JP5755150B2 - ポリシリコンの製造方法および四塩化ケイ素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二酸化ケイ素を原料とした四塩化ケイ素の製造方法およびこの四塩化ケイ素を使用したポリシリコンの製造方法に係る。本発明では、特に、従来のように金属ケイ素の塩素化工程を経ることなく、二酸化ケイ素を直接塩素化して四塩化ケイ素を生成した後、生成された四塩化ケイ素を還元剤金属で還元して高純度のポリシリコンを得る。
ポリシリコンは、近年活発化している太陽光エネルギーの利用の点から脚光を浴びており、特に、太陽電池の原料として着目されている。
従来、太陽電池用シリコンセル用途の高純度ポリシリコンを製造するプロセスとしては、金属シリコングレードの(MG−Si)を塩化水素と反応して、トリクロロシランを主とする塩化シリコンとし、シリコンの単結晶種を内包した雰囲気中にてトリクロロシランを水素還元して、金属シリコンを前記種結晶の表面に析出生成させることを特徴とするシーメンス法、金属ケイ素の溶融および固化を繰り返し行いケイ素の純度を上げる冶金法、金属ケイ素やケイ素化合物を塩化反応により四塩化ケイ素にして金属亜鉛で還元反応を起こし珪素を得る亜鉛還元法が広く知られている。その中でも、シーメンス法は、9N(99.9999999%)以上の高純度珪素を製造することができる特徴を有することで現在主流の方法となっている。
しかしながら、シーメンス法においては、二酸化ケイ素を電気炉で炭素還元して生成された高純度な金属シリコン(MG−Si)を原料とするため、原料コストの点で改善の余地が残されている。また、前記方法にて生成されるトリクロロシランには、種々の形態の塩化ケイ素が副生されるために、その反応制御や歩留まりの点で改善の余地が残されている。
このような観点において、二酸化ケイ素を直接塩素化して四塩化ケイ素を製造する亜鉛還元法等の方法においては、トリクロロシランのような副生物は生成されることなく、四塩化ケイ素のみが生成され、前記したシーメンス法のような副生物の処理の対応処理が不要という特徴がある。
二酸化ケイ素を塩素化して四塩化ケイ素を製造する方法は、例えば、二酸化ケイ素に炭化ケイ素を配合することで四塩化ケイ素を効率よく製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、前記の方法においては、炭化ケイ素を二酸化ケイ素の原料として使用するために、原料コストが高価になるという課題が残されている。
また、二酸化ケイ素と炭素含有物質から構成されたペレットを塩素ガスと高温で接触反応させることにより四塩化ケイ素を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、前記公報に開示されている四塩化ケイ素の生成速度は極めて低く、実用化までには解決すべき課題が残されている。
更には、二酸化ケイ素と炭素含有物質に第三成分のボロンを共存させて、反応熱を補給し、二酸化ケイ素の反応性を高めた状態で、高温の塩素ガスと反応させることで、二酸化ケイ素の塩素化反応速度を改善する手段も知られている(例えば、特許文献3参照)。 しかしながら、太陽電池向けに供せられるポリシリコンでは、ボロンは最も忌避される不純物であり、ポリシリコンの品質の点で解決すべき課題が残されている。
また、二酸化ケイ素を原料として、バイオマスの焼却灰を使用する方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。確かに、バイオマスを原料とした場合には天然シリカに比べて熱変性を受けていないため、反応性の点で優れているという特徴を有している。しかしながら、前記したバイオマスを二酸化ケイ素の原料とする方法においては、原料の安定確保の点で課題が残されている。
ところで、前記二酸化ケイ素の塩素化反応は吸熱反応であるがために、その熱源として、金属シリコンや炭化ケイ素を併用する方法も知られている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、当該方法においては、前記四塩化ケイ素のみならず、その他のシリコン塩化物も副生する可能性があり、四塩化ケイ素の歩留まりの点で改善の余地が残されている。また、四塩化ケイ素を金属亜鉛で還元してポリシリコンを製造する工程においては、ポリシリコンに加えて、金属亜鉛塩化物が副生するためその効率的な処理方法が望まれる。
この点については、前記副生された金属亜鉛塩化物を溶融塩電解して金属亜鉛と塩素ガスに再生利用する方法が知られている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、前記溶融塩電解して生成された溶融金属亜鉛を溶融状態のまま還元工程まで移送する手段としては、移送用タンクでバッチ方式により移送する方法が考えられるが、バッチ方式は、非連続的な工程を繰り返すため、作業効率の点ではまだ改善の余地が残されている。また、前記還元工程から電解工程に持ち込まれる溶融塩化亜鉛中には不純物も含まれており、その分離手段についても別途検討の余地が残されている。さらには、前記電解工程で製造される塩素ガス中には、電解浴を構成する塩化物蒸気や水分が混在しており、前記不純物の分離された純度の高い塩素ガスの処理方法が望まれている。
また、二酸化ケイ素を塩素化して四塩化ケイ素を生成後、これを金属亜鉛で還元してポリシリコンを製造し、次いで、前記金属亜鉛で還元して副生する塩化亜鉛を溶融塩電解して金属亜鉛をリサイクル使用するプロセスも知られている(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、当該プロセスでは、二酸化ケイ素の塩素化反応に伴う熱不足の解消方法や液状の四塩化ケイ素の回収方法に係る具体的な記載は見当たらない。
二酸化ケイ素の塩素化反応は、反応速度が小さいため、ホウ素やイオウを第三成分として添加して反応速度を高める工夫がなされている。また、二酸化ケイ素の塩素化反応は吸熱反応であるため、その熱補給材として金属ケイ素を添加する方法も考案されているが、いずれも生成した四塩化ケイ素の純度の低下や歩留まりの低下をもたらすという新たな課題をもたらしている。熱補償の点においては、四塩化ケイ素ではなく四塩化チタン製造用塩化炉において、塩化炉内に形成された流動層の頂部に酸素ガスを投入することで流動層内の温度を適切に維持することができる技術が知られている(例えば、特許文献8参照)。
しかしながら、流動層の内部には、四塩化チタンが生成されており、前記部位に酸素ガスを供給すると、流動層内で生成した四塩化チタンが酸素ガスで酸化を受けて酸化チタンに戻り四塩化チタンの歩留まりが低下して好ましくない。よって、二酸化ケイ素を原料とする場合においても、前記と同様に四塩化ケイ素の歩留まりを低下させることが予想され酸素の供給方法に改善の余地が残されている。
特開昭36−019254号公報 特開昭59−050017号公報 特開昭57−022101号公報 特開昭62−252311号公報 米国特許31717358号公報 米国特許2773745号公報 特開2004−210594号公報 特開昭48−071800号公報
このように、二酸化ケイ素を原料としてポリシリコンを製造する個々のプロセスは公知の技術ではあるが、これらのプロセスを組み合わせてクローズドなシステムとして構築していく上では、前記したように、安価で安定供給することのできるケイ素原料の選定の問題や、金属ケイ素の塩素化反応を円滑に進行させるための問題、塩素化反応後のケイ素中の不純物の問題といった、種々の課題が残されており、これらの課題を効果的に解決する手段が望まれている。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、ポリシリコンを製造するプロセスにおいて、安価で安定供給することのできる二酸化ケイ素を出発原料とし、二酸化ケイ素の塩素化反応を円滑に進行させ、高純度な四塩化ケイ素を歩留まり良くかつ効率良く製造することができる四塩化ケイ素の製造方法を提供することを目的とし、また、二酸化ケイ素の塩素化反応で生成した不純物が抑制された四塩化ケイ素を金属亜鉛で還元して、エネルギー効率に優れたポリシリコンの製造方法を提供することをさらなる目的とするものである。
かかる実情に鑑み前記のような観点に基づき前記課題の解決手段について鋭意検討を重ねてきたところ、前記二酸化ケイ素を出発原料とし、酸素ガスが添加された塩素ガスで直接塩素化して四塩化ケイ素を生成させ、塩素化反応で生成した四塩化ケイ素を還元剤金属で還元することにより、純度の高いポリシリコンを効率よく製造することができることを見出し、本願発明を完成するに至った。
即ち、本願発明に係るポリシリコンの製造方法は、二酸化ケイ素と炭素含有物質から構成された造粒体を塩素化して四塩化ケイ素を生成する塩素化工程と、四塩化ケイ素を還元剤金属で還元してポリシリコンを生成する還元工程と、還元工程において副生した還元剤金属塩化物を溶融塩電解して還元剤金属と塩素ガスを生成させる電解工程とからなり、塩素化工程は、二酸化ケイ素と炭素含有物質に、酸素ガス共存下で塩素ガスを供給してこれらを反応させるものであり、電解工程で生成した還元剤金属を還元工程にて四塩化ケイ素の還元剤として再利用し、電解工程で生成した塩素ガスを塩素化工程にて再利用することを特徴としている。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法では、二酸化ケイ素と炭素含有物質から構成された造粒体は、粒径5μm以下の二酸化ケイ素および粒径10μm以下の炭素含有物質の造粒体とし、更に前記造粒体の粒径を0.1〜2.0mm、前記造粒体の気孔率を30〜65%とすることを特徴とするものである。ここで、本発明において炭素含有物質とは、カーボンブラック、活性炭、黒鉛、コークスあるいは炭を意味する。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法では、塩素化工程で生成した気体状の四塩化ケイ素に液体状の四塩化ケイ素を噴霧し接触させて、前記気体状の四塩化ケイ素を冷却すると共に、前記気体状の四塩化ケイ素に随伴される気体状の不純物塩化物を前記液体状の四塩化ケイ素中に凝縮させて分離することを好ましい態様とするものである。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法では、二酸化ケイ素の塩素化工程で生成した気体状の四塩化ケイ素を凝縮させる液体状の四塩化ケイ素が、気体状の四塩化ケイ素を液体状の四塩化ケイ素と接触させて凝縮回収された液体状の四塩化ケイ素であることを好ましい態様とするものである。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法では、前記塩素化工程で生成した液状四塩化ケイ素を蒸留精製した後、還元工程に移送することを好ましい態様としている。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法では、還元工程において、気体状の四塩化ケイ素と気体状の還元剤金属を反応させて生成した固体状のポリシリコンを、別の固体状のポリシリコンの表面に析出成長させることを好ましい態様としている。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法では、還元工程で副生した前記還元剤金属塩化物を溶融状態にて前記電解工程に移送することを好ましい態様としている。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法では、溶融状態で電解工程に移送された還元剤金属塩化物を中間タンクに貯留させた後、前記中間タンク内に貯留されている液状の還元剤金属塩化物の上澄みを電解工程に移送することを好ましい態様としている。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法では、電解工程において生成した液状還元剤金属を溶融状態のまま還元工程に移送することを好ましい態様としている。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法では、電解工程において副生した塩素ガスを、脱水乾燥塔を経由させた後、塩素化工程に供給することを好ましい態様としている。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法に用いる二酸化ケイ素中の二酸化ケイ素の純度が98wt%以上であることを好ましい態様としている。
本願発明に係るポリシリコンの製造方法に用いる炭素含有物質の純度が90wt%以上であることを好ましい態様としている。
ポリシリコンの製造方法に用いる還元剤金属が、金属亜鉛、アルミニウム、カリウム、またはナトリウムであることを好ましい態様としている。
また、本願第2の発明に係る四塩化ケイ素の製造方法は、二酸化ケイ素と炭素含有物質から構成された造粒体と、塩素ガスとを塩化炉内に供給して、これらを反応させて気体状の四塩化ケイ素を得る四塩化ケイ素の製造方法において、前記塩素ガスに予め酸素ガスを添加しておくことを特徴としている。
本願第2の発明に係る四塩化ケイ素の製造方法では、二酸化ケイ素と炭素含有物質から構成された造粒体は、粒径5μm以下の二酸化ケイ素および粒径10μm以下の炭素含有物質の造粒体とし、更に前記造粒体の粒径を0.1〜2.0mm、前記造粒体の気孔率を30〜65%とすることを特徴としている。
以上述べた本願発明に係る製造方法によれば、従来のように金属ケイ素を塩素化反応の出発原料とせずに、二酸化ケイ素を使用するために、豊富な資源を安定的に利用することができ、また、塩素化工程において塩素ガスに酸素を添加しているので、塩素化反応の速度を低下させずに反応を進行させることができ、さらに、従来のように、ホウ素のような反応促進成分を添加しないので塩素化工程において生成される四塩化ケイ素中の不純物成分が抑制される。このようにして、太陽電池グレードである純度6N以上のポリシリコンを、従来の方法に比べて安価に、効率よく製造することができるという効果を奏するものである。
本発明のポリシリコンの製造方法を示す模式図である。 本発明に係るポリシリコンの製造に使用する四塩化ケイ素の製造フローを示す。 比較例におけるシーメンス法によるケイ素の製造方法を示す模式図である。
本願発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
図1は、本願発明に係るポリシリコンの製造方法の全工程を表している。本実施態様では、前記還元剤金属塩化物が塩化亜鉛の場合を想定して以下にその詳細を説明する。
まず、塩素化工程に供給された二酸化ケイ素(図中ではシリカ)と炭素含有物質(図中ではコークス)は、後述する還元剤金属塩化物の電解工程で再生された塩素ガスと高温で直接接触反応させることにより、四塩化ケイ素を生成する。このとき、塩素ガスには、塩素化工程に供給されるに先立って、酸素ガスが添加される。
前記塩素化工程で生成した四塩化ケイ素は還元工程に移送されて、後述する還元剤金属塩化物の電解工程で再生された還元剤金属と高温で反応させることで、ポリシリコンを製造することができる。また、この反応では、還元剤金属塩化物が副生される。
前記還元工程で生成したポリシリコンは、不活性ガス雰囲気中で室温まで冷却された後、溶解工程に供することで、純度の高いポリシリコンを製造することができる。また、還元工程で副生された還元剤金属塩化物は、電解工程にて溶融塩電解を行い、還元剤金属と塩素ガスに再生される。
前記電解工程で再生された還元剤金属は、還元工程に移送されて、四塩化ケイ素の還元剤として再使用することができる。また、電解工程で副生された塩素ガスは、二酸化ケイ素の塩素化剤として再利用することができる。
このように、本願発明に係るポリシリコンの製造方法は、二酸化ケイ素と炭素含有物質と酸素ガスが系内に供給されて、前記二酸化ケイ素の塩素化反応で副生するCO・COガスが系外に排出されるものの、当該プロセス内で製造される還元剤金属、還元剤金属塩化物および塩素ガスは、系内にてリサイクル使用されており、前記物質を媒介にして、効率よくポリシリコンを製造することができるという効果を奏するものである。また、二酸化ケイ素の塩素化反応は吸熱反応であるため、反応の進行に伴い反応速度が低下してしまうが、本願発明においては、塩素化工程において塩素ガスに予め酸素ガスが添加されているので、この酸素ガスが炭素含有物質の一部と反応して反応熱を発生させ、二酸化ケイ素の塩素化反応の反応速度の低下を抑制することができるという効果も奏するものである。
次に、当該発明を構成する塩素化工程、還元工程、および電解工程のそれぞれの工程についての好ましい態様について説明する。
1.塩素化工程
本願発明に係る四塩化ケイ素の製造工程について、図2を用いて、詳細に説明する。
本実施態様においては、炭素含有物質として石油コークスの場合を例に挙げて説明するが、それ以外に、炭素含有物質として石炭コークスや活性炭も使用することができる。
1−a)塩化炉内での塩素化反応
前記した図中ではシリカと表示されている二酸化ケイ素(以降、単に「シリカ」と呼ぶ場合がある。)と炭素含有物質による塩素化反応は、公知の反応炉を用いて塩素化反応を行わせることができ、固定層、移動層あるいは流動層形式の反応炉により前記塩素化反応を行わせることができる。特に、流動層形式で前記塩素化反応を進めることが好ましい。流動層形式の反応炉を使用することで、前記二酸化ケイ素の塩素化反応を効率的に進めることができる。
また、前記塩素ガスは、反応部に供給するに先立って予熱しておくことが好ましく、具体的には反応温度もしくはそれ以上に予熱しておくことが好ましい。また、前記酸素ガスも同様に予熱しておくことが好ましい。前記したような原料ガスの予熱操作を行うことで、二酸化ケイ素の吸熱反応に伴う反応部の温度低下を効果的に抑制することができ、その結果、二酸化ケイ素の塩素化反応を効率よく維持することができるという効果を奏するものである。
前記塩素化反応の温度は、1000〜1500℃の範囲で行なうことが好ましく、1300〜1500℃の範囲で行なうことがより好ましい。前記したような温度範囲で塩素化反応を円滑に進めることができる。塩素化反応が1000℃未満では、二酸化ケイ素の塩素化反応速度が十分に得ることができない。前記塩素化反応温度が1500℃以上では塩素化反応に伴う吸熱量が増大しその為の加熱炉が大掛かりになり経済的でないことや前記反応温度に耐えうる材質を見つけることが困難になり、このため、塩素化反応の温度は1000〜1500℃の範囲で行なうことが好ましいとされる。
図2において符合1は塩化炉であり、その底部より図示しない分散盤等の公知の構造によって塩素ガスおよび酸素ガスの混合ガスを供給し、また、側壁より図示しない原料ホッパー等を使用してシリカとコークスを供給する。塩化炉1内ではこれら原料によって流動層が形成されており、流動層中でシリカが塩素化されて、四塩化ケイ素が生成する。
本願発明を構成する塩素化工程においては、シリカを原料とするものであり、前記シリカとコークスを塩素化工程にて、酸素ガス共存下で塩素ガスと反応させて四塩化ケイ素を製造することを特徴とするものである。
塩素ガス中に酸素ガスが共存しているので、塩化炉1内に投入されるコークスの一部が酸素によって燃焼し、反応熱が発生する。その反応熱を利用することで、シリカの塩素化反応に伴う吸熱反応に起因する炉内の温度低下を効果的に抑制することができる。
塩素ガスに添加する酸素ガス量は、シリカの塩素化反応に伴う吸熱量および塩化炉からの放熱量を予め計算し、コークスと酸素との反応で生成する燃焼熱がこれら吸熱量および放熱量の合計に見合う以上の熱となるように求めておくことができる。このようにして求めた必要な量の酸素ガスを添加しておくことで、塩化炉1内の温度を、シリカの塩素化反応温度域に安定的に維持することができる。
本願発明においては、塩素ガスに対する酸素ガスの添加量は、5〜100vol%が好ましく更に、20〜60vol%がより好ましいとされる。塩素ガスに対する酸素ガスの添加量が100vol%を超えた場合、シリカの塩素化反応に寄与するコークスに比べて酸素ガスとの燃焼反応で消費されるコークス量が増加してシリカの塩素化反応速度の低下を招き、その一方では、塩素ガスに対する酸素ガスの添加量が5vol%を下回る場合には、反応域の温度が十分に上がらず、実質的なシリカの反応速度が低下するからである。
酸素ガスは、塩化炉1内に塩素ガスを供給するに先立って事前に塩素ガスに添加されるが、その際、酸素ガスと塩素ガスは、事前に十分に混合しておくことが好ましい。
酸素ガスを添加した塩素ガスは、シリカの塩素化反応が進行している流動層に対して、塩化炉の底部から連続的に供給されるが、このとき、流動層内の温度がシリカの塩素化反応を効率良く進行する所定温度域となるように調整しながら供給することが好ましい。
このようにして、シリカと塩素ガスによる塩素化反応と、コークスと酸素ガスによる燃焼反応は同時に進行するが、酸素ガスはコークスとの燃焼で優先的に反応するため、流動層内で生成した四塩化ケイ素は酸素ガスによる酸化を殆ど受けず、歩留まり良く四塩化ケイ素を生成させることができる。
なお、前記特許文献8では、四塩化チタンの製造において塩化炉の頂部より酸素を供給すると四塩化チタンが酸化されてしまうという問題があったが、これは、塩化炉の頂部には反応生成物の四塩化チタンが多く存在するために酸化を受けてしまうものである。これに対して、本願発明では、この方法とは異なり、酸素ガスが導入されるのは流動層の底部であり、底部には、四塩化ケイ素は未だ殆ど生成されておらず、コークスが酸素ガスと優先的に反応することにより、まずはコークスと酸素による燃焼熱を発生し、次いで、酸素ガス濃度が低下した上方の部位でシリカとコークスと塩素ガスの塩素化反応が進行するためであると考えられる。
このように、塩化炉の底部より酸素ガスを添加した塩素ガスを流動層内に供給することで、流動層内をシリカの塩素化反応に適した温度範囲に維持し、また、四塩化ケイ素の酸化反応を抑制しつつ、シリカの塩素化反応を効率よく進めることができるという効果を奏するものである。
また、前記酸素ガスと塩素ガスは、それぞれ独立に塩化炉内に導入することもできる。例えば、塩化炉の炉底部の中心部から塩素ガスを導入し、その外周部より酸素ガスを導入してもよい。前記したような方法で酸素ガスを塩化炉内に導入することで、前記塩化炉内に構成されている流動層の外周部に熱発生源を形成させることができ、その結果、塩化炉中央部に導入された塩素ガスとコークスおよびシリカの反応でもたらされる温度低下を効率よく回避することができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、また、酸素ガスを添加した塩素ガス中に水素ガスを添加してもよい。前記した水素ガスを添加することで、塩素ガスと水素ガスとの反応熱をシリカの塩素化反応に対する熱を補償することができるという効果を奏するものである。さらに、酸素ガスの添加によりシリカの塩素化反応で生成した四塩化ケイ素の酸化反応で副生した塩素ガスを前記水素ガスと反応させることで比較的処理の容易な塩化水素ガスに変換させることもできるという効果も奏する。
本願発明においては、原料のシリカに金属ケイ素を添加してもよい。シリカに添加された金属ケイ素は、塩素ガスと反応して四塩化ケイ素を生成する際に発生する反応熱を、シリカの塩素化反応に伴う吸熱による反応部の温度低下を効果的に補償することができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、塩化炉1内の圧力を大気圧よりも高めに維持することで、シリカの塩素化吸熱反応を緩和でき、その結果、塩素ガスに添加する酸素ガス量を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
これは、シリカとコークスと塩素との塩素化反応に伴って発生するCOガスおよびCOガスのうち、反応雰囲気の圧力が高まることによってCOガスの生成比が高められ、その結果、塩素化反応に伴う吸熱反応を緩和できる。また、さらには、前記反応雰囲気の圧力を高めることで、コークスの燃焼反応で生成したCOガスとコークスとの反応(カーボンソリューション反応)が、効率よく抑制され、その結果、前記流動層内の温度低下を効率的に抑制することができるという効果も同時に奏する。
本願発明においては、塩化炉1内の圧力は、1〜5気圧の範囲に制御することが好ましく、更には、1〜3気圧がより好ましいとされる。圧力が1気圧未満では、シリカの塩素化反応に伴う反応熱が吸熱となり適切な反応温度を維持が困難であり、また、圧力を5気圧超とすれば塩化炉1やその他の装置の耐圧構造にコストが嵩み経済性の点で不利になり、よって本願発明においては、前記塩化炉1内の圧力は、1〜5気圧の範囲とすることが好ましい。
前記塩化炉1内を加圧することで、塩化炉1から冷却系に飛散するシリカやコークスの飛散量も効果的に抑制でき、その結果、シリカやコークスの四塩化ケイ素単位重量当たりの原単位を効果的に高めることができるという効果も奏する。
本願発明においては、前記塩素化反応領域において、外部より高周波あるいはマイクロ波を印加してもよい。前記高周波やマイクロ波を塩素化領域に吸収させることにより、塩素化領域の温度を反応継続に好適な範囲に維持することができる。
本願発明においては、塩素化反応領域に保持したシリカとコークスにマイクロ波を印加させることにより、シリカの塩素化反応の際の熱を適切の補給することができ、その結果、反応部の温度を低下させることなく、適切に維持することができるという効果を奏するものである。
マイクロ波の出力は反応部の熱収支より計算され、周波数は300MHz〜30GHzの範囲から適宜選択することができる。
1−b)四塩化ケイ素の原料
本願発明に用いるシリカは、98wt%以上の純度を有していることが好ましい。前記したような純度の高いシリカを用いることで、純度の高い四塩化ケイ素を製造することができる。このようなシリカとしては、石英、ケイ石、珪砂、あるいは珪藻土(非晶質シリカ)を有効に利用することができる。
なお、本願発明に用いるシリカの粒度は、5μm以下に粉砕整粒しておくことが好ましい。更には、3μm以下に粉砕整粒しておくことがより好ましいとされる。また、前記シリカは、非晶質であるものを使用することが好ましい。非晶質なシリカを用いることでシリカの塩素化反応を効率よく進めることができるという効果を奏するものである。
また、本願発明に用いるコークスもできるだけ純度の高いことが好ましく、具体的には、純度が90wt%以上のコークスを用いることが好ましい。純度の高いコークスを用いることで、前記シリカの塩素化工程で製造された四塩化ケイ素の純度を98wt%以上の純度に維持することができる。また、コークスは10μm以下に粉砕整粒しておくことが好ましく、5μm以下に粉砕整粒しておくことがより好ましいとされる。コークスは、石油コークス、石炭コークスまたは活性炭の中から任意に選択することができるが、本願発明においては、石油コークスあるいは活性炭を使用することが好ましい。
本願発明においては、コークスが10μm以下、シリカが5μm以下において、造粒前のコークスに対するシリカの粒径比は、0.1〜1.0とすることが好ましく、0.3〜1.0とすることがより好ましく、更には、0.6〜1.0とすることがより好ましいとされる。
前記した範囲にコークスに対するシリカの粒径比を調整することにより、四塩化ケイ素の生成速度を高いレベルに維持することができるという効果を奏するものである。より好ましくは、コークスに対するシリカの平均粒径比はできる限り1に近づけることが好ましい。このようなコークスとシリカの平均粒径比を採用することにより、シリカの塩素化反応速度を、より高いレベルに維持することができるという効果を奏するものである。このような条件は、シリカとコークスを共粉砕することで達成することができる。
シリカとコークスは、必要に応じバインダーが添加し、公知の造粒機を用いることにより、目的の大きさまで効果的に造粒する。造粒されたシリカとコークスからなる造粒体は、造粒後、必要に応じ、加熱・乾燥の後、粉砕、整粒される。シリカとコークスは、市販の造粒機を用いて造粒することができる。水ガラスやTEOS(テトラエトキシシラン)のようなバインダーをシリカとコークスに添加しても構わない。水ガラスやTEOSは、シリカとコークスの合計重量に対して、3wt%〜30wt%の範囲で添加することが好ましい。前記した範囲のバインダーを添加するとにより、効率よく造粒体を成形できるとともに、その後行の脱バインダー処理も効率よく行なうことができるという効果を奏する。更には、シリカとコークスの結合を高めることができ、その結果、強固な顆粒状原料を構成することができるという効果を奏するものである。
本願発明に用いる造粒体を構成するシリカに対するコークスのモル比は、1〜5の範囲に設定しておくことが好ましく、更には、1〜4の範囲がより好ましいとされる。造粒体のシリカに対するコークスの比を前記の範囲に調整しておくことで、造粒体と塩素ガスとの反応を効率よく進めることができるという効果を奏するものである。
本願発明に用いるシリカとコークスから構成された造粒体の径は、0.1mm〜2.0mmの範囲とすることが好ましい。前記した大きさの造粒体とすることにより、当該塩素化反応を流動層あるいは固定層にて効率よく進めることができる。造粒体の粒径が0.1mm未満の場合では、流動層あるいは固定層からの飛び出しが多くなり歩留まりの点で好ましくない。一方、造粒体の径が2.0mmより大きくなると、塩素化反応速度が低下して好ましくない。シリカとコークスから成る造粒体を流動層にて塩素化させる場合には、0.1mm〜1.0mm、固定層を用いて塩素化させる場合には、1.0mm〜2.0mmの大きさに造粒しておくことが好ましい。なお、造粒体の粒度分布は、分級、篩別などの操作により調整しても良い。
本願発明においては、前記のような方法で成形された造粒体は、固定層あるいは流動層のいずれの装置形態を用いても塩素化反応を行わせることができるという効果を奏するものである。
また、本願発明に用いる造粒体の気孔率は、30〜65%の範囲に制御しておくことが好ましい。造粒体の気孔率が30%未満の場合には、四塩化ケイ素の生成速度が低下し、実用的な反応速度が得られる好ましくない。一方。気孔率が65%より大きい場合には、塩素化反応中の造粒体の形状が維持できず実用的でない。
なお、前記の大きさに造粒されたシリカとコークスからなる造粒体は、引き続き加熱・乾燥することが好ましい。加熱・乾燥は、110〜400℃の範囲で行なうことが好ましい。前記のような温度範囲で加熱することで、顆粒状原料に含まれている水分やバインダーを効果的に揮発分離することができるという効果を奏するものである。また、塩素ガスとの反応を安定して効率よく行わせることができる。
また、加熱・乾燥時間は、0.5時間〜100時間の範囲が好ましく、24時間〜48時間がより好ましいとされる。前記の範囲に加熱・乾燥時間を設定することで、前記したバインダーを効果的に揮発・分離することができるという効果を奏するものである。
前記加熱・乾燥時間が、100時間を超えると造粒体の焼結が進行し、塩素ガスとの接触効率の低下をもたらす。一方、前記乾燥時間が0,5時間未満では、造粒体に含まれるバインダーの揮発・分離が不十分となり、生成される四塩化ケイ素の歩留まりや純度低下をもたらす。
前記加熱乾燥された造粒体は、次いで粉砕・整粒しておくことが好ましい。本願発明においては、前記粉砕整粒後のシリカとコークスからなる顆粒状原料は、公知の分級、篩別等の手段により、0.1mm〜2.0mmの範囲に調整しておくことが好ましい。前記のような粒度範囲に調整しておくことで、固定層あるいは流動層に好適な原料形態とすることができる。
本願発明においては、また、シリカとコークスのみならず金属シリコンスクラップ等のリサイクル材を添加してもよい。前記した金属シリコンを添加することにより、塩素ガスとの反応の際に発生する反応熱を利用して塩素化反応温度を適切な温度域に維持することができるという効果を奏する。
1−c)塩素化反応温度
塩素化の温度は、1000℃以上の範囲が好ましく、本願発明においては、特に1300℃以上とすることがより好ましいとされる。しかしながら、塩素化の温度は1500℃以下とすることが好ましい。塩素化の温度が1500℃を超えるような場合においては塩化炉内の炉壁の寿命が低下する。
前記した塩化炉1の内壁は、カーボンあるいは窒化ケイ素で構成することが好ましい。前記した材質で構成されたレンガを塩化炉1の内壁に用いることで、耐熱性および耐塩素性が向上し、シリカとコークスとの流動化反応による塩化炉1の内壁の損耗を効率よく抑制することができるという効果を奏するものである。
シリカの塩素化反応を流動層形式の塩化炉1で行なう場合には、塩化炉1内にシリカとコークスからなる造粒体を供給することが好ましい。前記造粒体は、塩素化反応の進行に伴い粒径が減少し、流動層内の飛び出し速度に対応する粒径になった時点で塩化炉1から冷却系に飛散する。
一方、固定層形式の塩化炉を使用する場合にも、シリカとコークスからなる造粒体を層内に供給することが好ましい。造粒体の形でシリカとコークスを塩化炉1内に供給することで、シリカの塩素化反応を効率よく行なわせることができるという効果を奏するものである。前記した造粒体の大きさは、塩化炉1の底部から内部に供給する塩素ガスの流量に応じて適切な範囲に選択することができ、塩素ガス流量が大きいほど、造粒体も大きくした方が、ガスの流通抵抗を下げる意味から好ましい。
2.サイクロンでの固−気分離
塩化炉1で生成した気体状の四塩化ケイ素およびその他の不純物ガスの混合ガスは、固気分離器であるサイクロン2に導かれる。前記混合ガスは、不純物ガスのみならず塩化炉1からキャリーオーバーしてきたシリカやコークス等の固形分を含んでいるので、混合ガスをサイクロン2に導くことにより、これらの固形分を効率よく分離することができる。分離された固形分は不純物タンク5に回収される。
また、混合ガスをサイクロン2に導くに先立ち、図2の符号aに示すように、塩化炉1の頂部から、液状の四塩化ケイ素を噴霧してもよい。前記液状の四塩化ケイ素を噴霧することでサイクロン2に導く混合ガスを適切な温度範囲まで冷却することができる。
3.冷却器での不純物分離
サイクロン2において固形分が分離された四塩化ケイ素ガスと不純物ガスの混合物は、さらに冷却器3に導かれる。冷却器3の頂部からは、符号bに示すように、液状の四塩化ケイ素を噴霧し、サイクロン2より導かれた混合ガスを四塩化ケイ素の沸点を越えない範囲で、できるだけ低温に冷却される。
このようなガス冷却操作を行うことにより、四塩化ケイ素ガス中の不純物ガスのうち、沸点が四塩化ケイ素よりも高いものは液化し、冷却器3の底部に設けられた不純物タンク6に回収される。一方、四塩化ケイ素よりも沸点の低い不純物ガスと、四塩化ケイ素ガスの混合ガスは下流の液化器4に導かれる。
4.液化器での液化回収
液化器4に導かれた四塩化ケイ素ガスおよび低沸点不純物ガスは、更に、符号cに示すように頂部より噴霧された液状の四塩化ケイ素と接触させることが好ましい。
低沸点不純物ガスを含む四塩化ケイ素ガスを液状の四塩化ケイ素と接触させることで、四塩化ケイ素ガスは冷却されて液状の四塩化ケイ素としてタンク7に回収される。
液化器4で凝縮回収されなかったガスの大半はCOガスであり、このCOガスを燃焼させ、生成する燃焼熱を後工程の四塩化ケイ素の蒸留精製設備の熱源として利用することもできる。
液化器4において使用されるガス冷却用の液状四塩化ケイ素cは、液化器4で回収された液状四塩化ケイ素の一部を熱交換器8にて冷却されたものを使用することができる。また、塩化炉1や冷却器3で使用される液状四塩化ケイ素aおよびbも同様である。本願発明においては、前記液状四塩化ケイ素の温度は、10〜30℃の範囲に制御することが好ましい。
5.タンクへの回収
前記液化器4で回収された液状の四塩化ケイ素は、シックナー又は液体サイクロンにて固形不純物を分離してから、タンク7を経由して、その上澄み液を図示しない蒸留精製工程に導くことが好ましい。前記液状の四塩化ケイ素をシックナー又は液体サイクロンにて処理することにより、液状四塩化ケイ素中に含まれるシリカやコークスを効率よく分離することができるという効果を奏するものである。
本願発明では、更に、シックナーや液体サイクロンで処理された四塩化ケイ素をタンク7に導くことで、液状四塩化ケイ素中に含まれるシリカやコークスを比重分離させることで、更に清澄な四塩化ケイ素を蒸留精製工程に導くことができる。
また、本願発明においては塩素化工程で生成された気体状の四塩化ケイ素を冷却して、一旦液状の四塩化ケイ素とし、これを蒸留精製して純度の高い四塩化ケイ素とし、次の還元工程に供給することが好ましい。
前記塩素化工程で生成された気体状の四塩化ケイ素は、前記四塩化ケイ素を冷却して生成された液状四塩化ケイ素と接触させて液状の四塩化ケイ素として回収することが好ましい。
前記塩素化工程では、四塩化ケイ素に加えてCOおよびCOガスも副生するが、前記COガスを燃焼させすることで発生する熱を回収することが好ましい。前記回収熱で水を加熱し、水蒸気として回収することで、例えば四塩化ケイ素の蒸留精製工程の加熱源に利用することができる。
6.還元工程
本願発明を構成する還元工程においては、前記塩素化工程で生成した四塩化ケイ素と、電解工程で副生した還元剤金属(例:金属亜鉛)の両者を気相で還元反応させることが、得られるポリシリコンを高純度にする上で好ましい。前記したような気相還元反応を行わせて生成したポリシリコンは、固体状シリコンとして析出させ、また、前記還元反応で副生した還元剤金属塩化物(例:塩化亜鉛)は気体状で回収し、別途凝縮分離することが好ましい。このような反応条件を選択することで、生成したポリシリコン中への還元剤金属塩化物(例:塩化亜鉛)の混入を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。還元剤金属として金属亜鉛を例にとれば、塩化亜鉛の融点は420℃、塩化亜鉛の沸点は、756℃、ポリシリコンの融点は1414℃であるので、前記反応部の温度を、塩化亜鉛の沸点以上であって、ポリシリコンの融点以下に保持しておくことで、前記還元反応で生成したポリシリコンを固体で、また、副生した塩化亜鉛を気相状態で生成させることができる。
また、本願発明においては、前記気体状の四塩化ケイ素と気体状金属亜鉛ガスとの反応で生成したポリシリコンは、反応部に予めポリシリコンを設け、そのポリシリコンの固体表面にて析出・成長させても良い。前記したような固体表面を意図的に内包しておくことで、四塩化ケイ素と気体状金属亜鉛との反応で生成した金属シリコンを効率よく析出成長させることができる。
前記したポリシリコンの固体表面は、例えば板状あるいは筒状のポリシリコンを内包しておくことで構成することができる。また、前記気体状の四塩化シリコンの噴出ノズルをポリシリコンで構成することにより、前記ノズル先端部を固体表面としてポリシリコンの析出サイトとして利用することもできる。前記ノズル先端部に形成されたポリシリコン結晶自身を新たな固体表面と見立てることで、前記ポリシリコンを効率よく析出成長させることができるという効果を奏するものである。
前記還元剤金属は、前記した金属亜鉛以外にも、アルミニウム等の金属を使用することができるが、本願発明においては、金属亜鉛を四塩化ケイ素の還元剤として用いることが好ましい。前記した金属亜鉛を還元剤として用いることで、生成されたポリシリコンの純度を高いレベルに維持することができるという効果を奏するものである。
前記ポリシリコンは、加熱溶解されて、純度の高い単結晶または多結晶シリコンインゴットを得ることができる。
7.電解工程
本願発明を構成する電解工程においては、前記還元工程より溶融状態で移送された還元剤金属塩化物を電解工程の電解槽に注入するに先立って、前記還元剤金属塩化物を一旦貯槽に移送して所定時間静置した後、前記貯槽内に保持された還元剤金属塩化物の清澄部分を電解槽に供給することが好ましい。前記したように還元工程で副生した還元剤金属塩化物を一旦静置させることにより、前記還元剤金属塩化物中に含まれている還元剤金属を効果的に分離除去することができる。
還元剤金属、還元剤金属塩化物の一例として、それぞれ金属亜鉛、塩化亜鉛の例について説明する。金属亜鉛は、塩化亜鉛に比べて比重が大きいので、前記したように還元工程で副生した塩化亜鉛を静置分離することで、塩化亜鉛中に含まれている金属亜鉛を塩化亜鉛層中に沈降分離することができ、その結果、前記上澄み部位を吸引排出させることで、純度の高い塩化亜鉛を電解槽に注入することができるという効果を奏するものである。
前記電解槽に供給された塩化亜鉛は、電解槽内で溶融塩電解されて金属亜鉛と塩素ガスに再生することができる。前記再生された塩素ガスは、シリカの塩素化剤として使用することができ、また、金属亜鉛は、シリカの塩素化反応で生成した四塩化ケイ素の還元剤として有効利用することができる。
本願発明においては、前記溶融塩電解工程で生成された塩素ガスは、塩化工程に移送するに先立って、脱水乾燥塔で充分に水分を除去することが好ましい。例えば、溶融塩電解工程で生成された塩素ガスは、硫酸乾燥塔を通過させることにより、塩素ガス中に含まれている水分やミスト分を効率よく分離することができるという効果を奏するものである。
前記電解工程に用いる溶融塩は、例えば、塩化カルシウムや塩化ナトリウム等の第三成分を配合して使用することが好ましい。前記したような電解浴を使用することで、溶融塩電解の温度を低下させることができ、その結果電流効率を効果的に高めることができるという効果を奏するものである。
当該還元剤金属塩化物(例:塩化亜鉛)の溶融塩電解で生成した還元剤金属(例:金属亜鉛)は、溶融状態のまま、還元工程に移送することが好ましい。そして、還元工程に移送された還元剤金属(例:金属亜鉛)は、外部より加熱することで気体状の還元剤金属(例:金属亜鉛)とすることが好ましい。
以上述べたように、本願発明に従えば、シリカを出発原料として、まずは、酸素ガスを予め添加した塩素ガスによるシリカの塩素化反応により四塩化ケイ素を効率良く生成させ、これを還元剤金属(例:金属亜鉛)で還元することで、純度の高いポリシリコンを効率よく生成することができるという効果を奏するものである。
また、前記還元反応で副生した還元剤金属塩化物(例:塩化亜鉛)は、溶融塩電解により還元剤金属(例:金属亜鉛)と塩素ガスに再生することができ、その結果、還元剤金属(例:金属亜鉛)を四塩化ケイ素の還元剤に、また、塩素ガスは、シリカの塩素化剤としてリサイクル使用することができ、資源保護の意味からも好ましい効果を奏するものである。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
図2に示す装置を用いて、以下に示す条件にて塩素化工程においてシリカを原料として四塩化ケイ素を生成し、還元工程においてこれを金属亜鉛蒸気で還元して固体状のポリシリコンを生成した。また、還元反応で副生した塩化亜鉛は、電解工程で金属亜鉛と塩素ガスに溶融塩電解し、金属亜鉛は四塩化ケイ素の還元剤として、塩素ガスはシリカの塩素化剤としてリサイクル使用した。更に、還元工程で生成したポリシリコンを溶解して高純度の種結晶上に高純度シリコンを析出させた。
1.塩素化工程
1)原料
下記原料を用いて、1〜2mmの造粒体を形成して塩素化反応に供した。
(1)シリカ :純度98wt%、粉砕後の粒径5μm
(2)コークス:純度90wt%、粉砕後の粒径10μm、種類:石油系コークス
(3)バインダ:水ガラス(シリカとコークスに対する添加率:5wt%)
塩素化反応に用いたシリカおよびコークスの粒径は、レーザー光散乱回折法粒度測定機を用いて測定した。粒径(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径)は、粒度分布測定装置LA−920(株式会社堀場製作所製)を用い、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.2%水溶液に測定試料を投入し、LA−920内蔵の超音波分散装置(出力30W−レンジ5)にて、3分間分散処理した上で測定した。また、造粒体の粒径は、篩別により1〜2mmとなるように調製した。
2)塩素化温度:1300〜1500℃
3)塩化炉:カーボンライニング内張り反応器
4)塩素ガス流量:2.4リッター/分
5)酸素ガス:塩素ガス量に対して、30vol%の酸素ガスを添加した。
6)反応様式:固定層
7)固定層中のコークス/シリカの充填比(モル):2
8)固定層中への装入シリカ重量:90g
前記反応条件で酸素ガスを添加した塩素ガスを炉内に供給したところ、炉内温度が1200℃まで上昇し、四塩化ケイ素が連続的に生成していることが確認された。回収された四塩化ケイ素の重量および最初に装入したシリカの重量から以下の(1)式で導出した値をシリカの反応速度の指標としたところ、その値は6(g−SiCl/分)であった。
反応速度=(回収四塩化ケイ素の重量)/反応時間(g−SiCl/分)・・・(1)
2.還元工程
1)原料
四塩化ケイ素:塩素化工程で生成された四塩化ケイ素。
金属亜鉛:還元工程で副生された塩化亜鉛の溶融塩電解により再生された金属亜鉛。
2)還元温度:900〜1100℃
3)ポリシリコン:反応部で生成されたポリシリコンを不活性ガス中で冷却後、回収して製品とした。
3.電解工程
1)電解原料:還元工程で副生された塩化亜鉛
2)電解槽:バイポーラ方式溶融塩電解槽
3)電解浴組成:塩化亜鉛:塩化ナトリウム=60:40(モル%)
4) 電解生成物:溶融金属亜鉛(還元工程に戻して四塩化ケイ素の還元剤として利用した。)
[実施例2]
実施例1の粉砕前のシリカとコークスをモル比で1:2に配合してボールミルに投入後粉砕機にかけて、粉砕時間を変えてシリカとコークスの粒径を変更した。次いでシリカとコークスに対して25%のTEOSを添加した後、造粒機を用いて造粒体とした。次いで前記造粒体を、加熱乾燥後、0.5mm〜1mmに整粒してから固定層を用いて塩素化試験を行い、四塩化ケイ素の生成を確認した。
シリカの反応速度指標を前記(1)式によって計算し、種々の試験条件で確認された反応速度を表1に整理した。
シリカの粒径が5μm以下、コークスの粒径が10μm以下で構成した造粒体を塩素化反応に供することで効率的に四塩化ケイ素の生成が確認された。その中でも、シリカの粒径が3μm、コークスの粒径が5μmの場合の四塩化ケイ素の反応速度は、シリカの粒径が10μm、コークスの粒径が45μmの場合に比べて3倍以上大きいことが確認された。また、シリカの粒径が5μm、コークスの粒径が10μmの場合に比べても2倍以上大きいことが確認された。
Figure 0005755150
[実施例3]
実施例2において、造粒体を構成するシリカとコークスのモル比を種々変更して、四塩化ケイ素の生成状況に及ぼす影響を調査した。その結果を表2に示す。シリカに対するコークスのモル比が、1.0〜4.0においては、塩素ガスの利用率が90%以上にあり良好な反応性を示した。しかしながら、シリカに対するコークスのモル比が0.5では、塩素ガスの利用率が50%まで低下した。
ここで、塩素ガスの利用率とは、投入塩素ガス量対して回収された四塩化ケイ素から計算された塩素ガス量のモル比(%)と定義した。本実施例により、造粒体を構成するシリカに対するコークスのモル比は、1.0〜4.0の範囲が好ましいことが確認された。
Figure 0005755150
[実施例4]
実施例2において、シリカとコークスの粒径を5μm、気孔率を50%に設定し、造粒体の粒径のみを変更して、キャリーオーバーロスと反応速度について調査し、その結果を表3に整理した。
造粒体の粒径が0.1mm未満ではキャリーオーバーロスが急激に増加する傾向が確認された。一方、造粒体の粒径が2.0mmを越えると反応速度が低下する傾向を示した。 よって、本願発明においては、造粒体の粒径の好ましい範囲は、0.1〜2.0mmと確認された。
キャリーオーバーロスは、冷却系で回収された固形分の重量を、また反応速度は前記(1)式で計算された値を表3に示した。
Figure 0005755150
[実施例5]
実施例2においてシリカとコークスの粒径は5μm、造粒体の粒径を0.5mm〜1mmとし、造粒体の反応速度と造粒体強度に及ぼす気孔率の影響について塩素化試験を行いその結果を表4に示した。
造粒体の気孔率は、造粒機の運転時間とバインダーであるTEOSの添加量を変更することで調整した。また、気孔率は、造粒体が球であり六方最密充填をすると仮定して算出した。反応速度は、前記(1)式に基づき求めた。
気孔率が30%〜65%の範囲においては、造粒体の形状を維持しつつ、塩素化反応を最後まで効率よく進めることができた。しかしながら気孔率が30%未満では、気孔率が50%のときに比べて反応速度は半減した。一方、造気孔率が65%より大きい70%の場合においては、固定層による塩素化反応を進めている中で、反応途中で造粒体が粉化して系外に飛散した。
表4中の崩壊性のところで示した○印は、塩素化反応の最後まで造粒体の形状が維持された状態を表す。これに対して、△印は、塩素化反応の途中で形状を維持することができず粉化して、系外に飛散したことを意味する。
Figure 0005755150
[比較例1]
実施例1において、酸素ガスを添加しない以外は同じ条件下にて、四塩化ケイ素を製造しようとしたが、反応途中で温度が低下して、反応を途中で中断せざるを得なかった。
[比較例2]
図3に示すシーメンス法により、MG−Siシリコンと塩化水素との反応で得られたトリクロロシランを水素還元してポリシリコンを析出生成させた。
本願発明に係る方法(実施例)で製造されたポリシリコンを製造する際のエネルギー原単位は、従来の方法(比較例2)に比べて10〜30%低減されることが確認された。また、コークスの消費量も従来のシーメンス法に比べて削減されるという効果を奏するものである。更には、本願発明に係る方法では、水素ガスも不要であり、コストの点でも、従来法に比べて安価に製造することができるという効果を奏するものである。
本発明は、太陽電池グレードの高純度ポリシリコンを、従来に比べて低エネルギーかつ安価に製造する技術として好適に用いることができる。

Claims (14)

  1. 二酸化ケイ素を原料として四塩化ケイ素を経由してポリシリコンを製造する方法であって、
    粒径5μm以下の前記二酸化ケイ素と粒径10μm以下の前記炭素含有物質から構成された粒径0.1〜2.0mm、気孔率30〜65%の造粒体を塩素化して四塩化ケイ素を生成する塩素化工程と、
    前記四塩化ケイ素を還元剤金属で還元してポリシリコンを生成する還元工程と、
    前記還元工程において副生した還元剤金属塩化物を溶融塩電解して還元剤金属と塩素ガスを生成させる電解工程とからなり、
    前記塩素化工程は、前記二酸化ケイ素と前記炭素含有物質に、酸素ガス共存下で塩素ガスを供給してこれらを反応させるものであり、
    前記電解工程で生成した前記還元剤金属を前記還元工程にて四塩化ケイ素の還元剤として再利用し、
    前記電解工程で生成した前記塩素ガスを前記塩素化工程にて再利用することを特徴とするポリシリコンの製造方法。
  2. 前記塩素化工程で生成した気体状の四塩化ケイ素に液体状の四塩化ケイ素を噴霧し接触させて、前記気体状の四塩化ケイ素を冷却すると共に、前記気体状の四塩化ケイ素に随伴される気体状の不純物塩化物を前記液体状の四塩化ケイ素中に凝縮させて分離することを特徴とする請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
  3. 前記液体状の四塩化ケイ素が、気体状の四塩化ケイ素を液体状の四塩化ケイ素と接触させて凝縮回収された液体状の四塩化ケイ素であることを特徴とする請求項2に記載のポリシリコンの製造方法。
  4. 前記塩素化工程で生成した気体状の四塩化ケイ素を蒸留精製した後、前記還元工程に移送することを特徴とする請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
  5. 前記還元工程において、気体状の四塩化ケイ素と気体状の還元剤金属を反応させて生成した固体状のポリシリコンを、別の固体状のポリシリコンの表面に析出成長させることを特徴とする請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
  6. 前記還元工程で副生した前記還元剤金属塩化物を溶融状態にて前記電解工程に移送することを特徴とする請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
  7. 溶融状態で電解工程に移送された前記還元剤金属塩化物を中間タンクに貯留させた後、前記中間タンク内に貯留されている液状の還元剤金属塩化物の上澄みを前記電解工程に移送することを特徴とする請求項6に記載のポリシリコンの製造方法。
  8. 前記電解工程において生成した液状還元剤金属を溶融状態のまま前記還元工程に移送することを特徴とする請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
  9. 前記電解工程において生成した塩素ガスを脱水乾燥塔を経由させた後、前記塩素化工程に供給することを特徴とする請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
  10. 前記二酸化ケイ素の純度が98wt%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
  11. 前記炭素含有物質の純度が90wt%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
  12. 前記還元剤金属が、金属亜鉛、アルミニウム、カリウム、またはナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかの方法で製造されたポリシリコンが、純度6N以上である高純度ポリシリコンであることを特徴とするポリシリコンの製造方法。
  14. 粒径5μm以下の二酸化ケイ素粒径10μm以下の炭素含有物質から構成された粒径0.1〜2.0mm、気孔率30〜65%の造粒体と、塩素ガスとを塩化炉内に供給して、これらを反応させて気体状の四塩化ケイ素を得る四塩化ケイ素の製造方法において、
    前記塩素ガスに予め酸素ガスを添加しておくことを特徴とする四塩化ケイ素の製造方法。
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