JP2012025570A - 乗客コンベアのブレーキ装置 - Google Patents

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Yoshinobu Ishikawa
佳延 石川
Toshinori Iwai
俊憲 岩井
Takayuki Kikuchi
孝幸 菊池
Shin Murakami
伸 村上
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Abstract

【課題】摩擦材が回転体を挟持する力を調節しやすい乗客コンベアのブレーキ装置を提供する。
【解決手段】踏段チェーンが掛け渡されるスプロケットに連結されてスプロケットと共に回転し、回転中心周りに複数の係合部を有する板状の回転体52と、係合部62に係合される係合位置と、係合部62との係合が回避される退避位置とに移動可能に設けられる係合体と、踏段チェーンの循環移動状態の異常を検知する検知手段と、検知手段による検知結果に基づいて係合体を退避位置から係合位置へ移動させる移動手段と、一対の摩擦材を介して回転体52を挟持して回転体52をスプロケットに連結するキャリパ70とを備え、複数個のキャリパ70が回転中心周りに間隔をあけてスプロケットに固定されている。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、乗客コンベアのブレーキ装置に関する。
乗客コンベアの一例であるエスカレータは、エスカレータが設置される設置構造物の上階側と下階側とにスプロケットが2つずつ同一軸心上に配置され、これらのスプロケット間に平行に位置する2本の踏段チェーンが掛け渡されている。2本の踏段チェーンには、複数の踏段の両端部が連結されている。
上階側と下階側とのいずれか一方にモータ等の駆動部が配置され、駆動部からの駆動力が駆動力伝達チェーンを介してスプロケットに伝達され、スプロケットが回転駆動される。スプロケットが回転駆動されることによりこのスプロケットと他のスプロケットとの間に掛け渡されている踏段チェーンが循環移動し、踏段上に乗っている利用者は下階から上階へ、又は、上階から下階へと運ばれる。
このようなエスカレータでは、万一、駆動力伝達チェーンが切れる事故が発生し、踏段上に乗っている利用者の重量によって踏段と踏段チェーンとが下階側に向けて暴走するのを防止するため、スプロケットの回転を阻止する乗客コンベアのブレーキ装置が設けられている場合がある。
このブレーキ装置は、駆動力伝達チェーンが切れたことを検知した場合、検知結果に基づいて可動片を移動させ、移動させた可動片をスプロケットと共に回転する回転体の歯部に係合させてスプロケットの回転を阻止している。スプロケットの回転が阻止されることにより、このスプロケットと他のスプロケットとの間に掛け渡されている踏段チェーンの循環移動が阻止され、踏段チェーンと踏段とが下階側に向けて暴走することが阻止される。
上記のようなブレーキ装置においては、可動片が回転体の歯部に係合されることにより、回転体に連結されたスプロケットは急ブレーキを掛けられた状態となり、踏段チェーンと踏段とが急停止されると踏段の上に乗っている利用者が転倒するおそれがある。
そこで、スプロケットに摩擦材を介して摺動可能に回転体を挟持することで、可動片が歯部に係合し回転体に所定以上の大きな制動力が作用すると、回転体とフランジとを相対的に摺動させて踏段チェーンおよび踏段が急停止するのを防止するブレーキ装置が提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
特開昭63−315483号公報 特開平9−286581号公報
上記のような乗客コンベアのブレーキ装置では、回転体に所定以上の大きな制動力が作用すると回転体とフランジとを相対的に摺動させ、かつ、回転体の停止後は回転体がフランジに対して摺動することなくスプロケットの回転を阻止する必要がある。そのため、スプロケットに設けた摩擦材が回転体を挟持する力を所定範囲内に設定し、摩擦材と回転体との摺動摩擦抵抗を所定範囲内に設定する必要がある。
そこで、本発明は、摩擦材が回転体を挟持する力を調節しやすい乗客コンベアのブレーキ装置を提供することを目的とする。
実施形態の乗客コンベアのブレーキ装置は、踏段が連結されて循環移動する無端状の踏段チェーンが掛け渡されるスプロケットに連結されて前記スプロケットと共に回転し、回転中心周りに複数の係合部を有する板状の回転体と、前記係合部に係合される係合位置と、前記係合部との係合が回避される退避位置とに移動可能に設けられる係合体と、前記踏段チェーンの循環移動状態の異常を検知する検知手段と、前記検知手段による検知結果に基づいて前記係合体を前記退避位置から前記係合位置へ移動させる移動手段と、一対の摩擦材を介して前記回転体を挟持して前記回転体を前記スプロケットに連結するキャリパとを備え、複数個の前記キャリパが回転中心周りに間隔をあけて前記スプロケットに固定されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る乗客コンベアのブレーキ装置を有するエスカレータの全体構造の概略を示す側面図である。 図1に示す乗客コンベアにおける、ブレーキ装置が設けられている上階側の構造を示す部分断面図である。 本発明の第1の実施形態にかかるブレーキ装置の回転体とキャリパを示す平面図である。 本発明の第1の実施形態にかかるブレーキ装置の回転体とキャリパを示す斜視図である。 図2の要部を拡大して示す図である。 図3のA−A断面図である。 本発明の第1の実施形態にかかるブレーキ装置の制御構造を示すブロック図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る乗客コンベアのブレーキ装置50は、例えば、建物の上下階に跨って傾斜して設置されたエスカレータに設けられている。この乗客コンベア10は、図1に示すように、多数の踏段12を上階側の乗降口と下階側の乗降口との間で循環移動させることで、踏段12上に搭乗した乗客を上階と下階とにわたって搬送するものである。
多数の踏段12は、無端状の踏段チェーン14によって連結されており、建物の床下に設置されたトラスと呼ばれる主枠16内に配置されている。主枠16の上部両側には踏段12の移動方向に沿って一対の欄干30が立設され、欄干30の周囲にはベルト状の移動手摺32が装着されている。
主枠16の内部の上階側には、回転軸18と、回転軸18に連結された一対のスプロケット20(必要に応じて、20a,20bと示す)と、駆動モータ及び減速機を備えた駆動装置22とが配置されている。主枠16の内部の下階側には、回転軸24,回転軸24に連結された一対のスプロケット26が配置されている。
上階側のスプロケット20と下階側のスプロケット26との間には、踏段チェーン14が架け渡されており、スプロケット20,26の回転に伴って、踏段チェーン14がスプロケット20,26の間を循環移動し、踏段12も踏段チェーン14と一体に循環移動する。
図2に示すように、回転軸18の両端は軸受28により軸支され、軸受28は主枠16に取付けられている。回転軸18の外周面には、回転軸18の両端側に位置する一対の取付部17,19が溶接によって固定されている。
一方の取付部17には、一方のスプロケット20aが着脱可能にボルト締めによって固定されている。スプロケット20aは、踏段チェーン14に噛み合う歯部を備える本体部20aaと、リング状に設けられたベース20abとに分割されており、本体部20aaとベース20abとがボルト締めによって固定されている。このスプロケット20aにはブレーキ装置50の一部を構成する複数(本実施形態では3個)のキャリパ70が着脱可能にボルト締めによって固定されている。
他方の取付部19には、他方のスプロケット20bが着脱可能にボルト締めによって固定されている。スプロケット20bは、スプロケット20aと同様、踏段チェーン14に噛み合う歯部を備える本体部20baと、リング状に設けられたベース20bbとに分割されており、本体部20baとベース20bbとがボルト締めによって固定されている。このスプロケット20bには駆動用スプロケット34が着脱可能にボルト締めによって固定されている。
駆動用スプロケット34には、駆動装置22の駆動軸23に固定されたスプロケット25との間に駆動力伝達チェーン40が掛け渡されており、回転軸18と一体に回転可能に設けられている。
上記のような乗客コンベア10に設けられるブレーキ装置50は、図3及び図4に示すように、スプロケット20aと共に回転する回転体52と、スプロケット20aにボルト締めにより固定される複数のキャリパ70と、回転体52に係合する係合体56と、後述する退避位置と係合位置との間で係合体56を移動させる移動手段58と、踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知する検知手段60とを備える。
具体的には、回転体52は、鋼材(例えば、SS400)等の金属材からなるリング形状の板状部材であり、回転軸18を回転中心としてスプロケット20aと同心状に配置される。回転体52の外周面には、回転中心周りに複数の係合部62が形成されている。つまり、複数の係合部62は、回転体52の周方向に間隔をあけて形成され、回転軸18を中心とする同一円周上に形成されている。
キャリパ70は、図3及び図4に示すように、スプロケット20aと共に回転する回転体52の回転中心周り(つまり、回転軸18を中心とする同一円周上)に所定間隔をあけて複数配置され、本実施形態では、3個のキャリパ70が回転体52の周方向に等間隔(120°ごと)に配置されている。
キャリパ70は、図5及び図6に示すように、回転体52の側面52aを挟んで対向して配置される第1保持部材72及び第2保持部材74とを備える。
第1保持部材72は、第2保持部材74との対向面に回転体52の側面52aに当接する摩擦材73が配設されている。第1保持部材72は、スプロケット20aのベース20abに着脱可能のボルト締めによって固定されている。
第2保持部材74は、第1保持部材72との対向面に回転体52の側面52aと当接する摩擦材75が配設されている。第2保持部材74にはボルト77を挿通するための挿通穴76が設けられている。第2保持部材74とボルト77との間に弾性体である皿バネ79を介装した状態で、挿通穴76に挿通されたボルト77が第1保持部材72に設けられた雌ネジ部78に螺合する。これにより、第2保持部材74が皿バネ79を介して第1保持部材72に連結され、ボルト77の締め付け量を調節することで所望の締め付け力によって第2保持部材74が皿バネ79の弾性によりボルト77の軸方向への移動を可能としつつ着脱可能に第1保持部材72に連結される。本実施形態では、リング状の回転体52の内方において、第2保持部材74が皿バネ79の復元力によって第1保持部材72とボルト77との間で挟持されている。 また、図3、図4、図6に示すように、第2保持部材74には、ボルト77により第1保持部材72に固定される位置より径方向内方において、第1保持部材72に向けて突出する係止ピン80が複数(本実施形態では2個)設けられている。各係止ピン80が第1保持部材72に対応する位置に設けられた凹部81に嵌り込み第1保持部材72に係止している。
このように第2保持部材74を第1保持部材72に対して固定された状態では、第1保持部材72に配設された摩擦材73と第2保持部材74に配設された摩擦材75とで、回転体52の側面52aを挟持することにより、回転体52がスプロケット20aに連結されスプロケット20aと共に回転する。
また、図3、図4に示すように第1保持部材72には、回転体52の回転方向に第2保持部材74を挟持するように第2保持部材74に当接する一対のガイド部材82がボルト締めにより着脱可能に固定されている。
ガイド部材82は、板状の部材であって、回転体52を構成する材料と異なる金属材、例えば、回転体52を構成する材料より摩擦係数が小さい銅又は銅を含む合金などの金属材から構成されている。
ガイド部材82の側部には、第2保持部材74に当接する当接面82aと、回転体52の内周面52bと面接触可能な円弧状に設けられた複数(本実施形態では2つ)の摺動面82bとが設けられている。
ガイド部材82は、第1保持部材72に固定された状態で、当接面82aが第2保持部材74に当接するとともに、摺動面82bが回転体52の内周面52bに面接触する。そして、キャリパ70を固定するスプロケット20aと回転体52とが相対的に回転移動すると、回転体52の内周面52bとガイド部材82の摺動面82bとが摺動することで、回転軸18を中心として回転体52が回転するように、ガイド部材82は回転体52を案内する。
なお、本実施形態では、ガイド部材82の側部に設けられた2つの摺動面82bが、互いに当接面82aと垂直な面に対して対称になっている。このようにガイド部材82を設けることで、当接面82aが第2保持部材74に当接しつつ、一方の摺動面82bが回転体52の内周面52bに面接触するようにガイド部材82を第1保持部材72に固定した状態から、ガイド部材82を裏返して第2保持部材74に当接面82aを当接させて第1保持部材72に再び固定すると、他方の摺動面82bが回転体52の内周面52bに接触する。つまり、ガイド部材82の表裏を入れ替えて第1保持部材72に取り付けることで、2つある摺動面82bを入れ替えて回転体52の内周面52bに面接触させることができるようにガイド部材82が設けられている。
係合体56は、回転体52の係合部62に対向する位置に設置されている。係合体56は支軸64を支点として回動可能に設けられており、図3において仮想線で示す係合位置と、実線で示す退避位置との間で回動する。仮想線で示す係合位置は、係合体56が係合部62に係合される位置であり、この係合により、回転体52が矢印B方向に回転することが規制される。実線で示す退避位置は、係合体56と係合部62との係合が回避される位置であり、回転体52は係合体56による制約を受けずに回転可能となっている。
係合体56には、係合体56を回動させて待避位置と係合位置との間を移動させる移動手段58と、係合体56を退避位置に保持する向きに付勢する引っ張りバネ等の付勢体(不図示)とが連結されている。
移動手段58は、例えば、ソレノイドを備えており、通常時には通電が遮断されてオフの状態となっており、係合体56が付勢体の付勢力により退避位置に保持される。また、後述する異常発生時にはソレノイドに通電されてオンの状態となり、移動手段58は、付勢体の付勢力に抗して係合体56を仮想線で示す係合位置に回動させる。
検知手段60は、踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知するもので、例えば、駆動力伝達チェーン40が切れたことを検知する手段、踏段12の移動速度が過速状態になったことを検知する手段、踏段12の移動方向が逆転したことを検知する手段など踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知する公知の手段から構成されている。検知手段60が踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知すると、制御部66から移動手段58へ駆動信号が出力されることにより、移動手段58がオンの状態となる(図7参照)。
このような構成において、乗客コンベア10は、駆動装置22が駆動制御されることにより、駆動装置22の駆動軸23とこれに固定されたスプロケット25とが回転する。スプロケット25の回転は、駆動力伝達チェーン40を介して駆動用スプロケット34に伝達され、駆動用スプロケット34が回転する。駆動用スプロケット34が回転することにより、駆動用スプロケット34と共にスプロケット20a,20bと回転軸18とが一体に回転する。スプロケット20a,20bが回転することにより、スプロケット20a,20bに噛み合う踏段チェーン14に駆動力が伝達され、踏段チェーン14によって連結された多数の踏段12が、案内レール(不図示)にガイドされながら上階側の乗降口と下階側の乗降口との間を循環移動する。
上記のように多数の踏段12が上階側の乗降口と下階側の乗降口との間を循環移動する乗客コンベア10の運転中は、検知手段60が踏段チェーン14の循環移動状態に異常が生じたか否か検知している。検知手段60が踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知しない場合には、移動手段58がオフの状態に位置され、係合体56は図3において実線で示す退避位置に位置している。このため、踏段チェーン14と踏段12とは係合体56による規制を受けることなく循環移動する。
また、検知手段60が踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知した場合には、検知手段60から制御部66へ異常検知信号が入力されて、ブレーキ装置50が作動する。すなわち、制御部66に異常検出信号が入力されると、制御部66から移動手段58に対して制御信号が出力され、移動手段58がオンの状態になる。これにより、係合体56が、図3において示す実線で示す退避位置から二点鎖線で示す係合位置に回動し、回転体52の係合部62に係合される。
係合体56が回転体52の係合部62に係合されると、回転体52の回転が規制され、回転体52に連結されているスプロケット20aに対して回転を規制する力が作用する。
本実施形態のブレーキ装置50では、回転体52とスプロケット20aとが、キャリパ70に設けられた一対の摩擦材73,75によって回転体52の側面52aを挟持することで連結されているため、スプロケット20aは、その慣性力によって摩擦材73,75と回転体52の側面52aとの間に生じる摩擦力に抗して回転を続け、回転体52と共に直ちに回転が停止しない。つまり、ブレーキ装置50の作動に伴って係合体56により回転体52の回転が停止しても暫くの間、スプロケット20aに固定されたキャリパ70が回転することとなり、キャリパ70と回転体52とが相対的に回転移動する。
そして、スプロケット20aは、摩擦材73,75と回転体52との摺動摩擦によって減速(制動)され、その後停止する。スプロケット20aの停止に伴って踏段チェーン14及び踏段12の循環移動が停止される。
以上のように、本実施形態の乗客コンベアのブレーキ装置50では、検知手段60が踏段チェーン14の循環移動状態の異常を検知すると、係合体56によって回転体52の回転を規制することで踏段チェーン14及び踏段12の循環移動を停止させることができ、踏段チェーン14と踏段12とが下階側に向けて暴走することを防止することができる。
また、本実施形態のブレーキ装置50では、キャリパ70が摩擦材73,75を介して回転体52の側面52aを挟持することでスプロケット20aと回転体52とを連結しているため、係合体56によって回転体52の回転を規制した場合に、スプロケット20aは、直ちに回転が停止されることなく、摩擦材73,75と回転体52との間に生じる摺動摩擦によって減速しながら回転する。そのため、ブレーキ装置50が作動しても踏段チェーン14と踏段12とを急停止させることなく緩やかに停止させることができ、踏段12上に乗っている乗客が転倒するという事故の発生を防止することができる。
しかも、本実施形態のブレーキ装置50では、スプロケット20aを制動するキャリパ70が、スプロケット20aと同心状に配置された回転体52の回転中心周りに所定間隔をあけて複数個配置されており、複数のキャリパ70についてそれぞれ別個にボルト77の締め付け量を調節することができる。そのため、回転体52や第1保持部材72や第2保持部材74や摩擦材73,75やスプロケット20a等について厚さ方向(つまり、スプロケット20aの回転面に垂直な方向)の寸法が、回転体52の回転軸周り(回転体52の周方向)に多少のばらつきがあっても、複数のキャリパ70についてそれぞれボルト77の締め付け量を調節することで回転軸周りに均一に締め付け力を設定することができ、キャリパ70に設けられた摩擦材73,75が回転体52の側面52aを挟持する力を所望の大きさに容易に調節することができる。
更にまた、本実施形態のブレーキ装置50では、キャリパ70が回転体52の回転中心周りに間隔をあけて配置されているので、回転体52を冷却することができ、キャリパ70に対して回転体52が相対的に回転移動する時に摩擦材73,75と回転体52との摺動摩擦により生じる熱を放熱することができ、回転体52の相対的な回転移動を安定して制動することができる。
しかも、本実施形態のブレーキ装置50では、回転体52の回転軸周りに3個のキャリパ70が配置され回転体52の側面52aを3箇所で挟持しているため、簡単かつ確実に回転体52をキャリパ70によって保持することができる。
すなわち、回転体52の回転軸周りに2個のキャリパ70を配置して回転体52の側面52aを2箇所で挟持する場合であると、係合体56によって回転体52の回転が規制された時などに、回転体52を挟持する2個のキャリパ70を結ぶ直線を軸としてその軸周りに回転体52が回転するおそれがある。
また、回転体52の回転軸周りに4個以上のキャリパ70を配置して回転体52の側面52aを4箇所以上で挟持する場合であると、回転体52や第1保持部材72や第2保持部材74や摩擦材73,75やスプロケット20a等の厚さ方向の寸法が回転軸周りにばらつきがあるため、キャリパ70の摩擦材73,75によって回転体52を挟持する位置を同一平面内に全て配置することが困難となり、所望の大きさの力で回転体52を挟持できないキャリパ70が生じて、回転体52を安定して挟持できないおそれがある。
これに対して、本実施形態のブレーキ装置50のように、回転体52の回転軸周りに3個のキャリパ70を配置して回転体52の側面52aを3箇所で挟持する場合であると、キャリパ70の摩擦材73,75によって回転体52を挟持する位置が必ず同一平面内に配置されるので、各キャリパ70が回転体52を所望の大きさの力で挟持することができ、安定して回転体52を挟持することができる。
また、本実施形態のブレーキ装置50では、回転体52を挟持するキャリパ70が、一方の摩擦材73を保持する第1保持部材72と、他方の摩擦材75を保持する第2保持部材74とを備え、第2保持部材74に設けられた複数の係止ピン80が第1保持部材72に設けられた凹部81に嵌り込むことで、第2保持部材74が第1保持部材72に係止している。このように、第2保持部材74が複数箇所において第1保持部材72に係止しているため、スプロケット20aに対して回転体52が相対的に回転移動する時に、第2保持部材74が回転体52の回転方向に移動するのを抑えることができる。
しかも、ボルト77によって第2保持部材74が第1保持部材72に固定される位置や摩擦材73,75によって回転体52の側面52aを挟持する位置より径方向内方において、係止ピン80が凹部81に嵌り込み第1保持部材72に係止しているため、ボルト77の締め付け時に係止ピン80を支点として第2保持部材72が摩擦材73,75を介して回転体52を第1保持部材72に押さえ付けることができ、安定して回転体52を挟持することができる。
また、本実施形態のブレーキ装置50では、回転体52の内周面52bに面接触する摺動面82bを備えたガイド部材82がスプロケット20aに固定されているため、スプロケット20aに対して回転体52が相対的に回転移動したときに、回転体52の内周面52bとガイド部材82の摺動面82bとが摺動することで、回転体52が回転軸18を中心として回転するように、回転体52を案内することができる。
しかも、回転体52の回転方向に第2保持部材74を挟持するようにガイド部材82が設けられているため、スプロケット20aに対して回転体52が相対的に回転移動する時に、第2保持部材74が回転体52の回転方向に移動するのを抑えることができる。
また、ガイド部材82は、回転体52の内周面52bに摺動する摺動面82bを複数備えるため、一の摺動面82bが回転体52の内周面52bに摺動して摩耗しても、他の摺動面82bを回転体52の内周面52bにガイド部材82の交換頻度を減らすことができる。
また、本実施形態では、ガイド部材82が、回転体52を構成する材料より摩擦係数が小さい金属材から構成されているため、回転体52の内周面52bがガイド部材82を摺動する際の抵抗を小さくして、スプロケット20a及び回転体52の相対的な回転を円滑に案内することができると共に、ガイド部材82と回転体52との焼き付きを抑えることができる。
以上、本発明を適用した乗客コンベアのブレーキ装置の具体例として上記した実施形態を例示して具体的に説明したが、本発明の技術的範囲は、実施形態の説明で開示した技術事項に限定されるものではなく、以上の開示内容を基に一般的な技術常識も鑑みて当然に導かれる変形例、応用例も含まれるものである。
10…乗客コンベア
12…踏段
14…踏段チェーン
16…主枠
17…取付部
18…回転軸
19…取付部
20…スプロケット
20a…スプロケット
20aa…本体部
20ab…ベース
20b…スプロケット
20ba…本体部
20bb…ベース
22…駆動装置
23…駆動軸
24…回転軸
25…スプロケット
26…スプロケット
28…軸受
34…駆動用スプロケット
40…駆動力伝達チェーン
50…ブレーキ装置
52…回転体
52a…側面
52b…内周面
56…係合体
58…移動手段
60…検知手段
62…係合部
64…支軸
66…制御部
70…キャリパ
72…第1保持部材
73…摩擦材
74…保持部材
75…第2摩擦材
76…挿通穴
77…ボルト
78…雌ネジ部
79…皿バネ
80…係止ピン
80…各係止ピン
81…凹部
82…ガイド部材
82a…当接面
82b…摺動面

Claims (7)

  1. 踏段が連結されて循環移動する無端状の踏段チェーンが掛け渡されるスプロケットに連結されて前記スプロケットと共に回転し、回転中心周りに複数の係合部を有する板状の回転体と、
    前記係合部に係合される係合位置と、前記係合部との係合が回避される退避位置とに移動可能に設けられる係合体と、
    前記踏段チェーンの循環移動状態の異常を検知する検知手段と、
    前記検知手段による検知結果に基づいて前記係合体を前記退避位置から前記係合位置へ移動させる移動手段と、
    一対の摩擦材を介して前記回転体を挟持して前記回転体を前記スプロケットに連結するキャリパとを備え、
    複数個の前記キャリパが回転中心周りに間隔をあけて前記スプロケットに固定されていることを特徴とする乗客コンベアのブレーキ装置。
  2. 3個の前記キャリパが、回転中心周りに所定間隔をあけて前記スプロケットに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベアのブレーキ装置。
  3. 前記キャリパは、前記スプロケットに固定され一方の摩擦材を保持する第1保持部材と、前記第1保持部材に弾性体を介して連結され他方の摩擦材を保持する第2保持部材とを備え、前記弾性体の復元力によって一対の前記摩擦材が前記回転体を挟持し、
    前記第2保持部材は、前記第1保持部材に係止する係止ピンを複数備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の乗客コンベアのブレーキ装置。
  4. 前記回転体はリング状に設けられ、
    前記スプロケットに対して固定され前記回転体の内周面に接触するガイド部材を備え、
    前記スプロケットに対して前記回転体が相対的に回転すると、前記ガイド部材が前記回転体の回転を案内することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の乗客コンベアのブレーキ装置。
  5. 前記ガイド部材は、前記キャリパに当接して前記回転体の回転方向に前記キャリパが移動するのを規制することを特徴とする請求項4に記載の乗客コンベアのブレーキ装置。
  6. 前記ガイド部材は、前記回転体の内周面に摺動する摺動面を複数備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の乗客コンベアのブレーキ装置。
  7. 前記ガイド部材は、前記回転板と異なる材料で形成されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の乗客コンベアのブレーキ装置。
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