JPH07172123A - タイヤ修理用のパッチ - Google Patents
タイヤ修理用のパッチInfo
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- JPH07172123A JPH07172123A JP32267293A JP32267293A JPH07172123A JP H07172123 A JPH07172123 A JP H07172123A JP 32267293 A JP32267293 A JP 32267293A JP 32267293 A JP32267293 A JP 32267293A JP H07172123 A JPH07172123 A JP H07172123A
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- Japan
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- tire
- patch
- rubber
- cut
- cord
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 修理後のタイヤの耐久性を損なうことなく、
高内圧充填時においても修理後のタイヤのサイド膨れ量
が極めて少ない外観的商品価値に優れたラジアルタイヤ
修理用パッチを提供する。 【構成】 タイヤ踏面部の貫通傷で切断したプライコ−
ドにタイヤ内圧充填時に生じる応力によって発生したコ
−ド被覆ゴムの剪断歪みを許容範囲内に抑え込むことの
出来る弾性率を備えたラジアルタイヤ踏面部修理用パッ
チ。
高内圧充填時においても修理後のタイヤのサイド膨れ量
が極めて少ない外観的商品価値に優れたラジアルタイヤ
修理用パッチを提供する。 【構成】 タイヤ踏面部の貫通傷で切断したプライコ−
ドにタイヤ内圧充填時に生じる応力によって発生したコ
−ド被覆ゴムの剪断歪みを許容範囲内に抑え込むことの
出来る弾性率を備えたラジアルタイヤ踏面部修理用パッ
チ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重車両用ラジアルタイ
ヤの使用中に受けたタイヤ踏面部の貫通傷を修理するラ
ジアルタイヤ修理用パッチに関する。
ヤの使用中に受けたタイヤ踏面部の貫通傷を修理するラ
ジアルタイヤ修理用パッチに関する。
【0002】
【従来の技術】近年トラック、バスなど重車両に用いら
れるタイヤとしては、ラジアルタイヤが広く普及してき
ている。この重車両用ラジアルタイヤの一般的な構造
は、タイヤ踏面部のトレッドゴムの下に複数本のスチ−
ルコ−ドをタイヤ赤道面に対し所定の角度を取って並列
配置し被覆ゴム中に埋設した補強層を数枚積層にしたベ
ルト部とスチ−ルコ−ド又は有機繊維コ−ドをタイヤ赤
道面に直角方向に配列したプライコ−ドから構成されて
いる。このようなラジアルタイヤでは、強力なスチ−ル
コ−ドを素材とするベルト層の恩恵によって釘、小さな
採石などの貫通は防止できるのであるが、特にトレッド
ゴムが摩滅した使用の末期においては、ボルトや鋭利な
砕石等強固な異物がタイヤを貫通してしまうことが屡々
ある。この様な場合には従来この異物を取り除きタイヤ
の貫通穴の周辺部分をバフ仕上げしてこの穴に所定の埋
めゴムを詰め平滑に均しタイヤの内面側に当てパッチを
その縦方向をタイヤのラジアルプライコ−ドの延在方向
に合わせて貼り付けて修理する方法が行われている。而
して、貫通穴が大きい場合は大きな寸法で且つ補強コ−
ド層の厚いパッチが選択される。又、この時使用される
従来の修理用パッチは修理業者自身が製作することもあ
るが市販品としても存在している。
れるタイヤとしては、ラジアルタイヤが広く普及してき
ている。この重車両用ラジアルタイヤの一般的な構造
は、タイヤ踏面部のトレッドゴムの下に複数本のスチ−
ルコ−ドをタイヤ赤道面に対し所定の角度を取って並列
配置し被覆ゴム中に埋設した補強層を数枚積層にしたベ
ルト部とスチ−ルコ−ド又は有機繊維コ−ドをタイヤ赤
道面に直角方向に配列したプライコ−ドから構成されて
いる。このようなラジアルタイヤでは、強力なスチ−ル
コ−ドを素材とするベルト層の恩恵によって釘、小さな
採石などの貫通は防止できるのであるが、特にトレッド
ゴムが摩滅した使用の末期においては、ボルトや鋭利な
砕石等強固な異物がタイヤを貫通してしまうことが屡々
ある。この様な場合には従来この異物を取り除きタイヤ
の貫通穴の周辺部分をバフ仕上げしてこの穴に所定の埋
めゴムを詰め平滑に均しタイヤの内面側に当てパッチを
その縦方向をタイヤのラジアルプライコ−ドの延在方向
に合わせて貼り付けて修理する方法が行われている。而
して、貫通穴が大きい場合は大きな寸法で且つ補強コ−
ド層の厚いパッチが選択される。又、この時使用される
従来の修理用パッチは修理業者自身が製作することもあ
るが市販品としても存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の修理
用パッチを用いて踏面貫通傷を修理したタイヤにおいて
は、耐久性能の点では元の故障前のレベルを復元出来る
ものとなっているが、切断されたプライコ−ドがタイヤ
の充填内圧によってタイヤビ−ド方向に引き抜かれるこ
とに起因するタイヤのショルダ−部(タイヤ最大幅とト
レッド端との間)が局部的にタイヤの外側に膨出する現
象(本明細書では以後サイド膨れと呼称する)があり、
この膨出量が大きい場合は故障につながる心配から実用
に耐えないと外観上判定されスクラップにされることが
あり、特に我が国では使用時タイヤ内圧が高圧のため前
記の膨出が助長されるために、このサイド膨れが重視さ
れ従来のパッチ修理タイヤの歩留り(修理可能タイヤの
割合)を悪化させていた。
用パッチを用いて踏面貫通傷を修理したタイヤにおいて
は、耐久性能の点では元の故障前のレベルを復元出来る
ものとなっているが、切断されたプライコ−ドがタイヤ
の充填内圧によってタイヤビ−ド方向に引き抜かれるこ
とに起因するタイヤのショルダ−部(タイヤ最大幅とト
レッド端との間)が局部的にタイヤの外側に膨出する現
象(本明細書では以後サイド膨れと呼称する)があり、
この膨出量が大きい場合は故障につながる心配から実用
に耐えないと外観上判定されスクラップにされることが
あり、特に我が国では使用時タイヤ内圧が高圧のため前
記の膨出が助長されるために、このサイド膨れが重視さ
れ従来のパッチ修理タイヤの歩留り(修理可能タイヤの
割合)を悪化させていた。
【0004】本発明は、修理後のタイヤの耐久性を担保
すると共に、高内圧使用条件においても修理後のタイヤ
のサイド膨れ量を極めて少なくして外観的商品価値を低
下させないラジアルタイヤ踏面部貫通傷修理用パッチを
提供することを目的としている。
すると共に、高内圧使用条件においても修理後のタイヤ
のサイド膨れ量を極めて少なくして外観的商品価値を低
下させないラジアルタイヤ踏面部貫通傷修理用パッチを
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の修理用パッチにおいては、複数のコ−ド
をパッチのほぼ縦方向に並列配列して被覆ゴム中に埋設
した層を一層以上積層した補強層を内蔵したタイヤ修理
用パッチであって、タイヤ踏面部からタイヤ内方に貫通
した異物によって切断されたタイヤプライコ−ドが切断
前に負担していたと推定される応力を算出して得た損失
抗力を、前記タイヤショルダ−部の前記貫通傷に起因す
るサイド膨れの許容量との相関関係から求めた切断プラ
イコ−ド周辺ゴムの最大許容剪断歪みで除した値に相当
する縦方向弾性率を持つことを特徴とし、ラジアルタイ
ヤの踏面部貫通傷修理用に供されるとしている。
めに、本発明の修理用パッチにおいては、複数のコ−ド
をパッチのほぼ縦方向に並列配列して被覆ゴム中に埋設
した層を一層以上積層した補強層を内蔵したタイヤ修理
用パッチであって、タイヤ踏面部からタイヤ内方に貫通
した異物によって切断されたタイヤプライコ−ドが切断
前に負担していたと推定される応力を算出して得た損失
抗力を、前記タイヤショルダ−部の前記貫通傷に起因す
るサイド膨れの許容量との相関関係から求めた切断プラ
イコ−ド周辺ゴムの最大許容剪断歪みで除した値に相当
する縦方向弾性率を持つことを特徴とし、ラジアルタイ
ヤの踏面部貫通傷修理用に供されるとしている。
【0006】上記損失抗力は異物の貫通によって切断さ
れる前のプライコ−ドが負担していた応力に等しく次に
示す数1によって算出する。
れる前のプライコ−ドが負担していた応力に等しく次に
示す数1によって算出する。
【0007】
【数1】
【0008】但し、 T:スチ−ルコ−ド一本当たりの強力(kg) κ:タイヤの安全率 Sc :スチ−ルコ−ド一本当たりの面積(cm2 ) N:切断プライコ−ド本数
【0009】次にタイヤの切断プライコ−ド周辺ゴムの
最大許容剪断歪みは次の手順によって求める。ボルトな
ど異物がタイヤトレッドゴム、その下層のベルト層を貫
通して更にその下層にあるプライコ−ドを切断してタイ
ヤの内面まで貫通した場合において、仮にこの貫通穴を
塞いでタイヤ内部に内圧を充填すると、切断されたコ−
ドは被覆ゴムの中を上記のσp の力でタイヤのビ−ド方
向に引き抜かれる様になり、隣接する切断されていない
コ−ドと切断されたコ−ドとの間を埋める被覆ゴムには
前記引き抜かれる切断コ−ドの動きに従い剪断変形が生
じる。又、前記のタイヤショルダ−部の膨出はこのコ−
ドのビ−ド方向への引き抜かれによる移動と上記のコ−
ド間の剪断変形によって発生するものと推察される。従
って、上記コ−ド間の剪断変形すなわち剪断歪みの量と
前記タイヤサイド膨出量との関係を把握するために、実
際にコ−ド切断本数の異なる数種のタイヤのサイド膨出
量を各々測定し一方で次の数2から前記剪断歪み(ε)
を求め両者の関係をグラフ化した(図3)。
最大許容剪断歪みは次の手順によって求める。ボルトな
ど異物がタイヤトレッドゴム、その下層のベルト層を貫
通して更にその下層にあるプライコ−ドを切断してタイ
ヤの内面まで貫通した場合において、仮にこの貫通穴を
塞いでタイヤ内部に内圧を充填すると、切断されたコ−
ドは被覆ゴムの中を上記のσp の力でタイヤのビ−ド方
向に引き抜かれる様になり、隣接する切断されていない
コ−ドと切断されたコ−ドとの間を埋める被覆ゴムには
前記引き抜かれる切断コ−ドの動きに従い剪断変形が生
じる。又、前記のタイヤショルダ−部の膨出はこのコ−
ドのビ−ド方向への引き抜かれによる移動と上記のコ−
ド間の剪断変形によって発生するものと推察される。従
って、上記コ−ド間の剪断変形すなわち剪断歪みの量と
前記タイヤサイド膨出量との関係を把握するために、実
際にコ−ド切断本数の異なる数種のタイヤのサイド膨出
量を各々測定し一方で次の数2から前記剪断歪み(ε)
を求め両者の関係をグラフ化した(図3)。
【0010】
【数2】
【0011】但し、 δG :切断コ−ドと隣接の非切断コ−ド間のゴムに働く
剪断応力 ε :剪断歪み G :ゴムの剪断弾性率 m :ゴムのポアッソン比 E :ゴムの弾性率
剪断応力 ε :剪断歪み G :ゴムの剪断弾性率 m :ゴムのポアッソン比 E :ゴムの弾性率
【0012】尚、ショルダ−部の膨出量は各々のタイヤ
にJIS規定の正規内圧を充填し切断コ−ド上に相当す
るタイヤショルダ−部にダイアルゲ−ジを当てて測定す
る。
にJIS規定の正規内圧を充填し切断コ−ド上に相当す
るタイヤショルダ−部にダイアルゲ−ジを当てて測定す
る。
【0013】一方サイド膨出の許容量に付いては、商品
として使用者に許容される限界を視覚的な感覚と手で触
れる触感的な感覚にタイヤ販売の当業者としての長年の
経験を加味して判断し安全サイドに決める。例えば、後
に記述する実施例ではこれを0.24mmとしている。
次に、このサイド膨出の許容量に対応する剪断歪み即ち
切断プライコ−ド周辺ゴムの最大許容剪断歪みを前記図
3から求める。
として使用者に許容される限界を視覚的な感覚と手で触
れる触感的な感覚にタイヤ販売の当業者としての長年の
経験を加味して判断し安全サイドに決める。例えば、後
に記述する実施例ではこれを0.24mmとしている。
次に、このサイド膨出の許容量に対応する剪断歪み即ち
切断プライコ−ド周辺ゴムの最大許容剪断歪みを前記図
3から求める。
【0014】
【作用】タイヤのクラウン踏面部にボルトなどの異物が
貫通し、プライコ−ドが切断された場合、切断コ−ドの
タイヤビ−ド方向への引き抜かれと切断コ−ド周辺のゴ
ムの剪断変形によりタイヤショルダ−部が膨出するが、
この大きさを商品価値を低下させない程度に抑えるに
は、切断プライコ−ド周辺ゴムの剪断歪みを上記した最
大許容剪断歪み以下に抑えておけば良い。本発明におい
ては、切断コ−ドが負担する応力(損失応力)を前記最
大許容剪断歪みで除した値に相当する縦弾性率(切断プ
ライコ−ドの長手方向の弾性率)を備えた補強パッチを
切断コ−ド及びその周辺ゴムの上に強固に接着させて貼
り付けるため、前記損失応力の大部分が補強パッチによ
って負担される一方で切断コ−ド周辺ゴムの負担が減少
しその剪断歪みを最小限に抑制出来る。
貫通し、プライコ−ドが切断された場合、切断コ−ドの
タイヤビ−ド方向への引き抜かれと切断コ−ド周辺のゴ
ムの剪断変形によりタイヤショルダ−部が膨出するが、
この大きさを商品価値を低下させない程度に抑えるに
は、切断プライコ−ド周辺ゴムの剪断歪みを上記した最
大許容剪断歪み以下に抑えておけば良い。本発明におい
ては、切断コ−ドが負担する応力(損失応力)を前記最
大許容剪断歪みで除した値に相当する縦弾性率(切断プ
ライコ−ドの長手方向の弾性率)を備えた補強パッチを
切断コ−ド及びその周辺ゴムの上に強固に接着させて貼
り付けるため、前記損失応力の大部分が補強パッチによ
って負担される一方で切断コ−ド周辺ゴムの負担が減少
しその剪断歪みを最小限に抑制出来る。
【0015】
【実施例】本発明の詳細を以下に実施例により説明す
る。図1に、タイヤクラウン部(1)の中央付近に直径
10mmのボルトが踏面部の表面(2)からベルト層
(3)を貫通して、プライコ−ド(4)を切断しタイヤ
の内面まで突き抜けた外傷を受けたトラック用タイヤ1
000R20を本発明の修理用パッチ(5)を用いて修
理した状況を示した。この場合プライコ−ドは貫通部
(6)で2本が切断されていた。本発明の修理用パッチ
は図2(a)に示すほぼ長方形を形を持ち、その幅方向
と長さ方向の寸度は各々90mm×140mmである。
尚、パッチの長手方向(タイヤ径方向)の寸度は貫通穴
を挟んでタイヤ径方向上下に各々70mm程度の範囲に
止め特に屈曲の激しいショルダ−部(7)まで出来るだ
け延在させない様にする。断面の形は同図(b)の如く
タイヤに貼り付ける側の底部の長さが長い梯形状をして
いる。又、パッチの構造は内部にレ−ヨンコ−ド(8)
(タイヤ加硫直後コ−ドを取り出し常温で測定した時の
強力、11.4kg/本)をパッチの長さ方向に平行に
複数本配列して被覆ゴム中に埋設したファブリック層を
数層積層して配置し上下にゴム層を重ねて該ファブリッ
ク層を被覆したものとしている。
る。図1に、タイヤクラウン部(1)の中央付近に直径
10mmのボルトが踏面部の表面(2)からベルト層
(3)を貫通して、プライコ−ド(4)を切断しタイヤ
の内面まで突き抜けた外傷を受けたトラック用タイヤ1
000R20を本発明の修理用パッチ(5)を用いて修
理した状況を示した。この場合プライコ−ドは貫通部
(6)で2本が切断されていた。本発明の修理用パッチ
は図2(a)に示すほぼ長方形を形を持ち、その幅方向
と長さ方向の寸度は各々90mm×140mmである。
尚、パッチの長手方向(タイヤ径方向)の寸度は貫通穴
を挟んでタイヤ径方向上下に各々70mm程度の範囲に
止め特に屈曲の激しいショルダ−部(7)まで出来るだ
け延在させない様にする。断面の形は同図(b)の如く
タイヤに貼り付ける側の底部の長さが長い梯形状をして
いる。又、パッチの構造は内部にレ−ヨンコ−ド(8)
(タイヤ加硫直後コ−ドを取り出し常温で測定した時の
強力、11.4kg/本)をパッチの長さ方向に平行に
複数本配列して被覆ゴム中に埋設したファブリック層を
数層積層して配置し上下にゴム層を重ねて該ファブリッ
ク層を被覆したものとしている。
【0016】この時ファブリック層のコ−ドの打ち込み
本数(単位幅当たりのコ−ドの配列本数)と積層枚数は
次の手順により求めて設定されている。まず切断コ−ド
の損失応力は前記σp の式でT=165kg、κ=6.
9、Sc =8.8×10-3cm2 、N=2としてσp =
5435kg/cm2 を得、次に前記サイド膨出の許容
量を商品的価値を低下しない限度として0.24mmと
決めこの許容量に相当する最大許容剪断歪みを図3のグ
ラフから求め110×10-4を得、次にσp =5435
kg/cm2 を最大許容剪断歪み110×10-4で除し
て前記補強パッチの縦弾性率148×104 kg/cm
2 を得る。尚、この時σpはコードの両側の被覆ゴムで
分担するので1/2としている。ここでこの縦弾性率1
48×104 kg/cm2 は切断コ−ド周辺ゴムの存在
するタイヤ周方向の幅に相当する範囲において修理用パ
ッチが備えていなければならない弾性率である。今、こ
の幅は約10mmであるのでファブリックの打ち込みを
n、積層枚数を仮に4(一枚の厚さは1.2mm)とし
て、次式によってファブリックの打ち込みnを計算す
る。
本数(単位幅当たりのコ−ドの配列本数)と積層枚数は
次の手順により求めて設定されている。まず切断コ−ド
の損失応力は前記σp の式でT=165kg、κ=6.
9、Sc =8.8×10-3cm2 、N=2としてσp =
5435kg/cm2 を得、次に前記サイド膨出の許容
量を商品的価値を低下しない限度として0.24mmと
決めこの許容量に相当する最大許容剪断歪みを図3のグ
ラフから求め110×10-4を得、次にσp =5435
kg/cm2 を最大許容剪断歪み110×10-4で除し
て前記補強パッチの縦弾性率148×104 kg/cm
2 を得る。尚、この時σpはコードの両側の被覆ゴムで
分担するので1/2としている。ここでこの縦弾性率1
48×104 kg/cm2 は切断コ−ド周辺ゴムの存在
するタイヤ周方向の幅に相当する範囲において修理用パ
ッチが備えていなければならない弾性率である。今、こ
の幅は約10mmであるのでファブリックの打ち込みを
n、積層枚数を仮に4(一枚の厚さは1.2mm)とし
て、次式によってファブリックの打ち込みnを計算す
る。
【0017】前記縦弾性率の値=コ−ド一本の弾性率×
(n×10mm/25.4)×4層×(コ−ドの総面積
/10×パッチの厚さ)+ゴムの弾性率×(ゴムの総面
積/10×パッチの厚さ) コ−ドの総面積=(10×n/25.4)×4×(コ−
ド一本が占める断面積)
(n×10mm/25.4)×4層×(コ−ドの総面積
/10×パッチの厚さ)+ゴムの弾性率×(ゴムの総面
積/10×パッチの厚さ) コ−ドの総面積=(10×n/25.4)×4×(コ−
ド一本が占める断面積)
【0018】但し、上記の式でゴムの弾性率×(ゴムの
総面積/10×パッチの厚さ)は比較的小さな値である
ので省略し、 前記縦弾性率の値=コ−ド一本の弾性率×(n×10m
m/25.4)×4層×(コ−ドの総面積/10×パッ
チの厚さ) コ−ドの総面積=(10×n/25.4)×4×(コ−
ド一本が占める断面積) とする。
総面積/10×パッチの厚さ)は比較的小さな値である
ので省略し、 前記縦弾性率の値=コ−ド一本の弾性率×(n×10m
m/25.4)×4層×(コ−ドの総面積/10×パッ
チの厚さ) コ−ドの総面積=(10×n/25.4)×4×(コ−
ド一本が占める断面積) とする。
【0019】本実施例ではパッチの厚さを7.8mmと
し、コ−ド一本の弾性率を173737kg/cm2 、
又、レーヨンコ−ド一本が占める直径を1.0mmとし
て計算しn=19本/インチとしている。ここでもし算
出したファブリックの打ち込み本数nが別の理由で不都
合の場合は先に仮り決めしたファブリックの積層枚数の
値を変更して再計算し所望のnと枚数の組み合わせとす
る。尚、上記の実施例では、パッチのコ−ド打ち込みn
を計算によって求めたが、パッチの打ち込みとパッチの
縦弾性率との関係を予め実験で得ておき前記(数2)で
算出した縦弾性率に対応するパッチの打ち込みを求めて
も良い。
し、コ−ド一本の弾性率を173737kg/cm2 、
又、レーヨンコ−ド一本が占める直径を1.0mmとし
て計算しn=19本/インチとしている。ここでもし算
出したファブリックの打ち込み本数nが別の理由で不都
合の場合は先に仮り決めしたファブリックの積層枚数の
値を変更して再計算し所望のnと枚数の組み合わせとす
る。尚、上記の実施例では、パッチのコ−ド打ち込みn
を計算によって求めたが、パッチの打ち込みとパッチの
縦弾性率との関係を予め実験で得ておき前記(数2)で
算出した縦弾性率に対応するパッチの打ち込みを求めて
も良い。
【0020】次に、上記の様にして作成した実施例のパ
ッチによって修理したタイヤと従来の市販品のパッチを
用いて修理したタイヤとについて、夫々のタイヤのショ
ルダ−部分の修理後の外観評価(内圧8kg/cm2 充
填時)とドラム耐久力試験の結果を比較した。尚、実施
例品としては、前記ファブリックの積層枚数が4、ファ
ブリック層のコ−ド打ち込み本数が19本/インチの場
合のパッチを使用し、比較例の市販品には、西独某社製
の20mm貫通傷修理用パッチを用いた。結果は、両者
とも耐久力については、全く差がみられなかったが、タ
イヤショルダ−部の膨れの大きさを手で触れる触感と特
定の方向から光りを照射して見る視覚によって比較した
ところ実施例のタイヤでは殆ど膨れが確認出来なかった
が、一方比較例のタイヤでは高さ約2mmの膨れがタイ
ヤ径方向に長さ約10cmに亙って発生しており修理品
として商品価値が劣り市販に供し得ないことが確認され
た。
ッチによって修理したタイヤと従来の市販品のパッチを
用いて修理したタイヤとについて、夫々のタイヤのショ
ルダ−部分の修理後の外観評価(内圧8kg/cm2 充
填時)とドラム耐久力試験の結果を比較した。尚、実施
例品としては、前記ファブリックの積層枚数が4、ファ
ブリック層のコ−ド打ち込み本数が19本/インチの場
合のパッチを使用し、比較例の市販品には、西独某社製
の20mm貫通傷修理用パッチを用いた。結果は、両者
とも耐久力については、全く差がみられなかったが、タ
イヤショルダ−部の膨れの大きさを手で触れる触感と特
定の方向から光りを照射して見る視覚によって比較した
ところ実施例のタイヤでは殆ど膨れが確認出来なかった
が、一方比較例のタイヤでは高さ約2mmの膨れがタイ
ヤ径方向に長さ約10cmに亙って発生しており修理品
として商品価値が劣り市販に供し得ないことが確認され
た。
【0021】尚、上記のドラム試験の条件はJIS正規
内圧正規荷重をタイヤに負荷して速度60km/H、
又、室温38±3度にて鋼製ドラム上を約3万km走行
させた後タイヤの各部に故障有り無しを確認するもので
ある。
内圧正規荷重をタイヤに負荷して速度60km/H、
又、室温38±3度にて鋼製ドラム上を約3万km走行
させた後タイヤの各部に故障有り無しを確認するもので
ある。
【0022】
【発明の効果】上記の評価結果から明らかな如く、本発
明の修理用パッチを用いて修理したタイヤは再走行に必
要な耐久性能を十分に保持すると共に、たとえ、高内圧
の使用条件においても、ショルダ−部のサイド膨出量が
極めて少なく優れた外観を提供し、而もパッチの大きさ
はショルダ−部まで広げる必要がなく貫通部周辺を覆う
大きさで十分である為に、使用中にパッチの剥れなどの
不測のトラブルが少なく、更には経済的な効果も期待出
来る。
明の修理用パッチを用いて修理したタイヤは再走行に必
要な耐久性能を十分に保持すると共に、たとえ、高内圧
の使用条件においても、ショルダ−部のサイド膨出量が
極めて少なく優れた外観を提供し、而もパッチの大きさ
はショルダ−部まで広げる必要がなく貫通部周辺を覆う
大きさで十分である為に、使用中にパッチの剥れなどの
不測のトラブルが少なく、更には経済的な効果も期待出
来る。
【図1】本発明の修理用パッチを用いて修理したタイヤ
の状況を示すタイヤ子午線断面図である。
の状況を示すタイヤ子午線断面図である。
【図2】(a)本発明の修理用パッチの一部切開した平
面図である。 (b)本発明の修理用パッチの側面断面図である。
面図である。 (b)本発明の修理用パッチの側面断面図である。
【図3】タイヤショルダ−部のサイド膨れ量と切断コ−
ド周辺ゴムの剪断歪みの相関関係を示したグラフであ
る。
ド周辺ゴムの剪断歪みの相関関係を示したグラフであ
る。
1 タイヤクラウン部 2 踏面部の表面 3 ベルト層 4 プライコ−ド 5 修理用パッチ 6 貫通部 7 ショルダ−部 8 レ−ヨンコ−ド
Claims (1)
- 【請求項1】 複数のコ−ドをパッチのほぼ縦方向に並
列配列して被覆ゴム中に埋設した層を一層以上積層した
補強層を内蔵したタイヤ修理用パッチであって、タイヤ
踏面部からタイヤ内方に貫通した異物によって切断され
たタイヤプライコ−ドが切断前に負担していたと推定さ
れる応力を算出して得た損失抗力を、タイヤショルダ−
部の前記貫通傷に起因するサイド膨れの許容量との相関
関係から求めた切断プライコ−ド周辺ゴムの最大許容剪
断歪みで除した値に相当する縦方向弾性率を持つラジア
ルタイヤ踏面部貫通傷修理用パッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32267293A JPH07172123A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | タイヤ修理用のパッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32267293A JPH07172123A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | タイヤ修理用のパッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07172123A true JPH07172123A (ja) | 1995-07-11 |
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ID=18146324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32267293A Pending JPH07172123A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | タイヤ修理用のパッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH07172123A (ja) |
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