JP5760064B2 - 情報記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性記録媒体に対して高周波磁界を照射して磁気共鳴を励起し、該記録媒体の磁化反転を誘導して情報を記録する機能を有する情報記録装置に関するものである。
磁気記録においては、保磁力の大きな磁気記録媒体を使用できることが性能の目安の一つとなっているが、記録時に高周波磁界を磁気記録媒体に印加して記録領域の保磁力を一時的に弱め、その上でヘッド磁界により記録ビットを形成するというアイディアが古くからある。例えば、特開平7−244801号公報(特許文献1)には、高周波磁界により磁気記録媒体をジュール加熱あるいは磁気共鳴加熱し、媒体保磁力を局所的に低減せしめる記録方法が開示されている。
記録密度の向上に伴い、そのような高周波磁界を併用した記録方式が「マイクロ波アシスト記録」という名称のもとに、近年再び着目されている。マイクロ波アシスト記録では、強力なマイクロ波帯の高周波磁界をナノメートルオーダーの領域に照射して記録媒体を局所的に励起、磁化反転磁界を低減して情報を記録する。磁気共鳴を利用するため、記録媒体の異方性磁界に比例する周波数の強い高周波磁界を用いないと、大きな磁化反転磁界の低減効果は得られない。
特開2005−025831号公報(特許文献2)には、マイクロ波アシスト記録を意図した高周波発振素子として、GMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)に類似する構造の積層膜を電極で挟んだ構造の素子が開示されている。当該素子は、GMR構造に発生するスピン揺らぎをもつ伝導電子を、非磁性体を介して磁性体に注入することにより、微小な高周波振動磁界を発生させることができる。同様に、Nature 425,380(2003)(非特許文献1)には、スピントルクによるマイクロ波発振が報告されている。
TMRC2007-B7講演予稿に記載された「Microwave Assisted Magnetic Recording」(非特許文献2)には、垂直磁気ヘッドの主磁極に隣接した磁気記録媒体近傍に、スピントルクによって高速回転する磁化高速回転体(Field Generation Layer:以下、FGLと略)を配置してマイクロ波(高周波磁界)を発生せしめ、磁気異方性の大きな磁気記録媒体に情報を記録する技術が開示されている。
特開平7−244801号公報 特開2005−025831号公報
Nature 425, 380(2003) 「Microwave Assisted Magnetic Recording」:TMRC2007-B7講演予稿
近年、磁気記録において要求される記録密度は、1平方インチあたり1Tビットを超える程度になっており、マイクロ波アシスト記録でこの程度の記録密度を実現する場合には、強力な高周波磁界をナノメートルオーダーの領域に照射して磁性記録媒体を局所的に磁気共鳴状態にし、磁化反転磁界を低減して情報を記録する必要がある。
特許文献1,2あるいは非特許文献1に開示される技術では、発振する高周波磁界の周波数が低すぎる、あるいは磁界強度が弱すぎるという理由により、1Tビット/平方インチといった高い記録密度は実現困難である。
非特許文献2に開示された技術を用いれば、ある程度強い磁界を発生することは可能であるが、スピントルクにより磁化が回転する磁化回転体(FGL)が主磁極からの漏れ磁界方向に固定されるため、実際には高周波発振が持続しないという欠点がある。また、主磁極からの漏れ磁界の影響を低減する工夫をしたとしても、スピン源の磁化方向が固定されている為、FGLに垂直に印加される主磁極磁界成分とFGLに流入するスピントルクの向きとの関係が主磁極の極性に依存することになる。高周波磁界の強度を最大限得る為には、FGL面内に磁化が一方向に揃って回転している必要があるが、非特許文献2に開示された技術を用いると、主磁極の極性によって最適な駆動電流値が異なる為、得られる高周波磁界の周波数が異なってしまい良好な書込みができないといった欠点もある。
これに対し、本発明の発明者らは、研究の結果、主磁極に設けた突起(リップ)部に隣接させてFGLを構成する積層膜を配置した構成を取ることにより、主磁極から当該高周波磁界発生器への流入磁界が膜面に垂直となることを見いだした。
この構成では、主磁極又は対向磁極をスピン源として用いる為、主磁極の極性に応じて駆動電流の値を変える必要がなく、所望の周波数に応じて常に高周波磁界の強度を最大限得る為の設計が可能となった。主磁極又は対向磁極をスピン源とすることにより、主磁極極性の逆転に同期してFGLに垂直に印加される主磁極磁界成分とFGLに流入するスピントルクの向きとが同時に逆転するので、発振状態が主磁極の極性に依存しないことになる。したがって、FGLの駆動電流変えずに、用いる記録媒体に応じて決まる最適な高周波磁界周波数での発振が実現されることになる。
しかしながら、上記のようなリップ部を用いた構成の磁気ヘッドであったとしても、トラック幅が狭くなるにつれて、記録が困難になることが明らかとなった。FGLを用いたマイクロ波アシスト記録用ヘッドの場合、トラック幅に応じてFGLの幅を狭小化する必要があるが、FGLの幅が狭くなるに従って、オーバライト特性の悪化あるいはジッターノイズの増大という問題が新たに発生することが判明した。特にFGLの磁化の回転方向を主磁極の極性に応じて変わらないように駆動するとき、この問題は顕著となった。
本発明は、FGLにより発生する高周波磁界を併用して磁気記録を行う情報記録装置において、狭トラック化に伴い発生する上記問題点を解消し、高い記録再生性能を有する情報記録装置を実現することを目的とする。
上記の通り、高周波発生器としてFGLを使用する情報記録装置の場合、狭トラック化のためには、FGLのトラック幅方向の長さを小さくする必要がある。トラック幅方向の長さが小さくなれば、FGLの側面から発生する磁界が記録磁界全体に対して及ぼす影響が無視できなくなる。
一方、本発明の発明者らがFGLより発生する高周波磁界を解析したところ、磁界の大きさだけでなく、磁界の向きも時間と共に変化することが判明した。この磁界の向きの変動は、FGLの幅が高さ方向の長さに比べて大きいときはそれほど影響しないが、FGLの幅が狭くなると無視できなくなる。FGLの側面からの発生磁界の影響は、FGLのABS面からの発生磁界と位相が90度シフトしている為、記録媒体上において、FGL磁化の回転に同期して磁界の向きが変わるという形で表れる。この際、記録媒体が感じる高周波磁界は、所望の磁化反転に寄与する成分(回転方向)と反転した磁化を再逆転させる成分(回転方向)とのバランスが崩れるようになる。
FGLの側面からの発生磁界の影響が無視できる場合には、記録媒体が感じる高周波磁界は回転しない(直線偏光)ので、所望の磁化反転に寄与する成分と反転した磁化逆転させる成分とが均衡している。ここで、主磁極からの書込み磁界が十分であれば、所望の磁化反転に偏らせることが可能となる。しかし、FGLの磁化の回転方向が一定の場合、両者のバランスが崩れた状態で磁化反転パターンを形成しようとすると、反転した磁化が再逆転する確率が高くなる。また、両者のバランスが均衡している状態でも、主磁極からの書込み磁界に比べて高周波磁界が強すぎれば、反転した磁化を再逆転させる作用が強くなる。
この結果、グラニュラー媒体などの連続媒体あるいはディスクリートトラック媒体(DTM)に対しては記録ビットの磁化遷移幅(自ビットと隣接ビット間の境界幅)が広くなり、ビットパタン媒体(BPM)に対してはパターンの磁化が反転できない確率が大きくなってしまうことが予想される。
本発明の発明者らは、磁界解析の結果、浮上面(ABS面:磁気ヘッドの情報記録媒体に対する対向面)側からみて後退している部分(以下、後退部と称する)をFGLのトラック幅方向端部に設けることにより、上記磁界の向きの変動及び側面からの磁界の影響を低減できることを見いだした。後退部の形状は、単純な段差形状であってもよいし、浮上面からテーパ状に後退した形状であっても良い。あるいは他のより複雑な形状であっても良い。
以上の詳細は、後述の各実施例で説明されるが、本発明に包含されるより下位の発明の課題・作用効果も併せて説明される。
記録密度が1平方インチあたり1Tビットを超える情報記録装置が実現できると同時に信頼性をも向上でき、結果としてコストを低減することが可能となる。
FGLから発生する磁界の概要を示す図。 シミュレーションモデルの有効磁界の印加方向を示す図。 高周波磁界の歳差運動の方向(時計回り振動磁界、一方向振動磁界、反時計回り振動磁界)による、記録媒体の磁化反転の状態の変化を示すシミュレーション結果の図。 反転磁界の楕円率依存性を示す図。 反転磁界の反転アシスト有効AC磁界依存性を示す図。 反転AC磁界幅の楕円率依存性を示す図。 従来構造のFGLからの磁界の状況を調べた図。 後退部を備えたFGLの形状の一例を示す図。 図8Aに示す形状のFGLが発生する反転アシスト有効AC磁界のトラック長さ方向位置に対する変動と、楕円率のトラック長さ方向位置に対する変化を示す図。 後退部としてABS面側にテーパ部が形成されたFGLを示す図。 ABS面側のテーパ部に加えて、上面側にもテーパ部が形成されたFGLを示す図。 後退部としてABS面側に段差部が形成されたFGLを示す図。 主磁極側の断面積が対向磁極側の断面積よりも小さい形状のFGLの一例を示す図。 主磁極側の断面積が対向磁極側の断面積よりも小さい形状のFGLの一例を示す図。 主磁極側の断面積が対向磁極側の断面積よりも小さい形状のFGLの一例を示す図。 主磁極側の断面積が対向磁極側の断面積よりも小さい形状のFGLの一例を示す図。 主磁極側の断面積が対向磁極側の断面積よりも小さい形状のFGLの一例を示す図。 主磁極側の断面積が対向磁極側の断面積よりも小さい形状のFGLの一例を示す図。 実施例1の記録ヘッド及び記録媒体をトラック幅方向からみた断面の模式図。 図10Aに示す模式図を、線分Z−Z’で切った方向からみた断面図。 図10Aに示す模式図を上面側(ABS面側とは逆の面)からみた模式図。 図10Aに示す記録ヘッドを搭載したスライダ及び記録再生ヘッドを示す図。 スライダとヘッド走行方向との関係を示す模式図。 スライダとヘッド走行方向との関係を示す模式図。 磁気ヘッドの構成例を示す図。 実施例2の記録ヘッド及び記録媒体をトラック幅方向からみた断面の模式図。 図11Aに示す模式図を上面側(ABS面側とは逆の面)からみた模式図。 実施例3の記録ヘッド及び記録媒体をトラック幅方向からみた断面の模式図。 図12Aに示す模式図を、線分Y−Y’で切った方向からみた断面図。 実施例1〜3における磁気ディスク装置の基本構成を示す平面図。 図13AのA−A′断面図。 実施例4の記録再生素子の構成図。 実施例4の記録再生素子の構成図。 図14A及び図14Bに示す記録再生素子を集積化するための電極パターンの一例を示す図。 図14A及び図14Bに示す記録再生素子を集積化するための電極パターンの一例。 図14A及び図14Bに示す記録再生素子を集積化するための電極パターンの一例を示す図。 図14A及び図14Bに示す記録再生素子を集積化するための電極パターンの一例を示す図。 図14A及び図14Bに示す記録再生素子を集積化した構造の模式図。
以下、図面を用いて本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、具体構成の詳細説明に入る前に、本発明の原理(後退部と側面磁界の影響低減との関係)について図面を用いて説明する。
図1は、FGLから発生する磁界の一例を示したものである。FGLからの磁界は、FGL内部で磁化が一様で、磁化回転面に垂直な端面に磁化が発生するものとして周辺の磁界を解析した。磁化M(A/m)の長方形の面要素{(x1,y1,z0),(x1,y2,z0),(x2,y1,z0),(x2,y2,z0)}から、原点への磁界(A/m)は、以下の式(1)

で与えられる。
ここで、図1の原点における高周波振動磁界の回転は、x方向性分が無く、y−z面内である。従って、z軸方向に磁化容易軸がある磁性体の反転の有効成分がy方向の高周波振動磁界成分のみであることを考慮すると、原点における高周波振動磁界は実質的に直線偏光と考えられる。磁化方向の磁界は、磁化にトルクを与えない為、磁化自身には作用を及ぼさない。尚、本発明で用いている「直線偏光」は、高周波振動磁界の振動方向が時間的に変化しない状況と定義する。また、「実質的に直線偏光」は、前述のように、反転対象の磁性体の磁化方向を考慮したとき、磁化方向の振動磁界成分を無視すると振動方向が時間的に変化しない状況と定義する。さらに、本明細書において反転対象の磁性体がある場合には、「実質的に」を省略して表記するものとする。
11,R12,R21,R22は、原点から長方形の頂点までの距離である。FGLの各面からの寄与をFGLの磁化方向で重み付けをして足し合わせることにより、FGLの発する磁界分布とその時間変化を求めた。FGL磁界は、トラック幅が広くてABS面からの磁界だけを考慮すればよい場合には、ほぼ直線偏光とみなせる。
これに対して、高記録密度化に伴いトラックピッチ低減に向けFGLの幅wを小さくしていくと、FGLの側面からの磁界の影響が無視できなくなり、FGL磁界は楕円偏光となる。FGLの側面からの磁界を算出するには、式(1)及び関連の式において、z軸とy軸とを読み替えればよい。本発明で用いている「楕円偏光」は、高周波振動磁界の振動方向と大きさが時間的に変化する状況であり、磁界ベクトルの軌跡が楕円を形成する。
この場合、FGL自身の磁化の回転に同期してFGL磁界の方向と大きさが時間と共に変化するため、磁界ベクトルの軌跡が楕円を形成しあたかも歳差運動するような挙動を示す。原点と異なる点への磁界、例えば図1中の点(−Xp,0,0)点のへ磁界を求めるには、式(1)の面要素をx軸方向にXpだけ移動させて原点への磁界を算出すればよい。ここで、楕円率rを前記長径に対する短径の比(Hac-y/Hac-x)で定義する。符号は、反時計回り回転のとき正、逆回転(時計周り)の場合は負とする。ここでz方向磁界成分も時間変化するが、磁化と平行な振動磁界成分は反転に寄与しないと仮定して無視した。これは、磁化方向の磁界は、磁化にトルクを与えず、磁化への作用がないためである。
以上のように、式(1)による磁界解析の結果、記録ビットの形成位置に発生する高周波磁界は、FGLのトラック幅方向の長さが小さくなるに従って、磁界ベクトルの軌跡が次第楕円から円に近づくことが分かった。
そこで、楕円偏光による磁性体の磁化反転アシスト効果への影響を調べる為に、LLG(Landau Lifschitz Gilbert)方程式を用いた計算機シミュレーションを行い、以下の5点が明らかになった。
(1)反転させようとする磁化に垂直な振動磁界成分(垂直磁化媒体においては面内振動磁界成分)が反転に寄与する。
(2)反転させようとする磁化の歳差運動と同じ回転方向の楕円偏光は磁化反転をアシストする作用があるが、磁化の歳差運動と逆回転の楕円偏光は一旦反転した磁化を元に戻す作用がある。
(3)楕円偏光の長径に短径を加えた(同じ回転方向の場合)、又は、減じた(逆回転)ものの半分の値が、反転アシスト有効AC磁界である。
(4)反転アシスト有効AC磁界が同じとき、磁性粒子が磁化反転する外部磁界の平均値は等しい。
(5)反転アシスト有効AC磁界が同じでも、楕円率r(前記長径に対する短径の比、逆回転の場合は負値とする)が大きいほど、磁性粒子が磁化反転する磁界のばらつきが小さくなり、良好な磁化反転パターンが得られる。
計算は、一軸磁気異方性を有する磁性粒子が一斉回転モデルにしたがって反転するものと考え、その磁化Mの挙動を次のLLG方程式を用いて計算した。

ここで、γはジヤイロ磁気定数、αはダンピング定数である。有効磁界Hは、磁気異方性磁界Ha(=Hkcosθm、θmは磁化と磁化容易軸のなす角)、静磁界Hd、外部磁界Hext、及び、高周波磁界Hacの4成分の和で構成される。本検討で考慮した静磁界Hdは、計算する磁性粒子自身のつくる静磁界であるが、実際には、隣接する粒子等の影響を考慮する必要がある。外部磁界Hextは、磁性体の外部より磁性体に印加される磁界である。
図2に有効磁界の印加方向を示す。鉛直方向をz方向として、Haを印加した。Hextは、初期磁化方向と反対で、鉛直方向からθh傾いた方向に印加した。磁化は概ね+z方向から、−z方向に向かってz軸を軸とすると回転運動をしながら反転する。図2では、高周波磁界Hacの印加方向は水平方向のみ示してあるが、z−Hext面内の直線偏光及びz−Hext面に垂直な直線偏光と、z軸に垂直な面内の楕円偏光とについて検討した。磁化反転の判定は、1024個の孤立磁性粒子に分散(Hk分散5%、角度分散3度)を持たせ、統計的取り扱いを行った。
図3は、磁化容易軸が膜面に対して垂直方向を向いた孤立磁性粒子1024個の集合に対して、主磁極からの磁界Hextと高周波磁界Hacが印加された場合の磁化反転の挙動を示すシミュレーション結果である。印加される高周波磁界Hacは、左から順に、時計回り振動磁界(楕円率r=−1)、直線偏光振動磁界(r=0)、反時計回り振動磁界(r=1)である場合に相当する。図で、□は3ns経過するまでに磁化反転が完了した状態(1024個の中95%以上が反転)、■は磁化反転していない状態(1024個の中95%以上が未反転)を示し、中間色は部分反転している状態を示している。図より、AC磁界が小さい場合には、時計回り振動磁界成分ではStoner-Wohlfarth磁界まで反転が全くなく、アシスト効果が見られないことが分かる。図3におけるStoner-Wohlfarth磁界は、800kA/mで、外部磁界だけ(Hac=0)で反転がおこる磁界となっている。
一方、AC磁界が大きい場合には、単独で十分反転させられる大きな外部磁界を印加していても、時計回り振動磁界(r=−1)では反転が抑制されている現象が起こっている。これは、時計回り振動磁界が反転した粒子の再反転を促す作用を持っていることを示している。反転した粒子の磁化の回転方向は、時計回りである為と考えられる。このことは、外部磁界があるなしにかかわらず、比較的大きな円偏光高周波振動磁界を与えることにより、その時計回り、反時計回りに応じて、所望の磁化反転が制御できることを示唆している。直線偏光振動磁界、反時計回り振動磁界と楕円率が大きくなると、AC磁界の増加と共に、磁化反転する外部磁界が小さくなっており、アシスト効果が確認できる。反時計回り振動磁界を用いると、直線偏光振動磁界を用いた場合に比べて半分程度の振動磁界の大きさで、同等のアシスト効果が得られている。これは、直線偏光振動磁界が、次式に示すように反時計回り成分と時計回り成分とに分解可能であるためと考えられる。

このうち、反時計回り成分は、磁化の歳差運動と同じ方向にAC磁界が回転する為、磁気共鳴が起こって磁化反転をアシストする作用があると考えられる。直線偏光振動磁界を用いる場合の注意点は、AC磁界が大きすぎる時、時計回り振動磁界成分による再反転の影響が顕著となり、記録が行えない点である。図3では、AC磁界強度が300kA/mを超えると良好な磁化反転パターンは得られないが、これよりも低いAC磁界強度でも部分的に再反転が起こる可能性がある。反時計回り振動磁界(楕円率r=1)を用いる場合には、このような問題がない。
図4は、異方性磁界の大きさが1.6MA/mの磁性体に、磁化容易軸から30度傾けて外部磁界を印加した(θh=30度)場合の反転磁界Hswを楕円率に対して示したものである。AC磁界は、Hac-x成分を固定し、直交するHac-yの大きさを変えている。反時計回りの楕円偏光ではHac-yが正、時計回りの楕円偏光の場合はHac-yが負となっている。Hac-yが大きいほど、Hac-xが大きいほどHswが小さくなり、大きなアシスト効果が得られていることが分かる。逆に、Hac-yが負の場合には、ダウントラック方向の振動磁界成分が同じでもHswが大きくなっており、Hac-yが成分によってアシスト効果が抑制されていることがわかる。そこで、反転

を仮定して、Hac-eff対する図4の反転磁界Hswを再度示したのが、図5である。図より、種々のHac-x成分とHac-y成分の組合せに対して、反転磁界Hswがほぼ同一の曲線上に乗っており、反転アシスト有効AC磁界を式(4)で表すのが有効と考えられる。
図3等において、アシスト効果がある場合、外部磁界を一定としてAC磁界強度を増加させるとき、磁化反転は、徐々に促進される訳ではなく、外部磁界による反転と同様にスイッチ磁界Hac-swが存在する。すなわち、Hacが小さいときは反転せず、スイッチ磁界Hac-swを越えて大きくなると反転する。これは、磁気記録に用いられる磁気異方性の大きな磁性体では共鳴振動数が磁化の方向によって大きく変化するため、振動磁界が弱いと磁化の回転と振動磁界の同期している間(共鳴)に磁化反転が完結しないためと考えられる。
図6は、図4のプロット点におけるスイッチAC磁界の幅ΔHac-swを楕円率に対して示したものである。幅ΔHac-swは、楕円率が大きいほど小さくなっており、同じ反転アシスト有効AC磁界でも楕円率が大きい良好な反転磁化パターンが形成できる可能性を示している。
以上のように、マイクロ波アシスト記録において良好な記録パターンを得るためには、高周波磁界強度の面内成分を大きくするだけでなく、楕円率を大きくすることが重要であることが分かった。また、FGLの設計に当たっては、FGL自身の磁化回転の向きに注意する必要がある。
そこで、FGLより発生する磁界を詳細に解析したところ、高周波磁界発生器の駆動電流に垂直な断面形状が矩形のFGLでは、反転アシスト有効AC磁界が最大となる位置(書込み点)と楕円率が最大となる位置とがずれていることが判明した。これは、書込み点となるFGLの主磁極側端部周辺において、FGLのABS面から発生するダウントラック方向の磁界に比べて、FGLの側面から発生するクロストラック方向の磁界が不足しているためと推察される。
そこで、反転アシスト有効AC磁界と楕円率が最大となる位置とが一致するべくFGL側面からの磁界を強化するFGL構造を鋭意検討した。
図7は、w=40nm,h=40nm,t=20nm,s=10nm(図1参照)の条件で、FGLから発生する磁界のトラック中心(y=0)におけるダウントラック方向の楕円率と反転アシスト有効AC磁界Hac-effとを示したものである。横軸は、FGLの直下を0とし、主磁極側を負値とした。FGLの飽和磁化は、2.4Tとしている。図より、楕円率が最大となる位置はFGLのエッジから2nm外側であるのに対して、Hac-effが最大となるのは10nm離れたところでFGLエッジから12nm外側である。Hac-effが最大の点で記録が行われるとすると、このときの楕円率は0.6以下に落ちているため、十分な書き込みが行えない可能性がある。Hac-effが最大の点での楕円率が0.6以下の場合、一定時間に磁化反転する確率が顕著に低下するためである。
楕円率を向上させるには、FGLの側面からの磁界の影響を増強し、クロストラック方向成分を増やす必要がある。FGLに後退部を設けると、ダウントラック方向のFGL磁界は多少減少するものの、記録位置にFGLの側面を近づけることができる為、ダウントラック方向とクロストラック方向の振動磁界成分がほぼ等しくなって、円偏向とすることが可能となる。本発明で用いている「円偏光」は、高周波振動磁界の大きさが変わらず、振動方向が時間的に変化する状況であり、磁界ベクトルの軌跡がほぼ円を形成する。ただし、反転対象の磁性体の磁化(容易軸)方向の振動磁界成分は無視するものとする。
反転アシスト有効AC磁界と楕円率が最大となる位置とを一致させる他の方法として、FGLに流れる電流に垂直な断面の形状がABS側の辺が短い縦長の長方形とする方法がある(図1において、w<h)。しかし、この方法では、形状磁気異方性が主磁極からの漏れ磁界の方向に発生するため、FGLがこの方向に固定されやすくなり、発振周波数の変動や、発振自体が起こらなくなる問題がある。尚、斜めのFGLの側面からの磁界を算出するには、式(1)及び関連の式において、座標を適宜変換して読み替えればよい。
そこで、底面のトラック幅方向端部にABS面からの後退部を有するFGL、具体的には、図8Aに示すFGLに流れる電流に垂直な断面の形状が、ABS面側に上辺を有する逆台形であるFGLについて、楕円率と反転アシスト有効AC磁界Hac-effとを計算した。その計算結果を図8Bに示す。楕円率が最大となる位置とHac-effが最大となる位置とが、FGLエッジ付近で一致しており、良好な書き込みが期待できる。ただし、反転アシスト有効AC磁界の最大値は260kA/mであるので、図7の反転アシスト有効AC磁界の最大値310kA/mに比べて15%小さな値となっている。FGLのABS面の面積を小さくしたため発生する磁界が減少した影響と考えられる。
図8C及び図8Dは、後退部としてABS面側にテーパ部が形成された形状のFGLを、図8Eには、後退部としてABS面側に段差部が形成された形状のFGLを示す。FGLに流れる電流に垂直な断面の形状が、図8C及び図8D及び図8Eに示す構造である場合には、反転アシスト有効AC磁界の減少量は7%程度に抑制可能である。特に図8Dの構造では、ABS面側のテーパ部に加えて、上面側にもテーパ部が形成されることにより、FGLの磁化回転面内での磁化されやすさにほとんど差が生じない。従って、スムースな高速磁化回転が期待できる。図8Eは、後退部としてABS面側に段差部が形成された形状のFGLを示す。本形状のFGLは、トラック幅を決定するサイズwの長さがABS面からのラッピング加工時に変化しないので、信頼性の高いヘッド製造が可能である。
図9A〜図9Fには、図8A及び図8C〜図8Eとは別の形状のFGLの構成例を示す。通常、FGLは主磁極と対向磁極の間に配置され、主磁極側あるいは対向磁極側から高周波磁界を発生させるための駆動電流が流れ込む。図9A〜図9Fに示すような、主磁極側の断面積の大きさが対向磁極側の断面積よりも小さい異なる形状のFGLを用いるきことにより、楕円率と反転アシスト有効AC磁界のピーク位置を主磁極側に近づけることが可能となる。なおここでいう断面積とは、FGLを構成する多層膜の積層方向に対する断面積の意味である。
図9A及び図9Bには、対向磁極側から主磁極側に向かうテーパ部により上記断面積の相違を形成した構造(すなわち、上面側及びABS面側からみた形状が、トラック幅方向側にテーパ形状を有する構造)のFGLを示す。このような構造のFGLを用いることにより、楕円率と反転アシスト有効AC磁界のピーク位置を、主磁極側に近づけることができ、より大きな外部(主磁極)磁界の利用が可能となる。特に、図9Bの構造では、反転アシスト有効AC磁界の最大値の減少が5%程度と、図8A及び図8C〜図8Eに示す構造のFGLよりも反転アシスト有効AC磁界減少の抑制効果が更に大きくなっている。図9A及び図9BのFGL構造は、ABS面側からのラッピング工程の停止タイミングによる発振特性の差は、それほど大きくない。
図9C及び図9Dには、図1に示す直方体形状のFGLに対して、主磁極側の頂角4カ所のうちABS面側の頂角2カ所をカットすることにより、頂角の削除部を設けた構造のFGLを示す。このような構造のFGLでは、楕円率と反転アシスト有効AC磁界のピーク位置がほぼ完全に一致し、磁界の減衰もほとんどないと考えられる。ただし、作製は困難である。主磁極側に張り出す図9C及び図9Dの構造も考えられる。
図9E及び図9Fには、主磁極側に段差構造を設けることにより(すなわち、上面側及びABS面側からみた形状が凸型形状をなす構造)、主磁極側と対向磁極側での断面積の相違を実現した構造のFGLを示す。図9Fに示すFGLでは、主磁極側の段差構造に加えて、ABS面側に高さ方向のテーパ部も備えている。図9E及び図9Fに示す構造では、楕円率と反転アシスト有効AC磁界のピーク位置を一致させることが可能であるとともに、図9C及び図9Dに示す構造のFGLよりも製造が容易であるという利点を持つ。図9E及び図9Fの構造のFGLを製造するためには、リソグラフィの際に使用するマスクパターンを一回変えればよいためである。
反転アシスト有効AC磁界と楕円率が最大となる位置とを一致させるためには、図8A及び図8C〜図8Eや図9A〜図9Fに示す構造のFGLの他に、たとえば、FGLの断面形状をABS面側の辺がFGL側面側の辺よりも短い、縦長の長方形としても良い。しかし、形状磁気異方性が主磁極からの漏れ磁界の方向に発生するため、FGLがこの方向に固定されやすくなり、発振周波数の変動や、発振自体が起こらなくなる問題がある。一方で、図8C及び図8D及び図8E又は、図9A〜図9Fに示す構造では、断面形状が平均的に横長の形状となっているため、形状磁気異方性が主磁極からの漏れ磁界の直交方向に発生し、従ってFGLの面内磁化回転が円滑に行われる。また、図9A〜図9Fに示したFGL形状の中で、特に、図9A及び図9Bに示すFGL形状は、記録後消磁(次のビットを記録するときに前のビットを消す現象)が少なく、SN比の向上に有効である。
上記の構成を取ることにより、反転アシスト有効AC磁界が最大となる位置(書込み点)と楕円率が最大となる位置とをほぼ一致させることが可能となるので、連続媒体又はDTMでは記録された隣接ビット境間の磁化遷移幅の急峻化、BPMでは反転できない確率の抑制ができるようになり、信頼性の高い高記録密度情報記録装置の提供が可能となる。また、上記の構成では、トラック幅方向の反転アシスト有効AC磁界分布も急峻化されるため、高精度位置決め機構と組み合わせることによりトラック密度を高めることができ、記録密度を更に増大させた情報記録装置が実現可能となり、サイズ及びコスト等の点できわめて有利となる。
[実施例1]
図10Aは記録ヘッド及び記録媒体を、記録媒体面に垂直(図中の上下方向)かつヘッド走行方向(図中の左又は右方向であるトラック方向)に平行な面で切断した場合における記録機構周辺の断面構造を表している。記録ヘッド200においては、主磁極5と対向磁極6との間で、図面上方にて磁気的な回路を構成している(図10D及び図10G−a〜図10G−d)。ただし、図面上方においては電気的にはほぼ絶縁されているものとする。磁気的な回路は、磁力線が閉路を形成するものであり、磁性体のみで形成されている必要はない。また、主磁極5の対向磁極6と反対側に補助磁極等を配置し、磁気回路を形成してもよい。この場合には、主磁極5と補助磁極との間は電気的に絶縁されている必要はない。
更に、記録ヘッド200は、これらの磁気回路を励磁する為のコイル、銅線等が具備されているものとする。主磁極5と対向磁極6には、電極又は電極に電気的に接触する手段が備わっており、主磁極5側から対向磁極6側、あるいはその逆の高周波励起電流がFGL2を通して流せるように構成されている。主磁極5と対向磁極6の材料は、飽和磁化が大きく、結晶磁気異方性がほとんどないCoFe合金とした。FGL2への漏れ磁界(FGL面内方向成分)を低減して高周波周波数を上げる為には、主磁極5の対向磁極6と反対側に設けた補助磁極を主磁極5側に少し近づけるのがよい。
主磁極5に隣接して層状に、リップ8、金属非磁性スピン伝導層3、FGL(磁化高速回転体)2、負の垂直磁気異方性体11、金属非磁性スピン散乱体12、対向磁極側リップ13を経て対向磁極6にいたる。尚、リップ8から対向磁極側リップ13までは、図面左右方向に伸びる柱状構造で、断面がABS面に沿った辺が対向辺に比べて短い台形をしている(図10B)。当該台形形状とすることにより、FGL磁界の楕円率と反転アシスト有効AC磁界のピーク位置を一致させることができ、良好な書き込み特性が期待できる。この台形のABS面に沿った辺の長さwは、記録トラック幅を決定する重要な因子であり、本実施例では15nmとした。マイクロ波アシスト記録においては、主磁極5からの記録磁界とFGL2からの高周波磁界とが揃わないと記録できないような磁気異方性の大きい記録媒体を用いることになる為、主磁極5の幅と厚さ(ヘッド走行方向の長さ)は、記録磁界が大きく取れるよう大きめに設定することが可能である(図10C)。本実施例では、幅を80m、厚さを100nmとすることで、約0.9MA/mの記録磁界が得られている。
リップ8は、主磁極5と飽和磁化が同じ又は大きな材料を用い、主磁極5からの磁界がFGL2の層方向にできるだけ垂直となるよう3D磁界解析ソフトを用いてリップ8の厚さ設計を行った。本実施例では、金属非磁性スピン伝導層3に接するリップ8として、比較的弱い垂直磁気異方性を有する(Co/Ni)n人工格子膜を用いた。本実施例におけるリップ8の厚さは、10nmであったが、この値は、前述の台形の形状、対向磁極までの距離と状況、用いる媒体の状況、図面上方における磁気回路の状況に依存する。FGL2は、飽和磁化が大きく、結晶磁気異方性がほとんどない厚さ20nmのCoFe合金とした。FGL2では、層に沿った面内で磁化が高速回転し、ABS面及び、側面に出現する磁極からの漏れ磁界が、高周波磁界として作用する。
FGL2の磁化回転駆動力は、金属非磁性スピン伝導層3を介してリップ8に反射されたスピンによるスピントルクである。このスピントルクは、主磁極5からの漏洩磁界によって発生するFGL2の磁化回転軸に平行な磁化成分が小さくなる方向に作用する。このスピントルクの作用を得るには、主磁極5側から対向磁極6側へ高周波励起(直流)電流を流す必要がある。この電流方向はまた、金属非磁性スピン伝導層3側からFGL2側に向かうものである。主磁極5から磁界が流入する場合に、FGL2の磁化の回転方向は高周波励起(直流)電流の上流側から見て反時計周りとなっており、主磁極5からの磁界で反転する記録媒体の磁化の歳差運動方向と同じ向きの回転磁界を印加することができる。
主磁極5へ磁界が流入する場合には、FGL2の磁化の回転方向は高周波励起(直流)電流の上流側から見て時計周りとなり、主磁極5への磁界で反転する記録媒体の磁化の歳差運動方向と同じ向きの回転磁界を印加することができる。したがって、FGL2の円偏光高周波磁界は、主磁極5の極性によらず、主磁極5による磁化反転をアシストする効果がある。この点、非特許文献2に記載された形式の高周波磁界発生器では主磁極5の極性によってスピントルクの向きが変わらないため、このような効果を得ることはできない。
スピントルク作用は、高周波励起電流(電子流)が大きくなるほど大きくなり、また、金属非磁性スピン伝導層3と隣接する層との間に分極率の大きなCoFeB層を1nm程度挿入すると大きくなる。金属非磁性スピン伝導層3には、2nm−Cuを用いたが、スピン伝導性の高い金属非磁性体であるRu等を用いても良い。負の垂直磁気異方性体11は、六方晶CoIrのc軸方向が図中の左右方向となるようにし、磁気異方性の大きさは、6.0×105J/m3のものを用いた。負の垂直磁気異方性を有する磁性体をFGL2と隣接させることにより、FGL2の磁化方向を回転軸と垂直方向に留める作用が強化される。この作用により、比較的低い周波数で強い振動磁界が得られる。この作用は、負の垂直磁気異方性を有する磁性体として知られているα’−FeC,dhcpCoFe,NiAs型MnSb等でも同様に期待できる。FGL2にCoFe合金を用いているので、α’−FeCやdhcpCoFeを用いてもCoIrと同様に大きな交換相互作用が働き、磁化方向を回転軸と垂直方向に留める作用が強くなる。また、FGL2として、負の垂直磁気異方性を有する(Co/Fe)n人工格子膜を用いると、CoFe合金と同程度の磁化を有するため、負の垂直磁気異方性体11を設けなくても磁化回転が安定化し、良好な発振特性が得られる。金属非磁性スピン散乱体12には、3nm−Ptを用いた。Pdを用いても同様な作用がある。対向磁極側リップ13には、15nmCoFe合金を用いた。
記録媒体7には、基板19上に、記録層16として、厚みが10nmで、磁気異方性磁界が1.6MA/m(20kOe)のCoCrPt層を用いた。スパッタリングにより連続膜を形成した後、ナノインプリント技術により、トラック方向の長さが9nmでダウントラック方向が7nmの磁性体パターンを、トラックピッチ12.5nm、ビットピッチ10.0nmで配置するように作製した。
本実施例の高周波磁界発生源201を組み込んだ記録再生部109を搭載したスライダ102をサスペンション106に取り付け(図10D〜図10F)、ヘッドジンバルアッセンブリを構成した。図10Eに示す構造においては、記録再生ヘッドはスライダのトレーリング部に配置されており、図10Fに示す構造においては、記録再生ヘッドはスライダのリーディング部に配置されている。
図10G−b〜図10G−dには、図10Dに示す構造以外に考えられる記録再生ヘッドの構造を示した。図10G−aは、図10Dの構造を反対側からみたものである。したがって、図10G−a〜図10G−dにおいて、トレーリング側、リーディング側の定義は、紙面左側がトレーリング側、紙面右側がリーディング側であるものとする。
図10G−bには、図10G−aとは別の構成例を示す。図10G−bに示す磁気ヘッドにおいては、主磁極5の励磁用コイルが上向きでは無く横向きに巻かれている。本構成の磁気ヘッドの場合、図10G−aの構造に比べて励磁位置がより主磁極浮上面に近いので、図10G−aに示す構造に比べてより強い磁束を主磁極5から発生させることができる。
図10G−cには、記録ヘッド部をリーディング側に配置し、再生ヘッド部をトレーリング側に配置したマイクロ波アシスト記録用磁気ヘッドの構成例を示す。図10G−cに示す構成の磁気ヘッドにおいては、主磁極5がリーディング側最端部に配置され、対向磁極6は主磁極5に対してトレーリング側に配置される。図10G−cに示す構造の磁気ヘッドの場合、対向磁極6と再生センサ用シールドを共用しているが、分離しても構わない。高周波発生器201の積層順序は、図5に示す積層順序とは逆になっているのは、図10G−aと同様である。励磁コイルの巻線方向は、図10G−aと同様に上巻きであるが、図10G−dに示すように横巻きにしても良い。
以上の図10G−a〜図10G−dに示す構成の記録ヘッド部は、図10E又は図10Fのいずれの構造の磁気ヘッドスライダに実装することも可能である。
作成した磁気ヘッドは、スピンスタンドを用いて記録再生特性を測定した。測定においては、ヘッド媒体相対速度20m/s、磁気スペーシング7nm、トラックピッチ12.5nmとして磁気記録を行い、さらにこれをシールド間隔18nmのGMRヘッドにより再生した。高周波励起電流を変化させて1250kFCIでの信号/ノイズ比を測定したところ、最大13.0dBが得られ、1平方インチあたり5Tビットを超える記録密度の記録再生が十分達成可能であることがわかった。このときの高周波周波数は35.0GHzであった。磁気スペーシング5nmとした場合には、FGL2の断面が矩形であると信号/ノイズ比が14.0dBから9.0dBと低下したのに対して、本発明の逆台形の断面形状では、逆に15.0dBへと上昇した。
以上説明した記録ヘッド及び記録媒体を磁気ディスク装置に組み込んで、性能評価を行った。図13A及び図13Bに、本実施例の記録ヘッド及び記録媒体を組み込んだ磁気ディスク装置の基本構成を示す。図13Aは平面図、図13BはそのA−A′での断面図である。記録媒体101は回転軸受け104に固定され、モータ100により回転する。
図13Bでは5枚の磁気ディスク、10本の磁気ヘッドを搭栽した例において、磁気ディスク3枚分と磁気ヘッド4本について示したが、磁気ディスクは1枚以上、磁気ヘッドは1本以上あれば良い。記録媒体101は、円盤状をしており、その両面に記録層を形成している。スライダ102は、回転する記録媒体面上を略半径方向移動し、先端部に磁気ヘッドを有する。サスペンション106は、アーム105を介してロータリアクチユエータ103に支持される。サスペンション106は、スライダ102を記録媒体101に所定の荷重で押しつける又は引き離そうとする機能を有する。再生信号の処理及び情報の入出力には、所定の電気回路が必要である。高密度化時の波形干渉を積極的に活用したPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式を拡張した信号処理回路が筐体108等に取り付けられる。
以上説明した記録ヘッド及び記録媒体を図13A及び図13Bに示す磁気ディスク装置に組み込んで、性能評価を行ったところ、1枚の2.5インチ磁気ディスクの各面にそれぞれ、2.5Tバイト(1平方インチあたり4Tビット)、合計記録容量5Tバイトの高周波回転磁界を利用した情報記録再生装置が得られた。
[実施例2]
図11A及び図11Bは、本発明による記録ヘッド及び記録媒体の第2の構成例を示す図である。本構成例で用いる主磁極5、対向磁極6、及びその図面上方と左方の構成は、第1の構成例と同じものを用いるものとする。
主磁極5に隣接して層状に、リップ8、金属非磁性スピン散乱体12、FGL2、負の垂直磁気異方性体11、金属非磁性スピン伝導層3、対向磁極側リップ13を経て対向磁極6にいたる。尚、リップ8から対向磁極側リップ13までは、柱状で断面がABS面に沿った方向が長い長方形をしている。当該長方形形状とすることにより、トラック幅方向に形状異方性が生じる為、主磁極からの漏れ磁界のFGL2の面内成分があってもFGL2の面内磁化回転を円滑に行わせることが可能となり、主磁極5とFGL2を近づけることができる。また、発振状態にない時にFGL2の磁化がABS面に平行となり、漏洩磁界による不要な磁化反転等を防ぐことができる。FGL2は、ABS面の形状が主磁極側に短い台形をしており、高さ方向に柱状である。当該台形の短い辺の長さは、記録トラック幅を決定する重要な因子であり、本実施例では28nmとした。
マイクロ波アシスト記録においては、主磁極5からの記録磁界とFGL2からの高周波磁界とが揃わないと記録できないような磁気異方性の大きい記録媒体を用いることになる為、主磁極5の幅と厚さ(ヘッド走行方向の長さ)は、記録磁界が大きく取れるよう大きめに設定することが可能である。本実施例では、幅を120nm、厚さを80nmとすることで、約0.8MA/mの記録磁界が得られている。
リップ8は、主磁極5と飽和磁化が同じ又は大きな材料を用い、主磁極5からの磁界がFGL2の層方向に垂直となるよう3D磁界解析ソフトを用いてリップ8の厚さ設計を行った。本実施例におけるリップ8の厚さは、5nmであったが、この値は、前述の長方形の形状、対向磁極までの距離と状況、用いる媒体の状況、図面上方における磁気回路の状況に依存する。FGL2は、飽和磁化が大きく、結晶磁気異方性がほとんどない厚さ20nmのCoFe合金とした。
FGL2では、層に沿った面内で磁化が高遠回転し、ABS面に出現する磁極からの漏れ磁界が、高周波磁界として作用する。FGL2の磁化回転駆動力は、金属非磁性スピン伝導層3を介して対向磁極側リッブ13に反射されて負の垂直磁気異方性体11に留まるスピンによるスピントルクである。このスピントルクは、主磁極5からの漏洩磁界によって発生するFGL2の回転軸に平行な磁化成分が小さくなる方向に作用する。このスピントルクの作用を得るには、対向磁極6側から主磁極5側へ高周波励起電流を流す必要がある。この電流方向はまた、金属非磁性スピン伝導層3側からFGL2側に向かうものである。主磁極5から磁界が流入する場合に、FGL2の磁化の回転方向は高周波励起(直流)電流の下流側から見て反時計周りとなっており、主磁極5からの磁界で反転する記録媒体の磁化の歳差運動方向と同じ向きの回転磁界を印加することができる。主磁極5へ磁界が流入する場合には、FGL2の磁化の回転方向は高周波励起(直流)電流の下流側から見て時計周りとなり、主磁極5への磁界で反転する記録媒体の磁化の歳差運動方向と同じ向きの回転磁界を印加することができる。したがって、FGL2の円偏光高周波磁界は、主磁極5の極性によらず、主磁極5による磁化反転をアシストする効果がある。実施例1と同様、非特許文献2に記載された形式の高周波磁界発生器では主磁極5の極性によってスピントルクの向きが変わらないため、このような効果を得ることはできない。
図11Aに示す高周波磁界発生器201構成は、図10Aに示された高周波磁界発生器201の構成に比べて、スピントルクが負の垂直磁気異方性体11に作用する為、より高い周波数での動作が安定で、発振の立ち上がりも早くなる傾向がある。金属非磁性スピン伝導層3には、2nm−Cuを用いたが、スピン伝導性の高い金属非磁性体であるRu等を用いても良い。負の垂直磁気異方性体11は、六方晶CoIrの001面が図中の左右方向となるようにし、磁気異方性の大きさは6.0×105J/m3であった。負の垂直磁気異方性を有する磁性体をFGL2と隣接させることにより、FGL2の磁化方向を回転軸と垂直方向に留める作用が強化される。この作用は、負の垂直磁気異方性を有する磁性体として知られているα’−FeC,dhcpCoFe,NiAs型MnSb等でも同様に期待できる。FGL2にCoFe合金を用いているので、α’−FeCやdhcpCoFeを用いてもCoIrと同様大きな交換相互作用が働き、磁化方向を回転軸と垂直方向に留める作用が強くなる。また、FGL2として、負の垂直磁気異方性を有する(Co/Fe)n人工格子膜を用いると、CoFe合金と同程度の磁化を有するため、負の垂直磁気異方性体11を設けなくても磁化回転が安定化し、良好な発振特性が得られる。金属非磁性スピン散乱体12には、3nm−Ptを用いた。Pdを用いても同様な作用がある。対向磁極側リップ13には、10nmCoFe合金を用いた。金属非磁性スピン伝導層3に接する対向磁極側リップ13を(Co/Ni)n人工格子膜のような比較的弱い垂直磁気異方性を有する材料を用いるとFGL磁化回転が安定化する。スピントルクは、高周波励起電流(電子流)が大きくなるほど大きくなり、また、リップ8と金属非磁性スピン伝導層3の間に分極率の大きなCoFeB層を1nm程度挿入すると大きくなる。
記録媒体7には、基板19上に、下部記録層18として磁気異方性磁界が2.4MA/m(30kOe)の10nmCoCrPt−SiOx層、上部記録層17として磁気異方性磁界が1.4kA/m(17kOe)の6nm−(Co/Pt)−SiOx人工格子層を用いた。強磁性共鳴による吸収線幅の測定の結果、上部記録層17と下部記録層18のダンピングコンスタントαは、それぞれ0.20と0.02であった。Pt層やPd層があるとαを大きくでき、磁化反転速度を速めることができる。スパッタリングにより連続膜を形成した後、ナノインプリント技術により、トラック方向の長さが25nmでトラックピッチが35nmのディスクリートトラック媒体を作製した。スピンスタンドを用い、ヘッド媒体相対速度20m/s、磁気スペーシング5nm、トラックピッチ35nmとして磁気記録を行い、さらにこれをシールド間隔25nmのGMRヘッドにより再生した。
高周波励起電流を変化させて1250kFCIでの信号/ノイズ比を測定したところ、最大13.0dBが得られ、1平方インチあたり1.8Tビットを超える記録密度の記録再生が十分達成可能であることがわかった。このときの高周波周波数は27.0GHzであった。比較の為に、ディスクリートトラック加工する前の媒体について、ヘッド媒体相対速度20m/s、磁気スペーシング5nm、27.0GHzで記録再生特性を測定した。トラック形成前の状態で、トラックピッチを変えて信号を記録したところ、トラックピッチ40nmのところで、1250kFCIでの信号/ノイズ比が13.0dBよりも大きくなった。この結果から、連続媒体においても、1平方インチあたり1.5Tビットを超える記録密度の記録再生が十分達成可能であることがわかった。
以上説明した記録ヘッド及び記録媒体を図13A及び図13Bに示す磁気ディスク装置に組み込んで、性能評価を行ったところ、3枚の2.5インチ磁気ディスクの各面にそれぞれ、連続媒体で0.8Tバイト(1平方インチあたり1.3Tビット)、合計記録容量5Tバイト、また、ディスクリートトラック媒体で1.2Tバイト(1平方インチあたり1.7Tビット)、合計記録容量7Tバイトの高周波回転磁界を利用した情報記録再生装置が得られた。本実施例で用いたFGL構造は電流に対して垂直な断面のアスペクト比が比較的自由に設定できる為、用いる記録媒体に最適な構造を有する主磁極からの漏洩磁界に応じた設計が可能である。
[実施例3]
図12A及び図12Bは、本発明による記録ヘッド及び記録媒体の第3の構成例を示す図である。本構成例で用いる主磁極5、対向磁極6、及びその図面上方と左方の構成は、第1の構成例と同じものを用いるものとする。主磁極5に隣接して層状に、リップ8、金属非磁性スピン伝導層3、FGL(磁化高速回転体)2、金属非磁性スピン散乱体12、対向磁極側リップ13を経て対向磁極6にいたる。尚、リップ8から対向磁極側リップ13までは、図面左右方向に伸びる柱状構造で、断面がABS面に沿った辺が対向辺に比べて短い台形のトラック幅方向の端を媒体面に垂直な面で切り落とした6角形状をしている(図12B)。当該6角形状とすることにより、トラック幅方向の形状異方性を維持したまま、FGL磁界の楕円率と反転アシスト有効AC磁界のピーク位置を一致させることができ、良好な書き込み特性が期待できる。
当該6角形状のABS面に沿った辺の長さwは、記録トラック幅を決定する重要な因子であり、本実施例では15nmとした。リップ8は、主磁極5と飽和磁化が同じ又は大きな材料を用い、主磁極5からの磁界がFGL2の層方向にできるだけ垂直となるよう3D磁界解析ソフトを用いてリップ8の厚さ設計を行った。本実施例におけるリップ8の厚さは、8nmであったが、この値は、前述の6角形状、対向磁極までの距離と状況、用いる媒体の状況、図面上方における磁気回路の状況に依存する。
FGL2は、飽和磁化が大きく、結晶磁気異方性がほとんどない厚さ25nmのCoFe合金とした。また、FGL2として、負の垂直磁気異方性を有する(Co/Fe)n人工格子膜を用いると、CoFe合金と同程度の磁化を有するため、磁化回転が安定化し、良好な発振特性が得られる。FGL2では、層に沿った面内で磁化が高速回転し、ABS面及び、側面に出現する磁極からの漏れ磁界が、高周波磁界として作用する。FGL2の磁化回転駆動力は、金属非磁性スピン伝導層3を介してリップ8に反射されたスピンによるスピントルクである。このスピントルクは、主磁極5からの漏洩磁界によって発生するFGL2の回転軸に平行な磁化成分が小さくなる方向に作用する。このスピントルクの作用を得るには、主磁極5側から対向磁極6側へ高周波励起(直流)電流を流す必要がある。この電流方向はまた、金属非磁性スピン伝導層3側からFGL2側に向かうものである。主磁極5へ磁界が流入する場合には、FGL2の磁化の回転方向は高周波励起(直流)電流の上流側から見て時計周りとなり、主磁極5への磁界で反転する記録媒体の磁化の歳差運動方向と同じ向きの回転磁界を印加することができる。したがって、FGL2の円偏光高周波磁界は、主磁極5の極性によらず、主磁極5による磁化反転をアシストする効果がある。実施例1と同様に、非特許文献2に記載された形式の高周波磁界発生器本効果では主磁極5の極性によってスピントルクの向きが変わらないため、このような効果を得ることはできない。
スピントルク作用は、高周波励起電流(電子流)が大きくなるほど大きくなり、また、金属非磁性スピン伝導層3と隣接する層との間に分極率の大きなCoFeB層を1nm程度挿入すると大きくなる。
金属非磁性スピン伝導層3には、2nm−Cuを用いたが、スピン伝導性の高い金属非磁性体であるRu等を用いても良い。金属非磁性スピン散乱体12には、3nm−Ptを用いた。Pdを用いても同様な作用がある。対向磁極側リップ13には、15nmCoFe合金を用いた。
記録媒体7には、上部記録層17として磁気異方性磁界が2.8MA/m(34kOe)の6nm−(Co/Pt)人工格子層、下部記録層18には磁気異方性磁界が4.8MA/m(60kOe)の6nm−FePt層を用いた。強磁性共鳴による吸収線幅の測定の結果、上部記録層17と下部記録層18のダンピングコンスタントαは、それぞれ0.20と0.02であった。磁性体にPtやPdのリッチ領域が接触すると、当該領域に磁化が誘導されて磁化の向きの変化を制動するように働くため、ダンピング定数α大きくできる。人工格子構造を用いなくてもPt組成の大きなCoCrPt磁性体では、ダンピング定数αが大きくなっている。書き込みヘッド部200に近い位置に上部記録層17として相対的に磁気異方性が小さく、αが大きな材料を用いることにより、低い周波数で高速反転が可能であり、かつ熱揺らぎに強い記録媒体が実現できる。
スパッタリングにより連続膜を形成した後、EBマスタリングにより、トラック方向の長さが15nmでダウントラック方向が9nmの磁性体パターンを、トラックピッチ20nm、ビットピッチ12.5nmで配置するようにエッチングした。パターン間の間隙21にはSiOxを埋包した。スピンスタンドを用い、ヘッド媒体相対速度20m/s、磁気スペーシング5nm、トラックピッチ20nmとして磁気記録を行い、さらにこれをシールド間隔20nmのGMRヘッドにより再生した。高周波励起電流を変化させて発振周波数を変え1000kFCIでの信号/ノイズ比を測定したところ、最大15dBが得られ、1平方インチあたり2Tビットを超える記録密度の記録再生が十分達成可能であることがわかった。このときの高周波周波数は28GHzであった。
以上説明した記録ヘッド及び記録媒体を図13A及び図13Bに示す磁気ディスク装置に組み込んで、性能評価を行ったところ、2枚の2.5インチ磁気ディスクの各面にそれぞれ、1.0Tバイト(1平方インチあたり2Tビット)、合計記録容量4Tバイトの高周波回転磁界を利用した情報記録再生装置が得られた。本実施例で用いた2層媒体は、磁気異方性の小さな上層部17に合わせた記録周波数で書込みを行うため、磁気異方性の大きな下層部18をより大きな磁気異方性とすることにより、さらに高い記録密度が達成可能である。この際には、図12Bのトラック密度を決定する幅wを小さくし、より高密度なパターンの記録媒体に書き込むようにするとよい。
[実施例4]
図14A及び図14Bは、本発明による記録再生装置の第4の構成例を示す図である。高周波駆動電極322に隣接して層状に、垂直磁気異方性体A(スピン注入層)308、金属非磁性スピン伝導層303、FGL(磁化高速回転体)302、金属非磁性スピン散乱体312、磁化記録層316、非磁性スピン伝達層313、垂直磁気異方性体B(検出層)320を経て検出電極321にいたる。尚、垂直磁気異方性体A308から垂直磁気異方性体B320までは、図面上下方向に伸びる柱状構造で、断面がほぼ正方形をしている。当該正方形とすることにより、FGL302から磁化記録層316へ印加される磁界をほぼ楕円率r=1とすることができる。正方形の一辺の長さは10nmとした。金属非磁性スピン伝導層303とFGL(磁化高速回転体)302との間に、負の垂直磁気異方性体311を挿入すると、FGLの磁化回転が安定化する(図14B)。垂直磁気異方性体A(スピン注入層)308及び、垂直磁気異方性体B(検出層)320は、図面上下方向に大きな垂直磁気異方性を有しており、初期段階で磁化した後は、磁化の向きは変化しない。
図14A及び図14Bにおいて、垂直磁気異方性体A308及び、垂直磁気異方性体B320の磁化方向は同一方向に示してあるが、垂直磁気異方性体A308と垂直磁気異方性体B320との磁気異方性磁界の大きさを変え、着磁磁界を制御することにより、逆向きとすることも可能である。磁化が逆向きの場合、本発明による記録再生装置が外界に及ぼす磁界の影響が低減する。垂直磁気異方性体A308及び、垂直磁気異方性体B320には、垂直磁気異方性磁界が0.8MA/m(10kOe)から1.2MA/m(15kOe)のCoCrPt系合金を用いた。FGL302は、飽和磁化が大きく、結晶磁気異方性がほとんどない厚さ25nmのCoFe合金とした。また、FGL30として、負の垂直磁気異方性を有する(Co/Fe)n人工格子膜を用いると、CoFe合金と同程度の磁化を有するため、磁化回転が安定化し、良好な発振特性が得られる。FGL302では、層に沿った面内で磁化が高速回転し、側面に出現する磁極からの漏れ磁界が、高周波磁界として磁化記録層316に作用する。FGL302の磁化回転駆動力は、金属非磁性スピン伝導層303を介して垂直磁気異方性体A(スピン注入層)308から注入又は反射されたスピンによるスピントルクである。スピンの注入又は反射は、高周波駆動電極322と金属非磁性スピン散乱体312間に印加する電流の向きに依存する。本電流が大きいほどスピントルクが大きくなりFGL302の発振周波数が大きくなる。さらに、本電流の向きによってFGL302の磁化回転方向が変わるため、円偏光高周波磁界の回転方向が変化し、磁化記録層316の磁化のスイッチが制御可能となる。
スピントルク作用は、金属非磁性スピン伝導層303と隣接する層との間に分極率の大きなCoFeB層を1nm程度挿入すると大きくなる。金属非磁性スピン伝導層303には、2nm−Cuを用いたが、スピン伝導性の高い金属非磁性体であるRu等を用いても良い。特に、負の垂直磁気異方性体311としてCoIrを用いる場合には、Ruを用いると垂直磁気異方性体A308、金属非磁性スピン伝導層303、負の垂直磁気異方性体311のエピタキシャル成長が期待できる。金属非磁性スピン散乱体312は、FGL302と磁化記録層316とのスピンによる相互作用をブロックする作用のほかに、接地電極として高周波駆動電極322との間に書込み回路、検出電極321との間に検出回路を形成している。金属非磁性スピン散乱体312には、3nm−Ptを用いた。Pdを用いても同様な作用がある。
磁化記録層316は、厚すぎるとFGL302の磁界の影響を受けにくくなるので、断面となる正方形の1辺の長さ程度に抑える必要がある。一方、磁化記録層316は、記録磁化を熱揺らぎに対抗して保持し続ける必要がある。したがって、前述の垂直磁気異方性体A308及び、垂直磁気異方性体B320と同等以上の垂直磁気異方性エネルギーが必要である。本実施例では2.8MA/m(34kOe)の6nm−(Co/Pt)人工格子層を用いたが、FePt,CoPt系合金を用いても良い。磁化記録層316の磁化状態の検出には、非磁性スピン伝達層313を介して垂直磁気異方性体B(検出層)308へ流れる電流の抵抗変化をTMR又はGMR効果として観測すればよい。TMR効果を利用する場合には非磁性スピン伝達層313としてMgO、GMR効果を利用する場合には非磁性スピン伝達層313としてCuを用いるのが良い。
図14A及び図14Bに示す記録再生素子を集積化する方法を、図15A〜図15Eを用いて示す。図15A〜図15Eでは、3×3の場合を例にとって示しているが、任意数の格子を形成しても原理的に問題はない。FGL302、金属非磁性スピン伝導層303、垂直磁気異方性体A308、負の垂直磁気異方性体311、非磁性スピン伝達層313、磁化記録層316、垂直磁気異方性体B320のパターンは、図15Eに示すように、10nmの正方形で、25nmピッチの格子を組んでおり、記録密度は、1平方インチあたり1Tビットとなっている。
以上説明した記録再生素子を0.25mm×0.25mmの領域に作成し(10000×10000素子)、性能評価を行ったところ、平均下記書き込み時間3nsの10Mバイト磁性メモリが得られた。
図15B〜図15Dには、それぞれ高周波駆動電極322、金属非磁性スピン散乱体312、検出電極321の電極パターンを示している。情報の記録時には、記録ビットに対応する高周波駆動電極322と金属非磁性スピン散乱体312とを選択し、必要な向きに電流を流す。情報の再生時には、記録ビットに対応する検出電極321と金属非磁性スピン散乱体312とを選択し、電流の向きによって変化する抵抗値を測定して磁化方向を判定する。1024×1024の素子を試作し電流値を変えてエラーレートを測定したところ、記録時の高周波周波数が20GHzから32GHzの間でエラーは検出されなかった。
1 垂直磁気異方性体A
2 FGL
3 金属非磁性スピン伝導層
4 垂直磁気異方性体B(スピン注入層)
5 主磁極
6 対向磁極
7 記録媒体
8 リップ
11 負の垂直磁気異方性体
12 金属非磁性スピン散乱体
13 対向磁極側リップ
14 サイドシールド
15 金属非磁性スピン伝導層
16 記録層
17 上部記録層
18 下部記録層
19 基板
21 パターン間の間隙
56 第1の上部記録層
57 第2の上部記録層
58 下部記録層
65 第1の上部記録層
66 第2の上部記録層
67 第3の上部記録層
200 記録ヘッド
201 高周波磁界発生器
202 高周波磁界検出器
203 高周波磁界検出器
205 コイル
206 補助磁極
207 GMR素子
208 シールド膜
209 絶縁膜
25 プラス電極
26 マイナス電極
27 プラス電極
28 マイナス電極
31 反強磁性層
32 固定磁性相
33 CoFeB
35 絶縁層(MgO)
36 CoFeB
37 自由層
101 記録媒体
102 スライダ
103 ロータリアクチユエータ
104 回転軸受け
105 アーム
106 サスペンション
108 筐体
109 記録再生部
302 FGL
303 金属非磁性スピン伝導層
312 金属非磁性スピン散乱体
308 垂直磁気異方性体A(スピン注入層)
311 負の垂直磁気異方性体
313 非磁性スピン伝達層
316 磁化記録層
320 垂直磁気異方性体B(検出層)
321 検出電極
322 高周波駆動電極

Claims (7)

  1. ユーザデータが格納される磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に記録動作を行う記録ヘッド部を備えた磁気ヘッドとを有し、高周波磁界と前記ユーザデータに対応する記録磁界とを前記磁気記録媒体に印加することで前記磁気記録媒体に磁気共鳴状態を形成して記録を行う情報記録装置において、
    前記記録ヘッド部は、
    前記記録磁界を発生する記録磁極と、
    前記記録磁極のトレーリング側ないしリーディング側に、前記記録磁極から離間して設けられた対向磁極と、
    前記記録磁極と前記対向磁極の間に設けられた、前記高周波磁界を発生する多層膜とを有し、
    前記多層膜の、当該多層膜に流れる電流方向に垂直な断面形状は、当該多層膜全体にわたって浮上面に沿った方向が長い長方形であることを特徴とする情報記録装置。
  2. 請求項1に記載の情報記録装置において、
    前記多層膜は、当該多層膜の積層方向に対する前記記録磁極側の断面積の大きさが対向磁極側の断面積よりも小さいことを特徴とする情報記録装置。
  3. 請求項に記載の情報記録装置において、
    前記多層膜は前記記録磁極側に段差構造を有し、前記段差構造により前記記録磁極側の断面積と前記対向磁極側の断面積の相違が形成されていることを特徴とする情報記録装置。
  4. 請求項に記載の情報記録装置において、
    前記多層膜は前記対向磁極側から前記記録磁極側に向かうテーパ部を有し、前記テーパ部により前記記録磁極側の断面積と前記対向磁極側の断面積の相違が形成されていることを特徴とする情報記録装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の情報記録装置において、
    前記磁気記録媒体が、ディスクリートトラック媒体であることを特徴とする情報記録装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の情報記録装置において、
    前記磁気記録媒体が、ビットパタン媒体であることを特徴とする情報記録装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の情報記録装置において、
    前記多層膜は、FGLと金属非磁性スピン伝導層を有し、電流は前記金属非磁性スピン伝導層から前記FGLの方向に向かって流れるようにされていることを特徴とする情報記録装置。
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