JP5771406B2 - 焼き菓子用成形生地の製造方法、製造装置およびその焼き菓子 - Google Patents
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Description
第2の発明は、第1の発明において、前記第1工程において、1秒間に100ショット以上の吐出を行うことを特徴とする。
第3の発明は、第1または2の発明において、前記第2工程において、ノズルの位置を固定して液状生地を吐出させることを特徴とする。
第4の発明は、第1または2の発明において、前記第2工程において、駆動装置により生地載置位置とノズルとを相対移動させながら、液状生地を吐出させることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、前記第2工程において、断面が山形および谷形からなるように液状生地を塗布させることを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において、前記第2工程において、断面が連続する2つの山形からなるように液状生地を塗布させることを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明において、前記第1工程において、ギザギザの輪郭を描画形成させることを特徴とする。
第9の発明は、第1ないし8のいずれかの発明において、前記第1工程と、前記第2工程で異なる液状生地を用いることを特徴とする。
第10の発明は、第9の発明において、前記貯留容器が、第1の貯留容器および第1の貯留容器と異なる液状生地を貯留する第2の貯留容器とから構成され、前記第1工程で第1の貯留容器から液状生地を供給させ、前記第2工程で第2の貯留容器から液状生地を供給させることを特徴とする。
前記第1工程で用いる液状生地は、縁取った輪郭の形状を保持する程度の高い粘性を有することを特徴としてもよい。縁取った輪郭の形状を保持する程度の高い粘性とは、例えば、50000mPa・s以上、好ましくは100000mPa・sを超える粘性である。なお、生地載置位置に対する生地の濡れ性によっては、100000mPa・s以下の粘性の液状生地であってもその形状を保持できることはいうまでもない。
前記第2工程で用いる液状生地は、前記第1工程で用いる液状生地と同程度かもしくはそれよりも低い粘性を有することを特徴としてもよく、さらに、前記第2の液状生地は、高流動性を有する粘性であることを特徴としてもよい。高流動性を有する粘性とは、例えば、10000mPa・s以下の粘性である。
第11の発明は、第9の発明において、前記焼き菓子用成形生地製造装置が、上流に位置して前記第1工程のみを実施する前記焼き菓子用成形生地製造装置と、下流に位置して前記第2工程のみを実施する前記焼き菓子用成形生地製造装置とから構成され、前記プログラムが、搬送コンベア上に設定された生地載置位置に、前記第1工程および第2工程を繰り返し実施させる工程を含むことを特徴とする。
第13の発明は、生地載置位置に液状生地を吐出するノズルを有する吐出装置と、吐出装置に液状生地を供給する貯留容器と、生地載置位置と吐出装置とを相対的に移動させる駆動装置と、吐出装置および駆動装置の動作を制御する制御部と、を備え、制御部が、第9の発明に係る第1工程を実施させるプログラムを有する第1の塗布装置と、生地載置位置に液状生地を吐出するノズルを有する吐出装置と、吐出装置に液状生地を供給する貯留容器と、生地載置位置と吐出装置とを相対的に移動させる駆動装置と、吐出装置および駆動装置の動作を制御する制御部と、を備え、制御部が、第9の発明に係る第2工程を実施させるプログラムを有する第2の塗布装置と、を備える焼き菓子用成形生地製造装置に関する。
第14の発明は、生地載置位置に液状生地を吐出するノズルを有する吐出装置と、吐出装置に液状生地を供給する第1の貯留容器と、吐出装置に第1の貯留容器と異なる液状生地を供給する第2の貯留容器と、生地載置位置と吐出装置とを相対的に移動させる駆動装置と、吐出装置および駆動装置の動作を制御する制御部と、を備え、制御部が、第10の発明に係る焼き菓子用成形生地の製造方法を実施させるプログラムを有することを特徴とする焼き菓子用成形生地製造装置に関する。
また、型枠を用いることなく平面的あるいは立体的な形状に成形することができる。
また、輪郭を液状生地で縁取りするから、焼き菓子の周縁に特別な効果を施しやすい。例えば、マカロンの輪郭をギザギザに塗布形成することにより、ピエにギザギザ感をもたらすことができる。
さらに、輪郭を形成する液状生地と、その内部を満たす液状生地を異なる生地とすることができるから、焼き菓子の周りの外観をデコレーションしたり、中央部分と異なる食感にすることができる。
以下では、マカロンの製造方法の例で発明を実施するための形態を説明する。
マカロンの生地の辺縁部(2枚の生地を対向させる際の縁部)には、ピエ(「足」意味する)と呼ばれる盛り上がり(フリル)が形成される。ピエ表面が先に焼き固められることで、後から熱が入り膨張した生地が行き場所を失って、生地を持ち上げまわりにはみ出すことにより形成されるものであり、マカロンの形状的特徴を表す重要な部分である(これがないとマカロンと言わないという人もいると聞く。)。マカロンは、このピエを一様に形成することが難しく、職人による熟練した技術を要していた。
制御部に予め入力された形状情報に基づき、所望とする形状の輪郭(土手)が天板と相対移動するノズルから吐出され形成される(土手形成工程)。この際、土手の高さを制御することにより、盛る材料の量をコントロールすることができる。
本発明では、吐出装置による線引きの描画線を乱すと、ピエのブツブツボソボソ感をうまく表現することができる。つまり、焼成によって形成させていたピエを、その外郭形状の描画形成によりある程度の形状を表現させてしまうことができる。従来はピエをきれいに形成するために、焼成時間を調整するなどの工夫が必要であったが、本発明では、機械的にピエを形成するため、職人が手作業で行う場合と比べ、より一様にピエを形成することが可能である。
続いて、制御部に予め入力された形状情報に基づき、形成した土手の内側に所望量の液状生地を充填して山型を形成する充填工程を実施する。
第1の態様は、2つの吐出ヘッドを有する塗布装置において、第1のヘッドで土手形成工程を行い、直後に第2のヘッドで充填工程を行う。このとき第2のヘッドが充填工程を行っている間に、第1ヘッドは次のマカロンの土手形成工程を行うようにしても良い。
第2の態様は、第1のヘッドで複数のマカロンに対し土手形成工程を行い、その後第2のヘッドでそれらに対し充填用工程を行う。
第3の態様は、土手形成用の塗布装置と、充填用の塗布装置の2台を用意し、ベルトコンベアで流れるシート上にまず土手形成用の塗布装置によって土手形成工程を施し、下流に位置する充填用の塗布装置で充填工程を行う。
第4の態様は、土手形成用の塗布装置と、複数台の充填用装置を用意し、ベルトコンベアで流れるシート上にまず土手形成用の塗布装置によって土手形成工程を施し、下流に位置する複数台の充填用装置で同時に液状生地を注入して充填工程を行う。
このように、都合に応じた生産の態様を採用することが可能である。
また、本発明の製造方法によれば、土手内部の高さを自由に設定することができるので、例えば図11に示すように、山部と谷部を有する焼き菓子を連続的に自動製造することも可能である。
さらには、焼き菓子やその器の表面に、チョコレートソース、水飴、蜂蜜、練乳、カスタード等の塗布描画を行うことも可能である。
本発明で言う焼き菓子とは、糖質として砂糖、麦芽糖、ブドウ糖、乳糖、オリゴ糖、糖アルコール、デキストリン等、油脂類としてバター、マーガリン、ショートニングなど、穀粉類として小麦粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、米粉、そば粉など、その他副原料として卵、乳製品、チョコレート、ココア、コーヒー、クリーム類、アーモンド粉末、果汁、フルーツソース、餡、抹茶、加工澱粉、食塩、保存料、蛋白質、アミノ酸、膨張剤、乳化剤、イースト、香料、着色料、水等を混合して焼き菓子生地を調製し、焼成して得られる菓子類を総称し、具体的にはクッキーやビスケット、メレンゲ菓子、メロンパンやシュークリームなどの上掛け菓子、クッキー生地を使用するタルトカップ、マドレーヌ、パウンドケーキ等を例示することができる。
《装置構造》
実施例1の焼き菓子の製造装置は、図1に示すように、液状生地を貯留する貯留容器10を着脱可能に搭載する卓上型ロボット50と、貯留容器10と接続チューブ20を介して連通し、貯留容器内の液状生地に所望時間、所望圧力を印加するディスペンスコントローラ30で構成される。
貯留容器10は、その上部に接続チューブ20が着脱自在に連結される接続部を有し、接続チューブ20が分離された状態で、その上部より液状生地が投入される。貯留容器10の下部は、ノズル15が着脱自在に接続されている。
ノズル15は、作成する形状に応じて所望の径、ノズル長など所望のノズルを使用することができる。本実施例では、断面が円形状のSUS製のノズル(外径0.8mm、内径0.5mm)を使用したがこれに限定されず、例えば、複数の吐出口を有するノズルや多角形状の吐出口を有するノズルも使用することができる。
X方向にヘッド55が移動し、Y方向にテーブル51が移動することにより、ノズル15から吐出される液状生地は、シート60上の所望位置に所望量吐出される。貯留容器10内の液状生地に調圧されたエアを所望時間だけ印加してノズル15から吐出を行うエア式吐出装置である。
また、ディスペンスコントローラ30と卓上ロボット50は、ケーブル57で電気的に接続されており、卓上ロボット50から命令により、吐出の開始・停止を制御することができる。このような構成によりシート60上に液状生地で所望の形状を線状塗布描画することができる。卓上ロボット50は、PCと接続可能であり、PCでプログラムを作成することができる。
実施例1では、ノズル15とテーブル51を相対移動しながら線状塗布により土手を形成し、続いてノズル15を土手の略中央位置に移動し、土手の内部に液状生地5で満たすことでマカロンを製造する。
図2は、土手形成工程を説明する説明図である。この図は、ノズル15により液状生地5をAの位置から塗布描画を開始し、ノズル15から液状生地5の供給を連続的に続けながら円状に土手を描画し、一周してAの位置まで戻ってきたところを示している。
例えば、(a)のように、土手よりも低く充填することもできるし、(b)のように、ほぼ土手の高さと同じ高さまで液状生地で満たすこともできるし、(c)のように、土手高さよりも盛り上げることも可能である。ただし、液状生地の粘度を調整し、液状生地が土手を超えて大きく流れ出さないようにする。成形した生地をオーブンで焼成する。
ジェット式吐出装置70は、貯留容器10と着脱可能に接続され流体的に連通している。貯留容器10は、その上部に接続チューブ20が着脱可能に連結される接続部を有する。接続チューブ20には、所望圧に調圧された加圧エアが供給されており、貯留容器10内の液状生地を加圧し、当該液状生地をジェット式吐出装置70に送出する。
ジェット式吐出装置は70は、液状生地を滴状にして飛翔吐出して土手を形成する。
(a)は、ドット状に最初の液状生地が吐出されシート状に着地し、ノズル15の先端からは第2ショット目の液状生地が吐出された状態である。ノズル15は上下動させることなく水平方向に連続的に円状に等速移動させ、このノズルの移動速度に応じて、ジェット式吐出装置70は液状生地を連続的に射出する。この際、吐出されたドットを重ねるようにして円を描き(b)、一周して最初の液状生地とつなげて土手形成工程を終了する(c)。
液状生地の充填は、土手形成と同様に、ノズル15とテーブル51を相対移動しながらドットを重ねて土手内部に液状生地を塗布することにより行う。実施例1と同様に、種々の高さを設定することが可能である。図4(c)のように、土手高さよりも盛り上げるには、液状生地の粘度を調整し土手を超えて大きく流れ出さないようにすることも同様である。図7は、図4(c)のように盛り上げた充填工程の最後のショットにおける生地状態を例示する図である。
最後に、成形した生地をオーブンで焼成する。
本実施例では、土手工程で使用する液状生地を第1の液状生地、充填工程で使用する液状生地を第2の液状生地の組成を異なるものとしている。例えば第2の液状生地を第1の液状生地を水でのばして低い粘度の生地として使用する。
生地の成形作業は、ジェット吐出装置70で土手を形成した直後にジェット吐出装置71で充填する工程を繰り返し行ってもよいし、所望数の土手をジェット吐出装置70で形成した後に、ジェット吐出装置B71で充填工程を土手が形成された数だけ行うようにしてもよい。
例えば、土手形成をジェット式吐出装置でドットを重ねて形成し、充填工程をエア式吐出装置の位置を固定して注入塗布した場合のイメージ図を図10に示す。
6 土手部
7 充填部
8 液状生地B
10 貯留容器
11 大型貯留容器
12 大型貯留容器B
15 ノズル
20 接続チューブ
21 接続チューブB
23 レギュレータ
24 レギュレータB
25 パイプ
30 ディスペンスコントローラ
50 卓上型ロボット
51 テーブル
52 X方向移動機構
53 Y方向移動機構
54 Z方向移動機構
55 ヘッド
56 操作パネル
57 ケーブル
60 シート
70 ジェット式吐出装置
71 ジェット式吐出装置B
Claims (14)
- 生地載置位置に液状生地を吐出するノズルを有する吐出装置と、吐出装置に液状生地を供給する貯留容器と、生地載置位置と吐出装置とを相対的に移動させる駆動装置と、吐出装置および駆動装置の動作を制御するプログラムを有する制御部と、を備える焼き菓子用成形生地製造装置を用いた焼き菓子用成形生地の製造方法であって、
前記吐出装置が、液室と液室内を進退動するプランジャーとを有し、液状生地を飛翔吐出するジェット式の吐出装置であり、プランジャーを進退動させる際に、液室の内周面とプランジャーの外周面が非接触であること、
前記プログラムが、駆動装置により生地載置位置と吐出装置とを相対移動させながら、吐出装置のノズルから吐出した液状生地により所望形状の土手の輪郭をドットを重ねて描画形成させる第1工程と、
前記第1工程で形成した輪郭の内側に、吐出装置のノズルから吐出した液状生地を土手よりも盛り上がるように塗布して立体的な生地を成形させる第2工程と、を含み、
前記制御部が、前記プログラムを実施することにより立体的な成形生地を連続成形することを特徴とする焼き菓子用成形生地の製造方法。 - 前記第1工程において、1秒間に100ショット以上の吐出を行うことを特徴とする請求項1記載の焼き菓子用成形生地の製造方法。
- 前記第2工程において、ノズルの位置を固定して液状生地を吐出させることを特徴とする請求項1または2記載の焼き菓子用成形生地の製造方法。
- 前記第2工程において、駆動装置により生地載置位置とノズルとを相対移動させながら、液状生地を吐出させることを特徴とする請求項1または2記載の焼き菓子用成形生地の製造方法。
- 前記第2工程において、断面が山形および谷形からなるように液状生地を塗布させることを特徴とする請求項4に記載の焼き菓子用成形生地の製造方法。
- 前記第2工程において、断面が連続する2つの山形からなるように液状生地を塗布させることを特徴とする請求項5に記載の焼き菓子用成形生地の製造方法。
- 前記第1工程において、マカロン形状の土手の輪郭をドットを重ねて描画形成させ、
前記第2工程において、断面がマカロンの半形となるように液状生地を塗布させることを特徴とする請求項4記載の焼き菓子用成形生地の製造方法。 - 前記第1工程において、ギザギザの輪郭を描画形成させることを特徴とする請求項7に記載の焼き菓子用成形生地の製造方法。
- 前記第1工程と、前記第2工程で異なる液状生地を用いることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の焼き菓子用成形生地の製造方法。
- 前記貯留容器が、第1の貯留容器および第1の貯留容器と異なる液状生地を貯留する第2の貯留容器とから構成され、
前記第1工程で第1の貯留容器から液状生地を供給させ、前記第2工程で第2の貯留容器から液状生地を供給させることを特徴とする請求項9記載の焼き菓子用成形生地の製造方法。 - 前記焼き菓子用成形生地製造装置が、上流に位置して前記第1工程のみを実施する前記焼き菓子用成形生地製造装置と、下流に位置して前記第2工程のみを実施する前記焼き菓子用成形生地製造装置とから構成され、
前記プログラムが、搬送コンベア上に設定された生地載置位置に、前記第1工程および第2工程を繰り返し実施させる工程を含むことを特徴とする請求項9記載の焼き菓子用成形生地の製造方法。 - 生地載置位置に液状生地を吐出するノズルを有する吐出装置と、
吐出装置に液状生地を供給する貯留容器と、
生地載置位置と吐出装置とを相対的に移動させる駆動装置と、
吐出装置および駆動装置の動作を制御する制御部と、を備え、
制御部が、請求項1ないし8のいずれかに記載の焼き菓子用成形生地の製造方法を実施させるプログラムを有することを特徴とする焼き菓子用成形生地製造装置。 - 生地載置位置に液状生地を吐出するノズルを有する吐出装置と、
吐出装置に液状生地を供給する貯留容器と、
生地載置位置と吐出装置とを相対的に移動させる駆動装置と、
吐出装置および駆動装置の動作を制御する制御部と、を備え、
制御部が、請求項9に記載の第1工程を実施させるプログラムを有する第1の塗布装置と、
生地載置位置に液状生地を吐出するノズルを有する吐出装置と、
吐出装置に液状生地を供給する貯留容器と、
生地載置位置と吐出装置とを相対的に移動させる駆動装置と、
吐出装置および駆動装置の動作を制御する制御部と、を備え、
制御部が、請求項9に記載の第2工程を実施させるプログラムを有する第2の塗布装置と、
を備える焼き菓子用成形生地製造装置。 - 生地載置位置に液状生地を吐出するノズルを有する吐出装置と、
吐出装置に液状生地を供給する第1の貯留容器と、
吐出装置に第1の貯留容器と異なる液状生地を供給する第2の貯留容器と、
生地載置位置と吐出装置とを相対的に移動させる駆動装置と、
吐出装置および駆動装置の動作を制御する制御部と、を備え、
制御部が、請求項10に記載の焼き菓子用成形生地の製造方法を実施させるプログラムを有することを特徴とする焼き菓子用成形生地製造装置。
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