JP5779870B2 - 付着物の処理方法、仕切り壁の設置方法、及び、仕切り壁 - Google Patents
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Description
このような付着物の処理方法によれば、中間昇降空間に中空構造体の天井面から床面にかけて設けた壁下地材に壁面材を取り付けて壁面を構成するので、中空構造体の天井面から床面に至るほぼ全面を覆う壁面を容易に設けることが可能である。このとき、壁面材は中空構造体の内周面との間に空隙を設けて壁下地材に取り付け、壁面材と内中面との間の空隙を中継部材にて閉塞するので、中空構造体を全面に亘って密閉区画することが可能である。
このような付着物の処理方法によれば、壁面材の端部と付着物との間の空隙は、付着物の表面に飛散防止シートを設けて内周面とするので、空隙を中継部材にて閉塞することによる付着物の飛散を防止することが可能である。
前記付着物処理工程では、
前記先作業空間側にて前記付着物を除去し、除去した部位に飛散防止剤を塗装し、
前記飛散防止シートに当接された前記中継部材を取り外した場合に前記先作業空間と前記後作業空間とが連通される部位を覆う覆い部材を、前記先作業空間側から前記壁面材に固定し、
前記先作業空間側にて前記飛散防止剤が塗装された部位の前記覆い部材より前記先作業空間側に前記付着物と異なる新設付着物を付着させた後に、
前記後作業空間側から前記中継部材を取り外して前記後作業空間において前記付着物を除去することが望ましい。
このような付着物の処理方法によれば、壁面材及び中継部材により先作業空間と後作業空間とに密閉区画された後に、先作業空間側の付着物が除去されるので、除去された付着物が外部に飛散することを確実に防止することが可能である。このとき、除去された付着物は後作業空間にも飛散しないので、後作業空間は先作業空間での付着物の除去処理に拘わらず使用することが可能である。このため、先作業空間にて付着物を処理しつつ、後作業空間に含まれる昇降空間にて物体を昇降させることが可能である。また、付着物が除去された部位には飛散防止剤を塗装するので、付着物の飛散をより確実に防止することが可能である。さらに、覆い部材を取り付けてから、飛散防止シートと壁面材との間の空隙を閉塞する中継部材を取り外すので、先作業空間内を密閉区画した状態に保ったままで、即ち、先作業空間と後作業空間とが連通されることなく、中継部材を取り外すことが可能である。また、覆い部材を取り付けた後に、覆い部材より先作業空間側に新設付着物を付着させる処理を実行するので、付着物が付着していた部位の覆い部材より先作業空間側を新設付着物で覆うことが可能である。
このような付着物の処理方法によれば、後作業空間の付着物を除去した部位に飛散防止剤を塗装した後に、覆い部材の後作業空間側に新設付着物を付着させるので、後作業空間においても、付着物の飛散を防止しつつ新設付着物を付着させることが可能である。
このような付着物の処理方法によれば、平板状の覆い部材を、飛散防止剤が塗装された部位と交差方向に配置して、その縁部を飛散防止剤が塗装された部位に当接するので、覆い部材と内周面との接触面積を小さくすることが可能であり、より広い領域に新設付着物を付着させることが可能である。このため、先作業空間にて飛散防止剤が塗装された部位に当接された覆い部材の後作業空間側にて付着物を除去した後に、飛散防止剤を塗装するので、付着物が付着していた部位のほぼ全域に飛散防止剤を塗装することが可能である。そして、覆い部材が当接していた部位、すなわち、覆い部材の板厚分を除いた領域に新設付着物を付着させることが可能である。また、覆い部材を当該覆い部材が当接された部位と交差方向に引き抜いて取り外すので、覆い部材を取り外しても覆い部材の板厚分の隙間が形成されるだけで、新設付着物を剥がすことなく覆い部材を取り外すことが可能である。
このような付着物の処理方法によれば、覆い部材を引き抜いて形成された隙間にも新設付着物を充填するので、付着物が付着していた部位の全域に新設付着物を設けることが可能である。
このような付着物の処理方法によれば、中継部材と内周面との間にシール材を充填するので、中継部材と内周面との間も確実に密閉することが可能である。
このような付着物の処理方法によれば、中空構造体の天井から床にかけて張設されたワイヤーに上下方向に間隔を隔てて前後方向に沿う複数の板状部材を固定するので、ワイヤーと板状部材とが格子状をなして高い剛性を備えた壁面の下地を形成することが可能である。そして、格子状をなすワイヤーと板状部材とに気密性シートを貼り付けるので、軽量でありつつ高い剛性を備え気密性にも優れた壁面を形成することが可能である。
図1は、本実施形態の仕切り壁が設けられたエレベーターシャフトを説明するためのイメージ図である。図2は、本実施形態の仕切り壁が設けられる中空構造体を説明するための平断面の概略図である。
エレベーターEVは、図1、図2に示すように、ビル等の建物の一部に区画されたエレベーターシャフトEVSと、このエレベーターシャフトEVS内を鉛直方向に沿って上下昇降可能に案内された乗りかご13と、エレベーターシャフトEVSの上方の機械室MR内に配置されて、つり合い重りWを備えた吊りロープRを用いて前記乗りかご13を吊り下げつつ上下昇降する巻き上げ機19と、を備えている。
<<仕切り壁>>
図3は、本実施形態に係る仕切り壁を示す正面図であり、図4は、本実施形態に係る仕切り壁の縦断面図、図5は、本実施形態に係る仕切り壁の平断面図である。図6は、エレベーターシャフトに張設されたワイヤーを説明するための図である。
本実施形態では、3つの乗りかご13が左右に並列して設けられた3連式のエレベーターEVのエレベーターシャフトEVS内にて、最も左側の昇降空間TRLを含む作業空間WSからアスベスト31の処理を行うこととして説明する。ここでアスベスト31の処理には、既存のアスベスト31を除去する除去処理と、アスベスト31を除去した部位に新たな耐火被覆としてロックウール46を施す耐火被覆処理とが含まれる。
次に、図8に示すように、鉛直方向に張設された複数本のワイヤー32に、互いに上下方向に間隔を隔ててフラットバー62を配置し、Uボルト63にてワイヤー32に固定する。このとき、フラットバー62の前後方向における端部と側壁28との間には空隙10cを設けておく。
図12は、先作業空間のアスベスト除去処理及び飛散防止剤の塗装処理を説明するための図であり、図12(a)は正面図、図12(b)は縦断面図、図12(c)は平断面図を示している。
まず、先作業空間WSBに対する乗り場出入口28a等の隙間をポリエチレンシート等で密閉養生する。また、床面10bには、その全面に亘り養生シートを敷いて覆っておく。
次に、集塵機を稼働させ、作業空間WS内を負圧状態にする。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
12 スラブ、19 巻き上げ機、21 柱梁架構、21a 鉄骨梁、
21b 鉄骨柱、24 中間ビーム、24a 右側のフランジ、
24b 左側のフランジ、25 開閉扉、28 側壁、28a 乗り場出入口、
30 仕切り壁、31 アスベスト、32 ワイヤー、33 ワイヤー対、
34 壁部材、36 中継部材、36a 当接板部、36b 固定板部、
36c 中継部材、37 閉塞プレート、38 飛散防止シート、39 シール材、
40 気密性シート、42 飛散防止剤、44 突当部材(覆い部材)、
46 ロックウール、46a 隙間、47 47 角パイプ材、48 取付金物、
48a 係合部、49 鋼板パネル、49a 上鋼板パネル、49b 下鋼板パネル、
61 仮設鉄骨梁、61a 係止部、61b ワイヤークリップ、
61c シャックル、61d ターンバックル、61e 荷重計、
62 フラットバー、63 Uボルト、65 長ボルト、66 ナット、
67 ボルト、71 ゴンドラ、73 ワイヤー、75 巻き上げ機、
EV エレベーター、EVH エレベーターホール、
EVS エレベーターシャフト、TR 昇降空間、
TRL 左側の昇降空間、TRC 中央の昇降空間、
TRR 右側の昇降空間、 WS 作業空間、
WSA 後作業空間、WSB 先作業空間
Claims (11)
- 物体を上下昇降する少なくとも3つの昇降空間が水平方向の左右に並列して設定された内部空間を有する中空構造体内にて付着物の処理をする付着物の処理方法であって、
前記少なくとも3つの昇降空間の両端に位置する前記昇降空間を除く中間昇降空間に、前記中空構造体内を、前記付着物が先に処理される先作業空間と、後で処理される後作業空間とに密閉区画する仕切り壁を形成する区画工程と、
前記後作業空間を前記物体が上下昇降可能な状態とし、前記先作業空間にて前記処理をする付着物処理工程と、
を有することを特徴とする付着物の処理方法。 - 請求項1に記載の付着物の処理方法であって、
前記区画工程は、
前記中間昇降空間に前記中空構造体の天井面から床面にかけて壁下地材を設ける下地配設工程と、
設けられた前記壁下地材に、前記中空構造体の内周面との間に空隙を設けて壁面材を取り付ける壁面形成工程と、
前記壁面材の端部と前記中空構造体の内周面とを繋ぐ中継部材を取り付けて前記空隙を閉塞する閉塞工程と、
を有することを特徴とする付着物の処理方法。 - 請求項2に記載の付着物の処理方法であって、
前記中継部材にて塞がれる前記空隙が前記壁面材の端部と前記付着物との間の空隙の場合には、当該付着物の表面に飛散防止シートを設けて前記内周面を形成することを特徴とする付着物の処理方法。 - 請求項3に記載の付着物の処理方法であって、
前記中継部材は前記壁面材に前記後作業空間側から固定されており、
前記付着物処理工程では、
前記先作業空間側にて前記付着物を除去し、除去した部位に飛散防止剤を塗装し、
前記飛散防止シートに当接された前記中継部材を取り外した場合に前記先作業空間と前記後作業空間とが連通される部位を覆う覆い部材を、前記先作業空間側から前記壁面材に固定し、
前記先作業空間側にて前記飛散防止剤が塗装された部位の前記覆い部材より前記先作業空間側に前記付着物と異なる新設付着物を付着させた後に、
前記後作業空間側から前記中継部材を取り外して前記後作業空間において前記付着物を除去することを特徴とする付着物の処理方法。 - 請求項4に記載の付着物の処理方法であって、
前記後作業空間にて前記付着物が除去された部位に前記飛散防止剤を塗装した後に、
前記覆い部材の前記後作業空間側に前記新設付着物を付着させることを特徴とする付着物の処理方法。 - 請求項5に記載の付着物の処理方法であって、
前記覆い部材は、平板状をなし、前記飛散防止剤が塗装された部位と交差する交差方向に沿って配置するとともに当該覆い部材の縁部を前記飛散防止剤が塗装された部位に当接させ、
前記覆い部材の前記後作業空間側に前記新設付着物が付着された後に、前記覆い部材が、前記交差方向に引き抜かれて取り外されることを特徴とする付着物の処理方法。 - 請求項6に記載の付着物の処理方法であって、
前記覆い部材を引き抜いた部位に、前記新設付着物を充填することを特徴する付着物の処理方法。 - 請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の付着物の処理方法であって、
前記中継部材と前記飛散防止シートとの間にシール材を充填することを特徴とする付着物の処理方法。 - 請求項2乃至請求項8のいずれかに記載の付着物の処理方法であって、
前記区画工程では、
前記下地配設工程にて、前記中空構造体の前記天井面から前記床面にかけてワイヤーを張設し、張設した前記ワイヤーに、上下方向に互いに間隔を隔てて前記左右方向と交差する前後方向に沿う複数の板状部材を固定し、
前記壁面形成工程にて、前記左右のぞれぞれの側から前記壁面材として気密性シートを前記複数の板状部材に貼り付けることを特徴とする付着物の処理方法。 - 物体を上下昇降する少なくとも3つの昇降空間が水平方向の左右に並列して設定された内部空間を有する中空構造体内にて付着物の処理をする際に前記中空構造体を仕切る仕切り壁の設置方法であって、
前記少なくとも3つの昇降空間の両端に位置する前記昇降空間を除く中間昇降空間に前記中空構造体の天井面から床面にかけて壁下地材を設ける下地配設工程と、
設けられた前記壁下地材に、前記中空構造体の内周面との間に空隙を設けて壁面材を取り付ける壁面形成工程と、
前記壁面材の端部と前記中空構造体の内周面とを繋ぐ中継部材を取り付けて前記空隙を閉塞する閉塞工程と、
を有することを特徴とする仕切り壁の設置方法。 - 物体を上下昇降する少なくとも3つの昇降空間が水平方向の左右に並列して設定された内部空間を有する中空構造体内にて付着物の処理をする際に前記中空構造体を仕切る仕切り壁であって、
前記少なくとも3つの昇降空間の両端に位置する前記昇降空間を除く中間昇降空間に前記中空構造体の天井面から床面にかけて設けられた壁下地材と、
設けられた前記壁下地材に、前記中空構造体の内周面との間に空隙を設けて取り付けられた壁面材と、
前記壁面材の端部と前記中空構造体の内周面とを繋いで前記空隙を閉塞し前記壁面材に取り付けられる中継部材と、
を有することを特徴とする仕切り壁。
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