JP5730226B2 - 磁気ヘッド及びその製造方法、及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド及びその製造方法、及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気ヘッドとその製造方法、及び磁気記録再生装置に係り、特に、磁気記録媒体に高周波磁界を印加することにより磁化反転を誘導する機能を有する磁気記録ヘッドとその製造方法、及びその磁気記録ヘッドを備える磁気記録再生装置に関するものである。
HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録再生装置において、面記録密度を上げるには記録能力を向上させることが重要である。そのため、最近、熱や高周波磁界の印加により記録時に一時的に磁気記録媒体の保磁力を低下させるアシスト記録が注目されている。高周波磁界印加による方式は、「マイクロ波アシスト記録(MAMR)」と呼ばれている。
MAMRは、強力なマイクロ波帯の高周波磁界をナノメートルオーダーの領域に印加して記録媒体を局所的に励起し、磁化反転磁界を低減して情報を記録する。しかし、MAMRは磁気共鳴を利用するため、記録媒体の異方性磁界に比例する周波数の高い高周波磁界を用いないと、大きな磁化反転磁界の低減効果は得られない。その課題を解決するための1つとして、特許文献1には、高周波アシスト磁界を発生させるための、GMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)に類似する構造の積層膜を電極で挟んだ構造の高周波発振素子が開示されている。高周波発振素子は、GMR構造に発生するスピン揺らぎをもつ伝導電子を、非磁性体を介して磁性体に注入することにより局所領域に高周波振動磁界を発生させることができる。
また、非特許文献1には、垂直磁気ヘッドの主磁極に隣接した発振器中のスピン注入固定層(以下、固定層という)からのスピントルクを中間層のCuを介して隣接する高周波磁界発生層(FGL:Field Generation Layer)に伝え、FGLの磁化を面内で高速回転させることによってマイクロ波(高周波磁界)を発生させ、磁気異方性の大きな磁気記録媒体に情報を記録する技術が開示されている。さらに、非特許文献2には、発振器を磁気記録ヘッドの主磁極と主磁極後方のトレーリングシールドとの間に配置し、高周波磁界の回転方向を記録磁界極性に応じて変化させることにより、磁気記録媒体の磁化反転を効率的にアシストする技術が開示されている。
特開2005−025831号公報
"Microwave Assisted Magnetic Recording", J.-G.Zhu et al., IEEE Trans. Magn., Vol.44, No.1, pp.125-131(2008) "Media damping constant and performance characteristics in microwave assisted magnetic recording with circular as field", Y. Wang et al., Journal of Applied Physics 105, 07B902 (2009) 「負の一軸磁気異方性材料を用いたMAMR用発振素子の発振特性」吉田和悦他、IEICE Technical Report、7−12頁(2009) "Spin Torque Oscillator With Negative Magnetic Anisotropy Materials for MAMR", K. Yoshida et al., IEEE Trans. Magn., Vol.46, No.6, pp.2466-2469 (2010)
近年、磁気記録に要求される記録密度は、1Tb/in2を超える程度になっており、それに伴い、磁気記録媒体に記録されるトラック幅は60nm程度まで微小になってきている。非特許文献1,2に開示された技術を用いれば、MAMRによって1Tb/in2以上の記録密度を実現できる可能性があることが報告されている。これらの技術では、記録ヘッドのトラック幅方向の幅が発振器のトラック幅方向の幅より広くても、実際に媒体に記録されるトラック幅は発振器の幅とほぼ等しくなると記されている。つまり、MAMRでは、トラック密度を向上させるためには、記録しようとするトラック幅と同程度にまで発振器の幅を狭小化することが必要となる。しかし、従来の磁気ヘッド製造に用いられているホトリソグラフィ技術のみでは、1Tb/in2を超える発振器幅の狭小化に対応できないことが予想される。
また、MAMR方式では、強力な高周波磁界を印加することによって記録媒体を局所的に磁気共鳴状態にし、磁化反転磁界を低減して情報を記録するため、1Tb/in2を超える記録密度を実現するには、発振器として20GHz以上の高い周波数の高周波磁界を安定的に発振できることが求められる。非特許文献3,4に開示された技術では、負の大きな磁気異方性の材料を発振層に用い、発振器の形状を底面がトラック方向を向いた円柱状にすることによって、安定的に20GHz以上の高い周波数の高周波磁界を発振できることが計算によって示されている。ここでは、マイクロマグネティックシュミレーションを用いて、直方体の形状を持つ発振層と比較して円柱状の形状を持つ発振層の方がより高い周波数で発振可能であることが記されているが、反磁界や静磁気的エネルギーの観点から発振層面内で磁化は均等に回転し易い条件となるため安定的に高い周波数で発振できる。すなわち、発振器の形状はその発振状態に強く影響を与えることができるが、従来の磁気ヘッド製造に用いられているホトリソグラフィ技術によるパターニングのみでは、1Tb/in2を超える微細な幅でかつ、その形状を制御することは困難である。
本発明の目的は、高周波磁界アシスト記録方式の磁気ヘッド中の発振器において、従来のホトリソグラフィ技術のみでは困難な程度にまで、発振器のトラック幅方向の幅を狭小化し、また高い周波数で安定的に発振可能な形状を形成することによって、高記録密度を実現することができる磁気ヘッドとその製造方法、及び磁気記録再生装置を提供することにある。
本発明では、マイクロ波アシスト記録(MAMR)方式の磁気ヘッドの製造方法において、従来のホトリソグラフィなどによって発振器をパターニングした後に、発振器の側面にプラズマ処理などによって酸化、窒化又は酸窒化処理を施す。具体的な構成としては、発振器の浮上面位置のトラック幅方向の側面に、発振器の構成材料の酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜などの絶縁膜あるいは高抵抗膜を有する構造とする。さらに、上記の構造において、酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜のトラック幅方向の厚みが0.5nm以上であり、酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜を除いた発振器のトラック幅方向の幅が10nm以上60nm以下である構成にする。また好ましくは、酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜に囲まれた発振器の形状を、媒体対向面から素子高さ方向に向かって凸になった半円型の形状とする。
本発明によれば、従来のホトリソグラフィ技術のみでは困難な程度にまで、発振器からの高周波磁界のトラック幅方向の幅を狭小化することが出来る。また、安定的に高周波発振可能な半円状の発振器を形成することができる。これらの効果によって、高密度記録が可能な磁気ヘッドを実現することができる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明による磁気ヘッドの構成例を示す図。 磁気ヘッドの発振器の構成例を示す図。 本発明による発振器の磁気トラック幅と、従来技術による発振器の磁気トラック幅を示す図。 本発明による一例の発振器をトレーリング側から見た模式図。 本発明の一例の発振器と従来技術による発振器の発振スペクトルを示す図。 発振器の磁気トラック幅と発振周波数の関係を示す図。 実施例3における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例3における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例3における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例3における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例3における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例4における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例4における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例4における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例4における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例4における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例5における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例5における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例5における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例5における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例5における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例5における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例5における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例5における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例5における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例5における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例6における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例6における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例6における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例6における発振器の製造工程を示す断面模式図。 実施例6における発振器の製造工程を示す断面模式図。 磁気記録再生装置の概略構成図。 磁気メモリの概略構成図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の一実施例における磁気記録再生ヘッドのトラック方向に沿った断面模式図である。磁気記録再生ヘッド(以下、単に磁気ヘッドという)は、記録ヘッド部100と再生ヘッド部200から構成される記録再生分離ヘッドであり、磁気ディスクのような回転する磁気記録媒体300に対して記録再生を行う。記録ヘッド部100は、高周波磁界を発生するための発振器110、記録磁界を発生するための主磁極120、主磁極に磁場を励磁するためのコイル160、及び副磁極130aを有する。図示の例では、主磁極120のトレーリング方向にトレーリングシールド130bを設けているが、これは必ずしも必須な構成というわけではない。なおここで、磁気ヘッドの磁気ディスク300に対する進行方向と反対の方向をトレーリング方向、磁気ヘッドの磁気ディスクに対する進行方向をリーディング方向と定義する。
また、図示の例では、磁気ディスク300に対する磁気ヘッドの進行方向から見て、再生ヘッド部200が先頭で記録ヘッド部100が後方に配置されているが、ヘッドの進行方向から見て記録ヘッド部100が先頭で再生ヘッド部200が後方になるように、図示の例とはその配置を逆にした構成としても良い。
再生ヘッド部200は、再生センサ210、下部磁気シールド220と上部磁気シールド230を備え、磁気ディスク300に記録された記録信号を再生する。再生センサ210の構成としては、例えば所謂GMR(Giant Magneto-Resistive)効果を有する再生センサであっても良いし、TMR(Tunneling Magneto-Resistive)効果を有する再生センサであっても良い。また、外部磁界に対して逆極性の応答をする2つ以上の再生センサを有する所謂差動型再生センサであっても良い。また、下部磁気シールド220と上部磁気シールド230は再生信号の品質の向上に重要な役割を担うため、できるだけこれらのシールドを設ける方がよい。
図2は、磁気ヘッドの記録ヘッド部の構成例を示す図であり、記録ヘッド部100の一部である主磁極120と発振器110の部分を、トレーリング方向を上にして媒体対向面から見た図である。
発振器110は、主磁極120とトレーリングシールド130bの間に置かれる。発振器110は、高周波磁界を発生する高周波磁界発生層(FGL)111、スピン透過性の高い材料から成る中間層112、FGL111にスピントルクを与えるためのスピン注入固定層(以下、単に固定層という)113を備える。なお、発振器110は、図2に示すように、主磁極120側から固定層113、中間層112、FGL111の順に積層して形成したが、逆に主磁極120側からFGL111、中間層112、固定層113の順に積層して形成してもよい。
FGL111の材料は、例えばFe70Co30であり、膜厚は例えば15nmである。Fe70Co30の飽和磁化は2.4Tであり、高い高周波磁界を発生することが出来る。FGL111の材料は、磁性体であればFGLとしての役割を担うことが可能である。なお、FeCo合金の他に、NiFe合金やCoFeGe,CoMnGe,CoFeAl,CoFeSi,CoMnSi,CoFeSiなどのホイスラー合金、TbFeCoなどのRe−TM系アルモファス系合金、CoCr系合金などでもよい。また、CoIrなど負の垂直磁気異方性エネルギーを持つ材料でも良い。FGL111の膜厚は、15nm以上あるいはそれ以下であってもよいが、好ましくは5nm以上30nm以下の範囲がよい。その理由について言えば、FGL111の膜厚を5nm以上に設定するのは、膜厚が薄すぎると高周波磁界強度が低下し過ぎるためであり、30nm以下に設定するのは膜厚が厚過ぎるとFGL111が多磁区化し磁界強度の低下を招くので、それを防ぐためである。
中間層112は、例えばCuであり、膜厚は2nmである。中間層112の材料としては非磁性の導電性材料であることが好ましく、Cuの他に例えばAu,Ag,Crなどを用いることが出来る。固定層113は、例えばCo/Niであり、膜厚は8nmである。固定層113には垂直磁気異方性を持った材料を用いることにより、FGL111の発振を安定させることが出来る。用いたCo/Niの垂直異方性磁界(Hk)は17kOeである。固定層113の材料としては、Co/Niの他に例えばCo/Pt,Co/Pdなどの人工磁性材料を用いることが好ましい。
以上のような発振器110の構成により、磁気ディスク300の記録層に高周波磁界を印加することができる。本例の主磁極120とシールド130bの構成としては、飽和磁化が大きく、結晶磁気異方性が小さいCoFe合金とした。
次に、本実施例の特徴である、発振器110の側面の酸化膜140の構成について説明する。図2に示されるように、酸化膜140は発振器110を媒体対向面から見て、発振器のトラック幅方向の側面に形成される。酸化膜140のトラック幅方向の厚みtは、例えば10nmである。その外側にはアルミナのような埋め戻し絶縁膜150が配置されるが、本実施例の酸化膜140はそうした埋め戻しの絶縁膜とは異なり、発振器110を構成する元素(たとえばCo,Ni,Fe,Cu)の酸化物から成っている。この理由は、酸化膜140が、発振器110をホトリソグラフィなどによってパターニングした後に、発振器110をオゾン酸化などの酸化処理することによって形成されるためである。
本実施例の磁気ヘッドの製造方法については後述するが、その製造方法によって、従来のホトリソグラフィ技術のみでは困難な程度にまで、発振器のトラック幅方向の寸法を狭小化することが出来る。これは、酸化処理によって形成される発振器の酸化膜が、発振器を構成する金属材料に対し、電気抵抗が極めて上昇するため、発振器の酸化膜の部分ではキャリアとなる電子伝導が起こらず、発振器の酸化膜からは高周波磁界が発振されなくなるためである。この点から、酸化処理に限らず、窒化処理又は酸窒化処理によっても発振器を構成する金属材料の電子伝導を絶縁化することが出来るため、本発明では酸化膜に限らず、窒化膜又は酸窒化膜を用いても同じ効果が得られる。本実施例の構造によって、発振器110から放出される高周波磁界のトラック幅方向の幅を狭小化することが出来る。区別のため、ホトリソグラフィなどによってパターニングされる幅で、酸化膜もしくは窒化膜、酸窒化膜を含む発振器のトラック幅方向の幅を「幾何トラック幅」と呼び、発振器から放出される高周波磁界のトラック幅方向の幅で、実際に磁気記録媒体に記録できる幅を「磁気トラック幅」と呼ぶこととする。
図3は、酸化膜のない従来の発振器の構造Aと、酸化処理を施した本実施例の発振器の構造Bの磁気トラック幅を示している。幾何トラック幅は従来のホトリソグラフィによって、ともに50nmで形成した。構造Bの酸化膜の厚みtは10nmである。構造Aでは、磁気トラック幅は幾何トラック幅に等しい50nmとなるが、構造Bでは、磁気トラック幅は30nmであり、約20nm幾何トラック幅に対して狭くなる。この狭小化分は、両端の酸化膜の厚みに相当しており、形成された酸化膜の厚み分だけ磁気トラック幅を狭小化できることを示している。従来のホトリソグラフィ技術のみでは、幾何トラック幅は約50nmが限界であり、磁気トラック幅30nmを得ることは出来ない。したがって、本実施例では、従来のホトリソグラフィ技術のみでは困難な幅にまで、発振器からの高周波磁界のトラック幅方向の幅を狭小化することが出来、トラック密度を向上させることができる。
酸化膜もしくは窒化膜、酸窒化膜の厚みは、たとえば10nmであるが、それ以上あるいはそれ以下であってもよい。ただし、必要とする磁気トラック幅が10nm以上60nm以下となるように酸化膜もしくは窒化膜、酸窒化膜の厚みを設定するのが好ましい。磁気トラック幅が10nm程度以下となってしまうと、発振器110から得られる高周波磁界が著しく低下してしまう。反対に、磁気トラック幅が60nmより大きくなると、1Tb/in2以上の記録密度のスペックを満たせなくなり、MAMRを使った記録方式にするメリットは小さい。なお、酸化膜もしくは窒化膜、酸窒化膜の厚みの下限は0.5nmとする。これは、本発明による酸化処理を施さない場合であっても、発振器材料の酸化物の単位格子分に相当する0.4nm厚みの自然酸化膜が存在しうるためである。
[実施例2]
本実施例は、実施例1の磁気トラック幅狭小化の効果に加えて、酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜の形成によって発振器の高周波磁界の発振周波数を高める例である。
図4は、酸化膜140を有する記録ヘッドの発振器部を、媒体対向面を下にしてトレーリング方向から見た模式図である。酸化膜140は、窒化膜又は酸窒化膜としてもよい。本構成例の特徴は、酸化膜140に囲まれた発振器110の形状が素子高さ方向に向かって凸の半円型になっている点である。言い換えると、媒体対向面から素子高さ方向の奥に向かうに従って、酸化膜140が発振器110の内側に広がる方向に湾曲している形状である。実施例1と同様に、本構成の酸化膜140は、発振器110をホトリソグラフィなどによってパターニングした後に、オゾン酸化などの酸化処理によって形成されており、発振器110を構成する元素(たとえばCo,Ni,Fe,Cu)の酸化物から成っている。酸化膜140のトラック幅方向の厚みtは、例えば10nmである。酸化膜140の周囲は、アルミナのような埋め戻し絶縁膜150によって構成される。酸化膜140も含め発振器110は従来のホトリソグラフィなどのパターニングによって、四角形状に形成される。図4に示されるように、発振器110のトラック幅方向の幅をTwoとし、素子高さ方向の幅をSHoとし、ホトリソグラフィなどによるパターニングが可能な範囲で適切に設計することが出来る。また、SHoはTwoの0.5〜2倍の範囲に設計することが、FGL内の磁区の単磁区化の観点から好ましい。
次に、図5と図6を参照して、本実施例の効果について説明する。図5には、本実施例による酸化膜をもつ発振器の発振スペクトル(構造C)と従来法による酸化膜のない発振器の発振スペクトル(構造D)とを対比して示している。幾何トラック幅は構造C,DともにTwo=SHo=60nmであり、構造Cにおける酸化膜の厚みはt=5nmである。従来構造では、周波数が18GHz付近に発振ピークが見られるが、本実施例の構造Cでは、それよりも高い周波数の30GHz近傍にピークを確認できる。
この周波数の向上が、サイズによるものではなく、発振器の形状によるものであることを確認するため、構造C,Dとともに、Two(=SHo)の幅が50nm(構造E)と70nm(構造F)の酸化膜を形成しない従来構造のものを加え、それらの発振周波数を図6にまとめて示した。横軸は磁気トラック幅である。従来の四角形状をした発振器の構造で磁気トラック幅を狭くしても、また広くしても、ほとんど発振周波数は変わらないが、本実施例の実効的に半円型をした発振器の構造では同程度の磁気トラック幅であっても、高い発振周波数となっていることがわかる。このことは、周波数向上効果が、酸化膜の形成による発振器の形状によるものであることを示している。また、図6には非特許文献3に記載された計算値を白丸で一緒に示しているが、本実施例は発振器を円柱状にした場合に近い発振周波数の向上が得られており、酸化膜の形成によって発振層の形状が半円状になったことの効果を支持している。したがって、本実施例によると、1Tb/in2を超える微細な素子サイズであっても、酸化膜の形成によって発振器形状を半円状にすることが出来、30GHz程度の高い周波数をもつ高周波磁界の安定的な発振を得ることが可能となる。
[実施例3]
図7A〜図7Eの工程図を参照して、記録ヘッド部の発振器110の製造方法について説明する。本実施例は実施例2で示した酸化膜140の形成によって発振器110の形状を半円型とする場合の例である。図7A〜図7Eにおいて、上の図は、磁気ヘッドの製造過程における発振器110部分を媒体対向面から見た、基板上面に垂直な断面の模式図であり、下の図は、発振器110部分を、媒体対向面を下にしてトレーリング方向から見た、模式図である。図中のABSは、最終的なヘッドでの浮上面位置を表している。図7A〜図7Eでは、主磁極120よりも基板側の部分を図示省略している。
まず、図7Aに示すように、主磁極120上にスパッタなどの薄膜形成技術を用いて発振器110を構成する固定層113、中間層112、FGL111の各薄膜を順次製膜する。逆に、主磁極120側からFGL111、中間層112、固定層113の順に積層して形成してもよい。固定層113、中間層112、FGL111の材料や膜厚は実施例1と同様である。また、この後のプロセスによる発振器110へのダメージを防止するため、最表面に、たとえばDLC(ダイヤモンドライクカーボン)のような保護膜180を形成することが好ましい。
次に、図7Bに示すように、例えば、ホトリソグラフィによって、所定の形状のレジスト170を形成する。さらに、図7Cに示すように、例えば、イオンミリング法により、レジスト170から露出した部分の積層膜をエッチングする。
ここで、図7Dに示すように、本発明の特徴である発振器110の側面の酸化処理を行う。本実施例では、オゾン酸化により酸化処理を行った。具体的な条件は、オゾン濃度5%の酸素ガス雰囲気下、170℃で加熱処理を施した。これによって、発振器の側面では、オゾン雰囲気中の酸素が発振器110を構成する元素M(Mは、たとえばCo,Ni,Fe,Cu)と結びつくことで、それらの元素の酸化物MOx(xは不定数)が形成される。本条件では、厚さ5nmの酸化膜140が発振器110の側面に形成される。形成される発振器の酸化膜の厚みは、加熱温度によって、それ以上あるいはそれ以下の厚みに調節することが可能である。
さらに、オゾン酸化に限らず、プラズマ酸化によって酸化処理を行っても良い。プラズマ酸化条件の一例としては、酸素ガスを用いて、酸素ガス流量50cm3/min、チャンバー内圧力133Pa、加熱温度200℃である。上記プラズマ酸化では、プラズマ雰囲気中の酸素が発振器を構成する元素(たとえばCo,Ni,Fe,Cu)と結びつくことで発振器の側面に厚さ5nmの酸化膜が形成される。前述のオゾン酸化の場合と同様に、加熱温度によって酸化膜の厚みを調節することが可能である。このように、オゾン酸化やプラズマ酸化などの酸化処理を積層膜のエッチング後に施すことによって、発振器の角で丸くなった酸化膜を形成することができる。
この後、図7Eに示すように、アルミナなどの埋め込み絶縁膜150を埋め込み製膜し、続いて、例えばリフトオフ法によってレジスト170を除去し、例えばアッシング処理によって保護膜180を除去する。このようにして、発振器110の側面に酸化膜140を有する、磁気ヘッドを作製することが出来る。
[実施例4]
図8A〜図8Eの工程図を参照して、記録ヘッド部の発振器110の製造方法の他の例について説明する。本実施例は、実施例3と異なり、窒化膜190の形成によって発振器110の形状を半円型とする場合の例である。図8A〜図8Eにおいて、上の図は、磁気ヘッドの製造過程における発振器110部分を媒体対向面から見た、基板上面に垂直な断面の模式図であり、下の図は、発振器110部分を、媒体対向面を下にしてトレーリング方向から見た模式図である。図中のABSは、最終的なヘッドでの浮上面位置を表している。図8A〜図8Eでは、主磁極120よりも基板側の部分を図示省略している。
まず、図8Aに示すように、主磁極120上にスパッタなどの薄膜形成技術を用いて発振器110を構成する固定層113、中間層112、FGL111の各薄膜を順次製膜する。逆に、主磁極120側からFGL111、中間層112、固定層113の順に積層して形成してもよい。固定層113、中間層112、FGL111の材料や膜厚は実施例1と同様である。また、この後のプロセスによる発振器110へのダメージを防止するため、最表面に、たとえばDLCのような保護膜180を形成することが好ましい。
次に、図8Bに示すように、例えば、ホトリソグラフィによって、所定の形状のレジスト170を形成する。さらに、図8Cに示すように、例えば、イオンミリング法により、レジスト170から露出した部分の積層膜をエッチングする。
ここで、図8Dに示すように、本発明の特徴である発振器110の側面の窒化処理を行う。本実施例では、プラズマ窒化により窒化処理を行った。プラズマ窒化条件の一例としては、窒素と水素の混合ガスを用いて、ガス流量100cm3/min、チャンバー内圧力133Pa、加熱温度200℃である。これによって、発振器の側面に、プラズマ雰囲気中の窒素が発振器110を構成する元素M(Mは、たとえばCo,Ni,Fe,Cu)と結びつくことで、それらの元素の窒化物MNy(yは不定数)が形成される。本条件では、厚さ5nmの窒化膜190が発振器110の側面に形成される。形成される発振器の窒化膜の厚みは、加熱温度によって、それ以上あるいはそれ以下の厚みに調節することが可能である。このように、窒化処理を積層膜のエッチング後に施すことによって、発振器の角で丸くなった窒化膜を形成することができる。
この後、図8Eに示すように、アルミナなどの埋め込み絶縁膜150を埋め込み製膜し、続いて、例えばリフトオフ法によってレジスト170を除去し、例えばアッシング処理によって保護膜180を除去する。このようにして、発振器110の側面に窒化膜190を有する、磁気ヘッドを作製することが出来る。
また、実施例3で述べた酸化処理と本実施例で述べた窒化処理を両方施すことによって、酸化膜140や窒化膜190の代わりとして酸窒化膜を形成することも可能である。
[実施例5]
図9A〜図9Jの工程図を参照して、記録ヘッド部の発振器110の別の製造方法について説明する。本実施例は、実施例3又は実施例4の製造方法に対し、発振器110の形状を半円型にしない場合の例である。具体的には、トラック幅方向のパターン形成と素子高さ方向のパターン形成を別々に分けて形成する方法である。本実施例では、トラック幅方向、素子高さ方向の順で発振器の形成を行ったが、逆に素子高さ方向、トラック幅方向の順に発振器の形成を行ってもよい。図9A〜図9Jにおいて、上の図は、磁気ヘッドの製造過程における発振器110部分を媒体対向面から見た、基板上面に垂直な断面の模式図であり、下の図は、発振器110部分を、媒体対向面を下にしてトレーリング方向から見た、模式図である。図中のABSは、最終的なヘッドでの浮上面位置を表している。図9A〜図9Jでは、主磁極120よりも基板側の部分を図示省略している。
まず、図9Aに示すように、主磁極120上にスパッタなどの薄膜形成技術を用いて発振器110を構成する固定層113、中間層112、FGL111の各積層膜を順次製膜する。逆に、主磁極120側からFGL111、中間層112、固定層113の順に積層して形成してもよい。固定層113、中間層112、FGL111の材料や膜厚は実施例1と同様である。また、この後のプロセスによる発振器110中へのダメージを防止するため、最表面に、たとえばDLCのような保護膜180を形成することが好ましい。
次に、図9Bに示すように、例えば、ホトリソグラフィによって、所定の形状のレジスト170を形成する。このとき、レジスト170の形状は、実施例3の場合と比較して、トラック幅方向の幅のみを所望のTwoのサイズに合わせればよく、素子高さ方向の幅は所望のSHoのサイズよりも長く設定すればよい。そして、図9Cに示すように、例えば、イオンミリング法により、レジスト170から露出した部分の積層膜をエッチングする。
ここで、図9Dに示すように、本発明の特徴である発振器110の側面の酸化処理を行う。この酸化処理によって、発振器のトラック幅方向の幅を狭小化することが出来る。酸化処理は、実施例3と同様にオゾン酸化で行っても良いし、プラズマ酸化によって行っても良い。本実施例では、オゾン酸化により発振器の側面に厚さ5nmの酸化膜140を形成したが、加熱温度によって酸化膜140の厚みを調節することが可能である。また、酸化膜に代えて窒化膜もしくは酸窒化膜を形成してもよい。
この後、図9Eに示すように、アルミナなどの埋め込み絶縁膜150を埋め込み製膜し、続いて、例えばリフトオフ法によってレジスト170を除去し、例えばアッシング処理によって保護膜180を除去する。
続いて、素子高さ方向のパターン形成を行うため、図9Fに示すように再度、最表面に、たとえばDLCのような保護膜180を形成し、図9Gに示すように、例えば、ホトリソグラフィによって、所定の形状のレジスト170を形成する。このとき、レジスト170の形状は、素子高さ方向の幅を所望のSHoのサイズとなるように大きさを合わせる。トラック幅方向の幅は図9Bで設定した幅よりも広く形成すればよい。そして、図9Hに示すように、例えば、イオンミリング法により、レジスト170から露出した部分の積層膜をエッチングする。
そして、図9Iに示すように、発振器110の素子高さ方向の側面の酸化処理を行うが、素子高さ方向のパターン形成の場合、必ずしも酸化処理が必要と言う訳ではない。酸化処理は、図9Dと同様にオゾン酸化で行っても良いし、プラズマ酸化によって行っても良い。また、酸化処理に代えて窒化処理もしくは酸窒化処理を施してもよい。本実施例では、オゾン酸化により発振器の素子高さ方向の側面に厚さ5nmの酸化膜140を形成した。
この時、実施例3の場合と異なり、発振器110の形状は媒体対向面から素子高さ方向の奥に向かうに従って半円型にならず、四角く形成することが出来る。この理由は、一般的に酸化反応は、温度一定の状態では供給される酸素の濃度に依存するが、本実施例のように、酸素に晒される発振器の側面を素子高さ方向の側面のみに限定した場合、均一に発振器へ酸素が供給されるようになり、発振器の側面で均等に酸化反応が進むためである。実施例3の場合には、酸素に晒される発振器の側面が素子高さ方向の側面だけでなくトラック幅方向の側面も加わり、両方の側面が交わる発振器の角の部分で供給される酸素濃度が他の部分と比べて相対的に高くなるため、発振器の角で酸化反応が速くなり、丸くなった酸化層が形成される。
この後、図9Jに示すように、アルミナなどの埋め込み絶縁膜150を埋め込み製膜し、続いて、例えばリフトオフ法によってレジスト170を除去し、例えばアッシング処理によって保護膜180を除去する。このようにして、発振器110の側面に酸化膜140を有する、磁気ヘッドを作製することが出来る。
[実施例6]
図10A〜図10Eの工程図を参照して、記録ヘッド部の発振器110の別の製造方法について説明する。本実施例は、発振器の一つの側面のみに酸化膜もしくは窒化膜、酸窒化膜を形成する場合の例である。発振器110のトラック幅方向の酸化層もしくは窒化膜、酸窒化膜を形成する側面を一つとしても、発振器のトラック幅方向の幅を狭小化するという本発明の目的を達成できる。図10A〜図10Eにおいて、上の図は、磁気ヘッドの製造過程における発振器110部分を媒体対向面から見た、基板上面に垂直な断面の模式図であり、下の図は、発振器110部分を、媒体対向面を下にしてトレーリング方向から見た、模式図である。図中のABSは、最終的なヘッドでの浮上面位置を表している。図10A〜図10Eでは、主磁極120よりも基板側の部分を図示省略している。
まず、図10Aに示すように、主磁極120上にスパッタなどの薄膜形成技術を用いて主発振器110を構成する固定層113、中間層112、FGL111の各積層膜を順次製膜する。逆に、主磁極120側からFGL111、中間層112、固定層113の順に積層して形成してもよい。固定層113、中間層112、FGL111の材料や膜厚は実施例1と同様である。また、この後のプロセスによる発振器110へのダメージを防止するため、最表面に、たとえばDLCのような保護膜180を形成することが好ましい。
次に、図10Bに示すように、例えば、ホトリソグラフィによって、所定の形状のレジスト170を形成する。そして、図10Cに示すように、例えば、イオンミリング法により、レジスト170から露出した部分の積層膜をエッチングする。
ここで、図10Dに示すように、本発明の特徴である発振器110の側面の酸化処理を行うが、イオン注入を用いることによって発振器の一つの側面のみに酸化膜を形成することができる。具体的な条件は、素子の片側の側面から20keVの酸素イオンを膜面に対して約45度傾いた方向から打ち込み酸化した。酸素イオンの注入量は1×1015ions/cm2とした。この方法では、イオンビームの指向性により、素子の片側の側面に酸素が注入され、その後、熱処理を行うことで酸化膜を形成できる。
また、窒素イオンを用いることで窒化膜、もしくは酸素イオンと窒素イオンの両方を用いることで酸窒化膜を形成することも可能である。本条件では、厚さ10nmの酸化膜140を発振器110の片側に形成した。実施例3又は実施例4、5と同様に、酸化膜もしくは窒化膜、酸窒化膜をトラック幅方向の両方の側面に形成することも、素子高さ方向奥の側面に形成することも可能である。
この後、図10Eに示すように、アルミナなどの埋め込み絶縁膜150を埋め込み製膜し、続いて、例えばリフトオフ法によってレジスト170を除去し、例えばアッシング処理によって保護膜180を除去する。このようにして、発振器110の側面に酸化膜140もしくは窒化膜、酸窒化膜を有する、磁気ヘッドを作製することが出来る。
[実施例7]
図11は、本発明の磁気記録再生ヘッドを搭載した磁気記録再生装置の構成例を示す概略図である。磁気記録再生ヘッドは実施例3に記載した製造方法で作製し、ヘッドスライダー600に搭載される。図11に示した磁気記録再生装置は、磁気記録媒体300をスピンドルモータ400にて回転させ、アクチュエータ500によってヘッドスライダー600を磁気記録媒体300の所望トラック上に誘導する。即ち、磁気ディスク装置においてはヘッドスライダー600上に形成した再生ヘッド、及び記録ヘッドがこの機構に依って磁気記録媒体300上の所定の記録位置に近接して相対運動し、信号を順次書き込み、及び読み取るのである。アクチュエータ500はロータリーアクチュエータであることが望ましい。磁気記録媒体300は各ビットが連続して存在する所謂連続媒体でも良いし、複数のトッラク間に記録ヘッドにより書き込み不可能な非磁性である領域が設けられている所謂ディスクリートトラックメディアでも良い。また、基板上に、凸状の磁性パターンと磁性パターン間の凹部を充填する非磁性体とを含む所謂パターンド媒体でもよい。
記録信号は、信号処理系700を通じて記録ヘッドにて媒体上に記録し、再生ヘッドの出力を、信号処理系700を経て信号として得る。さらに再生ヘッドを所望の記録トラック上へ移動せしめるに際して、再生ヘッドからの高感度な出力を用いてトラック上の位置を検出し、アクチュエータを制御して、ヘッドスライダーの位置決めを行うことができる。本図ではヘッドスライダー600、磁気記録媒体300を各1個示したが、これらは複数であっても構わない。また、磁気記録媒体300は両面に記録情報を有して情報を記録してもよい。情報の記録がディスク両面の場合、ヘッドスライダー600は磁気記録媒体300の両面に配置する。
[実施例8]
本発明のスピントルク発振器は、MAMR方式としての磁気記録ヘッドに限らず、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)の磁気情報書換えにも適用することができる。例えば、本発明の高周波磁界発振器を記憶セルの磁性トンネル接合の近傍に形成し、発振器から得られる高周波磁界を用いることで従来に比較してより低電流で磁化反転を行うことができる。
図12は、この記憶セルの構成例を示す断面模式図である。トンネル接合を含む記憶部800は、少なくとも二つの磁性層810,820とその間に形成された非磁性体よりなるトンネル層830を備える。二つの磁性層810,820は、一方を外部磁場によっても実質的に回転しないよう磁化を固定した磁化固定層810とし、他方を外部磁場によって磁化が回転する磁化自由層820とすることができる。
記憶セルへのデータの書き込みは、電極を兼ねる配線840,850に電流を流すことで生じる合成磁場によって、磁化自由層820の磁化を反転させることで記録を行う。その際、発振器110による高周波磁界により、磁化自由層820の磁化を強磁性共鳴効果により励起することで、この磁化への記録が容易になり、記録用の電流量を小さくすることができる。
また、記憶セルへのデータの書き込みは、書き込み配線からの合成磁場を使わず、トンネル接合部に書き込み電流を流すことによる、いわゆるスピン注入磁化反転方式でも記録することが可能である。その場合でも、同様に発振器110による高周波磁界により、書き込み電流量を小さくすることができる。
本実施の形態によれば、発振器によるマイクロ波アシスト方式をMRAMにおける記憶磁化の書込みにも応用することができ、トンネル接合への磁気情報の書込みを低電流化することが可能である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100:記録ヘッド部
110:発振器
111:高周波磁界発生層
112:中間層
113:スピン注入固定層
120:主磁極
130a:副磁極
130b:トレーリングシールド
140:酸化膜
150:埋め戻し絶縁膜
160:コイル
170:レジスト
180:保護膜
190:窒化膜
200:再生ヘッド部
210:再生センサ
220:下部磁気シールド
230:上部磁気シールド
300:磁気記録媒体
400:スピンドルモータ
500:アクチュエータ
600:ヘッドスライダー
700:信号処理回路
800:記憶部
810:磁化固定層
820:磁化自由層
830:トンネル層
840:ビット線
850:ワード線
860:MOS FET

Claims (10)

  1. 記録磁界を発生する主磁極と、前記主磁極に近接して設けられた高周波磁界を発生する発振器とを有する磁気ヘッドであって、
    前記発振器は、トラック幅方向の側面に、当該発振器の構成材料の酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜を有していることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 前記酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜はトラック幅方向の幅が0.5nm以上であり、当該酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜を除いた前記発振器のトラック幅方向の幅が、10nm以上60nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 前記酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜に囲まれた前記発振器の形状が、媒体対向面から素子高さ方向に向かって凸の半円型であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  4. 記録磁界を発生する主磁極と、前記主磁極に近接して設けられた高周波磁界を発生する発振器とを有する磁気ヘッドの製造方法において、
    前記発振器をパターニングする工程と、
    前記パターニングされた発振器のトラック幅方向の少なくとも一つの側面を酸化、窒化又は酸窒化する処理工程と
    を含むことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  5. 前記処理工程によって厚さ0.5nm以上の酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜を形成することを特徴とする請求項4に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  6. 前記処理工程によって、媒体対向面から素子高さ方向に向かって凸の半円型の領域を残して前記発振器のトラック幅方向両側及び素子高さ方向上部に前記酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜を形成することを特徴とする請求項4に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  7. 前記処理はオゾン酸化による酸化処理、プラズマ酸化による酸化処理、又は酸素イオンをイオン注入し、その後、熱処理を行う処理であることを特徴とする請求項4に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  8. 前記処理はプラズマ窒化による窒化処理、又は窒素イオンをイオン注入する処理を含むことを特徴とする請求項4に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  9. 磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を駆動する媒体駆動部と、前記磁気記録媒体に対して記録再生動作を行う磁気ヘッドと、前記ヘッドスライダーを前記磁気記録媒体の所望トラックに位置づけるためのアクチュエータとを有する磁気記録再生装置において、
    前記磁気ヘッドは、記録磁界を発生する主磁極と、前記主磁極に近接して設けられた高周波磁界を発生する発振器とを有し、前記発振器は、トラック幅方向の側面に、当該発振器の構成材料の酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜を有していることを特徴とする磁気記録再生装置。
  10. 高周波磁界を発生する発振器と、
    前記発振器から発生する高周波磁界を利用して、情報を記録する情報記録部とを有し、
    前記発振器は、側面に、当該発振器の構成材料の酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜を有していることを特徴とする磁気メモリ。
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