JP5735815B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は筐体内に換気ファンをもつ燃料電池システムに関する。
特許文献1によれば、ラジエター装置を持つ燃料電池システム筐体内部の温度を、ラジエターファンの回転数を制御することで、一定温度に管理することが出来る燃料電池システムが開示されている。
特許文献2によれば、ポータブル燃料電池などのシステムにおいて、カソード空気の吸込み部と、カソード排気ガスの成分とをそれぞれ計測して、その差を読み取り、燃料電池システムの異常判定を行うことで、システムを安全に停止させることの出来る燃料電池システムが開示されている。
特許文献3によれば、燃料電池システムパッケージ内部の最上部にガスセンサを設けることで、パッケージ内にて漏れた空気よりも軽い可燃性ガスを、的確に検出できる燃料電池装置が開示されている。
特開2008-300227号公報 特開2003-168461号公報 特開2003-229148号公報
上記した特許文献1に係る技術によれば、電気機器室と燃料電池室に左右に仕切る仕切壁が設けられている。しかし、上室および下室を仕切る仕切壁を開示しているものではない。更に、上室および下室を仕切る仕切壁の下面を積極的に冷却させる技術を開示しているものではない。上記した特許文献2,3に係る技術によれば、上室および下室を仕切る仕切壁が設けられているものではない。従って、上室および下室を仕切る仕切壁の下面を積極的に冷却させる技術を開示しているものではない。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、筐体のうち燃料電池および改質器を収容する上室と補機類を搭載する下室とを仕切る仕切壁の下面の側に滞留した空気を効率よく排気口から筐体の外部に排出でき、しかも仕切壁の下面の側を積極的に冷却でき、更に、仕切壁の下面の側に下室のシステム補機類を取り付けるのに有利な燃料電池システムを提供することを課題とする。
(1)様相1に係る燃料電池システムは、(i)アノード流体が供給されるアノードとカソード流体が供給されるカソードとをもつ燃料電池と、(ii)燃料原料からアノード流体を形成する改質器と、(iii)燃料電池および改質器を収容する上室と、システム補機類を収容する下室と、下室および上室を連通させる貫通換気口を有すると共に上室および下室を仕切る仕切壁と、下室および筐体の外部を連通させる吸気口と、上室および筐体の外部を連通させる排気口とを有する筐体と、(iv)下室に位置するように仕切壁の下面側に取り付けられた換気ファンとを具備しており、
(v)換気ファンは、仕切壁の下面に対して吸気隙間を形成しつつ対面するファン吸気口を備えるハウジングと、ファン吸気口および貫通換気口に連通する導風ダクトとをもち、(vi)換気ファンは、仕切壁の下面に滞留する空気を仕切壁の下面に沿ってファン吸気口から吸引させ、導風ダクトおよび仕切壁の貫通換気口を介して上室に流出させ、更に排気口から筐体の外部に流出させるとともに、吸気隙間の幅が、ハウジングの高さ未満とされていることを特徴とする。
換気ファンは、仕切壁の下面に吸気隙間を形成しつつ対面するファン吸気口を備えるハウジングと、ファン吸気口および貫通換気口に連通する導風ダクトとをもつ。下室の熱気は上昇する性質をもつため、筐体の下室の熱気が仕切壁の下面に滞留し易い。そこで換気ファンが駆動すると、仕切壁の下面に滞留する空気を、仕切壁の下面に沿って吸気隙間を介してファン吸気口から吸引させ、導風ダクトおよび仕切壁の貫通換気口を介して上室に流出させ、更に排気口から筐体の外部に流出させることができる。このため仕切壁の下面を積極的に冷却でき、仕切壁の下面の過熱が抑えられる。このように換気ファンのファン吸気口が仕切壁の下面に吸気隙間を形成しつつ対面しているため、仕切壁の下面を効率よく冷却できる。
万一、下室における配管系からガス状の燃料原料などが流出するときであっても、燃料原料は比重が空気よりも軽いため、仕切壁の下面に滞留する。このように仕切壁の下面に滞留した熱気や燃料原料は、換気ファンの駆動により、仕切壁の下面に沿ってファン吸気口から吸引させ、導風ダクトおよび仕切壁の貫通換気口を介して上室に流出させ、更に排気口から筐体の外部に流出させることができる。このため仕切壁の下面を積極的に冷却でき、仕切壁の下面の過熱が抑えられる。
このため本発明によれば、システム補機類の耐熱性が必ずしも充分でないときであっても、システム補機類を仕切壁の下面側に取り付けることができる。このようなシステム補機類も付随的に冷却できるため、システム補機類の長寿命化に貢献できる。システム補機類としては、燃料電池システムで用いられる燃料電池および改質器に関連する補助機器が挙げられる。配管を開閉させるバルブ、ポンプ、モータ、流量計、センサ、制御装置等が例示される。
(2)様相2に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、仕切壁の下面側にはブラケットを介してガス検知センサが取り付けられており、ブラケットは、換気ファンに吸引させる空気流に対する邪魔板部材として、ガス検知センサと換気ファンとの間において仕切壁の下面に接触または接近するように介在していることを特徴とする。
仕切壁の下面側にはブラケットを介してガス検知センサが取り付けられている。このため、下室においてガス状の燃料原料等が流出したとしても、その燃料原料等は空気よりも比重が軽いため、上方に移動し、仕切壁の下面付近に滞留する。このため換気ファンが駆動すれば、仕切壁の下面に滞留する燃料原料を仕切壁の下面に沿ってファン吸気口から吸引させ、導風ダクトおよび仕切壁の貫通換気口を介して上室に流出させ、更に排気口から筐体の外部に流出させることができる。
仕切壁の下面側にはガス検知センサが取り付けられているため、ガス洩れセンサの検知精度を確保できる。しかもガス洩れセンサは、高温室となる上室を仕切るための仕切壁の下面の側に取り付けられている。ここで、仕切壁の下面の側における過熱は抑制されるため、ガス洩れセンサをメーカ保証温度未満の雰囲気に維持でき、ガス洩れセンサの信頼性を確保できる。
(3)様相3に係る燃料電池システムによれば、上記様相において、燃料電池は固体酸化物形燃料電池であり、燃料電池および改質器は、断熱壁で覆われた状態で且つ仕切壁に載置された状態で上室に収容された高温モジュールを形成しており、換気ファンは、仕切壁のうち高温モジュールを載置している壁部分の下面に取り付けられている。システムの運転時において、上室内の高温モジュールは高温に維持される。このため仕切壁のうち高温モジュールを載置させている壁部分も昇温される。しかし換気ファンは、仕切壁のうち高温モジュールを載置している壁部分の下面に取り付けられている。このため換気ファンが駆動すれば、仕切壁の下面に滞留するガス状の燃料原料を仕切壁の下面に沿ってファン吸気口から吸引させ、導風ダクトおよび仕切壁の貫通換気口を介して上室に流出させ、更に排気口から筐体の外部に流出させ、仕切壁の下面を積極的に冷却させることができる。
本発明によれば、筐体のうち燃料電池および改質器を収容する上室と補機類を搭載する下室とを仕切る仕切壁の下面の側に滞留した空気を効率よく排気口から筐体の外部に排出でき、しかも仕切壁の下面の側を積極的に冷却でき、更に、仕切壁の下面の側に下室のシステム補機類を取り付けるのに有利な燃料電池システムを提供することができる。
燃料電池システムを説明する図である。 仕切壁の下面側に換気ファンが取り付けられている状態を模式的に示す斜視図である。 仕切壁の下面側に換気ファンが取り付けられている状態を模式的に示す断面図である。
換気ファンは、下室に位置するように仕切壁の下面側に取り付けられている。換気ファンは、仕切壁の下面に対面するファン吸気口と、ファン吸気口および貫通換気口に連通する導風ダクトとをもつ。換気ファンは、仕切壁の下面に滞留する空気を仕切壁の下面に沿ってファン吸気口から吸引させ、導風ダクトおよび仕切壁の貫通換気口を介して上室に流出させ、更に排気口から筐体の外部に流出させる。
換気ファンが吸引する空気流の流路に位置するように仕切壁の下面側には、ガス検知センサが取り付けられていることが好ましい。燃料電池は固体酸化物形燃料電池であり、燃料電池および改質器は、断熱壁で覆われた状態で且つ仕切壁に載置された状態で上室に収容された高温モジュールを形成していることが好ましい。換気ファンは、仕切壁のうち高温モジュールを載置している壁部分の下面に取り付けられていることが好ましい。
(実施形態1)
図1は実施形態1の概念を示す。図1に示すように、燃料電池システムは、燃料電池1と、液相状の水を蒸発させて水蒸気を生成させる蒸発部2と、蒸発部2で生成された水蒸気を用いて燃料を改質させてアノード流体を形成する改質部3と、蒸発部2と改質部3を加熱する燃焼部105と、蒸発部2に供給される液相状の水を溜める改質水タンク4と、これらを収容する筐体5とを有する。燃料電池1は、イオン伝導体を挟むアノード10とカソード11とをもち、例えば、SOFCとも呼ばれる固体酸化物形燃料電池(運転温度:例えば400℃以上)を適用できる。図1から理解できるように、アノード10側から排出されたアノード排ガスは、流路103を介して燃焼部105に供給される。カソード11側から排出されたカソード排ガスは、流路104を介して燃焼部105に供給される。システムの運転時において、燃焼部105はアノード排ガスとカソード排ガスとを燃焼させ蒸発部2と改質部3を加熱させる。燃焼部105には燃焼排ガス路75が設けられ、燃焼部105における燃焼後のガス、および、未燃焼のガスを含む燃焼排ガスが燃焼排ガス路75を介して大気中に放出される。
改質部3は、セラミックス等の担体に改質触媒を担持させて形成されており、蒸発部2に隣設されている。改質部3および蒸発部2は改質器2Aを構成しており、燃料電池1と共に断熱壁19で包囲され、高温モジュール18を形成している。改質部3の内部には、改質部3の温度を検知する温度センサ33が設けられている。燃焼部105の内部には、起動時に燃料を着火させるヒータである着火部35が設けられている。着火部35は燃焼部105の燃料に着火できるものであれば何でも良い。温度センサ33の信号は制御部100に入力される。
発電運転時には、改質器2Aは改質反応に適するように断熱壁19内において加熱される。発電運転時には、蒸発部2は水を加熱させて水蒸気とさせ得るように加熱される。燃料電池1がSOFCタイプの場合には、アノード10側から排出されたアノード排ガスとカソード11側から排出されたカソード排ガスが燃焼部105で燃焼するため、改質部3および蒸発部2は同時に加熱される。燃料通路6は、燃料源63からの燃料を改質器2Aに供給させるものであり、燃料ポンプ60および脱硫器62をもつ。燃料電池1のカソード11には、カソード流体(空気)をカソード11に供給させるためのカソード流体通路70が繋がれている。カソード流体通路70には、カソード流体搬送用の搬送源として機能するカソードポンプ71が設けられている。
図1に示すように、筐体5は、外気に連通する吸気口50と排気口51とをもち、更に、第1室である上室52と、第2室である下室53とをもつ。吸気口50は筐体5の下室53に形成されており、下室53および筐体5の外部WAを連通させている。排気口51は筐体5の上室52に形成されており、上室52および筐体5の外部WAを連通させている。上室52および下室53は仕切壁58で上下に仕切られており、高温となりがちの上室52の熱が下室53に直接伝達されることを防止している。仕切壁58は、上室52と下室53とを連通させる貫通換気口583をもつ。上室52および下室53は、基本的には、貫通換気口583以外は連通されていない。
燃料電池1は、改質部3および蒸発部2と共に、筐体5の上側つまり上室52に収容されている。筐体5の下室53には、改質部3で改質される液相状の水を溜める改質水タンク4が収容されている。改質水タンク4には、電気ヒータ等の加熱機能をもつ加熱部40が設けられている。加熱部40は、冬期や寒冷地等において、改質水タンク4に貯留されている水を加熱させるものであり、電気ヒータ等で形成できる。外気温度等の環境温度が低いとき等には、制御部100からの指令に基づいて、改質水タンク4の水は加熱部40により所定温度(例えば5℃、10℃)以上に加熱され、凍結が抑制される。
図1に示すように、下室53側の改質水タンク4の出口ポート4pと上室52側の蒸発部2の入口ポート2iとを連通させる給水通路8が筐体5内に設けられている。給水通路8は、改質水タンク4内に溜められている水を改質水タンク4の出口ポート4pから蒸発部2に供給させる通路である。給水通路8においては、蒸発部2の入口ポート2iの手前に水位センサ87が設けられ、且つ、改質水タンク4内の水を蒸発部2まで搬送させる水搬送源として機能するポンプ80が設けられている。制御部100はポンプ80,71,79,60を制御する。
システムの起動時には、バルブ6xが開放し、燃料ポンプ60が駆動して燃料源63のガス状の燃料原料が燃料通路6から蒸発部2に供給される。その燃料原料は改質部3、アノード流体通路73、アノード10、流路103を経て燃焼部105に至る。カソードポンプ71が駆動してカソード流体通路70を介してカソード11に供給され、更に流路104を介して燃焼部105に至る。上記した燃料原料は燃焼部105において燃焼し、蒸発部2および改質部3からなる改質器2Aは高温に加熱される。改質器2Aが所定温度の高温に昇温されると、システムの発電運転に移行する。発電運転では、ポンプ80が駆動すると、改質水タンク4内の水は、改質水タンク4の出口ポート4pから蒸発部2の入口ポート2iに向けて給水通路8内を搬送され、蒸発部2で加熱されて水蒸気とされる。水蒸気は燃料通路6から供給される燃料原料と共に改質部3に移動する。改質部3において燃料原料は、水蒸気で改質されてアノード流体(水素含有ガス)となる。アノード流体はアノード流体通路73を介して燃料電池1のアノード10に供給される。更にカソードポンプ71の駆動により、カソード流体(酸素含有ガス、筐体5の下室53内の空気)がカソード流体通路70を介して燃料電池1のカソード11に供給される。これにより燃料電池1が発電する。燃料電池1で排出された排ガスは、燃焼部105で燃焼し、燃焼排ガスが燃焼排ガス路75を介して大気中に放出される。
図1に示すように、燃焼排ガス通路75には、凝縮水を形成する凝縮機能をもつ熱交換器76が設けられている。貯湯槽77に繋がる貯湯通路78および貯湯ポンプ79が設けられている。貯湯通路78は往路78aおよび復路78cをもつ。貯湯槽77の低温の水は、貯湯ポンプ79の駆動により、貯湯槽77の吐出ポート77pから吐出されて往路78aを通過し、熱交換器76に至り、熱交換器76の熱交換作用により加熱される。熱交換器76で加熱された水は、復路78cを介して帰還ポート77iから貯湯槽77に帰還する。このようにして貯湯槽77の水は温水となる。前記した排ガスに含まれていた水蒸気は、熱交換器76で凝縮されて液相状の凝縮水(純水)となる。凝縮水は、熱交換器76から延設された凝縮水通路42を介して重力等により水精製器43に供給される。水精製器43はイオン交換樹脂等の水浄化剤43aを有するため、凝縮水の不純物は除去される。不純物が除去された水は、改質水タンク4に移動して改質水タンク4に溜められる。給水通路8のポンプ80が駆動すると、改質水タンク4内の水は吐出ポート4pから吐出され、給水通路8を介して高温の蒸発部2に供給され、蒸発部2で水蒸気とされて改質部3に供給され、改質部3において燃料を改質させる水蒸気改質反応として消費される。
さて要部構成について図2および図3を参照して説明する。図2および図3には、下室53に位置するように仕切壁58の下面580側には、換気ファン300が設けられている。換気ファン300は、発電運転中において、筐体5の下室53および上室52の空気を換気させるものであり、吸気口50から筐体5の外部WAの新鮮な空気を下室53に吸引させ、上室52の空気を排気口51から筐体5の外部WAに排出させる。図2に示すよにう、仕切壁58は、厚肉の仕切壁本体58aと、仕切壁本体58aの下面に積層された副壁58cと、仕切壁本体58aと副壁58cとの間に形成された断熱用の空気層58eとを備えている。空気層58eにより換気ファン300が保護される。燃料電池1は長時間(例えば1週間以上)にわたり連続運転するものであり、換気ファン300はシステムの発電運転モードばかりではなく、停止モードにおいても連続して長時間にわたり作動する。
換気ファン300は、仕切壁58の下面580に取付具308を介して取り付けられ、仕切壁58の下面580に吊持されている。取付具308の上端部は、仕切壁58の下面580側に取り付けられる。図3に示すように、換気ファン300は、ファン吸気口302をもつハウジング303hと、ハウジング303h内に配置され複数の羽根307をもつロータ304とを有する。図3において、ハウジング303hの上面303uと仕切壁58の下面580との間に吸気用の吸気隙間303が形成されている。吸気隙間303の隙間幅の寸法をDC(図2参照)として示す。ハウジング303hの高さ寸法をHC(図2参照)として示す。DCはHC未満が好ましい(DC<HC)。殊に、DC=HC×αにできる。αとしては、0.1〜0.8の範囲内、0.2〜0.6の範囲内にできる。このように吸気隙間303の隙間幅が過剰に広くならないように規定されているため、仕切壁58の下面580に溜まる熱気を集中的に換気ファン300で吸引させて、導風ダクト305および貫通換気口583から上室52に流入させることができる。この意味においても仕切壁58の下面580に補機類を設置させ易い。
すなわち、このようにハウジング303hに形成されているファン吸気口302は、仕切壁58の下面580に対して吸気隙間303の寸法DCを介して接近しつつ対面している。このため、換気ファン300は、仕切壁58の下面580付近の空気を吸引させ易い。しかもファン吸気口302は、換気ファン300のロータ304の中心軸線PMの回りの外周を1周するようにリング形状をなしているため、ロータ304が中心軸線PMの回りで回転駆動すると、ハウジング303h付近の空気、つまり、仕切壁58の下面580付近の空気をハウジング303hの全周から吸引させることができる。従って、仕切壁58の下面580付近の空気をできるだけ均一に吸引させ易い。なお場合によっては、ファン吸気口302は、換気ファン300のハウジング303hの全周の2/3以上にわたり形成されている形態でも良い。換気ファン300としてはシロッコファンが例示される。シロッコファンは、換気空気量の増加、騒音の低減、消費電力の低減、耐久性の確保の点で有利である。但し、シロッコファンに限定されず、ターボファン、サイレントファン、リミットロードファンでも良い。
更に、図3に示すように、換気ファン300のハウジング303hは、ファン吸気口302および貫通換気口583に連通する導風ダクト305をもつ。導風ダクト305の先端係合部306は、貫通換気口583のうち副壁58cの開口部分583cに係合している。導風ダクト305が設けられているため、吸気隙間303を介してファン吸気口302から吸引させた空気流を、貫通換気口583から上室52に確実に流入させることができる。
下室53に収容されている温度センサ530の信号は制御部100に入力される。温度センサ530で検知された温度が閾値温度以上になると、筐体5内を換気すべく、制御部100は換気ファン300を駆動させる。これにより下室53および上室52の熱気等が排気口51から筐体5の外部WAに排出される。一般的には、システムが発電運転しているときには、換気ファン300は駆動して下室53および上室52の換気を行っている。ここで、換気ファン300が駆動すると、仕切壁58の下面580に滞留している空気を仕切壁58の下面580に沿って吸気隙間303を介して換気ファン300のハウジング303hのファン吸気口302から矢印A1,A2,A3,A4方向(図3参照)に沿って吸引させる。これにより下室53の空気を導風ダクト305および仕切壁58の貫通換気口583を介して上室52に流出させ、更に、空気を高温モジュール18の断熱壁19の外壁面に沿って流し、高温モジュール18の断熱壁19の過熱を抑えた後、上室52の排気口51から筐体の外部に流出させる。
ここで、燃料電池システムが発電運転しているときにおいて、下室53の熱気は下室53において上昇し、仕切壁58の下面580に滞留し易い。万一、下室53における配管系からガス状の燃料原料などが下室53内に流出するときであっても、燃料原料は比重が空気よりも軽いため、仕切壁58の下面580付近に滞留し易い。このように仕切壁58の下面580付近に滞留した熱気や燃料原料を、換気ファン300の駆動により、仕切壁58の下面580に沿って吸気隙間303を介してファン吸気口302から吸引させ、導風ダクト305および仕切壁58の貫通換気口583を介して上室52に流出させ、更に排気口51から筐体の外部に流出させることができる。このような本実施形態によれば、仕切壁58の下面580を積極的に冷却でき、しかも換気ファン300のハウジング303hの全周囲を積極的に冷却でき、仕切壁58の下面580の過熱を抑えることができる。
このように仕切壁58の下面580の過熱を抑えることができる本実施形態によれば、システム補機類を下室53に位置させつつ仕切壁58の下面580側に取り付けることができる。従って、仕切壁58の下面580側に取り付けたシステム補機類の耐久性の向上、ひいては長寿命化に貢献できる。システム補機類としては、燃料電池システムで用いられる燃料電池1および改質器2Aに関連する補助機器が挙げられる。このような補助機器としては、配管を開閉させるバルブ、ポンプ71,80,60、モータ、流量計、センサ、制御装置等の全部または一部が例示される。
更に本実施形態によれば、図2に示すように、換気ファン300が吸引する空気流の流路に位置するように仕切壁58の下面580側には、燃料原料等のガスの漏れを検知するためのガス検知センサ400がブラケット500を介して取り付けられている。ガス検知センサ400は、センシング部402と、センシング部402を包囲する枠部403ともつ。ガス検知センサ400はシステム補機類の一つとして機能できる。なお、図3ではブラケット500は図略されている。図3に示すように、ハウジング303hと枠部403との間には空間303xが形成されている。周方向においてなるべくばらつき無く吸気隙間303を介してファン吸気口302に吸引させるためである。
本実施形態によれば、換気ファン300が吸引する空気流の流路付近に位置するように、ガス検知センサ400が仕切壁58の下面580側に取り付けられている。このため、下室53においてガス状の燃料原料等の漏れが発生したとしても、その燃料原料は、空気よりも比重が軽いため、下室53において上方に移動し、仕切壁58の下面580付近に滞留する。このため換気ファン300が駆動すれば、仕切壁58の下面580に滞留する燃料原料を仕切壁58の下面580に沿って吸気隙間303を介してファン吸気口302から吸引させ、導風ダクト305および仕切壁58の貫通換気口583を介して上室52に流出させ、更に排気口51から筐体5の外部WAに流出させることができる。これにより仕切壁58の下面580付近の過熱を防止できる。
更に本実施形態によれば、換気ファン300が吸引する空気流の流路に位置するように仕切壁58の下面580側にガス検知センサ400が取り付けられているため、ガス洩れセンサ400の検知精度を確保できる。しかもガス洩れセンサ400は、上室52が高温室となる仕切壁58の下面580の側に取り付けられているものの、仕切壁58の下面580の側における過熱は抑制されているため、ガス洩れセンサ400をメーカ保証温度未満の雰囲気に維持でき、ガス洩れセンサ400の信頼性を確保できる。
本実施形態によれば、図2に示すように、ブラケット500は、ガス検知センサ400と換気ファン300との間に設けられており、ガス検知センサ400の位置決めと、センサ400の周辺流速を抑制させる機能とを併有している。仕切壁58の下面580に取付具580rで固定される両端の取付片501と、取付片501間に連接され且つ空気流速の増加を抑制する面状に延設されている中間板502とを有する。中間板502は、換気ファン300のハウジング303hに沿って矢印DA方向に沿って延設されている。ブラケット500は、換気ファン300の駆動によって吸気隙間303を介してファン吸気口302に向かう空気流がガス検知センサ400のセンシング部402に直接当たることを抑制させている。なお、ガス検知センサ400の位置は、仕切壁58の下面580にもっとも接近するような位置に固定していることが好ましい。その理由としては、燃料原料等の可燃ガスの比重が空気より軽い為、上室52の上部であるほど(ガス検知センサ400が仕切壁58の下面580に接触してセンサ400に熱影響を与えない程度の距離として、3〜5ミリが望ましい)、システム上でのガス検知精度が高まる為である。またガス検知センサ400は定期保守が必要な部品であるため、機器の正面部に配置し、工具などのアクセスが可能となる位置としていることが好ましい。
更に、理由としては、ガス検知センサ400のセンシング部402に強い空気流が直接当たると、ガス検知センサ400のセンシング精度が影響され、ガス濃度を低めに検知したりする等といったように、ガス濃度の検知精度を変動させるおそれがあるためである。従って、ブラケット500の上面503は仕切壁58の下面580に対して微小隙間509で接近している。仕切壁58の副壁58cの肉厚をt1(例えば0.4〜3ミリメートル程度)とするとき、微小隙間509の隙間幅t2は、例えば2・t1以下、3・t1以下にできる。微小隙間509の隙間幅t2は、例えば1.5〜4ミリメートル。2〜3ミリメートル程度にできる。このようにブラケット500は、ガス検知センサ400を仕切壁58の下面580の所定位置への位置決め機能と、換気ファン300のファン吸気口302に吸引される空気流がガス検知センサ400のセンシング部402に直接当たることを抑制させる邪魔板部材としての機能とを併有する。
上記したように微小隙間509がガス検知センサ400のセンシング部402の上方に形成されているため、ガス検知センサ400のセンシング部402付近において適度のガス流れが発生し、センシング部402付近に可燃ガス(燃料)が過剰に滞留したり、あるいは、センシング部402付近の流速が過剰に増加するためセンシング精度が低下したりすることが抑制される。
本実施形態によれば、燃料電池1および改質器2Aは、断熱壁19で覆われた状態で且つ仕切壁58に載置された状態で上室52に収容された高温モジュール18を形成している。ここで、換気ファン300は、仕切壁58の下面580のうち、高温モジュール18を載置している壁部分58dの下面部分580dに取り付けられており、燃料電池1の直下に位置している。システムの運転時において、高温モジュール18は高温に維持される。このため仕切壁58のうち高温モジュール18を載置させている壁部分58dも昇温される。しかし換気ファン300は、仕切壁58の下面580のうち高温モジュール18を載置している壁部分58dの下面部分580dに取り付けられている。このため換気ファン300が駆動すれば、仕切壁58の下面580に滞留するガス状の燃料を仕切壁58の下面580に沿って吸気隙間303を介してファン吸気口302から吸引させ、導風ダクト305および仕切壁58の貫通換気口583を介して上室52に流出させ、更に排気口583から筐体の外部WAに流出させ、高温モジュール18からの受熱する仕切壁58の下面580を積極的に冷却できる利点が得られる。
仮に、換気ファン300が下室53のうち筐体5の側壁5S(図1参照)側に偏って配置されていると、換気ファン300の騒音が筐体5の外部WAに伝搬され易くなる。この点本実施形態によれば、高温モジュール18は上室52の室空間においてほぼ中央域に配置されている。このため換気ファン300も、高温モジュール18の真下に位置するように仕切壁58の下面580に取り付けられつつ、下室53の室空間のほぼ中央域に配置されている。このため換気ファン300の騒音を筐体の外部にWAに放出させることが抑制される。
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1と基本的に共通の構成であり、共通の作用効果を奏するため、図1〜図3を準用する。本実施形態によれば、システムの発電運転が停止された後であっても、温度センサ33で検知された高温モジュール18の内部温度(改質部3の温度)が第1閾値温度(例えば500〜300℃の温度範囲内の任意値)以上であれば、あるいは、下室53内の温度センサ530で検知された温度が第2閾値温度(例えば70℃)以上であれば、上室52および下室53の冷却を促進させるべく、換気ファン300の駆動を継続させて換気を継続させる。
このため換気ファン300の駆動により、仕切壁58の下面580に滞留する熱気またはガス状の燃料原料を仕切壁58の下面580に沿って吸気隙間303を介してファン吸気口302から吸引させ、導風ダクト305および仕切壁58の貫通換気口583を介して上室52に流出させ、更に、排気口583から筐体の外部WAに流出させ、高温モジュール18からの受熱する仕切壁58の下面580を積極的に冷却できる利点が得られる。この結果、システムの発電運転が停止された後であっても、仕切壁58の下面580に取り付けている補機類の過熱を防止できる。
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。燃料電池としては、高分子電解質形燃料電池、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩燃料電池でも良い。
1は燃料電池、10はアノード、11はカソード、2Aは改質器、2は蒸発部、3は改質部、4は改質水タンク、43は水精製器、5は筐体、50は吸気口、51は排気口、52は上室、53は下室、58は仕切壁、580は下面、583は貫通換気口、70はカソード流体通路、73はアノード流体通路、8は給水通路、300は換気ファン、300hはハウジング、302はファン吸気口、305は導風ダクト、400はガス検知センサ、500はブラケット、530は温度センサ、WAは外部を示す。

Claims (3)

  1. アノード流体が供給されるアノードとカソード流体が供給されるカソードとをもつ燃料電池と、
    燃料原料から前記アノード流体を形成する改質器と、
    前記燃料電池および前記改質器を収容する上室と、システム補機類を収容する下室と、前記下室および前記上室を連通させる貫通換気口を有すると共に前記上室および前記下室を仕切る仕切壁と、前記下室および筐体の外部を連通させる吸気口と、前記上室および筐体の外部を連通させる排気口とを有する筐体と、
    前記下室に位置するように前記仕切壁の下面側に取り付けられた換気ファンとを具備しており、
    前記換気ファンは、前記仕切壁の前記下面に対して吸気隙間を形成しつつ対面するファン吸気口を備えるハウジングと、前記ファン吸気口および前記貫通換気口に連通する導風ダクトとをもち、
    前記換気ファンは、前記仕切壁の前記下面に滞留する空気を前記仕切壁の前記下面に沿って前記ファン吸気口から吸引させ、前記導風ダクトおよび前記仕切壁の前記貫通換気口を介して前記上室に流出させ、更に前記排気口から筐体の外部に流出させるとともに、
    前記吸気隙間の幅が、前記ハウジングの高さ未満とされている
    とを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1において、前記仕切壁の前記下面側にはブラケットを介してガス検知センサが取り付けられており、前記ブラケットは、前記換気ファンに吸引させる空気流に対する邪魔板部材として、前記ガス検知センサと前記換気ファンとの間において前記仕切壁の前記下面に接触または接近するように介在していることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または2において、前記燃料電池は固体酸化物形燃料電池であり、前記燃料電池および前記改質器は、前記断熱壁で覆われた状態で且つ前記仕切壁に載置された状態で前記上室に収容された高温モジュールを形成しており、前記換気ファンは、前記仕切壁のうち前記高温モジュールを載置している壁部分の下面に吊持されていることを特徴とする燃料電池システム。
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