JP5440317B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
押さえ部材の浮き上がり対策が講じられていないため、不測の事態が生じた場合には、押さえ部材や被記録媒体が浮き上がり、記録ヘッドと接触してしまい所定の記録処理に支障を来すという問題を生じさせてしまう。
本発明の記録装置は、媒体支持面で被記録媒体の裏面を吸着保持する媒体支持部を有する記録装置であって、前記被記録媒体の搬送方向と略直交する方向の側縁部において前記被記録媒体を覆って保持する保持部材と、前記保持部材の端部を前記搬送方向に引っ張る引張装置と、を備え、前記引張装置は、前記媒体支持部に対して前記搬送方向の外側で、前記媒体支持面よりも下方に配置されることを特徴とするものである。
これにより、本発明では、保持部材に所定の引張力(張力)が作用しているか否かを容易に確認することができ、円滑な記録処理を継続して実施できる。
これにより、本発明では、例えば前記保持部材に対する引張力が所定範囲ではスイッチ装置がON状態となり、引張力が所定範囲から外れたときに付勢部材の付勢力によりスイッチ装置がOFF状態となるように用いることで、スイッチ装置のON/OFFにより、保持部材に対する引張状態を容易に検出することができる。
これにより、本発明では、媒体支持部の搬送方向の端縁に位置する被記録媒体は、保持部材に被覆されず、当該端縁から外側下方に向かう保持部材による押圧力を受けない。そのため、本発明では、例えば被記録媒体がラベル用紙等の二層構造で糊等の接着剤を有する場合に、上記押圧力により接着剤がはみ出して媒体支持部に付着して、被記録媒体を汚してしまうことを回避できる。
なお、以下の実施の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
具体的には、ロール媒体ホルダ11を有し、ロール媒体ホルダ11がロール状のロール紙Rを保持している。そして、ロール状のロール紙Rを回動させることにより、送り方向下流側(搬送方向;Y軸の矢印方向)の記録部20へ第1ローラ12を介してロール状態を解いた状態のロール紙Rを給送することができるように構成されている。
尚、本実施形態では、被記録媒体の一例としてロール紙Rを挙げて説明するが、単票紙やフィルム材でもよいのは勿論である。
具体的には、媒体支持部であるプラテン24と、キャリッジ21と、記録ヘッド22と、カール押さえ手段30とを有している。このうち、プラテン24は、支持面(媒体搬送面)24aにおいてロール紙Rを裏面から支持することができるように設けられている。
尚、図1に示すのは、プラテン24より送り方向上流側へ退避した状態である。キャリッジ21がプラテン24より上流側へ移動可能に設けられているのは、後述するカール押さえ部材31の取り付け・取り外しおよび幅方向Xへの移動をオペレーターが容易に行うことができるようにするためである。
尚、本実施形態では、吸引孔26、26…をプラテン24の全領域に設けたが、少なくとも、ロール紙Rの両側側端R1、R1および一対のカール押さえ部材31、31と対向する範囲に設ければよい。
本実施例では、カール押さえ部材31、31は、柔軟性および可撓性を有した帯状の薄いフィルム状に形成されている。ヤング率は10000MPa(メガパスカル)以下であり、厚みは0.5mm以下である。素材は、例えば「ポリイミド」等が挙げられる。
この図に示すように、各カール押さえ部材31、31は、プラテン24上にロール紙Rとは間隔をあけて配置されるベース部51と、ベース部51上に設けられベース部51から支持面24a上に延出してロール紙Rの側縁部R1を被覆し、支持面24aとの間でロール紙Rを保持する保持部52とを有している。
カール押さえ部材31の他端は、第2カール押さえ取り付け部36において幅方向Xへ延設された第2長穴部36aに、固定用ピン37…が嵌合することにより、X方向の位置が調整可能な状態で取り付けられる。
図4は、引張装置70の要部詳細を示す平面図であり、図5は、引張装置70の要部詳細を示す断面図である。
従って、一対のカール押さえ部材31、31に対しては、Y方向への引張力に加えて下方へ押さえる力を作用させることができる。そして、一対のカール押さえ部材31、31は、ロール紙Rの側端R1を上方からより強く押さえることができる。その結果、後述するように密閉空間A(図3(A)参照)の輪郭を隙間無く構成することができる。即ち、隙間無く閉じた空間にすることができる。
尚、一対のカール押さえ部材31、31の前記他端が送り方向下流側へ引っ張られる構成でもよいのは勿論である。
排出部40は、巻き取りローラ41を有し、記録部20から送られたロール紙Rを巻き取ることができるように構成されている。そして、巻き取ったロール状のロール紙Rは、プリンター1から排出することが可能に設けられている。
図3(A)(B)に示すのは、本発明のカール押さえ手段の作用を示す概略正面断面図である。このうち、図3(A)はカール押さえ部材をロール紙の側縁部に乗せたときに、密閉空間が形成された様子を示す図である。一方、図3(B)は吸引手段によって密閉空間が略消滅し、ロール紙の側端の浮き上がりが無くなった様子を示す図である。
そこで、一対のカール押さえ部材31、31の保持部52をロール紙Rの側縁部R1に乗せて、プラテン24、ロール紙Rの側端R1近傍および保持部52によって送り方向Yから視て三角形の密閉空間Aを構成する。
ここで、前述したように、一対のカール押さえ部材31、31には、下方へ押さえる力が多少なりとも作用しているので、一対のカール押さえ部材31、31の一の側端E1をプラテン24と少なくとも線接触させることができる。同様に、一対のカール押さえ部材31、31の他の側端E2側の面をロール紙Rの側縁部R1と少なくとも線接触させることができる。
図3(B)に示すように、吸引孔26、26…を介して密閉空間Aの空気が吸引されると、密閉空間Aの内部が負圧となる。従って、ロール紙Rの両側側縁部R1、R1および一対のカール押さえ部材31、31は、プラテン24の支持面24aに密に接触した状態となる。即ち、ロール紙Rは、側縁部R1も含めてプラテン24の支持面24aに吸着保持された状態となる(保持工程)。
従って、カール押さえ部材31を有さない構成と比較して、大きな力でロール紙Rの側端R1を押さえることができる。その結果、ロール紙Rの浮き上がり力に十分に対抗することができ、ロール紙Rの両側側縁部R1、R1を、プラテン24に密に接触させることができる。即ち、結果的に浮き上がりを防止することができる。
この構成では、Y方向に沿った引張力が適正な値に維持されているかを常時モニターすることが可能となり、ロール紙Rへの安定した保持状態を継続できるとともに、カール押さえ部材31への引張力に何らかの異常が生じた際には復旧作業を迅速に行うことが可能となる。
Claims (4)
- 媒体支持面で被記録媒体の裏面を吸着保持する媒体支持部を有する記録装置であって、
前記被記録媒体の搬送方向と略直交する方向の側縁部において前記被記録媒体を覆って保持する保持部材と、
前記保持部材の端部を前記搬送方向に引っ張る引張装置と、
を備え、
前記引張装置は、前記媒体支持部に対して前記搬送方向の外側で、前記媒体支持面よりも下方に配置されることを特徴とする記録装置。 - 請求項1記載の記録装置において、
前記引張装置による前記保持部材に対する引張力を検出する検出装置を有することを特徴とする記録装置。 - 請求項2記載の記録装置において、
前記引張装置は、前記保持部材の端部に接続される接続部と、該接続部を前記保持部材の引張方向に付勢する付勢部材とを有し、
前記検出装置は、前記保持部材に対する引張力と前記付勢部材の付勢力との差に応じてON/OFFが切り替えられるスイッチ装置を有することを特徴とする記録装置。 - 請求項3記載の記録装置において、
前記保持部材は、前記媒体支持部の前記搬送方向の端縁と対向する位置に、前記被記録媒体を非被覆とする切り欠き形状を有することを特徴とする記録装置。
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