JP6606468B2 - タイヤの補修方法 - Google Patents

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本発明は、損傷したタイヤの損傷部位を修復するタイヤの補修方法に関する。
タイヤは、走行中に、障害物により損傷を受けることがあり、損傷が必要以上に大きい場合には、補修が必要となる。
トレッドの損傷の場合には、トレッドの外周面を削り取り平らにした台タイヤに対して、外周面にパターン付きの加硫済みトレッド部を貼り付けて加硫して所謂更生タイヤを製造する補修方法もある。
しかし、特に、建設車両用の超大型のタイヤの場合には、更生タイヤの製造が乗用車用タイヤやトラック・バス用タイヤに比して労力を有し、加えて、鉱山などの悪路を走行するため、トレッド以外の部分が損傷してしまうことがある。
そこで、特に、大型の建設車両用のORRタイヤ(オフ・ザ・ロード・ラジアルタイヤ)等では、タイヤの損傷部位のみを補修する方法が要望されており、これに応えて、タイヤの損傷部位に未加硫ゴムを配置し、加熱パッドをあてがい、加圧した状態で、加熱パッドにより加熱加硫して補修する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭50−82183号公報
特許文献1に開示されたタイヤの補修方法は、タイヤの損傷部位に未加硫ゴムからなる補修パッチを配置し、補修パッチを覆うようにタイヤの内外表面に電熱パッドを配置し、タイヤの内側で膨張する空気袋により内側の電熱パッドがタイヤ内表面に押圧され、タイヤの外側の周囲で膨張する空気袋により外側の電熱パッドがタイヤ外側表面に押圧され、タイヤの内外両側から加圧された状態で、電熱パッドによる加熱により補修パッチを加硫することで、損傷部位を補修するものである。
このタイヤの損傷部位の補修工程において、電熱パッドは、補修パッチを加熱して補修パッチの未加硫ゴムを加硫するとともに、補修パッチの周辺の加硫済みゴムと接合する。
そこで、特許文献1でも、電熱パッドは、補修パッチにより補修する箇所およびその周辺を加熱するために、補修パッチの表面のみならず補修パッチの周辺のタイヤの表面にも配置されている。
補修パッチは未加硫ゴムであるが、補修パッチの周辺のタイヤは加硫済みゴムである。
したがって、電熱パッドにより補修パッチとその周辺を一様に加熱すると、補修パッチの周辺の既に加硫済みのゴムは過加硫となる可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、補修材の未加硫ゴムの加硫時間を短縮し、補修材の周辺の加硫済みのゴムの過加硫を抑制することができるタイヤの補修方法を供する点にある。
上記目的を達成するために、本発明に係るタイヤの補修方法は、
損傷したタイヤの損傷部位に少なくとも未加硫ゴムからなる補修材を配置し、
タイヤの損傷部位に配置された前記補修材の表面に中央伝熱仲介部材を配置するとともに、前記補修材の周辺のタイヤ表面に前記中央伝熱仲介部材より熱伝導率の小さい周辺伝熱仲介部材を配置し、
配置された前記中央伝熱仲介部材および前記周辺伝熱仲介部材の表面に加熱パッドを配置し、
前記補修材により補修される補修箇所の周辺を加圧し、
前記加熱パッドにより前記補修箇所を加熱して、前記補修材の未加硫ゴムを加硫することを特徴とする。
この構成によれば、損傷したタイヤの損傷部位に少なくとも未加硫ゴムからなる補修材を配置し、タイヤの損傷部位に配置された補修材の表面に中央伝熱仲介部材を配置するとともに、補修材の周辺のタイヤ表面に中央伝熱仲介部材より熱伝導率の小さい周辺伝熱仲介部材を配置し、配置された前記中央伝熱仲介部材および前記周辺伝熱仲介部材の表面に加熱パッドを配置し、補修材により補修される補修箇所の周辺を加圧し、加熱パッドにより補修箇所を加熱して補修材の未加硫ゴムを加硫するので、補修材の表面に配置される中央伝熱仲介部材より補修材の周辺のタイヤ表面に配置される周辺伝熱仲介部材の方が、熱伝導率を小さくすることで、補修材は熱伝導率のより大きい中央伝熱仲介部材により熱が効率良く伝達されて加硫が促進され、周辺の加硫済みゴムと接合し、一方で補修材の周辺のタイヤ部位は熱伝導率のより小さい周辺伝熱仲介部材により熱の伝達が抑えられ加硫が抑制される。
そのため、補修材の未加硫ゴムの加硫時間を短縮することができるとともに、補修材の周辺の加硫済みのゴムの過加硫を抑制することができる。
前記構成において、
前記中央伝熱仲介部材より前記周辺伝熱仲介部材の方が、厚さが厚いようにしてもよい。
中央伝熱仲介部材より周辺伝熱仲介部材の方が、厚さが厚いので、補修材の周辺のタイヤ部位には熱伝導率のより小さい周辺伝熱仲介部材がより厚い状態で配置されることで、熱の伝達がより抑えられて、加硫がより一層抑制され、補修材の周辺の加硫済みのゴムの過加硫が確実に防止される。
本発明に係るタイヤの補修方法は、
損傷したタイヤの損傷部位に少なくとも未加硫ゴムからなる補修材を配置し、
タイヤの損傷部位に配置された前記補修材の周辺のタイヤ表面に伝熱仲介部材を配置し、
前記補修材の表面および配置された前記伝熱仲介部材の表面に加熱パッドを配置し、
前記補修材により補修される補修箇所の周辺を加圧し、
前記加熱パッドにより前記補修箇所を加熱して前記補修材の未加硫ゴムを加硫することを特徴とする。
この構成によれば、タイヤの損傷部位に配置された補修材の周辺のタイヤ表面に伝熱仲介部材を配置し、補修材の表面および配置された伝熱仲介部材の表面に加熱パッドを配置し、補修材により補修される補修箇所の周辺を加圧し、加熱パッドにより補修箇所を加熱して、補修材の未加硫ゴムを加硫するので、タイヤの損傷部位に配置された補修材は、伝熱仲介部材が配置されず、直接熱伝達されて加硫が促進され、補修材の周辺の加硫済みゴムと接合し、一方で補修材の周辺のタイヤ部位は、伝熱仲介部材が介在して、熱の伝達が抑えられ、加硫が抑制される。
そのため、補修材の未加硫ゴムを短時間に加硫するとともに、補修材の周辺の加硫済みのゴムの過加硫を抑制することができる。
本発明は、損傷したタイヤの損傷部位に少なくとも未加硫ゴムからなる補修材を配置し、タイヤの損傷部位に配置された補修材の表面に中央伝熱仲介部材を配置するとともに、補修材の周辺のタイヤ表面に中央伝熱仲介部材より熱伝導率の小さい周辺伝熱仲介部材を配置し、配置された前記中央伝熱仲介部材および前記周辺伝熱仲介部材の表面に加熱パッドを配置し、補修材により補修される補修箇所の周辺を加圧し、加熱パッドにより補修箇所を加熱して補修材の未加硫ゴムを加硫するので、補修材の表面に配置される中央伝熱仲介部材より補修材の周辺のタイヤ表面に配置される周辺伝熱仲介部材の方が、熱伝導率を小さくすることで、補修材は熱伝導率のより大きい中央伝熱仲介部材による熱の効率の良い伝達で加硫が促進され、補修材の周辺の加硫済みゴムと接合し、一方で補修材の周辺のタイヤ部位は熱伝導率のより小さい周辺伝熱仲介部材により熱の伝達が抑えられ加硫が抑制される。
そのため、補修材の未加硫ゴムの加硫時間を短縮することができるとともに、補修材の周辺の加硫済みのゴムの過加硫を抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るサイドウォール部に損傷を受けた建設車両用タイヤのタイヤ幅方向断面図である。 同建設車両用タイヤの損傷部位の補修のはじめの工程を説明する要部断面図である。 次の工程を説明する要部断面図である。 内側パッチ部材の側面および正面図である。 さらに次の工程を説明する要部断面図である。 別の変形例の要部断面図である。 補修材が配置された建設車両用タイヤの一部側面図である。 同加硫工程のときの建設車両用タイヤの一部側面図である。 加硫工程のときの建設車両用タイヤの断面図である。 第2の実施の形態における加硫工程のときの建設車両用タイヤのタイヤ幅方向断面図である。 第3の実施の形態における加硫工程のときの建設車両用タイヤのタイヤ幅方向断面図である。 第4の実施の形態における加硫工程のときの建設車両用タイヤの要部断面図である。
以下、本発明に係る第1の実施の形態について図1ないし図8に基づいて説明する。
本実施の形態は、大型の建設車両用の建設車両用タイヤ(オフ・ザ・ロード・ラジアルタイヤ)1に適用されたものである。
図1は、サイドウォール部に損傷を受けた建設車両用タイヤ1のタイヤ幅方向断面図(タイヤ回転中心軸を含む平面で切断したときの断面図)である。
建設車両用タイヤ1は、金属線がリング状に巻回されて形成された左右一対のビードリング2,2に、両側縁をそれぞれ巻き付けて両側縁間をタイヤ径方向外側に膨出してトロイダル状にカーカスプライ3が形成されている。
カーカスプライ3の内表面には耐空気透過性のインナライナ部4が形成されている。
カーカスプライ3のクラウン部の外周には、ベルトが複数重ねられるように巻き付けられてベルト層5を形成しており、その上にトレッド部6が覆いかぶさるように形成されている。
カーカスプライ3の両サイド部の外表面には、サイドウォール部7が形成されている。
カーカスプライ3のビードリング2に巻き付けられて折り返された環状端部を覆うビード部8は、内側がインナライナ部4に連続し、外側がサイドウォール部7に連続する。
カーカスプライ3は、複数本のプライコードをプライゴムにより被覆したコードゴム被覆層である。
プライコードとしては、例えばナイロンコード,テトロンコード,または細いスチールワイヤを複数本撚り合せたスチールコード等が用いられる。
プライゴムの素材としては、天然ゴム,合成ゴム,カーボンブラック等が用いられる。
インナライナ部4の素材として、気密性の高いブチル系ゴム等が用いられる。
ベルト層5のベルトは、ベルトコードをベルト用ゴムにより被覆して帯状にしたものである。
図1に示すように、建設車両用タイヤ1は、サイドウォール部7に損傷を受けている。
損傷部位10は、サイドウォール部7の一部を削り取り、内部のカーカスプライ3を切断してインナライナ部4の一部も欠損して、タイヤの側壁を貫通している。
このような損傷を受けた建設車両用タイヤ1の補修工程を、図面に従って説明する。
はじめに、図2に示されるように、サイドウォール部7における損傷部位10の欠損部周辺のゴムをカーカスプライ3が露出するまでタイヤ外側から削り取るように除去して所要形状の外側補修凹部11を形成するとともに、インナライナ部4における損傷部位10の欠損部周辺のゴムをカーカスプライ3が露出するまでタイヤ内側から除去して所要形状の内側補修凹部12を形成する。
なお、カーカスプライ3のゴムが除去されて露出した表面は、補修材の貼り合せのため適切な凹凸を設けるべくバフ研磨により仕上げを行うことが好ましい。
次に、図3を参照して、インナライナ部4の内側補修凹部12に、補修材である内側パッチ部材22をタイヤ内側から凹部内面および露出したカーカスプライ3に貼り付ける。
なお、場合によっては、接着剤等で接着してもよい。
内側パッチ部材22は、図4に示されるように、互いに平行に配列された複数本の補強コード23aがゴム被覆されたコードゴム被覆シートである補強シート23に、シート状のインナライナ補修ゴム部材24を貼り付け予め一体化したものであり、未加硫状態にあって、台形形状をしている。
先の工程で、内側補修凹部12は、この内側パッチ部材22の形状に合わせた所要形状に削り出される。
内側パッチ部材22の補強シート23における補強コード23aを被覆するゴムの素材は、天然ゴム,合成ゴム,カーボンブラックなどが用いられ、特にカーカスプライ3に使用するゴムと同じであることが好ましが、異なる素材のゴムを使用してもよい。
また、補強コード23aは、断絶したカーカスプライ3を補強するコードであればよく、撚られたコードおよび単一のフィラメントや複数本のフィラメントを引き揃えたものであってもよい。
なお、補強コード23aは、カーカスプライ3のプライコードよりも細いことが好ましい。
カーカスプライ3のプライコードと同じ素材で同じ径にすると、補強コード23aが張力を負担し過ぎて、端部が離れ易いためである。
内側パッチ部材22のインナライナ補修ゴム部材24は、インナライナ部4と同様に、気密性の高いブチル系ゴムを素材とすることが好ましい。
こうして、インナライナ部4の欠損した内側補修凹部12は、内側パッチ部材22により完全に埋められ、その内側表面はインナライナ補修ゴム部材24により耐空気透過性が確保される。
図3に示されるように、サイドウォール部7のインナライナ部4の内側補修凹部12に貼り付けられた内側パッチ部材22の補強シート23は、カーカスプライ3の欠損部およびその周辺を覆う。
内側パッチ部材22の補強シート23の補強コード23aは、カーカスプライ3のプライコードと略平行であり、カーカスプライ3のプライコードの欠損箇所を補うように配設される。
次に、図5を参照して、外側補修凹部11に、補修材であるサイド補修ゴムをタイヤ外側から充填してサイド補修ゴム部25とする。
サイド補修ゴムは、未加硫ゴムであり、ヘラなどで外側補修凹部11の空いている凹部を埋め、サイド補修ゴム部25を形成する。
サイド補修ゴム部25は、サイドウォール部7と同じ素材であることが好ましいが、異なる素材を用いてもよい。
こうして建設車両用タイヤ1のサイドウォール部7における損傷部位10に、未加硫の補修材である内側パッチ部材22およびサイド補修ゴム部25が埋め込まれて配置される(図5参照)。
なお、建設車両用タイヤ1の内側から内側パッチ部材22を配置し、サイド補修ゴム部25を充填したが、損傷の程度によっては、図6に示すように、建設車両用タイヤ1の内側から内側パッチ部材22を配置するとともに、外側からも補強コード21aをゴム被覆した補強シートである外側パッチ部材21を配置した後に、サイド補修ゴム部25を充填してもよい。
図7に示されるように、建設車両用タイヤ1の側面視で、サイドウォール部7に損傷部位10に充填されたサイド補修ゴム部25が露出している。
このサイド補修ゴム部25および内側パッチ部材22の補修材が配置されているタイヤ周方向に区画されたタイヤ周方向部位1aを、図7において散点模様で示す。
次に、図9を参照して、建設車両用タイヤ1のタイヤ周方向部位1aにおける損傷部位10の外側補修凹部11に充填されたサイド補修ゴム部25の表面およびサイド補修ゴム部25の周辺のタイヤ外表面(サイドウォール部7の表面)に、外側伝熱仲介部材31を配置するとともに、損傷部位10の内側補修凹部12に貼り付けられた内側パッチ部材22の表面および内側パッチ部材22の周辺のタイヤ内表面(インナライナ部4の表面)に、内側伝熱仲介部材32を配置する。
外側伝熱仲介部材31は、サイド補修ゴム部25の表面に配置される中央伝熱仲介部材31Cとサイド補修ゴム部25の周辺のタイヤ表面(サイドウォール部7の表面)に配置される周辺伝熱仲介部材31Sとで、熱伝導率が異なる。
外側伝熱仲介部材31の中央伝熱仲介部材31Cは、鉄等の金属チップm(図9において黒●で示す)を布袋等に詰めた袋体であり、外側伝熱仲介部材31の周辺伝熱仲介部材31Sは、木くずw(図9において白○で示す)を布袋等に詰めた袋体である。
したがって、金属チップmの入った袋体である中央伝熱仲介部材31Cより木くずwの入った袋体である周辺伝熱仲介部材31Sの方が、熱伝導率が小さい。
同様に、内側伝熱仲介部材32は、内側パッチ部材22の表面に配置される中央伝熱仲介部材32Cと内側パッチ部材22の周辺のタイヤ内表面(インナライナ部4の表面)に配置される周辺伝熱仲介部材32Sとで、熱伝導率が異なる。
内側伝熱仲介部材32の中央伝熱仲介部材32Cは、鉄等の金属チップm(図9において黒●で示す)を布袋等に詰めた袋体であり、内側伝熱仲介部材32の周辺伝熱仲介部材32Sは、木くずw(図9において白○で示す)を布袋等に詰めた袋体である。
したがって、金属チップmの入った袋体である中央伝熱仲介部材32Cより木くずwの入った袋体である周辺伝熱仲介部材32Sの方が、熱伝導率が小さい。
次に、図9を参照して、建設車両用タイヤ1の損傷箇所のタイヤ外表面に配置された外側伝熱仲介部材31の表面に、外側電熱パッド41を配置するとともに、損傷箇所のタイヤ内表面に配置された内側伝熱仲介部材32の表面に、内側電熱パッド42を配置する。
そして、図8および図9を参照して、建設車両用タイヤ1の補修材(内側パッチ部材22,サイド補修ゴム部25)が配置されたタイヤ周方向部位1aおよびその周辺の部位のタイヤ内側に、詰め物部材として木片50が詰め込まれる。
木片40は内側電熱パッド42の内側に詰め込まれる。
木片50は、ほぼ円柱をなす棒状のものが用いられる。
外径の異なる多数の木片50が、建設車両用タイヤ1のタイヤ周方向部位1aおよびその周辺の部位のタイヤ内側に詰め込まれる。
棒状をなす木片50は、建設車両用タイヤ1の内側における内側電熱パッド42の内側に、タイヤ幅方向断面(タイヤ回転中心軸を含む平面で切断したときの断面)に垂直な方向を長手方向とする姿勢で、詰め込まれる。
図9は、建設車両用タイヤ1のタイヤ幅方向断面図であり、タイヤの内側に詰め込まれた木片50は横断面が示されている。
図9に示されるように、詰め込まれた木片50のうちで、内側電熱パッド42の周辺に詰め込まれるパッド周辺木片50sは、その他の木片50よりもタイヤ幅方向断面の断面積が小さい。
したがって、タイヤの内周面の補修材である内側パッチ部材22を覆う内側伝熱仲介部材32の表面に配置された内側電熱パッド42の周辺の不規則な形状の表面に、断面積の小さいパッド周辺木片50sを多数きめ細かに配置することができる。
なお、木片等の詰め物部材の断面形状は、ほぼ円形でなくともよく、例えば、楕円や半円,三角形や四角形などの多角形および多角形と円弧を組み合わせたような形状でもよい。
図9に示されるように、建設車両用タイヤ1のタイヤ周方向部位1aのタイヤ内側には、互いに対向するビード部8,8の間の開口から溢れるように木片50が詰め込まれ、溢れ出た木片50の上に板状の押え部材51があてがわれ、また、損傷部位10の外側補修凹部11に充填されたサイド補修ゴム部25を覆う外側伝熱仲介部材31の表面に配置された外側電熱パッド41をその周囲を含めカバーシート52が大きく覆う。
次いで、図8および図9に示されるように、建設車両用タイヤ1の木片50が詰め込まれたタイヤ周方向部位1aおよびその周辺の部位を、押え部材51およびカバーシート52の外側からバンド55で巻き付けて締め付ける。
4本のバンド55を巻き付け、各バンド55は両端部をバックル46で締め付けながら結着する(図8参照)。
4本のバンド55の締め付けにより建設車両用タイヤ1のタイヤ内側に詰め込まれた木片50は、ビード部8,8の間の木片40が押え部材51により押圧され、順次タイヤの内側の木片40に圧力が伝達し、内側から膨張させる圧力がタイヤ内周面のインナライナ部4に加わる。
建設車両用タイヤ1の外側からは4本のバンド55の締め付けによる圧力がタイヤ外周面のトレッド部6およびサイドウォール部7に加わる。
したがって、損傷部位10の外側補修凹部11に充填されたサイド補修ゴム部25は、外側電熱パッド41および外側伝熱仲介部材31を介して加圧され、損傷部位10の内側補修凹部12に貼り付けられた内側パッチ部材22は、木片50により内側電熱パッド42および内側伝熱仲介部材32を介して加圧される。
なお、本実施の形態では、4本のベルト状のバンド45により補修部を締め付けているが、補修部の大きさや位置によって適宜バンドの本数やバンドの幅を変更することができ、場合によれば、補修部を十分覆う幅広の帯1本で締め付けることも可能である。
次に、外側電熱パッド41と内側電熱パッド42に電流を流して発熱させることで、外側伝熱仲介部材31および内側伝熱仲介部材32を介して未加硫ゴムからなる補修材であるサイド補修ゴム部25および内側パッチ部材22を、加熱し加硫するとともに補修材の周辺の加硫済みゴムと接合する。
この加熱加硫工程では、図9を参照して、サイド補修ゴム部25に配置される外側伝熱仲介部材31の中央伝熱仲介部材31Cおよび内側パッチ部材22に配置される内側伝熱仲介部材32の中央伝熱仲介部材32Cは、熱伝導率が大きく、熱が効率良く伝達されて補修材の未加硫ゴムの加硫が促進されるので、加硫時間を短縮することができる。
一方で、サイド補修ゴム部25の周辺のタイヤ表面(サイドウォール部7の表面)に配置される外側伝熱仲介部材31の周辺伝熱仲介部材31Sおよび内側パッチ部材22の周辺のタイヤ内表面(インナライナ部4の表面)に配置される内側伝熱仲介部材32の周辺伝熱仲介部材32Sは、熱伝導率が小さく、熱伝達が抑えられ、補修材(サイド補修ゴム部25,内側パッチ部材22)の周辺の加硫済みゴムの過加硫を抑制することができる。
本第1の実施の形態では、外側伝熱仲介部材31の中央伝熱仲介部材31Cおよび内側伝熱仲介部材32の中央伝熱仲介部材32Cは、布袋等に金属チップmを詰めた袋体であったが、袋体の内部に詰める物は金属チップmに限らず他の比較的熱伝導率の大きい小片でよく、袋体として自由に変形できればよい。
一方で、外側伝熱仲介部材31の周辺伝熱仲介部材31Sおよび内側伝熱仲介部材32の周辺伝熱仲介部材32Sは、布袋等に木くずwを詰めた袋体であったが、袋体の内部に詰める物は木くずwに限らず他の比較的熱伝導率の小さい小片でよく、袋体として自由に変形できればよい。
また、袋体に詰める部材は、1種類に限らず2種以上の物を混ぜてもよく、例えば、周辺伝熱仲介部材31S,32Sは、木くずwを詰めた袋体とするのに対して、中央伝熱仲介部材31C,32Cは、木くずwに金属チップmを混ぜたものを詰めた袋体として使用してもよい。
さらには、伝熱仲介部材は、布袋等に小片を詰めた袋体ではなく、容易に変形可能な板部材でもよく、例えば、中央伝熱仲介部材をアルミ板等の金属板とし、周辺伝熱仲介部材をベニヤ板等の木板としてもよい。
次に、第2の実施の形態に係るタイヤの補修方法を、図10に従って、以下説明する。
本第2の実施の形態では、外側伝熱仲介部材61と内側伝熱仲介部材62が、前述の第1の実施の形態と異なるもので、それ以外は第1の実施の形態と同じである。
したがって、図10において、外側伝熱仲介部材61と内側伝熱仲介部材62以外の部材は、同じ部材で同じ符号を付して示す。
本第2の実施の形態における外側伝熱仲介部材61におけるサイド補修ゴム部25の表面に配置される中央伝熱仲介部材61Cは、金属チップm(図10において黒●で示す)を布袋等に詰めた袋体であり、サイド補修ゴム部25の周辺のタイヤ表面(サイドウォール部7の表面)に配置される周辺伝熱仲介部材61Sは、木くずw(図10において白○で示す)を布袋等に詰めた袋体であるが、図10に示されるように、中央伝熱仲介部材61Cより熱伝導率が小さい周辺伝熱仲介部材61Sの方が、厚さを厚くして、熱の伝達がより一層抑えられている。
同様に、内側伝熱仲介部材62における内側パッチ部材22に配置される中央伝熱仲介部材62Cは、金属チップm(図10において黒●で示す)を布袋等に詰めた袋体であり、内側パッチ部材22の周辺のタイヤ内表面(インナライナ部4の表面)に配置される周辺伝熱仲介部材62Sは、木くずw(図10において白○で示す)を布袋等に詰めた袋体であるが、図10に示されるように、中央伝熱仲介部材62Cより熱伝導率が小さい周辺伝熱仲介部材62Sの方が、厚さを厚くして、熱の伝達がより一層抑えられている。
したがって、サイド補修ゴム部25に配置される外側伝熱仲介部材61の中央伝熱仲介部材61Cおよび内側パッチ部材22に配置される内側伝熱仲介部材62の中央伝熱仲介部材62Cは、熱伝導率が大きく、かつ厚さがより薄いので、熱がより効率良く伝達されるため、補修材(サイド補修ゴム部25,内側パッチ部材22)の未加硫ゴムの加硫が促進されるので、加硫時間を短縮することができる。
一方で、サイド補修ゴム部25の周辺のタイヤ表面(サイドウォール部7の表面)に配置される外側伝熱仲介部材61の周辺伝熱仲介部材61Sおよび内側パッチ部材22の周辺のタイヤ内表面(インナライナ部4の表面)に配置される内側伝熱仲介部材62の周辺伝熱仲介部材62Sは、熱伝導率が小さく、かつ厚さがより厚いので、熱の伝達がより抑えられて、加硫がより一層抑制され、補修材の周辺の加硫済みのゴムの過加硫が確実に防止される。
なお、外側伝熱仲介部材61および内側伝熱仲介部材62の周辺伝熱仲介部材61S,62Sは、補修材から離れる程、厚さが徐々に厚くなるように構成されているので、熱の伝達も補修材に近づく程良くなり、補修材とその周辺の加硫済みゴムとが互いに強固に接合することができる。
なお、伝熱仲介部材は、布袋等に小片を詰めた袋体ではなく、容易に変形可能な板部材でもよく、例えば中央伝熱仲介部材を厚みの薄いアルミ板等の金属板とし、周辺伝熱仲介部材を補修材から離れる程、厚さが徐々に厚くなるベニヤ板等の木板としてもよい。
次に、第3の実施の形態に係るタイヤの補修方法を、図11に従って、以下説明する。
本第3の実施の形態では、前記第2の実施の形態における外側伝熱仲介部材61の周辺伝熱仲介部材61Sおよび内側伝熱仲介部材62の周辺伝熱仲介部材62Sにそれぞれ相当する外側伝熱仲介部材71と内側伝熱仲介部材72を備えているが、中央伝熱仲介部材61C,62Cに相当する伝熱仲介部材は備えていない点が、第2の実施の形態と異なり、それ以外は第2の実施の形態と同じである。
したがって、図11において、外側伝熱仲介部材71と内側伝熱仲介部材72以外の部材は、同じ部材で同じ符号を付して示す。
すなわち、本第3の実施の形態における外側伝熱仲介部材71は、サイド補修ゴム部25の周辺のタイヤ表面(サイドウォール部7の表面)に配置され、内側伝熱仲介部材72は、内側パッチ部材22の周辺のタイヤ内表面(インナライナ部4の表面)に配置される。
外側伝熱仲介部材71と内側伝熱仲介部材72は、ともに木くずw(図11において白○で示す)を布袋等に詰めた袋体であり、補修材から離れる程、厚さが徐々に厚くなるように構成されている。
また、外側伝熱仲介部材71と内側伝熱仲介部材72は、熱伝導率の小さい板部材でもよく、例えば、補修材から離れる程、厚さが徐々に厚くなる木板であってもよい。
したがって、外側伝熱仲介部材71の表面に配置される外側電熱パッド41は、中央部が直接サイド補修ゴム部25に接しており、内側伝熱仲介部材72の表面に配置される内側電熱パッド42は、中央部が直接内側パッチ部材22に接している。
サイド補修ゴム部25および内側パッチ部材22には伝熱仲介部材が配置されていないので、直接熱伝達され、補修材(サイド補修ゴム部25,内側パッチ部材22)の未加硫ゴムの加硫が促進されるので、加硫時間を短縮することができる。
一方で、サイド補修ゴム部25の周辺のタイヤ部分は、外側電熱パッド41との間に熱伝導率の小さい外側伝熱仲介部材71が介在して熱伝達が抑えられ、また、内側パッチ部材22の周辺のタイヤ部位(インナライナ部4)は、内側電熱パッド42との間に熱伝導率の小さい内側伝熱仲介部材72が介在して熱伝達が抑えられるので、補修材(サイド補修ゴム部25,内側パッチ部材22)の周辺の加硫済みのゴムの過加硫を抑制することができる。
そして、外側伝熱仲介部材71および内側伝熱仲介部材72は、補修材から離れる程、厚さが徐々に厚くなるように構成されているので、熱の伝達も補修材に近づく程良くなり、よって補修材に近い程加熱され、補修材とその周辺の加硫済みゴムとが互いに強固に接合することができる。
以上の第1,第2,第3の実施の形態では、建設車両用タイヤ1のサイドウォール部7に損傷を受けた場合の補修方法について説明したが、次にトレッド部に損傷を受けた場合における第4の実施の形態の補修方法について図12に基づいて説明する。
なお、本第4の実施の形態において、第1の実施の形態で使用した部材と同じ部材は同じ符号を用いて示すこととする。
本第4の実施の形態は、建設車両用タイヤ1のトレッド部6がカット受傷されるとともに、トレッド部6の内側のベルト層5およびカーカスプライ3が切断される損傷を受けた場合の補修方法である。
はじめに、トレッド部6における損傷部位10の周辺のゴムをカーカスプライ3が露出するまでタイヤ外側から削り取るように除去するとともに、インナライナ部4における損傷部位10の周辺のゴムをカーカスプライ3が露出するまでタイヤ内側から除去する。
次に、カーカスプライ3の露出した部分に、内側から内側パッチ部材22を貼り付けて、内側パッチ部材22は、カーカスプライ3の欠損部およびその周辺を覆う。
内側パッチ部材22は、複数本の補強コードがゴム被覆されたコードゴム被覆シートである補強シート23に、シート状のインナライナ補修ゴム部材24を貼り付け予め一体化したものである。
ベルト層5まで損傷しているので、補強シート23のコードゴム被覆シートは、一方向に指向して平行に配列された補強コードを被覆したゴムシート層を重ねた積層体であり、重なり合うゴムシート層は、埋設された補強コードが互いに直角に交差するように構成して、損傷したベルト層5を補強するようにしている。
この補強コードは、互いに直角に交差しなくてもよい。
なお、補強シート23を貼り付けた上に、インナライナ補修ゴム部材24を貼り付けるようにしてもよい。
次に、カーカスプライ3が露出するまでタイヤ外側から削り取った外側補修凹部に、未加硫の軟質ゴムを補充するようにしてトレッド部6の欠損した箇所を欠損前の形状に修復した修復ゴム部80により元のトレッドパターンを形成する。
そして、未加硫の軟質ゴムにより修復した修復ゴム部80の形状を保つための型材81として、粉末状の焼石膏を基剤として水を混練した石膏スラリ(石膏泥漿)を用い、該型材81を修復ゴム部80およびその周辺のトレッドパターンの溝部を埋めるように流し込み、型材81の表面を陸部の表面と略面一となるようにする。
このように溝部に流し込んだ流動性のある型材81を放置して硬化させ、乾燥させながら型材81内に含まれる余剰水分を除去する。
型材81が硬化し乾燥した後に、図12に示されるように、建設車両用タイヤ1のトレッド部6の損傷部位の修復ゴム部80およびその周辺のトレッド面に、外側伝熱仲介部材91を配置するとともに、内側パッチ部材22の表面および内側パッチ部材22の周辺のタイヤ内表面(インナライナ部4の表面)に、内側伝熱仲介部材92を配置する。
外側伝熱仲介部材91は、修復ゴム部80に配置される中央伝熱仲介部材91Cと修復ゴム部80の周辺のタイヤ表面(トレッド部6の表面)に配置される周辺伝熱仲介部材91Sとで、熱伝導率が異なる。
外側伝熱仲介部材91の中央伝熱仲介部材91Cは、鉄等の金属チップm(図12において黒●で示す)を布袋等に詰めた袋体であり、外側伝熱仲介部材91の周辺伝熱仲介部材91Sは、木くずw(図12において白○で示す)を布袋等に詰めた袋体である。
したがって、金属チップmの入った袋体である中央伝熱仲介部材91Cより木くずwの入った袋体である周辺伝熱仲介部材91Sの方が、熱伝導率が小さい。
同様に、内側伝熱仲介部材92は、内側パッチ部材22の表面に配置される中央伝熱仲介部材92Cと内側パッチ部材22の周辺のタイヤ内表面(インナライナ部4の表面)に配置される周辺伝熱仲介部材92Sとで、熱伝導率が異なる。
内側伝熱仲介部材92の中央伝熱仲介部材92Cは、鉄等の金属チップm(図12において黒●で示す)を布袋等に詰めた袋体であり、内側伝熱仲介部材92の周辺伝熱仲介部材92Sは、木くずw(図12において白○で示す)を布袋等に詰めた袋体である。
したがって、金属チップmの入った袋体である中央伝熱仲介部材92Cより木くずwの入った袋体である周辺伝熱仲介部材92Sの方が、熱伝導率が小さい。
次に、図12を参照して、建設車両用タイヤ1のトレッド部6の損傷部位の修復ゴム部80およびその周辺のトレッド面に配置された外側伝熱仲介部材91の表面に、外側電熱パッド41を配置するとともに、損傷箇所のタイヤ内表面に配置された内側伝熱仲介部材92の表面に、内側電熱パッド42を配置する。
次に、図12を参照して、建設車両用タイヤ1の補修材(内側パッチ部材22,修復ゴム部80)が配置されているタイヤ周方向に区画されたタイヤ周方向部位1bおよびその周辺の部位のタイヤ内側に、前記第1の実施の形態と同様に、詰め物部材として木片50が詰め込まれる。
詰め込まれた木片50のうちで、内側電熱パッド42の周辺に詰め込まれるパッド周辺木片50sは、その他の木片50よりも断面積が小さい。
したがって、タイヤの内周面の補修材である内側パッチ部材22を覆う内側伝熱仲介部材92に配置される内側電熱パッド42の周辺の不規則な形状の表面に、断面積の小さいパッド周辺木片40sを多数きめ細かに配置して、内側電熱パッド42に圧力を均一に加えることができる。
そして、前記第1の実施の形態と同様に、建設車両用タイヤ1のタイヤ周方向部位1bのタイヤ内側に、図示しないが、互いに対向するビード部8,8の間の開口から溢れるように木片50が詰め込まれ、溢れ出た木片50の上に板状の押え部材51があてがわれ、また、損傷部位10の外側補修凹部11に充填されたサイド補修ゴム部25に配置された外側電熱パッド41をその周囲を含めカバーシート52が大きく覆う。
次いで、建設車両用タイヤ1の木片50が詰め込まれたタイヤ周方向部位1bおよびその周辺の部位を、押え部材51およびカバーシート52の外側からバンド55で巻き付けて締め付ける。
そして、外側電熱パッド41と内側電熱パッド42に電流を流して発熱させることで、伝熱仲介部材91,92を介して未加硫ゴムからなる補修材である修復ゴム部80,内側パッチ部材22を加熱し加硫すると同時に、補修材とその周辺の加硫済みゴムとが互いに接合する。
この加熱加硫工程では、図12を参照して、トレッド部6の損傷部位の修復ゴム部80に配置される外側伝熱仲介部材91の中央伝熱仲介部材91Cおよび内側パッチ部材22に配置される内側伝熱仲介部材92の中央伝熱仲介部材92Cは、熱伝導率が大きく、熱が効率良く伝達されて補修材の未加硫ゴムの加硫が促進されるので、加硫時間を短縮することができる。
一方で、修復ゴム部80の周辺のタイヤ表面(サイドウォール部7の表面)に配置される外側伝熱仲介部材91の周辺伝熱仲介部材91Sおよび内側パッチ部材22の周辺のタイヤ内表面(インナライナ部4の表面)に配置される内側伝熱仲介部材92の周辺伝熱仲介部材92Sは、熱伝導率が小さく、熱伝達が抑えられ、補修材の周辺の加硫済みのゴムの過加硫を抑制することができる。
加硫が終了した後には、バンド55を取外し、カバーシート52および外側電熱パッド41を剥がし、押え部材51を取り、タイヤの内側の木片50を取り除き、内側電熱パッド42を剥がした後に、トレッドパターンの溝部を埋めて硬化した型材81を取り除くことで、建設車両用タイヤ1の損傷部位の補修作業が終了する。
本第4の実施の形態においても、中央伝熱仲介部材91C,92Cより熱伝導率が小さい周辺伝熱仲介部材91S,92Sの方が、厚さを厚くしてもよい。
熱伝動率の大きい中央伝熱仲介部材91C,92Cの方が、厚さが薄いので、熱がより効率良く伝達され、補修材(修復ゴム部80,内側パッチ部材22)の未加硫ゴムの加硫がより促進されるので、加硫時間を一層短縮することができる。
また、熱伝動率の小さい周辺伝熱仲介部材91S,92Sの方が、厚さが厚いので、熱の伝達がより一層抑えられて、補修材の周辺の加硫済みのゴムの過加硫が確実に防止される。
また、本第4の実施の形態においても、伝熱仲介部材は、布袋等に小片を詰めた袋体ではなく、容易に変形可能な板部材でもよく、例えば、中央伝熱仲介部材をアルミ板等の金属板とし、周辺伝熱仲介部材をベニヤ板等の木板としてもよい。
以上の実施の形態では、損傷部位がカーカスプライまで達したタイヤを修理したが、本発明のタイヤの修理方法では、損傷部位がカーカスプライまたはベルト層まで達しないような損傷状態のタイヤの場合でも、補修凹部に補修ゴムを充填することで、同様にタイヤの修理をすることができる。
以上の実施の形態において、伝熱仲介部材の表面に配置した電熱パッドの外側に熱伝導率の小さい空気袋を設けてもよい。
空気袋による加圧が修理箇所の未加硫ゴムにさらに加わり、空気袋の断熱効果もあって、修理箇所の未加硫ゴムの加硫を促進することができる。
なお、この空気袋の外側に、保護のためのコンベアベルトのようなゴムシート等の断熱材を設けてもよい。
以上、本発明に係る各実施の形態に係るタイヤの補修方法について説明したが、本発明の態様は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むものである。
例えば、本発明のタイヤ補修方法は、大型の建設車両用タイヤに限らず空気入りタイヤならば中小型のタイヤにも適用できる。
1…建設車両用タイヤ、1a,1b…タイヤ周方向部位、2…ビードリング、3…カーカスプライ、4…インナライナ部、5…ベルト層、6…トレッド部、7…サイドウォール部、8…ビード部、
10…損傷部位、11…外側補修凹部、12…内側補修凹部、
21…外側パッチ部材、22…内側パッチ部材、23…補強シート、23a…補強コード、24…インナライナ補修ゴム部材、25…サイド補修ゴム部、
31…外側伝熱仲介部材、31C…中央伝熱仲介部材、31S…周辺伝熱仲介部材、
32…内側伝熱仲介部材、32C…中央伝熱仲介部材、32S…周辺伝熱仲介部材、
41…外側電熱パッド、42…内側電熱パッド、
50…木片、50s…パッド周辺木片、51…押え部材、52…カバーシート、55…バンド、56…バックル、
61…外側伝熱仲介部材、61C…中央伝熱仲介部材、61S…周辺伝熱仲介部材、
62…内側伝熱仲介部材、62C…中央伝熱仲介部材、62S…周辺伝熱仲介部材、
71…外側伝熱仲介部材、72…内側伝熱仲介部材、
80…修復ゴム部、81…型材、
91…外側伝熱仲介部材、91C…中央伝熱仲介部材、91S…周辺伝熱仲介部材、
92…内側伝熱仲介部材、92C…中央伝熱仲介部材、92S…周辺伝熱仲介部材。

Claims (3)

  1. 損傷したタイヤの損傷部位に少なくとも未加硫ゴムからなる補修材を配置し、
    タイヤの損傷部位に配置された前記補修材の表面に中央伝熱仲介部材を配置するとともに、前記補修材の周辺のタイヤ表面に前記中央伝熱仲介部材より熱伝導率の小さい周辺伝熱仲介部材を配置し、
    配置された前記中央伝熱仲介部材および前記周辺伝熱仲介部材の表面に加熱パッドを配置し、
    前記補修材により補修される補修箇所の周辺を加圧し、
    前記加熱パッドにより前記補修箇所を加熱して、前記補修材の未加硫ゴムを加硫することを特徴とするタイヤの補修方法。
  2. 前記中央伝熱仲介部材より前記周辺伝熱仲介部材の方が、厚さが厚いことを特徴とする請求項1記載のタイヤの補修方法。
  3. 損傷したタイヤの損傷部位に少なくとも未加硫ゴムからなる補修材を配置し、
    タイヤの損傷部位に配置された前記補修材の周辺のタイヤ表面に伝熱仲介部材を配置し、
    前記補修材の表面および配置された前記伝熱仲介部材の表面に加熱パッドを配置し、
    前記補修材により補修される補修箇所の周辺を加圧し、
    前記加熱パッドにより前記補修箇所を加熱して前記補修材の未加硫ゴムを加硫することを特徴とするタイヤの補修方法。
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