JP5907372B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
図1および図2は実施形態1の概念を示す。図1に示すように、燃料電池システムは発電モジュール18(発電系)を有する。発電モジュール18は、燃料電池1と、液相状の水を蒸発させて水蒸気を生成させる蒸発部2と、蒸発部2で生成された水蒸気を用いて原料ガス(例えば都市ガス)を改質させて水素を主要成分(例えば30モル%以上)として含むアノードガス(アノード流体)を形成する改質部3とを有する。更に、燃料電池システムは、蒸発部2に供給される液相状の水を精製させて貯留する改質水貯留系4Aと、これらを収容する筐体として機能するケース5とを有する。燃料電池1は、イオン伝導体を挟むアノード10とカソード11とをもち、例えば、SOFCとも呼ばれる固体酸化物形燃料電池に適用できる。
(1)…CnHm+nH2O→nCO+[(m/2)+n]H2
n=1、m=4の場合には、メタンを水蒸気改質させる。上記式において、S/C値=nH2O/CnHm=2n/n=2が基準となる。発電モジュール18の保護性を考慮すると、一般的には、S/C値は2.5〜3.0が好ましい範囲とされている。但しこれに限定されるものではない。
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。本実施形態においても実施形態1と同様に、エア逃がし弁9の周辺にエア逃がし水が飛散することが抑制される。従って、飛散したエア逃がし水によりケース5内が汚れることが回避され、ケース5内の他の部品の耐久性および長寿命化に貢献できる。
図3は実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。本実施形態においても実施形態1と同様に、エア逃がし弁9の周辺にエア逃がし水が飛散することが抑制される。従って、飛散したエア逃がし水によりケース5内が汚れることが回避され、ケース5内の他の部品の耐久性および長寿命化に貢献できる。但し、エア逃がし弁9はケース5内に設けられているものの、手動で開閉される手動弁とされている。施工業者やメンテナンス者などがケース5の扉5rを開放させてエア逃がし弁9を手動で操作することができる。
図4は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1〜3と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏するため、図1および図2を準用する。本実施形態においても実施形態1と同様に、エア逃がし弁9の周辺にエア逃がし水が飛散することが抑制される。従って、飛散したエア逃がし水によりケース5内が汚れることが回避され、ケース5内の他の部品の耐久性および長寿命化に貢献できる。エア逃がし弁9は、制御部100からの指令で開閉する電磁弁とされている。
図5は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1〜3と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。本実施形態においても実施形態1と同様に、エア逃がし弁9の周辺にエア逃がし水が飛散することが抑制される。従って、飛散したエア逃がし水によりケース5内が汚れることが回避され、ケース5内の他の部品の耐久性および長寿命化に貢献できる。
図6は実施形態6を示す。本実施形態は実施形態1〜3と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。図6に示すように、逃がし通路96の他端部96fは排気ガス通路75ではなく、浄水部43、特に浄水部43の上部に直接的に接続されている。エア逃がし弁9を開放作動させるエア逃がし操作が行なわれると、循環通路78に残留するエアを含むエア逃がし水は、エア逃がし弁9のエア逃がし口90から逃がし通路96を介して浄水部43に直接的に排出される。エア逃がし水は、浄水部43の第1水精製材43aにより精製されて浄化されて純水化され、水通路45を介して水タンク4に移送され、改質器2Aに供給される改質水として使用される。図6に示すように、逃がし通路96には、逃がし通路96を流れるエア逃がし水を精製させて浄化させるための第2水精製材97を有する副浄水部97sが設けられている。第2水精製材97はエア逃がし水を精製させるため、使用されるのは施工時等の限られた場合のみのため、水精製材43aよりも使用量を減少させることが可能である。また、水精製材43aが後段にあるため、精製仕様を低下させることも可能である。
図7は実施形態7を示す。本実施形態は実施形態1〜3と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。すなわち、エア逃がし弁9の周辺にエア逃がし水が飛散することが抑制される。従って、飛散したエア逃がし水によりケース5内が汚れることが回避され、ケース5内の他の部品の耐久性および長寿命化に貢献できる。
図8は実施形態8を示す。本実施形態は実施形態1〜3と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。図8に示すように、水タンク4の底部には、水タンク4内の水を空にするための排水バルブ40mおよび排水路40kが、改質水貯留系4Aの構成要素の一部として設けられている。逃がし通路96の他端部96fは、排水路40kのうち排水バルブ40mよりも下流に接続されている。循環通路78に残留するエアを含むエア逃がし水は、エア逃がし弁9のエア逃がし口90から逃がし通路96を流れ、排水路40kから直接的に排出される。この場合、エア逃がし水が浄化部43の第1水精製材43aと接触しないため、第1水精製材43aの汚れが抑制され、第1水精製材43aの長寿命化に有利である。
図9は実施形態9を示す。本実施形態は実施形態1〜3と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏する。図9に示すように、水タンク4のオーバーフロー水を流出させるオーバーフロー通路47が改質水貯留系4Aの構成要素の一部として水タンク4の上部に形成されている。逃がし通路96の他端部96fはオーバーフロー通路47に接続されている。具体的には、他端部96fは、オーバーフロー通路47のうち水タンク4からオーバーフローする部位47rよりも低い位置に接続されている。これにより逃がし通路96の他端部96fから吐出されるエア逃がし水は、水タンク4側に逆流しないようにされている。この場合、エア逃がし水が浄化部43の第1水精製材43aと接触しないため、第1水精製材43aの汚れが抑制され、第1水精製材43aの長寿命化に有利である。
本実施形態は前記した各実施形態と基本的には同様の構成および同様の作用効果を奏するため、図1および図2を準用できる。発電運転では、循環ポンプ79が回転して、貯湯槽77の水を循環通路78を介して循環させ、発電モジュール18から排出された排気ガスの排熱を熱交換76において循環通路78の温水として回収する。発電運転中において、循環ポンプ79について、単位時間あたりの指示回転数に対して、単位時間あたりの実回転数が過剰に増加する場合には、循環通路78にエアが残留しており、循環ポンプ79のポンプ負荷が過剰に軽減されていることが予測される。そこで、制御部100は、循環ポンプ79について、単位時間あたりの指示回転数Nsetに対して、単位時間あたりの実回転数Nrealが回転数ΔN以上過剰に増加する場合には、制御部100は、循環通路78にエアが残留していると推定し、エア逃がし弁9のエア逃がし口90を規定時間ΔTset開放させ、循環通路78を流れる水をエア逃がし弁9のエア逃がし口90から逃がし通路96を介して逃がす。あるいは、循環ポンプ79について、単位時間あたりの実回転数Nrealが単位時間あたりの指示回転数Nsetに接近または同一となるまで、制御部100はエア逃がし弁9のエア逃がし口90を開放させ、循環通路78を流れる水をエア逃がし弁9のエア逃がし口90から逃がし通路96を介して逃がす。実回転数Nrealは、循環ポンプ79に設けた回転数センサにより検知できる。接近とは、Nreal/Nsetが例えば1.3〜1.0の範囲内が好ましい。なお、エアの残留を検出する手段として、熱交換器75の温度、もしくは配管78c内の水温を用いて所定温度に戻るまで上記制御をしても良い。エアが残留した場合、熱交換器75内部等において、水が流れない部分が発生するため、熱交換器や湯温が高温となることを検出するものである。
本発明は上記し且つ図面に示した各実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実行できる。燃料電池は固体酸化物形燃料電池(SOFC)に限定されず、場合によっては、固体高分子形燃料電池でも良いし、リン酸形燃料電池でも良く、アルカリ水溶液形燃料電池でも良く、他のタイプの燃料電池でも良い。エア逃がし弁9は、ケース5内において復路78cに設けられているが、往路78aに設けることにしても良い。またエア逃がし弁9は、循環通路78の経路内の上下方向の上部等、エアが溜まりやすい部位に設けることが望ましい。加熱部40は水タンク4に設けられているが、廃止されていても良い。燃料としては、都市ガスに限定されず、プロパンガス、ブタンガス、バイオガス、メタノール、ガソリン、灯油等を例示できる。逃がし通路96の他端部96fは凝縮水通路42に接続させても良い。改質水貯留系4Aでは、第1水精製材43aを有する浄水部43が上流に、水タンク4が下流に設けられているが、これに限らず、水タンク4が上流で、浄水部43が下流に設けられていても良い。各本実施形態においても、循環通路78のエア逃がし操作と、改質水貯留系4Aの水張り操作とを併行させて行うことができる。すなわち、各実施形態においても、前述したように、貯湯槽77の貯湯室77rに供給されている水を循環通路78、逃がし通路96を介して浄水部43に移送させ、浄水部43の第1水精製材43aで精製させることにしても良い。この場合、精製させた水を改質水として水タンク4に供給させて改質水貯留系4Aの水張りを行うことができる。この場合、施工業者、メンテナンス者等は、改質水貯留系4Aに補給たるための純水を貯蔵させた純水タンクを設置場所やメンテナンス場所に逐一持ち運ばなくても良い利点が得られる。前述したように、貯湯槽77の貯湯室77rに供給されている水(例えば水道水等の原水)を循環通路78および逃がし通路96を介して浄水部43に移送させ、浄水部43の第1水精製材43aで精製させる。この場合、浄水部43を複数に分割し、水精製性能を増加させることができる。なお、流量センサ64、72は必要に応じて設ければ良い。
[付記項1]アノード流体およびカソード流体が供給されて発電するための燃料電池をもつ発電系と、前記発電系から排出される排気ガスを通過させるための排気ガス通路と、前記発電系の作動に伴い発生した凝縮水を溜める改質水貯留系と、温水を貯留する貯湯室と前記貯湯室に連通する吐水口および入水口をもつ貯湯槽と、前記貯湯槽の外部において前記貯湯槽の前記吐水口と前記入水口とを繋ぐ循環通路と、前記循環通路に設けられ前記貯湯槽の前記貯湯室の水を前記循環通路を介して循環させる水循環源と、前記循環通路に設けられ前記循環通路に存在する水を吐出させるための逃がし口をもつ逃がし弁と、前記排気ガス通路および前記循環通路に接続され前記排気ガス通路を流れる排気ガスと前記循環通路を流れると共に前記排気ガス通路の排気ガスよりも相対的に低温の水とを熱交換させる熱交換器と、前記改質水貯留系と前記逃がし弁の前記逃がし口とを直接的または他の通路を介して間接的に接続させ、前記逃がし弁の前記逃がし口から排出される水を前記改質水貯留系に逃がす逃がし操作を行う逃がし通路とを具備する燃料電池システム。循環通路を流れる水を逃がし弁から逃がし通路を介して改質水貯留系に供給させ、改質水貯留系における水位を高めることができる。
Claims (8)
- アノード流体およびカソード流体が供給されて発電するための燃料電池をもつ発電系と、前記発電系から排出される排気ガスを通過させるための排気ガス通路と、前記発電系の作動に伴い発生した凝縮水を溜める改質水貯留系と、温水を貯留する貯湯室と前記貯湯室に連通する吐水口および入水口をもつ貯湯槽と、前記貯湯槽の外部において前記貯湯槽の前記吐水口と前記入水口とを繋ぐ循環通路と、前記循環通路に設けられ前記貯湯槽の前記貯湯室の水を前記循環通路を介して循環させる水循環源と、前記循環通路に設けられ前記循環通路に残留するエアを含み得るエア逃がし水を吐出させるためのエア逃がし口をもつエア逃がし弁と、前記排気ガス通路および前記循環通路に接続され前記排気ガス通路を流れる排気ガスと前記循環通路を流れると共に前記排気ガス通路の排気ガスよりも相対的に低温の水とを熱交換させる熱交換器と、前記排気ガス通路と前記エア逃がし弁の前記エア逃がし口とを接続させ、前記エア逃がし弁の前記エア逃がし口から排出されるエアを含み得るエア逃がし水を前記排気ガス通路に逃がすエア逃がし操作を行う配管で形成された逃がし通路とを具備し、
前記排気ガス通路は、前記改質水貯留系に繋がる凝縮水通路が接続された分岐部と、前記逃がし通路が接続された合流部と、を有し、
前記分岐部は、前記エア逃がし水が重力により前記合流部から前記分岐部に移送されるように、前記合流部よりも下方に位置している燃料電池システム。 - 請求項1において、前記改質水貯留系は水を精製させる第1水精製材を有しており、前記エア逃がし弁の前記エア逃がし口から排出される前記エア逃がし水を、前記逃がし通路を介して前記改質水貯留系に移送させて前記第1水精製材で精製させ、改質水として利用する燃料電池システム。
- 請求項1または2において、前記排気ガス通路は、前記排気ガスを外気に放出させるガス出口に連通している燃料電池システム。
- 請求項1〜3のうちの一項において、前記貯湯槽の前記貯湯室に給水するための給水弁が設けられ、前記エア逃がし弁および前記水循環源を制御させる制御部が設けられており、
前記制御部は、前記給水弁を開放させて前記貯湯槽の前記貯湯室に水を供給させる給水操作の実行中または前記給水操作の終了後に、前記貯湯室に水を供給させた状態において前記水循環源を駆動させて前記貯湯室の水を前記吐水口から吐出させて前記入水口に帰還させることにより前記貯湯室の水を前記循環通路を介して循環させる循環操作と、前記循環操作の少なくとも一時期において前記エア逃がし弁を開放させるエア逃がし操作とを実行する燃料電池システム。 - 請求項4において、前記エア逃がし操作において前記エア逃がし弁から吐出されたエア逃がし水は、前記改質水貯留系に移送されて前記改質水貯留系の水張りを行い、前記制御部は、前記改質水貯留系に貯留される水の水位が規定水位以上のとき、前記エア逃がし操作を終了すると共に前記改質水貯留系における水張りを終了する燃料電池システム。
- 請求項1〜5のうちの一項において、前記逃がし通路は、前記逃がし通路を流れる水を精製させる第2水精製材を有している燃料電池システム。
- 請求項1〜6のうちの一項において、前記排気ガス通路における前記分岐部と前記合流部との間の通路部分は、前記合流部から前記分岐部に向けて下降するように傾斜している燃料電池システム。
- 請求項1〜7のうちの一項において、前記改質水貯留系は、前記エア逃がし水が重力により前記合流部から前記改質水貯留系に移送されるように、前記合流部よりも下方に位置している燃料電池システム。
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