JP5445635B2 - 付着物処理設備、及び付着物処理方法 - Google Patents
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Description
中空構造体の内部の付着物を処理する際に、該付着物の飛散を防ぐべく前記中空構造体に取り付けられる設備であって、
前記中空構造体の鉛直方向に長い内部空間を鉛直方向の上下に仕切って、前記処理のための作業空間を密閉区画する仕切り部材を備えており、
前記仕切り部材は、前記中空構造体の互いに水平方向に対向する一対の側壁に突っ張って両端部が当接固定される水平な支持材と、前記支持材に支持されて水平方向に延出する補強部材と、前記補強部材に面接触しつつ接着固定されて水平方向に延出する気密性シートと、を備えており、
前記気密性シートの外周縁は、前記中空構造体の側壁の全周に亘って、密着固定されていることを特徴とする。
中空構造体の内部の付着物を処理する際に、該付着物の飛散を防ぐべく前記中空構造体に取り付けられる設備であって、
前記中空構造体の鉛直方向に長い内部空間を鉛直方向の上下に仕切って、前記処理のための作業空間を密閉区画する仕切り部材を備えていることを特徴とする。
上記第1に示す発明によれば、前記仕切り部材によって、前記内部空間を鉛直方向の上下に仕切って前記作業空間を密閉区画する。よって、前記内部空間の容積よりも小さい容積の作業空間を区画できて、もって、作業空間の換気量を少なくでき、結果、付着物の処理コストを低減可能となる。
前記仕切り部材が、上下に対で配置されることにより、これら上下の仕切り部材同士の間に、前記作業空間が密閉区画されることを特徴とする。
上記第2示す発明によれば、前記内部空間の天井部や床部が、前記作業空間を設けるべき高さの近くに無い場合であっても、前記上下の仕切り部材によって所望の大きさの作業空間を密閉区画することができて、便利である。
前記処理の作業者が搭乗し、前記作業空間を上下昇降する作業ゴンドラを備えていることを特徴とする。
上記第3に示す発明によれば、作業者は、作業ゴンドラに乗って上下に移動することにより前記付着物の処理対象部位の近傍まで接近することができる。よって、作業足場を組まずに済み、もって、処理コストや処理期間の削減を図ることができる。
また、前記仕切り部材を前記中空構造体に取り付ける作業も、上記の作業ゴンドラに乗って行うことができるので、作業足場を組まずに済み便利である。
前記作業ゴンドラには、前記内部空間の天井部から吊下されたワイヤーを巻き上げる巻き上げ機が搭載固定され、前記ワイヤーの巻き上げ量の調整により、前記作業ゴンドラは上下昇降し、
前記作業ゴンドラの上方に位置する前記仕切り部材には、前記ワイヤーを上下に通す孔部が形成されているとともに、前記孔部の内周には、前記ワイヤーとの間の隙間を塞ぐ閉塞部材が設けられていることを特徴とする。
上記第4に示す発明によれば、前記作業ゴンドラは、前記ワイヤーのみによって吊り下げられているので、当該作業ゴンドラの上方に位置する前記仕切り部材には、前記ワイヤーを通すための孔部のみを形成すれば事足りて、もって、前記仕切り部材の構造を簡素化することができる。
また、前記孔部の内周には、前記閉塞部材が設けられているので、作業空間の付着物が前記孔部を通じて外部空間へ漏出することを有効に防ぐことができる。
前記作業空間から吸気口を介して吸い込んだ空気をフィルターに通すことにより前記空気中の異物を捕集するとともに、前記フィルターを通過後の空気を前記作業空間の外側へ排気することにより、前記作業空間の気圧を、前記作業空間の外側の気圧よりも低くする集塵機を備えていることを特徴とする。
上記第5に示す発明によれば、前記集塵機によって、作業空間内の付着物等の異物は捕集されるとともに、作業空間内の気圧は、その外側の気圧よりも低くされる。よって、前記仕切り部材等の取り合いにおいて意図せず隙間が形成されてしまうような場合であっても、その隙間から外部空間への異物の漏出は有効に抑制されて、作業空間は高度な密閉隔離状態に維持される。
前記付着物の処理は、前記付着物に向けてドライアイス粒を噴射して衝突させることにより前記付着物を剥がす処理であり、
前記集塵機の吸気口は、前記作業空間内における下部に配置されていることを特徴とする。
上記第6に示す発明によれば、ドライアイス粒の昇華により生じる二酸化炭素ガスは、作業空間の下方に溜まるが、作業空間の下部には前記集塵機の吸気口が配置されている。よって、発生した二酸化炭素ガスは速やかに作業空間から排気されるため、当該作業空間において作業者は安全に前記処理作業を行うことができる。
前記仕切り部材は、
前記中空構造体の互いに水平方向に対向する一対の側壁に突っ張って両端部が当接固定される水平な支持材と、
前記支持材に支持されて水平方向に延出する補強シートと、
前記補強シートに面接触しつつ固定支持されて水平方向に延出する気密性シートと、を備えており、
前記気密性シートの外周縁は、前記中空構造体の側壁の全周に亘って、密着固定されていることを特徴とする。
上記第7に示す発明によれば、前記補強シート及び気密性シートを支持する前記支持材は、前記側壁に突っ張って取り付けられるので、前記仕切り部材を簡単に前記中空構造体に取り付けることができる。
上記第8に示す発明によれば、上述の第1乃至7と同様の作用効果を奏することができる。
前記作業空間が区画された位置での前記処理の終了の度に、前記作業空間を順次未処理の位置へと鉛直方向に移動することを特徴とする。
上記第9に示す発明によれば、同時に前記作業空間を複数形成せずに済み一つだけ形成すれは良いので、仕切り部材としては上下に対で、つまり2つだけ有していれば事足りる。よって、仕切り部材の準備数を減らすことができて、処理コストを低減可能となる。
前記作業空間は、前記内部空間内を上から下へと一方向に順次移動していくことを特徴とする。
上記第10に示す発明によれば、前記内部空間内の上から下へと順番に処理していくことになるので、処理済みの位置に、処理中の位置から付着物が落下して再度汚損されることを防止できて、もって、処理効率を高めることができる。
エレベーターEVは、ビル等の建物BLDGの一部に区画されたエレベーターシャフトEVSと、このエレベーターシャフトEVS内を上下昇降可能に案内された乗りかご13と、エレベーターシャフトEVSの上方の機械室MR内に配置されて、つり合い重りWを備えた吊りロープRにより前記乗りかご13を吊り下げつつ上下昇降する巻き上げ機19と、を備えている。
<<<付着物処理設備>>>
図2Aは、本実施形態に係る付着物処理設備の説明用の斜視図であり、図2Bは同側断面図である。なお、図2Aでは、エレベーターシャフトEVS及び機械室MRの輪郭線のみをそれぞれ二点鎖線及び三点鎖線で示し側壁23は透視して示している。
仕切り部材51a,51bは、例えば、上下に対で配置され、これら上下の仕切り部材51a,51b同士の間に作業空間WSが密閉区画される。ここでは、略2階の階高分の作業空間WSが密閉区画されているが、この作業空間WSの大きさは、集塵機61の吸気能力や施工日数等に応じて適宜決められる。なお、エレベーターシャフトEVSの上端部又は下端部に作業空間WSを区画する際において、エレベーターシャフトEVSの天井部26a又は床部26bが仕切り部材51a,51bの代わりとなり得る場合には、上側の仕切り部材51a又は下側の仕切り部材51bを適宜省略可能である。
図2Bに示すように、集塵機61は、エレベーターシャフトEVSの外側の1階フロアー等に配置される集塵機本体62と、集塵機本体62の空気吸込口62aに連結されて、エレベーターシャフトEVS内の上下の全長に亘り側壁23に沿って敷設されるダクト63と、から主に構成される。
また、この図2Bの例では、エレベーターシャフトEVSの後方の側壁23にダクト63を沿わせて敷設しているが、前方の側壁23に沿わせて敷設しても良い。
図2Aに示すように、作業ゴンドラ71は例えばデッキ型ゴンドラであり、エレベーターシャフトEVSの天井部26aに吊りワイヤー73を介して懸架されたケージ71を本体とする。このケージ71には、吊りワイヤー73を巻き上げる巻き上げ機75が搭載されており、ケージ71に搭乗した作業者が操作盤により巻き上げ機75のワイヤー巻き上げ量を調整することによって、ケージ71たる作業ゴンドラが上下昇降するようになっている。ちなみに、吊りワイヤー73の上端をエレベーターシャフトEVSの天井部26aに固定するための所謂突梁77は、例えば機械室MR内に取り付けられており、もって、吊りワイヤー73は、天井部26aに形成されたエレベーターEVの前記吊りロープR用挿通孔等の貫通孔Hを通してエレベーターシャフトEVS内に垂下される。
ドライアイスブラスト装置(不図示)は、作業空間WS内の空気を取り込んでコンプレッサーにより圧縮空気を生成するとともに、この圧縮空気によってドライアイス粒をホース先端のノズルから噴射するものであり、作業ゴンドラ71に搭載されている。
なお、ここでは、このドライアイスブラスト装置から噴射したドライアイス粒をアスベストに衝突させてアスベストを除去しているが、除去方法は何等これに限るものではなく、例えば、手でアスベストを掻き落として除去しても良いし、更には、この除去処理の代わりに、前述の封じ込め処理や囲い込み処理を施しても良い。
上述の付着物処理設備によれば、以下の手順によってエレベーターシャフトEVS内のアスベストが除去される。
エレベーターシャフトEVSの天井部26aから吊りワイヤー73を垂下する(図2A)。また、図2BのエレベーターシャフトEVSの床部26b上に、作業ゴンドラ71のケージ71を搬入するとともに、前記吊りワイヤー73の下端を作業ゴンドラ71の巻き上げ機75にセットする。そして、これにより、ケージ71たる作業ゴンドラ71は使用可能状態となる。
図2Bに示すように、1階フロアー等の地上付近に集塵機本体62を配置するとともに、ダクト63を、エレベーターシャフトEVSの上下方向の全長に亘り側壁23に沿って敷設する。なお、このダクト63の敷設は、例えば、作業ゴンドラ71内にダクト63を持ち込んだまま作業ゴンドラ71を上方へ移動し、しかる後に、エレベーターシャフトEVSの上端部において、その側壁23の上端にダクト63の一端を支持固定するとともに、他端63cを下方に垂らすことで敷設される。そして、ダクト63の前記他端63cたる下端は、集塵機本体62の空気吸込口62aに接続され、これにより集塵機61は使用可能状態となる。
この例では、図2Bに示すように、作業空間WSの区画位置を、エレベーターシャフトEVS内の上から下へと順次、間欠的且つ不可逆的に移動しながら、アスベストの除去処理をエレベーターシャフトEVSの全長に亘って行っていく。
最後に、エレベーターシャフトEVSの側壁23からダクト63を取り外して、集塵機本体62と伴に建物BLDGから搬出する。また、エレベーターシャフトEVSの天井部26aから吊りワイヤー73を外すとともに、同床部26bに置いた作業ゴンドラ71のケージ71をエレベーターシャフトEVSから搬出する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
21 柱梁架構、21a 鉄骨梁、21b 鉄骨柱、
23 側壁(コンクリートパネル)、23a 乗り場出入口、
25 開閉扉、
26a 天井部、26b 床部、
51a 上側の仕切り部材、51b 下側の仕切り部材、
53 支持棒(支持材)、53a 圧接密着部、53b 送りねじ機構、54 紐、
55 補強シート、55a 分割片、
56 粘着テープ、57 気密性シート、57a 分割片、
58 孔部材(孔部)、58a 分割体、58b 水平フランジ部、
61 集塵機、62 集塵機本体、62a 空気吸込口、62b 排気口、
63 ダクト、63a 扉付き開口部、63c 他端(下端)、
71 ケージ(作業ゴンドラ)、73 吊りワイヤー、75 巻き上げ機、
77 突梁、
EV エレベーター、MR 機械室、WS 作業空間、
EVH エレベーターホール、
EVS エレベーターシャフト(内部空間)、BLDG 建物(中空構造体)、
H 貫通孔、R 吊りロープ
Claims (7)
- 中空構造体の内部の付着物を処理する際に、該付着物の飛散を防ぐべく前記中空構造体に取り付けられる設備であって、
前記中空構造体の鉛直方向に長い内部空間を鉛直方向の上下に仕切って、前記処理のための作業空間を密閉区画する仕切り部材を備えており、
前記仕切り部材は、前記中空構造体の互いに水平方向に対向する一対の側壁に突っ張って両端部が当接固定される水平な支持材と、前記支持材に支持されて水平方向に延出する補強部材と、前記補強部材に面接触しつつ接着固定されて水平方向に延出する気密性シートと、を備えており、
前記気密性シートの外周縁は、前記中空構造体の側壁の全周に亘って、密着固定されていることを特徴とする付着物処理設備。 - 請求項1に記載の付着物処理設備であって、
前記仕切り部材が、上下に対で配置されることにより、これら上下の仕切り部材同士の間に、前記作業空間が密閉区画されることを特徴とする付着物処理設備。 - 請求項1又は2に記載の付着物処理設備であって、
前記作業空間から吸気口を介して吸い込んだ空気をフィルターに通すことにより前記空気中の異物を捕集するとともに、前記フィルターを通過後の空気を前記作業空間の外側へ排気することにより、前記作業空間の気圧を、前記作業空間の外側の気圧よりも低くする集塵機を備えていることを特徴とする付着物処理設備。 - 請求項3に記載の付着物処理設備であって、
前記付着物の処理は、前記付着物に向けてドライアイス粒を噴射して衝突させることにより前記付着物を剥がす処理であり、
前記集塵機の吸気口は、前記作業空間内における下部に配置されていることを特徴とする付着物処理設備。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の付着物処理設備を用いて、前記中空構造体の内部の付着物を処理することを特徴とする付着物処理方法。
- 請求項5に記載の付着物処理方法であって、
前記作業空間が区画された位置での前記処理の終了の度に、前記作業空間を順次未処理の位置へと鉛直方向に移動することを特徴とする付着物処理方法。 - 請求項6に記載の付着物処理方法であって、
前記作業空間は、前記内部空間内を上から下へと一方向に順次移動していくことを特徴とする付着物処理方法。
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