JP5730321B2 - リチウムイオンキャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオンキャパシタに関するものである。
近年、例えば動力用、風力発電装置、無停電電源装置などの種々の分野において、高エネルギー密度および高出力特性を有する蓄電デバイスとして、外装容器内にリチウムイオンキャパシタ要素と電解溶液とが収容されてなるリチウムイオンキャパシタが注目されている(例えば、特許文献1参照。)。特に、高出力を要求される車載用途としての検討が進んでおり、市場からは安全性に関する要求性能が高くなってきている。
特に動力用途においては、事故等の際に外部からの圧力でリチウムイオンキャパシタが変形(折れ曲がり)したり、鋭利なものが突き刺さったりすることなどによって内部短絡が生じるという問題があった。
而して、このような問題を解決するため、外装容器とリチウムイオンキャパシタ要素との間に500μm程度のポリエチレン製の板を配設し、これにより外部圧力による変形を抑制することによって耐久性の向上が図られたリチウムイオンキャパシタが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、このような構成のリチウムイオンキャパシタは、静電容量が小さくて抵抗が大きいため、安全性は得られるものの、市場から要求されている高出力かつ高容量という性能を兼ね備えたものではなかった。
また、リチウムイオンキャパシタにおいては、エネルギー密度および出力特性が高いもの程、内部短絡が生じた場合に大電流が流れ、それに伴って急激な発熱が生じることとなるため、表面温度が高温(150℃以上)に達する可能性が高く、例えばリチウムイオンキャパシタの構成部材が溶解するなどのおそれがある。また、複数のリチウムイオンキャパシタを備えた装置(モジュール)においては、表面温度が高温に達したリチウムイオンキャパシタに隣接するリチウムイオンキャパシタにも熱による影響が及び、所望の機能が発揮されなくなるなどのおそれがあった。
特開2007−67105号公報 特開2008−244378号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、万が一内部短絡が生じた場合においても表面温度が高温となることを抑制することのできる高い安全性を有し、且つ高容量および高出力特性を有するリチウムイオンキャパシタを提供することにある。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、正極電極シートおよび負極電極シートをセパレータを介して重畳形成したリチウムイオンキャパシタ要素と、電解液とが外装容器内に収容されてなるリチウムイオンキャパシタであって、
前記リチウムイオンキャパシタ要素の外面上に、セルロース、レーヨン、ポリエチレンおよびポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種よりなる多孔質層が形成されており、
当該リチウムイオンキャパシタの静電容量をC〔kF〕、当該リチウムイオンキャパシタの直流抵抗値をR〔mΩ〕および前記多孔質層の厚みをT〔μm〕とするとき、下記の関係式(1)および下記の関係式(2)を満たすことを特徴とする。
関係式(1):35≦T×R/C
関係式(2):0.01≦R/C≦5
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、前記多孔質層が多孔質シートにより重畳形成されてなることが好ましい。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、前記多孔質層が前記セパレータと同一部材によって構成されていることが好ましい。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、前記多孔質層の厚みが120μm以上であることが好ましい。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、リチウムイオンキャパシタ要素の外面上に多孔質層が形成されており、この多孔質層の厚みが、当該リチウムイオンキャパシタの静電容量および直流抵抗値との関係において定められることから、万が一内部短絡が生じた場合であっても、大電流が流れることによって生じる急激な発熱に係る熱エネルギーが多孔質層に含浸されている電解液によって吸収されるため、表面温度が高温となることを抑制することができ、しかも、この多孔質層を設けることによる、当該リチウムイオンキャパシタの静電容量の低下および高抵抗化を抑制できる。
従って、本発明のリチウムイオンキャパシタによれば、高容量および高出力特性が得られると共に、内部短絡が生じた場合において表面温度が高温となることが抑制され、因って高い安全性が得られる。
本発明のリチウムイオンキャパシタの構成の一例を示す説明用断面図である。 図1のリチウムイオンキャパシタを構成する、その外面上に多孔質層が形成されたリチウムイオンキャパシタ要素の構成を示す説明用断面図である。 図2のリチウムイオンキャパシタ要素と多孔質層とを構成する電極積重体の説明図であり、(a)は平面図、(b)は長手方向に切断した断面図である。 図2の外面上に多孔質層が形成されたリチウムイオンキャパシタ要素の外観を示す説明図である。 負極電極シートの一部を拡大して示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は幅方向に切断した断面図である。 正極電極シートの一部を拡大して示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は幅方向に切断した断面図である。 図2の外面上に多孔質層が形成されたリチウムイオンキャパシタ要素を構成するリチウムイオン供給源を示す説明用断面図である。 静電容量の測定に係る放電カーブにおける電圧と時間との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態として、本発明のリチウムイオンキャパシタを捲回型リチウムイオンキャパシタ(以下、「捲回型LIC」と略して示す。)として実施した場合について詳細に説明する。
図1は、本発明のリチウムイオンキャパシタの構成の一例を示す説明用断面図であり、図2は、図1のリチウムイオンキャパシタを構成する、その外面上に多孔質層が形成されたリチウムイオンキャパシタ要素の構成を示す説明用断面図であり、図3は、図2のリチウムイオンキャパシタ要素と多孔質層とを構成する電極積重体の説明図であり、(a)は平面図、(b)は長手方向に切断した断面図である。
この捲回型LICは、金属製の外装容器20内に、正極電極シート12および負極電極シート13をセパレータを介して重畳形成した、具体的には正極電極シート12および負極電極シート13がセパレータを介して積層された状態で捲回されてなる円筒状のリチウムイオンキャパシタ要素(以下、「エレメント」ともいう。)11と、電解液とが収容されてなる構成を有するものである。
ここに、本明細書中において、リチウムイオンキャパシタ要素は、正極電極シートおよび負極電極シートをセパレータを介して重畳形成することによって得られるものであるが、この電極シートによって重畳形成されてなるリチウムイオンキャパシタ要素とは、図1に示されているように正極電極シート12および負極電極シート13がセパレータを介して積層された状態で捲回されてなる構造、または正極電極シートおよび負極電極シートがセパレータを介して交互に積層されてなる構造のいずれかの構造を有するものである。
そして、エレメント11には、その外面上に多孔質層40が形成されており、当該多孔質層40は、エレメント11と外装容器20との間に介在されている。
ここに、エレメント11の外面とは、エレメント11において最外側に位置する電極シートの外面である。
図示の例では、多孔質層40は、エレメント11において最外側に位置する電極シート(具体的には負極電極シート13)の外周面に沿って、当該電極シートの外面を覆うように設けられており、エレメント11と多孔質層40とによってキャパシタ要素ユニット10が形成されている。このキャパシタ要素ユニット10は、エレメント11よりなるエレメント部と、多孔質層40よりなる多孔質層部とにより構成されている。
また、本発明に係る捲回型LICにおいては、リチウムイオンキャパシタの静電容量をC〔kF〕、リチウムイオンキャパシタの直流抵抗値をR〔mΩ〕および多孔質層40の厚みをT〔μm〕とするとき、下記の関係式(1)および下記の関係式(2)が満たされることが必要とされる。
図示の例では、多孔質層40の厚みTとは、エレメント11の外周面、すなわちエレメント11において最外側に位置する電極シート(図示の例では負極電極シート13)の外面からキャパシタ要素ユニット10の外面との離間距離を示す。
関係式(1):35≦T×R/C
関係式(2):0.01≦R/C≦5
ここに、「リチウムイオンキャパシタの静電容量C」とは、放電電流をId〔A〕、放電時間をtd〔s〕、放電終止電圧をV2〔V〕とし、また図8に示されるような放電カーブDにおける電圧と時間との関係を示すグラフ上において、当該放電カーブDにおける放電開始からの経過時間(以下、「放電経過時間」ともいう。)が1〔s〕である時点と放電経過時間が3〔s〕である時点との間における近似直線L1と、放電経過時間が0〔s〕、すなわち放電開始時に係る直線L2との交点における電圧値をV1とするとき、下記の数式(1)で示される値である。
数式(1):
リチウムイオンキャパシタの静電容量C〔kF〕=(Id+td)/[(V1−V2)×1000]
また、「リチウムイオンキャパシタの直流抵抗値R」は、放電開始電圧をV0〔V〕、放電電流をId〔V〕とし、また図8に示されるような放電カーブDにおける電圧と時間との関係を示すグラフ上において、当該放電カーブDにおける放電経過時間が1〔s〕である時点と放電経過時間が3〔s〕である時点との間における近似直線L1と、放電経過時間が0〔s〕、すなわち放電開始時に係る直線L2との交点における電圧値をV1とするとき、下記の数式(2)で示される値である。
数式(2):
リチウムイオンキャパシタの直流抵抗値R〔mΩ〕=(V0−V1)/Id×1000
リチウムイオンキャパシタにおいて、関係式(1)および関係式(2)が満たされることにより、高容量および高出力特性が得られ、このようなリチウムイオンキャパシタの性能と共に高い安全性が得られる。
関係式(1)における「T×R/C」とは、リチウムイオンキャパシタの性能と安全性との関係を示す値である。
この「T×R/C」は、35以上とされるが、好ましくは35〜1000である。
リチウムイオンキャパシタにおいて「T×R/C」が上記の範囲にあることにより、多孔質層40において、内部短絡によって発生する熱を気化熱に変換し、それによって表面温度を比較的低温な状態に維持することのできる量の電解液を保液させることができるため、内部短絡の発生に起因して表面温度が高温となることを抑制することができる。
また、関係式(2)における「R/C」とは、すなわちリチウムイオンキャパシタにおける静電容量Cに対する直流抵抗値Rの比であり、リチウムイオンキャパシタの性能を示す値である。この「R/C」の値が小さくなる程、リチウムイオンキャパシタは高性能なものとなる。
リチウムイオンキャパシタにおいて「R/C」が上記の範囲にあることにより、低抵抗かつ静電容量の大きな高い性能を得ることができる。
多孔質層40の厚みTは、リチウムイオンキャパシタの性能、すなわちリチウムイオンキャパシタの静電容量Cおよび直流抵抗値Rによって異なるが、例えば、通常120μm以上であり、好ましくは120μm以上であって1000μm未満である。
多孔質層40は、電解液、正極活物質あるいは負極活物質に対して耐久性があり、電解液を含浸可能な連通気孔を有する電気伝導性の小さい多孔質シートよりなることが好ましい。
また、多孔質層40は、厚みTの調節容易性および形成容易性の観点から、多孔質シートにより重畳形成されてなるもの、すなわち多孔質シートの積層体よりなる構成のものであることが好ましい。
更に、キャパシタ要素ユニット10の製造容易性の観点からは、多孔質層40は、エレメント11を構成するセパレータと同一部材であることが好ましい。すなわち、多孔質層40はセパレータ形成用部と多孔質層形成用部とを有する部材によって形成されてなるものであることが好ましい。
図示の例では、セパレータと多孔質層40とが同一部材、具体的には第1の多孔質シート14によって形成されており、当該多孔質層40は、第1の多孔質シート14における多孔質層形成用部よりなる捲回積層体、すなわち第1の多孔質シート14の多孔質層形成用部がエレメント11の外周面に捲回されることによって積層されてなる構成を有している。
多孔質層40を構成する多孔質シートとしては、公知のものを用いることができるが、セルロース(紙)、レーヨン、ポリエチレンおよびポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種よりなるものであることが好ましい。これらの中では、セルロースとレーヨンとの混合体、具体的にはセルロース/レーヨン混合不織布が耐久性および経済性の点で好ましい。
また、多孔質層40を構成する多孔質シートの厚みは、特に限定されないが、多孔質層40を多孔質シートの捲回積層体によって構成する場合においては、通常、15〜50μm程度が好ましい。
キャパシタ要素ユニット10は、帯状の第1の多孔質シート14の一面に、正極電極シート12、帯状の第2の多孔質シート15および負極電極シート13が、この順で積重されてなる電極積重体10Aが、その一端から円筒状に捲回されて構成されている。
ここで、正極電極シート12および負極電極シート13は、それぞれの電極層12b,13b(図5および図6参照)が第2の多孔質シート15を介して互いに対向するよう配置されている。
図示の例では、電極積重体10Aは負極電極シート13が内側となるよう捲回されている。また、第1の多孔質シート14および第2の多孔質シート15は、正極電極シート12および負極電極シート13よりも長尺なものである。また、第1の多孔質シート14は、セパレータを構成するためのセパレータ形成用部と、多孔質層40を形成するための多孔質層形成用部とを有しており、セパレータ形成用の第2の多孔質シート15よりも長尺なものである。この電極積重体10Aにおいては、正極電極シート12は、第1の多孔質シート14のセパレータ形成用部に係る一端部分14a、およびセパレータ形成用部の他端部分(以下、「セパレータ端部部分」ともいう。)14bから多孔質層形成用部に係る他端部分14cに至るまでの領域を除く一端部分側中央部分に積重され、また、負極電極シート13は、第2の多孔質シート15の一端部分15aおよび他端部分15bを除く中央部分に積重されている。
本発明において、「正極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味し、「負極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
第1の多孔質シート14の一端部分14aと第2の多孔質シート15の一端部分15aとの間には、膜状のリチウム金属よりなるリチウムイオン供給源16が、正極電極シート12および負極電極シート13の各々とは直接接触しないよう、キャパシタ要素ユニット10のエレメント部(エレメント11)において略1周捲回された状態で配置されている。また、第1の多孔質シート14のセパレータ端部部分14bと第2の多孔質シート15の他端部分15bとの間には、膜状のリチウム金属よりなるリチウムイオン供給源17が、正極電極シート12および負極電極シート13の各々とは直接接触しないよう、キャパシタ要素ユニット10の多孔質層部(多孔質層40)において略1周捲回された状態で配置されている。
図4に示すように、キャパシタ要素ユニット10の外周面、すなわち多孔質層40を構成する第1の多孔質シート14の他端部分14cの外面には、キャパシタ要素ユニット10を固定する、一面に粘着剤層を有する2つのテープ18が設けられている。
このようなテープ18を設けることにより、キャパシタ要素ユニット10を外装容器20内に収容する作業が容易となり、捲回型LICの組立て作業性の向上を図ることができる。
負極電極シート13は、図5に示すように、帯状の負極集電体13aの少なくとも一面に、負極活物質を含有してなる電極層13bが形成されてなるものである。
図示の例では、電極層13bは、負極集電体13aにおける蓋部22に接近して位置する側縁部13eを除く部分の表面を覆うよう形成されており、負極集電体13aの側縁部13eの表面が露出した状態とされている。
一方、正極電極シート12は、図6に示すように、帯状の正極集電体12aの少なくとも一面に、正極活物質を含有してなる電極層12bが形成されてなるものである。
図示の例では、電極層12bは、正極集電体12aにおける底部23に接近して位置する側縁部12eを除く部分の表面を覆うよう形成されており、正極集電体12aの側縁部12eの表面が露出した状態とされている。
そして、電極積重体10Aにおいては、正極電極シート12は、第1の多孔質シート14上におけるセパレータ形成用部分に、正極集電体12aの側縁部12eが当該第1の多孔質シート14の他側縁から突出するよう積重され、負極電極シート13は、第2の多孔質シート15上に、負極集電体13aの側縁部13eが当該第2の多孔質シート15の一側縁から突出するよう積重されている。
また、キャパシタ要素ユニット10においては、第1の多孔質シート14の他側縁から突出する正極集電体12aの側縁部12eが、当該キャパシタ要素ユニット10の他端(図1において下端)において突出して内側に折り曲げられており、一方、第2の多孔質シート15の一側縁から突出する負極集電体13aの側縁部13eが、当該キャパシタ要素ユニット10の一端(図1において上端)から突出して内側に折り曲げられている。
(集電体)
正極集電体12aおよび負極集電体13a(以下、これらを「電極集電体」ともいう。)は、表裏面を貫通する孔を有する多孔材よりなるものである。
電極集電体を構成する多孔材の形態としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体、あるいは、エッチングまたは電解エッチングにより貫通孔が形成された多孔質箔などが挙げられる。
電極集電体の孔の形状は、円形、矩形、その他適宜の形状に設定することができる。
また、電極集電体の厚みは、強度および軽量化の観点から、1〜50μmであることが好ましい。
電極集電体の気孔率は、通常、10〜79%、好ましくは20〜60%である。
ここで、気孔率は、下記数式(3)によって算出されるものである。
数式(3):
気孔率〔%〕=[1−(電極集電体の質量/電極集電体の真比重)/(電極集電体の見かけ体積)]×100
このような多孔材を電極集電体として用いることにより、リチウムイオン供給源16,17から放出されるリチウムイオンが電極集電体の孔を通って自由に各電極間を移動するので、負極電極シート13および/または正極電極シート12における電極層12b,13bにリチウムイオンをドーピングすることができる。
電極集電体の材質としては、一般に有機電解質電池などの用途で使用されている種々のものを用いることができる。
負極集電体13aの材質の具体例としては、ステンレス、銅、ニッケルなどが挙げられる。また、正極集電体12aの材質の具体例としては、アルミニウム、ステンレスなどが挙げられる。
(負極電極シートの電極層)
(負極活物質)
負極電極シート13における電極層13bは、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有してなるものである。
電極層13bを構成する負極活物質としては、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子数比(以下「H/C」と記す。)が0.05〜1であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(以下、「PAS」ともいう。)などを好適に用いることができる。
本発明において、負極活物質は、細孔直径が3nm以上で細孔容積が0.10mL/g以上のものが好ましく、その細孔直径の上限は限定されないが、通常は3〜50nmの範囲である。
また、細孔容積の範囲については、通常0.10〜0.5mL/gであり、好ましくは0.15〜0.5mL/gである。
(負極電極シートの電極層の形成)
負極電極シート13における電極層13bは、上記の炭素材料やPAS等の負極活物質を含有してなる材料を用いて負極集電体13a上に形成されるが、その方法は特定されず公知の方法を利用することができる。
具体的には、負極活物質粉末、バインダーおよび必要に応じて導電性助剤が水系媒体または有機溶媒中に分散されてなるスラリーを調製し、このスラリーを負極集電体13aの表面に塗布して乾燥することによって、あるいは上記スラリーを予めシート状に成形し、得られる成形体を負極集電体13aの表面に貼り付けることによって、電極層13bを形成することができる。
(バインダー)
スラリーの調製に用いられるバインダーとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダーや、アクリル系バインダー、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中では、バインダーとしてフッ素系樹脂が好ましく、特にフッ素原子/炭素原子の原子比(以下、「F/C」と記す。)が0.75以上で1.5未満であるフッ素系樹脂を用いることが好ましく、F/Cが0.75以上で1.3未満のフッ素系樹脂が更に好ましい。
バインダーの使用量は、負極活物質の種類や電極形状等により異なるが、負極活物質に対して1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。
(導電性助剤)
また、必要に応じて使用される導電性助剤としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト、金属粉末などが挙げられる。
導電性助剤の使用量は、負極活物質の電気伝導度、電極形状等により異なるが、負極活物質に対して2〜40質量%の割合であることが好ましい。
負極電極シート13における電極層13bの厚みは、得られる捲回型LICに十分なエネルギー密度が確保されるよう正極電極シート12における電極層12bの厚みとのバランスで設計されるが、得られる捲回型LICの出力密度、エネルギー密度および工業的生産性等の観点から、負極集電体12aの一面に形成される場合では、通常、15〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
(正極電極シートの電極層)
正極電極シート12における電極層12bは、リチウムイオンおよび/または例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に担持できる正極活物質を含有してなるものである。
電極層12bを構成する正極活物質としては、例えば活性炭、導電性高分子、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であってH/Cが0.05〜1であるポリアセン系骨格構造を有するPASなどを用いることができる。
正極電極シート12における電極層12bは、負極電極シート13における電極層13bと同様の方法によって形成することができる。
正極電極シート12における電極層12bの厚みは、得られる捲回型LICに十分なエネルギー密度が確保されるよう負極電極シート13における電極層13bの厚みとのバランスで設計されるが、得られる捲回型LICの出力密度、エネルギー密度および工業的生産性等の観点から、正極集電体12aの一面に形成される場合では、通常、40〜80μm、好ましくは50〜70μmである。
(セパレータ)
セパレータを構成する多孔質シートとしては、電解液、正極活物質あるいは負極活物質に対して耐久性があり、電解液を含浸可能な連通気孔を有する電気伝導性の小さものを用いることができる。
なお、図示の例では、セパレータを構成する多孔質シートのうちの第2の多孔質シート15は、主としてセパレータを形成するための部材であり、第1の多孔質シート14は、前述のように、セパレータを形成すると共に多孔質層40を形成するための兼用部材である。
セパレータを構成する多孔質シートの材質としては、セルロース(紙)、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他公知のものを用いることができる。これらの中では、セルロースとレーヨンとの混合体、具体的にはセルロース/レーヨン混合不織布が耐久性および経済性の点で好ましい。
セパレータを構成する多孔質シートの厚みは特に限定されないが、通常、20〜50μm程度が好ましい。
(リチウムイオン供給源)
図7に示すように、リチウムイオン供給源16,17は、金属製の集電体(以下、「リチウム極集電体」ともいう。)16a,17aに圧着または積重されていることが好ましい。
このような構成においては、リチウム極集電体16a,17aにはリチウム極端子(図示省略)を設けることにより、あるいは、リチウム極集電体16a,17aの側縁部が第1の多孔質シート14および第2の多孔質シート15の各々の側縁から突出するよう設けられることにより、負極電極端子35に電気的に接続することかできる。
このリチウム極集電体16a,17aとしては、リチウムイオン供給源16,17を構成するリチウム金属が蒸着または圧着しやすく、必要に応じてリチウムイオンが通過するよう、電極集電体と同様な多孔構造のものを用いることが好ましい。また、リチウム極集電体16a,17aの材質は、ステンレス等のリチウムイオン供給源16,17と反応しないものを用いることが好ましく、特に負極集電体と同様の材質のものを用いることが好ましい。リチウム極集電体16a,17aとして多孔構造のものを用いることにより、リチウムイオン供給源を多孔質層部に配設することによって当該リチウムイオン供給源を構成するリチウム極集電体を多孔質層40の構成材として利用することもできる。
また、リチウム極集電体16a,17aとして、ステンレスメッシュ等の導電性多孔材を用いる場合には、リチウムイオン供給源16,17を構成するリチウム金属の少なくとも一部、特に80質量%以上が、リチウム極集電体16a,17aの孔に埋め込まれていることが好ましい。
また、リチウム極集電体16a,17aの厚みは、10〜200μm程度であることが好ましい。
また、リチウム極集電体16a,17aに圧着されるリチウム金属の厚みは、負極電極シート13および/または正極電極シート12に予め担持するリチウムイオンの量を考慮して適宜定められるが、通常、100〜300μm程度が好ましい。
リチウムイオン供給源16,17を構成するリチウム金属の量は、正極電極シート12と負極電極シート13とが短絡した場合における正極電極シート12の電位が2.0V以下となるように、リチウムイオンがドーピングされる量に設定することが好ましい。
(テープ)
テープ18の基材の材質としては、電解液に対して耐久性を有し、得られる捲回型LICに悪影響を与えないものであれば特に限定されない。
また、テープ18は、厚みが25〜100μm程度、幅が5〜10mm程度のものが、キャパシタ要素ユニット10を安定して固定することができ、かつ、作業性も向上するので好ましい。
また、テープ18は、キャパシタ要素ユニット10の1周以上を捲くよう設けられていても、キャパシタ要素ユニット10の1周未満を捲くよう設けられていてもよい。
(外装容器:外装体機構)
捲回型LICを構成する金属製の外装容器20は、円筒状の周壁部21の両端に、それぞれ円板状の蓋部22および底部23が一体に形成されて構成されている。
ここで、「一体」とは、溶接等による継ぎ目を介して一体化されている場合を包含するものである。
図示の例では、底部23は、一体成形によって周壁部21の他端に連続して一体に形成されており、また蓋部22は、周壁部21の一端の周縁に溶接されることによって一体に形成されている。
この外装容器20には、キャパシタ要素ユニット10が、周壁部21、蓋部22および底部23によって形成された収容空間内において、当該キャパシタ要素ユニット10の他端、すなわち正極集電体12aの側縁部12eが底部23側に位置し、当該キャパシタ要素ユニット10の一端、すなわち負極集電体13aの側縁部13eが蓋部22側に位置するように、当該外装容器20の軸方向に沿って配置されていると共に、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液が充填されている。
外装容器20の蓋部22には、それぞれ凹部31,36および凸部32,37よりなる正極電極端子30および負極電極端子35が、蓋部22の外面から突出するよう互いに離間して設けられており、この正極電極端子30および負極電極端子35の間における蓋部22の中央部分には、安全弁(図示せず)が形成されている。
具体的には、正極電極端子30は、蓋部22に溶接によって固定されて電気的に接続された状態で設けられている。一方、負極電極端子35は、蓋部22を厚み方向に貫通して伸びるよう設けられており、蓋部22を貫通する部分において、負極端子電極35と蓋部22との間に絶縁性材料よりなるガスケット38が設けられており、これにより、負極電極端子35は蓋部22と電気的に絶縁された状態とされている。
外装容器20を構成する金属としては、特に限定されず、例えば鉄、アルミニウム等の金属材料を用いることができるが、得られる捲回型LICの軽量化の観点からは、アルミニウムが好ましい。
外装容器20の寸法は、内部に配置されるキャパシタ要素ユニット10の寸法に応じて設定されるが、例えば全長が120〜150mm、内径が30〜60mmである。また、外装容器20の肉厚は、例えば0.3〜1.2mm、好ましくは0.4〜0.8mmである。
正極電極端子30としては、アルミニウムよりなるものを好適に用いることができ、一方、負極端子電極35としては、銅よりなる基体の表面にニッケルがメッキされてなるものを好適に用いることができる。
また、正極電極端子30および負極電極端子35の外径は、例えば5〜12mmである。
また、正極電極端子30および負極電極端子35における蓋部22からの突出高さは、例えば5〜30mmである。
外装容器20における蓋部22に設けられている正極電極端子30および負極電極端子35と、キャパシタ要素ユニット10とは、図1に示されているような構成によって電気的に接続されている。
すなわち、キャパシタ要素ユニット10の一端には、金属よりなる円板状の負極集電板26が、負極集電体13aの側縁部13eに、例えば熱線溶接(レーザ溶接等)、超音波溶接若しくは抵抗溶接によって溶接されて電気的に接続された状態で、かつ、絶縁性樹脂よりなる絶縁部材27によって外装容器20と絶縁された状態で設けられており、この負極集電板26には、負極リード線28が電気的に接続され、更にこの負極リード線28が負極電極端子35に電気的に接続されている。このようにして、負極集電体13aの側縁部13eに、負極集電板26および負極リード線28を介して、負極電極端子35が電気的に接続されている。
また、キャパシタ要素ユニット10の他端には、金属よりなる円板状の正極集電板25が、正極集電体12aの側縁部12eに、例えば熱線溶接(レーザ溶接等)、超音波溶接もしくは抵抗溶接によって溶接されて電気的に接続された状態で配置され、更に、この正極集電板25は外装容器20の底部23の内面に、例えば熱線溶接(レーザ溶接等)、超音波溶接もしくは抵抗溶接によって溶接されて電気的に接続されている。このようにして、正極集電体12aの側縁部12eに、正極集電板25および外装容器20を介して、正極電極端子30が電気的に接続されている。
正極集電板25としては、アルミニウムよりなるものを用いることができ、負極集電板26としては、銅よりなる基体の表面にニッケルがメッキされてなるものを用いることができる。
また、正極集電板25および負極集電板26の厚みは、例えば0.4〜1.0mmである。
(電解液)
外装容器20内には、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液が充填されている。
電解質を構成するリチウム塩としては、リチウムイオンを移送可能で、高電圧下においても電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在し得るものであればよく、その具体例としては、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、Li(C2 5 SO2 2 Nなどが挙げられる。
非プロトン性有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの非プロトン性有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電解液は、上記の電解質および溶媒を充分に脱水された状態で混合することによって調製されるが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするために、少なくとも0.1モル/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5モル/Lであることが更に好ましい。
このような構成の捲回型LICは、外装容器20内にキャパシタ要素ユニット10を挿入すると共に、電解液を充填することによって得られる。
そして、このようにして作製された捲回型LICにおいては、外装容器20内にリチウムイオンを移送し得る電解液が充填されているため、適宜の期間放置されると、負極電極シート13および/または正極電極シート12とリチウムイオン供給源16,17との電気化学的接触によって、リチウムイオン供給源16、17から放出されたリチウムイオンが負極電極シート13および/または正極電極シート12にドーピングされる。
また、予め第1の多孔質シート14および第2の多孔質シート15にリチウムイオン供給源16,17を配置した状態で電極積重体10Aが捲回されることによって、キャパシタ要素ユニット10の作製とリチウムイオン供給源16,17の配置とを同一の工程で行うことができるため、一層高い生産性が得られる。
このような構成の捲回型LICにおいては、エレメント11の外面に多孔質層40が形成されており、この多孔質層40の厚みTが、当該捲回型LICの静電容量Cと直流抵抗値Rとの関係において定められることから、内部短絡が生じた場合であっても、大電流が流れることによって生じる急激な発熱に係る熱エネルギーが多孔質層40に含浸されている電解液によって吸収されるため、外装容器20の表面温度が高温となることを抑制することができ、しかも、この多孔質層40を、当該捲回型LICの静電容量が小さくなり、また高抵抗化するなどの問題を生じさせることなく設けることができる。
従って、捲回型LICによれば、高容量および高出力特性が得られると共に、内部短絡が生じた場合において表面温度が加熱されることが抑制される。因って高い安全性が得られる。
また、捲回型LICにおいては、多孔質層40がセパレータと同一部材である第1の多孔質シート14によって構成されていることにより、エレメント部(エレメント11)の形成と、多孔質部(多孔質層40)の形成とを同一工程で行うことができるため、その製造が容易となる。
更に、捲回型LICは、複数のリチウムイオンキャパシタを備えた蓄電デバイス装置(モジュール)を構成するものとして好適に用いることができる。このような蓄電デバイス装置においては、複数のリチウムイオンキャパシタのうちの1つに内部短絡が生じた場合であっても、その内部短絡の生じたリチウムイオンキャパシタの表面温度が高温となることが抑制されるため、隣接するリチウムイオンキャパシタに熱による影響が及ぶことを防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、多孔質層は、リチウムイオンキャパシタ要素のセパレータを構成する複数部材(例えば、図1〜図7で示される捲回型LICにおいては、第1の多孔質シート14と第2の多孔質シート15)によって形成されていてもよく、またセパレータを構成する複数部材のうちの1つの部材のみ、あるいは一部の部材によって形成されていてもよい。
また、多孔質層は、リチウムイオンキャパシタ要素におけるセパレータを構成する部材とは別個の部材、すなわち専用の部材によって形成されていてもよい。
また、リチウムイオンキャパシタは、リチウムイオンキャパシタ要素が、複数の正極電極シートおよび負極電極シートがセパレータを介して交互に積層されてなる構成を有する、いわゆる積層型のものであってもよく、また、外装容器が、互いに重ね合わせられた外装ラミネートフィルムが、それぞれの外周縁部に形成された接合部において相互に気密に接合された構成のものであってもよい。
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
図2〜図7の構成に基づいて、以下のようにしてエレメントおよび多孔質層を作製した。
(1)負極電極シートの製造:
厚みが0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で50℃/時間の速度で500℃まで昇温し、更に10℃/時間の速度で660℃まで昇温して熱処理することにより、PAS板を製造した。得られたPAS板をディスクミルで粉砕することにより、PAS粉体を調製した。このPAS粉体のH/Cは0.8であった。
次いで、調製したPAS粉体100質量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末10質量部とを、N−メチルピロリドン80質量部に添加して溶解・分散することにより、負極用スラリーを調製した。この負極用スラリーを、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる負極集電体材の両面に、ダイコーターによって間欠塗工して乾燥し、得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、長さが280.0cm、幅が11.7cmの電極層を形成した。そして、負極集電体材をカットすることにより、長さが280.0cm、幅が12.7cmの負極集電体の両面に、長さが280.0cm、幅が11.7cmの電極層が形成されてなり、負極集電体に電極層が形成されていない幅が10mmの側縁部を有する負極電極シートを製造した。
得られた負極電極シートの厚み(負極集電体とその両面に形成された電極層との合計の厚み)は、80μmであった。
(2)正極電極シートの製造:
比表面積が1950m2 /gの活性炭粉末100質量部と、アセチレンブラック10質量部と、アクリル系バインダー6質量部と、カルボキシメチルセルロース4質量部とを、水に添加して分散することにより、正極用スラリーを調製した。
一方、厚さが35μmで気孔率が50%のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる正極集電体材の両面に、非水系のカーボン系導電塗料(日本アチソン株式会社製:EB−815)を、ダイコーターによって間欠塗工して乾燥することにより、長さが260cm、幅が11.2cmの下地層を形成した。正極集電体とその両面に形成された下地層との合計の厚みは、52μmであり、正極集電体材の孔は、下地層によって閉塞されていた。
次いで、調製した正極用スラリーを、正極集電体材に形成された下地層の両面に、ダイコーターによって間欠塗工して乾燥し、得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、長さが260.0cm、幅が11.2cmの電極層を形成した。そして、正極集電体材をカットすることにより、長さが260.0cm、幅が12.2cmの正極集電体の両面に、長さが260.0cm、幅が11.2cmの電極層が形成されてなり、正極集電体に電極層が形成されていない幅が10mmの側縁部を有する正極電極シートを製造した。
得られた正極電極シートの厚み(正極集電体とその両面に形成された下地層および電極層との合計の厚み)は、210μmであった。
(3)エレメントおよび多孔質層の作製:
セパレータ形成用の多孔質シートとして、長さが340.0cm、幅が13.5cm、厚みが30μmのセルロース/レーヨン混合不織布よりなる第1の多孔質シートと第2の多孔質シートとを用意した。
用意した第1の多孔質シートの一端部分の裏面に、長さが5cm、幅が10.0cmで、厚みが170μmのリチウム金属箔よりなるリチウムイオン供給源を配置し、これを圧着することによって固定し、このリチウムイオン供給源上に、長さが5cm、幅が12.7cmで、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製エキスパンドメタルよりなるリチウム極集電体を配置し、これを圧着することによって固定した。また、第1の多孔質シートの他端部分に裏面に、長さが38cm、幅が10.0cmで、厚みが170μmのリチウム金属箔よりなるリチウムイオン供給源を配置し、これを圧着することによって固定し、これらのリチウムイオン供給源上に、長さが38cm、幅が12.7cmで、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製エキスパンドメタルよりなるリチウム極集電体を配置し、これを圧着することによって固定した。そして、第1の多孔質シートの表面における2つのリチウムイオン供給源の間の位置に、正極電極シートを、正極集電体の側縁部が第1の多孔質シートの他側縁から突出するよう配置した。その後、この正極電極シート上に、第2の多孔質シートを、正極集電体の側縁部が第2の多孔質シートの他側縁から突出するよう積重し、この第2の多孔質シート上に、負極電極シートを、負極集電体の側縁部が当該第2の多孔質シートの一側縁から突出するよう積重することにより、電極積重体を構成した。ここで、正極電極シートおよび負極電極シートは、それぞれの両面に形成されている電極層のうちの一方の電極層が第2の多孔質シートを介して互いに対向するよう配置した。
この電極積重体を、直径8mmのステンレス製の芯棒に対し、負極電極シートが内側となるよう当該電極積重体の一端から捲回することにより、内径が8mm、外径が38mmのエレメントを形成し、更に、このエレメントの外周面に第1の多孔質シートと同様の材質の多孔質層形成用の多孔質シートを幾層にも捲回して厚みが180μmの捲回積層体よりなる多孔質層を形成し、これにより、外面に多孔質層が形成されたエレメント(キャパシタ要素ユニット)を作製した。そして、このキャパシタ要素ユニットの外周面に、一面に粘着剤層を有する、縦横の寸法が5.0cm×1.0cmで、厚みが35μmのポリプロピレンよりなる2つのテープを設けることによって、当該キャパシタ要素ユニットを固定した。
得られたエレメントにおける負極集電体の側縁部を内側に折り曲げ、当該負極集電体の側縁部に、直径が35mm、厚みが0.4mmのニッケルメッキが施された銅製の円板状の負極集電板を、抵抗溶接により溶接して電気的に接続した。更に、負極集電板に、長さが20mm、幅が15mm、厚みが0.4mmの、ニッケルメッキが施された銅製の負極リード線をレーザ溶接により溶接して電気的に接続すると共に、負極集電板に外装容器と絶縁するためのポリプロピレンの絶縁部材を配置した。
また、正極集電体の他側縁部を内側に折り曲げ、当該正極集電体の側縁部に、直径が35mm、厚みが0.4mmのアルミニウム製の正極集電板を、抵抗溶接により溶接して電気的に接続した。
(4)捲回LICの製造:
外径が40mm、内径が39.2mm(肉厚が0.4mm)、全長が140mmのアルミニウム製の有底円筒状の外装容器材を用意し、この外装容器材内に、正極集電板および負極集電板が設けられたキャパシタ要素ユニットを配置すると共に、正極集電板を外装容器材の底部の内面に超音波溶接により溶接して電気的に接続した。
一方、直径が40mm、厚みが1.2mmのアルミニウム製の円板状の蓋部材に、電解液注入口および電極端子配置用の貫通孔を形成し、この蓋部材の貫通孔に、銅よりなる基体の表面にニッケルメッキが施されてなる、外径が10mm、長さが15mmの凹部を挿入し、当該凹部に銅よりなる基体の表面にニッケルメッキが施されてなる凸部を嵌合することによって負極電極端子を当該蓋部材の一面から突出するよう配置すると共に、当該負極電極端子を、ポリフェニレンサルファイドよりなるガスケットによって蓋部材と絶縁された状態で固定した。また、蓋部材の一面に、アルミニウムよりなる、外径が10mm、長さが15mmの凹部に銅よりなる基体の表面にアルミニウムよりなる凸部が嵌合されてなる正極電極端子を蓋部材の一面から突出するよう配置し、当該正極電極端子の基端を抵抗溶接により溶接して蓋部材に固定することにより、電気的に接続した。
次いで、負極集電板に溶接された負極リード線を、負極電極端子の基端にレーザ溶接により溶接して電気的に接続した後、外装容器部材に蓋部材を溶接によって一体化して蓋部を形成し、更に、その蓋部に形成された電解液注入口から、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液を注入し、その後、この電解液注入口を電解液注入口用蓋によって塞ぐことにより、図1に示すような外装容器内にキャパシタ要素ユニットおよび電解液が収容されてなる構成の捲回型LIC(以下、「捲回型LIC(1)」ともいう。)を製造した。
得られた捲回型LIC(1)の静電容量は3.5〔kF〕であった。
(5)直流抵抗測定
得られた捲回型LIC(1)について、外装容器における蓋部と底部との間の電気抵抗値(直流抵抗値(DC−IR))を、HIOKI社製の抵抗測定装置を用いて測定したところ、1〔mΩ〕であった。
(6)釘刺し試験測定
得られた捲回型LIC(1)について、下記の釘刺し試験条件により、外装容器の管軸が水平となるように配置し、外装容器における底部から蓋部に向かう方向に70mm離間した位置に、上方から垂直な方向に釘を刺し、釘を刺した直後に、その釘の刺された位置から底部に向かう方向に60mm離間した位置(外装容器における底部から蓋部に向かう方向に10mm離間した位置)の表面温度を測定したところ、その表面温度は84℃であった。
[釘刺し試験条件]
釘径:φ2.5
釘刺し速度:1mm/s
試験開始電圧:3.8V
温度測定機器:熱電対
〈実施例2〉
実施例1において、負極集電体の長さを510.0cmとし、正極集電体の長さを480.0cmとし、正極集電体とその両面に形成された電極層との合計の厚みが100μmとなるように電極層の厚みを調整し、また第1の多孔質シートおよび第2の多孔質シートの長さを534.0cmとし、更に多孔質層の厚みを120μmとしたこと以外は当該実施例1と同様にして捲回型LIC(以下、「捲回型LIC(2)」ともいう。)を作製した。
得られた捲回型LIC(2)について、実施例1と同様の手法によって静電容量および直流抵抗値を測定し、また実施例1と同様の手法によって釘刺し試験測定を行った。結果を表1に示す。
〈実施例3〉
実施例2において、第1の多孔質シートおよび第2の多孔質シートの長さを546.0cmとし、また多孔質層の厚みを180μmとしたこと以外は当該実施例2と同様にして捲回型LIC(以下、「捲回型LIC(3)」ともいう。)を作製した。
得られた捲回型LIC(3)について、実施例1と同様の手法によって静電容量および直流抵抗値を測定し、また実施例1と同様の手法によって釘刺し試験測定を行った。結果を表1に示す。
〈実施例4〉
実施例1において、負極集電体の長さを550.0cmとし、正極集電体の長さを520.0cmとし、正極集電体とその両面に形成された電極層との合計の厚みが100μmとなるように電極層の厚みを調整し、また第1の多孔質シートおよび第2の多孔質シートの長さを586.0cmとし、更に多孔質層の厚みを120μmとしたこと以外は当該実施例1と同様にして捲回型LIC(以下、「捲回型LIC(4)」ともいう。)を作製した。
得られた捲回型LIC(4)について、実施例1と同様の手法によって静電容量および直流抵抗値を測定し、また実施例1と同様の手法によって釘刺し試験測定を行った。結果を表1に示す。
〈比較例1〉
実施例1において、第1の多孔質シートおよび第2の多孔質シートの長さを316.0cmとし、また多孔質層の厚みを60μmとしたこと以外は当該実施例1と同様にして比較用の捲回型LIC(以下、「比較用捲回型LIC(1)」ともいう。)を作製した。
得られた比較用捲回型LIC(1)について、実施例1と同様の手法によって静電容量および直流抵抗値を測定し、また実施例1と同様の手法によって釘刺し試験測定を行った。結果を表1に示す。
〈比較例2〉
実施例1において、第1の多孔質シートおよび第2の多孔質シートの長さを328.0cmとし、また多孔質層の厚みを120μmとしたこと以外は当該実施例1と同様にして比較用の捲回型LIC(以下、「比較用捲回型LIC(2)」ともいう。)を作製した。
得られた比較用捲回型LIC(2)について、実施例1と同様の手法によって静電容量および直流抵抗値を測定し、また実施例1と同様の手法によって釘刺し試験測定を行った。結果を表1に示す。
〈比較例3〉
実施例2において、第1の多孔質シートおよび第2の多孔質シートの長さを522.0cmとし、また多孔質層の厚みを60μmとしたこと以外は当該実施例2と同様にして比較用の捲回型LIC(以下、「比較用捲回型LIC(3)」ともいう。)を作製した。
得られた比較用捲回型LIC(3)について、実施例1と同様の手法によって静電容量および直流抵抗値を測定し、また実施例1と同様の手法によって釘刺し試験測定を行った。結果を表1に示す。
〈比較例4〉
実施例4において、第1の多孔質シートおよび第2の多孔質シートの長さを562.0cm、厚みを40μmとし、また多孔質層の厚みを40μmとしたこと以外は当該実施例4と同様にして比較用の捲回型LIC(以下、「比較用捲回型LIC(4)」ともいう。)を作製した。
得られた比較用捲回型LIC(4)について、実施例1と同様の手法によって静電容量および直流抵抗値を測定し、また実施例1と同様の手法によって釘刺し試験測定を行った。結果を表1に示す。
〈比較例5〉
実施例4において、第1の多孔質シートおよび第2の多孔質シートの長さを574.0cmとし、また多孔質層の厚みを80μmとしたこと以外は当該実施例4と同様にして比較用の捲回型LIC(以下、「比較用捲回型LIC(5)」ともいう。)を作製した。
得られた比較用捲回型LIC(5)について、実施例1と同様の手法によって静電容量および直流抵抗値を測定し、また実施例1と同様の手法によって釘刺し試験測定を行った。結果を表1に示す。
〈比較例6〉
以下のようにして、比較用の積層型リチウムイオンキャパシタ(以下、「比較用積層型LIC(6)」ともいう。)を作製し、得られた比較用積層型LICについて、1.5Aの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を1時間行った後、1.5Aの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電する3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル静電容量(リチウムイオンキャパシタの静電容量)、内部抵抗(リチウムイオンキャパシタの直流抵抗値)を測定した。また実施例1と同様の手法によって釘刺し試験測定を行った。結果を表1に示す。
(1)負極電極シートの製造:
実施例1に係る(1)負極電極シートの製造と同様の手法により、負極集電体材の両面に電極層を形成し、これを縦横寸法が6.0cm×7.5cm(端子溶接部を除く)となるようにカットすることによって負極電極シートを製造した。
(2)正極電極シートの製造:
比表面積2000m2 /gの活性炭粉末85質量部と、アセチレンブラック粉体5質量部と、アクリル系樹脂バインダー6質量部と、カルボキシメチルセルロース4質量部および水200質量部とを混合することによって正極用のスラリーを調製した。
一方、厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる正極集電体材の両面に、非水系のカーボン系導電塗料(日本アチソン株式会社製:EB−815)をスプレー方式にてコーティングし、乾燥することにより導電層を形成した。正極集電体材とその両面に形成された導電層との合計の厚みは52μmであり、正極集電体材に孔は導電層によってほぼ閉塞されていた。
次いで、得られた正極用のスラリーを、正極集電体材に形成された導電層の両面に、ロールコーターを用いてコーティングし、真空乾燥することによって電極層を形成し、これを縦横寸法が5.8cm×7.3cm(端子溶接部を除く)となるようにカットすることによって正極電極シートを製造した。得られた正極電極シートにおいて、正極集電体とその両面に形成された導電層および電極層との合計の厚みは152μmであり、電極層の厚みは両面で100μmであった。
(3)積層型リチウムイオンキャパシタの製造:
セパレータとして縦横寸法が6.2cm×7.7cmであって厚みが35μmであるセルロース/レーヨン混合不織布を用い、正極電極シートと負極電極シートとを、両方の最外層が負極電極シートによって構成され、対向面が40層となるように積層し、当該最外層にセパレータを配置してテープで固定すると共に、正極集電体の端子溶接部(20枚)、負極集電体の端子溶接部(21枚)をそれぞれ超音波溶接することによって電極積層体を作製した。
得られた電極積層体の上面および下面に、金属リチウム箔を厚さ80μmのステンレス網に圧着したリチウム極を各1枚配置すると共に、その上に厚み0.5mmのポリエチレン製板を配置してテープで固定した三極積層ユニットを得た。この三極積層ユニットを、その中央部に絞り加工が施された上部外装フィルム用ラミネートフィルムと下部外装フィルム用ラミネートフィルムとによって挟みこみ、当該ラミネートフィルムの3辺を熱融着した後、電解液(エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびプロピレンカーボネートを質量比で3:4:1とした混合溶媒に、1モル/Lの濃度にLiPF6を溶解した溶液)を真空含浸させた後、残り1辺を減圧下にて熱融着することにより、比較用の積層型リチウムイオンキャパシタ(比較用積層型LIC(6))を作製した。
Figure 0005730321
表1中、比較例6においては、「多孔質層の厚みT」の欄に、電極積層体上に配設したポリエチレン製板の厚みを括弧を付して示した。
表1の結果から明らかなように、実施例1〜実施例4に係るリチウムイオンキャパシタは、高い静電容量を有すると共に、直流抵抗値が小さいものであることが確認され、しかも釘を刺した後の表面温度が比較的低温であることが確認された。従って、この実施例1〜実施例4に係るリチウムイオンキャパシタは、高い静電容量で低抵抗、かつ、安全性を有するリチウムイオンキャパシタであることが明らかである。
比較例1〜比較例5に係るリチウムイオンキャパシタは、釘を刺した後の表面温度が150℃以上の高温となったことから、安全性が低いことが明らかである。また、比較例6に係るリチウムイオンキャパシタは、釘を刺した後の表面温度が比較的低温であるものの、静電容量が低く、高抵抗なリチウムイオンキャパシタであることが明らかである。
10 キャパシタ要素ユニット
10A 電極積重体
11 リチウムイオンキャパシタ要素(エレメント)
12 正極電極シート
12a 正極集電体
12b 電極層
12e 側縁部
13 負極電極シート
13a 負極集電体
13b 電極層
13e 側縁部
14 第1の多孔質シート
14a 一端部分
14b セパレータ形成用部分の他端部分(セパレータ端部部分)
14c 他端部分
15 第2の多孔質シート
15a 一端部分
15b 他端部分
16,17 リチウムイオン供給源
16a,17b 集電体(リチウム極集電体)
18 テープ
20 外装容器
21 周壁部
22 蓋部
23 底部
25 正極集電板
26 負極集電板
27 絶縁部材
28 負極リード線
30 正極電極端子
31 凹部
32 凸部
35 負極電極端子
36 凹部
37 凸部
38 ガスケット
40 多孔質層

Claims (4)

  1. 正極電極シートおよび負極電極シートをセパレータを介して重畳形成したリチウムイオンキャパシタ要素と、電解液とが外装容器内に収容されてなるリチウムイオンキャパシタであって、
    前記リチウムイオンキャパシタ要素の外面上に、セルロース、レーヨン、ポリエチレンおよびポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種よりなる多孔質層が形成されており、
    当該リチウムイオンキャパシタの静電容量をC〔kF〕、当該リチウムイオンキャパシタの直流抵抗値をR〔mΩ〕および前記多孔質層の厚みをT〔μm〕とするとき、下記の関係式(1)および下記の関係式(2)を満たすことを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
    関係式(1):35≦T×R/C
    関係式(2):0.01≦R/C≦5
  2. 前記多孔質層が多孔質シートにより重畳形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  3. 前記多孔質層が前記セパレータと同一部材によって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  4. 前記多孔質層の厚みが120μm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のリチウムイオンキャパシタ。
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