JP4813168B2 - リチウムイオンキャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー密度、出力密度が高く、高容量で長寿命のリチウムイオンキャパシタに関する。
近年、高エネルギー密度、高出力特性を必要とする用途に対応する蓄電装置として、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタの蓄電原理を組み合わせた、ハイブリッドキャパシタと呼ばれる蓄電装置が注目されている。その一つとして、リチウムイオンを吸蔵、脱離し得る炭素材料に、予め化学的方法または電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵、担持(以下、ドーピングということもある)させて、負極電位を下げることによりエネルギー密度を大幅に大きくできる炭素材料を負極に用いる有機電解質キャパシタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この種の有機電解質キャパシタでは、高性能が期待されるものの、負極に予めリチウムイオンをドーピングさせる場合に、極めて長時間を要することや負極全体にリチウムイオンを均一に担持させることに問題を有し、特に電極を捲回した円筒型キャパシタや複数枚の電極を積層した角型キャパシタのような大型の高容量セルでは、実用化は困難とされていた。
このような問題の解決方法として、正極集電体および負極集電体がそれぞれ表裏面に貫通する孔を備え、負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能であり、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウム金属との電気化学的接触により負極にリチウムイオンが担持される有機電解質キャパシタが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記有機電解質キャパシタにおいては、電極集電体に表裏面を貫通する孔を設けることにより、リチウムイオンが電極集電体に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるため、積層枚数の多いセル構成の蓄電装置においても、該貫通孔を通じて、リチウム金属近傍に配置された負極だけでなくリチウム金属から離れて配置された負極にもリチウムイオンを電気化学的にドーピングさせることが可能となる。
特開平8−107048号公報(第2頁第2欄38行〜47行) WO03/003395 A1公報
従来のリチウムイオンキャパシタにおいては、このような表裏面を貫通する孔を設けた電極集電体の採用により、負極へのリチウムイオンのドーピング時間は大幅に改善できるが、セル寿命において充分に満足できるものではなかった。すなわち、セル容量を重視し負極の重量比を極力小さくしているため、セルの繰り返し使用とともにセルの静電容量が低下し、所望の性能が得られなくなるという問題があった。例えば、典型的なリチウムイオンキャパシタでは、雰囲気温度60℃でセル電圧3.6Vを印加し、2000時間経過後のセルの静電容量は、初期静電容量の約80%以下に低下し、セル寿命の短縮を招いている。
本発明は、このような問題を解消するもので、エネルギー密度、出力密度が高く、高容量のリチウムイオンキャパシタの長寿命化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、リチウムイオンキャパシタの正極と負極の重量比及び単位重量あたりの容量比を変えて両極の容量バランスの適正化を図ることによって、セルの容量保持率が向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は次のリチウムイオンキャパシタを提供する。
(1)正極、負極、及び、電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液を備えたリチウムイオンキャパシタであって、正極活物質がリチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質であり、負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質であり、正極と負極を短絡させた後の正極の電位が1.0V以下になるように負極及び/又は正極に対してリチウムイオンが予めドーピングされており、かつ、正極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、正極活物質重量W(g)、負極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、負極活物質重量W(g)としたとき、(C×W)/(C×W)の値が5〜22.8であることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
(2)(C ×W )/(C ×W )の値が6.8〜22.8である上記(1)のリチウムイオンキャパシタ。
)(C×W)/(C×W)の値が10以上である上記(1)又は(2)のリチウムイオンキャパシタ。
(4)W /W の値が1.1〜1.94である上記(1)〜(3)のいずれかのリチウムイオンキャパシタ。
)前記正極及び/又は負極が、それぞれ表裏面を貫通する孔を有する集電体を備えており、負極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によってリチウムイオンが負極にドーピングされている上記(1)〜(4)のいずれかのリチウムイオンキャパシタ。
)負極活物質は、正極活物質に比べて、単位重量当たりの静電容量が3倍以上を有し、かつ正極活物質の重量が負極活物質の重量よりも大きい上記(1)〜()のいずれかのリチウムイオンキャパシタ。
本発明によれば、上記したようにリチウムイオンキャパシタの正極と負極の重量比及び単位重量あたりの容量比を適正化し、負極の静電容量を正極の静電容量の5倍以上にすることによって、セルの静電容量の経時的な減少を小さくできるので、セルの長寿命化を図ることができる。
次に、本発明の好ましい実施態様であるリチウムイオンキャパシタを図面に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。図1は本発明に係わるリチウムイオンキャパシタ(以下、LICまたはセルということもある)の代表的な一つである角型セルの断面図を示す。
本例においてセルは、図1に示すように正極1、負極2をセパレータ3を介して交互に積層して電極積層ユニット6を形成し、その際好ましくは電極積層ユニット6の最外部が負極2となるように形成し、該電極積層ユニット6の例えば下部にリチウムイオン供給源としてリチウム金属4を上記正極1、負極2に対向して配置し、これらを外装容器5内に収容して構成される。積層された各正極1は取出し部9によって正極接続端子11に接続され、また各負極2およびリチウム金属4はそれぞれ取出し部8および取出し部10によって負極接続端子12に接続されている。なお、本例では正極接続端子11と負極接続端子12をセルの同一側(図1では左側)に設けているが、これら接続端子の位置は適宜変えられ、例えばセルの両側に分けて取り出してもよい。
このように構成されたセル内にリチウムイオンを移動可能な電解液(電解質)を注入して封止し、この状態で所定時間(例えば10日間)放置しておくと、リチウム金属4と負極2とが短絡されているので、負極2に予めリチウムイオンをドーピングすることができる。なお、本発明において、「正極」とは放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極、「負極」とは放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
本例では、正極2層(活物質層の数は4層)、負極3層(活物質層の数は6層)の合計5層によってセルを構成しているが、セルに組み込まれる正極、負極の層数は、セルの種類やセルに配置するリチウム金属の層数などによって適宜決められる。したがって、特定されないが角型セルでは通常10〜20層程度が好ましい。また、図1では電極積層ユニット6を外装容器5に横方向(水平方向)に収容しているが、電極積層ユニット6は外装容器5に縦方向に収容することもできる。
上記セルにおいて、電極積層ユニット6に対し配置するリチウム金属4は、リチウム金属箔と集電体4aとが圧着され一体化されているものが好ましく使用できる。具体的には、集電体に圧着されたリチウム金属箔を電極積層ユニット6に合わせて切断し、切断されたリチウム金属箔をその集電体側を外側にして電極積層ユニット6に対向させて配置する。
上記電極積層ユニット6を構成する正極1および負極2は、図1に示すようにそれぞれ正極集電体1aと負極集電体2aの両面に正極活物質層および負極活物質層(図にはこの正極活物質層および負極活物質層をそれぞれ正極1および負極2として示している)として形成されるのが好ましい。上記正極集電体1aと負極集電体2aは、表裏面を貫通する孔が設けられた多孔材からなり、このように負極集電体2aと正極集電体1aを多孔材にすることによって、リチウム金属4が例えば図1に示す如く電極積層ユニット6の最外部に配置されていても、リチウムイオンは該リチウム金属4から各集電体の貫通孔を通って自由に各電極間を移動するために、電極積層ユニット6のすべての負極2にリチウムイオンをドーピングできる。
なお、図示はしないが積層タイプのフィルム型セルでは、外装容器が変わるだけでセル構造は上記した角型セルと実質同じである。
図2は、本発明の他の実施形態である捲回タイプのリチウムイオンキャパシタの断面図である。なお、上記角型セルと同じ部材には、同一の符号をつけて説明する。本例では、帯状の正極1と負極2をセパレータ3を介在させて捲回し、好ましくは最外部をセパレータ3、その内側を負極2にして扁平円柱状の電極捲回体7を形成し、該電極捲回体7の例えば芯部にリチウム金属4を配置しセルを構成している。図2において、正極1は帯状の正極集電体1aの両側に正極活物質層として、負極2は帯状の負極集電体2aの両側に負極活物質層としてそれぞれ形成されている。リチウム金属4としては、多孔材の集電体4aの両面にリチウム金属箔が圧着されているものが好ましい。
上記セル構造において、正極集電体1aと負極集電体2aは前記した積層タイプのセルと同じように多孔材によって形成されており、前記リチウム金属4を負極2と短絡させることによって、セル芯部に配置したリチウム金属4からリチウムイオンが両集電体の孔部を通って移動し、電極捲回体7の負極2に所定量のリチウムイオンがドーピングされるようになっている。
なお、図示はしないがリチウム金属を電極捲回体7の外周部に設け、リチウムイオンを電極捲回体7の外側から中心部に向かって移動させてドーピングさせてもよいし、あるいは電極捲回体7の中心部と外周部の両方に配置してリチウムイオンを電極捲回体7の内側と外側の両方からドーピングできるようにしてもよい。また、正極と負極をセパレータを介して円形状に捲回してなる円柱状の電極捲回体に対しても同様にしてリチウム金属を配置できる。
本発明のLICは、リチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極と、リチウムイオンを可逆的に担持可能な物質からなる負極を備え、電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機電解液を有している。そして、本発明の好ましいLICでは正極と負極を短絡させた後の正極および負極電位が1.0V以下を有している。
従来の電気二重層キャパシタでは、通常、正極と負極に同じ活物質(主に活性炭)をほぼ同量用いている。この活物質はセルの組立て時には約3Vの電位を有しており、キャパシタを充電することにより、正極表面にはアニオンが電気二重層を形成して正極電位は上昇し、一方負極表面にはカチオンが電気二重層を形成して電位が降下する。逆に、放電時には正極からアニオンが、負極からはカチオンがそれぞれ電解液中に放出されて電位はそれぞれ下降、上昇し、3V近傍に戻ってくる。このように通常の炭素材料は約3Vの電位を有しているため、正極、負極ともに炭素材料を用いた有機電解質キャパシタは、正極と負極を短絡させた後の正極および負極の電位はいずれも約3Vとなる。
これに対し、本発明の好ましいLICでは上記したように正極と負極を短絡した後の正極の電位は1.0V(Li/Li、以下同じ)以下である。すなわち、本発明では正極にリチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な活物質を用い、また負極にリチウムイオンを可逆的に担持可能な活物質を用い、正極と負極を短絡させた後に正極と負極の電位が1.0V以下になるように、負極及び/又は正極に予めリチウムイオンをドーピングさせている。予めリチウムイオンをドーピングさせるとは、正極及び負極以外の例えばリチウム金属のようなリチウムイオン供給源からリチウムイオンを供給し、ドーピングさせるということである。
なお、本発明で、正極と負極を短絡させた後の正極の電位が1.0V以下とは、以下の(A)または(B)の2つのいずれかの方法で求められる正極の電位が1.0V以下の場合をいう。即ち、(A)リチウムイオンによるドーピングの後、キャパシタセルの正極端子と負極端子を導線で直接結合させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、0.5〜1.5時間内に測定した正極電位、(B)充放電試験機にて12時間以上かけて0Vまで定電流放電させた後に、0.5〜1.5時間内に測定した正極電位、が1.0V以下であることをいう。
また、本発明において、正極と負極とを短絡させた後の正極電位が1.0V以下というのは、リチウムイオンがドーピングされたすぐ後だけに限られるものではなく、充電状態、放電状態あるいは充放電を繰り返した後に短絡した場合など、いずれかの状態で短絡後の正極電位が1.0V以下となることである。
本発明において、正極と負極とを短絡させた後の正極電位が1.0V以下になるということに関し、以下に詳細に説明する。上述のように活性炭や炭素材は通常3V(Li/Li)前後の電位を有しており、正極、負極ともに活性炭を用いてセルを組んだ場合、いずれの電位も約3Vとなるため、短絡しても正極電位はかわらず約3Vである。また、正極に活性炭、負極にリチウムイオン二次電池にて使用されている黒鉛や難黒鉛化炭素のような炭素材を用いた、いわゆるハイブリッドキャパシタの場合も同様であり、いずれの電位も約3Vとなるため、短絡しても正極電位はかわらず約3Vである。正極と負極の重量バランスにもよるが充電すると負極電位が0V近傍まで推移するので、充電電圧を高くすることが可能となるため高電圧、高エネルギー密度を有したキャパシタとなる。一般的に充電電圧の上限は正極電位の上昇による電解液の分解が起こらない電圧に決められるので、正極電位を上限にした場合、負極電位が低下する分、充電電圧を高めることが可能となる。
しかしながら、短絡時に正極電位が約3Vとなる上述のハイブリッドキャパシタでは、正極の上限電位が例えば4.0Vとした場合、放電時の正極電位は3.0Vまでであり、正極の電位変化は1.0V程度と正極の容量を充分利用できていない。更に、負極にリチウムイオンを挿入(充電)、脱離(放電)した場合、初期の充放電効率が低い場合が多く、放電時に脱離できないリチウムイオンが存在していることが知られている。これは、負極表面にて電解液の分解に消費される場合や、炭素材の構造欠陥部にトラップされる等の説明がなされているが、この場合正極の充放電効率に比べ負極の充放電効率が低くなり、充放電を繰り返した後にセルを短絡させると正極電位は3Vよりも高くなり、さらに利用容量は低下する。すなわち、正極は4.0Vから2.0Vまで放電可能であるところ、4.0Vから3.0Vまでしか使えない場合、利用容量として半分しか使用していないこととなり、高電圧にはなるが高容量にはならないのである。ハイブリッドキャパシタを高電圧、高エネルギー密度だけでなく、高容量そして更にエネルギー密度を高めるためには、正極の利用容量を向上させることが必要である。
短絡後の正極電位が3.0Vよりも低下すればそれだけ利用容量が増え、高容量にすることができる。1.0V以下になるためには、セルの充放電により充電される量だけでなく、別途リチウム金属などのリチウムイオン供給源から負極にリチウムイオンを充電することが好ましい。正極と負極以外からリチウムイオンが供給されるので、短絡させた時には、正極、負極、リチウム金属が平衡電位になるため、正極電位、負極電位ともに3.0V以下になり、リチウム金属の量が多くなるほどに平衡電位は低くなる。負極材、正極材が変われば平衡電位も変わるので、短絡後の正極電位が1.0V以下になるように、負極材、正極材の特性を鑑みて負極に担持させるリチウムイオン量の調整が必要である。
本発明のLICにおいて、正極と負極を短絡させた後の正極電位が1.0V以下になるということは、上記したように該LICの正極および負極以外から正極及び/又は負極にリチウムイオンが供給されているということである。リチウムイオンの供給は負極と正極の片方あるいは両方いずれでもよいが、例えば正極に活性炭を用いた場合、リチウムイオンの担持量が多くなり正極電位が低くなると、リチウムイオンを不可逆的に消費してしまい、セルの容量が低下するなどの不具合が生じる場合があるので、負極と正極に供給するリチウムイオンの量は不具合が生じないよう適宜制御が必要である。いずれの場合でも、予め正極及び/又は負極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって正極及び/又は負極にドーピングされたリチウムイオンは充電により負極に供給(ドーピング)されるので、負極電位は低下する。
また、正極と負極を短絡させた後の正極電位が1.0Vよりも高い場合は、正極及び/又は負極に供給されたリチウムイオンの量が少ないためセルのエネルギー密度は小さい。リチウムイオンの供給量が多くなるほどに正極と負極を短絡させた後の正極電位は低くなりエネルギー密度は向上する。高いエネルギー密度を得るには1.0V以下が必要である。正極と負極を短絡させた後の正極電位が低くなるということは、言い換えると、セルの充電により負極に供給されるリチウムイオンの量が多くなるということであり、負極の静電容量が増大するとともに負極の電位変化量が小さくなり、結果的に正極の電位変化量が大きくなってセルの静電容量および容量が大きくなり、高いエネルギー密度が得られるのである。
また、正極電位が1.0Vを下回ると正極活物質にもよるが、ガス発生や、リチウムイオンを不可逆に消費してしまう等の不具合が生じるため、正極電位の測定が困難となる。また、正極電位が低くなりすぎる場合は負極重量が過剰ということであり、逆にエネルギー密度は低下する。したがって、一般的には正極電位は0.1V以上であり、好ましくは0.3V以上である。
なお、本発明において静電容量、容量は次のように定義する。セルの静電容量とは、セルの放電カーブの傾きを示し単位はF(ファラッド)、セルの単位重量当たりの静電容量とはセルの静電容量をセル内に充填している正極活物質重量と負極活物質重量の合計重量にて割った値であり、単位はF/g、正極の静電容量とは正極の放電カーブの傾きを示し単位はF、正極の単位重量当たりの静電容量とは正極の静電容量をセル内に充填している正極活物質重量にて割った値であり、単位はF/g、負極の静電容量とは負極の放電カーブの傾きを示し単位はF、負極の単位重量当たりの静電容量とは負極の静電容量をセル内に充填している負極活物質重量にて割った値であり、単位はF/gである。
更に、セル容量とはセルの放電開始電圧と放電終了電圧の差、すなわち電圧変化量とセルの静電容量の積であり単位はC(クーロン)であるが、1Cは1秒間に1Aの電流が流れたときの電荷量であるので、本発明においては換算してmAh表示することとした。正極容量とは放電開始時の正極電位と放電終了時の正極電位の差(正極電位変化量)と正極の静電容量の積であり、単位はCまたはmAh、同時に負極容量とは放電開始時の負極電位と放電終了時の負極電位の差(負極電位変化量)と負極の静電容量の積であり、単位はCまたはmAhである。これらセル容量と正極容量、負極容量とは一致する。
本発明は、上記LICにおいて正極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、正極活物質重量W(g)、負極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、負極活物質重量W(g)としたとき、(C×W)/(C×W)の値が5以上、好ましくは10以上であることを特徴とする。(C×W)/(C×W)を5以上にすることによって、すなわち負極の静電容量を正極の静電容量の5〜22.8倍にすることによってセルの容量保持率を向上させることが可能となり、セルの耐久性、長寿命化が得られる。(C×W)/(C×W)が5未満では、セルの繰り返し使用によってCが低下したときのセル容量の減少率が増大し容量保持率が低下するためにセル寿命が短命となる。
本発明におけるLICの長寿命化は、使用する正極活物質および負極活物質を考慮して、正極活物質重量、負極活物質重量、負極にドーピングするリチウムイオン量、などを、(C×W)/(C×W)が5〜22.8となるように適正化することによって得られる。具体的には、選択された正極活物質および負極活物質において、従来、セル容量を重視して例えば正極活物質量に対し小さめに設定していた負極活物質量を、負極の重量比を大きくして増大させること(Wの増大)によって得られる。また、負極にドーピングするリチウムイオン量を多くして負極単位重量当りの静電容量を大きくすること(Cの増大)によって得られる。このように(Wの増大)および(Cの増大)の一方または両方によって得られるが、負極にドーピングするリチウムイオンの量は、セルの安全性、負極活物質のリチウムイオンのドーピング限界量などの制約があるため、通常は負極の重量比を大きくして(Wの増大)を図るのを優先するのが好ましい。その上で該負極にドーピングするリチウムイオン量を支障が生じない範囲で増大させてCの増大を図る。しかし、本発明はこれに限定されないで、(C×W)/(C×W)が5〜22.8になるよう総合的に決めることができる。例えば、少ないリチウムイオン量でより大きな単位重量あたりの静電容量が得られる負極活物質を用いた場合、負極の重量比が小さくても(C×W)/(C×W)を5〜22.8にすることができる。負極の重量比を大きくして(Wの増大)、(C×W)/(C×W)を5〜22.8にした場合、セルの繰り返し使用とともに負極単位当りの静電容量Cが低下しても、Wが大きく設定されているため、十分な負極静電容量を確保できる。また、Cを大きく設定した場合も同様にCが減少した後でも十分な負極静電容量が確保できる。従って、セルの静電容量の減少率を(C×W)/(C×W)が5未満の場合に比べて小さくできる。
本発明のLICでは、(C×W)/(C×W)の値が大きいほどセルの耐久性は向上するが、Wを増大させて(C×W)/(C×W)の値を大きくした場合、負極の重量比が大きくなると高容量のセルを得るのが困難となる。(C×W)/(C×W)の上限値は限定されないが、セルの容量の確保と長寿命化をバランスさせる上で、使用する負極活物質の単位重量あたりの静電容量に応じて(C×W)/(C×W)はある値以下であるのが好ましい。例えば、単位重量あたりの静電容量が100(F/g)の正極活物質と単位重量あたりの静電容量が1000(F/g)の負極活物質を用いる場合、(C×W)/(C×W)の実用的な値としては、高容量で高電圧のLICを確保しやすくする面から、20以下が好ましい。ただし、より大きな単位重量あたりの静電容量を持つ負極活物質を用いた場合はこの限りではない。
また、本発明のLICでは、負極活物質の単位重量当たりの静電容量が正極活物質の単位重量当たりの静電容量の3倍以上を有し、かつ正極活物質重量が負極活物質重量よりも大きいのが好ましい。正極の静電容量は使用する正極活物質によって実質的に決められる。したがって、この正極の静電容量を考慮して負極へ予めドーピングするリチウムイオンの量を適切に制御することにより、正極単位重量当たりの静電容量の3倍以上の静電容量を確保し、かつ正極活物質重量を負極活物質重量よりも重くすることができる。これにより、従来の電気二重層キャパシタよりも高電圧かつ高容量のキャパシタが得られる。さらに、正極の単位重量当たりの静電容量よりも大きい単位重量当たりの静電容量を持つ負極を用いる場合には、負極の電位変化量を変えずに負極活物質重量を減らすことが可能となるため、正極活物質の充填量が多くなりセルの静電容量および容量を大きくできる。高容量なセルを得るためには、正極活物質重量は負極活物質重量に対して大きいことが好ましいが、 /W の値が1.1〜0であることが更に好ましく、W /W の値が1.1〜1.94であることが特に好ましい。1.1未満であれば従来の電気二重層キャパシタとの容量差が小さくなり、10を超えると逆に従来の電気二重層キャパシタより容量が小さくなる場合もあり、また正極と負極の厚み差が大きくなり過ぎるのでセル構成上好ましくない。
以下に、本発明のリチウムイオンキャパシタを構成する主要素について順次説明する。
本発明の正極集電体および負極集電体としては、一般に有機電解質電池などの用途で提案されている種々の材質を用いることができ、正極集電体にはアルミニウム、ステンレス等、負極集電体にはステンレス、銅、ニッケル等をそれぞれ好適に用いることができ、箔状、ネット状等各種形状のものを用いることができる。特に負極及び/又は正極に予めリチウイオンを担持させるためには、表裏面を貫通する孔を備えたものが好ましく、例えばエキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体、あるいはエッチングにより貫通孔を付与した多孔質箔等を挙げることができる。電極集電体の貫通孔は丸状、角状、その他適宜設定できる。
更に好ましくは、電極を形成する前に、当該電極集電体の貫通孔を、脱落しにくい導電性材料を用いて少なくとも一部を閉塞し、その上に正極および負極を形成することにより、電極の生産性を向上させるとともに、電極の脱落によるキャパシタの信頼性低下の問題を解決し、更には、集電体を含む電極の厚さを薄くして、高エネルギー密度、高出力密度を実現できる。
電極集電体の貫通孔の形態、数等は、後述する電解液中のリチウムイオンが電極集電体に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるように、また、上記導電性材料によって閉塞しやすいように適宜設定することができる。
この電極集電体の気孔率は、{1―(集電体重量/集電体真比重)/(集電体見かけ体積)}の比を百分率に換算して得られるものと定義する。本発明に用いる電極集電体の気孔率は、通常、10〜79%、好ましくは20〜60%である。電極集電体の気孔率や孔径は、セルの構造や生産性を考慮し、上述の範囲で適宜選定することが望ましい。
上記負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に担持できるものであれば特に限定されず、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子数比(以下H/Cと記す)が0.50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(PAS)等を挙げることができる。中でもPASは高容量が得られる点でより好ましい。例えばH/C=0.2程度のPASに400mAh/gのリチウムイオンを担持(充電)させた後に放電させると650F/g以上の静電容量が得られ、また、500mAh/g以上のリチウムイオンを充電させると750F/g以上の静電容量が得られる。このことから、PASが非常に大きな静電容量を持つことがわかる。
本発明の好ましい形態において、PASのようなアモルファス構造を有する活物質を負極に用いた場合、担持させるリチウムイオン量を増加させるほど電位が低下するので、得られる蓄電装置の耐電圧(充電電圧)が高くなり、また、放電における電圧の上昇速度(放電カーブの傾き)が低くなるため、求められる蓄電装置の使用電圧に応じて、リチウムイオン量は活物質のリチウムイオン吸蔵能力の範囲内にて適宜設定することが望ましい。
また、PASはアモルファス構造を有することから、リチウムイオンの挿入・脱離に対して膨潤・収縮といった構造変化がないためサイクル特性に優れ、またリチウムイオンの挿入・脱離に対して等方的な分子構造(高次構造)であるため、急速充電、急速放電にも優れた特性を有することから負極活物質として好適である。
PASの前駆体である芳香族系縮合ポリマーとは、芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類との縮合物である。芳香族炭化水素化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール等の如き、いわゆるフェノール類を好適に用いることができる。例えば、下記式
Figure 0004813168
(ここで、xおよびyはそれぞれ独立に、0、1または2である)
で表されるメチレン・ビスフェノール類であることができ、あるいはヒドロキシ・ビフェニル類、ヒドロキシナフタレン類であることもできる。これらの中でも、実用的にはフェノール類、特にフェノールが好適である。
また、上記芳香族系縮合ポリマ−としては、上記のフェノール性水酸基を有する芳香族炭化水素化合物の一部に、フェノール性水酸基を有さない芳香族炭化水素化合物、例えばキシレン、トルエン、アニリン等で置換した変成芳香族系縮合ポリマー、例えばフェノールとキシレンとホルムアルデヒドとの縮合物を用いることもできる。更に、メラミン、尿素で置換した変成芳香族系ポリマーを用いることもでき、フラン樹脂も好適である。
本発明においてPASは不溶不融性基体として使用され、該不溶不融性基体は例えば上記芳香族系縮合ポリマーから次のようにして製造することもできる。すなわち、上記芳香族系縮合ポリマーを、非酸化性雰囲気下(真空も含む)中で400〜800°Cの適当な温度まで徐々に加熱することにより、H/Cが0.5〜0.05、好ましくは0.35〜0.10の不溶不融性基体を得ることができる。
しかし、不溶不融性基体の製造方法はこれに限定されることなく、例えば、特公平3−24024号公報等に記載されている方法で、上記H/Cを有し、かつ600m/g以上のBET法による比表面積を有する不溶不融性基体を得ることもできる。
本発明に用いる不溶不融性基体は、X線回折(CuKα)によれば、メイン・ピークの位置は2θで表して24°以下に存在し、また該メイン・ピークの他に41〜46°の間にブロードな他のピークが存在している。すなわち、上記不溶不融性基体は、芳香族系多環構造が適度に発達したポリアセン系骨格構造を有し、かつアモルファス構造を有し、リチウムイオンを安定にドーピングすることができることから、リチウム蓄電装置用の活物質として好適する。
本発明において負極活物質は、細孔直径3nm以上で細孔容積を0.10mL/g以上有するものが好ましく、その細孔直径の上限は限定されないが、通常は3〜50nmの範囲である。また、細孔容積の範囲についても特に限定されないが、通常0.10〜0.5mL/gであり、好ましくは0.15〜0.5mL/gである。
本発明において負極は、上記の炭素材料やPAS等の負極活物質粉末から負極集電体上に形成されるが、その方法は特定されず既知の方法が使用できる。具体的には、負極活物質粉末、バインダーおよび必要に応じて導電性粉末を水系または有機溶媒中に分散させてスラリーとし、該スラリーを前記集電体に塗布するか、または上記スラリーを予めシート状に成形し、これを集電体に貼り付けることによって形成できる。ここで使用されるバインダーとしては、例えばSBR等のゴム系バインダーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の合フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート等の熱可塑性樹脂を用いることができる。バインダーの使用量は、負極活物質の種類や電極形状等により異なるが、負極活物質に対して1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
また、必要に応じて使用される導電性材料としては、アセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。導電性材料の使用量は負極活物質の電気伝導度、電極形状等により異なるが、負極活物質に対して2〜40重量%の割合で加えるのが適当である。
なお、負極活物質の厚さは、セルのエネルギー密度を確保できるように正極活物質との厚さのバランスで設計されるが、セルの出力密度とエネルギー密度、セル寿命、工業的生産性等を考慮すると、集電体の片面で通常、15〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
本発明のLICにおいて、正極は、リチウムイオン及び/又は、例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に担持できる正極活物質を含有する。
上記正極活物質としては、リチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持できるものであれば特には限定されず、例えば活性炭、導電性高分子、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であってH/Cが0.05〜0.50であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(PAS)等を挙げることができる。
なお、上記正極活物質を用いて正極集電体に正極を形成する方法は、前記した負極の場合と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
本発明のLICに用いる電解質としては、リチウムイオンを移送可能な電解質を用いる。このような電解質は、通常液状であってセパレータに含浸できるものが好ましい。この電解質の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒電解質溶液を形成できる非プロトン性有機溶媒が好ましく使用できる。この非プロトン性有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等が挙げられる。更に、これら非プロトン性有機溶媒の二種以上を混合した混合液を用いることもできる。
また、かかる溶媒に溶解させる電解質としては、リチウムイオンを移送可能で高電圧でも電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在できるものであれば使用できる。このような電解質としては、例えばLiClO、LiAsF、LiBF、LiPF6、LiN(CSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を好適に用いることができる。
上記の電解質および溶媒は、充分に脱水された状態で混合して電解液とするが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするため少なくとも0.1モル/L以上とすることが好ましく、0.5〜1.5モル/Lの範囲内とすることが更に好ましい。
また、セパレータとしては、電解液あるいは電極活物質等に対して耐久性のある連通気孔を有する電気伝導性のない多孔体等を用いることができる。このセパレータの材質としては、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂が挙げられ、既知のものが使用できる。これらの中でセルロース(紙)が耐久性と経済性の点で優れている。そして、使用形態としては前記したように紙または樹脂の不織布が好ましい。セパレータの厚さは限定されないが、通常は20〜50μm程度が好ましい。
また、負極及び/又は正極に予めリチウムイオンを担持させるためのリチウムイオン供給源として使用されるリチウム金属箔は、リチウム金属あるいはリチウム−アルミニウム合金のように、少なくともリチウム元素を含有し、リチウムイオンを供給することのできる物質によって形成される。キャパシタ等の内部には、負極及び/又は正極に所定量のリチウムイオンをドーピングできるリチウム金属箔の量を配置するのが好ましい。また、該リチウム金属箔に一体化される集電体としては、前記したように導電性多孔体が好ましく、具体的にはステンレスメッシュ等のリチウム金属と反応しない金属多孔体を用いることが好ましい。
本発明において外装容器の材質は特に限定されず、一般に電池またはキャパシタに用いられている、例えば鉄、アルミニウム等の金属材料、プラスチック材料、あるいはそれらを積層した複合材料等を使用できる。また、外装容器の形状も特に限定されないが、キャパシタ等の小型化、軽量化の観点からは、アルミニウムとナイロン、ポリプロピレンなどの高分子材料とのラミネートフィルムを用いたフィルム型の外装容器が好ましい。
以下具体的な実施例により詳細を説明する。
(実施例1)
(負極1の製造法)
厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で550℃まで50℃/時間の速度で、更に10℃/時間の速度で800℃まで昇温して熱処理し、PASを合成した。かくして得られたPAS板をボールミルで粉砕することにより、平均粒子径が約4μmのPAS粉体を得た。このPAS粉体のH/C比は0.1であった。
次に、上記PAS粉体92重量部、アセチレンブラック粉体6重量部、アクリル系バインダー5重量部、カルボキシメチルセルロース3重量部、水200重量部となる組成にて充分混合することによりスラリーを得た。
厚さ32μm(気孔率57%)の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)からなる負極集電体の両面に上記スラリーをロールコーターにてコーティングして負極電極層を成形し、真空乾燥後、全体の厚さ(両面の負極電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が78μmの負極1を得た。
(正極1の製造法)
比表面積2000m/gの市販活性炭粉末92重量部、アセチレンブラック粉体6重量部、アクリル系バインダー7重量部、カルボキシメチルセルロース4重量部、水200重量部となる組成にて充分混合することによりスラリーを得た。
厚さ38μm(気孔率47%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)の両面に非水系のカーボン系導電塗料をロールコーターにてコーティングし、乾燥することにより導電層が形成された正極用集電体を得た。全体の厚み(集電体厚みと導電層厚みの合計)は52μmであり貫通孔はほぼ導電塗料により閉塞された。上記正極のスラリーをロールコーターにて該正極集電体の両面にコーティングして正極電極層を成形し、真空乾燥後、正極全体の厚さ(両面の正極電極層厚さと両面の導電層厚さと正極集電体厚さの合計)が182μmの正極1を得た。
(負極1の単位重量当たりの静電容量測定)
上記負極1を1.5cm×2.0cmサイズに切り出し、評価用負極とした。この負極に対極として1.5cm×2.0cmサイズ、厚さ200μmのリチウム金属を厚さ50μmのポリエチレン製不織布をセパレータとして介して組み合わせ模擬セルを組んだ。参照極としてリチウム金属を用いた。電解液としては、プロピレンカーボネートに、1モル/Lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いた。充電電流1mAにて負極活物質重量に対して600mAh/g分のリチウムイオンを充電し、その後1mAにて1.5Vまで放電を行った。放電開始後1分後の負極の電位から0.2V電位変化する間の放電時間より負極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ1300F/gであった。
(正極1の単位重量当たりの静電容量測定)
上記正極1を1.5cm×2.0cmサイズに切り出し、評価用正極とした。この正極に対極として1.5cm×2.0cmサイズ、厚さ200μmのリチウム金属を厚さ50μmのポリエチレン製不織布をセパレータとして介して組み合わせ模擬セルを組んだ。参照極としてリチウム金属を用いた。電解液としては、プロピレンカーボネートに、1モル/Lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いた。充電電流1mAにて3.6Vまで充電しその後定電圧充電を行い、総充電時間1時間の後、1mAにて2.5Vまで放電を行った。3.6V〜2.5V間の放電時間より正極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ140F/gであった。
(セル1の作製)
正極1を2.4cm×3.8cmに5枚カットし、負極1を2.4cm×3.8cmに6枚カットし、カットされた正極1と負極1をセパレータを介して積層し、150℃で12時間乾燥した後、最上部と最下部にセパレータを配置させて4辺をテープ留めして電極積層ユニットを得た。負極活物質重量に対して600mAh/g分のリチウム金属を厚さ23μmの銅ラスに圧着したものを負極と対向するように電極積層ユニットの最外部に1枚配置した。負極(6枚)とリチウム金属箔を圧着した銅ラスとはそれぞれ溶接し、接触させて電極積層ユニットを得た。上記電極積層ユニットの正極集電体の端子溶接部(5枚)に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した巾3mm、長さ50mm、厚さ0.1mmのアルミニウム製正極端子を重ねて超音波溶接した。同様に負極集電体の端子溶接部(6枚)に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した巾3mm、長さ50mm、厚さ0.1mmのニッケル製負極端子を重ねて超音波溶接し、縦60mm、横30mm、深さ3mmに深絞りした外装フィルム1枚と深絞りしていない外装フィルム1枚の間に設置した。
外装ラミネートフィルムの端子部1辺と他の2辺を熱融着した後、電解液としてエチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびプロピレンカーボネートを体積比で3:4:1とした混合溶媒に、1.2モル/Lの濃度にLiPFを溶解した溶液を真空含浸させ、その後、残り1辺を減圧下にて熱融着し、真空封止を行うことによりフィルム型キャパシタセルを3セル組立てた。
また、正極1の総重量(5枚)、負極1の総重量(6枚)からそれぞれの活物質重量を算出したところ、正極活物質重量は0.3g、負極活物質重量は0.25gであった。従って、正極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、正極活物質重量W(g)、負極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、負極活物質重量W(g)とした時、(C×W)/(C×W)の値は7.7となった。
(セル1の特性評価)
セル組み立て後14日間放置後に1セルを分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていたことから、負極活物質の単位重量当たりに1300F/gの静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断した。
その後、1セルの正極と負極を短絡させ正極の電位を測定したところ、0.8Vであり、1.0V以下であった。
残ったフィルム型キャパシタセルを、200mAの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を30分行った。次いで、200mAの定電流でセル電圧2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vサイクルから初期静電容量、エネルギー密度を評価した。
その後、耐久性評価のため、雰囲気温度60℃でセル電圧3.6Vを印加し、2000時間経過後に上記のサイクルを行い、静電容量、静電容量保持率を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004813168
正極と負極を短絡させた時の正極電位が2.0V以下になるよう負極及び/又は正極に予めリチウムイオンを担持させることにより、高いエネルギー密度を有したキャパシタが得られた。一方、高温電圧印加試験2000時間経過時においても容量保持率は86.9%と良好な値を示した。実施例1のC×W/C×Wの値は7.7であり、従って、(C×W)/(C×W)の値を5以上とすることで良好な耐久性と高いエネルギー密度を併せ持つキャパシタが得られた。
(実施例2)
(負極2の製造法)
負極1と同様の方法で、全体の厚さ(両面の負極電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が84μmの負極2を得た。
(正極2の製造法)
比表面積1800m/gの市販活性炭粉末を用いる以外は正極1と同様の方法で、正極全体の厚さ(両面の正極電極層厚さと両面の導電層厚さと正極集電体厚さの合計)が225μmの正極2を得た。
(負極2の単位重量当たりの静電容量測定)
負極1と同様の方法で負極2の単位重量当たりの静電容量を求めたところ1300F/gであった。
(正極2の単位重量当たりの静電容量測定)
正極1と同様の方法で正極2の単位重量当たりの静電容量を求めたところ80F/gであった。
(セル2の作製)
正極2、負極2を用いる以外はセル1と同様の方法で3セル組立てた。
また、正極2の総重量(5枚)、負極2の総重量(6枚)からそれぞれの活物質重量を算出したところ、正極活物質重量は0.4g、負極活物質重量は0.27gであった。従って、正極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、正極活物質重量W(g)、負極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、負極活物質重量W(g)とした時、(C×W)/(C×W)の値は10.9となった。
(セル2の特性評価)
セル組み立て後14日間放置後に1セルを分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていたことから、負極活物質の単位重量当たりに1300F/gの静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断した。
その後、1セルの正極と負極を短絡させ正極の電位を測定したところ、0.83Vであり、1.0V以下であった。
残ったフィルム型キャパシタセルをセル1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004813168
正極と負極を短絡させた時の正極電位が2.0V以下になるよう負極及び/又は正極に予めリチウムイオンを担持させることにより、単位重量当たりの静電容量が低い正極活物質を用いた場合でも、高いエネルギー密度を有したキャパシタが得られた。一方、高温電圧印加試験2000時間経過時においても容量保持率は90.2%と実施例1より良好な値を示した。実施例2の(C×W)/(C×W)の値は10.9であり、C×W/C×Wの値を10以上とすることでより良好な耐久性と高いエネルギー密度を併せ持つキャパシタが得られた。従って耐久性を重視した場合(C×W)/(C×W)の値を10以上とするのがより好適である。
(実施例3)
(正極3の製造法)
比表面積2200m/gの市販活性炭粉末を用いる以外は正極1と同様の方法で、正極全体の厚さ(両面の正極電極層厚さと両面の導電層厚さと正極集電体厚さの合計)が181μmの正極3を得た。
(正極3の単位重量当たりの静電容量測定)
正極1と同様の方法で正極3の単位重量当たりの静電容量を求めたところ160F/gであった。
(セル3の作製)
正極3を用いる以外はセル1と同様の方法で3セル組立てた。
また、正極3の総重量(5枚)、負極1の総重量(6枚)からそれぞれの活物質重量を算出したところ、正極活物質重量は0.3g、負極活物質重量は0.25gであった。従って、正極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、正極活物質重量W(g)、負極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、負極活物質重量W(g)とした時、(C×W)/(C×W)の値は6.8となった。
(セル3の特性評価)
セル組み立て後14日間放置後に1セルを分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていたことから、負極活物質の単位重量当たりに1300F/gの静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断した。
その後、1セルの正極と負極を短絡させ正極の電位を測定したところ、0.81Vであり、1.0V以下であった。
残ったフィルム型キャパシタセルをセル1と同様の方法で評価した。結果を表3に示す。
Figure 0004813168
正極と負極を短絡させた時の正極電位が1.0V以下になるよう負極及び/又は正極に予めリチウムイオンを担持させることにより、高いエネルギー密度を有したキャパシタが得られた。実施例3では単位重量当たりの静電容量が大きな正極活物質を用いているため実施例1より高いエネルギー密度を有している。一方、高温電圧印加試験2000時間経過時においても容量保持率は85.5%と良好な値を示した。実施例3の(C×W)/(C×W)の値は6.8であった。従って、高容量な正極活物質を用いた場合でも(C×W)/(C×W)の値を5〜22.8とすることで良好な耐久性と高いエネルギー密度を併せ持つキャパシタが得られた。
(実施例4)
(負極3の製造法)
負極1と同様の方法で、全体の厚さ(両面の負極電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が66μmの負極3を得た。
(負極3の単位重量当たりの静電容量測定)
負極活物質重量に対して750mAh/g分のリチウムイオンを充電する以外は負極1と同様の方法で負極3の単位重量当たりの静電容量を求めたところ2600F/gであった。
(セル4の作製)
負極3を用い、負極活物質重量に対して750mAh/g分のリチウム金属を配置する以外はセル1と同様の方法で3セル組立てた。
また、正極1の総重量(5枚)、負極3の総重量(6枚)からそれぞれの活物質重量を算出したところ、正極活物質重量は0.3g、負極活物質重量は0.2gであった。従って、正極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、正極活物質重量W(g)、負極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、負極活物質重量W(g)とした時、(C×W)/(C×W)の値は12.4となった。
(セル4の特性評価)
セル組み立て後14日間放置後に1セルを分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていたことから、負極活物質の単位重量当たりに2600F/gの静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断した。
その後、1セルの正極と負極を短絡させ正極の電位を測定したところ、0.7Vであり、1.0V以下であった。
残ったフィルム型キャパシタセルをセル1と同様の方法で評価した。結果を表4に示す。
Figure 0004813168
正極と負極を短絡させた時の正極電位が1.0V以下になるよう負極及び/又は正極に予めリチウムイオンを担持させることにより、高いエネルギー密度を有したキャパシタが得られた。実施例4では予めドーピングさせたリチウムイオンの量が多く、単位重量当たりの静電容量が大きな負極を用いているため実施例1より高いエネルギー密度を有している。一方、高温電圧印加試験2000時間経過時においても容量保持率は90.4%と実施例1より良好な値を示した。実施例4の(C×W)/(C×W)の値は12.4であった。従って、高容量な負極を用いた場合でも(C×W)/(C×W)の値を10以上とすることでより良好な耐久性と高いエネルギー密度を併せ持つキャパシタが得られた。
(実施例5)
(負極4の製造法)
フラン樹脂炭の原料であるフルフリルアルコールを60℃で24時間保持することにより樹脂を硬化させ、黒色樹脂を得た。得られた黒色樹脂を静置式電気炉内に入れ、窒素雰囲気下にて1200℃まで3時間で昇温し、その到達温度にて2時間保持した。放冷冷却後取り出した試料をボールミルにて粉砕することにより、平均粒子径が約8μmの難黒鉛化性炭素粉末を得た。この難黒鉛化性炭素粉体のH/C比は0.008であった。
次に、この難黒鉛化性炭素粉体を用いる以外は負極1と同様の方法で、全体の厚さ(両面の負極電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が63μmの負極4を得た。
(正極4の製造法)
正極1と同様の方法で、正極全体の厚さ(両面の正極電極層厚さと両面の導電層厚さと正極集電体厚さの合計)が204μmの正極4を得た。
(負極4の単位重量当たりの静電容量測定)
負極活物質重量に対して550mAh/g分のリチウムイオンを充電する以外は負極1と同様の方法で負極4の単位重量当たりの静電容量を求めたところ6200F/gであった。
(正極4の単位重量当たりの静電容量測定)
正極1と同様の方法で正極4の単位重量当たりの静電容量を求めたところ140F/gであった。
(セル5の作製)
正極4、負極4を用い、負極活物質重量に対して550mAh/g分のリチウム金属を配置する以外はセル1と同様の方法で3セル組立てた。
また、正極4の総重量(5枚)、負極4の総重量(6枚)からそれぞれの活物質重量を算出したところ、正極活物質重量は0.35g、負極活物質重量は0.18gであった。従って、正極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、正極活物質重量W(g)、負極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、負極活物質重量W(g)とした時、(C×W)/(C×W)の値は22.8となった。
(セル5の特性評価)
セル組み立て後14日間放置後に1セルを分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていたことから、負極活物質の単位重量当たりに6200F/gの静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断した。
その後、1セルの正極と負極を短絡させ正極の電位を測定したところ、0.85Vであり、1.0V以下であった。
残ったフィルム型キャパシタセルをセル1と同様の方法で評価した。結果を表5に示す。
Figure 0004813168
正極と負極を短絡させた時の正極電位が1.0V以下になるよう負極及び/又は正極に予めリチウムイオンを担持させることにより、高いエネルギー密度を有したキャパシタが得られた。実施例5では負極単位重量当たりの静電容量Cを大きくすることで(C×W)/(C×W)の値を22.8と大きな値に設定している。そのため(C×W)/(C×W)の値を10以上としながら正極重量比も大きく設定でき、結果、他の実施例のセルより高容量、高エネルギー密度のセルが得られた。また、高温電圧印加試験2000時間経過時の容量保持率は94.7%と非常に優れた耐久性を示している。
従って、より大きな単位重量当たりの静電容量を持つ負極を用いて(C×W)/(C×W)の値を10以上とすることで、より良好な耐久性と非常に高いエネルギー密度を併せ持つキャパシタが得られた。
(比較例1)
(負極5の製造法)
負極1と同様の方法で、全体の厚さ(両面の負極電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が49μmの負極5を得た。
(正極5の製造法)
正極1と同様の方法で、正極全体の厚さ(両面の正極電極層厚さと両面の導電層厚さと正極集電体厚さの合計)が226μmの正極5を得た。
(負極5の単位重量当たりの静電容量測定)
負極1と同様の方法で負極5の単位重量当たりの静電容量を求めたところ1300F/gであった。
(正極5の単位重量当たりの静電容量測定)
正極1と同様の方法で正極5の単位重量当たりの静電容量を求めたところ140F/gであった。
(セル6の作製)
正極5、負極5を用いる以外はセル1と同様の方法で3セル組立てた。
また、正極5の総重量(5枚)、負極5の総重量(6枚)からそれぞれの活物質重量を算出したところ、正極活物質重量は0.4g、負極活物質重量は0.13gであった。従って、正極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、正極活物質重量W(g)、負極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、負極活物質重量W(g)とした時、(C×W)/(C×W)の値は3となった。
(セル6の特性評価)
セル組み立て後14日間放置後に1セルを分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていたことから、負極活物質の単位重量当たりに1300F/gの静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断した。
その後、1セルの正極と負極を短絡させ正極の電位を測定したところ、0.9Vであり、1.0V以下であった。
残ったフィルム型キャパシタセルをセル1と同様の方法で評価した。結果を表6に示す。
Figure 0004813168
正極と負極を短絡させた時の正極電位が1.0V以下になるよう負極及び/又は正極に予めリチウムイオンを担持させることにより、高いエネルギー密度を有したキャパシタが得られた。一方、比較例1の(C×W)/(C×W)の値は3であるが、高温電圧印加試験2000時間経過時の容量保持率は75.7%であり、実施例のセルに比べ大幅に低下した。
従って、耐久性を重視した場合、(C×W)/(C×W)の値は5〜22.8とするのが必要である
(比較例2)
(負極6の製造法)
負極1と同様の方法で、全体の厚さ(両面の負極電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が40μmの負極6を得た。
(正極6の製造法)
比表面積2200m/gの市販活性炭粉末を用いる以外は正極1と同様の方法で、正極全体の厚さ(両面の正極電極層厚さと両面の導電層厚さと正極集電体厚さの合計)が225μmの正極6を得た。
(負極6の単位重量当たりの静電容量測定)
負極1と同様の方法で負極6の単位重量当たりの静電容量を求めたところ1300F/gであった。
(正極6の単位重量当たりの静電容量測定)
正極1と同様の方法で正極6の単位重量当たりの静電容量を求めたところ160F/gであった。
(セル7の作製)
正極6、負極6を用いる以外はセル1と同様の方法で3セル組立てた。
また、正極6の総重量(5枚)、負極6の総重量(6枚)からそれぞれの活物質重量を算出したところ、正極活物質重量は0.4g、負極活物質重量は0.1gであった。従って、正極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、正極活物質重量W(g)、負極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、負極活物質重量W(g)とした時、(C×W)/(C×W)の値は2となった。
(セル7の特性評価)
セル組み立て後14日間放置後に1セルを分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていたことから、負極活物質の単位重量当たりに1300F/gの静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断した。
その後、1セルの正極と負極を短絡させ正極の電位を測定したところ、0.92Vであり、1.0V以下であった。
残ったフィルム型キャパシタセルをセル1と同様の方法で評価した。結果を表7に示す。
Figure 0004813168
正極と負極を短絡させた時の正極電位が1.0V以下になるよう負極及び/又は正極に予めリチウムイオンを担持させることにより、高いエネルギー密度を有したキャパシタが得られた。比較例2では比較例1より単位重量当たりの静電容量が大きな正極活物質を用いており、また、正極活物質の充填量が多いためより大きなエネルギー密度を有している。一方、比較例2の(C×W)/(C×W)の値は2であるが、高温電圧印加試験2000時間経過時の容量保持率は69.5%であり、実施例のセルに比べ大幅に低下した。
従って、高容量な正極活物質を用いた場合においても、耐久性を重視した場合、(C×W)/(C×W)の値は5〜22.8とするのが必要である
本発明のリチウムイオンキャパシタは高容量かつ長寿命であるので、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの駆動用または補助用蓄電源として極めて有効である。また、電動自転車、電動車椅子などの駆動用蓄電源、ソーラーエネルギーや風力発電などの各種エネルギーの蓄電装置、あるいは家庭用電気器具の蓄電源などとして好適に用いることができる。
本発明の好ましい実施形態である角型リチウムイオンキャパシタの概略断面図である。 本発明の他の好ましい実施形態である捲回型リチウムイオンキャパシタの概略断面図である。
符号の説明
1:正極 1a:正極集電体 2:負極
2a:負極集電体 3:セパレータ 4:リチウム金属
4a:集電体 5:外装容器 6:電極積層体
7:電極捲回体 8,9,10:取出し部 11:正極接続端子
12:負極接続端子

Claims (6)

  1. 正極、負極、及び、電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液を備えたリチウムイオンキャパシタであって、正極活物質がリチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質であり、負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質であり、正極と負極を短絡させた後の正極の電位が1.0V以下になるように負極及び/又は正極に対してリチウムイオンが予めドーピングされており、かつ、正極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、正極活物質重量W(g)、負極単位重量当たりの静電容量C(F/g)、負極活物質重量W(g)としたとき、(C×W)/(C×W)の値が5〜22.8であることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
  2. (C ×W )/(C ×W )の値が6.8〜22.8である請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  3. (C×W)/(C×W)の値が10以上である請求項1又は2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  4. /W の値が1.1〜1.94である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオンキャパシタ。
  5. 前記正極及び/又は負極が、それぞれ表裏面を貫通する孔を有する集電体を備えており、負極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によってリチウムイオンが負極にドーピングされている請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオンキャパシタ。
  6. 負極活物質は、正極活物質に比べて、単位重量当たりの静電容量が3倍以上を有し、かつ正極活物質の重量が負極活物質の重量よりも大きい請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオンキャパシタ。
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