JP5772108B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
この紙吸引部は、通常、プラテンに多数の吸引孔を設けて、プラテンの裏面側に内蔵したファンにより各吸引孔を介して外気を吸引することで、ロール紙をプラテン上に吸着保持(負圧吸引)するようになっている。
そして、このような開放状態の吸引孔の数が多くなると、被記録媒体を吸着する吸着力が低下して、被記録媒体の浮き上がりを抑えることが不完全となってしまう。
これによれば、スライド部材の平行移動量に応じて、複数の第2吸引孔を段階的に開閉することができるので、被記録媒体の幅に合わせて、吸引機構による吸引量を可変制御することができる。
これによれば、各第1吸引部が少なくとも一つの第1吸引孔に連通していることから、仕切部によって仕切られた複数の第1吸引部と第2吸引部とを連通させる第2吸引孔を選択的に閉塞させることによって、被記録媒体の存在しない領域に位置する第1吸引孔からの空気漏れを抑制して、被記録媒体の存在する領域に位置する他の第1吸引孔による被記録媒体の吸着力が低下してしまうのを防止することができる。これにより、幅寸法の異なる被記録媒体の側部を媒体支持面に対して吸着保持させることができる。
これによれば、付勢部によってスライド部が常に壁部側へと付勢されていることから、第2吸引孔の閉塞状態が保持できるようになっている。
これによれば、少なくとも閉塞部が弾性部材から構成されているため、スライド部が第2吸引孔内へ入り込むようにして弾性変形することで、第2吸引孔の閉塞状態をより確実に維持できる。
図2は、インクジェットプリンターの概略構成を示す上面図である。
給送部(媒体搬送部)10は、被記録媒体の一例であるロール紙(被記録媒体)Rを記録部20へ給送することができるように設けられている。具体的には、ロール媒体ホルダ11を有し、ロール媒体ホルダ11がロール状のロール紙Rを保持している。そして、ロール状のロール紙Rを回動させることにより、搬送方向下流側(Y軸の矢印方向)の記録部20へ、第1ローラ12を介して、ロール状態を解いた状態のロール紙Rを給送することができるように構成されている。
具体的には、記録部20は、キャリッジ21と、記録ヘッド22と、媒体支持テーブル24と、カール押さえ部301等とを有している。
なお、図1では、キャリッジ21が媒体支持テーブル24より搬送方向上流側へ退避した状態を示している。
さらに、記録ヘッド22は、幅方向Xにおいて、キャリッジ21に対して相対的に移動することができるように構成されている。具体的には、不図示の第2ガイド軸に案内されながら、不図示の記録ヘッドモーターの動力によって、幅方向Xに移動することができるように設けられている。
そして、記録ヘッド22における媒体支持テーブル24と対向する面に設けられたノズル列23からインクを吐出することにより、ロール紙Rに記録を実行することができる。
具体的には、カール押さえ部301は、柔軟性および可僥性を有した一対の帯状フィルムからなるカール押さえ部材31を備えている。各カール押さえ部材31は、プラテン25のX方向の両端側(ロール紙Rの幅方向の両端)において、Y方向(ロール紙Rの搬送方向)に沿ってY方向の全域に亘って配置される。
なお、カール押さえ部材31は、例えば厚みが0.5mm以下、幅が30mm程度である。また、素材としては、例えばポリイミド等を用いることができる。
したがって、プラテン25の上面に載置したロール紙Rの幅方向(X方向)の両端を、長手方向(Y方向)の全域に亘って押さえることが可能となっている。
なお、排出部40は、記録部20から送られたロール紙Rを巻き取りローラ41で巻き取る際に、ロール紙Rの撓みを取り除くテンショナーや、記録部20から送られたロール紙Rを加熱乾燥処理する乾燥部を備えることもある。
図3(a)は、吸引機構およびシャッター機構の構成を模式的に示す断面図、(b)は、シャッター機構の要部を拡大して示す部分断面図であり、図4は、仕切部の構成を模式的に示す側面図である。図5は、シャッター機構と壁部との位置関係を模式的に示す平面図である。
スライド板52上には、多数の閉塞部34が、壁部30に形成された多数の吸引孔32のそれぞれに対応する位置に形成されている。つまり、図5に示すように、初期状態においてスライド板52と壁部30を上面視すると、スライド板52上に配置された閉塞部34が壁部30の吸引孔32と一対一に重なるように列状に配列形成されている。
具体的には、スライド板52の移動方向一方側(−X方向側)に配置された閉塞部34a(閉塞部34)は、平面視略円形状に形成される。この閉塞部34aに対してX方向で隣り合う閉塞部34bは、+X方向に延びる長円形に形成される。さらに、+X方向に向かうにしたがって、閉塞部34c、閉塞部34d、閉塞部34e、閉塞部f、閉塞部34e…等は、その長軸寸法のみが段階的に+X方向に長くなるように形成されている。
例えば、閉塞部34aの長軸寸法が6mmの場合には、閉塞部34bの長軸寸法は12mm、閉塞部34cの長軸寸法は18mm、閉塞部34dの長軸寸法は24mm、閉塞部34eの長軸寸法は30mm、閉塞部34gの長軸寸法は34mm・・・等である。
図3(a)及び図5に示した状態、すなわちシャッター機構50の初期状態(スライド板52の初期位置)では、壁部30に形成された複数の吸引孔32は全て開放されており、これら複数の吸引孔32を介して圧力室27A,27Bが連通している。
図6は、媒体支持テーブルの吸引機構を駆動した際の作用を示す概略正面断面図である。
なお、図3(a)および図6において、ロール紙(被記録媒体)R1の幅寸法(X方向の長さ)はプラテン25の幅寸法と略同じ場合を示す。
このとき、カール押さえ部材31の外側端E1をロール紙R1の側端Raよりも外側に位置するように配置してプラテン25と接触させる。一方、カール押さえ部材31の内側端E2をロール紙Rの側端Raより内側に位置するように配置して、ロール紙R1の側端Raと接触させる。
このようにして、ロール紙R1をプラテン25の媒体支持面25a(媒体支持テーブル24の上面)に沿った平面状態で吸着保持することができる。
図7(a),(b)は、スライド板52を初期位置からX方向に向けて一段階だけ移動させた場合を示す概略断面図である。
例えば、ロール紙R2の幅寸法は、ロール紙R1よりも、吸引孔26のX方向の配置ピッチ分(1ピッチ)だけ狭いものとする。このようなロール紙R2をプラテン25の媒体支持面25aに載置する際には、いわゆる片側合わせ(端部基準)で載置する。
ロール紙R2の場合、幅寸法がロール紙R1よりも吸引孔26のX方向の配置ピッチ分(1ピッチ分)だけ狭いので、スライド板52を初期位置から+X方向に向けて1段階(6mm)だけ移動させる。
この初期状態から、スライド板52を+X方向に向けて6mmだけ移動させると、図7(a)に示すように、スライド板52に設けられた閉塞部34gが吸引孔32gに対向し、付勢部36による付勢力によってその一部が吸引孔32g内に入り込むようにして開口が閉塞される。
このようにして、吸引孔32gは閉塞部34gにより閉塞されるようになる。従って、吸引機構28を駆動したとしても、吸引孔32gを介して圧力室27A’内の空気が吸引されず、ひいては、圧力室27A’に連通するプラテン25の吸引孔26を介して外気を吸引することができなくなる。
そして、吸引機構28を駆動することにより、図7(b)に示すように、ロール紙R2は媒体支持テーブル24に吸着保持された状態となる。
このとき、プラテン25に形成された多数の吸引孔26のうち、最も+X方向に配置された吸引孔26gの上方には、ロール紙R2及びカール押さえ部材31が存在しない状態である。このため、従来の媒体支持テーブル24では、吸引機構28を駆動すると、吸引孔26gから常に外気が吸引されるため、他の吸引孔26b〜26f等の吸着力が低下してしまい、ロール紙R2を媒体支持テーブル24に対して十分に吸着保持させることができない場合があった。
そして、幅寸法の異なるロール紙(例えば、ロール紙R2)に代えた場合には、スライド板52を壁部30に対して平行移動させることで、ロール紙が載置されていない吸引孔26に対応する吸引孔32を閉塞部34により選択的に閉塞し、この状態で吸引を行う。
これに対して本実施形態の構成によれば、ロール紙Rが存在しない領域に位置する吸引孔32を選択的に閉塞することにより、これに対応する吸引孔26を介して媒体支持面25a上の空気を吸引することができなくなる。このため、ロール紙Rが存在している領域に位置する吸引孔26に対して吸引力を効果的に作用させることができる。したがって、ロール紙Rに対する吸引力が十分に得られるため、幅寸法の異なるロール紙Rであっても、媒体支持面25aに確実に吸引保持させることができる。
さらに、閉塞部34の表面あるいは壁部30の上面に対して化学的な処理を施すことにより、これらの摩擦抵抗を低減させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、1つの圧力室27Aに1つの吸引孔26が連通する構成となっているが、1つの圧力室27Aに複数の吸引孔26が連通する構成となっていても良い。
例えば、図8(a)に示すように、樹脂材料により形成され半球状を呈する閉塞部341を有するスライド板52としても良いし、図8(b)に示すように、ゴムやフィルム等により形成された凸状の閉塞部342を有するスライド板52としても良い。
図9(a),(b)は、他の実施形態に係るシャッター機構の構成を模式的に示す断面図である。なお、上記したシャッター機構50と同一の部材等については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部材等について主に説明する。
また、上述した実施形態においては、被記録媒体の一例としてロール紙Rを挙げて説明したが、単票紙やフィルム材でもあってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
Claims (3)
- 被記録媒体を支持する媒体支持面から裏面に貫通する複数の第1吸引孔が形成された媒体支持部と、
前記被記録媒体に対して記録処理を施す記録処理部と、
前記裏面側に設けられ、前記複数の第1吸引孔に連通する複数の第1吸引部と、
前記複数の第1吸引部の前記媒体支持部とは反対側に配置される第2吸引部と、
前記第1吸引部と前記第2吸引部との間に配置され、各第1吸引部と前記第2吸引部とを連通させる複数の第2吸引孔が形成された壁部と、
前記第1吸引孔及び前記第2吸引孔を介して前記媒体支持面上に配置された前記被記録媒体を吸引する吸引機構と、
前記第1吸引部側の前記壁部上に配置され当該壁部に沿って平行移動可能なスライド部材と、
前記スライド部材の前記壁部側に設けられ、前記平行移動の方向に長さが異なるとともに前記複数の第2吸引孔を選択的に閉塞可能とされた、少なくとも弾性部材からなる複数の閉塞部と、
前記スライド部材の前記閉塞部とは反対側に設けられ、前記閉塞部を前記壁部側へと付勢する付勢部と、を備え、
前記被記録媒体のサイズに基づいて前記第2吸引孔を前記閉側部により選択的に閉塞する
ことを特徴とする記録装置。 - 複数の前記閉塞部は、前記平行移動の方向の位置に従って、順次、長さが異なる
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記媒体支持部と前記壁部との間に配置されるとともに、前記被記録媒体の搬送方向で隣り合う前記第1吸引部どうしを仕切る仕切部が複数設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
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