JP6606467B2 - タイヤの修理方法 - Google Patents
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Description
焼石膏に少なくとも水と非水溶性部材を混ぜて流動状態の型材を得て、
前記補修材により形状が修復された修復部の周辺の前記トレッド部の溝部を、流動状態の前記型材で埋め、
前記型材が硬化および乾燥した後、前記修復部の前記トレッド部の表面に加熱パッドを配置し、前記修復部を加圧し、
前記加熱パッドにより前記修復部を加熱して、前記未加硫ゴムを加硫することを特徴とするものである。
前記修復部の周辺の前記溝部を、前記型材で埋めるとともに、前記修復部のうちタイヤ幅方向側面の修復部側面を前記型材で覆い、
前記型材が硬化および乾燥した後、前記修復部を加圧および加熱して前記未加硫ゴムを加硫することもできる。
前記修復部が存するタイヤ周方向に区画されたタイヤ周方向部位のタイヤの内側に、詰め物部材を詰め込み、
前記タイヤ周方向部位を周囲から締め付けて加圧し、
前記加熱パッドにより前記修復部を加熱して、前記未加硫ゴムを加硫させることもできる。
トレッド部2の損傷部位9を調べ、図4および図5に示されるように、図示されないリグルーバ等を用いて、損傷部位9の周辺のトレッドゴムおよびインナライナゴムを取り除く。この時、トレッド部2およびインナライナ部8の損傷部位9が残らないように、損傷部位9を中心とした放射状に所定範囲より大きめに、カーカスプライ6だけが残るように注意しながらトレッドゴムおよびインナライナゴムを取り除き表面を仕上げる。
図6に示されるように、カーカスプライ6の損傷部位9の全体を覆うように、露出したカーカスプライ6の内側に補修材10としてのパッチ部材11を貼り付ける。パッチ部材11をカーカスプライ6に貼り付けるにあたっては、接着剤等を用いても良い。本実施の形態では、パッチ部材11をタイヤ1の内側から張り付けたが、損傷の程度によっては、内側と外側の両方に貼り付けても良い。
図7に示されるように、トレッドゴムが取り除かれて露出したカーカスプライ6(図6参照)の外側に、加温して流動的となった状態の補修材10としての未加硫のトレッドゴム12を、ヘラ等で潰しながら欠損した箇所を充填して埋めていき、欠損したトレッド部2の陸部2aおよび溝部2bの形状を、タイヤ1の故障前の形状であって概ね未使用状態のタイヤ1の形状と同様になるように修復する。修復に使用する新たなトレッドゴム12は、修復前のトレッドゴムと同じ素材のトレッドゴムでも、異なった素材のトレッドゴムでもよい。このように、トレッド部が損傷したタイヤの損傷部位の形状は、補修材10としての未加硫のゴムパッチ部材11および未加硫のトレッドゴム12により修復される。
前記したような未加硫ゴムにより修復された修復部14を、加圧および加熱して加硫する際に、修復部14の形状を保つための型材15を用意する。型材15を用意する作業は、前記した修復作業が終了した後に行ってもよいし、前記修復作業と同時に行ってもよい。
このようにして得た硬化する前の流動性のある型材15を、図8および図11に示されるように、形状が修復された修復部14の周辺の溝部2bを埋めるように流し込み、型材15の表面を陸部2aの表面と略面一となるように形成する。
このように溝部2bに流し込んだ流動性のある型材15を放置して硬化および乾燥させながら型材15内に含まれている余剰水分を除去する。型材15には非水溶性部材が含まれているので、非水溶性部材が含まれない型材15に比べて、同一の溝部2bに流し込んだ型材15における石膏スラリーの分量を少なくすることができるので、型材15が硬化し乾燥するまでの時間を短縮することができる。
次に、型材15が硬化し乾燥した後に、図9に示されるように、タイヤ1の修復部14の周辺を覆うように位置して、タイヤ1の内側と外側の両方から、加熱パッドとしての電熱パッド20を配置する。タイヤ1の外側では、トレッド部2の補修材10で修復された修復部14およびその近傍の陸部2aの外表面と、溝部2bを埋めた型材15の外表面とに沿って電熱パッド20が配置される。タイヤ1の内側では、インナライナ部8が未加硫のパッチ部材11で修復された修復部14およびその周辺の内壁面に、電熱パッド20が配置される。本実施の形態では、電熱パッド20をタイヤ1の内側と外側の両方に配置しているが、修復部14の状態や位置によって、内側又は外側の一方のみに電熱パッド20を配置してもよい。
タイヤ1の修復部14およびその周辺の内側に、図9および図13に示されるように、詰め物部材22を詰め込み、タイヤ1のビード部5間の開口を超えるまでタイヤ1の中心方向に向かってに重ねていく。この詰め物部材22は、少なくとも前記修復部14が存するタイヤが周方向に区画されたタイヤ周方向部位1aのタイヤ内側に詰め込まれている。該タイヤ周方向部位1aは、図12に散点模様で示しており、タイヤ1において修復部14が存する部分をタイヤの周方向において区画した部位をいう。
その後、少なくともタイヤ周方向部位1aが含まれるタイヤ1の詰め物部材22が詰め込まれた部分を、押え部材23およびカバーシート21の外側より、締付部材24の長尺のベルト24aを巻きつけ、修復部14が所定圧となるように締め付けて、ベルト24aの一端に固定されたバックル24bにベルト24aの他端を通して固定する。本実施の形態では、締付部材24としてベルト24aが4本用いられているが、修復部14の大きさや位置によって適宜ベルトの本数やベルトの幅を変更することができる。また、締付部材24として、ベルトではなく幅広の帯を用いてもよい。
タイヤ1の修復部14が所定の圧力に加圧された後、電熱パッド20に電流を流して発熱させる。電熱パッド20の温度は、タイヤ1の修理に用いた未加硫ゴムを加硫するのに適した温度に制御され、修復部14は所定時間加圧加熱が施されて加硫され、修復部14はその周囲の部分に接合される。
このようにして、修復部14に所定時間に亘って加圧加硫が施された後、タイヤ1から締付部材24、押え部材23を取り外し、タイヤ1の内側から詰め物部材22を取出し、カバーシート21および電熱パッド20を修復部14から取り外す。その後、修復部14の周囲の溝部2bに埋められた型材15を粉砕してトレッド部2から取り外し、タイヤ1の修理作業が終了する。
タイヤ30のトレッド部2およびショルダー部3の損傷部位31を調べ、図15に示されるように、リグルーバ等を用いて損傷部位31およびその周辺のトレッドゴムを、損傷部位31を中心とした放射状に取り除く。この時、トレッド部2の損傷部位31が残らないように注意しながら取り除く。
図16および図19に示されるように、タイヤ30のトレッド部2およびショルダー部3側に、加温して流動的となった状態の補修材10としての未加硫のトレッドゴム12を、欠損した箇所を充填するように盛っていき、さらに欠損したトレッド部2の陸部2aおよび溝部2bの形状を、タイヤ30の故障前の形状であって概ね未使用状態のタイヤ30の形状となるように修復する。新たなトレッドゴム12は、修復前のトレッドゴムと同じ素材のトレッドゴムでも、異なった素材のトレッドゴムでもよい。
前記したように未加硫のトレッドゴム12により形状が修復された修復部32を、加圧加熱して加硫する際に、未加硫ゴムの形状を保つための型材15を用意する。型材15は第1の実施形態と同様な作業で得られる。型材15を用意する作業は、前記した修復作業が終了した後に行ってもよいし、前記修復作業と同時に行ってもよい。
このようにして得た硬化する前の流動性のある型材15を、図17および図19に示されるように、形状が修復された修復部32の周辺の溝部2bを埋める。さらに、修復部32のうちのタイヤ幅方向側面に位置する修復部側面32aを覆うようにタイヤのサイド方向から、型材15を所定の厚さになるように盛る。この修復部側面32aを覆う型材15のタイヤ径方向の面15aは、トレッド部2のトレッド面に連なるように形成される。形状が修復された修復部32のうち、タイヤ幅方向端に位置する陸部2aは、図19に示されるように、溝部2bに流し込まれた型材15と、タイヤ幅方向側面に盛られた型材15により、修復された陸部2aのトレッド面における周囲が囲まれて、該陸部2aの形状が保持される。
このように溝部2bを埋めタイヤ幅方向外縁に盛られた流動性のある型材15を放置し、型材15を硬化および乾燥させながら、型材15内に含まれている余剰水分を除去する。
次に、型材15が硬化し乾燥した後に、図18に示されるように、電熱パッド20が、タイヤ30の修復部32およびその周辺に位置するようにタイヤ30の外側から配置される。電熱パッド20は、トレッド部2の補修材10で修復された修復部32およびその近傍のトレッド部2、ショルダー部3およびサイドウォール部4の外表面と、溝部2bを埋めた型材15と、タイヤ幅方向の外縁に盛られた型材の外表面とに沿って配置される。本実施の形態では、電熱パッド20をタイヤの外側のみに配置しているが、修復部32の状態および位置によって、内側および外側の両方に配置してもよい。
タイヤ30の修復部32およびその周辺の内側に、図18に示されるように、詰め物部材22を詰め込み、第1の実施形態と同様に、タイヤ30のビード部5間の開口を超えるまでタイヤ30の中心側に重ねていく。詰め物部材22は、棒状の略円柱形状のものであって、本実施の形態では木片が用いられているが、他に金属製や耐熱プラスチック製等であってもよい。修復部32とその周辺の内側に電熱パッド20が配置されている場合には、詰め物部材22を電熱パッド20が押さえられるように詰め込む。このように詰め込まれビード部5間の開口から盛り上がった詰め物部材22は、上から板状の押え部材23で覆われ、タイヤ30の外側に配置された電熱パッド20を、その周囲までカバーシート21により覆う。
その後、第1の実施形態と同様に(図13参照)、タイヤ30の詰め物部材22が詰め込まれた部分を、押え部材23およびカバーシート21の外側より、締付部材24の長尺のベルト24aを巻きつけ、タイヤ30の修復部32が所定圧となるように締め付けて、ベルト24aの一端に固定されたバックル24bに、ベルト24aの他端を通して固定する。本実施の形態では、締付部材24としてベルト24aが4本用いられているが、修復部の大きさや位置によって適宜ベルトの本数やベルトの幅を変更することができる。また、締付部材24として、ベルトではなく幅広の帯を用いてもよい。
タイヤ30の修復部32が所定の圧力に加圧された後、電熱パッド20に電流を流して発熱させる。電熱パッド20の温度は、タイヤの修理に用いた未加硫ゴムを加硫するのに適した温度に制御され、修復部32は、所定時間加圧加熱が施されて加硫され、修復部32はその周囲の部分に接合される。
このようにして、修復部32に所定時間に亘って加圧加硫が施された後、タイヤ30から締付部材24、押え部材23を取り外し、タイヤ30の内側から詰め物部材22を取出し、カバーシート21および電熱パッド20を修復部32から取り外す。その後、修復部32の周囲の溝部2bに埋められた型材15および修復部側面32aを覆った型材15を粉砕してトレッド部2から取り外し、タイヤ30の修理作業が終了する。
さらに、この空気袋の外側に、保護のためのゴムシート等の断熱材を設けて、断熱効果をより高めてもよい。
20…電熱パッド、21…カバーシート、22…詰め物部材、23…押え部材、24…締付部材、24a…ベルト、24b…バックル、
30…タイヤ、30a…タイヤ周方向部位、31…損傷部位、32…修復部、32a…修復部側面。
Claims (4)
- トレッド部が損傷したタイヤの損傷部位の形状を、少なくとも未加硫ゴムからなる補修材により修復し、
焼石膏に少なくとも水と非水溶性部材を混ぜて流動状態の型材を得て、
前記補修材により形状が修復された修復部の周辺の前記トレッド部の溝部を、流動状態の前記型材で埋め、
前記型材が硬化および乾燥した後、前記修復部の前記トレッド部の表面に加熱パッドを配置し、前記修復部を加圧し、
前記加熱パッドにより前記修復部を加熱して、前記未加硫ゴムを加硫することを特徴とするタイヤの修理方法。 - 前記損傷部位は、前記トレッド部のタイヤ幅方向端部であって、
前記修復部の周辺の前記溝部を、前記型材で埋めるとともに、前記修復部のうちタイヤ幅方向側面の修復部側面を前記型材で覆い、
前記型材が硬化および乾燥した後、前記修復部を加圧および加熱して前記未加硫ゴムを加硫することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの修理方法。 - 前記非水溶性部材は、ゴム、木材、金属のうちの少なくとも一種以上が用いられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤの修理方法。
- 前記修復部の前記トレッド部の表面に加熱パッドを配置した後、
前記修復部が存するタイヤ周方向に区画されたタイヤ周方向部位のタイヤの内側に、詰め物部材を詰め込み、
前記タイヤ周方向部位を周囲から締め付けて加圧し、
前記加熱パッドにより前記修復部を加熱して、前記未加硫ゴムを加硫することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のタイヤの修理方法。
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