトリウムエデト酸、0.3mg塩化カルシウムで製剤した150USP単位の組み換えヒトヒアルロニダーゼ、pH7.4)の注射を受けた。RHuPH20投与直後(例えば数分以内)、患者にインスリンをCSIIにより3日間注入した。注入カテーテルセット挿入4時間日、正常血糖クランプ実験を実施例3に記載のとおり行った。対象は同日にCRUから帰した。
対象は3日間後に、3日間の連続的注入後の第二の正常血糖クランプのために戻ってきた。クランプ実験後、注入セットを交換し、患者を帰した。翌12日間、対象は糖尿病を通常どおり、各4注入セットサイクルをカバーするセンサー拡張CSIIによる非遮蔽連続的グルコースモニタリングで処置した。対象はCRUに約3日毎に戻り、新規注入セットを受け、患者特異的標準化朝食およびインスリンボーラスを受けた。1mLの150単位のrHuPH20(Hylenex)の単回投与を、各注入セット交換時に投与した。二重盲検治験設計を維持するために、訓練された専門家はrHuPH20または偽注射においては本治験に断らなければ参加せず、患者から離した。第一相完了後、患者はCRUに21日以内に戻り、別の処置で本過程を繰り返した。治験中、患者は、ヒアルロニダーゼ投与方法に不適合でない限り、通常のインスリンポンプ、注入セットおよび速効型インスリン類似体を使用し、不適合の場合(例えばOmnipodポンプ、Sure-T注入セット)は治験中適合性の代替物と代えた。
B. 結果
1. 糖力学
時間の関数としてのインスリン作用プロファイル、または糖力学を、ボーラスインスリン注入後に正常血糖を維持するのに必要なグルコース注入速度を測定することにより決定した。各クランプ実験の結果を表15に記載する。
rHuPH20での前処置で、注入部位寿命を通して超速インスリン作用プロファイルであった。rHuPH20なしの第一クランプと比較して、rHuPH20有りの全クランプは、最初の1−2時間の大きな作用、および早い作用開始(初期t50%)、短い作用時間、および4時間を超えて低い作用の特徴的超速プロファイルを有した。
rHuPH20前処置後のクランプの各々は類似の超速プロファイルを有したが、rHuPH20無しのクランプは注入セットが古くなるに連れてインスリン吸収の系統的変動を示した。
2. 食事に対する血糖応答
食事に対する血糖応答を表16に記載する。
rHuPH20前処置有りで、食事変動は一貫して良好にコントロールされており、食後高血糖はrHuPH20前処置なしより良かった。
3. 日常的糖尿病管理エンドポイント
治験を完了した最初の3名の対象は、各4注入セットサイクルをカバーする約2週間の処置を通して、外来血糖管理のrHuPH20前投与を使用した最初の臨床経験を表す。全3名の患者は、主に、高血糖を低下させることにより、平均CGMグルコースおよびグルコース可変性の両者が低下し、厳しいグルコース管理が可能であった。低血糖事象(症状および≦70mg/dLの値のSMBG記録から決定)は穏やかで有り、同等な頻度であり、類似体単独で6事象であり、rHuPH20前処置後7事象であった。これらの結果を表17に要約する。
4. 有害事象
有害事象を注入処置の間評価した。18有害事象が11名中6名の評価対象で観察された。全で軽度であり、後遺症無く解消した。最も一般的な事象は頭痛(n=4)であった。可能性のある局所反応は掻痒症(pruritus)(偽)の2例、腹部挫傷(rHuPH20)、注入部位疼痛(rHuPH20)および注入中の刺傷感(rHuPH20)を含んだ。
5. 結果の要約
先の報告および上記実施例3と一致して、インスリン作用はrHuPH20前処置無しで使用した3日間の注入セット使用で顕著に変化した。例えば、3日間の注入の最初から最後まで、作用開始は66分から41分(p=.01)に変化し、作用時間は160分間から132分間(p=.002)に変化した。
rHuPH20での前処置は、3日間の連続的注入の間に作用開始または作用時間における有意差がないことから、この可変性を無くした。rHuPH20前処置はまたインスリン作用を加速し、21分間速い作用開始(p=.005)、および30分間短い作用時間(p<.0001)をもたらした。これは一貫し、超速プロファイルは一貫した食後変動に変換された。例えば、2時間食後グルコース(PPG)はrHuPH20有りで131mg/dLおよび無しで162mg/dL(p=.001)であった。
それ故に、結果は、150UのrHuPH20の前投与が3日間の連続的注入で一貫した超速プロファイルをもたらし、これは混合朝食の一貫した食後管理を提供することを示す。日常的糖尿病ケアパラメータの改善も最初の3名の対象で観察された。
実施例5
溶解性rHuPH20発現細胞株の産生
HZ24プラスミド(配列番号52に示す)を使用して、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)をトランスフェクトした(例えば米国特許番号7,76,429および7,781,607および米国公開番号2006−0104968参照)。溶解性rHuPH20を発現させるためのHZ24プラスミドベクターは、pCIベクターバックボーン(Promega)、ヒトPH20ヒアルロニダーゼのアミノ酸1〜482をコードするDNA(配列番号49)、ECMVウイルス由来の配列内リボソーム進入部位(IRES)(Clontech)、およびマウスジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子を含有する。pCIベクターバックボーンは、ベータ−ラクタマーゼ耐性遺伝子(AmpR)をコードするDNA、f1複製起点、サイトメガロウイルス前初期エンハンサー/プロモーター領域(CMV)、キメライントロン、およびSV40後期ポリアデニル化シグナル(SV40)も含んでいる。溶解性rHuPH20コンストラクトをコードするDNAは、ヒトPH20のネイティブ35アミノ酸シグナル配列のアミノ酸位置1のメチオニンをコードするDNAの前にNheI部位とコザックコンセンサス配列とを含有し、配列番号1に記載のヒトPH20ヒアルロニダーゼのアミノ酸位置482に対応するチロシンをコードするDNAの後に停止コドンを含有し、その後ろに、BamHI制限部位が続いている。したがって、コンストラクトpCI−PH20−IRES−DHFR−SV40pa(HZ24)は、CMVプロモーターによって駆動される単一のmRNA種であって、配列内リボソーム進入部位(IRES)によって分離された、ヒトPH20のアミノ酸1〜482(配列番号3に記載)とマウスジヒドロ葉酸レダクターゼのアミノ酸1〜186(配列番号53に記載)とをコードするものをもたらす。
トランスフェクションの準備として、4mMのグルタミンおよび18ml/L Plurionic F68/L(Gibco)を補足したDHFR(−)細胞用のGIBCO変法CD−CHO培地で成長させた非トランスフェクトDG44 CHO細胞を、0.5×10細胞/mlの密度でシェーカーフラスコに接種した。細胞を湿潤インキュベータ中、5%CO下、37℃において、120rpmで振とうしながら成長させた。トランスフェクションに先立ち、対数増殖期の非トランスフェクトDG44 CHO細胞を、生存度について調べた。
非トランスフェクトDG44 CHO細胞培養の生細胞6千万個をペレット化し、2×トランスフェクションバッファー(2×HeBS:40mMのHEPES、pH7.0、274mMのNaCl、10mMのKCl、1.4mMのNaHPO、12mMのデキストロース)0.7mLに、2×10細胞の密度で再懸濁した。再懸濁した細胞の各アリコートに、0.09mL(250μg)の線状HZ24プラスミド(ClaI(New England Biolabs)で終夜消化することによって線状化したもの)を加え、その細胞/DNA溶液を、室温で、間隙0.4cmのBTX(Gentronics)エレクトロポレーションキュベットに移した。陰性対照エレクトロポレーションは、プラスミドDNAを細胞と混合せずに行った。細胞/プラスミド混合物を、330Vおよび960μFまたは350Vおよび960μFのコンデンサ放電でエレクトポレートした。
細胞をエレクトロポレーション後のキュベットから取り出して、4mMのグルタミンおよび18ml/L Plurionic F68/L(Gibco)を補足した5mLのDHFR(−)細胞用変法CD−CHO培地に移し、湿潤インキュベータ中、5%CO下、37℃において、選択圧を加えずに、6穴組織培養プレートのウェルで2日間成長させた。
エレクトロポレーションの2日後に、0.5mLの組織培養培地を各ウェルから取り出し、実施例8に記載の微小濁度アッセイを使って、ヒアルロニダーゼ活性の存在について試験した。
)。
トランスフェクション2(350V)で得た細胞を組織培養ウェルから集め、計数し、1mLあたり1×10〜2×10個の生細胞になるように希釈した。5枚の96穴丸底組織培養プレートの各ウェルに、細胞懸濁液を0.1mLずつ移した。4mM GlutaMAX(商標)−1補助剤(GIBCO(商標)、Invitrogen Corporation)を含有しヒポキサンチンおよびチミジン補助剤を含有しないCD−CHO培地(GIBCO)100マイクロリットルを、細胞を含むウェルに加えた(最終体積0.2mL)。
メトトレキサートなしで成長させた5枚のプレートから10個のクローンを同定した。
6個のHZ24クローンを拡大培養し、単一細胞懸濁液としてシェーカーフラスコに移した。クローン3D3、3E5、2G8、2D9、1E11、および4D10を、左上のウェルの5000細胞から開始して、細胞をプレートの縦方向に1:2希釈し、プレートの横方向に1:3希釈する二次元無限希釈法を使って、96穴丸底組織培養プレートにプレーティングした。培養の初期に必要な成長因子を供給するために1ウェルあたり500個の非トランスフェクトDG44 CHO細胞のバックグラウンドで、希釈クローンを成長させた。50nMメトトレキサートを含有する5枚とメトトレキサートを含有しない5枚で、1サブクローンあたり10枚のプレートを作製した。
クローン3D3は、24個の目に見えるサブクローンを産生した(メトトレキサート処理なしから13個、および50nMメトトレキサート処理から11個)。それら24個のサブクローンのうち8個から得られる上清に、有意なヒアルロニダーゼ活性(>50単位/mL)が測定され、それら8個のサブクローンをT−25組織培養フラスコに拡大培養した。メトトレキサート処理プロトコルから単離されたクローンは、50nMメトトレキサートの存在下で拡大培養した。クローン3D35Mをさらに500nMメトトレキサート中で拡大培養したところ、シェーカーフラスコ中で1,000単位/mL以上を産生するクローンが生じた(クローン3D35M;または第1世代(Gen1)3D35M)。次に、3D35M細胞のマスター細胞バンク(master cell bank)(MCB)を調製した。
実施例6
溶解性ヒトPH20(rHuPH20)を含有する第2世代(Gen2)細胞の作出
実施例5に記載の第1世代3D35M細胞株を、さらに高いメトトレキサートレベルに適応させて、第2世代(Gen2)クローンを作出した。樹立メトトレキサート含有培養物から、4mM GlutaMAX-1(商標)および1.0μMメトトレキサートを含有するCD CHO培地に、3D35M細胞を接種した。37℃、7%CO湿潤インキュベータ中で、46日間にわたって、細胞を成長させ、それらを9回継代することにより、細胞を、より高いメトトレキサートレベルに適応させた。2.0μMメトトレキサートを含む培地が入っている96穴組織培養プレートでの限界希釈法により、増幅された細胞集団をクローンアウト(clone out)した。約4週間後に、クローンを同定し、クローン3E10Bを拡大培養のために選択した。4mM GlutaMAX-1(商標)および2.0μMメトトレキサートを含有するCD CHO培地中で、継代20代にわたって、3E10B細胞を成長させた。3E10B細胞株のマスター細胞バンク(MCB)を作製し、凍結し、以後の研究に使用した。
4mM GlutaMAX-1(商標)および4.0μMメトトレキサートを含有するCD CHO培地中で3E10B細胞を培養することによって、この細胞株の増幅を続けた。12回目の継代後に、細胞を研究用細胞バンク(research cell bank)(RCB)としてバイアル中で凍結した。RCBのバイアルを1本融解し、8.0μMメトトレキサートを含有する培地で培養した。5日後に、培地中のメトトレキサート濃度を16.0μMに増加させ、次いで18日後に20.0μMに増加させた。20.0μMメトトレキサートを含有する培地における8回目の継代培養から得た細胞を、4mM GlutaMAX-1(商標)および20.0μMメトトレキサートを含有するCD CHO培地が入っている96穴組織培養プレートでの限界希釈法によってクローンアウトした。5〜6週間後にクローンを同定し、クローン2B2を20.0μMメトトレキサートを含有する培地での拡大培養のために選択した。11回目の継代後に、2B2細胞を研究用細胞バンク(RCB)としてバイアル中で凍結した。
得られた2B2細胞は、溶解性組換えヒトPH20(rHuPH20)を発現させるジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損性(dhfr−)DG44 CHO細胞である。溶解性PH20は2B2細胞中に、約206コピー/細胞のコピー数で存在する。SpeI、XbaIおよびBamHI/HindIIIで消化したゲノム2B2細胞DNAを、rHuPH20特異的プローブを使ってサザンブロット解析したところ、以下の制限消化プロファイルが明らかになった:SpeIで消化したDNAでは1本の主要ハイブリダイズバンド約7.7kbと4本の副ハイブリダイズバンド(約13.9、約6.6、約5.7および約4.6kb);XbaIで消化したDNAでは、1本の主要ハイブリダイズバンド約5.0kbと2本の副ハイブリダイズバンド(約13.9および約6.5kb);BamHI/HindIIIで消化した2B2 DNAを使うと、約1.4kbの単一ハイブリダイズバンドが観察された。mRNA転写物の配列解析により、得られたcDNA(配列番号56)は、位置1131における1塩基対の相違(これは予想されるシトシン(C)の代わりにチミジン(T)であることがわかった)を除いて、基準配列(配列番号49)と同一であることが示された。これはサイレント突然変異であり、アミノ酸配列には影響しない。
実施例7
A. 300Lバイオリアクター細胞培養におけるGen2溶解性rHuPH20の産生
HZ24−2B2のバイアルを融解し、シェーカーフラスコから36Lスピナーフラスコを通して20μMのメトトレキサートおよびGlutaMAX-1(商標)(Invitrogen)添加CD−CHO培地(Invitrogen, Carlsbad, CA)に拡大した。簡単に述べると、細胞のバイアルを37℃の水浴で融解し、培地を加え、細胞を遠心分離した。細胞を、20mLの新鮮培地が入っている125mL浸透フラスコに再懸濁し、37℃、7%COのインキュベータに入れた。細胞を125mL振とうフラスコ中で40mLまで拡大培養した。細胞密度が1.5×10細胞/mLを上回る密度に達したら、培養物を125mLスピナーフラスコに100mLの培養体積で拡大した。フラスコを37℃、7%COでインキュベートした。細胞密度が1.5×10細胞/mLを上回る密度に達したら、培養物を250mLスピナーフラスコに200mLの培養体積で拡大し、フラスコを37℃、7%COでインキュベートした。細胞密度が1.5×10細胞/mLを上回る密度に達したら、培養物を1Lスピナーフラスコに800mLの培養体積で拡大し、37℃、7%COでインキュベートした。細胞密度が1.5×10細胞/mLを上回る密度に達したら、培養物を6Lスピナーフラスコに5000mLの培養体積で拡大し、37℃、7%COでインキュベートした。細胞密度が1.5×10細胞/mLを上回る密度に達したら、培養物を36Lスピナーフラスコに32mLの培養体積で拡大し、37℃、7%COでインキュベートした。
400Lリアクターを滅菌し、230mLのCD CHO培地を加えた。使用前に、リアクターを汚染についてチェックした。約30Lの細胞を36Lスピナーフラスコから400Lバイオリアクター(Braun)に、1mlあたり4.0×105個の生細胞という接種密度および260Lの総体積で移した。パラメータは温度設定値:37℃;インペラー速度40〜55RPM;容器圧:3psi;空気散布量0.5〜1.5L/分;空気オーバーレイ:3L/分とした。細胞数、pH確認、培地分析、タンパク質の生産および貯留を調べるために、リアクターから毎日試料を採取した。また、運転中に栄養フィードを加えた。120時間(5日目)の時点で、10.4Lの第1フィード培地(4×CD−CHO+33g/Lグルコース+160mL/L GlutaMAX-1(商標)+83mL/Lイーストレート(Yeastolate)+33mg/L rHuインスリン)を加えた。168時間(7日目)の時点で、10.8Lの第2フィード(2×CD−CHO+33g/Lグルコース+80mL/L GlutaMAX-1(商標)+167mL/Lイーストレート+0.92g/L酪酸ナトリウム)を加え、培養温度を36.5℃に変えた。216時間(9日目)の時点で、10.8Lの第3フィード(1×CD−CHO+50g/Lグルコース+50mL/L GlutaMAX-1(商標)+250mL/Lイーストレート+1.80g/L酪酸ナトリウム)を加え、培養温度を36℃に変えた。264時間(11日目)の時点で、10.8Lの第4フィード(1×CD−CHO+33g/Lグルコース+33mL/L GlutaMAX-1(商標)+250mL/Lイーストレート+0.92g/L酪酸ナトリウム)を加え、培養温度を35.5℃に変えた。フィード培地の添加は生産の最終段階における溶解性rHuPH20の生産を劇的に強化することが観察された。14日時点もしくは15日時点で、または細胞の生存度が40%未満に低下した時に、リアクターを収集した。このプロセスにより、1200万細胞/mLの最大細胞密度で17,000単位/mlの最終生産能力が得られた。インビトロおよびインビボでのマイコプラズマ、生物汚染度、エンドトキシン、透過電子顕微鏡法(TEM)ならびに酵素活性について、収集時に、培養物を試料採取した。
それぞれが4〜8μmに分級された珪藻土の層と1.4〜1.1μmに分級された珪藻土の層とを含有し、その後にセルロースメンブレンが設けられている、並列した4つのMillistak濾過系モジュール(Millipore)に、培養物を蠕動ポンプで通し、次に、0.4〜0.11μmに分級された珪藻土の層と、<0.1μmに分級された珪藻土の層とを含有し、その後にセルロースメンブレンが設けられている、第2の単一Millistak濾過系(Millipore)に通し、次に0.22μm最終フィルターを通して、350Lの容量を持つ滅菌使い捨てフレキシブルバッグ中に入れた。その収集細胞培養液に10mMのEDTAおよび10mMのTrisをpHが7.5になるように補足した。培養物を、4つのSartoslice TFF 30kDa分子量分画(MWCO)ポリエーテルスルホン(PES)フィルタ(Sartorius)を使用するタンジェンシャルフロー濾過(TFF)装置で10倍濃縮した後、10mMのTris、20mMのNaSO、pH7.5で10回のバッファー交換を行い、0.22μm最終フィルターを通して、50L滅菌保存バッグに濾過した。
濃縮しダイアフィルトレーションに付した収集物を、ウイルスに関して不活化した。ウイルス不活化に先だって、10%Triton X−100、3%リン酸トリ(n−ブチル)(TNBP)の溶液を調製した。濃縮しダイアフィルトレーションに付した収集物を、Qカラムで精製する直前に、36Lガラス反応容器中で、1%Triton X−100、0.3%TNBPに1時間曝露した。
B. Gen2溶解性rHuPH20の精製
Qセファロース(Pharmacia)イオン交換カラム(樹脂9L、H=29cm、D=20cm)を調製した。pHおよび伝導度の決定ならびにエンドトキシン(LAL)アッセイのために洗浄液試料を集めた。カラムを5カラム体積の10mMのTris、20mMのNaSO、pH7.5で平衡化した。濃縮しダイアフィルトレーションに付した収集物を、ウイルス不活化後に、100cm/時間の流速でQカラムに負荷した。カラムを、5カラム体積の10mMのTris、20mMのNaSO、pH7.5および10mMのHEPES、50mMのNaCl、pH7.0で洗浄した。タンパク質を10mMのHEPES、400mMのNaCl、pH7.0で溶出させ、0.22μm最終フィルターを通して滅菌バッグに濾過した。溶出液試料を生物汚染度、タンパク質濃度および酵素活性について調べた。この交換の最初と最後にA280吸光度を読み取った。
次にフェニル−セファロース(Pharmacia)疎水相互作用クロマトグラフィーを行った。フェニル−セファロース(PS)カラム(樹脂19〜21L、H=29cm、D=30cm)を調製した。洗浄液を集め、pH、伝導度およびエンドトキシン(LALアッセイ)用の試料を採取した。カラムを5カラム体積の5mMのリン酸カリウム、0.5M硫酸アンモニウム、0.1mMのCaCl、pH7.0で平衡化した。Qセファロースカラムから得たタンパク質溶出液に2M硫酸アンモニウム、1Mのリン酸カリウムおよび1MのCaCl保存液を補足して、最終濃度をそれぞれ5mM、0.5Mおよび0.1mMにした。タンパク質を100cm/時間の流速でPSカラムに負荷し、素通り画分を集めた。100cm/時間の5mMのリン酸カリウム、0.5M硫酸アンモニウムおよび0.1mMのCaCl pH7.0でカラムを洗浄し、その洗浄液を、集めた素通り画分に加えた。カラム洗浄液と合わせた素通り画分を0.22μm最終フィルターを通して滅菌バッグに入れた。生物汚染度、タンパク質濃度および酵素活性を調べるために素通り画分の試料を採取した。
アミノフェニルボロネートカラム(ProMedics)を調製した。洗浄液を集め、pH、伝導度およびエンドトキシン(LALアッセイ)用の試料を採取した。カラムを5カラム体積の5mMのリン酸カリウム、0.5M硫酸アンモニウムで平衡化した。精製タンパク質を含有するPS素通り画分を100cm/時間の流速でアミノフェニルボロネートカラムに負荷した。カラムを5mMのリン酸カリウム、0.5M硫酸アンモニウム、pH7.0で洗浄した。カラムを20mMビシン、0.5M硫酸アンモニウム、pH9.0で洗浄した。カラムを20mMビシン、100mM塩化ナトリウム、pH9.0で洗浄した。タンパク質を50mMのHEPES、100mMのNaCl、pH6.9で溶出させ、滅菌フィルターを通して滅菌バッグに入れた。溶出した試料を生物汚染度、タンパク質濃度および酵素活性について調べた。
ヒドロキシアパタイト(HAP)カラム(BioRad)を調製した。洗浄液を集めて、pH、伝導度およびエンドトキシン(LALアッセイ)について調べた。カラムを5mMのリン酸カリウム、100mMのNaCl、0.1mMのCaCl、pH7.0で平衡化した。アミノフェニルボロネートで精製したタンパク質を、最終濃度が5mMのリン酸カリウムおよび0.1mMのCaClになるように補足し、100cm/時間の流速でHAPカラムに負荷した。カラムを5mMのリン酸カリウム、pH7、100mMのNaCl、0.1mMのCaClで洗浄した。次にカラムを10mMのリン酸カリウム、pH7、100mMのNaCl、0.1mMのCaClで洗浄した。タンパク質を70mMのリン酸カリウム、pH7.0で溶出させ、0.22μm滅菌フィルターを通して滅菌バッグに入れた。溶出した試料を生物汚染度、タンパク質濃度および酵素活性について調べた。
次に、HAPで精製したタンパク質をウイルス除去フィルターに通した。滅菌したVirosartフィルタ(Sartorius)を、まず、2Lの70mMのリン酸カリウム、pH7.0で洗浄することによって調製した。使用前に、pHおよび伝導度を調べるために、濾過されたバッファーを試料採取した。HAPで精製したタンパク質を蠕動ポンプで20nMウイルス除去フィルターに通した。70mMのリン酸カリウム、pH7.0中の濾過されたタンパク質を0.22μm最終フィルターを通して滅菌バッグに入れた。ウイルス濾過された試料をタンパク質濃度、酵素活性、オリゴ糖、単糖およびシアル酸プロファイリングについて調べた。試料をプロセス関連不純物についても試験した。試料をプロセス関連不純物についても試験した。
次に、10kD分子量分画(MWCO)Sartocon Sliceタンジェンシャルフロー濾過(TFF)系(Sartorius)を使って、濾液中のタンパク質を10mg/mLに濃縮した。フィルターを、まず、10mMのヒスチジン、130mMのNaCl、pH6.0で洗浄することによって調製し、pHおよび伝導度を調べるために透過液を試料採取した。濃縮後に、濃縮タンパク質を試料採取して、タンパク質濃度および酵素活性について調べた。濃縮タンパク質に対して、最終バッファー:10mMのヒスチジン、130mMのNaCl、pH6.0への6回のバッファー交換を行った。バッファー交換後に、0.22μmフィルターを通して、濃縮タンパク質を20L滅菌保存バッグに入れた。タンパク質を試料採取し、タンパク質濃度、酵素活性、遊離スルフヒドリル基、オリゴ糖プロファイリングおよびモル浸透圧濃度について調べた。
次に、滅菌濾過したバルクタンパク質を、30mL滅菌テフロンバイアル(Nalgene)中に、20mLずつ、無菌的に分注した。次に、バイアルを急速冷凍し、−20±5℃で保存した。
実施例8
rHuPH20のヒアルロニダーゼ活性の決定
rHuPH20(配列番号1のアミノ酸類36〜482をコードする核酸のCHO細胞における発現および分泌により得た)のヒアルロニダーゼ活性を、比濁法アッセイを使用して決定した。最初の2回のアッセイ(AおよびB)で、rHuPH20のヒアルロニダーゼ活性を溶解性rHuPH20をヒアルロン酸ナトリウム(ヒアルロン酸)とインキュベートし、次いで未消化ヒアルロン酸ナトリウムを酸性化血清アルブミンの添加により沈殿させて測定した。3回目のアッセイ(C)で、rHuPH20ヒアルロニダーゼ活性を、ヒアルロン酸(HA)が塩化セチルピリジニウム(CPC)と結合したときの不溶性沈殿の形成に基づき測定した。600U/mLのrHuPH20(5μg/mL)を含む全アッセイにおいて、合格基準は375U/mLを超える酵素活性であった。
A. 微少濁度アッセイ
本アッセイにおいて、rHuPH20のヒアルロニダーゼ活性を、溶解性rHuPH20とヒアルロン酸ナトリウム(ヒアルロン酸)を一定時間(10分間)インキュベートし、次いで未消化ヒアルロン酸ナトリウムを酸性化血清アルブミン添加により沈殿させることにより測定した。得られたサンプルの濁度を、640nmで30分間展開時間後に測定した。ヒアルロン酸ナトリウム基質上の酵素活性由来の濁度の減少は溶解性rHuPH20ヒアルロニダーゼ活性の指標であった。本方法を、溶解性rHuPH20アッセイ作業標準品の希釈により作成した検量線を使用して行い、サンプル活性測定をこの検量線に対して行った。サンプル希釈を酵素希釈剤溶液で調製した。酵素希釈剤溶液を、33.0±0.05mgの加水分解ゼラチンを25.0mLの50mMのPIPES反応緩衝剤(140mMのNaCl、50mMのPIPES、pH5.5)および25.0mLの注射用滅菌水(SWFI;Braun, product number R5000-1)に溶解し、0.2mLの25%ヒト血清アルブミン(US 生物学的s)溶液で混合物を希釈し、30秒間ボルテックス処理することにより調製した。これを使用前2時間以内に行い、必要となるまで氷上で保存した。サンプルを概算1〜2U/mLまで希釈した。一般的に、工程あたりの最大希釈は1:100を超えず、最初の希釈用の初期サンプルサイズは少なくとも20μLであった。アッセイを実施するのに必要な最少サンプル容積は、工程内サンプル、FPLCフラクション:80μL;組織培養上清:1mL;濃縮物質80μL;精製または最終工程物質:80μLであった。希釈を低タンパク質結合96ウェルプレートで3連で行い、各希釈物の30μLをOptilux黒色/透明底プレート(BD BioSciences)に移した。
濃度2.5U/mLの既知溶解性rHuPH20を、標準曲線作成のために酵素希釈剤溶液で作製し、Optiluxプレートに3連で添加した。希釈は0U/mL、0.25U/mL、0.5U/mL、1.0U/mL、1.5U/mL、2.0U/mL、および2.5U/mLを含んだ。60μLの酵素希釈剤溶液を含む“無試薬”ウェルを、プレートにネガティブコントロールとして包含させた。次いで、プレートを覆い、ヒートブロックで5分間、37℃で加温した。覆いを取り、プレートを10秒間振盪させた。振盪後、振盪後、プレートをヒートブロックに戻し、MULTIDROP 384 Liquid Handlingデバイスを温かい0.25mg/mLのヒアルロン酸ナトリウム溶液(100mgのヒアルロン酸ナトリウム(LifeCore Biomedical)を20.0mLのSWFIに溶解することにより作製した。これを2〜8℃で2〜4時間または完全に溶解するまで穏やかな回転および/または振盪により混合した)で開始させた。反応プレートをMULTIDROP 384に移し、30μLのヒアルロン酸ナトリウムを各ウェルに分配させるためにスタートキーを押して、反応を開始させた。次いでプレートをMULTIDROP 384から除き、10秒間振盪させ、プレートカバーを置き換えたヒートブロックに移した。プレートを37℃で10分間インキュベートした。
MULTIDROP 384を、血清作業溶液で機械をプライミングし、容積設定を240μLに変えることにより反応を停止させる準備をした。(25mLの血清ストック溶液[1容積のウマ血清(Sigma)を9容積の500mM酢酸緩衝液で希釈し、塩酸でpHを3.1に調節した]の75mLの500mM酢酸緩衝液)。プレートをヒートブロックから除き、MULTIDROP 384に置き、240μLの血清作業溶液をウェルに分配した。プレートを除き、プレートリーダー上で10秒間振盪させた。さらに15分間後、サンプルの濁度を640nmで測定し、各サンプルのヒアルロニダーゼ活性(U/mL)を標準曲線に適合させることにより決定した。
比活性(単位/mg)を、ヒアルロニダーゼ活性(U/ml)をタンパク質濃度(mg/mL)で割ることにより計算した。
B. rHuPH20酵素活性の濁度アッセイ
サンプルを酵素希釈剤[50mLのリン酸緩衝液(25mMのリン酸、pH6.3、140mMのNaCl)および50mLの脱イオン(DI)水に溶解した66mgのゼラチン加水分解物(Sigma #G0262)]で希釈して、予測酵素濃度0.3〜1.5U/mLを達成した。
標準1、2、3、4、5、または6とラベルした2本の試験管の各々、および分析すべき各サンプルの2本の試験管(適宜ラベル)を37℃のブロックヒーターに入れた。次の表に示す酵素希釈剤の容積を標準試験管に2連で添加した。0.50mLのHA基質溶液[1.0mLの5mg/mLヒアルロン酸(ICN # 362421)のDI水溶液、9mLのDI水、10mLのリン酸緩衝液]を全標準およびサンプル試験管に分配した。酵素希釈剤中の1.5U/mLのUSPヒアルロニダーゼ標準(USP # 31200)容積を、下記表12に示すとおり2連標準試験管に添加した。標準試験管が全て完成したとき、0.50mLの各サンプルを2連サンプル試験管の各々に添加した。30分間、37℃でインキュベーション後、4.0mLの血清作業溶液50mLの血清ストック溶液[1容積のウマ血清(ドナー群、細胞培養試験、ハイブリドーマ培養試験、USA起源)、9容積の500mM酢酸緩衝液、pH3.1に調製、室温で18〜24時間静置、4℃で貯蔵]および150mLの500mM酢酸緩衝液を標準試験管に添加し、次いでそれをブロックヒーターから除き、混合し、室温に置いた。サンプル試験管を、全標準およびサンプル試験管が処理されるまでこの方法で処理した。
“ブランク”溶液を、0.5mLの酵素希釈剤、0.25mLのDI水、0.25mLのリン酸緩衝液および4.0mLの血清作業溶液を混合することにより調製した。溶液を混合し、一定量を使い捨てキュベットに移した。このサンプルを640nmで分光光度計を0とするために使用した。
室温で30分間インキュベーション後、各標準試験管からの一定量を次いで使い捨てキュベットに移し、640nmの吸光度を測定した。この工程を2連サンプル試験管で繰り返した。
直線状検量線を、ヒアルロニダーゼ濃度(U/mL)対実測吸光度をプロットすることにより構築した。線形回帰分析をデータフィット(0.0U/mLのキャリブレーション標準を除く)に使用し、傾斜、切片および相関係数(r)を決定した。標準曲線回帰方程式および実測サンプル吸光度を使用して、サンプル濃度を決定した。
C. rHuPH20酵素活性の濁度アッセイ
ヒアルロニダーゼ活性および酵素濃度を決定するための比濁法は、ヒアルロン酸(HA)が塩化セチルピリジニウム(CPC)と結合したときの不溶性沈殿の形成に基づいた。活性を、ヒアルロニダーゼとヒアルロナンを一定時間(30分間)インキュベートし、次いで未消化ヒアルロナンをCPC添加により沈殿させることにより測定した。得られたサンプルの濁度を640nmで測定し、HA基質上の酵素活性由来の濁度減少は、ヒアルロニダーゼ力価の指標であった。本方法を、rHuPH20アッセイ作業標準品の希釈により作成した検量線を使用して行い、サンプル活性測定をこの検量線に対して行った。本方法は、〜2U/mL濃度まで希釈後の溶液中のrHuPH20活性の分析のために意図された。定量的範囲は0.3〜3U/mLであったが、日常的試験のための最適性能は1〜3U/mLの範囲で得られた。
酵素希釈剤を、100mg±10mgのゼラチン加水分解物(Sigma #G0262)を75mLの反応緩衝液(140mMのNaCl、50mMのPIPES(1,4−ピペラジンビス(2−エタノスルホン酸))、pH5.3)遊離酸(Mallinckrodt #V249)および74.4mLの灌注用滅菌水(SWFI)に溶解し、0.6mLの25%ヒト血清アルブミン(HSA)を添加することにより新たに調製した。分光光度計ブランクを1.0mLの酵素希釈剤を試験管に添加し、37℃に予熱したヒーティングブロックに入れることにより調製した。希釈標準品を、rHuPH20アッセイ作業標準品の1:25希釈を、3連で、120μLのアッセイ作業標準品を29.880mLの酵素希釈剤に添加することにより調製した。各サンプルの適当な希釈を3連で行い、〜2U/mL溶液を得た。
酵素希釈剤の一定容積を、標準試験管に表13に従い3連で分配した。500μLの1.0mg/mLのヒアルロン酸ナトリウム(Lifecore, #81、平均分子量20〜50kDa)のSWFI溶液を、ブランク以外の全試験管に分配し、試験管を、37℃のヒーティングブロックに5分間入れた。表13に示す希釈標準品の量を適当な標準試験管に添加し、混合し、ヒーティングブロックに戻した。500μLの各サンプルを3連で適当な試験管に入れた。最初の標準試験管開始30分間後、4.0mLの停止溶液(SWFIに溶解し、0.22ミクロンフィルターを通した5.0mg/mLの塩化セチルピリジニウム(Sigma, Cat # C-5460))を全試験管(ブランクを含む)に添加し、それを次いで混合し、室温に置いた。
分光光度計を640nm固定波長で“空にした”。30分、室温でインキュベーション後、約1mLの標準またはサンプルを使い捨てキュベットに移し、吸光度を640nmで読んだ。標準品およびサンプル生データ値をGraphPad Prism(登録商標)コンピュータソフトウェア(Hearne Scientific Software)を用いて、完全減衰で0に拘束された指数関数的減衰関数を使用して分析した。最良適合標準曲線を決定し、対応するサンプル濃度の計算に使用した。
修飾は当業者には明白であるため、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。

Claims (40)

  1. 続的皮下インスリン注入(CSII)治療と組み合わせて、インスリン組成物のCSIIの間に起こるインスリン吸収の変化を最小化するために糖尿病の対象の処置に使用するためのヒアルロニダーゼを含む組成物であって:
    該インスリン組成物が1日を超えて投与するCSIIのために製剤されており、
    ヒアルロニダーゼ含有組成物がCSIIによるインスリン組成物の注入前にCSII治療におけるインスリンと別々に単回投与ボーラスとして投与するために製剤されており;そして
    該ヒアルロニダーゼ含有組成物がCSIIの間に起こるインスリン吸収の変化を最小化する量で対象に直接投与するために製剤されている、
    組成物。
  2. ヒアルロニダーゼが溶解性ヒアルロニダーゼである、請求項1記載の組成物。
  3. ヒアルロニダーゼが中性pHで活性である溶解性PH20ヒアルロニダーゼである、請求項1または2記載の組成物。
  4. ヒアルロニダーゼがグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを欠きまたは細胞から発現されたとき膜型ではない;または
    ヒアルロニダーゼが1個以上のアミノ酸残基のC末端短縮化を含み、GPIアンカーの全てまたは一部を欠く、
    請求項1〜のいずれか記載の組成物。
  5. ヒアルロニダーゼがPH20またはそのC末端切断フラグメントであるヒアルロニダーゼである、請求項1〜のいずれか記載の組成物。
  6. ヒアルロニダーゼが配列番号4〜9、47〜48、234〜254、および267〜273のいずれかに示すアミノ酸配列、または配列番号4〜9、47〜48、234〜254、および267〜273のいずれかに少なくとも85%配列同一性を示すアミノ酸配列を有し、ヒアルロニダーゼ活性を維持するC末端切断型PH20ポリペプチドである、請求項1〜のいずれか記載の組成物。
  7. ヒアルロニダーゼが配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列、または配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列と少なくとも85%配列同一性を示すアミノ酸配列を含み、ヒアルロニダーゼ活性を維持するC末端切断型PH20である、請求項1〜のいずれか記載の組成物。
  8. ヒアルロニダーゼが配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列を有するC末端切断型PH20である、請求項1〜のいずれか記載の組成物。
  9. 組成物中のヒアルロニダーゼが1単位〜200単位、5単位〜150単位、10単位〜150単位、50単位〜150単位または1単位〜50単位と機能的等価の量である;または
    組成物中のヒアルロニダーゼが8ng〜2μg、20ng〜1.6μg、80ng〜1.25μgまたは200ng〜1μgの量である、
    請求項1〜のいずれか記載の組成物。
  10. 組成物中のヒアルロニダーゼが10単位/mL〜20,000単位/mL、30単位/mL〜3000U/mL、100U/mL〜1000U/mL、300U/mL〜2000U/mL、600U/mL〜2000U/mLまたは600U/mL〜1000U/mLの量である、請求項1〜のいずれか記載の組成物。
  11. SII治療において使用するためのインスリン組成物が速効性インスリンを含む、請求項1〜10のいずれか記載の組成物。
  12. 速効性インスリンがレギュラーインスリンである、請求項11記載の組成物。
  13. レギュラーインスリンがヒトインスリンまたはブタインスリンである、請求項12記載の組成物。
  14. レギュラーインスリンが配列番号103に示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号104に示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンまたは配列番号123のアミノ酸残基位置88〜108として示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号123のアミノ酸残基位置25〜54として示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンである、請求項12または13記載の組成物。
  15. 速効性インスリンがインスリン類似体である、請求項11記載の組成物。
  16. 速効性インスリン類似体がインスリンアスパルト、インスリンリスプロまたはインスリングルリジンである、請求項15記載の組成物。
  17. インスリン類似体が配列番号103に示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号147〜149のいずれかに示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンから選択される、請求項15または16記載の組成物。
  18. 速効性インスリンが100U/mL〜1000U/mLまたは500U/mL〜1000U/mLの量でCSII用インスリン組成物に製剤されている、請求項1〜17のいずれか記載の組成物。
  19. ヒアルロニダーゼ含有組成物がCSIIによるインスリン組成物の注入の15秒〜1時間、30秒〜30分、1分〜15分、1分〜12時間、5分〜6時間、30分〜3時間、または1時間〜2時間前に使用するために製剤されている、請求項1〜18のいずれか記載の組成物。
  20. ヒアルロニダーゼ含有組成物がCSIIによるインスリン組成物の注入の2時間より前に投与しない使用のために製剤されている、請求項1〜19のいずれか記載の組成物。
  21. SII治療と組み合わせて、インスリン組成物のCSIIの間に起こるインスリン吸収の変化を最小化するために糖尿病の対象の処置に使用するための医薬の製造のためのヒアルロニダーゼを含む組成物の使用であって:
    該インスリン組成物が1日を超えて投与するCSIIのために製剤されており、
    ヒアルロニダーゼ含有組成物がCSIIによるインスリン組成物の注入前にCSII治療におけるインスリンと別々に単回投与ボーラスとして投与するために製剤されておりそして
    該ヒアルロニダーゼ含有組成物がCSIIの間に起こるインスリン吸収の変化を最小化する量で対象に直接投与するために製剤されている、使用。
  22. ヒアルロニダーゼが溶解性ヒアルロニダーゼである、請求項21記載の使用。
  23. ヒアルロニダーゼが中性pHで活性である溶解性PH20ヒアルロニダーゼである、請求項21または22記載の使用。
  24. ヒアルロニダーゼがグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを欠きまたは細胞から発現されたとき膜型ではない;または
    ヒアルロニダーゼが1個以上のアミノ酸残基のC末端短縮化を含み、GPIアンカーの全てまたは一部を欠く、
    請求項2123のいずれか記載の使用。
  25. ヒアルロニダーゼがPH20またはそのC末端切断フラグメントであるヒアルロニダーゼである、請求項2124のいずれか記載の使用。
  26. ヒアルロニダーゼが配列番号4〜9、47〜48、234〜254、および267〜273のいずれかに示すアミノ酸配列、または配列番号4〜9、47〜48、234〜254、および267〜273のいずれかに少なくとも85%配列同一性を示すアミノ酸配列を有し、ヒアルロニダーゼ活性を維持するC末端切断型PH20ポリペプチドである、請求項2125のいずれか記載の使用。
  27. ヒアルロニダーゼが配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列、または配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列と少なくとも85%配列同一性を示すアミノ酸配列を含むC末端切断型PH20である、請求項2126のいずれか記載の使用。
  28. ヒアルロニダーゼが配列番号4〜9のいずれかに示すアミノ酸配列を有する、請求項2127のいずれか記載の使用。
  29. 組成物中のヒアルロニダーゼが1単位〜200単位、5単位〜150単位、10単位〜150単位、50単位〜150単位または1単位〜50単位と機能的等価の量である;または
    組成物中のヒアルロニダーゼが8ng〜2μg、20ng〜1.6μg、80ng〜1.25μgまたは200ng〜1μgの量である、
    請求項2128のいずれか記載の使用。
  30. 組成物中のヒアルロニダーゼが10単位/mL〜20,000単位/mL、30単位/mL〜3000U/mL、100U/mL〜1000U/mL、300U/mL〜2000U/mL、600U/mL〜2000U/mLまたは600U/mL〜1000U/mLの量である、請求項2129のいずれか記載の使用。
  31. SII治療において使用するためのインスリン組成物が速効性インスリンを含む、請求項2130のいずれか記載の使用。
  32. 速効性インスリンがレギュラーインスリンである、請求項31記載の使用。
  33. レギュラーインスリンがヒトインスリンまたはブタインスリンである、請求項32記載の使用。
  34. レギュラーインスリンが配列番号103に示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号104に示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンまたは配列番号123のアミノ酸残基位置88〜108として示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号123のアミノ酸残基位置25〜54として示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンである、請求項32または33記載の使用。
  35. 速効性インスリンがインスリン類似体である、請求項31記載の使用。
  36. 速効性インスリン類似体がインスリンアスパルト、インスリンリスプロまたはインスリングルリジンである、請求項35記載の使用。
  37. インスリン類似体が配列番号103に示すアミノ酸配列を有するA鎖および配列番号147〜149のいずれかに示すアミノ酸配列を有するB鎖を有するインスリンから選択される、請求項35または36記載の使用。
  38. 速効性インスリンが100U/mL〜1000U/mLまたは500U/mL〜1000U/mLの量でCSII用インスリン組成物に製剤されている、請求項2137のいずれか記載の使用。
  39. ヒアルロニダーゼ含有組成物がCSIIによるインスリン組成物の注入の15秒〜1時間、30秒〜30分、1分〜15分、1分〜12時間、5分〜6時間、30分〜3時間、または1時間〜2時間前に使用するために製剤されている、請求項2138のいずれか記載の使用。
  40. ヒアルロニダーゼ含有組成物がCSIIによるインスリン組成物の注入の2時間より前に投与しない使用のために製剤されている、請求項2139のいずれか記載の使用。
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