JP5769739B2 - ラジアルタイヤの修理用パッチラバー、およびそれを用いたラジアルタイヤの修理方法、並びに修理済みラジアルタイヤ - Google Patents

ラジアルタイヤの修理用パッチラバー、およびそれを用いたラジアルタイヤの修理方法、並びに修理済みラジアルタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、ラジアルタイヤの修理用パッチラバー、およびそれを用いたラジアルタイヤの修理方法、並びに修理済みラジアルタイヤに関し、特に、ラジアルタイヤのトレッド部でラジアルカーカスプライおよびベルトプライが損傷した際に損傷部分にタイヤ内面側から貼り合わせて損傷部分を補強するラジアルタイヤの修理用パッチラバー、およびそれを用いたラジアルタイヤの修理方法、並びに修理済みラジアルタイヤに関する。
ラジアルタイヤ、特に建設車両用タイヤなどの超大型のラジアルタイヤは、ボルトや鋭利な砕石などにより、トレッド部において貫通傷を受け、カーカスコードをゴム被覆してなるカーカスプライと、該カーカスプライのタイヤ径方向外方に位置する、ベルトコードをゴム被覆してなるベルトプライとが、共に破断することがある。
そこで、このようなトレッド部に損傷を受けたラジアルタイヤを修理する方法として、互いに平行に配列した複数本の補強コードをゴム被覆してなる補強コード層により構成されるパッチラバーを、カーカスコードおよびベルトコードが破断したトレッド部の損傷部分にタイヤ内面側から接着剤を用いて貼り合わせて、損傷部分をパッチラバーで補強して修理する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、上記従来の修理方法においては、補強効果を確保する観点から複数層の補強コード層を積層して構成したパッチラバーも用いられている。
特開平7−172123号公報
ここで、上記従来の修理用パッチラバーでは、複数層の補強コード層間で補強コードの両端位置が補強コード層の積層方向に揃っているため、ゴムとの接着力が弱い補強コードの両端面が、積層方向に短い間隔で位置している。そのため、上記従来の修理用パッチラバーを用いてラジアルタイヤの損傷部分を修理した場合、ゴムとの接着力が弱い補強コード端面と周囲のゴムとの間に亀裂が発生すると、短い間隔で隣接する補強コードの端面間でその亀裂が伝播しやすく、修理済みのラジアルタイヤが早期に故障することがあった。
そこで、本発明は、修理済みラジアルタイヤの早期故障を防止して修理済みラジアルタイヤの耐久性を向上させることができるラジアルタイヤの修理用パッチラバーを提供することを目的とする。また、本発明は、該修理用パッチラバーを用いたラジアルタイヤの修理方法および修理済みラジアルタイヤを提供することも目的とする。
本発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のラジアルタイヤの修理用パッチラバーは、互いに平行に配列した複数本の補強コードを被覆ゴム被覆してなる補強コード層を用いて構成されたラジアルタイヤの修理用パッチラバーであって、前記補強コード層を一方から他方に向けて少なくとも4層積層して構成され、補強コードのコード延在方向が同じである補強コード層間で、前記複数本の補強コードの互いに隣接するコード端同士を結ぶ仮想線と、前記複数本の補強コードのうちコード並列方向最外方に位置する補強コードとで囲まれる領域を補強領域としたとき、コード延在方向が同一方向の補強コード層同士について、積層方向にみて、他方側に位置する補強コード層の補強領域が一方側に位置する補強コード層の補強領域の内側に位置しており、第一の補強コード層と、前記第一の補強コード層の補強コードとコード延在方向が直交する第二の補強コード層とが、交互に積層された構造を有し、前記一方側の端面が第一の補強コード層表面であり、前記他方側の端面が第二の補強コード層表面であり、前記第二の補強コード層を構成する前記被覆ゴムが、積層方向にみて、前記一方側に隣接する前記第一の補強コード層を構成する前記被覆ゴムと同一の形状であることを特徴とする。このように、積層方向他方側に位置する補強コード層の補強領域を一方側に位置する補強コード層の補強領域の内側に位置させれば、補強コードのコード延在方向が同じである補強コード層間で、ゴムとの接着力が弱い補強コードの両端面が、積層方向に短い間隔で位置するのを避けることができる。そのため、補強コード端面と周囲のゴムとの間に亀裂が発生したときに、その亀裂が積層方向に隣接する補強コードの端面間で伝播することを防止し、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を更に向上させることができるからである。
なお、本発明における「互いに平行に配列した複数本の補強コード」とは、数学的な意味で厳密に補強コードが平行であるという限定的な意味ではなく、補強コードが同じ方向に延在していることを意味する。
またなお、「コード並列方向」とは、コード延在方向に対して直角な方向のことを指す。
なお、本明細書では上記の発明のほか、互いに平行に配列した複数本の補強コードをゴム被覆してなる補強コード層を用いて構成されたラジアルタイヤの修理用パッチラバーであって、前記補強コード層を一方から他方に向けて複数層積層して構成され、補強コードのコード延在方向が同じである補強コード層間で、前記複数本の補強コードの互いに隣接するコード端同士を結ぶ仮想線と、前記複数本の補強コードのうちコード並列方向最外方に位置する補強コードとで囲まれる領域を補強領域としたとき、コード延在方向が同一方向の補強コード層同士について、積層方向にみて、他方側に位置する補強コード層の補強領域が一方側に位置する補強コード層の補強領域の内側に位置していることを特徴とする、ラジアルタイヤの修理用パッチラバーについても説明する。
また、本発明のラジアルタイヤの修理用パッチラバーは、前記第一の補強コード層のコード並列方向の幅が、前記第二の補強コード層のコード並列方向最外方に位置する補強コードのコード延在方向の長さよりも小さく、前記第二の補強コード層のコード並列方向の幅が、前記第一の補強コード層のコード並列方向最外方に位置する補強コードのコード延在方向の長さよりも小さいことが好ましい。このように、少なくとも一層の補強コード層の補強コードのコード延在方向が、他の補強コード層の補強コードのコード延在方向と直交するようにパッチラバーを構成すれば、タイヤの内圧や回転による損傷部分のせり出しを抑える箍(たが)効果による補強効果が高まり、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を更に向上させることができるからである。
なお、「コード並列方向の幅」とは、コード並列方向最外方に位置する補強コード間のコード並列方向の距離のことを指す。
また、本発明のラジアルタイヤの修理用パッチラバーは、少なくとも1層の前記補強コード層の補強コードの引張弾性率が、他の補強コード層の補強コードの引張弾性率よりも高いことが好ましい。
更に、本発明のラジアルタイヤの修理用パッチラバーは、前記少なくとも1層の補強コード層の補強コードが、アラミド製コードまたはガラス繊維製コードであることが好ましい。
更に、本発明のラジアルタイヤの修理用パッチラバーは、前記少なくとも1層の補強コード層の厚さが前記他の補強コード層の厚さよりも厚いことが好ましい。
また、本発明のラジアルタイヤの修理用パッチラバーは、前記複数本の補強コードは、コード延在方向の長さが最も長い長尺補強コードと、コード延在方向に対して直角なコード並列方向にみて、前記長尺補強コードの両側にそれぞれ配列された、少なくとも一本の補強コードよりなり、
前記補強コード層内で、
前記長尺補強コード側の補強コードのコード端位置を、コード並列方向外側の補強コードのコード端位置よりもコード延在方向外方に位置させたことが好ましい。
本発明のラジアルタイヤの修理方法は、トレッド部と、該トレッド部の両側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部からタイヤ径方向内方に延びるビード部とにわたってトロイド状に延び、複数本のプライコードをプライゴムで被覆した少なくとも1プライのラジアルカーカスプライおよび複数本のベルトコードをベルトゴムで被覆してなる少なくとも1プライのベルトプライ、を有するラジアルタイヤの修理方法であって、前記サイドウォール部および前記トレッド部の少なくとも一方において、前記ラジアルカーカスプライのカーカスコードおよび前記ベルトプライのベルトコードの少なくとも一方が破断した場合に、カーカスコードが破断したラジアルカーカスプライの損傷部分およびベルトコードが破断したベルトプライの損傷部分の少なくとも一方に、タイヤ内面側および外面側の少なくとも一方からラジアルタイヤの修理用パッチラバーを貼り合わせる補強工程を有し、前記補強工程で、上記いずれか1項に記載のラジアルタイヤの修理用パッチラバーをラジアルタイヤの損傷部分に貼り合わせることを特徴とする。このように、上述した構成のパッチラバーを用いてラジアルタイヤを修理すれば、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。
また、本発明のラジアルタイヤの修理方法は、前記サイドウォール部においてラジアルカーカスプライのカーカスコードが破断した場合に、前記補強工程で、前記パッチラバーを構成する全ての補強コード層の補強コードがラジアルカーカスプライのカーカスコード延在方向に対して0〜30°の角度をなすように、ラジアルタイヤの損傷部分にパッチラバーを貼り合わせることが好ましい。上記のようにパッチラバーを貼り合わせれば、損傷したカーカスプライの損傷部分に対するパッチラバーの補強効果が高まるからである。
更に、本発明のラジアルタイヤの修理方法は、前記トレッド部において前記ベルトプライのベルトコードが破断した場合に、前記補強工程で、前記パッチラバーを構成する複数層の補強コード層のうち少なくとも一層の補強コードがタイヤ周方向に対して0〜30°の角度をなすように、かつ、他の補強コード層の補強コードがラジアルカーカスプライのカーカスコード延在方向に対して0〜30°の角度をなすように、上記いずれか1項に記載のラジアルタイヤの修理用パッチラバーを損傷部分に貼り合わせることが好ましい。上記のようにパッチラバーを貼り合わせれば、損傷したカーカスプライおよびベルトプライの少なくとも一方の損傷部分に対するパッチラバーの補強効果が高まるからである。
なお、補強コードとカーカスコードとのなす角度、および補強コードとタイヤ周方向とのなす角度とは、それぞれのなす角度のうち小角度側の角度を指すものとする。
更に、本発明のラジアルタイヤの修理方法は、前記ラジアルタイヤ内面側から貼り合わせるパッチラバーの大きさを、ラジアルタイヤの損傷部分の大きさの2〜4倍とすることが好ましい。パッチラバーの大きさを損傷部分の大きさの2〜4倍とすれば、損傷部分に対する十分な補強効果を確保しつつ使用するゴム量および修理に要する時間を更に低減して、ラジアルタイヤを修理することができるからである。
更に、本発明のラジアルタイヤの修理方法は、前記ラジアルタイヤ外面側から貼り合わせるパッチラバーの大きさを、ラジアルタイヤの損傷部分の大きさの1.1〜1.4倍とすることが好ましい。パッチラバーの大きさを損傷部分の大きさの1.1〜1.4倍とすれば、損傷部分に対する十分な補強効果を確保しつつ使用するゴム量および修理に要する時間を更に低減して、ラジアルタイヤを修理することができるからである。
更に、本発明のラジアルタイヤの修理方法は、前記ラジアルタイヤの修理用パッチラバーを構成するゴムが、未加硫のゴムからなり、前記補強工程の後にパッチラバーを加硫することが好ましい。未加硫ゴムを用いてパッチラバーを構成すれば、損傷部分の表面にパッチラバーを十分に密着させて貼り合わせることができ、損傷部分周辺に気泡が残りにくく、また、パッチラバーを貼り合わせた損傷部分を加硫する際にパッチラバーを必要以上に加硫するのを防止できるからである。
本発明の修理済みラジアルタイヤは、上記のラジアルタイヤの修理方法に従って修理したことを特徴とする。このように、上記ラジアルタイヤの修理方法で修理すれば、耐久性が高く、修理後も長期間使用することができる修理済みラジアルタイヤが得られる。
本発明のラジアルタイヤの修理用パッチラバーによれば、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。また、本発明のラジアルタイヤの修理方法によれば、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。更に、本発明の修理済みラジアルタイヤによれば、耐久性が高く、修理後も長期間使用することができる修理済みラジアルタイヤが得られる。
(A)は、本発明に従う代表的なラジアルタイヤの修理方法によりトレッド部を修理した修理済みラジアルタイヤのタイヤ半部について示すタイヤ幅方向断面図であり、(B)は、修理前のラジアルタイヤのタイヤ半部について示すタイヤ幅方向断面図である。 本発明に従う代表的なラジアルタイヤの修理用パッチラバーの斜視図である。 図2に示すラジアルタイヤの修理用パッチラバーを構成する補強コード層のうちの1つの補強コード層の平面図である。 (A)は、図2に示すラジアルタイヤの修理用パッチラバーの平面図であり、(B)は、図4(A)に示す修理用パッチラバーの線I−Iに沿う断面図である。 図3における補強コード端位置の拡大図である。 (A)〜(D)は、本発明に従う代表的なラジアルタイヤの修理方法の修理工程の説明図である。 (A)は、図2に示すラジアルタイヤの修理用パッチラバーをラジアルタイヤのトレッド部に生じた損傷部分に貼り合わせた状態を示す説明図であり、(B)は、図7(A)に示すパッチラバーの補強コードと、ラジアルタイヤのカーカスコード延在方向およびタイヤ周方向との交差関係を示す説明図である。 (A)〜(D)は、本発明に従う代表的なラジアルタイヤの修理方法の修理工程の説明図である。 (A)は、図2に示すラジアルタイヤの修理用パッチラバーをラジアルタイヤのサイドウォール部に生じた損傷部分に貼り合わせた状態を示す説明図である。(B)は、図9(A)に示すパッチラバーの補強コードと、ラジアルタイヤのカーカスコード延在方向およびタイヤ周方向との交差関係を示す説明図である。 本発明の実施例となるラジアルタイヤの修理用パッチラバーの斜視図である。 本発明の実施例となるラジアルタイヤの修理用パッチラバーの断面を補強コード延在方向から見た図である。 本発明の比較例となるラジアルタイヤの修理用パッチラバーの断面を補強コード延在方向から見た図である。 本発明の参考例となるラジアルタイヤの修理用パッチラバーの断面を補強コード延在方向から見た図である。
(ラジアルタイヤ)
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1(B)に、本発明のラジアルタイヤの修理方法の一例を用いて修理する、修理前(未損傷)のラジアルタイヤのタイヤ半部のタイヤ幅方向断面を示す。図1(B)に示すラジアルタイヤ1は、トレッド部3(タイヤ半部のみ図示)と、該トレッド部3の両側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部2(片側のみ図示)と、各サイドウォール部2からタイヤ径方向内方に延びるビード部4(片側のみ図示)とにわたってトロイド状に延びる、少なくとも1プライ(図1(B)では1プライの場合を示す)のラジアルカーカスプライ5と、ラジアルカーカスプライ5のタイヤ径方向外方に配置された2プライのベルトプライ10とを有する。
ラジアルカーカスプライ5は、タイヤ周方向に対して所定の角度、例えば80°〜90°の角度で配列された複数本のカーカスコードをカーカスゴムで被覆したコードゴム被覆層であり、ベルトプライ10は、タイヤ周方向に対して所定の角度、例えば0°〜40°の角度で配列された複数本のベルトコードをベルトゴムで被覆したコードゴム被覆層である。但し、上記の角度に限定されるものではない。
そして、本発明のラジアルタイヤの修理方法の一例では、このラジアルタイヤ1が岩や大きな突起物などにより貫通傷を受け、そのサイドウォール部2やトレッド部3においてラジアルカーカスプライ5のプライコードがプライゴムと共に破断した場合に、図1(A)に示すようにパッチラバーを損傷部分に貼り合わせて修理する(図1(A)では、サイドウォール部2とトレッド部3の双方で、プライコードが破断した場合を示す)。
(パッチラバー)
本発明の一例のパッチラバー20は、図1(A)に示すように、ラジアルタイヤ1のトレッド部3の損傷部分に対し、タイヤ内面側および外面側から損傷部分の全体を覆うように貼り合わせるものであり、シート形状を有している。
そして、この一例のパッチラバー20は、図2に示すように、補強コード層を複数層(図2では、30,40,50,60の4層)、一方から他方へ積層して構成されている(図2では、30の側を一方側と、60の側を他方側とする)。なお、積層された各補強コード層は、互いに平行に配列した複数本の補強コードをゴムで被覆して構成されている。
ここで、補強コードを被覆するゴムの素材は、パッチラバーを貼り合わせるラジアルタイヤの損傷部分を構成するゴムと同じ素材にするのが好ましい。
なお、図2では全ての補強コード層30,40,50,60の補強コード32,42,52,64が層ごとに異なる方向に配列されているが、本発明のパッチラバーでは同じ方向に配列されていてもよい。
図3に、図2のパッチラバー20を構成する補強コード層のうちの1つの補強コ
ード層40を抜き出し、その平面図を示す。補強コード層40は、互いに平行に配列した複数本の補強コード41、42、43をゴム被覆して構成される。ここで、パッチラバー20において、複数本の補強コード(補強コード層40では41、42、43)の互いに隣接するコード端(補強コード層40では41a, 42a, 43a)同士を結ぶ仮想線と、複数本の補強コード(補強コード層40では、41、42、43)のうちコード並列方向最外方に位置する補強コード(補強コード層40では、43)とで囲まれる領域(図3において、斜線で示す領域45)を補強領域と定義する。
そして、本発明の一例のパッチラバー20では、図4(A)に示すように、補強コードのコード延在方向が同じである補強コード層40, 60において、積層方向にみて、他方側に位置する補強コード層60の補強領域65が一方側に位置する補強コード層40の補強領域45の内側に位置している。また同様に、積層方向にみて、他方側に位置する補強コード層50の補強領域55が一方側に位置する補強コード層30の補強領域35の内側に位置している。
ここで、図4(B)に、図4(A)に示すパッチラバーの端部の、線I−Iに沿う断面を示す。ここで、図4(A)における、補強コード層40の補強コード42のコード端位置42aと、補強コード層40よりも補強領域が内側となる、積層方向他方側の補強コード層60の1つの補強コード64のコード端位置64aとの距離zは、全ての補強コードのコード端位置がコード並列方向およびコード積層方向に揃っている従来のパッチラバー(図4(B)中、従来のパッチラバーの仮想コード端位置を64a’として示す)における、コード端位置42aと仮想コード端位置64a’との距離wよりも大きくなる。
従って、補強コードのコード延在方向が同じである補強コード層40, 60間で、ゴムとの接着力が弱い補強コードの両端面(42a, 64a)が、積層方向に短い間隔wで位置するのを避けることができる。そのため、補強コード端面と周囲のゴムとの間に亀裂が発生したときに、その亀裂が積層方向に隣接する補強コードの端面間で伝播することを防止し、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を更に向上させることができる。
更に、図2に示すように、複数層の補強コード層(30,40,50,60)を積層して構成される、本発明の一例のパッチラバー20では、補強コード層30と50との補強コードのコード延在方向が同じであり、補強コード層40と60との補強コードのコード延在方向が同じである。そして、平面視にて、補強コード層30, 50のコード延在方向と、補強コード層40, 60のコード延在方向とは直交している。すなわち、図4(A)に示すように、補強コード層40の補強コード42は、補強コード層40と積層方向一方側に隣接する補強コード層30の補強コード32、および補強コード層40と積層方向他方側に隣接する補強コード層50の補強コード52と直交している。
なお、本発明のパッチラバー20では、複数層積層した補強コード層の補強コードのコード延在方向を互いに直交させる場合には、層数を任意の数とすることができ、少なくとも一層の補強コードと他の補強コード層の補強コードとが直交すればよい。
また、図4(A)に示すように、少なくとも一層の補強コード層(例えば、補強コード層40)のコード並列方向の幅pが、他の補強コード層(例えば、補強コード層50)のコード並列方向最外方に位置する補強コードのコード延在方向の長さsよりも小さく、補強コード層50のコード並列方向の幅rが、補強コード層40のコード並列方向最外方に位置する補強コードのコード延在方向の長さqよりも小さくなっている。従って、パッチラバーの形状を平面視十字型となるようにすることができる。
このように、少なくとも一層の補強コード層の補強コードのコード延在方向が、他の補強コード層の補強コードのコード延在方向と直交するようにパッチラバーを構成すれば、タイヤの内圧や回転による損傷部分のせり出しを抑える箍(たが)効果による補強効果が高まり、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を更に向上させることができる。
また、ラジアルタイヤの修理用パッチラバー20においては、補強コード層30,40,50,60の積層方向の一方の最外側(図2では最下側)の位置にある補強コード層30の補強コード32の引張弾性率が、他の補強コード層40,50,60の補強コード41,52,64の引張弾性率よりも高い。
ここで、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの損傷部分に力が加わった際には、同一のパッチラバー内において損傷部分に近い補強コード層と比較して、損傷部分から遠い補強コード層の伸びが大きくなる。これに対し、図2のパッチラバー20によれば、最下側に位置する引張弾性率の高い補強コード32を用いた補強コード層30を損傷部側に位置させてパッチラバー20を損傷部分に貼り合わせることが可能になる。そのため、引張弾性率の高い補強コード32を用いた補強コード層30が伸びたときの抗力を大きくし、また、引張弾性率の低い、コード延在方向が同じ補強コード52を用いた補強コード層50が伸びたときの伸び幅を大きくして、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。
なお、本発明のパッチラバーにおいては、引張弾性率の高い補強コードを用いた補強コード層は必ずしも最外側に位置しなくてもよい。具体的には、図2において、引張弾性率の高い補強コード32を用いた補強コード層30を補強コード層の積層方向の最外側に位置させない場合であっても、引張弾性率の高い補強コード32を用いた補強コード層30を引張弾性率の低い補強コード52を用いた補強コード層50よりも損傷部側に位置させることができるため、上述の補強効果が得られる。そのため、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を向上させることができるからである。
補強コード32,42,52,64の素材は、損傷部分を補強できるコードであれば何ら限定されることはなく、形状は撚られたコードのみならず単一のフィラメントや複数本のフィラメントを引き揃えたものであってもよい。ただし、補強コード32,42,52,64のコード径は損傷したラジアルカーカスプライのプライコードよりも細いことが好ましく、また補強コード32,42,52,64の素材と、プライコードの素材とは異なっていることが好ましい。補強コード32,42,52,64をプライコードと同じ素材や同じ径にすると、補強コード32,42,52,64が負担する張力が大きくなり、パッチラバーの補強コード32,42,52,64の端部においてセパレーションが発生しやすいためである。
ここで、補強コード層30に用いる引張弾性率の高い補強コード32としては、アラミド製コードやガラス繊維製コードが挙げられ、補強コード層40に用いる引張弾性率の低い補強コード42としては、ナイロン製コードやレーヨン製コードが挙げられる。
なお、引張弾性率の高い補強コード32については、引張弾性率が50Gpa〜70Gpaであることが好ましく、引張弾性率の低い補強コード42については、引張弾性率が3.0Gpa〜7.0Gpaであることが好ましい。なお、引張弾性率は、常温(20℃)における測定で、破断伸度X%に対してX/3〜2X/3%の伸度での平均弾性率である。
ここで、ラジアルタイヤの修理用パッチラバーでは、補強コードの引張弾性率が高くなると補強コードの剛性が大きくなるため、パッチラバー20を用いて修理したラジアルタイヤの損傷部分に力が加わった際に補強コード層30に生じる歪みが大きくなる。そのため、本発明のパッチラバー20においては、引張弾性率の高い補強コードを用いた補強コード層30の厚さL2を引張弾性率の低い補強コードを用いた補強コード層40の厚さL1よりも厚くすることが好ましい。そうすることによって、補強コード層30に生ずる歪みを緩和し修理済ラジアルタイヤ1の耐久性を向上させることができる。
更に本発明のラジアルタイヤの修理用パッチラバーでは、図3に示すように、同一の補強コード層内において、複数本の補強コード41、42、43は、コード延在方向の長さが最も長い長尺補強コード41と、コード延在方向に対して直角なコード並列方向にみて、長尺補強コード41の両側にそれぞれ配列された、少なくとも一本の補強コード(図3(A)における42, 43)よりなる。また、長尺補強コード41側の補強コード(図3(A)における42)のコード端位置(図3(A)における42a)が、コード並列方向外側の補強コード(図3(A)における43)のコード端位置(図3(A)における43a)よりもコード延在方向外方に位置している。すなわち、補強コード層40では、長尺補強コード41側の補強コード42の長さが、コード並列方向外側の補強コード43の長さよりも長い。
なお、パッチラバー20の他の補強コード層30,50,60は、補強コード層40と同様の構成を有している。
図5には、図3に示す補強コード層40の補強コード端位置を拡大して示す。ここで、図3に示す補強コード層40の長尺補強コード41側の補強コード42のコード端位置42aと、それよりコード並列方向外側の補強コード43のコード端位置43aとの距離xは、全ての補強コードのコード端位置がコード並列方向に揃っている従来のパッチラバー(図5中、従来のパッチラバーの仮想コード端位置を42a’,43a’として示す)における、仮想コード端位置42a’と43a’との距離yよりも大きくなる。
従って、この一例のパッチラバー20では、ゴムとの接着力が弱い補強コードの両端面が、同一の補強コード層内でコード並列方向に短い間隔で位置するのを避けることができる。そのため、補強コード端面と、パッチラバーの周囲に存在するゴムとの間に亀裂が発生したときに、その亀裂が隣接する補強コード端面間で伝播することを防止し、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。
また、コード端位置がコード並列方向に揃っている従来のパッチラバーの補強コード層と比較すると、補強コード層における、損傷部分から離れた、損傷部分に対する補強効果の弱い部分(図5中に斜線で示す四隅の部分)を省くことができるため、損傷部分に対する十分な補強効果を確保しつつ使用するゴム量および修理に要する時間を低減することができる。
(ラジアルタイヤの修理方法)
本発明のラジアルタイヤの修理方法の一例は、上述のように構成した補強コード層を有するパッチラバー20を用いて損傷部分を修理することを特徴とする。
ここで、本発明の修理方法の一例では、トレッド部3に生じた損傷を修理する。図6(A)は、ラジアルタイヤ1がトレッド部3において貫通傷を受け、ラジアルカーカスプライ5およびベルトプライ10が破断した状態を示す。
なお、ラジアルカーカスプライ5およびベルトプライ10が破断した部分(損傷部分)を符号8で示す。
そして、この一例の修理方法では、まず、損傷部分8の周辺(図6(A)中、破線で示す部分)のトレッドゴム13および特に損傷したベルトプライ10を、図6(B)に示すように最もタイヤ外面側のラジアルカーカスプライ5が露出するまでタイヤ外面側から除去する。ここで、トレッドゴム13および特に損傷したベルトプライ10の除去は、例えばリグルーバを用いて行うことができる。
なお、ベルトプライ10近傍は、修理用パッチラバー20との圧着領域(接触領域)を大きくするため、バフ研磨などで仕上げ作業を行うこともできる。
次に、損傷部分8周辺(図6(B)中、破線で示す部分)のインナーライナーゴム12を、図6(C)に示すように最もタイヤ内面側のラジアルカーカスプライ5が露出するまでタイヤ内面側から除去する。ここでインナーライナーゴム12の除去は、トレッドゴム13の除去と同様にして行うことができる。
なお、ラジアルカーカスプライ5の表面は、修理用パッチラバー20との圧着領域(接触領域)を大きくするため、バフ研磨などで仕上げ作業を行うこともできる。
そして、前述したパッチラバー20を損傷部分8に対してタイヤ両面側から貼り合わせる。具体的には、図6(D)に示すように、新たなインナーライナーゴム12aと予め一体化させたパッチラバー20を損傷部分8に対してラジアルタイヤ内面側から接着剤を用いるなどして貼り合わせると共に、新たなサイドゴム13aと予め一体化させたパッチラバー20をラジアルタイヤ外面側から損傷部分8に対して接着剤を用いるなどして貼り合わせる。
なお、新たなインナーライナーゴム12a、新たなトレッドゴム13aは、それぞれ修理前のインナーライナーゴム12、トレッドゴム13と同じ素材とすることが好ましい。そうすれば、新たなインナーライナーゴム12aと修理される空気入りタイヤのインナーライナーゴム12、および新たなトレッドゴム13aと修理される空気入りタイヤのトレッドゴム13を貼り合わせる際の接着性が向上するため、パッチラバー20を用いて修理したラジアルタイヤ1の耐久性を向上させることができる。
また、損傷部分8に貼り合わせる前のパッチラバー20のゴム32b、42b、52b、64bは、未加硫のゴムであることが好ましい。そして、この場合には未加硫のパッチラバー20を貼り合わせた後、損傷部分8に対して部分加硫を施す。未加硫ゴムを用いた場合には、損傷部分8の表面にパッチラバー20を十分に密着させて貼り合わせることができ、損傷部分周辺に気泡が残りにくいからである。また、新たなインナーライナーゴム12a、新たなトレッドゴム13aを加硫する際にパッチラバー20を必要以上に加硫するのを防止できるからである。
ここで、この修理方法では、図7(A)に示すように、パッチラバー20は積層方向一方側の引張弾性率の高い補強コード32を用いた補強コード層30を損傷部分に最も近い補強コード層とし、ラジアルカーカスプライ5に隣接する補強コード層30の補強コード32が、破断したラジアルカーカスプライ5のカーカスコード6の延在方向に平行になるように貼り合わせる。そうすれば、修理したラジアルタイヤの修理部分に力が加わったとき、補強コード層30の補強コード32にかかるカーカスコード延在方向の力が大きくなり、パッチラバー20の補強効果を高めることができると共に、補強コード層を構成するゴムのせん断変形を抑えることができる。
なお、パッチラバー20は積層方向他方側の補強コード層60を損傷部分に最も近い補強コード層とし、ラジアルカーカスプライ5に隣接する補強コード層60の補強コード64が、破断したラジアルカーカスプライ5のカーカスコード6の延在方向に平行になるように貼り合わせてもよい。
そして、上述した構成のパッチラバー20を用いてラジアルタイヤ1を修理すれば、パッチラバー20を用いて修理したラジアルタイヤの損傷部分8に力が加わった際に引張弾性率の高い補強コード32を用いた補強コード層30が伸びたときの抗力を大きくし、また引張弾性率の低い補強コード52(図9(A)に示さず)を用いた補強コード層50が伸びたときの伸び幅を大きくして、修理したラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。そのため、損傷部分に対する高い補強効果を得ることができ、修理済みラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。
また、上記本発明の一例の修理方法では、図7(A)に示すように、パッチラバーの少なくとも一層の補強コード層(図7(A)では、補強コード層30のみ示す)の補強コードのコード延在方向が、ラジアルカーカスプライのカーカスコード6の延在方向に平行になるように、かつ、他の補強コード層(図7(A)では、補強コード層40のみ示す)の補強コードのコード延在方向が、タイヤ周方向に平行になるように、パッチラバー20を損傷部分8に貼り合わせるが、本発明はこれに限定されることはない。具体的には、本発明の別の例では、図7(B)に示すように、損傷部分8に貼り合わせるパッチラバー20を構成する補強コード層のうち少なくとも一層の補強コードと、ラジアルカーカスプライのカーカスコード延在方向との交差角度θ1が0°超30°以下であり、かつ、他の補強コード層の補強コードと、タイヤ周方向との交差角度θ2が、0°超30°以下であることが好ましい。ここで、θ1が30°を超えると、カーカスコード延在方向に配列した補強コードにかかるカーカスコード延在方向の力が小さくなり、またθ2が30°を超えると、タイヤ周方向に配列した補強コードにかかるタイヤ周方向の力が小さくなるため、パッチラバー20を貼り付けることによる補強効果が弱まり、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤが故障しやすくなる。因みに、パッチラバーの補強コードの延在方向は、積層方向に隣接する補強コード層間で交差するようにしてもよい。
ここで、損傷部分8とは、ラジアルカーカスプライ5のカーカスコードとカーカスゴムが破断して空隙になった部分を意味する。具体的には、図7(A)に示すように、タイヤ表面からラジアルカーカスプライ5を透視した平面視にて、破断したラジアルカーカスプライのカーカスコード6aのうち最も外側に位置する2本のカーカスコード6aの延在方向線と、破断したカーカスコードの端部のうちラジアルカーカスプライのカーカスコード延在方向の両方向に関して最外側の2点(図7では、7a, 7b)のそれぞれを通る2本のタイヤ周方向線とによって囲まれた領域を損傷部分8と定義する。そして、パッチラバー20を貼り合わせる際には、例えば、損傷部分8の中心位置とパッチラバー20の中心位置とが重なるようにする。
パッチラバー20の大きさは、損傷部分に最も近い補強コード層である積層方向一方側の補強コード層30の補強領域35と、補強コード層30に隣接する積層方向他方側の補強コード層40の補強領域45との重なる領域とし、この領域を、ラジアルカーカスプライのカーカスコード延在方向およびタイヤ周方向のそれぞれについて損傷部分の大きさを所定の倍数だけ拡大したものと定めることができる。
そして、損傷部分8にタイヤ内面側から貼り合わせるパッチラバー20の大きさは、ラジアルカーカスプライのカーカスコード延在方向およびタイヤ周方向のそれぞれについて、損傷部分8の大きさの2〜4倍とすることが好ましい。パッチラバー20の大きさを、損傷部分8の大きさの2倍以上とすれば、損傷部分を十分に補強して修理することができ、4倍以下とすれば、不要な部分にパッチラバーを貼り合わせるのを避けることができる。これにより、確実に損傷部分8を補強しつつ、ラジアルタイヤの修理に用いるゴム使用量および修理作業時間を低減し、効率的に低コストでラジアルタイヤを修理することができる。また、タイヤ外面側から貼り合わせるパッチラバー20の大きさは、損傷部分8の大きさの1.1〜1.4倍とすることが好ましい。タイヤ外面側から貼り合わせるパッチラバー20の大きさを、損傷部分8の大きさの1.1倍以上とすれば、損傷部分を十分に補強して修理することができ、1.4倍以下とすれば、不要な部分にパッチラバーを貼り合わせるのを避けることができる。これにより、確実に損傷部分8を補強しつつ、ラジアルタイヤの修理に用いるゴム使用量および修理作業時間を低減し、効率的に低コストでラジアルタイヤを修理することができるからである。
なお、トレッド部3に貫通傷を受けたラジアルタイヤを修理する、上記本発明の修理方法の一例では、タイヤ外面側および内面側のいずれか一方からパッチラバーを貼り合わせてもよい。そして、ラジアルタイヤ1の一方側からパッチラバーを貼り合わせて修理する場合については、パッチラバー20を貼り合わせる工程の前にパッチラバー20を貼り合わせる側の反対側のゴム(外面側から修理する場合には、インナーライナーゴム12a、内面側から修理する場合には、サイドゴム11a)を充填する工程を行い、その後に上述のようにパッチラバー20を貼り合わせることができる。
更になお、本発明のラジアルタイヤの修理方法は、トレッド部3の損傷がラジアルカーカスプライ5まで達することなくベルトプライ10のみに生じた場合にも適用することができる。この場合、損傷部分8の周辺のトレッドゴム13および特に損傷したベルトプライ10をタイヤ外面側から除去し、その後に上述のようにタイヤ外面側からパッチラバー20を貼り合わせることができる。
そして別の例の修理方法では、サイドウォール部3に生じた損傷を、トレッド部の場合と同様の修理工程で修理できる。
なお、ラジアルカーカスプライ5が破断した部分(損傷部分)を符号8’で示す。
まず、損傷部分8’周辺のトレッドゴム13および特に損傷が見られるベルトプライ10を、最もタイヤ外面側のラジアルカーカスプライ5が露出するまでタイヤ外面側から除去する。次に、損傷部分8’周辺のインナーライナーゴム12を、最もタイヤ内面側のラジアルカーカスプライ5が露出するまでタイヤ内面側から除去する。
そして、前述したパッチラバー20を損傷部分8’に対してタイヤ両面側から貼り合わせる。具体的には、図8(D)に示すように、新たなインナーライナーゴム12aと予め一体化させたパッチラバー20をラジアルタイヤ内面側から損傷部分8に対して接着剤を用いるなどして貼り合わせると共に、新たなサイドゴム11aと予め一体化させたパッチラバー20をラジアルタイヤ外面側から損傷部分8’に対して接着剤を用いるなどして貼り合わせる。
なお、新たなインナーライナーゴム12a、新たなサイドゴム11aは、それぞれ修理前のインナーライナーゴム12、サイドゴム11と同じ素材とすることが好ましい。
ここで、損傷部分8’に貼り合わせる前のパッチラバー20のゴム32b,42b,52b,64bは、未加硫のゴムであることが好ましい。そして、この場合には未加硫のパッチラバー20を貼り合わせた後、損傷部分8’に対して部分加硫を施す。未加硫ゴムを用いた場合には、損傷部分8’の表面に十分に密着させてパッチラバー20を貼り合わせることができ、損傷部分周辺に気泡が残りにくいためである。また、新たなインナーライナーゴム12a、新たなサイドゴム11aを加硫する際にパッチラバー20を必要以上に加硫するのを防止できるからである。
ラジアルタイヤの修理用パッチラバー20の貼り合わせは、図9(A)に示すように、積層方向一方側の引張弾性率の高い補強コードを用いた補強コード層30の補強コード(図9(A)では32のみ示す)が破断したラジアルカーカスプライ5のプライコード6’の延在方向(図9では、破断した4本のプライコード6a’のうち中央の2本のプライコードの中間線C1の方向)に平行になるように行う。パッチラバー20の補強コードの延在方向をプライコード6’の延在方向と平行にすることで、プライコード6a’が破断する前に負担していたラジアルタイヤのラジアルカーカスプライのプライコード延在方向の張力を、パッチラバー20の補強コード32がプライコード6’の代わりに負担することができるからである。
そして、上述した構成のパッチラバー20を用いてラジアルタイヤ1を修理すれば、パッチラバー20を用いて修理したラジアルタイヤの損傷部分8’に力が加わった際に引張弾性率の高い補強コード32を用いた補強コード層30が伸びたときの抗力を大きくし、また引張弾性率の低い補強コード52(図9(A)に示さず)を用いた補強コード層50が伸びたときの伸び幅を大きくして、修理したラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。そのため、損傷部分に対する高い補強効果を得ることができ、修理済みラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。
なお、上述の一例では、損傷部分8’に貼り合わせるパッチラバー20の、積層方向一方側の引張弾性率の高い補強コード32を用いた補強コード層30の補強コードは、C1に対して平行だが、図9(B)に示すように、サイドウォール部2では、ラジアルカーカスプライのプライコード6’の延在方向と、サイドウォール部2の損傷部分に貼り合わせたパッチラバー20の補強コード層30の補強コードとの交差角度θ3が、0°以上30°以下であることが好ましい。θ3が30°を超えると、補強コードにかかるプライコード延在方向の力が小さくなり、パッチラバー20を貼り付けることによる補強効果が弱まり、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤが故障しやすくなる。因みに、本発明のパッチラバーの補強コードの延在方向は、隣接する補強コード層間で交差するようにしてもよい。
また、貼り合わせるパッチラバー20の大きさは、タイヤ内面側においては損傷部分8’の2〜4倍、タイヤ外面側においては、損傷部分8’の1.1〜1.4倍であることが好ましい。
ここで、損傷部分8’とは、図9(A)に示すように、ラジアルカーカスプライ5のプライコードとプライゴムが破断して空隙になった部分を意味する。具体的には、タイヤ表面からラジアルカーカスプライ5を透視した平面視にて、破断したラジアルカーカスプライのプライコード6a’のうち最も外側に位置する2本のラジアルカーカスプライのプライコード6’の延在方向線と、破断したプライコードの端部7のうちラジアルカーカスプライのプライコードの延在方向の両方向に関して最外側の2点(7a’,7b’)のそれぞれを通る2本のタイヤ周方向線によって囲まれた領域を損傷部分8’と定義する。そして、損傷部分8’の大きさを、ラジアルカーカスプライのプライコードの延在方向およびタイヤ周方向にそれぞれの所定の倍数だけ拡大したものを、パッチラバー20の大きさと定めることができる。そして、パッチラバー20を貼り合わせる際には、例えば、損傷領域の中心位置とパッチラバーの中心位置とが重なるようにする。
このように、タイヤ内面側から貼り合わせるパッチラバー20の大きさを、損傷部分8’の大きさの2倍以上とすれば、損傷部分を十分に補強して修理することができ、4倍以下とすれば、不要な部分にパッチラバーを貼り合わせるのを避けることができる。また、タイヤ外面側から貼り合わせるパッチラバー20の大きさを、損傷部分8’の大きさの1.1倍以上とすれば、損傷部分を十分に補強して修理することができ、1.4倍以下とすれば、不要な部分にパッチラバーを貼り合わせるのを避けることができる。これにより、確実に損傷部分8’を補強しつつ、ラジアルタイヤの修理に用いるゴム使用量および修理作業時間を低減し、効率的に低コストでラジアルタイヤを修理することができるからである。
なお、本発明のラジアルタイヤの修理方法では、タイヤ外面側および内面側のいずれか一方からパッチラバーを貼り合わせてもよい。そして、ラジアルタイヤ1の一方側からパッチラバーを貼り合わせて修理する場合については、パッチラバー20を貼り合わせる工程の前にパッチラバー20を貼り合わせる側の反対側にゴム(外面側から修理する場合には、インナーライナーゴム12a、内面側から修理する場合には、サイドゴム11a)を充填する工程を行い、その後に上述のようにパッチラバー20を貼り合わせることができる。
ここで、パッチラバー20の貼り合わせは、図9に示すように、補強コード層30,40,50,60の補強コード32,42,52,64のうち少なくとも一本の補強コードが、破断したラジアルカーカスプライ5のプライコード6’の延在方向に平行になるように行う。パッチラバー20の補強コードの延在方向をプライコード6’の延在方向と平行にすることで、プライコード6a’が破断する前に負担していたラジアルタイヤのラジアルカーカスプライのプライコード延在方向の張力を、パッチラバー20の補強コード32,42,52,64がプライコード6’の代わりに負担することができるからである。
なお、先述の通り、本発明のラジアルタイヤの修理方法では、タイヤ外面側および内面側のいずれか一方からパッチラバーを貼り合わせてもよい。そして、一方側からパッチラバーを貼り合わせて修理する場合については、パッチラバー20を貼り合わせる工程の前にパッチラバー20を貼り合わせる側の反対側にゴム(外面側から修理する場合には、インナーライナーゴム12a、内面側から修理する場合には、トレッドゴム13a)を充填する工程を行い、その後に上述のようにパッチラバー20を貼り合わせることができる。
本発明の修理方法は、任意のラジアルタイヤに対して適用可能であるが、サイドウォール部2またはトレッド部3において大きな損傷を受けやすく、かつ1本当たりの価格の高い、建設車両用タイヤなどの超大型タイヤに用いると効果的である。
上述のラジアルタイヤの修理方法に従ってサイドウォール部2およびトレッド部3を修理した、修理済みラジアルタイヤを図1(A)に示す。上記ラジアルタイヤの修理方法で修理すれば、耐久性が高く、修理後も長期間使用することができる修理済みラジアルタイヤが得られる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
オフザロードラジアルタイヤ(ORR 46/90R57)をJATMA規格に定める適用リムに装着し、内圧700kPa、荷重63tの条件の下、速度8km/hで1000時間走行させた後、トレッド部に、タイヤ周方向長さb=25mm、ラジアルカーカスプライのカーカスコード延在方向の長さd=25mmの大きさの損傷を与えて、ラジアルカーカスプライのカーカスコードおよびベルトプライのベルトコードを破断させた。そして、表1に示す諸元で、補強領域が積層方向他方側に向けて小さくしたパッチラバーを作製しパッチラバーをタイヤ内面側から損傷部分に貼り合わせて損傷部分を修理した。
修理済みラジアルタイヤについて耐久性を以下の方法で評価した。評価結果を、パッチラバーの作製に使用したゴム量および修理に要した時間と共に表1に示す。
(修理済みラジアルタイヤの耐久性評価)
修理後のタイヤをJATMA規格に定める適用リムに装着し、内圧700kPa、荷重63tの条件の下、速度8km/hで3000時間走行させて、故障するまでの走行時間を測定した。走行時間が長いほどパッチラバーの耐久性が高いことを示す。
(比較例1)
パッチラバーの補強コード層の補強コードについて、図11に示すように、同一の補強コード層内で補強コードの両端位置をコード並列方向に揃えた以外は、実施例1と同様にしてパッチラバーを作製し、オフザロードラジアルタイヤを修理した。そして実施例1と同様にして耐久性を評価した。
(実施例2、比較例1〜6)
パッチラバーとして表1に示す諸元のパッチラバーを用いた以外は実施例1と同様にしてオフザロードラジアルタイヤを修理した。そして実施例1と同様にして耐久性を評価した。
Figure 0005769739
(参考例1)
オフザロードラジアルタイヤ(ORR 46/90R57)をJATMA規格に定める適用リムに装着し、内圧700kPa(102psi)、荷重62tの条件の下、速度12km/hで4000時間走行させた後、サイドウォール部に、サイドウォール部における損傷領域のラジアルプライコード延在方向外側のタイヤ周方向長さa=25mm、サイドウォール部における損傷領域のラジアルプライコード延在方向内側のタイヤ周方向長さb=23mm、サイドウォール部における損傷領域のラジアルコード延在方向の長さc=100mmの大きさの損傷を与えて、ラジアルカーカスプライのプライコード4本を破断させた。そして、表2に示す緒元のパッチラバーを作製し、パッチラバーの最外側に位置するアラミド製コードを用いた補強コード層が損傷部側に位置するようにパッチラバーをタイヤ内面側から損傷部分に貼り合わせて損傷部分を修理したものである。そして、修理済みラジアルタイヤの耐久性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
(損傷部分の耐久性評価)
修理後のタイヤをJATMA規格に定める適用リムに装着し、内圧700kPa(102psi)、荷重62tの条件の下、速度12km/hで4000時間走行させて、故障するまでの走行時間を測定した。走行時間が長いほどパッチラバーの耐久性が高いことを示す。
(参考比較例1)
パッチラバーの補強コード層の補強コードをすべてナイロン製コードとした以外は、実施例1と同様にしてパッチラバーを作製し、オフザロードラジアルタイヤを修理した。そして実施例1と同様にして耐久性を評価した。
(参考例2〜8)
パッチラバーとして表2に示す諸元のパッチラバーを用いた以外は実施例1と同様にしてオフザロードラジアルタイヤを修理した。そして実施例1と同様にして耐久性を評価した。
Figure 0005769739
本発明のラジアルタイヤの修理用パッチラバーによれば、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。また、本発明のラジアルタイヤの修理方法によれば、パッチラバーを用いて修理したラジアルタイヤの耐久性を向上させることができる。更に、本発明の修理済みラジアルタイヤによれば、耐久性が高く、修理後も長期間使用することができる修理済みラジアルタイヤが得られる。
1、ラジアルタイヤ
2、サイドウォール部
3、トレッド部
4、ビード部
5、ラジアルカーカスプライ
6、6’カーカスコード
6a、6a’、破断したカーカスコード
7a,7b,7a’,7b’、破断したカーカスコードの端部
8、8’損傷部分
10、ベルト
11、サイドゴム
11a、サイドゴム
12、インナーライナーゴム
12aインナーライナーゴム
13、トレッドゴム
13a、トレッドゴム
20、パッチラバー
30、40、50、60、補強コード層
32、42、52、64、補強コード
32a、42a、52a、64a、補強コード端
41a、長尺の補強コード
42a、補強コード
43a、補強コード
35、45、55、65、補強領域
49、ゴム

Claims (13)

  1. 互いに平行に配列した複数本の補強コードを被覆ゴム被覆してなる補強コード層を用いて構成されたラジアルタイヤの修理用パッチラバーであって、
    前記補強コード層を一方から他方に向けて少なくとも4層積層して構成され、
    補強コードのコード延在方向が同じである補強コード層間で、
    前記複数本の補強コードの互いに隣接するコード端同士を結ぶ仮想線と、前記複数本の補強コードのうちコード並列方向最外方に位置する補強コードとで囲まれる領域を補強領域としたとき、コード延在方向が同一方向の補強コード層同士について、積層方向にみて、他方側に位置する補強コード層の補強領域が一方側に位置する補強コード層の補強領域の内側に位置しており、
    第一の補強コード層と、前記第一の補強コード層の補強コードとコード延在方向が直交する第二の補強コード層とが、交互に積層された構造を有し、
    前記一方側の端面が第一の補強コード層表面であり、前記他方側の端面が第二の補強コード層表面であり、
    前記第二の補強コード層を構成する前記被覆ゴムが、積層方向にみて、前記一方側に隣接する前記第一の補強コード層を構成する前記被覆ゴムと同一の形状であることを特徴とする、ラジアルタイヤの修理用パッチラバー。
  2. 前記第一の補強コード層のコード並列方向の幅が、前記第二の補強コード層のコード並列方向最外方に位置する補強コードのコード延在方向の長さよりも小さく、
    前記第二の補強コード層のコード並列方向の幅が、前記第一の補強コード層のコード並列方向最外方に位置する補強コードのコード延在方向の長さよりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のラジアルタイヤの修理用パッチラバー。
  3. 少なくとも1層の前記補強コード層の補強コードの引張弾性率が、他の補強コード層の補強コードの引張弾性率よりも高いことを特徴とする、請求項1または2に記載のラジアルタイヤの修理用パッチラバー。
  4. 少なくとも1層の前記補強コード層の補強コードが、アラミド製コードまたはガラス繊維製コードであることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のラジアルタイヤの修理用パッチラバー。
  5. 少なくとも1層の前記補強コード層の厚さが前記他の補強コード層の厚さよりも厚いことを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のラジアルタイヤの修理用パッチラバー。
  6. 前記複数本の補強コードは、コード延在方向の長さが最も長い長尺補強コードと、コード延在方向に対して直角なコード並列方向にみて、前記長尺補強コードの両側にそれぞれ配列された、少なくとも一本の補強コードよりなり、
    前記補強コード層内で、
    前記長尺補強コード側の補強コードのコード端位置を、コード並列方向外側の補強コードのコード端位置よりもコード延在方向外方に位置させたことを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のラジアルタイヤの修理用パッチラバー。
  7. トレッド部と、該トレッド部の両側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部からタイヤ径方向内方に延びるビード部とにわたってトロイド状に延び、複数本のプライコードをプライゴムで被覆した少なくとも1プライのラジアルカーカスプライおよび複数本のベルトコードをベルトゴムで被覆してなる少なくとも1プライのベルトプライ、を有するラジアルタイヤの修理方法であって、
    前記サイドウォール部および前記トレッド部の少なくとも一方において、前記ラジアルカーカスプライのカーカスコードおよび前記ベルトプライのベルトコードの少なくとも一方が破断した場合に、
    カーカスコードが破断したラジアルカーカスプライの損傷部分およびベルトコードが破断したベルトプライの損傷部分の少なくとも一方に、タイヤ内面側および外面側の少なくとも一方からラジアルタイヤの修理用パッチラバーを貼り合わせる補強工程を有し、
    前記補強工程で、請求項1乃至のいずれか1項に記載のラジアルタイヤの修理用パッチラバーをラジアルタイヤの損傷部分に貼り合わせることを特徴とする、ラジアルタイヤの修理方法。
  8. 前記サイドウォール部においてラジアルカーカスプライのカーカスコードが破断した場合に、
    前記補強工程で、
    前記パッチラバーを構成する複数層の補強コード層のうち少なくとも一層の補強コードがラジアルカーカスプライのカーカスコード延在方向に対して0〜30°の角度をなすように、ラジアルタイヤの損傷部分にパッチラバーを貼り合わせることを特徴とする、請求項に記載のラジアルタイヤの修理方法。
  9. 前記トレッド部において前記ベルトプライのベルトコードが破断した場合に、
    前記補強工程で、
    前記パッチラバーを構成する複数層の補強コード層のうち少なくとも一層の補強コードがタイヤ周方向に対して0〜30°の角度をなすように、かつ、他の補強コード層の補強コードがラジアルカーカスプライのカーカスコード延在方向に対して0〜30°の角度をなすように、
    請求項1または2に記載のラジアルタイヤの修理用パッチラバーを損傷部分に貼り合わせることを特徴とする、請求項に記載のラジアルタイヤの修理方法。
  10. 前記ラジアルタイヤ内面側から貼り合わせるパッチラバーの大きさを、ラジアルタイヤの損傷部分の大きさの2〜4倍とすることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか1項に記載のラジアルタイヤの修理方法。
  11. 前記ラジアルタイヤ外面側から貼り合わせるパッチラバーの大きさを、ラジアルタイヤの損傷部分の大きさの1.1〜1.4倍とすることを特徴とする、請求項7乃至10のいずれか1項に記載のラジアルタイヤの修理方法。
  12. 前記ラジアルタイヤの修理用パッチラバーを構成するゴムが、未加硫のゴムからなり、前記補強工程の後にパッチラバーを加硫することを特徴とする、請求項7乃至11のいずれか1項に記載のラジアルタイヤの修理方法。
  13. 請求項7乃至12のいずれか1項に記載のラジアルタイヤの修理方法に従って修理したことを特徴とする、修理済みラジアルタイヤ。
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