JP6105450B2 - 環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法と、ベイカリイ生地供給装置、及びベイカリイ製品 - Google Patents

環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法と、ベイカリイ生地供給装置、及びベイカリイ製品 Download PDF

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Description

本発明は、環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法と、ベイカリイ生地供給装置、及び新規な環状形ベイカリイ製品に係り、詳しくは、新規な環状形ベイカリイ製品を効率良く連続的に大量生産するのに適した製造技術に関するものである。
本発明のベイカリイ製品の形状は、環状形であり、平面視したときに中央(中心)に空間があり、その周囲を囲むように環状の形状となっていることを意味する。そのような環状形ベイカリイ製品としては、例えば、ドーナツやバウムクーヘンが知られている。
ドーナツはバッター状の生地を型で成形して油揚げすることにより製造される。一方、バウムクーヘンは、円柱状の心棒に、バッター状の生地を付着させて焼成することを繰り返し、中心から外側へ何層も積層させた円柱状の菓子とした後、輪切りにすることにより製造される。
また、環状形ベイカリイ製品としては、例えば、シュークリームとして、自転車の車輪を模した環状形をしたパリブレストと称されるリングシューが知られている。このリングシューは、粘性の高い流動状の生地を一筆書きで円を描くように焼成板上に載置して焼成することにより環状を呈するシューパフ(シュー皮)とし、該シューパフを水平に切り、その間にカスタードクリームやホイップクリーム、フルーツ等を挟み込んだものが一般的である。
さらに、例えば、特開2003−102387号公報において、2個以上のシュー生地を離して置いて焼成することで、シュー生地同士が焼成時の膨張によって互いに結着し、空洞を2個以上有するようにしたシュー菓子を製造する方法も提案されている(特許文献1参照)。
同文献において、最終シュー菓子を丸型、四角型等の形状にする場合には、その形状にあわせて設定した焼成型を用いて、焼成型内にシュー生地を配置することで、最終シュー菓子の形状を整えることができるものとしている。より具体的には、ドーナツのような穴の空いたシュー菓子を焼成する時には、大小丸型の焼成型を2個同心円上に設置して用いることが開示されている(同文献の段落[0012]及び[0013]参照)。
しかしながら、前者のパリブレストは、焼成板上へ一筆書きで円を描くように載置して焼成しなければならないので、自動化することが容易ではなく、また、焼成後の製品内部に通常のシューパフのような空洞が形成されないことから、焼成後にフィリングを内包させるためには、水平に切り、上下の環状のシューパフの間にフィリングを挟みこむしかなく、機械化した設備で大量生産することには適さないという問題がある。
また、引用文献1に記載されている製造方法では、環状形のシューパフを製造するためには、大小丸型の焼成型を2個同心円上に設置して用いることが必要であるという設備的な制約があったため、現実には環状形のベイカリイ製品を製造するために引用文献1の発明はほとんど実施されていない。
ところが、上述のパリブレストや特許文献1におけるような焼成型を用いることによる製造方法以外に、シュー生地等の粘性の高い流動性生地を用いて環状形ベイカリイ製品を製造する方法は、出願人が知るかぎり現在までのところ提案されていない。
特開2003−102387号公報
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、新規な環状形ベイカリイ製品、特に複数の玉状ベイカリイ焼成膨張物が互いに適度にくっついた新規な環状形をしたシューパフ(皮)を効率良く連続的に、かつ、略均一な形状で大量生産するのに適した製造技術を提供することを目的とする。
本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法は、粘性の高い流動状ベイカリイ生地を焼成板上に供給し、これを運行窯で連続的に焼成することでベイカリイ製品を連続的に製造する方法であって、前記ベイカリイ生地の供給は、該ベイカリイ生地を焼成板の上方において環状に配した複数の箇所から同時に吐出して、該吐出されたベイカリイ生地が前記焼成板上において複数箇所に環状に載置されると共に、それぞれ略半球状となるように行われ、その後、前記複数箇所に環状に載置された略半球状のベイカリイ生地同士が焼成されることにより、膨化しながら隣接する他の略半球状ベイカリイ生地と互いに適度にくっついて複数の玉状ベイカリイ焼成膨張物が複合した環状形ベイカリイ製品となることを特徴とする。
本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法は、上記製造方法において、前記ベイカリイ生地の粘度が10000cP〜300000cPであることを特徴とする。
本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法は、上記製造方法においてそれぞれ、前記ベイカリイ生地を焼成板より2mm〜40mmの高さから吐出することを特徴とする。
本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法は、上記製造方法においてそれぞれ、前記ベイカリイ生地を5箇所〜16箇所の複数箇所から吐出することを特徴とする。
本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法は、上記製造方法においてそれぞれ、前記ベイカリイ生地を焼成板上において複数箇所に環状に載置する際、載置した直後のベイカリイ生地の上部を略水平方向にカットすることを特徴とする。
本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法は、上記製造方法においてそれぞれ、前記ベイカリイ生地の焼成時の体積の膨張率が4〜15倍であることを特徴とする。
本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法は、上記製造方法においてそれぞれ、前記ベイカリイ生地がシュー生地であることを特徴とする。
本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法は、上記製造方法においてそれぞれ、前記ベイカリイ生地の供給を複数列で行うことを特徴とする。
また、本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法において使用するベイカリイ生地供給装置は、ベイカリイ生地を貯留するホッパーと、前記ホッパーの下部に設けられ、受入口と送出口とを保有し、該受入口から受け入れたベイカリイ生地を前記送出口から一定量ずつ送り出す送出ポンプと、前記送出ポンプの送出口に連接して設けられ、該送出ポンプから送り出されるベイカリイ生地を受け入れて焼成板上に供給するアタッチメントノズルと、を少なくとも備え、前記アタッチメントノズルが、ノズル本体と、その上部に設けられる上方受入口(取付口)と、前記ノズル本体の下部に環状に設けられる、下側に吐出穴が開いている複数の下方吐出管とを保有しており、前記上方受入口で(を介して)前記送出ポンプから受け入れたベイカリイ生地を、前記ノズル本体を経由して前記複数の下方吐出管の吐出穴から焼成板上に吐出することでベイカリイ生地を供給することを特徴とする。
本発明のベイカリイ生地供給装置は、上記装置において、前記アタッチメントノズルの下方吐出管を5〜16個設けることを特徴とする。
本発明のベイカリイ生地供給装置は、上記装置においてそれぞれ、前記アタッチメントノズルは、(1)焼成板の上方の所定の初期位置から、前記焼成板の移動速度と同調して進行方向へ水平移動しながら、又はそのような水平移動を行わずに、所定の高さまで下降する、(2)その後、しばらく所定の高さを維持したまま、前記焼成板の移動速度と同調して進行方向への水平移動を行う、(3)その後、しばらく前記焼成板の移動速度と同調して進行方向へそのまま水平移動しながら、又はそのような水平移動を行わずに上昇する、(4)その後、前記焼成板の進行方向とは逆方向へ水平移動し、かつ必要に応じてさらに上昇して前記初期移置に戻る、の順に繰り返し動作させるとともに、上記アタッチメントノズルから焼成板上への生地の吐出を、上記(2)の動作中に開始し、上記(3)の動作中に終了させることを特徴とする。
本発明のベイカリイ生地供給装置は、上記装置においてそれぞれ、前記アタッチメントノズルは、(1)焼成板の上方の所定の初期位置から、前記焼成板の移動速度と同調して進行方向へ水平移動しながら、又はそのような水平移動を行わずに、所定の高さまで下降する、(2)その後、しばらく所定の高さを維持したまま、前記焼成板の移動速度と同調して進行方向への水平移動を行う、(3)その後、しばらく前記焼成板の移動速度と同調して進行方向へそのまま水平移動しながら、又はそのような水平移動を行わずに上昇する、(4)その後、前記焼成板の進行方向とは逆方向へ水平移動し、かつ必要に応じてさらに上昇して前記初期移置に戻る、の順に繰り返し動作させるとともに、上記アタッチメントノズルから焼成板上への生地の吐出を、上記(2)の動作中に開始し、上記(2)の動作中に終了させることを特徴とする。
本発明のベイカリイ生地供給装置は、上記装置においてそれぞれ、一又は複数のワイヤと、該ワイヤを保持するワイヤ保持部とを備えるワイヤカッターをさらに設け、前記ワイヤが前記アタッチメントノズルの下方に位置し、かつ、前記ワイヤ保持部が前記焼成板の進行方向と同一の前後方向へ水平移動させることが可能となるようにすることを特徴とする。
本発明のベイカリイ生地供給装置は、上記装置においてそれぞれ、前記ワイヤカッターのワイヤ保持部を所定の切断前初期位置と切断終了位置の間で往復移動させるように設定し、前記ワイヤ保持部を、ベイカリイ生地の吐出終了後または吐出終了の直前に切断前初期位置から切断終了位置まで前記焼成板の進行方向とは逆方向へ水平移動させ、その後、次のベイカリイ生地の吐出開始前までに切断終了位置から切断前初期位置まで前記焼成板の進行方向と同方向へ水平移動させるようにし、以降この切断前初期位置と切断終了位置の間の往復移動を繰り返すように動作させるようにすることにより、前記ワイヤ保持部が切断前初期位置から切断終了位置まで移動するときに前記ワイヤが吐出終了後のベイカリイ生地を切断することを特徴とする。
さらに、本発明の環状形ベイカリイ製品は、上記本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法において製造したことを特徴とする。
本発明の環状形ベイカリイ製品の製造方法により、ベイカリイ生地が略半球状に盛り上がった状態で複数個環状に載置されるように焼成板上へ供給するので、焼成されることで膨化して、隣接する略半球状のベイカリイ生地同士が適度に互いにくっついて複数の玉状ベイカリイ焼成膨張物からなる新規な環状形ベイカリイ製品とすることができる。
しかも、隣接する略半球状のベイカリイ生地同士の側面方向への膨化が互いに影響し合うことで安定的に膨化し、個々の製品形状が製品間でばらつくことが抑制され、全体として略均一にすることできる。とりわけ、前記ベイカリイ生地の粘度を10000cP〜300000cPとすること、さらには、該ベイカリイ生地を焼成板より2mm〜40mmの高さから吐出することとした場合、このような製品形状の安定化および製品形状の製品間のばらつきを抑制して全体として略均一な製品形状とする効果がより確実となる。
また、本発明のベイカリイ生地供給装置は、粘性の高い流動状ベイカリイ生地の供給を確実かつ連続的に行うことができるので、これにより本発明の製造方法を容易に実現することができ、見栄えの良い環状形ベイカリイ製品を略均一な形状で、かつ効率良く連続的にかつ大量に製造することができる。
本発明に係る環状形ベイカリイ製品の製造方法において焼成板上に供給された直後のベイカリイ生地の(A)側面図、(B−1)第一の状態を示す平面図、(B−2)第二の状態を示す平面図である。 本発明に係る環状形ベイカリイ製品の製造方法において所定の高さから個別に供給されるベイカリイ生地の状態(略半球状のベイカリイ生地)を示す(A)側面図、(B)平面図である。 本発明に係る環状形ベイカリイ製品の製造方法において使用するベイカリイ生地供給装置を説明する概略図である。 本発明に係るベイカリイ生地供給装置における送出ポンプの構造を説明するために一部断面で示した部分拡大図である。 本発明に係るベイカリイ生地供給装置におけるアタッチメントノズルを示す(A)側面図、(B)平面図、(C)底面図である。 本発明に係るベイカリイ生地供給装置におけるアタッチメントノズルの(A)第一の動作、(B)第二の動作、をそれぞれ説明する概略図である。 本発明に係るベイカリイ生地供給装置におけるワイヤカッターを示す(A)側面図、(B)平面図である。 本発明に係るベイカリイ生地供給装置におけるアタッチメントノズルに対してワイヤカッターを配置する(A)ベイカリイ生地切断前初期位置を示す底面図、(B)同切断終了位置を示す底面図である。 本発明に係るベイカリイ生地供給装置におけるアタッチメントノズルとワイヤカッターの動作を説明する概略図である。 本発明に係る環状形ベイカリイ製品の製造方法において使用する装置全体を説明する概略図である。 本発明に係るベイカリイ生地供給装置を移動させるために用いる移動体の構造を説明する概略図である。 図11に示す移動体においてベイカリイ生地供給装置を載置する載架部を示す(A)平面図、(B)底面図である。 本発明より低い位置から個別に供給されるベイカリイ生地の状態を示す側面図である。 本発明より高い位置から個別に供給されるベイカリイ生地の状態を示す側面図である。
以下、本発明における実施の形態の一例について、図面を参照して説明する。
本発明の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法は、粘性の高い流動状ベイカリイ生地を焼成板上に供給し、これを運行窯で連続的に焼成することでベイカリイ製品を連続的に製造する方法である。
本発明で意図するベイカリイ製品とは、ベイカリイ生地の焼成によって製造する、焼成後に内部に空洞部が形成された環状形のものであって、膨化の程度が大きい(高い)もの、具体的には、ベイカリイ生地の焼成時の好ましい体積の膨化率が4〜15倍であるものをいう。また、本発明は、このような膨化率の高いベイカリイ生地を使用する場合に好適なものである。
また、本発明で用いるベイカリイ生地は、原料として、少なくとも小麦粉その他のデンプンを主成分とする原料粉を使用して作成されるが、原料粉以外に卵、水、その他の原料を使用しても良い。
デンプンを主成分とする原料粉として最も代表的なものは小麦粉であるが、小麦粉以外にも、米粉、大豆粉、蕎麦粉、トウモロコシ粉などの穀物粉や、ジャガイモ粉、サツマイモ粉、タピオカ粉などの芋類の粉が挙げられ、これらのうち2種類以上組み合わせても良い。また、小麦粉としては、強力粉、中力粉、薄力粉などが挙げられ、これらのうち2種類以上を組み合わせても良い。
原料粉以外のベイカリイ生地の原料としては、砂糖、卵、膨張剤、重曹、水飴などが挙げられ、(この部分はいらないのでは?)また、着色成分としてカラメル、蕎麦、黒糖、抹茶などを添加しても良い。
そしてまた、これらのような原料を使用して作成されるベイカリイ生地は、粘性の高い流動状であり、例えば、流動性を有するが保形性のない、いわゆる「バッター」とは異なり、ある程度の保形性のある生地のことをいい、そのような状態の生地であれば上述した範囲でどのような原料で構成されていても良い。
本発明のベイカリイ製品としては、具体的には、例えば、甘食、カステラ、タマゴパン、ブッセ、スポンジケーキ、パイ、シューパフ(シュー皮)、シフォンケーキ等が挙げられるが、本実施の形態では、膨化率の高いベイカリイ生地を使用するベイカリイ製品として、シューパフを製造する場合について、公知のシューパフの製造方法とは異なる点を中心に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態においては、本発明の好適なシューパフの具体例を用いて説明しているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、以下に述べるシューパフの具体例に限られるものではない。
本実施の形態におけるシュー生地は、粘性の高い流動状のものであり、具体的には、粘度が10000cP〜300000cPであれば良く、20000cP〜50000cPであると好ましい(このシュー生地の粘度は、ブルックフィールド社製のB型スピンドルLV−4で回転数10rpm、測定温度40℃前後で測定)。すなわち、シュー生地が水分を比較的多く含む流動性の高いもの、具体的には、粘度が10000cP未満であると、生地の保形性が足りず、焼成板上に載置したときに、すぐに平面方向に拡がるため、所望の形状の製品が得られないものとなってしまう。一方、シュー生地が、水分をあまり含まない等により流動性の低いもの、具体的には、粘度が300000cPより大きいと、生地の粘りが強すぎて吐出が困難であり、均一な量で吐出することができないものとなってしまう虞がある。
また、シュー生地の供給は、上述のような粘性の高い流動状シュー生地を焼成板の上方において環状に配した複数の箇所から同時に吐出し、図1に示すように、このシュー生地Pの載置を焼成板5上において複数箇所に環状に略半球状シュー生地HPが配置されるように行うものとする。同時に、シュー生地の供給は、環状に配した各箇所から供給されるシュー生地が焼成板上においてそれぞれ略半球状に盛り上がった状態(以下、この状態を「略半球状」という。)となるように所定の高さより行うものとする。
ここで、シュー生地の供給において「略半球状に盛り上がった状態」とは、図2に示すように、平面方向への拡がりと高さ方向への盛り上がりがバランス良くなされた略半球状シュー生地HPの状態をいう。
また、生地の供給を行う「所定の高さ」とは、上述のような粘性の高い流動状シュー生地を吐出し始めるのに適した高さ(吐出開始高さ)をいい、具体的には、焼成板から2mm〜40mmの高さであり、好ましくは5mm〜20mmの高さであり、より好ましくは6mm〜10mmの高さとすることである。すなわち、シュー生地を吐出し始める高さが2mmより低い位置であると、図13に示すように、シュー生地が焼成板の上で平面方向に拡がり過ぎて好ましい略半球状となりにくく、焼成時に上方向への膨化が不十分なものなってしまう。一方、シュー生地を吐出し始める高さが40mmより高い位置であると、図14に示すように、シュー生地が焼成板上での平面方向への拡がりが足りず、また、所望の位置に正確に載置し難いものとなってしまう虞がある。さらに、シュー生地の吐出開始が焼成板から40mmより高い位置で行われると、焼成時に隣接する他の略半球状ベイカリイ生地と適度に互いにくっつきにくくなり、焼成後のベイカリイ製品において、複数の製品間で形状にばらつきが生じることが多くなり、個々のベイカリイ製品についても均整の取れない歪な形状となるものが多くなってしまう虞がある。
図13は、本発明における所定の高さより低い位置から吐出開始されることで、平面方向へ拡がりすぎて潰れたような状態のシュー生地p1を示し、図14は、本発明における所定の高さより高い位置から吐出開始されることで、平面方向への拡がりが足りず、焼成時に高さ方向への盛り上がりが大きく伸びすぎて端部側が暴れたような状態のシュー生地p2を示している。
したがって、粘性の高い流動状シュー生地の吐出開始は、高さ方向への盛り上がりが抑制されて平面方向への拡がりが大きくなりすぎることなく、かつ、高さ方向への盛り上がりが大きくなりすぎ高さ方向端部側が傾倒してしまう虞の無いように、平面方向への拡がりと高さ方向への盛り上がりのバランスが良い所望の略半球状となるような上述の高さ(所定の高さ)より行うものとする。
これにより、高さ方向への膨化が不十分となったり、あるいは膨化方向が定まらず暴れて不均一形状となったりすることを防止することができ、均一な形状をしたボリューム感のある見栄えの良い製品を効率良く製造することができる。
図1において、シュー生地Pは、8個の略半球状シュー生地HP・・HPが環状形を呈するように供給した場合の一例として示されている。
なお、焼成板上に供給されたシュー生地の間隔としては、図1(B−1)に示すように、供給直後に必ずしも隣接する略半球状ベイカリイ生地HP同士が互いにくっついている必要はない。すなわち、シュー生地の供給直後は、図1(B−2)に示すように、各略半球状シュー生地HPが全て互いにわずかずつ離れていても、一部がくっついておりその他が離れた状態であっても良く、また、各略半球状シュー生地HPが離れていた場合であっても良い。さらにまた、供給直後には離れた状態であったシュー生地がその有する流動性によって経時的に平面方向に徐々に拡がって一部もしくは全部がくっついた状態となるものであっても良い。
シュー生地の吐出は、少なくとも5以上の複数の箇所から同時に行うものとすると良く、具体的には、5〜16箇所から同時に行うものとすると望ましい。シュー生地の吐出箇所が4箇所以下であると、環状形をしたベイカリイ製品とすることが困難である。一方、シュー生地の吐出箇所が17箇所以上であると、シュー生地の吐出量の調整が困難でシュー生地の供給が不安定なものとなってしまうと共に、一箇所から供給される生地量が少なく、焼成されることによってボリューム感が得られず、形状が歪なものとなってしまう虞がある。
ここで、本発明における「環状形」とは、平面視したときに中央(中心)に空間があり、その周囲を囲むように環状の形状となっていることを意味する。より具体的には、環状に載置された複数の略半球状シュー生地が、焼成時に隣接する他の略半球状シュー生地と適度に互いにくっついて中央に空間があり、その周囲を取り囲むように環状に繋がっている形状であることをいう。
以上のように、複数の箇所から同時にシュー生地を吐出してその供給を適切に行うものとすると、シュー生地の焼成後において、確実に複数の玉状シューパフが複合した綺麗な環状形の製品を製造することができる。
そして、上述したような方法によってシュー生地を焼成板上に供給する場合、たとえば、図3に示すようなシュー生地供給装置30を用いて行うことができる。
図3において、シュー生地供給装置30は、シュー生地を貯留するホッパー3と、このホッパー3からシュー生地を受け入れて一定量ずつ送り出す送出ポンプ4と、この送出ポンプ4からシュー生地を受け入れて焼成板5上に吐出するアタッチメントノズルとしての生地供給ノズル10とを少なくとも備えている。
送出ポンプ4は、ホッパー3の下部に設けられ、ホッパー3からシュー生地を受け入れる受入口(図示せず)と、受け入れたシュー生地を生地供給ノズル10に対して送り出す送出口(図示せず)とを有している。本実施の形態においては、送出口は送出ポンプ4の下面に配置され、この送出口に連接して、詳しくは後述する生地供給ノズル10を設けるものとなっており、したがって複数の生地供給ノズル10を設ける場合にはこれと同数の送出口が設けられる。
このような送出ポンプ4としては、たとえば、図4に示すような、いわゆる、ロータリポンプとすることができる。
図4において、送出ポンプ4は、ハウジング41内に、図4中の実線矢印で示される方向に互いに回転する一対のロータ42,42と、この各ロータ42の周囲にそれぞれ設けられた複数のブレード43・・43とを少なくとも備えている。また、各ロータ42が所定の角度だけ回転することで、隣接する二つのブレード43,43間において形成される空間により所定量のシュー生地を計量し、送出口を介して間欠的に順次生地供給ノズル10へ送り出すことができるものとなっている。
この送出ポンプ4は、図示はしないが、サーボモータをこれによって一対のロータ42,42を駆動するように設けるとともに、コンピュータをこれにより該サーボモータを間欠的に所定の角度だけ回転動作させるように駆動制御するために設けることにより、上述のように一対のロータ42,42を動作させてシュー生地を間欠的に所定量ずつ送り出すものとしている。
なお、図4中の点線矢印は、シュー生地の送り出し方向を示している。
また、必要に応じて、図示しないが、送出ポンプ4と生地供給ノズル10との間に、シュー生地の供給時だけ開かれるシャッターもしくはコックを設けるようにしても良い。このようなシャッターやコックを設けた場合には、必要以上にシュー生地が送り出されることが制御され、定量的なシュー生地の送出しを確実に行うことができるものとなる。
生地供給ノズル10は、送出ポンプ4の送出口に連接して着脱自在に設けられるものであり、たとえば、図5に示すように、ノズル本体11と、上方受入口12と、複数の下方吐出管13・・13とを少なくとも備えている。
ノズル本体11は、上方受入口12より受け入れたシュー生地で満たされる空間を備えたものとなっている。
上方受入口12は、送出ポンプ4の送出口に対する取り付け開口部であって、生地供給ノズル10の内部にシュー生地を受け入れるため、ノズル本体11の上方中央部に一つだけ設けられている。
下方吐出管13は、ノズル本体11内のシュー生地を外部へ吐出するために、ノズル本体11の下部(底部)において中央領域を除いた周縁部に、環状となるように均等に配して8個設けられている。この下方吐出管13は、それぞれ吐出穴14を備える。
図5(C)において、ノズル本体11の下部(底部)の周縁部に、8個の下方吐出管13・・13が均等間隔で環状に設けられた生地供給ノズル10が示されている。
ゆえに、生地供給ノズル10は、上方受入口12で(を介して)送出ポンプ4から受け入れたベイカリイ生地を、ノズル本体11を経由して複数の下方吐出管13・・13の各吐出穴14から吐出することで、焼成板5上にベイカリイ生地を載置して供給する。
この生地供給ノズル10により、バランスの良い綺麗な環状形シューパフを効率良く容易に製造することができるものとなる。また、上述のとおりに、生地供給ノズル10を用いてシュー生地の吐出を行うと、複数の箇所から同時に行われるシュー製品用生地の吐出を確実に所定量ずつ間欠的に行うことができるので、製品を効率良くかつ確実に連続して製造することができる。なお、生地供給ノズル10を複数設けてシュー生地の供給を複数列で連続的に行うものとすると、シューパフをより効率良く大量生産することができるので望ましい。
この際、生地供給ノズル10は、ホッパー3及び送出ポンプ4と一体的に動くものとなっている。具体的には、ホッパー3とその下部に連接して設けられた送出ポンプ4との両者を一体的に、図11及び図12に示す移動体31の載架部32の上面に載置する。この載架部32への載置は、より具体的には、送出ポンプ4の下面当接部4aが載架部32の上面当接部32aに当接するように行われる。そして、複数個の送出口へ連接して同数の生地供給ノズル10をそれぞれ固定するようにして設ける。
ここで、載架部32はその四カ所に固定して設けられる4本の脚部33により支持され、該4本の脚部33・・33は、焼成板の左右に2本ずつとなるように配置され、焼成板の左右両脇に設けられる基部34に連接される。より具体的には、脚部33は、棒状脚部33Aと管状脚部33Bとからなるものであり、そのうち、左右それぞれ2本ずつの管状脚部33B,33Bは焼成板の進行方法と平行になるように前後に配置されるように左右の基部34に固定的に連接して設けられる。
そして、全ては図示しないが、さらに、管状脚部33Bと棒状脚部33Aとが、棒状脚部33Aが管状脚部33Bと摺動するように連結され、前記4本の棒状脚部33A・・33Aを同時に上下に駆動するための昇降用サーボモータを設けるとともに、該昇降用サーボモータを任意に上下動するように駆動制御するためにコンピュータを設け、また、前記左右の基部34を焼成板の進行方法と平行な水平方向に前後に駆動するための水平サーボモータを設けるとともに、該水平サーボモータを任意に水平方向に前後動するように駆動制御するためにコンピュータを設ける。
図11中の矢印Xは、水平サーボモータによって基部34が移動する方向を示し、同矢印Yは、昇降用サーボモータによって脚部33・・33が移動する方向を示す。
したがって、上記の昇降用サーボモータと水平サーボモータとをそれぞれコンピュータで制御して任意に駆動できるため、これらの駆動制御を任意に組み合わせることより載架部32を任意に動作させることができ、載架部32に載置されたホッパー3、送出ポンプ4、及びこれらと一体的に設けられている生地供給ノズル10が、図11中の矢印X方向及び矢印Y方向への動作を組み合わせて任意に一体的に動作できるようになっている。
生地供給ノズル10の動きは、具体的には、図6(A)に示すように、最初、ベイカリイ生地の供給に応じて焼成板5の上方におけるベイカリイ生地の供給前の初期位置から所定位置(所定の高さ)まで焼成板5の移動速度と同調して水平移動しながら下降した後(丸付き数字の「1」aを参照)、所定の高さを維持したまま、焼成板5の移動速度と同調して進行方向へ水平移動しながらその途中で焼成板5上へのベイカリイ生地の吐出を開始する(丸付き数字の「2」aを参照)。引き続き水平移動しながらベイカリイ生地を吐出し続け、ベイカリイ生地の吐出終了間際に進行方向へ移動しながらやや上昇する。その動作の途中でベイカリイ生地の吐出を終了する(丸付き数字の「3」aを参照)。その後、焼成板5の進行方向とは逆方向へ移動ながらさらに上昇した後、(上昇せずに)さらに焼成板5の進行方向とは逆方向へ水平移動することで、ベイカリイ生地の供給前の初期位置に戻る(丸付き数字の「4」a−1及び同「4」a−2を参照)ように動作するものとなっている。
なお、生地供給ノズル10の動きは、必要に応じて、図6(B)のように、初期位置から所定位置(所定の高さ)まで水平移動することなく垂直に下降するようにしても良く(丸付き数字「1」bを参照)、また所定の高さで水平移動(丸付き数字「2」bを参照)した後も、進行方向へ移動することなく垂直に上昇しても良い(丸付き数字「3」bを参照)。さらにまた、そのように上昇した後に初期位置まで戻る動作も任意に行えば良く、図6(A)に示すように2段階でも(丸付き数字の「4」a−1及び同「4」a−2を参照)、図6(B)に示すように1段階(丸付き数字「4」bを参照)でも良い。
図中、実線矢印は、焼成板5の進行方向を示し、点線矢印は、生地供給ノズル10の動きを示している。
また、本発明においては、シュー生地を焼成板上において複数箇所に環状に載置する際、載置した直後のシュー生地の上部、すなわち、吐出終了後のシュー生地の端部を略水平方向にカットするワイヤカッターを備えたものとすると望ましい。
このようなワイヤカッターとしては、たとえば、図7のワイヤカッター20を示すことができる。
ワイヤカッター20は、図7に示すように、ワイヤとして2本の線状切断部21A,21Bと、これらの線状切断部の両端をともに保持するワイヤ保持部として、2本のワイヤアーム22,22を備え、線状切断部21(21A,21B)が何れも焼成板の移動方向と交差する向きに配されるものとなる。
ここで、ワイヤとして用いる線状切断部21は1本でも複数でも良いが、本実施の形態のように生地供給ノズル10の下方吐出管13を8本設けている場合、1本の線状切断部21では、8本の下方吐出管13から吐出された生地すべてを均一に切断することは困難であるため、複数の線状切断部21を用いることが望ましい。例えば、図7に示すように、2本の線状切断部21A,21Bとすることにより(最後に移動)、吐出された生地を均一に切断することがより確実かつ容易になる。詳しくは後述するが、図に示される線状切断部21Bで前方4本分の下方吐出管13から吐出された生地を、そして、もう1本の線状切断部21Aで後方4本分の下方吐出管13から吐出された生地のそれぞれを、より短時間で切断することができる。
図7において、2本の線状切断部21A,21Bは、2本のワイヤアーム22の間に並列に架け渡されるように設けられたものとして示されている。
また、このワイヤカッター20による吐出後のシュー生地の切断は、図8に示すように、ワイヤカッター20を生地供給ノズル10の下方吐出管13・・13の各出口端部(吐出穴14)に沿って移動させて行う。具体的には、シュー生地の吐出後に、前方・後方4本分ずつの下方吐出管13から下方に細く粘り伸びるシュー生地を線状切断部21A,21Bによってそれぞれ切断するように動作するものとなっている。
より具体的には、ワイヤカッター20は、生地供給ノズル10がシュー生地を吐出する前においては切断前初期位置にあり、図8(A)に示すように、一方の線状切断部21Aが生地供給ノズル10の中央付近に位置するように配され、他方の線状切断部21Bが線状切断部21Aより前方に位置する吐出穴13e,13f,13g,13hのさらに前方の生地供給ノズル10の先端側付近に位置するように配されるものとなっている。
そして、生地供給ノズル10がシュー生地を吐出した後の切断時に、図8(A)から図8(B)に示す位置まで移動し、一方の線状切断部21Aが生地供給ノズル10の後端側付近まで移動し、他方の線状切断部21Bが生地供給ノズル10の中央付近まで移動するものとなっている。詳しくは、一方の線状切断部21Aが、生地供給ノズル10の吐出穴13a,13b,13c,13dから吐出された後の下方に細く粘り伸びるシュー生地を切断し、他方の線状切断部21Bが、生地供給ノズル10の吐出穴13e,13f,13g,13hから吐出され下方に細く粘り伸びるシュー生地をそれぞれ切断するように動作するものとなっている。
ここで、ワイヤカッター20は、図8に示されるように、ワイヤ保持部は線状切断部21を前方端付近で保持しているが、それとは逆の後方端付近は、詳しくは後述するカッター駆動体の動力伝達部26に固定的に接続され、該カッター駆動体の駆動部は上述の載架部32の下面に固定されている。すなわち、ワイヤカッター20は、移動体31の載架部32に固定的に設けられていることから、ワイヤカッター20が、図8(A)から図8(B)に示す位置までの動作と、後述する図8(B)から図8(A)に示す位置までの動作を行うとき以外には、上述のとおり載架部32に載置されたホッパー3、送出ポンプ4、及びこれらと一体的に設けられている生地供給ノズル10と共に一体的に動くものとなっている。
また、カッター駆動体は、例えば、図12に示すように、駆動部25と動力伝達部26とを備え、動力伝達部26は駆動部25の内部にあるエアシリンダー機構により往復移動するようになっている。カッター駆動体の動力伝達部26には、上述したとおり上記ワイヤ保持部を固定的に接続する。そして、該カッター駆動体は、載架部32に固定され、より具体的には、動力伝達部26が焼成板5の進行方向と同じ水平方向に前後に往復するような方向で載架部32の下面に固定される。
図12中の矢印Wは、動力伝達部26が移動する方向を示している。
なお、カッター駆動体は、図示しないエアシリンダー機構の動作を制御するためのコンピュータも備えている。
従って、該コンピュータでエアシリンダー機構の動作を制御することにより、カッター駆動体の動作を制御し、これに固定的に接続されたワイヤ保持部を任意に前後に水平方向に往復動させることができる。
そして、このカッター駆動体のエアシリンダー機構の動作の制御するコンピュータを、上述の昇降用サーボモータを制御するコンピュータ、水平サーボモータを制御するコンピュータ、及び前述した送出ポンプ4のロータ42を駆動制御するコンピュータと連動させることにより、例えば、具体的には一つのコンピュータで、これらをすべて制御するようにすれば、生地供給ノズル10の駆動制御及び生地吐出制御に連動して任意にワイヤカッターを動作させることができる。
そのようなコンピュータ制御により、ワイヤカッター20は、以下のように所定の切断前初期位置と切断終了位置の間で往復移動する。
先ず、切断前初期位置にあるとき、具体的には、図9に示すように、最初、ワイヤカッター20は一方の線状切断部21(21B)が生地供給ノズル10の下方吐出管より下流側に位置し、もう一方の線状切断部21(21A)が生地供給ノズル10の真ん中に位置したものとなっている。すなわち、底面から見ると図8(A)に示す状態となっている。
そして、ベイカリイ生地の供給に応じて、生地供給ノズル10が焼成板5の上方における所定位置(所定の高さ)まで焼成板5の移動速度と同調して水平移動ながら下降し(丸付き数字の「1」aを参照)、所定の高さを維持したまま焼成板5の移動速度と同調して進行方向へ水平移動しながら焼成板5上へのベイカリイ生地の吐出を開始する(丸付き数字の「2」a参照)。次いで、生地供給ノズル10によるベイカリイ生地の吐出終了後、ワイヤカッター20は、焼成板の進行方向とは逆方向へ切断前初期位置から切断終了位置まで水平移動することで、線状切断部21が生地供給ノズル10の吐出穴の下方を横切って吐出穴から下方に細く粘り伸びるベイカリイ生地を切断する(丸付き数字の「3」aを参照)。ワイヤカッター20は、水平移動後に切断終了位置にあるとき、図8(B)に示す状態となる。
その後、生地供給ノズル10が初期位置に戻る途中で又は初期位置に戻ってから、ワイヤカッター20は、逆に切断終了位置から切断前初期位置まで焼成板の進行方向と同じ方向に水平移動し、図8(A)に示す状態となる。なお、このワイヤカッター20が切断終了位置から切断前初期位置まで戻る動作の時期は、ベイカリイ生地を切断した後、再び生地供給ノズル10がベイカリイ生地を吐出開始する前までの間であれば、必要に応じて任意に設定しうる。
このようにワイヤカッターを用いて吐出後の生地供給ノズル10の下方に細く粘り伸びるシュー生地の切断を行うと、焼成板上へ載置するシュー生地の形状と量とを平均化することができると共に、所定位置により正確に載置することができる。そのため、焼成後の環状形シューパフを所望の環状形とすることができると共に、製品間の形状のばらつきが生じることを防止することができる。
また、ワイヤとして用いる線状切断部21が一本だけのワイヤカッターよりも本実施の形態のように線状切断部21を2本のワイヤカッターを備えたシュー生地供給装置を用いた方が、切断のためにワイヤ(線状切断部)を移動させる距離が半分となり、シュー生地切断に要する時間も半分となることから、より正確にシュー生地切断することができるので、鉄板上に載置された切断後のシュー生地の形状が整い、焼成においてその膨化方向が不均一となったりすることがより少なくすることができ、結果として見栄えの良い製品を略均一な形状で、かつ効率良く連続的にかつ大量に製造するために、非常に有効である。
また、本発明においては、シュー生地供給装置30を用いてシューパフを製造する場合、図10に示すように、運行窯として焼成板5上に供給されたシュー生地Pを焼成する焼成装置1と、焼成板5上にシュー生地を供給するシュー生地供給装置30とを少なくとも備えるシュー製品製造装置50を用いることができる。
本発明の運行窯として使用する焼成装置1は、被焼成物を載置して移動させるバンドやプレート等の焼成板5を有する搬送装置2を備え、例えば、ガスバーナーや電気ヒーター等の熱源、又はこれらを組み合わせて使用した加熱手段によって、被焼成物としてのシュー生地を搬送装置2で移動しながら連続的に焼成する装置である。すなわち、本発明において焼成装置1は、シュー生地を載置して移動させながら上下の熱源で加熱するものであれば特に限定はなく、具体的には、例えば、トンネル式のバンドオーブン、プレートオーブンなどの公知の焼成装置と変わることはない。
また、焼成装置1は、バンドやプレート等の焼成板5上に直接シュー生地を載置するものとしても良いし、天板を使用しても良い。このような焼成装置1は、たとえば、20〜25m程度の長さを有し、複数列配された(供給された)シュー生地を連続して焼成するものとなっている。
そして、以上のように略半球状に盛り上がった状態で複数個環状に載置されるように供給されたシュー生地を運行窯1で連続的に焼成することで、膨化しながら隣接する他の略半球状ベイカリイ生地同士が適度に互いにくっつき、高さ方向にボリューム感のある複数の玉状シューパフが複合した見栄えの良い新規な環状形シューパフを連続的に製造することができる。製造された環状形シューパフは、図13において写真で示すことができる。
また、このシューパフの中部には、パリブレストに用いるための既存の環状形のシューパフは異なり、環状形ではない通常のシューパフのような空洞が形成されるため、この内部の空洞にフィリングを充填することで、今までにない、既存の環状形のシュー製品とは差別化されたシュークリームとすることができる。さらに、その上にチョコレートやアイシングを掛けたシュークリームとしても良い。
なお、上記実施の形態においては、ベイカリイ製品としてシュークリームを製造する場合を例に説明したが、本発明によって得られるベイカリイ製品は特にシューに限定されるものではない。
以下、本発明の実施例として、シューパフを製造する場合について説明する。
まず、以下の表1に示す配合の原料を合わせて常法に従いミキシングするにより、シュー生地を調製した。
Figure 0006105450
調製したシュー生地は、1.2mm厚の銅製の焼成板上に供給される。この際、焼成板上へのシュー生地の供給は、ジャパンシステム社製の万能充填機「ARデポジター:AR−52型」の生地供給口に、直径10mmの吐出穴を有する下方吐出管が8個設けられたシュー生地供給ノズルを取り付けて本発明に係るシュー生地供給装置とし、本装置のホッパーの中に調製したシュー生地を投入して行った。なお、シュー生地供給ノズルより吐出されるシュー生地の粘度は、30000cP前後であった。
シュー生地の供給は、本実施例では、焼成板から8mmの高さより行い、8個の下方吐出管から焼成板上に供給するシュー生地量は約38g程度とし、一つの下方吐出管(吐出穴)から供給される略半球状をしたシュー生地の直径は約2cm、高さは約1cmであった。
焼成板上へ供給されたシュー生地は、略半球状をしたシュー生地が8個環状に配され、その中心部に空間が形成されたものとなっていた。
このシュー生地は、25mの長さの運行窯にて約23分間焼成し、シューパフを連続的に製造した。
その結果、焼成前の隣接する略半球状シュー生地同士の側面が適度に互いにくっついて複数の玉状シューパフが複合した略均一な形状をした見栄えの良い環状形シューパフとすることができた。
すなわち、本発明の実施例により得られた環状形シューパフは、高さ方向に大きく膨張すると共に、該環状形シューパフにフィリングを注入する等により均一な形状をした見栄えの良いシュークリーム製品を効率良く大量に製造することができた。
本発明は、粘性の高い流動状ベイカリイ生地を用いて複数の玉状ベイカリイ焼成膨張物が複合した新規な環状形のベイカリイ製品の製造を行う業種において産業上有用であり、特に、そのような新規な環状形ベイカリイ製品を均一な形状をした見栄えの良い状態で連続して効率良く大量に生産する場合において有用である。
C シューパフ(環状形ベイカリイ製品)、HP 略半球状シュー生地、P 環状形シュー生地(ベイカリイ生地)、1 焼成装置(運行窯)、2 搬送装置、3 ホッパー、4 送出ポンプ、4a 下面当接部、5 焼成板、10 アタッチメントノズル(シュー生地供給ノズル)、11 ノズル本体、12 上方受入口、13 下方吐出管、14 吐出穴、20 ワイヤカッター、21 線状切断部(ワイヤ)、22 ワイヤアーム(ワイヤ保持部)、25 駆動部、26 動力伝達部、30 シュー生地供給装置(ベイカリイ生地供給装置)、31 移動体、32 載架部、32a 上面当接部、33 脚部、33A 棒状脚部、33B 管状脚部、34 基部、41 ハウジング、42 ロータ、43 ブレード、50 シュー製造装置(ベイカリイ製品製造装置)。

Claims (8)

  1. 粘性の高い保形性のある流動状ベイカリイ生地を焼成板上に供給し、これを運行窯で連続的に焼成することで前記ベイカリイ生地の焼成時の体積の膨張率が4〜15倍となるベイカリイ製品を連続的に製造する方法であって、
    前記ベイカリイ生地の供給は、
    該ベイカリイ生地を焼成板の上方において環状に配した複数の箇所から同時に吐出して、該吐出されたベイカリイ生地が前記焼成板上において複数箇所に環状に載置されると共に、それぞれ略半球状となるように行われ、
    その後、前記複数箇所に環状に載置された略半球状のベイカリイ生地同士が焼成されることにより、膨化しながら隣接する他の略半球状ベイカリイ生地と互いに適度にくっついて複数の玉状ベイカリイ焼成膨張物が複合した環状形ベイカリイ製品となる、
    ことを特徴とする環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法。
  2. 前記ベイカリイ生地の粘度が10000cP〜300000cPであることを特徴とする請求項1に記載の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法。
  3. 前記ベイカリイ生地を焼成板より2mm〜40mmの高さから吐出することを特徴とする請求項1又は2に記載の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法。
  4. 前記ベイカリイ生地を5箇所〜16箇所の複数箇所から吐出することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法。
  5. 前記ベイカリイ生地を焼成板上において複数箇所に環状に載置する際、載置した直後のベイカリイ生地の上部を略水平方向にカットすることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法。
  6. 前記ベイカリイ生地がシュー生地であることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法。
  7. 前記ベイカリイ生地の供給を複数列で行うことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法。
  8. 前記ベイカリイ生地の吐出終了後、焼成板上に載置した直後のベイカリイ生地の上部に細く粘り伸びるベイカリイ生地をワイヤカッターで切断することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の環状形ベイカリイ製品の連続的な製造方法。
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