JP5738631B2 - 乗客コンベアのブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本実施形態は、乗客コンベアのブレーキ装置に関する。
乗客コンベアの一例であるエスカレータは、エスカレータが設置される設置構造物の上階側と下階側とにスプロケットが2つずつ同一軸心上に配置され、これらのスプロケット間に平行に位置する2本の踏段チェーンが掛け渡されている。2本の踏段チェーンには、複数の踏段の両端部が連結されている。
上階側と下階側とのいずれか一方にモータ等の駆動部が配置され、駆動部からの駆動力が駆動力伝達チェーンを介してスプロケットに伝達され、スプロケットが回転駆動される。スプロケットが回転駆動されることによりこのスプロケットと他のスプロケットとの間に掛け渡されている踏段チェーンが循環移動し、踏段上に乗っている利用者は下階から上階へ、又は、上階から下階へと運ばれる。
このようなエスカレータでは、万一、駆動力伝達チェーンが切れる事故等が発生し、踏段上に乗っている利用者の重量によって踏段と踏段チェーンとが下階側に向けて暴走するのを防止するため、スプロケットの回転を阻止する乗客コンベアのブレーキ装置が設けられている場合がある。
このブレーキ装置は、駆動力伝達チェーンが切れたことを検知した場合、検知結果に基づいて可動片を移動させ、移動させた可動片をスプロケットと共に回転する回転板の歯部に係合させてスプロケットの回転を阻止している。スプロケットの回転が阻止されることにより、このスプロケットと他のスプロケットとの間に掛け渡されている踏段チェーンの循環移動が阻止され、踏段チェーンと踏段とが下階側に向けて暴走することが阻止される。
上記のようなブレーキ装置においては、可動片が回転板の歯部に係合されることにより、回転体に連結されたスプロケットは急ブレーキを掛けられた状態となり、踏段チェーンと踏段とが急停止されると踏段の上に乗っている利用者が転倒するおそれがある。
そこで、スプロケットに摩擦材を介して摺動可能に回転板を挟持することで、可動片が歯部に係合し回転板に所定以上の大きな制動力が作用すると、回転体とフランジとを相対的に摺動させて踏段チェーン及び踏段が急停止するのを防止するブレーキ装置が提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
特開昭63−315483号公報 特開平9−286581号公報
上記のような乗客コンベアのブレーキ装置では、回転板に所定以上の大きな制動力が作用すると回転板とフランジとを相対的に摺動させ、かつ、回転板の停止後は回転板がフランジに対して摺動することなくスプロケットの回転を阻止する必要があるため、スプロケットに設けた摩擦材が回転体を挟持する力(摩擦力)を所定範囲内に設定しなければならず、乗客コンベアの全長が長くなるほど必要となる摩擦力が大きくなる。
そこで、本発明では、摩擦材が回転体を挟持する力を大きく設定しやすい乗客コンベアのブレーキ装置を提供することを目的とする。
実施形態の乗客コンベアのブレーキ装置は、踏段が連結されて循環移動する無端状の踏段チェーンが掛け渡されるスプロケットに連結されて前記スプロケットと共に回転し、回転中心周りに複数の係合部を有する回転板と、前記係合部に係合される係合位置と、前記係合部との係合が回避される退避位置とに移動可能に設けられる係合体と、前記踏段チェーンの循環移動状態の異常を検知する検知手段と、前記検知手段による検知結果に基づいて前記係合体を前記退避位置から前記係合位置へ移動させる移動手段と、前記回転板に対して回転軸方向に間隔をあけて固定されたブレーキ板と、前記回転板を前記スプロケットに連結するキャリパとを備え、前記キャリパは、前記回転板及び前記ブレーキ板の間に配設され前記回転板に接触する摩擦材と前記ブレーキ板に接触する摩擦材とを保持する内側保持部材と、前記回転板及び前記ブレーキ板の外側に配設され摩擦材を介して前記回転板及び前記ブレーキ板を挟持する一対の外側保持部材とを備え、前記内側保持部材及び前記一対の外側保持部材が、前記摩擦材を介して前記回転板及び前記ブレーキ板を挟持し、前記回転板はリング状に設けられ、前記回転板の内周面に当接し前記スプロケットに対して固定されたガイド部材を備え、前記スプロケットに対して前記回転板が相対的に回転すると、前記ガイド部材が前記回転板の回転を案内し、前記内側保持部は、前記回転板の径方向に突出して前記ガイド部材に当接する当接部を備えることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る乗客コンベアのブレーキ装置を有するエスカレータの全体構造の概略を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るブレーキ装置が設けられている乗客コンベアの上階側の構造を示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係るブレーキ装置の平面図である。 本発明の一実施形態に係る乗客コンベアのブレーキ装置の要部を示す斜視図である。 図4に示す乗客コンベアのブレーキ装置からキャリパの一部を取り除いた状態を示す斜視図である。 図2の要部を拡大して示す図である。 本発明の一実施形態に係るブレーキ装置の制御構造を示すブロック図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る乗客コンベアのブレーキ装置50は、例えば、建物の上下階に跨って傾斜して設置された乗客コンベア(エスカレータ)10に設けられている。
この乗客コンベア10は、図1に示すように、多数の踏段12を上階側の乗降口と下階側の乗降口との間で循環移動させることで、踏段12上に搭乗した乗客を上階と下階とにわたって搬送するものである。
多数の踏段12は、無端状の踏段チェーン14によって連結されており、建物の床下に設置されたトラスと呼ばれる主枠16内に配置されている。主枠16の上部両側には踏段12の移動方向に沿って一対の欄干30が立設され、欄干30の周囲にはベルト状の移動手摺32が装着されている。
主枠16の内部の上階側には、回転軸18と、回転軸18に連結された一対のスプロケット20(必要に応じて、20a,20bと示す)と、駆動モータ及び減速機を備えた駆動装置22とが配置されている。主枠16の内部の下階側には、回転軸24,回転軸24に連結された一対のスプロケット26が配置されている。
上階側のスプロケット20と下階側のスプロケット26との間には、踏段チェーン14が架け渡されており、スプロケット20,26の回転に伴って、踏段チェーン14がスプロケット20,26の間を循環移動し、踏段12も踏段チェーン14と一体に循環移動する。
図2に示すように、回転軸18の両端は軸受28により軸支され、軸受28は主枠16に取付けられている。回転軸18の外周面には、回転軸18の両端側に位置する一対の取付部17,19が溶接によって固定されている。
一方の取付部17には、一方のスプロケット(図2の左側のスプロケット)20aが着脱可能にボルト締めによって固定されている。スプロケット20aは、踏段チェーン14に噛み合う歯部を備える本体部20aaと、リング状に設けられたベース20abとに分割されており、本体部20aaとベース20abとがボルト締めによって固定されている。このスプロケット20aにはブレーキ装置50の一部を構成する複数(本実施形態では3個)のキャリパ70が着脱可能にボルト締めによって固定されている。
他方の取付部19には、他方のスプロケット20bが着脱可能にボルト締めによって固定されている。スプロケット20bは、スプロケット20aと同様、踏段チェーン14に噛み合う歯部を備える本体部20baと、リング状に設けられたベース20bbとに分割されており、本体部20baとベース20bbとがボルト締めによって固定されている。このスプロケット20bには駆動用スプロケット34が着脱可能にボルト締めによって固定されている。
駆動用スプロケット34には、駆動装置22の駆動軸23に固定されたスプロケット25との間に駆動力伝達チェーン40が掛け渡されており(図1参照)、回転軸18と一体に回転可能に設けられている。
上記のような乗客コンベア10に設けられるブレーキ装置50は、図3〜図6に示すように、スプロケット20aと共に回転する回転体51と、スプロケット20aにボルト締めにより固定される複数のキャリパ70と、回転体51に設けられた回転板52に係合する係合体56と、後述する退避位置と係合位置との間で係合体56を移動させる移動手段58と、踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知する検知手段60とを備える。
具体的には、回転体51は、回転板52とブレーキ板53とを備え、回転軸18を回転中心としてスプロケット20aと同心状に配置されている。
回転板52は、鋼材(例えば、SS400)等の金属材からなるリング形状の板状部材であり、その外周面には回転中心周りに複数の係合部62が形成されている。つまり、複数の係合部62は、回転板52の周方向に間隔をあけて形成され、回転軸18を中心とする同一円周上に形成されている。
ブレーキ板53は、鋼材(例えば、SS400)等の金属材からなるリング形状の板状部材であり、回転板52に対して回転軸18方向に間隔をあけて配置されている。このブレーキ板53の周縁部には、回転板52から回転軸18方向に突出する連結突起54を嵌め込む係止孔55が回転中心周りに複数個設けられている。これにより、回転板52及びブレーキ板53は、回転軸18方向への相対的な移動を可能としつつ、同期して回転するように設けられている。
キャリパ70は、図3及び図4に示すように、スプロケット20aと共に回転する回転体51の回転中心周り(つまり、回転軸18を中心とする同一円周上)に所定間隔をあけて複数配置され、本実施形態では、3個のキャリパ70が回転体51の周方向に等間隔(120°ごと)に配置されている。
キャリパ70は、図4〜図6に示すように、回転体51を構成する回転板52及びブレーキ板53の間に配設される板状の内側保持部材90と、回転体51の外側面を構成する回転板52の外側面52aとブレーキ板53の外側面53aとを挟んで対向配置される第1外側保持部材72及び第2外側保持部材74とを備える。
内側保持部材90は、図3、図5及び図6に示すように、平面視において略円弧板状をなしており、一方の板面に回転板52に当接する摩擦材92が配設され、他方の板面にブレーキ板53に当接する摩擦材94とが配設されている。略円弧状をなした内側保持部材90の周方向両端部には、回転板52の径方向内方へ向かって突出する当接部96が設けられている。
第1外側保持部材72は、第2外側保持部材74との対向面に回転板52の外側面52aに当接する摩擦材73が配設されている。第1外側保持部材72は、スプロケット20aのベース20abに着脱可能のボルト締めによって固定されている。
第2外側保持部材74は、第1外側保持部材72との対向面にブレーキ板53の外側面53aと当接する摩擦材75が配設されている。第2外側保持部材74にはボルト77を挿通するための挿通穴76が設けられている。
第2外側保持部材74とボルト77との間に弾性体である皿バネ79を介装した状態で、挿通穴76に挿通されたボルト77が第1外側保持部材72に設けられた雌ネジ部78に螺合する。これにより、第2外側保持部材74が皿バネ79を介して第1外側保持部材72に連結され、ボルト77の締め付け量を調節することで所望の締め付け力によって第2外側保持部材74が皿バネ79の弾性によりボルト77の軸方向への移動を可能としつつ着脱可能に第1外側保持部材72に連結される。本実施形態では、リング状の回転板52及びブレーキ板53から構成される回転体51の径方向内方において、第2外側保持部材74が皿バネ79の復元力によって第1外側保持部材72とボルト77との間で挟持されている。
また、図3及び図4に示すように、第2外側保持部材74には、ボルト77により第1外側保持部材72に固定される位置より径方向内方において、第1外側保持部材72に向けて突出する係止ピン80が複数(本実施形態では2個)設けられている。各係止ピン80が第1外側保持部材72に対応する位置に設けられた凹部81に嵌り込み第1外側保持部材72に係止している(図5参照)。
このように第2外側保持部材74を第1外側保持部材72に対して固定することで、第1外側保持部材72に配設された摩擦材73と第2外側保持部材74に配設された摩擦材75とが、回転板52とブレーキ板53との間に内側保持部材90を挟み込んだ回転体51の外側面を挟持する。
これにより、回転板52及びブレーキ板53は間隔を縮めるように相対的に移動して、回転板52が内側保持部材90に設けられた摩擦材92に押し付けられ、ブレーキ板63が内側保持部材90に設けられた摩擦材94に押し付けられる。つまり、回転板52が第1外側保持部材72に設けられた摩擦材73と内側保持部材90に設けられた摩擦材92とで挟持されるとともに、ブレーキ板53が第2外側保持部材74に設けられた摩擦材75と内側保持部材90に設けられた摩擦材94とで挟持されることで、回転体51がスプロケット20aに連結されスプロケット20aと共に回転する。
また、図3〜図5に示すように第1外側保持部材72には、第2外側保持部材74を回転体51の周方向両側から挟持するように第2外側保持部材74に当接する一対のガイド部材82がボルト締めにより着脱可能に固定されている。
ガイド部材82は、板状の部材であって、回転体51を構成する材料と異なる金属材、例えば、回転体51を構成する材料より摩擦係数が小さい銅又は銅を含む合金などの金属材から構成されている。
ガイド部材82の側部には、第2外側保持部材74に当接する当接面82aと、回転体51の内周面(つまり、回転板52及びブレーキ板53の内周面)51aと面接触可能な円弧状に設けられた複数(本実施形態では2つ)の摺動面82bとが設けられている。
ガイド部材82は、第1外側保持部材72に固定された状態で、当接面82aが第2外側保持部材74に当接するとともに、摺動面82bが回転体51の内周面51aに面接触する。
また、本実施形態では、内側保持部材90に設けられた一対の当接部96が、第2外側保持部材74の両側に設けられた一対のガイド部材82を挟み込むように一対のガイド部材82に当接する。
そして、キャリパ70を固定するスプロケット20aと回転体51とが相対的に回転移動すると、ガイド部材82は、摺動面82b上で回転体51の内周面51aを摺動させて回転軸18を中心として回転体51が回転するように回転体51を案内するとともに、回転体51の回転に伴って第2外側保持部材74及び内側保持部材90が回転体51の回転方向Bへ移動するのを規制する。
なお、本実施形態では、ガイド部材82の側部に設けられた2つの摺動面82bが、互いに当接面82aと垂直な面に対して対称になっている。このようにガイド部材82を設けることで、当接面82aが第2外側保持部材74に当接しつつ、一方の摺動面82bが回転体51の内周面51aに面接触するようにガイド部材82を第1外側保持部材72に固定した状態から、ガイド部材82を裏返して第2外側保持部材74に当接面82aを当接させて第1外側保持部材72に再び固定すると、他方の摺動面82bが回転体51の内周面51aに接触する。つまり、ガイド部材82の表裏を入れ替えて第1外側保持部材72に取り付けることで、2つある摺動面82bを入れ替えて回転体51の内周面51aに面接触させることができるようにガイド部材82が設けられている。
係合体56は、回転体51の係合部62に対向する位置に設置されている。係合体56は支軸64を支点として回動可能に設けられており、図3において仮想線で示す係合位置と、実線で示す退避位置との間で回動する。仮想線で示す係合位置は、係合体56が係合部62に係合される位置であり、この係合により、回転体51が矢印B方向に回転することが規制される。実線で示す退避位置は、係合体56と係合部62との係合が回避される位置であり、回転体51は係合体56による制約を受けずに回転可能となっている。
係合体56には、係合体56を回動させて待避位置と係合位置との間を移動させる移動手段58と、係合体56を退避位置に保持する向きに付勢する引っ張りバネ等の付勢体(不図示)とが連結されている。
移動手段58は、例えば、ソレノイドを備えており、通常時には通電が遮断されてオフの状態となっており、係合体56が付勢体の付勢力により退避位置に保持される。また、後述する異常発生時にはソレノイドに通電されてオンの状態となり、移動手段58は、付勢体の付勢力に抗して係合体56を仮想線で示す係合位置に回動させる。
検知手段60は、踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知するもので、例えば、駆動力伝達チェーン40が切れたことを検知する手段、踏段12の移動速度が過速状態になったことを検知する手段、踏段12の移動方向が逆転したことを検知する手段など踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知する公知の手段から構成されている。検知手段60が踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知すると、制御部66から移動手段58へ駆動信号が出力されることにより、移動手段58がオンの状態となる(図7参照)。
このような構成において、乗客コンベア10は、駆動装置22が駆動制御されることにより、駆動装置22の駆動軸23とこれに固定されたスプロケット25とが回転する。スプロケット25の回転は、駆動力伝達チェーン40を介して駆動用スプロケット34に伝達され、駆動用スプロケット34が回転する。駆動用スプロケット34が回転することにより、駆動用スプロケット34と共にスプロケット20a,20bと回転軸18とが一体に回転する。スプロケット20a,20bが回転することにより、スプロケット20a,20bに噛み合う踏段チェーン14に駆動力が伝達され、踏段チェーン14によって連結された多数の踏段12が、案内レール(不図示)にガイドされながら上階側の乗降口と下階側の乗降口との間を循環移動する。
上記のように多数の踏段12が上階側の乗降口と下階側の乗降口との間を循環移動する乗客コンベア10の運転中は、検知手段60が踏段チェーン14の循環移動状態に異常が生じたか否か検知している。検知手段60が踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知しない場合には、移動手段58がオフの状態に位置され、係合体56は図3において実線で示す退避位置に位置している。このため、踏段チェーン14と踏段12とは係合体56による規制を受けることなく循環移動する。
また、検知手段60が踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知した場合には、検知手段60から制御部66へ異常検知信号が入力されて、ブレーキ装置50が作動する。すなわち、制御部66に異常検出信号が入力されると、制御部66から移動手段58に対して制御信号が出力され、移動手段58がオンの状態になる。これにより、係合体56が、図3において示す実線で示す退避位置から二点鎖線で示す係合位置に回動し、回転体51の係合部62に係合される。
係合体56が回転体51の係合部62に係合されると、回転体51の回転が規制され、回転体51に連結されているスプロケット20aに対して回転を規制する力が作用する。
本実施形態のブレーキ装置50では、回転板52が第1外側保持部材72に設けられた摩擦材73と内側保持部材90に設けられた摩擦材92とで挟持されるとともに、ブレーキ板53が第2外側保持部材74に設けられた摩擦材75と内側保持部材90に設けられた摩擦材94とで挟持されることで、回転体51がスプロケット20aに連結されている。 そのため、スプロケット20aは、その慣性力によって摩擦材73,75,92,94と回転体51との間に生じる摩擦力、つまり、回転板52とこれを挟持する摩擦材73及び摩擦材92との間に生じる摩擦力と、ブレーキ板53とこれを挟持する摩擦材75及び摩擦材94との間に生じる摩擦力との合力に抗して回転を続け、回転体51と共に直ちに回転が停止しない。よって、ブレーキ装置50の作動に伴って係合体56が係合部62に係合して回転体51の回転が停止しても、暫くの間、スプロケット20aに固定されたキャリパ70が回転することとなり、キャリパ70と回転体51とが相対的に回転移動する。
そして、スプロケット20aは、摩擦材73,75,92,94と回転体51との摺動摩擦によって減速(制動)され、その後停止する。スプロケット20aの停止に伴って踏段チェーン14及び踏段12の循環移動が停止される。
以上のように、本実施形態の乗客コンベアのブレーキ装置50では、検知手段60が踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知すると、係合体56を回転板52に設けられた係合部62に係合させて回転体51の回転を規制することで、踏段チェーン14及び踏段12の循環移動を停止させることができ、踏段チェーン14と踏段12とが下階側に向けて暴走することを防止することができる。
また、本実施形態においてキャリパ70は、摩擦材73,75,92,94によって回転体51を構成する回転板52及びブレーキ板53を挟持することでスプロケット20aと回転体51とを連結しているため、係合体56によって回転体51の回転を規制した場合に、スプロケット20aは、直ちに回転が停止されることなく、摩擦材73,75,92,94と回転板52及びブレーキ板53との間に生じる摺動摩擦によって減速しながら回転する。そのため、ブレーキ装置50が作動しても踏段チェーン14と踏段12とを急停止させることなく緩やかに停止させることができ、踏段12上に乗っている乗客が転倒するという事故の発生を防止することができる。
しかも、キャリパ70は、摩擦材73及び摩擦材92によって回転板52を挟持するとともに、摩擦材75及び摩擦材94によってブレーキ板53を挟持することで、スプロケット20aと回転体51とを連結しているため、摩擦材73,75,92,94と回転体51との接触面積を大きく設けやすく、摩擦材と回転体51との間に生じる摩擦力を容易に大きく設定することができる。
しかも、本実施形態のブレーキ装置50では、スプロケット20aを制動するキャリパ70が、スプロケット20aと同心状に配置された回転体51の回転中心周りに所定間隔をあけて複数個配置されており、複数のキャリパ70についてそれぞれ別個にボルト77の締め付け量を調節することができる。
そのため、回転体51や第1外側保持部材72や第2外側保持部材74や内側保持部材90や摩擦材73,75,92,94やスプロケット20a等について厚さ方向(つまり、スプロケット20aの回転面に垂直な方向)の寸法が、回転体51の回転軸周り(回転体51の周方向)に多少のばらつきがあっても、複数のキャリパ70についてそれぞれボルト77の締め付け量を調節することで回転軸周りに均一に締め付け力を設定することができ、キャリパ70に設けられた摩擦材73,75,92,94が回転体51を構成する回転板52及びブレーキ板53を挟持する力を所望の大きさに容易に調節することができる。
更にまた、本実施形態のブレーキ装置50では、キャリパ70が回転体51の回転中心周りに間隔をあけて配置されているので、回転体51を冷却することができ、キャリパ70に対して回転体51が相対的に回転移動する時に摩擦材73,75,92,94と回転体51との摺動摩擦により生じる熱を放熱することができ、回転体51の相対的な回転移動を安定して制動することができる。
しかも、本実施形態のブレーキ装置50では、回転体51の回転軸周りに3個のキャリパ70が配置され回転体51をその周方向の3箇所で挟持しているため、簡単かつ確実に回転体51をキャリパ70によって保持することができる。
すなわち、回転体51の回転軸周りに2個のキャリパ70を配置して回転体51を2箇所で挟持する場合であると、係合体56によって回転体51の回転が規制された時などに、回転体51を挟持する2個のキャリパ70を結ぶ直線を軸としてその軸周りに回転体51が回転するおそれがある。
また、回転体51の回転軸周りに4個以上のキャリパ70を配置して回転体51を4箇所以上で挟持する場合であると、回転体51や第1外側保持部材72や第2外側保持部材74や内側保持部材90や摩擦材73,75,92,94やスプロケット20a等の厚さ方向の寸法には回転軸周りにばらつきがあるため、キャリパ70の摩擦材73,75,92,94によって回転体51を挟持する位置(つまり、摩擦材73及び摩擦材92によって回転板52を挟持する位置、あるいは摩擦材75及び摩擦材94によってブレーキ板53を挟持する位置)を同一平面内に全て配置することが困難となり、所望の大きさの力で回転体51を挟持できないキャリパ70が生じて、回転体51を安定して挟持できないおそれがある。
これに対して、本実施形態のブレーキ装置50のように、回転体51の回転軸周りに3個のキャリパ70を配置して回転体51を3箇所で挟持する場合であると、キャリパ70の摩擦材73,75,92,94によって回転体51を挟持する位置が必ず同一平面内に配置されるので、各キャリパ70が回転体51を所望の大きさの力で挟持することができ、安定して回転体51を挟持することができる。
また、本実施形態のブレーキ装置50では、回転体51の内周面51aに面接触する摺動面82bを備えたガイド部材82がスプロケット20aに固定されているため、スプロケット20aに対して回転体51が相対的に回転移動したときに、回転体51の内周面51aがガイド部材82の摺動面82b上を摺動することで、回転軸18を中心として回転するように回転体51を案内することができる。
しかも、本実施形態のブレーキ装置50では、第2外側保持部材74を回転体51の周方向両側から挟持するように一対のガイド部材82が設けられるとともに、内側保持部材90に設けられた一対の当接部96が一対のガイド部材82を挟み込むようにガイド部材82に当接している。そのため、スプロケット20aに対して回転体51が相対的に回転移動する時に、回転体51の回転に伴って第2外側保持部材74及び内側保持部材90が回転体51の回転方向Bへ移動するのを抑えることができる。
また、ガイド部材82は、回転体51の内周面51aに摺動する摺動面82bを複数備えるため、一の摺動面82bが回転体51の内周面51aに摺動して摩耗しても、他の摺動面82bを回転体51の内周面51aにガイド部材82の交換頻度を減らすことができる。
また、本実施形態では、ガイド部材82が、回転体51を構成する材料より摩擦係数が小さい金属材から構成されているため、回転体51の内周面51aがガイド部材82を摺動する際の抵抗を小さくして、スプロケット20a及び回転体51の相対的な回転を円滑に案内することができると共に、ガイド部材82と回転体51との焼き付きを抑えることができる。
以上、本発明を適用した乗客コンベアのブレーキ装置の具体例として上記した実施形態を例示して具体的に説明したが、本発明の技術的範囲は、実施形態の説明で開示した技術事項に限定されるものではなく、以上の開示内容を基に一般的な技術常識も鑑みて当然に導かれる変形例、応用例も含まれるものである。
10…乗客コンベア
20…スプロケット
34…駆動用スプロケット
40…駆動力伝達チェーン
50…ブレーキ装置
51…回転体
52…回転板
53…ブレーキ板
53a…外側面
54…連結突起
55…係止孔
56…係合体
62…係合部
63…ブレーキ板
66…制御部
70…キャリパ
72…第1外側保持部材
73…摩擦材
74…第2外側保持部材
75…摩擦材
76…挿通穴
77…ボルト
78…雌ネジ部
79…皿バネ
80…係止ピン
81…凹部
82…ガイド部材
82a…当接面
82b…摺動面
90…内側保持部材
92…摩擦材
94…摩擦材
96…当接部

Claims (3)

  1. 踏段が連結されて循環移動する無端状の踏段チェーンが掛け渡されるスプロケットに連結されて前記スプロケットと共に回転し、回転中心周りに複数の係合部を有する回転板と、
    前記係合部に係合される係合位置と、前記係合部との係合が回避される退避位置とに移動可能に設けられる係合体と、
    前記踏段チェーンの循環移動状態の異常を検知する検知手段と、
    前記検知手段による検知結果に基づいて前記係合体を前記退避位置から前記係合位置へ移動させる移動手段と、
    前記回転板に対して回転軸方向に間隔をあけて固定されたブレーキ板と、
    前記回転板を前記スプロケットに連結するキャリパとを備え、
    前記キャリパは、前記回転板及び前記ブレーキ板の間に配設され前記回転板に当接する摩擦材と前記ブレーキ板に当接する摩擦材とを保持する内側保持部材と、前記回転板及び前記ブレーキ板の外側に配設され摩擦材を介して前記回転板及び前記ブレーキ板を挟持する一対の外側保持部材とを備え、前記内側保持部材及び前記一対の外側保持部材が、前記摩擦材を介して前記回転板及び前記ブレーキ板を挟持し、
    前記回転板はリング状に設けられ、
    前記回転板の内周面に当接し前記スプロケットに対して固定されたガイド部材を備え、
    前記スプロケットに対して前記回転板が相対的に回転すると、前記ガイド部材が前記回転板の回転を案内し、
    前記内側保持部は、前記回転板の径方向に突出して前記ガイド部材に当接する当接部を備えることを特徴とする乗客コンベアのブレーキ装置。
  2. 3個の前記キャリパが、回転中心周りに所定間隔をあけて前記スプロケットに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベアのブレーキ装置。
  3. 前記外側保持部が、前記スプロケットにボルトで固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の乗客コンベアのブレーキ装置。
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