JP3918928B2 - インクジェットプリンタヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電式等のインクジェットプリンタヘッドの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先行技術のオンディマンド型の積層型の圧電式インクジェット記録ヘッドにおいては、表面に圧電振動板を有して振動部材を形成するセラミックからなる第1の蓋部材と、前記第1の蓋部材により一方の面が封止されて圧力発生室を形成するセラミックからなるスペーサとを焼成により一体に接合してなるアクチュエータユニットと、前記アクチュエータユニットが固定され、前記圧力発生室の両端部において連通する連通孔とインク供給口とを備えた金属からなるインク供給口形成基板と、前記インク供給口を介して前記圧力発生室に連通する共通のインク室(マニホールド室)、及び前記圧力発生室に連通する連通孔とを備えた共通のインク室形成基板(マニホールドプレート)と、前記共通のインク室形成基板の他面を封止すると共に前記各連通孔を介して前記圧力発生室に接続するノズル開口を備えたノズルプレートとを接合してなる流路ユニットとを接着すると共に、前記インク供給口形成基板の前記共通のインク室(マニホールド室)に対向する領域に、前記アクチュエータユニットに対向する凹部を形成し、前記インク供給口形成基板と前記アクチュエータユニットとの間に熱溶着フィルムを介在させて接着させたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この従来の技術の構成により、前記凹部と熱溶着フィルムとで形成される空気層は、アクチュエータユニットから伝播されてきた振動に対しても十分に振動遮蔽材として機能し、クロストークの問題を解決できるというものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−314836号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような積層型のインクジェット記録ヘッドでは、積層する板部材の枚数が多い程、位置合わせしながらの積層・接着の手間が掛かるという問題がある。
【0006】
また、この種のアクチュエータユニットにおける外部のインク供給源からのインク中のゴミを除去するため、通常は、アクチュエータユニットにおける最上層のスペーサプレート上面等に板状のフィルタを貼り付けているから、そのための作業も必要となり、部品点数も多くなり、且つ積層・接着の手間が掛かるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解消したインクジェットプリンタヘッドを提供することを技術的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドは、複数個のノズル及びこの各ノズル毎の圧力室を列状に備えたキャビティユニットと、前記各圧力室ごとに選択的に駆動可能な活性部を有し、インクを噴射させるアクチュエータとを積層させてなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記キャビティユニットを、少なくとも前記各圧力室が形成されたキャビティプレートと、インク供給源からのインクを前記各圧力室に補充するマニホールド室が設けられたマニホールドプレートと、
前記マニホールド室と圧力室とを連通するインク流路を有し、前記キャビティプレートとマニホールドプレートとの間に介在させたベースプレートと、前記マニホールド室と対応する位置にダンパー壁を有して前記マニホールドプレートとベースプレートとの間に介在させた介挿プレートとを積層して構成し、前記介挿プレートには、前記マニホールド室とは反対側から凹部を形成して前記マニホールド室側にその板厚さの一部を残して前記ダンパー壁を形成すると共に、前記マニホールド室からベースプレートにおけるインク流路の間に位置させる絞り流路と、前記インク供給源からマニホールド室へ供給するインクを濾過するフィルタ部とを形成したものである。
【0009】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記フィルタ部は、前記介挿プレートに形成された薄肉部内に形成されているものである。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記フィルタ部は前記薄肉部内にて介挿プレートの板厚方向に穿設された多数の微小孔により構成されているものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記マニホールドプレートにおけるマニホールド室の深さを当該マニホールドプレートの板厚さに等しく形成する一方、
前記マニホールドプレートにおける前記介挿プレートと反対側面には、前記マニホールド室の一側面を覆うカバ−プレートを積層したものである。
【0012】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記介挿プレートにおける絞り流路及びフィルタ部は、前記凹部の外に配置され、前記絞り流路は前記マニホールド室の長手方向に沿う一側に対応する位置に並んで配置され、前記フィルタ部は、前記マニホールド室の長手方向端部に対応する位置に配置され、前記凹部は前記絞り流路よりも前記マニホールド室の長手方向に沿う他側寄りに配置されているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。図1〜図4は、本発明の圧電式インクジェットプリンタヘッドを示す。これらの図において、キャビティユニット1に対して接合されるプレート型の圧電アクチュエータ2の上面には、外部機器との接続のために、図示しないフレキシブルフラットケーブルが重ね接合されているものであり、キャビティユニット1の下面側に開口されたノズル10から下向きにインクが噴射するものとする。
【0014】
実施の形態によるキャビティユニット7は、図1〜図3に示すように複数枚の構成要素のプレートが積層されたものである。すなわち、上層から、キャビティプレート3、ベースプレート4、介挿プレート5、2枚のマニホールドプレート6,7、カバープレート8、及びノズルプレート9の7枚の薄板を接着にて重ねて接合して積層した構造である。実施形態では、前記介挿プレート5及びノズルプレート9を除く各プレート3、4、6、7、8は42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さである。他方、介挿プレート5及びノズルプレート9はポリイミド樹脂等の合成樹脂材からなるが、金属板製であっても良い。
【0015】
これら各プレート3〜9には、電解エッチング、エキシマレーザ加工、プラズマエッチング加工等により、以下の各流路または室を構成する開口または凹部が形成されている。
【0016】
即ち、ノズルプレート9には、微小径(実施形態では25μm程度)のインク噴射用の複数のノズル10が、当該ノズルプレート9における(長辺方向)に沿って一定間隔で2列の千鳥状に配列して穿設されている。
【0017】
また、キャビティプレート3には、前記ノズル10の配列に対応して、複数の圧力室11が2列の千鳥状に配列して穿設されている。各圧力室11の長手方向の先端部11aは、ベースプレート4、介挿プレート5、2枚のマニホールドプレート6,7、及びカバープレート8にそれぞれ千鳥状配列にて穿設されたインク流路としての貫通孔12を介して対応するノズル10に連通している。一方、前記各圧力室11の他端11bは、前記ベースプレート4における左右両側部位に穿設されたインク流路としての貫通孔13と、後述する介挿プレート5における絞り流路14とを介して、前記マニホールドプレート6、7におけるマニホールド室6a,7aに連通している。
【0018】
そして、2枚のマニホールドプレート6、7には、共通インク室としての一対のマニホールド室6a、6b、7a、7bが、前記ノズル10の列の両側に沿って延びるように穿設されている。各マニホールド室は、各マニホールドプレート6、7を板厚方向に貫通した開口6aと7a(6bと7b)同士を重ねて1つのマニホールド室として形成され、2列の圧力室11の各列に対応してそれぞれの列方向に長く形成されている。各マニホールド室の一端6c,7cは、圧力室11の列よりもさらに延長した位置に形成されている(図1参照)。
【0019】
前記2枚のマニホールドプレート6、7を重ねた状態で、その上側の介挿プレート5の下面と上位置のマニホールドプレート6の上面とを接着し、且つ下位置のマニホールドプレート7の下面と、カバープレート8の上面とをそれぞれ接着することにより、各マニホールド室6a、7a(6b、7b)が密閉される構造になっている(図2参照)。
【0020】
介挿プレート5には、その下面側に薄い厚さの底板部(ダンパー壁)5aを残して上側のベースプレート4に向かって開放された凹み状の凹部(ダンパー室)15が形成されている。この凹部15は、ダンパー壁5aが前記マニホールド室 6a、7a(6b、7b)の上壁の一部をなすように、そのマニホールド室の長手方向に略沿って、圧力室11の列に略対応する長さに形成され、幅方向には、貫通孔12寄りのマニホールド室の側縁に略対応した位置からそのマニホールド室の幅(マニホールドプレート6、7の平面内において長手方向と直交する方向の幅)よりも少し小さい幅に形成されている。凹部15は、マニホールド室の前記一端6c,7cまでは延びておらず、貫通孔12と反対側のマニホールド室の側縁から間隔をおいて位置する。その間隔をおいた部分において、介挿プレート5には、凹部15の長手方向に沿って、複数の絞り流路14が板厚方向に貫通して穿設されている。各絞り流路14はその下側のマニホールド室6a、6bの貫 通孔12と反対側の側縁付近に連通している。さらに介挿プレート5には、凹部15を挟んで絞り流路14と反対側、すなわち、介挿プレート5の短辺方向の略中央部位には、圧力室11からのインクをノズル10に通すためのインク流通路としての貫通孔12がそれぞれ千鳥状配列にて穿設されている(図2参照)。
【0021】
さらに、前記介挿プレート5の長手方向の一側端部には、その板厚さの一部を残した薄肉部16内に、多数個の微小孔17aを板厚方向に穿設したフィルタ部17が形成されている(図1〜図3参照)。前記凹部(ダンパー室)15及びフィルタ部17の凹部は、プラズマエッチングにて形成し、絞り流路14及び微小孔17aはエキシマレーザにて穿設することが好ましい。これらの加工法により、1枚の介挿プレート5に、貫通孔12、ダンパー室15、絞り流路14及びフィルタ部17を一括して設けることができるから、微小孔である絞り流路14及びフィルタ部17の微小孔17aの孔位置や孔径を精度良く形成することができる。特に、絞り流路14は、マニホールド室から圧力室11に十分な量
のインクを供給する一方、圧力室11内で発生した圧力波によりインクがマニホールド室側へ逆流するのを制限する上で、精度良く形成する必要がある。
【0022】
そして、これらの複数枚のプレート3〜9を積層する時に、上下のプレート(ベースプレート4及びマニホールドプレート6)にそれぞれ穿設された貫通孔12、13、インクの供給孔18、マニホールド室6a.6bの位置と、前記貫通孔12、ダンパー室15、絞り流路14及びフィルタ部17の各位置とを合わせる手間が少なくて済むという効果も奏する。
【0023】
フィルタ部17は、マニホールド室の前記一端6c,7cと対応する位置に形成され、その上層に位置するキャビティプレート3及びベースプレート4には、フィルタ部17と対応する位置にそれぞれ供給孔18、19が形成されている。供給孔18にはその上方からインク供給源(図示せず)インクが供給される。そして、そのインクがフィルタ部17を通過することにより、そのインク中の塵を除去することができるように構成されている。
【0024】
これにより、図示しないインク供給源(インクタンク)から前記キャビティプレート3及びベースプレート4の一端部に穿設の供給孔18、19を介して前記介挿プレート5のフィルタ部17を通過させてインク中の塵を除去し、左右両マニホールド室6a、6b内に流入したインクは、前記各絞り流路14及びインク流路としての貫通孔13を通って前記各圧力室11内に分配されたのち、この各圧力室11内から前記貫通孔12を通って、当該圧力室11に対応するノズル10に至るという構成になっている(図2及び図3参照)。
【0025】
一方、前記圧電アクチュエータ2は、特開2001−162796号公報に記載されたものと同様に、1枚の厚さが略30μm程度の多数枚の圧電シート(図示せず)を積層した構造で、前記各圧電シートのうち1層おきの所定枚の圧電シートの上面(広幅面)には、前記キャビティユニット1における各圧力室11の箇所ごとに細幅の個別電極が印刷形成されている。その圧電シートと交互に積層された圧電シートの上面(広幅面)には、複数個の圧力室11に対して共通のコモン電極が印刷形成されている。各個別電極及びコモン電極は圧電アクチュエータ2の側面に沿って上下に延びるように形成された側面電極を介して最上層のトップシートの上面に形成された接続端子に電気的に接続されている。
【0026】
前記のような構成のプレート型の圧電アクチュエータ2は、前記キャビティユニット1に対して当該圧電アクチュエータ2における各個別電極が前記キャビティユニット1における各圧力室11の各々に対応するように積層固定される。また、この圧電アクチュエータ2における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル(図示せず)が重ね接合されることにより、このフレキシブルフラットケーブルにおける各種の配線パターン(図示せず)が、前記各接続端子に電気的に接合される。
【0027】
この構成において、前記圧電アクチュエータ2における各個別電極と、コモン電極との間は、電圧を選択的に印加することにより、圧電による積層方向の歪みが発生するという圧電素子の活性部に形成されている。この活性部に選択的に歪みを発生させることにより、所定の圧力室11の内容積が縮小され、この圧力室11内のインクがノズル10から液滴状に噴射されて、所定の印字が実行される。
【0028】
その場合、前記圧力室11に作用した圧力波はノズル10へ向かう前進成分だけでなく、共通インク室であるマニホールド室6a、7a(6b、7b)の方向に向かう後退成分がある。その後退成分は、当該マニホールド室6a、7a(6b、7b)とダンパー室15、15との間の薄い厚さのダンパー壁5aを大きく振動させるから、前記マニホールド
室6a、7a(6b、7b)における圧力波の吸収を効果的に行い、いわゆるクロストーク(cross talk)現象が発生するのを効果的に防止することができる。なお、圧力波の吸収は、前記ダンパー壁5aの弾性振動のみによって行うこともできるが、ダンパー室15内の空気と併用することもできる。
【0029】
なお、前記上向き開放状のダンパー室15を有するダンパープレート11の上面側には、圧力室11有するキャビティプレート3との間に、均一な厚さで適当な剛性を有するベースプレート4を介在させるから、ダンパー室15の容積変化で圧力室11に不必要な容積収縮を起こさせず、キャビティプレート3に歪みを発生させないようにすることができ、噴射特性が変わる等の印字品質が悪化するという事態を防止できるのである。
【0030】
そして、絞り流路14及びフィルタ部17は、介挿プレート5における長手のダンパー室15より外側に配置され、絞り流路14は、前記マニホールド室6a、7a(6b、7b)の長手方向に沿う一側縁に対応する位置(貫通孔12の列と反対側)に列状に並べて配置されているから、絞り流路14、フィルタ部17及びダンパー室15(ダンパー壁5a)が介挿プレート5の小さい範囲で合理的に配置された状態で、且つダンパー室15(ダンパー壁5a)の平面積を十分大きく確保できる結果、ダンパー効果を向上させることができるという効果を奏する。
【0031】
なお、前記実施形態では、マニホールドプレート6、7のように2枚重ねにして用いたが、板厚さの厚いものを1枚にて適用したり、逆に板厚さの薄いマニホールドプレートを3〜4毎重ねて使用しても良い。また、本発明における前記圧力室を活性化させる活性部の駆動手段(アクチュエータ)は、個別的圧電素子を、前記各圧力室毎に配置しても良いし、他の形式のアクチュエータを使用しても良い。
【0032】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドは、複数個のノズル及びこの各ノズル毎の圧力室を列状に備えたキャビティユニットと、前記各圧力室ごとに選択的に駆動可能な活性部を有し、インクを噴射させるアクチュエータとを積層させてなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記キャビティユニットを、少なくとも前記各圧力室が形成されたキャビティ プレートと、インク供給源からのインクを前記各圧力室に補充するマニホールド室が設けられたマニホールドプレートと、前記マニホールド室と圧力室とを連通するインク流路を有し、前記キャビティプレートとマニホールドプレートとの間に介在させたベースプレートと、前記マニホールド室と対応する位置にダンパー壁を有して前記マニホールドプレートとベースプレートとの間に介在させた介挿プレートとを積層して構成し、前記介挿プレートには、前記マニホールド室とは反対側から凹部を形成して前記マニホールド室側にその板厚さの一部を残して前記ダンパー壁を形成すると共に、前記マニホールド室からベースプレートにおけるインク流路の間に位置させる絞り流路と、前記インク供給源からマニホールド室へ供給するインクを濾過するフィルタ部とを形成したものである。
【0033】
従って、1枚の介挿プレートに、ダンパー室を形成するための凹部と、絞り流路と、フィルタ部と、インク流路とを一括して形成できるから、それぞれの凹部や孔の位置関係も形状を正確に且つ精度良く形成できる。そして、複数枚のプレートを積層するとき、上下のプレートにおけるマニホールド室やインクの供給孔や圧力室に至るインク流路等との位置合わせの手間が少なくて済み、且つ位置合わせの狂いも少なくできるという顕著な効果を奏する。
【0034】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記フィルタ部は、前記介挿プレートに形成された薄肉部内に形成されているも
のであるから、上下のプレートと積層するように接合するに際して、多少の位置ずれが有ってもフィルタ部の面積を確保できると共に、隣接する積層プレートとの間に隙間を発生させないようにすることができる。
【0035】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記フィルタ部は前記薄肉部内にて介挿プレートの板厚方向に穿設された多数の微小孔により構成されているものであるから、板厚の厚い個所で多数の微小孔を穿設するよりも、穿設の作業効率を向上でき、短時間で多数の微小孔を穿設できるという効果を奏する。
【0036】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記マニホールドプレートにおけるマニホールド室の深さを当該マニホールドプレートの板厚さに等しく形成する一方、前記マニホールドプレートにおける前記介挿プレートと反対側面には、前記マニホールド室の一側面を覆うカバ−プレートを積層したものであり、マニホールド室の深さをマニホールドプレートの全体の板厚と等しくできるから、マニホールド室の厚さを精度良く確保することができる。
【0037】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記介挿プレートにおける絞り流路及びフィルタ部は、前記凹部の外に配置され、前記絞り流路は前記マニホールド室の長手方向に沿う一側に対応する位置に並んで配置され、前記フィルタ部は、前記マニホールド室の長手方向端部に対応する位置に配置され、前記凹部は前記絞り流路よりも前記マニホールド室の長手方向に沿う他側寄りに配置されているものであるから、1枚の介挿プレートに複数の孔や凹部を精度良く一括して形成できインクジェットプリンタヘッドの製作を効率良く行えるという効果を奏する。また、絞り流路、フィルタ部、ダンパー室が1枚の小さな範囲に合理的に配置でき、しかもダンパー壁の面積を十分大きく形成できて、ダンパー効果を大きくできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるキャビティユニットの分解斜視図である。
【図2】 図1のII−II線矢視で示す拡大断面図である。
【図3】 図1の III−III 線矢視で示す拡大断面図である。
【図4】 介挿プレートの一部拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 キャビティユニット
2 圧電アクチュエータ
3 キャビティプレート
4 ベースプレート
5 介挿プレート
5a ダンパー壁
6、7 マニホールドプレート
8 カバープレート
9 ノズルプレート
10 ノズル
11 圧力室
12、13 貫通孔
14 絞り流路
15 ダンパー室
16 薄肉部
17 フィルタ部
18、19 ベースプレート
Claims (5)
- 複数個のノズル及びこの各ノズル毎の圧力室を列状に備えたキャビティユニットと、前記各圧力室ごとに選択的に駆動可能な活性部を有し、インクを噴射させるアクチュエータとを積層させてなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、
前記キャビティユニットを、少なくとも前記各圧力室が形成されたキャビティプレートと、インク供給源からのインクを前記各圧力室に補充するマニホールド室が設けられたマニホールドプレートと、前記マニホールド室と圧力室とを連通するインク流路を有し、前記キャビティプレートとマニホールドプレートとの間に介在させたベースプレートと、前記マニホールド室と対応する位置にダンパー壁を有して前記マニホールドプレートとベースプレートとの間に介在させた介挿プレートとを積層して構成し、
前記介挿プレートには、前記マニホールド室とは反対側から凹部を形成して前記マニホールド室側にその板厚さの一部を残して前記ダンパー壁を形成すると共に、前記マニホールド室からベースプレートにおけるインク流路の間に位置させる絞り流路と、前記インク供給源からマニホールド室へ供給するインクを濾過するフィルタ部とを形成したことを特徴とするインクジェットプリンタヘッド。 - 前記フィルタ部は、前記介挿プレートに形成された薄肉部内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッド。
- 前記フィルタ部は前記薄肉部内にて介挿プレートの板厚方向に穿設された多数の微小孔により構成されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタヘッド。
- 前記マニホールドプレートにおけるマニホールド室の深さを当該マニホールドプレートの板厚さに等しく形成する一方、
前記マニホールドプレートにおける前記介挿プレートと反対側面には、前記マニホールド室の一側面を覆うカバ−プレートを積層したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッド。 - 前記介挿プレートにおける絞り流路及びフィルタ部は、前記凹部の外に配置され、前記絞り流路は前記マニホールド室の長手方向に沿う一側に対応する位置に並んで配置され、
前記フィルタ部は、前記マニホールド室の長手方向端部に対応する位置に配置され、前
記凹部は前記絞り流路よりも前記マニホールド室の長手方向に沿う他側寄りに配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッド。
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Applications Claiming Priority (1)
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