JP5732946B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
この紙吸引部は、通常、プラテンに多数の吸引孔を設けて、プラテンの裏面側に内蔵したファンにより各吸引孔を介して外気を吸引することで、ロール紙をプラテン上に吸着保持(負圧吸引)するようになっている。
そして、このような開放状態の吸引孔の数が多くなると、被記録媒体を吸着する吸着力が低下して、被記録媒体の浮き上がりを抑えることが不完全となってしまう。
これによれば、スライド部材の平行移動量に応じて、複数の第2吸引孔を段階的に開閉することができるので、被記録媒体の幅に合わせて、吸引機構による吸引量を可変制御することができる。
これによれば、各第1吸引部が少なくとも1つの第1吸引孔に連通していることから、仕切部によって仕切られた複数の第1吸引部と第2吸引部とを連通させる第2吸引孔を選択的に閉塞させることによって、被記録媒体の存在しない領域に位置する第1吸引孔からの空気漏れを抑制して、被記録媒体の存在する領域に位置する他の第1吸引孔による被記録媒体の吸着力が低下してしまうのを防止することができる。これにより、幅寸法の異なる被記録媒体の側部を媒体支持面に対して吸着保持させることができる。
これによれば、閉塞部による第2吸引孔の閉塞状態を確保することができる。
これによれば、媒体支持面上に載置された被記録媒体の側部を搬送方向に沿って広い範囲に亘って吸着させることができるので、被記録媒体の記録対象領域を良好な姿勢で保持することができる。また、各第1吸引部に連通する複数の第2吸引孔を介して、この第1吸引部内を迅速に負圧にすることができるので、媒体支持面上に載置された被記録媒体を素早く吸着保持することが可能となり、記録処理時間を短縮することができる。
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンターの概略構成を示す側面図である。図2は、インクジェットプリンター1の概略構成を示す上面図である。図3は、吸引機構およびシャッター機構と壁部の構成を模式的に示す断面図である。
給送部(媒体搬送部)10は、被記録媒体(被支持媒体)の一例であるロール紙Rを記録部20へ給送することができるように設けられている。具体的には、ロール媒体ホルダ11を有し、ロール媒体ホルダ11がロール状のロール紙Rを保持している。そして、ロール状のロール紙Rを回動させることにより、搬送方向下流側(Y軸の矢印方向)の記録部20へ、第1ローラ12を介して、ロール状態を解いた状態のロール紙Rを給送することができるように構成されている。
具体的には、記録部20は、キャリッジ21と、記録ヘッド22と、媒体支持テーブル24と、カール押さえ部301等とを有している。
なお、図1では、キャリッジ21が媒体支持テーブル24より搬送方向上流側へ退避した状態を示している。
さらに、記録ヘッド22は、幅方向Xにおいて、キャリッジ21に対して相対的に移動することができるように構成されている。具体的には、不図示の第2ガイド軸に案内されながら、不図示の記録ヘッドモーターの動力によって、幅方向Xに移動することができるように設けられている。
そして、記録ヘッド22における媒体支持テーブル24と対向する面に設けられたノズル列23からインクを吐出することにより、ロール紙Rに記録を実行することができる。
具体的には、カール押さえ部301は、柔軟性および可僥性を有した一対の帯状フィルムからなるカール押さえ部材31を備えている。各カール押さえ部材31は、プラテン25のX方向の両端側(ロール紙Rの幅方向の両端)において、Y方向(ロール紙Rの搬送方向)に沿って同方向の全域に亘って配置される。
なお、カール押さえ部材31は、例えば厚みが0.5mm以下、幅が30mm程度である。また、素材としては、例えばポリイミド等を用いることができる。
したがって、プラテン25の上面に載置したロール紙Rの幅方向(X方向)の両端を、長手方向(Y方向)の全域に亘って押さえることが可能となっている。
なお、排出部40は、記録部20から送られたロール紙Rを巻き取りローラ41で巻き取る際に、ロール紙Rの撓みを取り除くテンショナーや、記録部20から送られたロール紙Rを加熱乾燥処理する乾燥部を備えることもある。
図4はシャッター機構と壁部の構成を示す斜視図、図5は、シャッター機構と壁部との位置関係を示す上面図である。
スライド板52は、プラテン25の短手方向に長さを有する平面視矩形状を呈する板状部材であって、壁部30の裏面と向かい合う表面上に複数の閉塞部34(本実施形態では5つ)が設けられている。複数の閉塞部34は、壁部30に形成された多数の吸引孔32に対応させるべく、互いに所定の間隔をおいて配置されている。つまり、スライド板52上に配置された閉塞部34が壁部30の吸引孔32と上面視で重なるように列状に配置されている。
また、閉塞部34は、数mm程度の高さ(厚み)を有していることが好適であり、ゴムなどの弾性部材や空気を通しにくいスポンジ、樹脂材料等によって構成されていることが好ましい。後述するように、スライド板52を平行移動させて任意の吸引孔32上に対応する閉塞部34を対向配置させることにより、吸引孔32を閉塞することができる。
図3に示した状態、すなわちシャッター機構50の初期状態(スライド板52の初期位置)では、壁部30に形成された複数の吸引孔32は全て開放されており、これら各吸引孔32を介して圧力室27A,27Bが連通している。
図6は、媒体支持テーブル24の吸引機構を駆動した際の作用を示す断面図である。
尚、図5および図6において、ロール紙(被記録媒体)R1の幅寸法(X方向の長さ)はプラテン25の幅寸法と略同じ場合を示す。
このとき、カール押さえ部材31の外側端E1をロール紙R1の側端Raよりも外側に位置するように配置してプラテン25と接触させる。一方、カール押さえ部材31の内側端E2をロール紙Rの側端Raより内側に位置するように配置して、ロール紙R1の側端Raと接触させる。
図7(a)はスライド板52の初期位置を示す概略断面図、(b)は、スライド板52を初期位置からX方向に向けて一段階だけ移動させた場合を示す概略断面図である。
例えば、ロール紙R2の幅寸法は、ロール紙R1よりも、吸引孔26のX方向の配置ピッチ分(1ピッチ)だけ狭いものとする。このようなロール紙R2をプラテン25の媒体支持面25aに載置する際には、所謂片端合わせ(端部基準)で載置する。
また、スライド板52の+X方向への移動と同時に、カール押さえ部材31の一方を−X方向に移動して、ロール紙R2の側端Raと対向する位置に合わせる。
したがって、ロール紙R2が存在する領域に位置する他の複数の吸引孔26の吸着力が低下することもない。これにより、ロール紙R1よりも幅寸法の狭いロール紙R2の場合であっても、ロール紙R1の場合と略同一の吸着力で、プラテン25の媒体支持面25aに吸着保持させることができる。
このように、幅寸法の異なるロール紙R(R2)を吸着させる場合であっても、ロール紙Rが存在しない領域に位置する吸引孔32を閉塞することによって、ロール紙R1の場合と略同様の吸着力を維持することができ、プラテン25の媒体支持面25aに対してロール紙R2を良好に吸着保持させることができる。
そして、幅寸法の異なるロール紙(例えば、ロール紙R2)に代えた場合には、スライド板52を壁部30に対して平行に移動させることで、ロール紙R2が載置されていない吸引孔26に対応する吸引孔32を閉塞部34により選択的に閉塞し、この状態で吸引を行う。これにより、ロール紙R2が存在する領域に対応する吸引孔26からが行きを吸引してロール紙R2を吸着保持することができる。
これに対して、本実施形態の構成によれば、ロール紙R2が存在しない領域に位置する吸引孔32を選択的に閉塞することにより、これに対応する吸引孔26を介してプラテン25上の空気を吸引することができなくなる。このため、ロール紙R2が存在する領域に位置する吸引孔26に対して吸引力を効果的に作用させることができる。したがって、ロール紙R2に対する吸引力が十分に得られるため、幅寸法の異なるロール紙R2であっても、媒体支持面25aに確実に吸引保持させることができる。
また、1つの圧力室27Aに1つの吸引孔26が連通する構成であっても、1つの圧力室27Aに複数の吸引孔26が連通する構成となっていても良い。
本実施形態のスライド板52は、従来のものに比べて小型で撓みにくい構成となっている。また、各閉塞部34が圧力室形成体45内に組み込む前の厚さから略半分程度にまで圧縮させた状態であるため、吸引孔32に対向配置された際に吸引孔32内に一部が入り込むように若干弾性復帰することで、吸引孔32が閉塞されるようになっている。
このため、たとえスライド板52の平坦度が低くても閉塞効果への影響は少ないと言える。したがって、本実施形態の構成であれば、板金による加工精度に起因する空気漏れが生じるような不具合は生じにくい。
次に、第2実施形態の記録装置の構成について、シャッター機構60の構成を中心に述べる。
先の実施形態では、圧力室27Aごとに吸引孔32が1つずつ設けられていたが、本実施形態においては、1つの圧力室27Aに対して複数の吸引孔32が設けられており、これら吸引孔32の増加に応じて複数のスライド板52を備えたシャッター機構60を具備する。
図8に示すように、本実施形態の壁部30には、複数の吸引孔32からなる孔列Lが壁部30の長手方向に沿って複数形成されている。本実施形態では4つの孔列Lを設けたがこれに限られることはない。また、壁部30の裏面側には、各孔列Lに対応するスライド板52が複数(4つ)設けられており、これらを不図示の連結部材によって部分的に連結された構成としておくことで、各スライド板52を同時にスライド方向へと移動させることができる。例えば、スライド板52の圧力室形成体45から外側へと突出するスライド板52の一端側どうしが連結された構成としてもよい。
また、上述した実施形態においては、被記録媒体の一例としてロール紙Rを挙げて説明したが、単票紙やフィルム材であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
Claims (5)
- 被記録媒体に対して記録処理を施す記録処理部と、
前記被記録媒体を支持する媒体支持面から裏面に貫通する複数の第1吸引孔が形成された媒体支持部と、
前記裏面側に、それぞれが少なくとも1つの前記第1吸引孔に連通する複数の第1吸引部と、
前記複数の第1吸引部の前記媒体支持部とは反対側に配置される第2吸引部と、
前記複数の第1吸引部と前記第2吸引部との間に配置され、各第1吸引部と前記第2吸引部とを連通させる複数の第2吸引孔が形成された壁部と、
前記第1吸引孔および前記第2吸引孔を介して前記媒体支持面上に配置された前記被記録媒体を吸引する吸引機構と、
前記媒体支持面よりも小さい面積を有し、前記壁部の裏面側に当該壁部と平行に配置されるとともに前記被記録媒体の搬送方向に交差する方向に沿って平行移動可能であり、前記平行移動の方向に長さが異なるとともに前記複数の第2吸引孔を選択的に閉塞可能な閉塞部が設けられたスライド部材と、を備え、
前記スライド部材は、前記壁部の前記裏面側に平行に配置されたスライド板と、前記スライド板上に配置された複数の前記閉塞部と、から構成される
ことを特徴とする記録装置。 - 前記複数の閉塞部は、前記平行移動の方向の位置に従って、順次、長さが異なる
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記媒体支持部と前記壁部との間に配置されるとともに、前記被記録媒体の搬送方向に交差する方向で隣り合う前記複数の第1吸引部同士を仕切る仕切部が複数設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。 - 前記閉塞部が、前記壁部に向かって弾性変形された状態で組み込まれている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の記録装置。 - 前記被記録媒体の搬送方向に交差する方向に並ぶ複数の前記第2吸引孔によって形成される孔列を前記搬送方向に複数有し、前記孔列ごとに前記スライド部材が複数設けられている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の記録装置。
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