JP2013242934A - 磁気ヘッド及び磁気記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い強度のAC磁界を磁気記録媒体の記録層へ与えることが可能なマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気ヘッドを提供する。
【解決手段】高周波磁界発生素子を用いたマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気記憶装置用の磁気ヘッドにおいて、高周波磁界発生素子は、記録の際に磁気記録媒体に面する高周波磁界発生層FGLを有し、磁気記録媒体のトラック方向(x方向)から見たときの高周波磁界発生層FGLの底面の幅をw、高さをhとした場合、h≧2wとする。
【選択図】図1
【解決手段】高周波磁界発生素子を用いたマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気記憶装置用の磁気ヘッドにおいて、高周波磁界発生素子は、記録の際に磁気記録媒体に面する高周波磁界発生層FGLを有し、磁気記録媒体のトラック方向(x方向)から見たときの高周波磁界発生層FGLの底面の幅をw、高さをhとした場合、h≧2wとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気ヘッド、および該磁気ヘッドを搭載した磁気記憶装置に関する。
インタネット環境の進化、クラウドコンピューティングの浸透などによるデータセンタの増設などにより、生成される情報量が近年急増している。記録密度が最も高く、ビットコストに優れた磁気ディスク装置(HDD)などの磁気記憶装置が”ビッグデータ時代”のストレージの主役であることは間違いない。このためには、磁気記憶装置の大容量化、それを支える高密度化が必須である。現在、磁気記憶装置は、主磁極・シールド磁極型の磁気記録ヘッドと磁性層表面層(キャップ層とも呼ばれる)における結晶磁気異方性エネルギーを小さくして記録し易さを飛躍的に改善したECC(Exchange Coupled Composite)媒体と呼ばれる磁気記録媒体による垂直磁気記録方式の性能向上により、高密度化を達成してきた。高密度化の基本はスケーリング則で、磁気ヘッドのトラック幅、ヘッド・磁気記録媒体間のスペーシング、磁気記録媒体の結晶粒などを小さくする事が必須である。しかし磁気記録媒体の結晶粒を小さくすると、磁化状態を保とうとする上記異方性エネルギーが小さくなり、熱擾乱により、記録された磁化状態が乱されやすくなる。この現象は超常磁性効果と呼ばれ、非特許文献1に記載されているように、1 Tb/in2程度の時代になると現状方式の単なる延長では実用限界の壁があるとされる。高密度化のためにはこれを越える技術を開発することが最大の課題となっている。
これに対して特許文献1では、外部に設けた高周波源を磁気ヘッドの動きに追従させることで、磁気共鳴条件を満たす高周波磁界を磁気記録媒体に供給し、磁気記録媒体のスピンが高周波磁界のエネルギーを吸収して保磁力が実効的に低下することを利用して、磁気記録媒体の温度を事実上上昇させることなく高保磁力媒体にも低磁界で書き込みが行えるスピン加熱記録方法が提案されていた。近年、スピントルクによって高速回転し高周波磁界を発生する、高周波磁界発生層FGL(Field Generation Layer)を利用した微小構造の実用的なスピントルク型高周波磁界発生素子(STO:Spin Torque Oscillator)が非特許文献2で提案され、次いで非特許文献3では、同種の構造の高周波磁界発生素子STOを垂直磁気ヘッドの主磁極に隣接して配置し、STOからのマイクロ波帯域の高周波磁界で媒体磁化の才差運動を励起しスウィッチング磁界を下げながら磁気異方性の大きな磁気記録媒体に情報を磁気記録し高密度化を図るマイクロ波アシスト記録方式が開示された。より詳しくは、例えば特許文献2や特許文献3では、低い保磁力を有するスピントルク型高周波磁界発生素子STOを垂直磁気ヘッドの主磁極に隣接して配置、もしくはさらにシールド(補助磁極)を設けて主磁極との間に配置する構造とすることにより、安定した高周波磁界アシスト記録を可能する磁気ヘッドが提案されている。ここで、STOは主磁極の磁気記録媒体走行方向側もしくは反対側に設ける構造や、STO膜の積層方向が磁気記録媒体移動方向に対して略垂直、並行な方向の構造も開示されている。また、特許文献4には、FGL積層膜の底面のトラック幅方向端部に、浮上面(ABS面:磁気ヘッドの情報記録媒体に対する対向面)からの後退部を設ける、FGL積層膜の断面形状(電流が流れる方向に垂直な面)を逆台形とする、又は、その断面積を主磁極側から離れるに従い増大させることにより、FGL幅の狭小化に伴うオーバライト特性の悪化あるいはジッターノイズの増大を抑制する方法が記載されている。その基本的な考え方は、AC磁界においてFGL側面から発生する成分の割合が増大することにより、AC磁界の偏光における、所望の磁化反転に寄与する成分と反転した磁化を再逆転させる成分のバランスの崩れを抑制することである。
Y. Shiroishi,et al,"Future Options for HDD Storage", IEEE Trans. Magn., Vol.45, no.10, pp3816−3822 (2009).
X.Zhu and J.−G.Zhu, "Bias−field−free microwave oscillator driven by perpendicularly polarized spin current" IEEE Trans. Magn., vol.42, pp.2670−2672, 2006.
J−G.Zhu, X.Zhu, and Y.Tang, "Microwave Assisted Magnetic Recording", IEEE Trans. Magn., Vol. 44, no.1, pp125−131 (2008).
高周波磁気発生素子(STO)を用いたマイクロ波アシスト記録方式(MAMR)は従来方式に比べて磁気ヘッドの小型化が可能であり、高記録密度化に有望と思われる。そこで本発明者らは、高周波発生素子を搭載した磁気記憶装置を従来装置と同様の種々の環境条件で鋭意検討、試験をしたところ、実用化に向けて以下の課題があることが判明した。
マイクロ波アシスト記録(MAMR)における記録密度限界向上効果は、AC磁界強度に依存し、従来ECC媒体を適用した垂直磁気記録を超える記録密度を達成するためには磁気記録媒体の記録位置において例えば1kOeを超える強いAC強度が必要である。AC磁界は、前述のように磁気ヘッド−磁気記録媒体間隙を隔てて磁気記録媒体に対向して記録ヘッドの主磁極−対向磁極の間に設けられたスピントルク型高周波磁界発生素子(STO)中の高周波磁界発生層(FGL)から発生される。MAMRでは、主磁極からの磁界では媒体磁化は反転せず、AC磁界が印加された領域でのみ媒体磁化が反転するアシストによる選択的反転が生じることが望ましい。この場合トラック幅はAC磁界分布の幅、即ちFGL幅により規定されるため、記録密度を上げるためにはFGL幅を縮小する必要がある。一方、磁気記録では、ヘッド−磁気記録媒体間の間隙や磁気記録媒体の厚さをトラック幅即ちヘッド磁極等の幅と比例して縮小する(スケーリングする)ことが難しくなっている。これは、上記間隙は既に10nm以下に達してヘッド及び磁気記録媒体の保護膜の厚さの合計にほぼ近づいていること、又、磁気記録媒体をこれ以上薄膜化するとその熱安定性が低下してしまうことによる。以上、MAMRにおいて記録トラック幅を狭めて記録密度を増大するには、ABS面から一定距離離れた磁気記録媒体位置でのAC磁界を十分な強度を維持しつつその分布幅を狭める必要があるが、そのためにFGL幅を縮小すると、図3に示すように磁場の分布も比例縮小してしまうため、磁気記録媒体位置におけるAC磁界は減少してしまう。なお、図3は従来の磁気記憶装置の課題を説明するための模式図であり、左図はFGLが大きい場合の磁場分布、右図はFGLが小さい場合の磁場分布を示す。
この現象は、AC磁界によるアシスト効果を用いない従来垂直磁気記録方式(PMR)において記録ヘッドの主磁極幅を狭めることにより記録磁界が減少する問題と同様である。しかし、磁気記録媒体側から見たFGLの大きさは上記主磁極に比べて極めて小さいため、ヘッドABS面から離れるにつれAC磁界強度が減衰する度合いは上記記録磁界の減衰の度合いより大きい。このため、記録密度を増大しようとしたとき、媒体記録層の内部までMAMRの効果を維持することは一層困難となる。
一方、FGL磁化がその膜厚方向に一様に才差運動を行うならば、AC磁界強度はFGL膜厚を増大することにより増大する。しかしながら、スピントルク電流による電子スピンの磁性体中でのスピン拡散長は1nm程度と極めて小さく、FGL内におけるその作用領域がFGLの固定層側界面近傍に限定されるため、FGLが厚いと膜全体の磁化に才差運動を誘起することが困難となる。このため、FGLの膜厚を厚くすることには上限がある。又、FGLの飽和磁化は材料により制約され、現在検討されている材料において既に上限に達している。
しかしながら、上記文献では、スピン注入によるスピントルク効果を用いた新構造の高周波発生素子を用いて実際の磁気記憶装置に適用した場合の問題点、特にその必要なAC磁界強度と高周波発生素子構造の関係については十分に検討されておらず、又、性能上の限界についても開示されていない。
本発明の目的は、高い強度のAC磁界を磁気記録媒体の記録層へ与えることが可能なマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気ヘッド及び記録密度の向上が可能な磁気記憶装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
高周波磁界発生素子を用いたマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気記憶装置用の磁気ヘッドにおいて、
前記高周波磁界発生素子は、記録の際に磁気記録媒体に面する高周波磁界発生層を有し、
前記磁気記録媒体のトラック方向から見たときの前記高周波磁界発生層の底面の幅をw、高さをhとした場合、h≧2wの関係にあることを特徴とする磁気ヘッドとする。
高周波磁界発生素子を用いたマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気記憶装置用の磁気ヘッドにおいて、
前記高周波磁界発生素子は、記録の際に磁気記録媒体に面する高周波磁界発生層を有し、
前記磁気記録媒体のトラック方向から見たときの前記高周波磁界発生層の底面の幅をw、高さをhとした場合、h≧2wの関係にあることを特徴とする磁気ヘッドとする。
また、磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体に情報を書き込むための記録磁界を発生する第1の記録磁極と、前記第1の記録磁極と対向して設けられた第2の記録磁極と、前記第1又は第2の記録磁極を励磁するコイルと、前記磁気記録媒体から情報を読み取る磁気再生素子とを少なくとも備える磁気ヘッドとを含み、
記録信号に対応して正負両方向に変調された信号電流を前記コイルに流すとともに、前記磁気記録媒体を前記磁気ヘッドに対してトラック方向に移動させることにより、前記記録信号に対応する情報を前記磁気記録媒体に書き込む磁気記憶装置において、
前記第1及び第2の記録磁極の間に設けられた高周波磁界発生層を有し、
前記高周波磁界発生層の、前記磁気記録媒体面の法線方向の長さをh、前記磁気記録媒体に最も近い部分の前記高周波磁界発生層における前記磁気記録媒体面に平行かつ前記トラック方向と垂直な方向の長さをwとした場合、h≧2wの関係にあることを特徴とする磁気記憶装置とする。
前記磁気記録媒体に情報を書き込むための記録磁界を発生する第1の記録磁極と、前記第1の記録磁極と対向して設けられた第2の記録磁極と、前記第1又は第2の記録磁極を励磁するコイルと、前記磁気記録媒体から情報を読み取る磁気再生素子とを少なくとも備える磁気ヘッドとを含み、
記録信号に対応して正負両方向に変調された信号電流を前記コイルに流すとともに、前記磁気記録媒体を前記磁気ヘッドに対してトラック方向に移動させることにより、前記記録信号に対応する情報を前記磁気記録媒体に書き込む磁気記憶装置において、
前記第1及び第2の記録磁極の間に設けられた高周波磁界発生層を有し、
前記高周波磁界発生層の、前記磁気記録媒体面の法線方向の長さをh、前記磁気記録媒体に最も近い部分の前記高周波磁界発生層における前記磁気記録媒体面に平行かつ前記トラック方向と垂直な方向の長さをwとした場合、h≧2wの関係にあることを特徴とする磁気記憶装置とする。
以上、本発明によれば、高い強度のAC磁界を磁気記録媒体の記録層へ与えることが可能なマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気ヘッド及び記録密度の向上が可能な磁気記憶装置を提供することができる。
本発明者等は、上記目的を達成するための手段について検討した結果、スピントルク型高周波磁界発生素子(STO)の高周波磁界発生層(FGL)の幅に対し、その高さが2倍以上、望ましくは3倍以上とすれば良いことが分かった。本発明はこの知見に基づいており、例えば、
磁気記録媒体と、磁気記録媒体に情報を書き込むための記録磁界を発生する第1の磁極と、前記記録磁極と対向して設けられた第2の磁極と、上記第1又は第2の磁極を励磁するコイルと、磁気記録媒体から情報を読み取る磁気再生素子を少なくとも備える磁気ヘッドを含み、記録信号に対応して正負両方向に変調された信号電流を上記コイルに流すとともに、上記磁気記録媒体を上記磁気ヘッドに対してトラック方向に移動させることにより、上記記録信号に対応する情報を上記記録媒体に書き込む磁気記憶装置において、前記第1及び第2の磁極の間に設けられた高周波磁界発生層(FGL)を有し、上記FGLの、上記磁気記録媒体面の法線方向の長さ(FGL高さ)が、上記磁気記録媒体に最も近い部分の上記FGLにおける上記磁気記録媒体面に平行かつ上記トラック方向と垂直な方向の長さ(FGL幅)の2倍以上とする。
さらに、上記FGL高さを上記FGL幅の3倍以上とする。又は、上記FGLを、FGL高さがFGL幅の2倍以上の略直方体形状とする。
磁気記録媒体と、磁気記録媒体に情報を書き込むための記録磁界を発生する第1の磁極と、前記記録磁極と対向して設けられた第2の磁極と、上記第1又は第2の磁極を励磁するコイルと、磁気記録媒体から情報を読み取る磁気再生素子を少なくとも備える磁気ヘッドを含み、記録信号に対応して正負両方向に変調された信号電流を上記コイルに流すとともに、上記磁気記録媒体を上記磁気ヘッドに対してトラック方向に移動させることにより、上記記録信号に対応する情報を上記記録媒体に書き込む磁気記憶装置において、前記第1及び第2の磁極の間に設けられた高周波磁界発生層(FGL)を有し、上記FGLの、上記磁気記録媒体面の法線方向の長さ(FGL高さ)が、上記磁気記録媒体に最も近い部分の上記FGLにおける上記磁気記録媒体面に平行かつ上記トラック方向と垂直な方向の長さ(FGL幅)の2倍以上とする。
さらに、上記FGL高さを上記FGL幅の3倍以上とする。又は、上記FGLを、FGL高さがFGL幅の2倍以上の略直方体形状とする。
マイクロ波アシスト磁気記録方式(MAMR)において、スピントルク型高周波磁界発生素子(STO)中の高周波磁界発生層(FGL)の幅に対し、その高さが2倍以上、望ましくは3倍以上とすることにより、記録密度を増大するためにトラックピッチを縮小した場合にも、高い強度のAC磁界を磁気記録媒体記録層へ与えることが可能となり、従って、従来垂直磁気記録方式の超常磁性限界の壁を越えて記録密度を増大することができる。
以下、若干詳細に説明する。
まず、FGLの各面の名称を次のように定義する。本実施の形態によるFGLは略8面体であり、そのABS面に面した(磁気記録媒体に最も近く磁気記録媒体に平行な)面を下面、その対向面を上面、磁気記録媒体のトラック進行方向(x方向)からみた面を正面、その対向面を背面、それ以外の2つの面を側面と呼ぶ。また、上記トラック進行方向をトラック方向又はFGL厚さ方向、磁気記録媒体面に平行でトラック方向と垂直な方向をクロストラック方向又はFGL幅方向(y方向)、磁気記録媒体面法線方向をFGL高さ方向(z方向)と呼ぶ。
まず、FGLの各面の名称を次のように定義する。本実施の形態によるFGLは略8面体であり、そのABS面に面した(磁気記録媒体に最も近く磁気記録媒体に平行な)面を下面、その対向面を上面、磁気記録媒体のトラック進行方向(x方向)からみた面を正面、その対向面を背面、それ以外の2つの面を側面と呼ぶ。また、上記トラック進行方向をトラック方向又はFGL厚さ方向、磁気記録媒体面に平行でトラック方向と垂直な方向をクロストラック方向又はFGL幅方向(y方向)、磁気記録媒体面法線方向をFGL高さ方向(z方向)と呼ぶ。
FGLはほぼ上記FGL厚さ方向(トラック方向、x方向)に磁気異方軸を有する強磁性体からなり、上記磁気異方軸にほぼ平行に外部磁界を加えたとき、その磁化が上記磁気異方軸の周りに才差運動を行うことによりAC磁界を発生する。上記才差運動はダンピングにより減衰し停止してしまうが、これを防ぐため、通常FGLに隣接して金属中間層を挟んでFGLとほぼ同じ方向に磁気異方性を有する強磁性体(固定層と呼ぶ)を設ける。固定層は上記外部磁界と同じ方向に磁化される。さらに、上記3つの層を貫通して電子がFGLから固定層へ移動する方向に電流を流す。このとき、固定層磁化と反対向きのスピンを有する電子がFGLの中間層界面付近に蓄積するため、FGL磁化は上記電子スピンから外部磁界と逆方向のスピントルクを受ける。これがダンピングとつりあい、FGL磁化は磁気異方軸と平行状態に至ることなく、外部磁界を受けて才差運動を続ける。
才差運動するFGL磁化は、FGL表面の各面に磁荷を誘起し、その周囲に高周波磁界を発生する。ここで、簡単のため磁化が磁気異方軸と一定角を保ち才差運動すると仮定すると、正面及び背面に誘起される磁荷は一定で高周波磁界に寄与しないので、以下、上下面及び側面に誘起される磁荷だけを論じる。図1は本実施の形態の、図2は従来法の磁気記憶装置の主要部の形状及び動作を説明するための模式図である。まず、FGL磁化がクロストラック方向(y方向)を向いているとき、例えば図2上段に示すように、側面の磁荷により磁気記録媒体位置(FGLの下方)にクロストラック方向(−y方向)の磁界が生じる。又、FGL磁化が磁気記録媒体面法線方向(−z方向)を向いているとき、例えば図2下段に示すように、上下面の磁荷によりトラック方向(x方向、−x方向)の磁界が磁気記録媒体位置(FGLの真下を除く)に生じる。ここで、FGL内部の磁化が一様であると仮定すると、上記各磁界の大きさは、各面の大きさと各面から磁気記録媒体位置までの距離に依存する。ABS面から磁気記録媒体位置(磁気記録媒体内の1箇所で代表する)までの距離を一定とすると、図2の右側の図に示すように、FGL正面の面積を縮小するのに伴い、磁気記録媒体位置での磁界が減少してしまう。
これに対して、本実施の形態では、図1右上に示すように、正面形状(FGL高さhとFGL幅w)の縦横比を変えて側面(斜線部)の面積を増大することにより、磁化がクロストラック方向(y方向)を向いているとき、磁気記録媒体の位置での磁界を増大することができる。また、同様に図1左上に示すように、正面形状を台形状に変えることにより、側面の面積を増大するとともに、FGL側面の上部(上面に近い側)の磁荷(磁気双極子)のつくる磁界分布がより広範な分布となるため、磁界は磁気双極子から離れた磁気記録媒体位置までより一層届くようになる。また、図1下段に示すように、FGL磁化が磁気記録媒体面法線方向(−z方向)を向いた場合にも、FGL高さhを増大することにより、FGL上下面の磁荷(磁気双極子)のつくる磁界分布がより広範な分布となるため、磁気記録媒体位置におけるトラック方向磁界は増大する。ここで、発明者らの検討によれば、高周波磁界による媒体磁化反転のアシスト効果は、クロストラック方向及びトラック方向に各々線偏光したAC磁界に対して、ほぼ同様である。従って、本実施の形態によれば、磁気記録媒体位置におけるAC磁界強度が増大し、より大きなアシスト効果が得られる。
次に、ACアシスト効果による記録密度向上を達成するために必要なAC磁界強度について説明する。発明者等の検討によれば、ACアシスト効果による媒体磁化の反転機構は以下のとおりである。以下、わかり易く説明するため、単層媒体にクロストラック方向(y方向)に線偏光したAC磁界を加えた場合について述べるが、円偏光の場合も基本的に同様である。図4に様々な設計の磁気記録媒体において、磁気記録媒体を構成する磁性結晶粒に選択的反転が生じる場合の磁化反転指標と熱安定性指標の関係を調べたシミュレーション結果を示す。ここで、磁化反転指標は、規格化した記録信号磁界の時間変化H(t)と、規格化した媒体磁化mのz成分の時間変化mz(t)の差の絶対値の時間平均で定義されるもので、小さいほど良好な記録ができることを示す。又、熱安定性指標は前述の磁気異方性エネルギー(Ku×V)と熱擾乱エネルギー(k×T)の比(多層媒体の場合は各層に対するKuV/kTの和)で定義され、大きいほど熱安定性、熱擾乱に対する耐力が高いことを示す。反転性能と熱安定性はトレードオフの関係にある。ここで、反転性能が高く熱安定性が低い解(type−1、図4の黒丸)と反転性能低く熱安定性高い解(type−2、図4の白丸)に対して、反転前後におけるAC磁界及び媒体磁化の時間変化の様子(シミュレーション結果)を各々図6及び図7に示す。又、図5に上記type−1及びtype−2に対してダンピング係数αと異方性磁界Hkの関係を示す。
反転性能が高く熱安定性が低いtype−1の反転解はαが大きく、比較的ダンピングの大きいため磁化は外部磁界の変化に追随するとともに、強制振動によりAC周波数で振動し、磁化が磁気記録媒体面と略平行となり、運動周波数がAC周波数とほぼ整合して反転する。そこで、反転が、(1)z方向を向いた磁化m が、主磁極からのDC磁界に追随すると同時にAC磁界のy成分(Hac)からトルクを受けて、(AC周期の半分以下の)時間Δt内に角度θまで変化するステップIと、(2)面内磁界からのトルクにより反転するステップII、からなると考える。DC磁界とz軸の成す角をθ1、AC磁界による角度変化分をθ2とすると、θ=θ1+θ2。
一方、反転性能が低く熱安定性は高いtype−2の反転解はαが小さく、磁化は異方性軸を中心とする才差運動を行うが、AC磁界により才差運動の周波数がシフトしてAC周波数とほぼ整合し、かつ両者の位相差が反転促進方向にマッチングすると反転する。即ち、反転は、z方向を軸にある角度で才差運動する磁化mが、AC磁界のy成分及びx成分(Hac)からトルクを受けて、時間Δt内に角度θまで変化するステップIと、上記同様のステップIIからなると考える。このとき、才差運動による磁化とz軸のなす角をθ1、AC磁界による角度変化分をθ2とすると、上記と同様にθ=θ1+θ2。
ここで、θが有効磁界のz成分がほぼ0となる角度とすると、このとき面内方向回転トルクがほぼ0となるため反転時間が十分に確保されてステップIIがほぼ自動的に進むと考えられる。以上より、
Δm=γ・Hac・m・Δt>m sinθ2、
かつ、
Heff=Hk・cosθ+Hext_z+Hd_z+Hexch_z=0、
従って、反転可能な異方性磁界Hkの最大値は、以下の式で表される。なお、Hext_zは外部磁界、Hd_zは反磁界、Hexch_zは交換磁界の各々のz成分を示す。
Hk〜(Hext_z+Hd_z+Hexch_z)/cos(θ1+θ2)。
ここで簡単のため、θ1をStoner−Wohlfarthモデルにおける有効磁界が最大となる45度と仮定すると、
Hk〜20.5・(Hext_z+Hd_z+Hexch_z)/(cosθ2−sinθ2)=20.5・(Hext_z+Hd_z+Hexch_z)/{(1−(γ・Hac・Δt)2)0.5−γ・Hac・Δt}。
上式から、AC磁界(Hac)の存在により、反転可能な異方性磁界Hkの最大値は、
1/{(1−(γ・Hac・Δt)2)0.5−γ・Hac・Δt}
倍に増大する。発明者等の検討によれば、例えば、Hacが1000kOe、AC周波数が30GHz程度のとき、効率的なアシスト効果が得られ、このとき、反転可能な異方性磁界Hkは、上式より、約1.5倍程度増大する。従って、従来垂直磁気記録媒体の平均的なHk、10〜20kOeに対して、MAMRにおいては平均的なHkを約20kOe〜30kOe以上とすることが可能となる。即ち、効率的なアシスト効果を得るためには、AC磁界はおよそ1kOe以上あることが望ましい。
ここで、θが有効磁界のz成分がほぼ0となる角度とすると、このとき面内方向回転トルクがほぼ0となるため反転時間が十分に確保されてステップIIがほぼ自動的に進むと考えられる。以上より、
Δm=γ・Hac・m・Δt>m sinθ2、
かつ、
Heff=Hk・cosθ+Hext_z+Hd_z+Hexch_z=0、
従って、反転可能な異方性磁界Hkの最大値は、以下の式で表される。なお、Hext_zは外部磁界、Hd_zは反磁界、Hexch_zは交換磁界の各々のz成分を示す。
Hk〜(Hext_z+Hd_z+Hexch_z)/cos(θ1+θ2)。
ここで簡単のため、θ1をStoner−Wohlfarthモデルにおける有効磁界が最大となる45度と仮定すると、
Hk〜20.5・(Hext_z+Hd_z+Hexch_z)/(cosθ2−sinθ2)=20.5・(Hext_z+Hd_z+Hexch_z)/{(1−(γ・Hac・Δt)2)0.5−γ・Hac・Δt}。
上式から、AC磁界(Hac)の存在により、反転可能な異方性磁界Hkの最大値は、
1/{(1−(γ・Hac・Δt)2)0.5−γ・Hac・Δt}
倍に増大する。発明者等の検討によれば、例えば、Hacが1000kOe、AC周波数が30GHz程度のとき、効率的なアシスト効果が得られ、このとき、反転可能な異方性磁界Hkは、上式より、約1.5倍程度増大する。従って、従来垂直磁気記録媒体の平均的なHk、10〜20kOeに対して、MAMRにおいては平均的なHkを約20kOe〜30kOe以上とすることが可能となる。即ち、効率的なアシスト効果を得るためには、AC磁界はおよそ1kOe以上あることが望ましい。
図8、図9に、各々図2、図1に対応した磁界分布を示す。まず、従来法でABS面から14nmの位置において(図8(a))、正面形状が40nm角の正方形の場合、クロストラック(y)方向、トラック(x)方向ともに1.25kOe以上のAC磁界が得られる。一方これを20nm角正方形に縮小すると、AC磁界分布幅は縮小するが、強度は0.75kOe程度に減少してしまう。さらにABS面から22nmの位置まで離れると(図8(b))、40nm角正方形から20nm角にすることによりAC磁界強度は半分に減少する。次に、図1に示すようにFGLの正面形状を長方形又は台形とした場合の同様の結果を図9に示す。高さを40nmに保ったまま幅を20nmに縮小すると(図9(a)右図)、分布幅は20nm角正方形の場合(図8(a)右図)とほぼ等しいまま、クロストラック(y)方向のAC磁界強度が1kOe近くまで増大する。又、高さと共に、上面の幅も40nmに保ったまま、底面の幅を20nmに縮小すると(図9(a)左図)、やはり分布幅は20nm角正方形の場合とほぼ等しく、クロストラック(y)方向のAC磁界強度が1kOeを超えるとともに、トラック(x)方向の強度も1kOeに増大する。FGLからの距離が22nmの場合にも図1に示すFGL(図9(b))が図2のそれ(図8(b)右図)よりも大きな磁界強度を得ることができる。
さらに広い範囲で縦横比を変えたときの効果を見るために、図10〜図12にFGL高さhを変えたときの、磁気記録媒体領域におけるAC磁界強度分布を簡易的に計算した結果を示す。図10は、浮上面からの距離zが10nm、FGLの幅が20nm、FGLの高さが20nmから80nmに変化したときの磁気記録媒体面(xy平面)におけるAC磁界のトラック方向成分(x方向成分)の2次元強度を並べたもので、黒から白へ強度が0kOeから2kOeに変化することを表わしている。図11はAC磁界のクロストラック方向成分(y方向成分)に対する同様の図、図12は、上記2成分の和に対する同様の図である。例えば、FGLの幅と高さの比を1:4と極端に縦長にした場合、磁気記録媒体内部において非常に大きなピーク強度が得られることがわかる(図12の最下段)。従って、本実施の形態により、トラック幅を40nm以下にしてもACアシスト効果を得ることが可能となる。
なお、従来、FGLの正面形状については、面内に均一で位相のそろった磁化の才差運動を行わせるため、一般的に正方形に近いことが好ましいとされてきた。本実施の形態ではFGL正面形状を変形するため、FGL内の磁化が不均一となる懸念がある。しかしながら、公知のLLG計算等を用いた発明者等の検討によれば、FGLが十分に小さいとき、ほぼ均一な磁化挙動が保たれることがわかった。これは、FGLの大きさが十分小さい場合、系全体の静磁界エネルギーが小さく、磁壁が生じないためである。なお、正面形状は、FGL高さhが幅wより2倍以上、望ましくは3倍以上大きければ、縦長長方形や台形に限るものではなく、側面部が湾曲した形状等としてもよい。但し、磁壁は側面等に極端な屈曲部があると生じやすいので、側面形状は十分に滑らかにすることが好ましい。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
本発明の第1の実施例につて、図13〜図16を用いて説明する。
図13は、本実施例に係る磁気記憶装置(磁気記録再生装置)の構成例の一部である磁気記録再生ヘッドの概略図を示す。磁気記録再生ヘッドは、磁気記録媒体130上をクリアランス101で相対的に100方向(x方向)に走行するスライダ150上に形成された、再生ヘッド部110、記録ヘッド部120を有する。符号151はCVD−C、FCAC(Filtered Cathodic Arc Carbon)などからなるヘッド保護層で、符号152は磁気記録再生ヘッドの浮上面(ABS:Air Bearing Surface)である。スライダ150は、磁気ヘッド磁極部の浮上量が磁気記録媒体全周に亘って10nm程度になるように、Al2O3−TiCセラミックスのABS面を負圧が発生するようにエッチング加工を施したもので、大きさはフェムト型で0.85×0.7×0.23mm程度である。本実施例では、磁気記録再生ヘッドは再生ヘッド部110が先頭で記録ヘッド部120が後方になる向きに磁気記録媒体130が相対的に移動する構成としているが、逆構成であったとしても良く、またヘッド保護層151はなくても良い。
再生ヘッド部110は、シールド層111、再生センサ素子(磁気再生素子)112、上部磁気シールド113と下部磁気シールド114とを有する。再生センサ素子112は磁気記録媒体からの信号を再生する役割を担うもので、その構成としては、TMR(Tunneling Magneto−Resistive)効果、CPP(Current Perpendicular to Plane)−GMR効果、ないしはEMR(Extraordinary Magneto−Resistive)効果を有するもの、更にはSTO(Spin Torque Oscillator)効果を応用したものや、いわゆる差動型であっても良い。その素子幅Trwは、目標とする記録磁界、記録密度に応じて設計、加工され、その大きさは80nmないし5nm程度である。なお同図で出力の取り出し端子は省略して記載してある。
記録ヘッド部120は高周波磁界145を発生するための高周波磁界発生素子140、記録ヘッド磁界121を発生するための第1の記録磁極122、高周波磁界発生素子140の磁化回転方向などを制御するための第2の記録磁極124、記録磁極を励磁するためのCuなどからなるコイル123で構成される。なお、図面上ではコイル123が第1の記録磁極122の左右に分かれて記載されているが、実際は第1の記録磁極122を取り巻くように配置されている。符号125は、第1の記録磁極122と第2の記録磁極124との間の磁気ギャップ部を示す。ここでこれらの記録磁極は、FeCoNi、CoFe合金などの高飽和磁束軟磁性膜をメッキ法もしくはスパッタ法などで形成される。記録に寄与する記録素子の幅Twwは、目標とする記録磁界、記録密度に応じて設計、加工され、その大きさは160nmないし10nm程度である。また構造を適正化して第1の記録磁極と第2の記録磁極の役割を変えてもよい。
高周波磁界発生素子140は、FeCo、NiFeなどの軟磁性合金、CoPt、CoCrなどの硬磁性合金、Fe0.4Co0.6、Fe0.01Co0.99、Co0.8Ir0.2などの負の垂直磁気異方性を有する磁性合金、またCoFeGe、CoMnGe、CoFeAl、CoFeSi、CoMnSiなどのホイスラー合金、TbFeCoなどのRe−TM系アルモファス系合金、Co/Fe、Co/Irなどの磁性人工格子などからなる高周波磁界発生層(FGL)141、Au、Ag、Pt、Ta、Ir、Al、Si、Ge、Ti、Cuなどの非磁性伝導材料などからなる中間層142、更に高周波磁界発生層FGL141にスピントルクを与えるためのスピン注入固定層143などから構成される。非磁性中間層142の膜厚は、高いスピン注入効率を得るために、その膜厚を0.2ないし4nmの程度とすることが好ましく、スピン注入固定層143としては、垂直異方性を持った材料を用いることによりFGL141の発振を安定させることが出来るので、Co/Pt、Co/Ni、Co/Pd、CoCrTa/Pdなどの人工磁性材料を用いることが好ましい。更にFGL141の高周波磁化回転を安定化させるため、スピン注入固定層143と同様の構成の回転ガイド強磁性層をFGL141に隣接して設けても良い。またスピン注入固定層143とFGL141の積層順は逆にしても良い。なお、スピンは直流電源144からFGL141などに供給されるが、図13ではその構造を示す為に電流の供給端子は省略して簡略化して記載してある。
FGL141は、底面(ABS面)におけるクロストラック方向の幅を約20nm、高さを約50nm、上面におけるクロストラック方向の幅を約50nm、厚さを約10nmとした。これらの寸法は、目標とする記録磁界、記録密度に応じて適宜設計、加工調整することが好ましい。例えば、上記FGL141の正面形状は逆台形なので、スライダ加工時の記録ヘッド近傍ラッピング量を小さくすると、上記底面(ABS面)におけるクロストラック方向の幅が減少するので、記録トラック幅を小さくすることができる。但し、これに伴いAC磁界強度が低下し、アシスト効果が減少するので、上記ラッピングは記録特性との兼ね合いで決定することが好ましい。
磁気記録媒体130は、ガラスやNiPメッキAlなどから構成される非磁性基板136上に、FeCoTaZrなどからなる軟磁性下地層135、CoCrPt、L12−Co3Pt基合金、L12−(CoCr)3Pt基合金、L11−Co50Pt50基合金、CoCrB/Pt、CoB/Pd磁性人工格子、L10型FePt、などを主な構成要素とする磁性膜からなる第一、第二の記録層134、133、更にCなどからなる保護層132、及び潤滑層131などから構成される。ここで記録層の少なくとも一層は垂直磁気異方性を持つ材料であることが好ましく、その磁化の共鳴周波数と高周波磁界発生素子140の高周波磁界の発振周波数は大きくは違わないことが好ましい。なお磁気的な結合を制御するための中間層を両層の間に設けてもよい。また軟磁性下地層135と非磁性基板136との間に少なくとも一層の非磁性層を、また軟磁性下地層135と磁性層(記録層)との間にRuなどの少なくとも一層の非磁性中間層やそれに加えて磁性中間層を設けても良い。更に軟磁性下地層135を、Ruなどを介した2層構造としたり、磁性層(記録層)を単層もしくは、3層以上の多層構造としても良い。なお本実施例では、非磁性基板136の片面に磁性層などを設けた例を示したが、これらを非磁性基板136の両面に設けても良い。本実施例では磁気記録媒体130は各ビットが連続して存在する連続媒体の例を示したが、基板上に10nm程度の磁性パターンを設けたパターン媒体でもよい。
図14には、本実施例に係る磁気記憶装置(磁気記録再生装置)の構成例を示す。上位システムからの記録、再生の命令に従い、磁気記録媒体201は所定の回転数でスピンドルモータ200により回転、再生ヘッドにより、予め装置製造工程で磁気記録媒体に記録されたサーボ情報からの信号を用いて磁気記録媒体上の位置を検出し、再生ヘッド部と記録ヘッド部とを含むヘッドスライダ(磁気記録再生素子搭載スライダ)203及びサスペンション204とからなる、磁気ヘッドHGA(Head Gimbal Assembly)205を、アーム202を介してアクチュエータ206で制御することで磁気記録媒体201の所定の記録トラック上に移動(シーク動作)、その位置でフォローイング動作をする。次いでそのトラック上で、情報記録時には、記録信号は、サスペンション204に予め設けられた配線を通じて、R/W−IC、信号処理系などを含む回路系207によって制御されつつ、記録ヘッド部によって磁気記録媒体上の該記録トラックにマイクロ波アシスト方式(MAMR)で記録される。また情報再生時には、再生ヘッド部により信号が再生され、信号処理系での再生、復調信号処理などを経て情報が読み出される。アクチュエータ206がロータリー型のアクチュエータであれば、装置の小型軽量化の点で好ましい。本実施例では、磁気記録媒体201が1個、磁気ヘッドスライダが2個の場合を示したが、磁気記録媒体1個に対し磁気ヘッドスライダが1個でも良く、また磁気記録媒体、磁気ヘッドを目的に応じて複数個に適宜増やしても良い。
図15を用いて、本実施例に係る磁気記憶装置における第1の記録磁極122からの磁界で磁化反転が決まる場合の情報記録動作を模式的に説明する。両極性の記録信号電流をコイル123に流すことにより、第1の記録磁極122、磁気記録媒体130の軟磁性下地層135、第2の記録磁極124を含む磁気回路に磁束を発生する。これにより、磁気記録媒体記録層133及び高周波磁界発生素子140の位置に、記録信号電流の向きに応じた磁界が生じる。また同時に、高周波磁界発生素子140に直流のSTO通電電流149を流す。これにより高周波磁界発生層(FGL)141の磁化が才差運動を行い、高周波磁界145が発生する。磁気記録媒体内において一定強度以上の記録ヘッド磁界(記録磁界)121と高周波磁界145が重畳した記録領域で、上記高周波磁界のアシスト効果により上記記録磁界方向に応じて記録層133が磁化される。記録層133内の矢印137、138は、それぞれ磁気記録媒体に記録された上向き、下向きの磁化を示す。磁気記録媒体130を、第1の記録磁極等を含む記録ヘッド部120に対してトラック方向100に移動させることにより、記録情報に応じた磁化情報がトラック方向に順次記録される。ここで、上記第1の記録磁極122、第2の記録磁極124、軟磁性下地層135の形状と磁気特性を最適設計することにより、上記記録領域における記録ヘッド磁界121の絶対強度と磁気記録媒体面法線と成す角度が各々、10kOe以上、20度〜70度となるようにした。又、高周波磁界発生素子140を最適設計することにより、上記マイクロ波の磁界強度(振幅)と発振周波数が各々、1kOe以上、20〜40GHzとなるようにした。
図16に、磁気記録媒体130に図15で示した記録を行う時の高周波磁界発生素子140の各層の磁化状態を模式的に示す。ここで符号146はスピン注入固定層143の磁化、符号147は高周波磁界発生層(FGL)141の磁化、符号148は高周波磁界発生層(FGL)の磁化147の回転方向、符号149は高周波発生素子に電源144から供給される直流のSTO通電電流149である。磁気記録媒体130の記録層133に記録された上向きの磁化137を下向きに書き換える場合の概念図を図16(a)に示す。この場合には、第1の記録磁極122から、図で下向きの記録磁界121が発生するように記録ヘッドのコイル123に記録信号電流を通電する。このとき、第1の記録磁極122からの磁界の一部が第2の記録磁極124に向けてギャップ部125にも発生する。同図に示すように、スピン注入固定層143、高周波磁界発生層(FGL)141の磁化を図16(a)上で右向きに配向させるのに十分強い発振制御磁界126が発生するように、予め第1の記録磁極122、第2の記録磁極124、磁気ギャップ部125などの構造、材料、更には高周波磁界発生素子140の構造、材料などを設計しておく。同時に、STO通電電流149により、電子がFGL141から中間層を経てスピン注入固定層143へ流れるが、スピン注入固定層内において同固定層磁化と同じ向きのスピンを持った電子の伝導度が、これと逆向きのスピンを持った電子の伝導度より大きいため、固定層磁化と逆向きのスピンを持った電子が中間層で反射され、中間層/FGL界面付近に蓄積する。FGL磁化147は、発振制御磁界126からFGL層面内方向に、上記電子スピンより磁化をFGL面に近付ける方向に、又、FGL141の異方性磁界の符号に応じてFGL面と垂直な方向に、各々トルクを受けることにより、減衰することなく発振制御磁界126を回転軸として才差運動を行う。これにより、磁気記録媒体位置に媒体面内で回転もしくは直線振動する高周波磁界を発生し、この高周波磁界145が下向きの記録磁界121をアシストすることにより磁気記録媒体の上向き磁化137は下向き磁化138に反転、情報の書き換えが行われることになる。なおここで、上記の発振周波数は発振制御磁界とFGLの異方性磁界の和によって決まる。このため例えば軟磁性材料や負の垂直磁気異方性材料でFGLを構成した場合には、その異方性磁界は小さいので、FGLの発振周波数は発振制御磁界126の強さに応じて決まることになる。
次に上記と反対に、記録層133に記録された下向きの磁化138を上向きに書き換える場合について、図16(b)の概念図を用いて説明する。まずスピン注入固定層143及びFGL141に、図16(a)と逆向き(左向き)の強い発振制御磁界126を印加し、スピン注入固定層143及びFGL141の磁化の向きを、図中左向きになるように高速でスウィッチさせる。STO通電電流149の方向は変わらず、先ほどとは逆向きのスピンを持つ電子が中間層/FGL界面付近に蓄積するので、FGL141における発振制御磁界、電子スピン、磁気異方性による実効磁界の向きが図16(a)の場合と全て反対向きとなり、逆方向に才差運動を行う。これにより発生する高周波磁界145が上向きの記録磁界121をアシストすることにより磁気記録媒体の下向き磁化138は上向き磁化137に反転、情報の書き換えが行われることになる。なお上記で適正な調整を行えば、第1の記録磁極と第2の記録磁極の役割を変えることもできる。
図14に示す磁気記憶装置を用い、高周波磁界発生素子のFGLの底面(ABS面)におけるクロストラック方向の幅wを約20nm、高さhを約50nm、上面におけるクロストラック方向の幅を約50nm、厚さを約10nmの逆台形形状としたところ、良好な書き込み特性を得ることができた。これにより、記録密度を向上することができる。
以上、本実施例によれば、高い強度のAC磁界を磁気記録媒体の記録層へ与えることが可能なマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気ヘッド及び記録密度の向上が可能な磁気記憶装置を提供することができる。
本発明の第2の実施例について説明する。なお、実施例1に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用することができる。
本実施例では、MAMR方式において、高AC磁界強度が得られるだけでなく、製造誤差による性能バラツキが小さく、特性の安定した磁気記憶装置の例を説明する。本実施例では、FGLの構造を除いて実施例1とほぼ同様の装置構成を用いるので、以下、FGLの構造についてのみ説明する。
本実施例では、高周波磁界発生素子140のFGL141を、クロストラック方向の幅wが約20nm、高さhが約60nm、厚さが約10nmの直方体とした(トラック方向から見た場合には縦長の長方形)。本実施例では、スライダ加工時のラッピング量が変動しても、クロストラック方向の幅が変化しない。これにより、上記ラッピング量がバラついても、特性が変化することが比較的少ない。
図14に示す磁気記憶装置に上記高周波磁界発生素子を設置して書き込みを行ったところ実施例1以上に良好な書き込み特性を得ることができた。これにより、記録密度を更に向上することができる。又、特性の変化も低減することができた。
以上、本実施例によれば、高い強度のAC磁界を磁気記録媒体の記録層へ与えることが可能なマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気ヘッド及び記録密度の向上が可能な磁気記憶装置を提供することができる。また、特性の変化も低減することができる。
本発明の第3の実施例について図17を用いて説明する。なお、実施例1又は2に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用することができる。
本実施例では、MAMR方式において、高AC磁界強度が得られるだけでなく、製造誤差による性能バラツキが小さく、特性の安定した磁気記憶装置の例を説明する。本実施例では、FGLの構造を除いて実施例1とほぼ同様の装置構成を用いるので、以下、FGLの構造についてのみ説明する。本実施例では、図17に示すように、高周波磁界発生素子140のFGLを正面側からみたときの側面形状を、その媒体面法線方向に対する角度が、浮上面近くでは比較的小さく、浮上面から離れるにつれ増大するように、凹に湾曲したラッパ形状とした。これにより、上記実施例1及び2の長所を両立することができる。
図14に示す磁気記憶装置を用い、上記FGLの底面幅wを20nm(従来の半分)、上面幅を40nm、高さhを40nm、厚さ10nmのラッパ形状としたところ、良好な書き込み特性を得ることができた。これにより、記録密度を向上することができる。
以上、本実施例によれば、高い強度のAC磁界を磁気記録媒体の記録層へ与えることが可能なマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気ヘッド及び記録密度の向上が可能な磁気記憶装置を提供することができる。また、特性の変化も低減することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100:磁気ヘッドの走行方向、101:磁気ヘッドと磁気記録媒体のクリアランス、110:再生ヘッド部、111:シールド層、112:再生センサ素子、113:上部磁気シールド、114:下部磁気シールド、120:記録ヘッド部、121:記録ヘッド磁界、122:第1の記録磁極、123:コイル、124:第2の記録磁極、125:磁気ギャップ部、126:発振制御磁界、130:磁気記録媒体、131:潤滑層、132:保護層、133:多層構造を有する記録層(第二の記録層)、134:第一の記録層、135:軟磁性下地層、136:非磁性基板、137:上向きの磁化、138:下向きの磁化、140:高周波磁界発生素子、141:高周波磁界発生層(FGL)、142:非磁性中間層、143:スピン注入固定層、144:直流電源、145:高周波磁界、146:スピン注入固定層の磁化、147:高周波磁界発生層(FGL)の磁化、148:高周波磁界発生層(FGL)の磁化の回転方向、149:STO通電電流、150:スライダ、151:ヘッド保護層、152:磁気記録再生ヘッド浮上面(ABS)、200:スピンドルモータ、201:磁気記録媒体、202:アーム、203:磁気記録再生素子搭載スライダ(ヘッドスライダ)、204:サスペンション、205:HGA(磁気ヘッド)、206:アクチュエータ、207:回路系。
Claims (11)
- 磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体に情報を書き込むための記録磁界を発生する第1の記録磁極と、前記第1の記録磁極と対向して設けられた第2の記録磁極と、前記第1又は第2の記録磁極を励磁するコイルと、前記磁気記録媒体から情報を読み取る磁気再生素子とを少なくとも備える磁気ヘッドとを含み、
記録信号に対応して正負両方向に変調された信号電流を前記コイルに流すとともに、前記磁気記録媒体を前記磁気ヘッドに対してトラック方向に移動させることにより、前記記録信号に対応する情報を前記磁気記録媒体に書き込む磁気記憶装置において、
前記第1及び第2の記録磁極の間に設けられた高周波磁界発生層を有し、
前記高周波磁界発生層の、前記磁気記録媒体面の法線方向の長さをh、前記磁気記録媒体に最も近い部分の前記高周波磁界発生層における前記磁気記録媒体面に平行かつ前記トラック方向と垂直な方向の長さをwとした場合、h≧2wの関係にあることを特徴とする磁気記憶装置。 - 前記高周波磁界発生層は、前記トラック方向から見た場合、縦に長い逆台形の形状を有することを特徴とする請求項1記載の磁気記憶装置。
- 前記高周波磁界発生層は、前記トラック方向から見た場合、縦に長い長方形の形状であることを特徴とする請求項1記載の磁気記憶装置。
- 前記高周波磁界発生層は、前記トラック方向から見た場合、上向きのラッパ形の形状を有することを特徴とする請求項1記載の磁気記憶装置。
- 前記高周波磁界発生層の前記hと前記wとは、h≧3wの関係にあることを特徴とする請求項1記載の磁気記憶装置。
- 高周波磁界発生素子を用いたマイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気記憶装置用の磁気ヘッドにおいて、
前記高周波磁界発生素子は、記録の際に磁気記録媒体に面する高周波磁界発生層を有し、
前記磁気記録媒体のトラック方向から見たときの前記高周波磁界発生層の底面の幅をw、高さをhとした場合、h≧2wの関係にあることを特徴とする磁気ヘッド。 - 前記高周波磁界発生素子は、スピントルク型高周波磁界発生素子であることを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッド。
- 前記高周波磁界発生層は、前記トラック方向から見た場合、縦に長い逆台形の形状を有することを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッド。
- 前記高周波磁界発生層は、前記トラック方向から見た場合、縦に長い長方形の形状であることを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッド。
- 前記高周波磁界発生層は、前記トラック方向から見た場合、上向きのラッパ形の形状を有することを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッド。
- 前記高周波磁界発生層の前記hと前記wとは、h≧3wの関係にあることを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッド。
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