JP6098099B2 - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を搬送される被記録媒体(例えば、用紙、OHPなど)に対して吐出し、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものである。また、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置とがある。
液体吐出ヘッドのノズル孔は、一般的に数十μmの大きさで形成されている。このため、何らかの原因によりインク中に異物が混入した場合、混入した異物がインクによって流されてノズルに詰まり、吐出不良を発生させてしまうことがある。
同一部材上にフィルタとダンパとが形成された態様においても、剛性の高いフィルタと、コンプライアンスの高いダンパとが併存していることが求められる。
しかしながら、特許文献1〜3に記載の同一部材上に形成されたフィルタ及びダンパでは、厚みに差を設けていることは開示されていない。そのため、ダンパの性能が十分に得られる厚みとした場合、フィルタの剛性は低くなり、破断が生じる可能性がある。
本発明の液体吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数のノズル11と、ノズル11が連通する複数の個別液室(加圧液室)13に液体を供給する共通液室15と、共通液室15の液体経路中に配置され、前記液体をろ過するフィルタ部(内部フィルタ)22及び共通液室15内の圧力変動を低減するダンパ部21が形成されたフィルタ基材(フィルタプレート)20と、を少なくとも備え、フィルタ部22の厚みが、ダンパ部21の厚みよりも厚い。
図2(A)に示すように、フィルタ部22とダンパ部21とは同一のフィルタ基材20上に形成されている。図2(B)に示すように、フィルタ部22は、多数の孔22aとフィルタ部材22bにより構成されている。また、フィルタ部22とダンパ部21とは(A)に示したとおり同一のフィルタ基材20上に形成されているので、水平面において同じ高さに位置する。
フィルタ部22は、個別液室13のノズル配列方向の全領域にわたって液体をろ過するように、ノズル配列方向に長い長方形状をしている。
ダンパ部21は、本実施態様では、ノズル配列方向にフィルタ部22を挟むように2つ形成されている。ノズル配列方向に長い長方形状のフィルタ基材20において、ダンパ部21をノズル配列方向に沿った方向に配列することにより、ダンパ部21の平面視形状を長辺と短辺が略同一長さの矩形状とすることができる。ここで矩形状とは、辺と辺の角度が直角の形状に限らず、直角に近い形状であって、かつ辺が直線でなく曲面も含むものとし、ダンパ部21の形状としては、例えば、長方形、正方形、角丸四角形、タル形状とすることができる。
また、本実施態様のダンパ部21の平面視形状は図2(A)に示すように短辺の長さと長辺の長さとが略同一の矩形状である略正方形になっている。ダンパ部21のコンプライアンスは、ダンパ部の短辺の5乗、長辺の1乗に比例して大きくなるため、正方形形状に近くなるほど高いコンプライアンスが得られ、共通液室15内に生じる圧力変動の低減効果が高くなるためである。
これにより、液体吐出ヘッドのヘッド幅(ノズル配列方向と直交する方向の幅)の増大も低減することができる。
図3(A)は本発明の液体吐出ヘッドにおける配置、図3(B)は従来の液体吐出ヘッドにおける配置である。
図3(A)に示すように、フィルタ部22とダンパ部21は、ノズル配列方向(長方形形状のフィルタ基材20の長手方向)に配列されている。このような配置とすることにより、従来例である図3(B)のようにノズル配列方向と直交する方向(長方形形状のフィルタ基材20の短手方向)に配列した場合よりも正方形に近い形状をとることができる。
ダンパ部21のコンプライアンスは、ダンパ部の短辺の5乗、長辺の1乗に比例して大きくなるため、図3(A)に示す本発明の配置とすることにより、フィルタ部22の面積を確保したまま、ダンパ部21の高いコンプライアンスを得ることができる。
また、ダンパ部21の平面視形状が、短辺の長さと長辺の長さとが略同一の矩形状であることが好ましい。上述のように、ダンパ部21は正方形形状に近くなる程コンプライアンスが高くなる。
上述のように、ノズル配列方向にフィルタ部22とダンパ部21を配列した場合、フィルタ部22もダンパ部と同様に短辺と長辺との差異が小さくなり、ノズル配列方向に直交する方向に配列した場合と比較してコンプライアンスが大きくなる。よって、図5(B)に示すように、フィルタ部22がダンパ部と同じ厚みの場合は大きく変形しやすくなり、破断の原因となる。そこで図5(A)に示すようにフィルタ部22をダンパ部21より厚く作製することにより剛性を確保することができる。
図6に示すように、レジスト24を塗布した基板23上で、電鋳法によりフィルタプレート20を(1)〜(7)の順で示す工程により作製する。
第一電鋳で作製される一層目でダンパ部21、第一および第二電鋳で作製される一層目と二層目でフィルタ部22を作製することにより、ダンパ21部よりも厚いフィルタ部22を得ることができる。第三電鋳にて補強部(またはハンドリング部)20aとなる三層目が形成される。
フィルタ孔22aは、図7(A)のようにハニカム状に配列されていることが望ましいが、図7(B)のように整列させた配置としてもよい。また、フィルタ孔22aの形状としては、図7(C)に示すような多角形形状や図7(D)に示すような長丸形状であってもよい。
図8に、前記厚肉部を形成するフィルタ基板20の作製方法の一例を示す。
図8に示すように、レジスト24を塗布した基板23上で、電鋳法によりフィルタプレート20を(1)〜(7)の順で示す工程により作製する。
(6)の工程で示すように、レジスト24を、作製するフィルタプレート20よりも薄くすることにより、補強部やハンドリング部の頭頂部にオーバーハング部25aを設けることができる。
図9(A)は、例えば図6に示す工程で作製されたフィルタ基板20の例、図9(B)は例えば図8に示す工程で作製されたオーバーハング部25aを設けたフィルタ基板20の例である。P及びQは、フィルタ部22及びダンパ部21の面積を示す。
図9(B)に示す態様では、フレーム6との接合面積26を確保しながら、フィルタ部及びダンパ部の面積Qを図9(A)で示す態様における面積Pよりも広く確保することができる。
図11に示すように、液体吐出ヘッド1は、2列に配列されたノズル11を有するノズル板2と、流体抵抗部12とインク流路及び個別液室13を形成する流路板3と、凸部14を有する振動板5と、共通液室15を有するフレーム6と、2組の圧電素子7、ベース部材8、及び例えばFPCからなる2組の給電部材9a,9bからなるアクチュエータユニット10とを有する。共通液室15と個別液室13の間の流路の領域に、フィルタ部22とダンパ部21とを有するフィルタプレート20が形成される。
図16は、本発明の画像形成装置の一実施態様の機構部を示す断面の模式図である。
図16に示すように、画像形成装置50は、ブラック(B)とシアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)の4色にそれぞれ対応した本発明の液体吐出ヘッド1B,1C,1M,1Yを有する。各液体吐出ヘッド1には維持機構装置51があり、パージ処理、ワイピング処理などの保全動作時には液体吐出ヘッド1のノズル面に対向する位置に移動する。
画像形成装置50は、待機状態においてリリースカムが圧板53を所定位置まで押し下げている。これにより圧板53と給送回転体54の当接は解除される。この状態で搬送ローラ57の有する駆動力がギア等により給送回転体54及びリリースカムに伝達されると、リリースカムが圧板53から離れて圧板53は上昇して記録紙30が給送回転体54に当接し、給送回転体54の回転に伴い記録紙30はピックアップされ給紙を開始し、不図示の分離爪によって1枚ずつ分離される。給送回転体54は記録紙30をプラテン58に送り込むべく回転する。記録紙30はガイド55,60の間を通過して搬送ローラ57まで導かれプラテン58まで搬送される。その後、再び記録紙30と給送回転体54との当接を解除した待機状態となって搬送ローラ57からの駆動力が切られる。
このようにライン型の液体吐出ヘッド1B,1C,1M,1Yを使用することにより、記録紙30に所望の画像を迅速に形成することができる。
図17に示すように、画像形成装置100は、装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101とキャリッジ101に搭載した本発明の液体吐出ヘッド1及び液体吐出ヘッド1に対してインクを供給するインクカートリッジ102等で構成される印字機構部103等を収納し、装置本体の下方部には前方側から多数枚の記録紙30を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)104を抜き差し自在に装着されている。
また、記録紙30を手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ105を有し、給紙カセット104あるいは手差しトレイ105から給送される記録紙30を取り込み、印字機構部103によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙する。
また、液体吐出ヘッド1としては各色の液体吐出ヘッド1を複数用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液体吐出ヘッドでもよい。
記録終了信号または記録紙30の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ記録紙30を排紙する。
回復装置127はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置127側に移動されてキャッピング手段で液体吐出ヘッド1をキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
2 ノズル板
3 流路板
4 第二共通液室部材(ダンパ室形成部材)
5 振動板
6 フレーム(第一共通液室部材)
7 圧電素子
8 ベース部材
9 給電部材
10 アクチュエータユニット
11 ノズル
12 流路抵抗部
13 個別液室(加圧液室)
14 凸部
15 共通液室
15a フィルタ上共通液室
15b フィルタ下共通液室
20 フィルタ基板(フィルタプレート)
20a 補強部(ハンドリング部)
21 ダンパ部
22 フィルタ部
22a フィルタ孔
23 基板
24 レジスト
25a,25b オーバーハング部
27 液体供給路
28 ダンパ領域
29 ダンパ室(振動板ダンパ室)
30 ダンパ室(第二共通液室部材ダンパ室)
31 液体供給部
32 貫通穴
33 リブ
34a ダンパ部の領域(R形状を有する)
34b ダンパ部の領域
Claims (4)
- 液滴を吐出する複数のノズルと、
前記ノズルが連通する複数の個別液室に液体を供給する共通液室と、
前記共通液室の液体経路中に配置され、前記液体をろ過するフィルタ部及び前記共通液室内の圧力変動を低減するダンパ部が形成されたフィルタ基材と、を少なくとも備え、
前記フィルタ部の厚みが、前記ダンパ部の厚みよりも厚くなっており、
前記フィルタ部と前記ダンパ部は、前記ノズルの配列方向に沿って配置され、
前記ダンパ部の平面視形状が、長辺と短辺とが略同一の長さの矩形状であることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記ダンパ部が、前記フィルタ部の前記ノズルの配列方向の両端側にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記フィルタ基材の前記ノズルの配列方向端部に、前記フィルタ部の厚みよりも厚い厚肉部が形成され、該厚肉部の頭頂部の断面形状がオーバーハング形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする画像形成装置。
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