JP2014183054A - 圧電素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、画像形成装置及び圧電素子の製造方法 - Google Patents

圧電素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、画像形成装置及び圧電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動させても応力集中しにくく、耐クラック性の高い圧電素子を得る。
【解決手段】圧電膜1を備えた圧電素子20は、振動板4の上部に下部電極3と圧電膜1と上部電極2とが順次積層されて構成されている。上部電極2と下部電極3とが、それぞれの厚さ方向において重ならない圧電膜1の少なくとも一部である端部に空隙11が形成されている。空隙11を設けることによって、圧電膜1の変形で生じた応力が、空隙11の変形によって緩和され、応力集中の発生を防止することが可能となり、クラック等による圧電膜1の破壊を未然に防止することができる。また、万が一クラックが入っても、クラックの進展を防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧電素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、画像形成装置及び圧電素子の製造方法に関し、詳しくは、プリンタ、ファクシミリ、複写機、プロッタ又はそれら複数の機能を複合した複合機等の画像形成装置などに用いられる、圧電素子を備えた液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置及び圧電素子の製造方法に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写機、プロッタ又はこれら複数の機能を複合した装置として、例えばインクの液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備え、記録媒体を搬送しながら液滴吐出ヘッドからインク滴を吐出させて記録媒体に付着させて画像形成を行うものがある。液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子を備えた圧電型の液滴吐出ヘッドが知られている(例えば、特許文献1ないし4参照)。この圧電型の液滴吐出ヘッドは、インク滴を吐出する複数の並列されたノズルに個別に対応して配置された複数の液室の少なくとも一部の壁面を振動板で形成し、この振動板を圧電素子によって変形させ液室の容積を変化させることでインク滴を吐出させる方式である。
この方式の場合、インク滴を吐出させるための信頼性は、圧電素子の寿命に因るところが大きい。言い換えると、圧電素子の破壊を防ぐことができれば、ヘッドの寿命をそれだけ長くすることができるといえる。圧電素子の破壊には、大きくクラックと絶縁破壊の2つに分類できる。絶縁破壊に関しては、外部からの異物混入等のイレギュラーなケースを除いては、電極・圧電素子形成及び保護膜形成の設計最適化により比較的回避しやすい。
特許文献1には、圧電アクチュエータにおいて、ポーリング工程や駆動時に圧電膜の短絡による絶縁破壊を防止するために、PZTと基板との界面に空間(空隙)を設けた技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の圧電アクチュエータでは、空間(空隙)の一部が厚み方向において上部電極とオーバーラップしているため、電界強度が不均一となり、これによって圧電素子の変形が不均一となることで、応力集中が発生してしまう。また、界面で応力集中が発生することで、界面にクラックが入りやすくなってしまう問題がある。
特許文献2には、残留応力を緩和してクラックの発生を抑制できる圧電素子等を提供する目的で、圧電素子を構成する圧電体層中に複数の空孔を有する技術が開示されている。
しかしながら、上記技術では、圧電アクチュエータの電界が発生する箇所に空孔があることにより、電界強度が不均一となり局所的な応力集中が発生してしまう問題がある。そして、空孔・ボイドの性状によっては部分放電が発生しやすい。
特許文献3には、圧電素子の破壊を防止する目的で、下電極の端部に、圧電素子の外側に向かって厚さが段階的に漸次小さくなる側面部を設け、この側面部を基板の面方向と同一方向の第1の面と、第1の面に垂直な第2の面とで画成された階段状に形成するアクチュエータ装置に係る技術が開示されている。
しかしながら、上記技術では、下電極と圧電体層との端部において、電界強度が不均一となるのは明らかであり、応力集中が発生しやすくなる構成である。
特許文献4には、振動板の変位時に圧電膜自体に生じる応力を緩和する目的で、圧電膜が溝部によって複数に分割され、かつ溝部に樹脂が充填されて構成された圧電素子に係る技術が開示されている。
しかしながら、上記技術では、そもそも圧電膜の電界強度が不均一となり、局所的に応力集中が発生しやすい問題がある。
上記特許文献1ないし4で説明した内容を踏まえ、本発明の課題は次のようになる。すなわち、クラックは絶縁破壊とは異なり、様々な要因で発生する可能性があり、且つ発生するタイミングも様々であることからスクリーニングも困難であり、抜本的な対策が必要である。クラックは構造的な要因がもたらす応力集中に因る場合が多く、応力集中が発生しにくい構造にする必要がある。
数μmレベルの薄膜の圧電膜や圧電体層を変形させる吐出形式の場合(いわゆるベンドモード)、PZTの端部は変形による応力を受けやすく、また電極エッジにおける電界集中、電界強度差による応力を受けやすい。従って、PZT端部の応力集中を緩和するという飛躍した新しい発想からの設計が信頼性向上には必要である。なお、PZTは、圧電素子の圧電層を形成するものであり、「ジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸(PbTiO)の固溶体」ないしは「チタン酸ジルコン酸鉛」を意味する。
そこで、本発明は、駆動させても応力集中しにくく、耐クラック性の高い圧電素子を得ることを主な目的とする。
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、本発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
本発明は、振動板と、下部電極と、圧電膜と、上部電極とを有し、前記下部電極と前記上部電極とにより前記圧電膜に対して電界が加えられる圧電素子において、前記上部電極と前記下部電極とが、それぞれの厚さ方向において重ならない前記圧電膜の少なくとも一部に空隙又は凹凸が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、上記構成により、駆動させても応力集中しにくく、耐クラック性の高い圧電素子を得ることができる。
(a)は本発明を適用する圧電素子を備えた液滴吐出ヘッドの断面図、(b)は、(a)の圧電素子に電気エネルギーを与えた場合の圧電素子の構成部分の変形状態を模式的に示す断面図である。 図1(a)の液滴吐出ヘッドの断面と直交する方向の模式的な断面図である。 第1の実施形態の圧電素子における圧電膜の端部(図1の四角枠で囲んだa部)の拡大断面図である。 (a)は圧電膜の端部に空隙がない場合の、(b)は圧電膜の端部に空隙がある場合の、それぞれの圧電膜変形時のPZTの内部応力状態を模式的に示した拡大断面図である。 (a)は圧電膜の端部に空隙がない場合の、(b)は圧電膜の端部に空隙がある場合の、それぞれのクラックの進展状態を模式的に示した拡大断面図である。 圧電膜の端部に形成される空隙又は凹凸の形状の一例を模式的に示した拡大断面図である。 図6とは別の、圧電膜の端部に形成される空隙又は凹凸の形状例を模式的に示した拡大断面図である。 図6、図7とは別の、圧電膜の端部に形成される空隙又は凹凸の形状例を模式的に示した拡大断面図である。 図2に示した圧電素子に相当する本変形例の圧電素子の1つの平面図である。 図9におけるA−A’、B−B’の断面図である。 変形例2を示す圧電素子の圧電膜の端部の模式的な拡大断面図である。 変形例3を示す圧電素子の圧電膜の端部の厚さ方向における空隙の空隙率又は凹凸の形成度合いを説明する拡大断面図である。 図12とは別の、変形例3を示す圧電素子の圧電膜の端部の厚さ方向における空隙の空隙率又は凹凸の形成度合いを説明する拡大断面図である。 変形例4を示す圧電素子の模式的な拡大断面図である。 図14とは別の、変形例4を示す圧電素子の模式的な拡大断面図である。 第2の実施形態を示す圧電素子の圧電膜の端部の顕微鏡写真である。 第3の実施形態を示す液滴吐出装置の外観斜視図である。 第4の実施形態を示す記録装置の機構部の概略的な一部断面正面図である。 図18とは別の、第4の実施形態を示す記録装置を透視して説明する斜視図である。 図19に示す記録装置の機構部の概略的な一部断面正面図である。
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能及び形状等を有する構成要素(部材や構成部品等)については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図及び説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
以下、本願発明において、液滴吐出記録方式の「記録装置」や「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液滴を着弾させて記録や画像形成を行う装置を意味する。「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を記録媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。「印刷」という用語は、「画像形成」と同じ意味で用いるものとする。
「液滴」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、樹脂、液体などと称されるものを含み、「画像形成」や「印刷」を行うことが可能に微細粒状化して液滴にできる全ての液体の液滴の総称として用いる。「記録媒体」とは、材質を紙に限定するものではなく、OHPシート、布なども含み、液滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録紙、記録用紙、使用可能な薄紙から厚紙、はがき、封筒あるいは単に用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。また、画像とは2次元画像に限らず、3次元画像も含まれる。
まず、図1及び図2を参照して、本発明を適用する圧電素子を備えた液滴吐出ヘッドの構成を説明する。図1(a)は、本発明を適用する圧電素子を備えた液滴吐出ヘッドの断面図、図1(b)は、図1(a)の圧電素子に電気エネルギーを与えた場合の圧電素子の構成部分の変形状態を模式的に示す断面図である。図2は、図1(a)の液滴吐出ヘッドの断面と直交する方向の模式的な断面図である。
図1(a)及び図2に示すように、本発明を適用する圧電素子300は、振動板4の上部に下部電極3が積層されて構成され、下部電極3の上部に厚さ数μm程度の圧電膜200が積層されて構成され、圧電膜200の上部に上部電極2が積層されて構成されている。下部電極3は、共通電極となっている。
本発明を適用する液滴吐出ヘッド400は、図1(a)及び図2に示すように、ノズル基板7と、液室基板5と、支持体ないしはフレームとも呼ばれる保護基板6との3枚の基板を重ねた積層構造となっている。ノズル基板7には、液体(例えばインク等)を吐出するノズル孔を備えたノズル8が形成されている。液室基板5には、下方をノズル基板7に、上方を振動板4によって囲まれて、個別液室10が形成されている。保護基板6は、クロストークを抑制するためのものであり、圧電素子保護空間18が配されている。なお、図2において、符号9は振動板4上部に保護基板6を固着するための接着剤層を、符号18は共通液室を、それぞれ示す。なお、液室基板は個別液室基板とも、個別液室は加圧液室とも、それぞれ呼ばれる。
上部電極2及び下部電極3の電極材料は、金、銀、白金等で構成されている。振動板4は、圧電膜200の変形を個別液室10に伝えるものである。
圧電膜200を形成するPZTは、「ジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸(PbTiO)の固溶体」ないしは「チタン酸ジルコン酸鉛」で形成されている。圧電膜200は、ゾルゲル液をスピンコートし、成膜した後にエッチングにより個別チャンネルに対応した形状を作ってもよいし、ゾルゲル液を直接パターニング塗布して作ってもよい。また、スパッタにより成膜し、その後エッチングにより形状を作りこんでもよい。
なお、本発明を適用する圧電素子300を備えた液滴吐出ヘッド400は、あくまでも本発明を適用する圧電素子を備えた液滴吐出ヘッドの一例であり、これに限定されるものではない。圧電膜は、圧電体、圧電層もしくは上位概念用語で電気機械変換膜とも呼ばれ、圧電素子は、上位概念用語で電気機械変換素子とも呼ばれる。
図1(b)に示すように、圧電膜200に電気エネルギーとしての電圧(電界)を与えた場合には、いわゆるベンドボードの変形を示す。圧電膜200のd31変位を活用し、圧電膜200と密着した振動板4が同図のように屈曲することによって、液室内圧力を変化させる。その圧力変動によって、ノズル8(図2参照)から液滴が吐出する構造である。
(第1の実施形態)
図3〜図8を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する(請求項1)。図3は、第1の実施形態の圧電素子における圧電膜の端部(図1の四角枠で囲んだa部)の拡大断面図である。
第1の実施形態は、図1及び図2に示した圧電膜200に代えた圧電膜1を用いる点、および圧電素子300を備えた液滴吐出ヘッド400に代えて、圧電素子20を備えた液滴吐出ヘッド25を用いる点が主に相違する。この相違点以外の本実施形態の構成および動作は、図1及び図2に示した、圧電素子300を備えた液滴吐出ヘッド400と同様である。
図3に示すように、本実施形態の圧電素子20は、振動板4の上部に下部電極3と圧電膜1と上部電極2とが順次積層されて構成されている。換言すれば、圧電素子20は、圧電膜1を挟んで上部電極2と下部電極3とが上下にサンドイッチ状に密着して形成されており、下部電極3は振動板4と密着している。上部電極2は、圧電膜1の全面に形成されている訳ではなく、圧電膜1の端部のエッジより少し内側に配置されている。なお、図1に示した上部電極2も、圧電膜200の全面に形成されている訳ではなく、圧電膜200の端部のエッジより少し内側に配置されている点は図に示すとおりである。
図3の上から下に向かう太矢印は、圧電膜1にかかる電界を表している。太矢印で示すように電界は、上部電極2と下部電極とが重なっている部分で発生する。逆にいうと、重なっていない部分は電界が発生しない、つまり圧電膜1自らは変形しないこととなる。本発明は、この領域に空隙11を設けていることが特徴である。なお、空隙11は、見方によっては本発明の凹凸(凹部分が空隙とみなせる)が含まれているとみなすこともできるので、符号を引用して説明するときは説明の簡明化を図るため、凹凸も含めた空隙11で説明する。
すなわち、本実施形態では、上部電極2と下部電極3とが、それぞれの厚さ方向(図3における上下方向でもある)において重ならない圧電膜1の少なくとも一部である端部に空隙11が形成されている特有の構成となっている。なお、空隙又は凹凸は、上位概念用語で表現すると、応力緩和形状とも表現できる。
図4〜図5を参照して、本実施形態の具体的な効果を説明する。図4(a)は圧電膜の端部に空隙がない場合の、図4(b)は圧電膜の端部に空隙がある場合の、それぞれの圧電膜変形時のPZTの内部応力状態を模式的に示す拡大断面図である。図4(a)、図4(b)においては、黒色が濃い程、応力が高いことを意味しており、圧電膜の断面ハッチ表示を省略している。図5(a)は圧電膜の端部に空隙がない場合の、図5(b)は圧電膜の端部に空隙がある場合の、それぞれのクラックの進展状態を模式的に示したものである。
図4(a)において、圧電膜200における下部電極3の上面と圧電膜200の下面端部とのエッジ210は、構造的に応力が高くなるのは避けられない。すなわち、図4(b)に示すように圧電膜1の端部に空隙11がある場合は、空隙11がない図4(a)の場合に比べて、圧電膜1の端部の拘束力が小さくなるため、圧電膜1の端部の内部応力を小さくすることができる。
もうひとつの効果はクラックの進展防止にある。上述のように、圧電膜の端部は内部応力が高い故に、クラック発生の起点となり得る。図5(a)に示すように圧電膜200の端部に空隙11がない場合は、クラック220は圧電膜200を裂くように進展してしまい、最悪、絶縁破壊に至る可能性がある。これに対し、図5(b)に示すように圧電膜1の端部に空隙11のある場合は、発生したクラック220が空隙11(図5(b)に示されている最下段の空隙11)の部分で止まるために、クラック220の進展を防止することができる。
空隙11の形状は、図6〜図8に示すように、図6に示す空孔形状を含むことは無論のこと、四角形状でもよいし、球、半球、三角形、溝形状でもよい。空隙11のサイズは、0.05〜0.1μm程度であればよいことが後述する評価試験の結果から分かっている。
空隙11の有無による圧電膜1に対する影響を、圧電素子20の振動耐久評価試験で確認した結果、チャネル当たりのクラックの発生率は、空隙11なしの場合は数%あったが、空隙11ありの場合は0%であった。これにより、本実施形態の上記効果を確認することができた。また、電界が働かない上記一部のエリアに空隙又は凹凸を設けることは、空隙又は凹凸自体が応力集中を発生させることはない上に、信頼性も損なうことなく、故障発生を未然に防ぐことができる。
上述したとおり、本実施形態によれば、空隙又は凹凸を設けることによって、圧電膜の変形で生じた応力が、空隙又は凹凸の変形によって緩和され、応力集中の発生を防止することが可能となる。これにより、耐クラック性を向上することができ、クラック等による圧電膜の破壊を未然に防止することができる。また、たとえクラックが発生した場合にも、空隙又は凹凸部分でクラックの進展を防止することができる。また、空隙又は凹凸を設けている箇所は電界が発生しない領域であるため、空隙又は凹凸の大きさや形状等の設計自由度を高くすることも可能となる。加えて、空隙又は凹凸そのものがクラックの起点となったり部分放電の起点となったりすることもないので、信頼性を容易に向上させることができる。
(変形例1)
図9、図10を参照して、第1の実施形態の変形例1を説明する(請求項2)。図9は図2に示した圧電素子に相当する本変形例の圧電素子の1つの平面図、図10は図9におけるA−A’断面、B−B’断面を示す。
図10に示すように、変形例1における圧電膜1の端部に形成された空隙11は、圧電素子20の長さ方向である長手方向において、一定の箇所に形成されていることが特徴である。換言すれば、変形例1における圧電膜1の端部に形成された空隙11はほぼ同一であるとも表現できる。
圧電膜、圧電素子は短手方向、長手方向両方に撓むので、圧電膜1の端部の空隙11を圧電素子20の長手方向において一様にすることにより、空隙や凹凸そのものが応力集中の起点になることを防止することができる。従って、長細い圧電素子形状の場合においても、耐クラック性を向上させることができる。
上述したとおり、変形例1によれば、圧電素子の圧電膜の端部に設けられた空隙又は凹凸が圧電素子の長手方向に沿って一定の箇所に形成されているので、圧電素子の長手方向および短手方向いずれにおいても、応力集中を発生させることなく均一な変形が得られる。このため、耐クラック性を向上させることが可能となる。
(変形例2)
図11を参照して、第1の実施形態の変形例3を説明する(請求項3)。図11は、変形例2を示す圧電素子の圧電膜の端部の模式的な拡大断面図である。図11に示すように、変形例3における圧電素子20の圧電膜1の端部に、スリット形状の空隙11が複数ないしは多数形成されている。この相違点以外の変形例2の構成は、第1の実施形態と同様である。
このような多数のスリット形状の空隙11にすることによって、擬似的に蛇腹構造となり、屈曲に対するストレスを軽減することが可能となり、耐クラック性をさらに向上させることができる。
上述したとおり、変形例2によれば、圧電素子の圧電膜の端部に設けられた空隙又は凹凸がスリット状に複数形成されることによって、いわゆる蛇腹のような機能を有することが可能となる。従って、大きな変形を伴う場合においても、応力を圧電膜の変形によって効率良く緩和させることが可能となるため、耐クラック性を向上させることができる。
(変形例3)
図12及び図13を参照して、第1の実施形態の変形例3を説明する(請求項4)。図12及び図13は、変形例3を示す圧電素子の端部の厚さ方向における空隙の空隙率又は凹凸の形成度合いを説明する拡大断面図である。
図12及び図13に示すように、変形例3は、第1の実施形態と比較して、圧電素子20の圧電膜1の端部の空隙11の割合である空隙率を、あるいは凹凸の度合いを、上部電極2側よりも下部電極3側に近いほど高くさせるか、あるいは大きくさせる点のみ相違する。この相違点以外の変形例3の構成は、第1の実施形態と同様である。
圧電膜1の変形時は、圧電膜1と振動板4との界面部に特に応力が発生しやすい。これは、異なる材料で形成された圧電膜1と振動板4との曲げ剛性が異なるからである。また、高温もしくは低温にシフトした場合には、熱膨張係数の影響も加わる。それ故に、高い応力が発生しやすい下部電極3側の空隙や凹凸を多くすることによって、圧電膜1の全域にかかる応力バランスを一定に保つことができ、耐クラック性を向上させることが可能となる。
上述したとおり、変形例3によれば、圧電素子の圧電膜の端部に設けられた空隙又は凹凸が上部電極側よりも下部電極側に多くあることによって、応力が大きくなりやすい振動板に近い側に位置する下部電極側の圧電膜の応力を積極的に緩和することができる。加えて、上部電極側の圧電膜の応力状態と同等レベルにすることができるため、全体の応力バランスを保ちながら、応力緩和が可能となり耐クラック性を向上させることができる。
(変形例4)
図14及び図15を参照して、第1の実施形態の変形例4を説明する(請求項5)。図14及び図15は、変形例4を示す圧電素子の模式的な拡大断面図である。
図14及び図15に示すように、変形例4は、第1の実施形態と比較して、圧電素子20の圧電膜1の端部の空隙11の部分が、圧電膜1とは異なる材料12で埋められている点のみ相違する。この相違点以外の変形例4の構成は、第1の実施形態と同様である。圧電膜1と異なる材料12としては、例えば適宜の樹脂等が用いられる。
本変形例によれば、上記構成にすることによって、圧電膜1における空隙又は凹凸を擬似的になくし、断面で見た場合に、四角形状(図14参照)又はほぼ台形形状(図14、図15参照)にすることができる。
上述したとおり、変形例4によれば、圧電素子の圧電膜の端部に設けられた空隙又は凹凸を圧電膜とは異なる材料で埋めることによって、空隙又は凹凸そのものがクラックの起点になりにくくすることが可能となるため、耐クラック性を向上させることができる。また、擬似的に空隙又は凹凸のない形状となるため、圧電素子の保護膜のカバレッジ性を向上させたり、保護膜の成膜工法の選択肢を増やすことができるので設計の自由度を大きくすることが可能となる。
(第2の実施形態)
図16を参照して、第2の実施形態を説明する(請求項9)。図16は、第2の実施形態を示す圧電素子20の圧電膜1の端部の顕微鏡写真である。具体的には、第1の実施形態等の圧電膜を得るための製造方法において、ゾルゲル液により成膜(これを複数層積層させる)し、エッチングにより個別チャネルに相当した形状形成後の写真である。
第2の実施形態は、第1の実施形態等の圧電膜を得るための製造方法において、圧電膜をゾルゲル工法から作製し、かつ、圧電膜を複数積層させることにより形成した。さらに、所望の形状をつくる際のエッチングプロセス条件の制御により、圧電膜の焼成界面を選択的にエッチングさせる。圧電膜エッチング後に薬液処理を施すことよって、複数積層させた圧電膜の層間を選択にエッチングさせることが可能となる。適切な薬液を選定すれば、空隙の作りこみは比較的容易にできる。
上述したとおり、第2の実施形態によれば、圧電膜をゾルゲル工法から作製し、スピンコートによって成膜後、エッチングプロセス制御のみで空隙又は凹凸を選択的につくるため、容易に圧電素子における圧電膜の端部の空隙又は凹凸を形成することができる。
(第3の実施形態)
図17を参照して、第3の実施形態として液滴吐出装置の一例としてのインクカートリッジについて説明する(請求項7)。図17は、第3の実施形態を示す液滴吐出装置の外観斜視図である。液滴吐出装置30の具体例としては、吐出させる液体として適宜の色のインクを格納したインクカートリッジが挙げられる。
液滴吐出装置30は、図2に示すノズル8を備えた第1の実施形態の液滴吐出ヘッド25と、この液滴吐出ヘッド25に供給する液体を格納する液体タンク32とを一体化したものである。
第3の実施形態によれば、耐クラック性に優れた液滴吐出ヘッド25を搭載しているため、信頼性が高い液滴吐出装置30を提供することができる。インクタンクを一体化した液滴吐出装置30の場合、液滴吐出ヘッド25の低コスト化は直ちに液滴吐出装置30全体の低コスト化につながるので、ヘッドを一体化した液滴吐出装置30の低コスト化を図れる。
(第4の実施形態)
図18を参照して、第4の実施形態を説明する(請求項8)。この第4の実施形態は、本発明に係る画像形成装置に関するものである。図18は、第4の実施形態の画像形成装置の一例としての記録装置の機構部の概略的な一部断面正面図である。
図18に示す記録装置50は、第1の実施形態の液滴吐出ヘッド25である、ブラック(B)とシアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)の4色にそれぞれ対応した液滴吐出ヘッド25B、25C、25M、25Yを有する。記録装置50は、いわゆるライン型の記録装置である。液滴吐出ヘッド25B、25C、25M、25Yは、それぞれ吐出させる液体の色のみ相違するだけで、他の構成は同じであるため液体の色を表す添え字符号を省略して説明する。記録装置50の具体例としては、上記各色のインクを吐出させるインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置などが挙げられる。
各液滴吐出ヘッド25には維持機構装置51があり、パージ処理、ワイピング処理などの保全動作時には液滴吐出ヘッド25のノズル面に対向する位置に移動する。この液滴吐出ヘッド25は、記録媒体の印字領域幅以上の長さのノズル列を有するライン型からなる。給紙トレイ52は圧板53と、記録紙Pを給紙する給送回転体54がベース55に取り付けられている。圧板53はベース55に取り付けられた回転軸を中心に回転可能であり、圧板ばね56により給送回転体54に押圧される。給紙回転体54と対向する圧板53の部位には記録紙Pの重送を防止するため、人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる不図示の分離パッドが設けられている。また、圧板53と給送回転体54の当接を解除する不図示のリリースカムが設けられている。
この記録装置50で、待機状態ではリリースカムが圧板53を所定位置まで押し下げている。これにより、圧板53と給送回転体54の当接は解除される。この状態で搬送ローラ57の有する駆動力がギヤ等により給送回転体54及びリリースカムに伝達されると、リリースカムが圧板53から離れて圧板53は上昇して記録紙Pが給送回転体54に当接する。すると、給送回転体54の回転に伴い記録紙Pはピックアップされ給紙を開始し、不図示の分離爪によって1枚ずつ分離される。給送回転体54は記録紙Pをプラテン58に送り込むべく回転する。記録紙Pは一対のガイド59、60の間を通過して搬送ローラ57まで導かれプラテン58まで搬送される。その後、再び記録紙Pと給送回転体54との当接を解除した待機状態となって搬送ローラ57からの駆動力が切られる。
また、手差しトレイ61から供給された記録紙Pも給送回転体62により搬送ローラ57からプラテン58まで搬送される。プラテン58まで搬送された記録紙Pは、液滴吐出ヘッド25B、25C、25M、25Yにより紙搬送速度と液滴吐出のタイミングを制御された信号に基づき所望の画像が形成される。画像が記録された記録紙Pは、排紙ローラ63と拍車64とにより搬送されて排紙トレイ65に排出される。
本実施形態によれば、耐クラック性に優れた液滴吐出ヘッド25を搭載しているため、信頼性が高く、長寿命の記録装置50を得ることができる。また、上記ライン型の液滴吐出ヘッド25B、25C、25M、25Yを使用して記録紙Pに所望の画像を迅速に形成することができる。
次に、図19及び図20を参照して、画像形成装置の一例としての図18に示した記録装置50とは別の方式の記録装置100について説明する。図19は、第4の実施形態を示す記録装置を透視して説明する斜視図、図20は、同記録装置の機構部の概略的な一部断面正面図である。
図19および図20に示す記録装置100は、第1の実施形態の液滴吐出ヘッド25を搭載している。両図において、符号Yは主走査方向を、符号Xは主走査方向Yと直交する副走査方向を、それぞれ示している。
両図に示すように、記録装置100は、いわゆるシリアル型のインクジェット記録装置であり、印字機構部104を有している。印字機構部104は、記録装置本体100Aの内部に主走査方向Yに移動可能なキャリッジ101と、キャリッジ101の下側に搭載された液滴吐出ヘッド25と、液滴吐出ヘッド25へインクを供給する移動手段としてのインクカートリッジ103とを備えている。
記録装置本体100Aの下方部には、図20における左側の前方側から多数枚の記録紙Pを積載可能な給紙カセット106が、記録装置本体100Aに対して引き出し・押し込み自在に設けられている。給紙カセット106の上方には、用紙を手差しで給紙するための手差しトレイ107が記録装置本体100Aに対して揺動・開閉可能に設けられている。給紙カセット106あるいは手差しトレイ107から給送される記録紙Pを取り込み、印字機構部104によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ108に排紙する。なお、給紙カセット106は、これに限らず、給紙トレイでもよい。
印字機構部104は、図示しない左右の側板に横架(横方向に架け渡すことを意味する)したガイド部材である主ガイドロッド109と従ガイドロッド110とでキャリッジ101を主走査方向Yに摺動(接触してすり動くことを意味する)自在に保持している。キャリッジ101には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッド25を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向Yと交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
キャリッジ101には、液滴吐出ヘッド25に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ103を交換可能に装着している。インクカートリッジ103は、上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッド25へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有している。これにより、インクカートリッジ103は、多孔質体の毛管力により液滴吐出ヘッド25へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、液滴吐出ヘッド25としてはここでは各色の液滴吐出ヘッド25を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液滴吐出ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ101は、後方側(記録紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド109に摺動自在に支持され、前方側(記録紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド110に摺動自在に載置されている。そして、このキャリッジ101を主走査方向Yに移動走査するため、タイミングベルト114をキャリッジ101に固定している。タイミングベルト114は、主走査モータ111で回転駆動される駆動プーリ112と従動プーリ113との間に張架(張力を付与する状態で掛け渡され装着されていることを意味する)されている。この主走査モータ111の正逆回転により、キャリッジ101が往復移動される。
一方、給紙カセット106にセットした記録紙Pを液滴吐出ヘッド25の下方側に搬送するために、給紙ローラ115およびフリクションパッド116と、ガイド部材117と、搬送ローラ118と、搬送コロ119とを設けている。給紙ローラ115およびフリクションパッド116は給紙カセット106から記録紙Pを分離給装する機能を、ガイド部材117は記録紙Pを案内する機能を、搬送ローラ118は給紙された記録紙Pを反転させて搬送する機能を、それぞれ有する。また、搬送コロ119は搬送ローラ118の周面に押し付けられるものであり、先端コロ120は搬送ローラ118からの記録紙Pの送り出し角度を規定するものである。
搬送ローラ118は、副走査モータ121によってギヤ列を介して回転駆動される。そして、キャリッジ101の主走査方向Yの移動範囲に対応して搬送ローラ118から送り出された記録紙Pを液滴吐出ヘッド25の下方側で案内する記録紙ガイド部材である印写受け部材122を設けている。この印写受け部材122の用紙搬送方向下流側には、記録紙Pを排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ123、拍車124を設けている。さらに、記録紙Pを排紙トレイ108に送り出す排紙ローラ125および拍車126と、排紙経路を形成するガイド部材127、128とを配設(配置して設けること、または位置を決めて設けることを意味する)している。
記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて液滴吐出ヘッド25を駆動することにより、停止している記録紙Pにインクを吐出して1行分を記録し、記録紙Pを所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、記録紙Pの後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ記録紙Pを排紙する。また、キャリッジ101の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッド25の吐出不良を回復するための回復装置129を配置している。回復装置129は、キャップ手段と、吸引手段と、クリーニング手段とを有している。キャリッジ101は印字待機中には回復装置129側に移動されてキャッピング手段で液滴吐出ヘッド25をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で液滴吐出ヘッド25の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去される。これにより、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、記録装置本体100Aの下部に設置された廃インク溜(図示せず)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
本実施形態によれば、耐クラック性に優れた液滴吐出ヘッド25を搭載しているため、信頼性が高く、長寿命の記録装置100を得ることができる。また、記録装置100においてはアクチュエータユニットを有する液滴吐出ヘッド25を搭載しているので、安定したインク滴吐出特性が得られ、画像品質を向上することができる。
前記説明では記録装置50、100に液滴吐出ヘッド25を使用した場合について説明したが、インク以外の液滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する装置に液滴吐出ヘッド25を適用してもよい。
本発明を特定の実施形態等について説明したが、本発明が開示する技術内容は、上述した実施形態等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよい。そして、本発明の範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明に係る画像形成装置は、記録装置50、100に限らず、本発明の液滴吐出ヘッドによる液体吐出方式の画像形成装置を含む画像形成装置にも適用可能である。すなわち例えば、プリンタ、プロッタ、ワープロ、ファクシミリ、複写機、又はこれら2つ以上の機能を備えた複合機等において記録装置を含む画像形成装置にも適用可能である。
本発明の適用分野としては、直接的には印刷分野、特にデジタル印刷分野が挙げられ、画像形成装置としては、マルチファンクション・プリンタ(MFP)を使用するデジタル印刷装置、オフィス、パーソナルで使用するプリンタ、MFPなどが挙げられる。また、応用分野としては、インクジェット技術を利用する三次元造型技術などにも適用可能である。
また、記録媒体としては、記録紙Pに限らず、使用可能な薄紙から厚紙、はがき、封筒、或いはOHPシート等まで、液滴吐出ヘッドを用いて画像形成可能な全ての記録媒体を含むものである。
1 圧電膜
2 上部電極
3 下部電極
4 振動板
5 液室基板
6 保護基板
7 ノズル基板
8 ノズル
9 接着剤層
10 個別液室
11 空隙又は凹凸
19 共通液室
20 圧電素子(電気機械変換素子の一例)
25 液滴吐出ヘッド
30 液滴吐出装置
50、100 記録装置(画像形成装置の一例)
100A 記録装置本体
101 キャリッジ
103 インクカートリッジ
104 印字機構部
111 主走査モータ
121 副走査モータ
P 記録紙(記録媒体の一例)
特許第5002030号公報 特許第4761071号公報 特開2008−041826号公報 特開2007−281286号公報

Claims (9)

  1. 振動板と、下部電極と、圧電膜と、上部電極とを有し、
    前記下部電極と前記上部電極とにより前記圧電膜に対して電界が加えられる圧電素子において、
    前記上部電極と前記下部電極とが、それぞれの厚さ方向において重ならない前記圧電膜の少なくとも一部に空隙又は凹凸が形成されていることを特徴とする圧電素子。
  2. 請求項1記載の圧電素子において、
    前記空隙又は前記凹凸が、前記圧電膜の長さ方向において一定の箇所に形成されていることを特徴とする圧電素子。
  3. 請求項1又は2記載の圧電素子において、
    前記空隙又は前記凹凸が、スリット状に複数形成されていることを特徴とする圧電素子。
  4. 請求項1ないし3の何れか一つに記載の圧電素子において、
    前記上部電極側よりも前記下部電極側の、前記空隙の割合である空隙率が高いか、あるいは前記凹凸の度合いが大きいことを特徴とする圧電素子。
  5. 請求項1ないし4の何れか一つに記載の圧電素子において、
    前記空隙又は前記凹凸の部分は、前記圧電膜とは異なる材料で埋められていることを特徴とする圧電素子。
  6. 請求項1ないし5の何れか一つに記載の圧電素子を用いたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項6記載の液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドに供給する液体を格納するタンクと、
    を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  8. 請求項6記載の液滴吐出ヘッド又は請求項7記載の液滴吐出装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1ないし5の何れか一つに記載の圧電素子の製造方法において、
    前記圧電膜をゾルゲル工法から作製し、かつ、前記圧電膜を複数積層させることにより形成し、所望の形状をつくる際のエッチングプロセス条件の制御により、前記圧電膜の焼成界面を選択的にエッチングさせることで前記空隙又は前記凹凸を形成することを特徴とする圧電素子の製造方法。
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