JP5308646B2 - リチウムイオンキャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー密度、出力密度が高く、高容量で安全性が高いリチウムイオンキャパシタに関するものである。
近年、環境問題がクローズアップされる中、太陽光発電や風力発電によるクリーンエネルギーの貯蔵システムや、ガソリン車に代わる電気自動車用またはハイブリッド電気自動車用の電源の開発が盛んに行われている。さらに、最近ではパワーウインドウやIT関連機器など車載装置や設備が高性能・高機能化してきたこともあり、エネルギー密度、出力密度の点から新しい電源が求められるようになってきている。
こうした高エネルギー密度、高出力特性を必要とする用途に対応する蓄電装置の一つとして、グラファイト等の炭素材料を負極に用い、正極にLiCoO等のリチウム含有金属酸化物を用いた電池が実用化されている。
この電池は、電池組立後、充電することにより正極のリチウム含有金属酸化物から負極にリチウムを供給し、更に放電では負極リチウムを正極に戻すという、いわゆるロッキングチェア型電池であり、負極に金属リチウムを使用せずリチウムイオンのみが充放電に関与することから、リチウムイオン二次電池と呼ばれ、リチウム金属を用いるリチウム電池とは区別され、高電圧、高容量を特長としている。
さらにリチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタの蓄電原理を組み合わせた、いわゆるハイブリッドキャパシタと呼ばれる蓄電装置が注目されている。その一つとして、リチウムイオンを吸蔵、脱離し得る炭素材料に、予め化学的方法または電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵、担持(以下、適宜「ドーピング」ともいう)させて、負極電位を下げることによりエネルギー密度を大きくする有機電解質キャパシタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1では、従来の電気二重層キャパシタの課題であったエネルギー密度の向上を図った改良技術を提案するものであり、負極に炭素材料を用いて、予めリチウムイオンを吸蔵させることを特徴としている。
この種の有機電解質キャパシタでは、高性能が期待されるものの、負極に予めリチウムイオンをドーピング(適宜「予めドーピングさせること」を「プレドーピング」ともいう)させる場合に、負極全体にリチウムイオンを均一に担持させることに課題を有し、特に電極を捲回した円筒型蓄電装置や複数枚の電極を積層した角型電池のような大型の高容量セルでは、製造プロセス上及び品質上の重要な技術課題となっていた。
このような課題の解決方法として、正極集電体および負極集電体がそれぞれ表裏面に貫通する孔を備え、負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能であり、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウム金属との電気化学的接触により負極にリチウムイオンが担持される有機電解質電池も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記の有機電解質電池においては、電極集電体に表裏面を貫通する孔を設けることにより、リチウムイオンが電極集電体に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるため、積層枚数の多いセル構成の蓄電装置においても、該貫通孔を通じて、リチウム金属近傍に配置された負極だけでなくリチウム金属から離れて配置された負極にもリチウムイオンを電気化学的に担持させることが可能となる。
上記有機電解質キャパシタにおいては、リチウムイオン供給源と負極の対向面積を適切に設定することで安全性、信頼性をより高めたハイブリッドキャパシタも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平8−107048号公報(第2頁第2欄38行〜47行) 国際公開番号WO98/033227号公報(第11頁4行〜第12頁27行) 特開2006−286919号公報
上述のように、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料等に予めすなわち充電前にリチウムイオンを吸蔵させた負極は、負極が電気二重層キャパシタに用いられる活性炭よりも電位が卑になるので、正極活性炭と組み合わせたセルの耐電圧は向上し、かつ負極の容量は活性炭に比較し非常に大きいため、該負極を備えた有機電解質キャパシタ(適宜「リチウムイオンキャパシタ」ともいう)では高いエネルギー密度が得られることになる。
上記リチウムイオンキャパシタにおいて、セルは正極と負極とをセパレータを介して交互に積層した電極積層体として構成され、負極にはこの電極積層体の外部に正極および/または負極に対向して配置したリチウム金属からリチウムイオンが電極集電板の貫通孔を通して順次ドーピングされる。
この場合、負極および/または正極には予めドーピングするリチウムイオン量に応じて設定したリチウム金属のすべてがリチウムイオンとして均一にドーピングされることが好ましい。
また、キャパシタのエネルギー密度をより向上させるためには、ショートなどの不具合をともなわない範囲で、セパレータをできるだけ薄く設計することが望ましい。
しかしながら、ドーピング工程においてセル内に配置するリチウム金属に最も近い負極および/または正極からドーピングが進むため、セル内に配置したリチウム金属に近い負極および/または正極では、一時的に過剰のリチウムが拡散して通過することになり、極端な場合には、負極および/または正極表面にリチウム金属が析出する恐れもある。リチウム金属の量は、予め負極および/または正極にドーピングする量に合わせて適切に設定しているので、ドーピングが完了すればすべての負極および/または正極に均一にドーピングされてリチウム金属がセル内に残ることはないが、ドーピング過程での一時的なリチウム金属の偏析は、ショート原因となったり、負極および/または正極の劣化につながる等の不具合を生じる可能性がある。
本発明は、ショートなどの不具合なく所定量のリチウムイオンを予め負極および/または正極にドーピングすることができ、かつセルの組立て歩留り、生産性が優れるリチウムイオンキャパシタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者は、ドーピング工程におけるショートなどの不具合を生じることなく、負極および/または正極に所定量のリチウムイオンをドーピングできる方策について鋭意研究した。その結果、リチウム金属と対向する負極および/または正極の間に十分な物理的距離を保持することにより、ドーピング工程におけるショートなどの不具合をなくすことができることを見出し、更に生産性を落とさずにリチウム金属と対向する負極および/または正極に対し物理的な距離を保つことができるかを究明し、本発明を完成させるに至った。
上記課題を解決するために本発明が提案するものは、表裏面を貫通する孔を有する正極集電体上に形成された正極と、表裏面を貫通する孔を有する負極集電体上に形成された負極と、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒液からなる電解液と、前記負極および/または前記正極に電気化学的接触により予め担持させるリチウムイオンを供給するリチウムイオン供給源と、該リチウムイオン供給源、前記正極及び前記負極の間に設けられるセパレータとを備え、前記正極および/または前記負極とが交互に3層以上積層されてなるリチウムイオンキャパシタであって、前記正極の正極活物質がリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な物質を含み、前記負極の負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質を含み、前記セパレータとして、各々同じ膜厚のセパレータを用い、所定位置に設けられた前記リチウムイオン供給源と隣接する正極もしくは負極との間、または、所定位置に設けられた前記リチウムイオン供給源と隣接する正極もしくは負極との間および当該正極もしくは当該負極と隣接する負極もしくは正極との間を40〜120μmの範囲にすべく、少なくとも2枚以上のセパレータを挟装させてなり、その他の正極と負極との間には1枚のセパレータを挟装させることを特徴とするリチウムイオンキャパシタである。
リチウムイオンキャパシタのエネルギー密度を向上させるためには、ショート等の不具合を生じない範囲においてセパレータ厚をできるだけ小さくする必要があるが、リチウムイオンのドーピング工程においてはリチウムイオン供給源に最も近い負極および/または正極からドーピング進むため一時的にリチウムイオンが過剰となり析出のおそれがある。
そのため前記リチウムイオン供給源と隣接する前記正極および/または前記負極との間を40〜120μmの範囲にすべく、少なくとも2枚以上のセパレータを挟装させてなることにより、物理的距離を保持することでリチウムイオンの析出を抑えることが可能となる。
セパレータは本来正極と負極との短絡を防止するために極間に挟装されるが、上記物理的距離を保持するためにも有効である。上記物理的距離をその厚さとする1枚のセパレータを挟装してもよいが、厚さの薄いセパレータを複数枚重ねることでもよい。必要以上に厚いセパレータを使用しなくても上記物理的距離が保持できる。
なお前記リチウムイオン供給源と隣接する前記正極および/または前記負極との間をセパレータの挟装によって40〜120μmの範囲するが、さらに次の正極と負極との間も同様に物理的距離を保持することで、リチウムイオンの析出を抑えることがより有効となる。
前記3層以上に積層されてなるリチウムイオンキャパシタの最外層を負極とし、該最外層の負極のさらに外側に前記セパレータを介して前記リチウムイオン供給源を設けることができる。正極と負極との3層以上の積層構造、に後から前記リチウムイオン供給源を設けるからである。
リチウムイオン供給源としては、例えばリチウム金属をリチウム極集電体の表面に取り付けたものが相当する。
更にまた本発明が提案するものは、表裏面を貫通する孔を有する正極集電体上に形成された正極と、表裏面を貫通する孔を有する負極集電体上に形成された負極と、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒液からなる電解液と、前記負極および/または前記正極に電気化学的接触により予め担持させるリチウムイオンを供給するリチウムイオン供給源と、該リチウムイオン供給源、前記正極及び前記負極の間に設けられるセパレータとを備え、前記正極と前記負極とが前記セパレータを介して捲回されてなるリチウムイオンキャパシタであって、前記正極の正極活物質がリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な物質を含み、前記負極の負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質を含み、前記セパレータとして、各々同じ膜厚のセパレータを用い、所定位置に設けられた前記リチウムイオン供給源と隣接対向する正極部分もしくは負極部分との間、または、所定位置に設けられた前記リチウムイオン供給源と隣接対向する正極部分もしくは負極部分との間および当該正極部分もしくは当該負極部分と隣接対向する負極部分もしくは正極部分との間を40〜120μmの範囲にすべく、少なくとも2枚以上のセパレータを挟装させてなり、その他の正極部分と負極部分との間には1枚のセパレータを挟装させることを特徴とするリチウムイオンキャパシタである。
正極と負極とをセパレータを挟装して捲回してなるリチウムイオンキャパシタであり、連続してなる正極および/または負極のうち、リチウムイオン供給源と隣接対向する前記正極部分および/または前記正極部分との間を40〜120μmの範囲にすべく少なくとも2枚以上のセパレータを挟装したものである。
これによりリチウムイオン供給源から供給されるリチウムイオンを予め担持する前記負極および/または前記正極において、リチウムイオンが析出するのを抑えることができる。
前記正極と前記負極とが前記セパレータを介して捲回されてなるリチウムイオンキャパシタの最外層を負極とし、該最外層の負極のさらに外側に前記セパレータを介して前記リチウムイオン供給源を設けることができる。なお、製造上容易であるから上記の位置に前記リチウムイオン供給源を設けるが、捲回の中心に設けてもよい。
さらにまたセパレータのうち最外層に位置するセパレータを2枚重ねとし、若しくは前記最外層に位置するセパレータとその内側に位置するセパレータの双方を2枚重ねとすることが好ましい。
このようにすることで、負極と正極でのリチウムイオンの析出をより抑えることが可能となる。
さらにまた、前記正極と前記負極とを短絡させた後の前記正極電位が2.0V以下となるように、前記リチウムイオン供給源から前記負極および/または前記正極に予め所定量のリチウムイオンを担持させておくことが好ましい。
これより更に高いエネルギー密度を得ることができる。
さらに前記負極活物質が、前記正極活物質と対比して、単位重量あたりの静電容量を3倍以上を有し、かつ前記正極活物質の重量が前記負極活物質の重量より大きいことが好ましい。
正極の単位重量当たりの静電容量よりも、大きい単位重量当たりの静電容量を持つ負極を用いる場合には、負極の電位変化量を変えずに負極活物質重量を減らすことが可能となるため、正極活物質の充填量が多くなりセルの静電容量および容量を大きくできる。
本発明のリチウムイオンキャパシタによれば、上記したようにリチウムイオン供給源と対向する負極および/または正極の間に少なくとも2枚以上のセパレータを挟むことによって、ドーピング工程でショートなどの不具合なしにセルを組み立てることができる。
また、薄いセパレータでも複数枚重ねることによって物理的距離を保つことができるので、必要以上に厚いセパレータ使う必要がなく、必要な部分にのみセパレータを追加することで、エネルギー密度とセルの組立て生産性低下なく、セルの組立歩留りを向上できる。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、正極と、負極と、電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機電解液とを備え、正極活物質がリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な物質であり、かつ負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質であり、正極と負極を短絡させた後の正極および負極電位が2.0V以下を有していることが好ましい。
従来の電気二重層キャパシタでは、通常、正極と負極に同じ活物質(主に活性炭)をほぼ同量用いている。この活物質はセルの組立時のセル電圧ゼロの状態で、Li/Li電位を基準として約3Vの電位を有しており、キャパシタを充電することにより、正極表面には電解液中のアニオンが引き寄せられて電気二重層を形成して正極電位は上昇し、一方負極表面には電解液中のカチオンが引き寄せられて電気二重層を形成して電位が降下するものである。
そして放電時には逆に、正極からアニオンが、負極からはカチオンがそれぞれ電解液中に放出されて、電位はそれぞれ下降、上昇し、3V近傍に戻ってきて、セル電圧はゼロになる。このように通常の炭素材料は約3Vの電位を有しているため、正極、負極ともに炭素材料を用いた有機電解質キャパシタは、正極と負極を短絡させた後の正極および負極の電位はいずれも約3Vとなる。
これに対し、本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、上記のように正極と負極を短絡した後の正極の電位はLi/Li電位基準電で2.0V以下である。すなわち、本発明では正極にリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な活物質を用い、また負極にリチウムイオンを可逆的に担持可能な活物質を用い、正極と負極を短絡させた後に正極と負極の電位が2.0V以下になるように、負極および/または正極に予めリチウムイオンを担持させている。
なお本発明では、正極と負極を短絡させた後の正極の電位が2V以下とは、以下の(A)又は(B)の2つのいずれかの方法で求められる正極の電位が2V以下の場合をいう。
(A)リチウムイオンによるドーピングの後、キャパシタセルの正極端子と負極端子を導線で直接結合させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、0.5〜1.5時間内に測定した正極の電位、(B)充放電試験機にて12時間以上かけて0Vまで定電流放電させた後に正極端子と負極端子を導線で結合させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、0.5〜1.5時間内に測定した正極の電位をいう。
また、本発明において、正極と負極とを短絡させた後の正極電位が2.0V以下というのは、リチウムイオンがドーピングされたすぐ後だけに限られるものではなく、充電状態、放電状態あるいは充放電を繰り返した後に短絡した場合など、いずれかの状態で短絡後の正極電位が2.0V以下となることも含むものである。
本発明において、正極と負極とを短絡させた後の正極電位が2.0V以下になるということに関し、以下に詳細に説明する。
上述のように活性炭や炭素材料は通常3V(Li/Li基準)前後の電位を有しており、正極、負極ともに活性炭を用いてセルを組んだ場合、いずれの電位も約3Vとなるため、短絡しても正極電位はかわらず約3Vである。また、正極に活性炭、負極にリチウムイオン二次電池にて使用されている黒鉛や難黒鉛化炭素のような炭素材を用いた、いわゆるハイブリットキャパシタの場合も同様であり、いずれの電位も約3Vとなるため、短絡しても正極電位はかわらず約3Vである。
正極と負極の重量バランスにもよるが充電すると負極電位が0V近傍まで推移するので、充電電圧を高くすることが可能となるため高電圧、高エネルギー密度を有したキャパシタとなる。一般的に充電電圧の上限は正極電位の上昇による電解液の分解が起こらない電圧に決められるので、正極電位を上限にした場合、負極電位が低下する分、充電電圧を高めることが可能となるのである。
しかしながら、短絡時に正極電位が約3Vとなる上述のハイブリットキャパシタでは、正極の上限電位が例えば4.0Vとした場合、放電時の正極電位は3.0Vまでであり、正極の電位変化は1.0V程度と正極の容量を充分利用できていない。更に、負極にリチウムイオンを挿入(充電)、脱離(放電)した場合、初期の充放電効率が低い場合が多く、放電時に脱離できないリチウムイオンが存在していることが知られている。これは、負極表面にて電解液の分解に消費される場合や、炭素材料の構造欠陥部にトラップされる等の説明がなされているが、この場合、正極の充放電効率に比べ負極の充放電効率が低くなり、充放電を繰り返した後にセルを短絡させると正極電位は3Vよりも高くなり、さらに利用容量は低下する。
すなわち、正極は4.0Vから2.0Vまで放電可能であるところ、4.0Vから3.0Vまでしか使えない場合、利用容量として半分しか使っていないこととなり、高電圧にはなるが高容量にはならないのである。
ハイブリットキャパシタを高電圧、高エネルギー密度だけでなく、高容量そして更にエネルギー密度を高めるためには、正極の利用容量を向上させることが必要である。
短絡後の正極電位が3.0Vよりも低下すればそれだけ利用容量が増え、高容量になるということである。2.0V以下になるためには、セルの充放電により充電される量だけでなく、別途リチウム金属などのリチウムイオン供給源から負極にリチウムイオンを充電することが好ましい。
正極と負極以外からリチウムイオンが供給されるので、短絡させた時には、正極、負極、リチウム金属の平衡電位になるため、正極電位、負極電位ともに3.0V以下になる。リチウム金属の量が多くなる程に平衡電位は低くなる。負極材、正極材が変われば平衡電位も変わるので、短絡後の正極電位が2.0V以下になるように、負極材、正極材の特性を鑑みて負極に担持させるリチウムイオン量の調整が必要である。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、正極と負極を短絡させた後の正極電位が2.0V以下になるということは、上記したように該リチウムイオンキャパシタの正極および負極以外から正極および/又は負極にリチウムイオンが供給されているということによるものである。リチウムイオンの供給は負極と正極の片方あるいは両方いずれでもよいが、例えば正極に活性炭を用いた場合、リチウムイオンの担持量が多くなり正極電位が低くなると、リチウムイオンを不可逆的に消費してしまい、セルの容量が低下するなどの不具合が生じる場合があるので、負極と正極への供給するリチウムイオンの量は、不具合が生じないよう適宜制御が必要である。いずれの場合でも、予め正極および/又は負極に供給されたリチウムイオンはセルの充電により負極に供給されるので、負極電位は低下する。
また、正極と負極を短絡させた後の正極電位が2.0Vよりも高い場合は、正極および/又は負極に供給されたリチウムイオンの量が少ないためセルのエネルギー密度は小さいものとなる。リチウムイオンの供給量が多くなるほど正極と負極を短絡させた後の正極電位は低くなりエネルギー密度は向上する。そのため高いエネルギー密度を得るには2.0V以下が好ましく、更に高いエネルギー密度を得るには1.0V(Li/Li)以下が好ましい。
正極と負極とを短絡させた後の正極電位が低くなるということは、セルの充電により負極に供給されるリチウムイオンの量が多くなるということであり、負極の静電容量が増大するとともに負極の電位変化量が小さくなることで、結果的に正極の電位変化量が大きくなりセルの静電容量および容量が大きくなり、高いエネルギー密度が得られるのである。
また、正極電位が1.0Vを下回ると正極活物質にもよるが、ガス発生や、リチウムイオンを不可逆に消費してしまう等の不具合が生じるため、正極電位の測定が困難となる。そして正極電位が低くなりすぎる場合、負極重量が過剰ということであり、逆にエネルギー密度は低下する。これらのことから一般的には正極と負極を短絡させた後の正極電位は、0.1V以上であり、好ましくは0.3V以上である。
なお、本発明において静電容量、容量は次のように定義する。
セルの静電容量とは、セルの放電カーブの傾きを示し、単位はF(ファラッド)であり、セルの単位重量当たりの静電容量とは、セルの静電容量をセル内に充填している正極活物質重量と負極活物質重量の合計重量にて割った値であり、単位はF/gである。
正極の静電容量とは、正極の放電カーブの傾きを示し単位はFであり、正極の単位重量当たりの静電容量とは、正極の静電容量をセル内に充填している正極活物質重量にて割った値であり、単位はF/gである。
負極の静電容量とは、負極の放電カーブの傾きを示し単位はFであり、負極の単位重量当たりの静電容量とは、負極の静電容量をセル内に充填している負極活物質重量にて割った値であり、単位はF/gである。
更に、セル容量とは、セルの放電開始電圧と放電終了電圧の差、すなわち電圧変化量とセルの静電容量の積であり単位はC(クーロン)であるが、1Cは1秒間に1Aの電流が流れたときの電荷量であるので、本発明においては換算してmAh表示することとした。
正極容量とは放電開始時の正極電位と放電終了時の正極電位の差(正極電位変化量)と正極の静電容量の積であり単位はCまたはmAhで、同時に負極容量とは放電開始時の負極電位と放電終了時の負極電位の差(負極電位変化量)と負極の静電容量の積であり単位はCまたはmAhである。これらセル容量と正極容量、負極容量とは整合性を有するものである。
次に、本発明のリチウムイオンキャパシタの構成を図面に従って説明する。以下に示す図面は本発明の好ましい実施の態様を例示したものであり、本発明をこれに限定するものでない。
図1は本発明に係るリチウムイオンキャパシタ(以下、セルということもある)の代表的な一つであるフィルム型セルの断面図であり、図2は図1の平面図である。なお、図1の断面図は図2のA−A線の断面を示すものである。図3は負極の一部切り欠き斜視図である。
本発明においてセルは、図1に示すように正極1、負極2をセパレータ3を介して交互に積層して電極積層体11を形成して外装容器5内に設置し、この電極積層体11の上部に積層された正極1、負極2に対向してリチウムイオン供給源としてリチウム金属(リチウム極)4を配置して構成されている。
積層された各正極1は取出し部6によって正極接続端子9に例えば溶接で接続されており、また各負極2およびリチウム金属4はそれぞれ取出し部7およびリチウム極取出し部8によって負極接続端子10に接続されている。本実施形態では正極接続端子9と負極接続端子10を図2に示すようにフィルム型セルのそれぞれ左側端部と右側端部に設けているが、これら接続端子の位置は適宜変えることができる。
このように構成されたセル内にリチウムイオンを移送可能な電解液(電解質)を注入して封止し、この状態で所定時間(例えば10日間)放置しておくと、リチウム金属4と負極2とが短絡されているので、負極2に予めリチウムイオンをドーピングすることができる。なお、本発明において、「正極」とは放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極、「負極」とは放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
本実施形態では活物質層の数で正極2層、負極3層の合計5層によってセルを構成しているが、セルに組み込まれる正極、負極の層数は、セルの種類やセルに配置するリチウム金属の層数などによって異なり、通常は正極、負極それぞれ10〜20層程度である。
セルを構成する電極積層体11において、特にリチウム金属4が配置される側の最外部(図1では上部)はセパレータ3であり、その内側に負極2が設置されるのが好ましい。電極積層体11の最外部をセパレータ3にすることによって、電極にリチウム金属4が直接に接触するのを回避して電解液の注液後の急激なドーピングによる電極表面へのダメージを防ぐことができ、さらに電極積層体11を予め外部で作ってから外装容器5に設置するようなときには、セパレータ3で電極を覆って保護できるからである。
図3は、電極積層体11の内部に積層される負極2を一部を切り欠いて示したものである。負極2は、負極集電体2a上に負極活物質層(図中にはこの負極活物質層を負極2として示している)として形成され、電極積層体11の内部に積層される負極2では、負極集電体2aの両側に形成されるのが好ましい。しかし、電極積層体11の最外部に積層される負極では、通常、負極活物質層を負極集電体2aの片面(内面)だけに形成することができる。
上記負極集電体2aは、図3に示すように表裏面を貫通する孔12が設けられた多孔材料で、その側端部の一部に取出し部7を備えている。図示はしないが、正極1は正極活物質層で形成する点を除いて負極2同じようにして製造できる。このように負極集電体2aと正極集電体1aを多孔材料にすることによって、リチウムイオンは電極積層体11の端部から両集電体の貫通孔を通って自由に各極間を移動し、電極積層体11のすべての負極に均等にリチウムイオンをドーピングできる。
一方、セルの正極1、負極2に対向して配置されるリチウム金属4は、リチウム極集電体4aの片面または両面にリチウム金属を圧着して貼り付け形成されている。このリチウム極集電体4aは、リチウム金属を圧着しやすくし、必要に応じてリチウムイオンが通り抜けできるように、前記の負極集電体2aと同様に多孔構造のものが好ましい。
本発明はこのような構成を有するリチウムイオンキャパシタにおいて、セル内に設置される負極、正極、セパレータの電極積層体11において、最外層セパレータを2枚重ね、好ましくはもう1層内側のセパレータも2枚重ね、さらに好ましくはリチウム金属が配置される側の最外層およびもう1層内側のセパレータのみ2枚重ねであることを特徴とするキャパシタである。セパレータ3の2枚重ねにより十分な物理的距離を保持することで、リチウム金属4に近接する負極、正極におけるリチウム金属の析出が防止されるものである。
以下に、本発明のリチウムイオンキャパシタを構成する主要素について順次説明する。本発明の正極集電体および負極集電体としては、一般に有機電解質電池などの用途で提案されている種々の材質を用いることができる。正極集電体にはアルミニウム、ステンレス等、負極集電体にはステンレス、銅、ニッケル等をそれぞれ好適に用いることができ、箔状、ネット状等各種形状のものを用いることができる。特に負極および/又は正極に予めリチウムイオンを担持させるためには、表裏面を貫通する孔を備えたものが好ましく、例えばエキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体、あるいはエッチングにより貫通孔を付与した多孔質箔等を挙げることができる。電極集電体の貫通孔は丸状、角状、その他適宜設定できる。
電極集電体の貫通孔の形態、数等は、後述する電解液中のリチウムイオンが電極集電体に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるように、また、導電性材料によって閉塞し易いように、適宜設定することができる。
この電極集電体の気孔率は、{1−(集電体重量/集電体真比重)/(集電体見かけ体積)}の比を百分率に換算して得られるものと定義する。本発明に用いる電極集電体の気孔率は、通常、10〜79%、好ましくは20〜60%である。電極集電体の気孔率や孔径は、セルの構造や生産性を考慮し、上述の範囲で適宜選定することが望ましい。
上記負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に担持できるものであれば特に限定されず、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(PAS)等を挙げることができる。
本発明の好ましい形態において、PASのようなアモルファス構造を有する活物質を負極に用いた場合、担持させるリチウムイオン量を増加させるほど電位が低下するので、得られる蓄電装置の耐電圧(充電電圧)が高くなり、また、放電における電圧の上昇速度(放電カーブの傾き)が低くなるため、求められる蓄電装置の使用電圧に応じて、リチウムイオン量は活物質のリチウムイオン吸蔵能力の範囲内にて適宜設定することが望ましい。
また、負極活物質としては、PASのようにリチウムイオンの挿入・脱離に対して膨潤・収縮といった構造変化がなく、サイクル特性に優れ、またリチウムイオンの挿入・脱離に対して等方的な分子構造で、急速充放電にも優れた特性を有するものが好適である。
本発明において負極は、上記の負極活物質粉末を用いて負極集電体上に形成されるが、その方法は特に限定されず既知の方法が使用できる。
具体的には、負極活物質粉末、バインダーおよび必要に応じて導電性粉末を水系または有機溶媒中に分散させてスラリーとし、該スラリーを前記集電体に塗布するか、または上記スラリーを予めシート状に成形し、これを集電体に貼り付けることによって形成できる。ここで使用されるバインダーとしては、例えばSBR等のゴム系バインダーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の合フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。。バインダーの使用量は、負極活物質の種類や電極形状等により異なるが、負極活物質に対して1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
また、必要に応じて使用される導電性材料としては、アセチレンブラック、グラファイト等が挙げられる。導電性材料の使用量は負極活物質の電気伝導度、電極形状等により異なるが、負極活物質に対して2〜40重量%の割合で加えるのが適当である。
なお、負極活物質の厚さは、セルのエネルギー密度を確保できるように正極活物質との厚さのバランスで設計されるが、セルの出力密度とエネルギー密度、工業的生産性等を考慮すると、集電体の片面で通常、15〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいて、正極は、リチウムイオンおよび/又は、例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に把持できる正極活物質を含有する。
上記正極活物質としては、リチウムイオンおよび/又はアニオンを可逆的に担持できるものであれば特には限定されず、例えば活性炭、導電性高分子、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.05〜0.50であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(PAS)等を挙げることができる。なお、上記正極活物質を用いて正極集電体に正極を形成する方法は、前記した負極の場合と実質的に同様であるので、詳細な説明は省略する。
また、本発明のリチウムイオンキャパシタでは、負極活物質の単位重量当たりの静電容量が正極活物質の単位重量当たりの静電容量の3倍以上を有し、かつ正極活物質重量が負極活物質重量よりも大となることが好ましい。使用する正極の静電容量を考慮して負極へのリチウムイオンの担持量(プレドープ量)を適切に制御することにより、正極単位重量当たり静電容量の3倍以上の静電容量を確保し、かつ正極活物質重量が負極活物質重量よりも重くすることができる。
これにより、従来の電気二重層キャパシタよりも高電圧かつ高容量のキャパシタが得られる。さらに、正極の単位重量当たりの静電容量よりも大きい単位重量当たりの静電容量を持つ負極を用いる場合には、負極の電位変化量を変えずに負極活物質重量を減らすことが可能となるため、正極活物質の充填量が多くなりセルの静電容量および容量を大きくできる。正極活物質重量は負極活物質重量に対して大きいことが好ましく、1.1倍〜10倍の範囲画が好適である。
また1.1倍未満であれば正極、負極の容量差が小さくなり、負極容量が大きいことに起因するリチウムイオンキャパシタの利点を発現することができなくなる。10倍を超えると逆に正極量が負極量に比較して少なすぎるためにセル容量が小さくなり、また正極と負極の厚み差が大きくなり過ぎるのでセル構成上好ましくない。
本発明のリチウムイオンキャパシタに用いる電解質としては、リチウムイオンを移送可能な電解質を用いる。このような電解質は、通常溶媒に溶かして液状とし、セパレータに含浸できるようにしている。この電解質の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒電解質溶液を形成できる非プロトン性有機溶媒が好ましく使用できる。この非プロトン性有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等が挙げられる。更に、これら非プロトン性有機溶媒の二種以上を混合した混合液を用いることもできる。
また、かかる溶媒に溶解させる電解質としては、リチウムイオンを移送可能で高電圧でも電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在できるものであれば使用できる。このような電解質としては、例えばLiClO、LiAsF、LiBF、LiPF6、Li(CSON等のリチウム塩を好適に用いることができる。
上記の電解質及び溶媒は、充分に脱水された状態で混合して電解液とするが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするため少なくとも0.1モル/L以上とすることが好ましく、0.5〜1.5モル/Lの範囲内とすることが更に好ましい。
また、セパレータとしては、電解液あるいは電極活物質等に対して耐久性のある連通気孔を有する電気伝導性のない多孔体等を用いることができる。このセパレータの材質としては、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミドなどが挙げられ、既知のものを使用できる。これらの中ではセルロース(紙)が耐久性と経済性、取り扱い易さなどの点で優れている。
セパレータ自体の厚さは限定されないが、通常は20〜60μm程度が好ましい。
本発明では、層間に複数枚のセパレータを入れた効果をより確実なものにするには、セパレータ複数枚の厚さの合計が、好ましくは、40〜120μm、更に好ましくは、40〜80μmである。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいて、2個以上の電極ユニットを横方向または縦方向に積層してセルを構成するとき、積層する各電極ユニット間、あるいは更にセルの両側端部に位置する電極ユニットの一方または両方の外側には、負極および/又は正極に予めリチウムイオンを担持させるためのリチウムイオン供給源として、前記したようにリチウム金属が配置される。このリチウム金属としては、リチウム金属あるいはリチウム−アルミニウム合金のように、少なくともリチウム元素を含有し、リチウムイオンを供給することのできる物質を用いる。
この場合、キャパシタ内部に配置させるリチウムイオン供給源の量(リチウム金属等のリチウムイオンを供給することのできる物質の重量)は、所定の負極の容量が得られるだけの量があれば充分であるが、それ以上の量を配置させた場合はリチウム金属から所定量だけ担持させた後、リチウム金属をキャパシタ内部に残しておいてもよい。ただし、安全性を考慮すれば必要量のみ配置し、全量を負極および/又は正極に担持させた方が好ましい。
本発明において、リチウム金属は、導電性多孔体からなるリチウム極集電体上に形成することが好ましい。ここで、リチウム極集電体となる導電性多孔体としては、ステンレスメッシュ、銅メッシュ等のリチウムイオン供給源と反応しない金属多孔体を用いることが好ましい。例えばリチウムイオン供給源としてリチウム金属を用い、リチウム極集電体としてステンレスメッシュ等の導電性多孔体を用いる場合、リチウム金属の少なくとも一部、好ましくは80重量%以上がリチウム極集電体の多孔部と密着していることが好ましい。これにより、リチウムイオンが負極に担持された後も、リチウム金属の消失によって電極間に生じる隙間が少なくなり、リチウムイオンキャパシタの信頼性をより確実に保持できるからである。
リチウム金属をリチウム極集電体に形成する場合、リチウム金属は多孔体のリチウム極集電体の片面または両面に形成できる。セルの端部に位置する電極ユニットの外側に配置するリチウム金属では、電極ユニットの負極に対向する、リチウム極集電体の片面にだけ形成するのが好ましい。リチウム極集電体に圧着するリチウム金属の厚さは、負極に予め担持するリチウムイオン量を考慮して適宜決められるため限定されないが、通常リチウム極集電体の片面で約50〜300μm程度である。
本発明のリチウムイオンキャパシタの外装容器の材質は特に限定されず、一般に電池またはキャパシタに用いられている種々の材質を用いることができ、例えば鉄、アルミニウム等の金属材料、プラスチック材料、あるいはそれらを積層した複合材料等を使用できる。また、外装容器の形状も特に限定されず、円筒型や角型など、用途に応じて適宜選択することができる。リチウムイオンキャパシタの小型化、軽量化の観点からは、アルミニウムとナイロン、ポリプロピレンなどの高分子材料を積層したラミネートフィルムを用いたフィルム型の外装容器も好適に用いることができる。
以下、本発明のリチウムイオンキャパシタの製造方法の一例を示す。リチウムイオンキャパシタの電極集電体の貫通孔は、導電性材料で塞がれても塞がれなくても良い。
リチウムイオンキャパシタの正極または負極は、貫通孔を有する集電体に必要に応じて導電性材料による導電層を形成した後、正極活物質または負極活物質層を形成する。正極は、例えば、正極活物質をバインダー樹脂と混合してスラリーとし、正極集電体上にコーティングして乾燥させることにより形成することができる。負極も同様に、負極活物質をバインダー樹脂と混合してスラリーとし、負極集電体上にコーティングして乾燥させることにより形成できる。
リチウム極は、リチウム金属を導電性多孔体からなるリチウム極集電体上に圧着することにより形成する。リチウム極集電体の厚さは5〜200μm程度、リチウム金属の厚さは使用する負極活物質量にもよるが、一般的には50〜400μm程度である。
電極は乾燥させた後、セルの外装容器のサイズにあわせた幅にカットする。この際、端子溶接部として取出し部を有する形状にカットするのが好ましい。
ついで、電極を形成した電極集電体を、正極と負極とが互いに直接接触しないようにセパレータを挟み込みながら3層以上積層して電極ユニットを組み立てる。このとき、リチウムイオン供給源と対向する負極および/または正極の間に複数枚または40μm以上のセパレータを挟む。そして、その外側をテープで止める。このとき正極、負極の取出し部を所定の位置に揃えるようにする。
そして、組み立てた電極ユニットの下部と上部にリチウム金属を配置し、正極集電体の取出し部と正極端子、負極集電体およびリチウム極集電体の取出し部と負極端子とをそれぞれ超音波溶接等により溶接する。
上記のリチウム金属を配置した電極ユニットを外装容器の内部へ配置し、電解液注入口を残して熟融着等により外装容器を閉じる。外部端子は、外部回路と接続できるよう、少なくとも一部を外装容器の外部に露出させた状態とする。外装容器の電解液注入口から電解液を注入し、外装容器内部に電解液で充填した後、電解液注入口を熱融着等により閉じ、外装容器を完全に封止することにより、本発明のリチウムイオンキャパシタが得られることになる。
上記電解液を注入すると、すべての負極とリチウム金属が電気化学的に接触し、リチウム金属から電解液中に溶出したリチウムイオンは時間の経過とともに負極に移動し、所定量のリチウムイオンが負極に担持される。負極へのリチウムイオンの担持に当たっては、負極へのリチウムイオンの浸入により生じるひずみで負極の変形が発生し、負極の平坦性が損なわれないように、外部から力を加えて拘束しておくような工夫をすることが好ましい。特に、フィルム型電池では、外装容器からの接圧が円筒型や角型電池のような金属ケースを用いた電池より弱いので、外部からの圧力を加えて正極、負極の平坦性をとることによりセル自身の歪みもなくなり、セル性能が向上し、好ましい。
かくして、本発明の好ましい実施形態のリチウムイオンキャパシタは、正極にはリチウムイオンおよび/又はアニオンを可逆的に担持可能な活物質を用いており、そして電解質にはリチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液を用い、負極としては正極活物質の単位重量当たりの静電容量の3倍以上の静電容量を有し、かつ正極活物質重量が負極活物質重量よりも大きく、負極にリチウムを予め担持させるリチウム金属がセルに設けられることで、充電前の負極に予めリチウムイオンをドーピングできる。
また、正極の単位重量当たりの静電容量に対して大きな単位重量当たりの静電容量を持つ負極を用いたことにより、負極の電位変化量を変えずに負極活物質重量を減らすことが可能となるため、正極活物質の充填量が多くなりセルの静電容量および容量が大きくなる。また、負極の静電容量が大きいために負極の電位変化量が小さくなり、結果的に正極の電位変化量が大きくなりセルの静電容量および容量が大きくなる。
さらに、従来の電気二重層キャパシタでは放電時に正極電位は約3Vまでしか電位が下がらないが、本発明のリチウムイオンキャパシタでは負極電位が低いことにより正極電位が3V以下まで低下できるので、従来の電気二重層キャパシタの構成より高容量になる。
さらにまた、負極容量として必要な容量を得るために所定量のリチウムを予め負極に担持させることにより、通常のキャパシタの使用電圧が2.3〜2.7V程度であるのに対し、3V以上に高く設定でき、エネルギー密度が向上する。
次に具体的な製造方法および性能等を詳述する。
(実施例1)
(負極2−1の製造法)
厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で500℃まで50℃/時間の速度で、更に10℃/時間の速度で660℃まで昇温し、熱処理して、PASを合成した。かくして得られたPAS板をディスクミルで粉砕することにより、PAS粉体を得た。このPAS粉体のH/C比は0.21であった。
次に、上記PAS粉体100重量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN−メチルピロリドン80重量部に溶解した溶液とを充分に混合することによりスラリーを得た。該スラリーを厚さ18μmの銅箔片面に固形分にして約7mg/cm程度になるよう塗工し、乾燥、プレス後PAS負極2−1を得た。
(正極1−1の製造法)
市販の比表面積が1950m/g活性炭粉末100重量部とポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN−メチルピロリドン100重量部に溶解した溶液とを充分に混合することによりスラリーを得た。該スラリーをカーボン系導電塗料をコーティングした厚さ20μmのアルミニウム箔片面に固形分にして約7mg/cm程度になるよう塗工し、乾燥、プレス後正極1−1を得た。
(正極1−1の単位重量当たりの静電容量測定)
上記正極を1.5×2.0cmサイズに切り出し、評価用正極とした。正極と対極として1.5×2.0cmサイズ、厚み200μmの金属リチウムを厚さ50μmのポリエチレン製不織布をセパレーターとして介し模擬セルを組んだ。
参照極として金属リチウムを用いた。電解液としては、プロピレンカーボネートに、1モル/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いた。
充電電流1mAにて3.6Vまで充電しその後定電圧充電を行い、総充電時間1時間の後、1mAにて2.5Vまで放電を行った。3.5V〜2.5V間の放電時間より正極1の単位重量当たりの静電容量を求めたところ92F/gであった。
(負極2−1の単位重量当たりの静電容量測定)
上記負極を1.5×2.0cmサイズに4枚切り出し、評価用負極とした。負極と対極として1.5×2.0cmサイズ、厚み200μmの金属リチウムを厚さ50μmのポリエチレン製不織布をセパレーターとして介し模擬セルを組んだ。参照極として金属リチウムを用いた。電解液としては、プロピレンカーボネートに、1モル/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を用いた。
充電電流1mAにて負極活物質重量に対して280mAh/g、350mAh/g、400mAh/g、500mAh/g分のリチウムを充電し、その後1mAにて1.5Vまで放電を行った。放電開始後1分後の負極の電位から0.2V電位変化する間の放電時間より負極2−1の単位重量当たりの静電容量を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005308646
上記表1での充電量は負極に流れた充電電流の積算値を負極活物質重量にて割った値であり、単位はmAh/gである。
(負極2−2の製造法)
厚さ29μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)両面に上記負極2−1のスラリーをダイコーターにて成形し、プレス後負極全体の厚さ(両面の負極電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が145μmの負極2−2を得た。
(正極1−2の製造法)
厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)両面に非水系のカーボン系導電塗料(日本アチソン株式会社製:EB−815)をスプレー方式にてコーティングし、乾燥することにより導電層が形成された正極用集電体を得た。
全体の厚み(集電体厚みと導電層厚みの合計)は50μmであり貫通孔はほぼ導電塗料により閉塞された。上記正極1のスラリーをロールコーターにて該正極集電体の両面に成形し、プレス後正極全体の厚さ(両面の正極電極層厚さと両面の導電層厚さと正極集電体厚さの合計)が310μmの正極1−2を得た。
(電極積層体の作製)
厚さ145μmの負極2−2と、厚さ310μmの正極1−2を図3に示すような形状でそれぞれ、6.0×7.5cm(端子溶接部を除く)にカットし、セパレータとして厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を用いて、図1に示したように正極集電体、負極集電体の端子溶接部がそれぞれ反対側になるよう配置し、正極、負極の対向面が20層になるよう積層した。
正負極間および最上部には各1枚のセパレータを配置し、最下部およびその内側の正負極間には2枚のセパレータを配置させて4辺をテープ止めし、正極集電体の端子溶接部(10枚)、負極集電体の端子溶接部(11枚)をそれぞれ巾50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製正極端子及び銅製負極端子に超音波溶接して電極積層体を得た。なお、正極は10枚、負極は11枚用いた。正極活物質重量は負極活物質重量の1.4倍である。
(セル1の作製)
リチウム極として、リチウム金属箔(170μm、5.9×7.4cm2 、400mAh/g相当)を厚さ29μmの銅製エキスパンドメタルに圧着したものを用い、負極と完全に対向するように電極積層体の下部に1枚配置し三極積層ユニットを得た。なお、リチウム極集電体の端子溶接部は負極端子溶接部に抵抗溶接した。尚、リチウム金属の負極との対向面積の負極面積に対する比率は、97.0%である。
上記三極積層ユニットを6mm深絞りした外装フィルムの内部へ設置し(図1参照)、外装ラミネートフィルムで覆い三辺を融着後、電解液としてエチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびプロピレンカーボネートを重量比で3:4:1とした混合溶媒に、1モル/lの濃度にLiPFを溶解した溶液を真空含浸させた後、残り一辺を融着させ、フィルム型キャパシタを組立てた。尚、セル内に配置されたリチウム金属は負極活物質重量当たり400mAh/g相当である。
(負極の評価)
セル組み立て後20日間放置後にしぼり部の厚みを測定し、1セル分解した。このとき、リチウム金属は完全になくなっていることを確認した。このセルの最下層(リチウム金属と隣接した)の負極を取出し、前述の要領で負極活物質の単位重量当たりの静電容量を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0005308646
(比較例1)
電極積層体の作製において、正負極間、最上部および最下部に各1枚のセパレータ(厚さ35μm)を配置させて、実施例1と同様のセルを作製した。
セル組み立て後20日間放置後にしぼり部の厚みを測定し、1セル分解した。このとき、リチウム金属は完全になくなっていることを確認した。このセルの最下層(リチウム金属と隣接した)の負極を取出し、前述の要領で負極活物質の単位重量当たりの静電容量を求めた。結果を表3に示す。
Figure 0005308646
(実施例2)
電極積層体の作製において、正負極間、最上部に各1枚のセパレータを配置させて、最下部には2枚のセパレータを配置させた実施例1と同様のセルを作製した。
セル組み立て後20日間放置後にしぼり部の厚みを測定し、1セル分解した。このとき、リチウム金属は完全になくなっていることを確認した。このセルの最下層(リチウム金属と隣接した)の負極を取出し、前述の要領で負極活物質の単位重量当たりの静電容量を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0005308646
比較例2、3
電極積層体の作製において、正負極間、最上部および最下部に各1枚のセパレータを配置させて、実施例1と同様のセルを作製した。このとき、セパレータは厚みが30μm(比較例2)、50μm(比較例3)のものをそれぞれに使用した。
セル組み立て後20日間放置後にしぼり部の厚みを測定し、1セル分解した。このとき、リチウム金属は完全になくなっていることを確認した。このセルの最下層(リチウム金属と隣接した)の負極を取出し、前述の要領で負極活物質の単位重量当たりの静電容量を求めた。結果を表5に示す。
Figure 0005308646
表2〜4に示すように、リチウム金属と最も近い負極と隣接するセパレータの枚数を増やすことにより、負極の容量低下をともなわずにセルが作製できるこれは、負極と隣接する正極とが十分な距離を取れないと、プレドープ中の負極表面上へのリチウム金属の偏析により、析出したリチウム金属が隣接する正極と微短絡を起こし、必要なリチウム量を負極内にドーピングできなかったり、負極自体の劣化につながったりしためと考えられる。一方、セパレータ厚みをむやみに厚くしてしまうと、必要以上にセル厚みが厚くなり、エネルギー密度を下げることになってしまう。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの駆動用または補助用蓄電源として極めて有効である。また、電動自転車、電動車椅子などの駆動用蓄電源、ソーラーエネルギーや風力発電などの各種エネルギーの蓄電装置、あるいは家庭用電気器具の蓄電源などとして好適に用いることができる。
本発明の好ましい実施の形態であるリチウムイオンキャパシタの断面図(図2のA−Aの断面)。 図1の平面図。 負極の一部を切り欠いた斜視図である。
符号の説明
1 正極
1a 正極集電体
2 負極
2a 負極集電体
3 セパレータ
4 リチウム金属
4a リチウム極集電体
5 外装容器
6 取出し部
7 取出し部
8 リチウム極取出し部
9 正極接続端子
10 負極接続端子
11 電極積層体
12 孔

Claims (9)

  1. 表裏面を貫通する孔を有する正極集電体上に形成された正極と、表裏面を貫通する孔を有する負極集電体上に形成された負極と、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒液からなる電解液と、前記負極および/または前記正極に電気化学的接触により予め担持させるリチウムイオンを供給するリチウムイオン供給源と、該リチウムイオン供給源、前記正極及び前記負極の間に設けられるセパレータとを備え、前記正極および/または前記負極とが交互に3層以上積層されてなるリチウムイオンキャパシタであって、
    前記正極の正極活物質がリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な物質を含み、前記負極の負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質を含み、前記セパレータとして、各々同じ膜厚のセパレータを用い、
    所定位置に設けられた前記リチウムイオン供給源と隣接する正極もしくは負極との間、または、所定位置に設けられた前記リチウムイオン供給源と隣接する正極もしくは負極との間および当該正極もしくは当該負極と隣接する負極もしくは正極との間を40〜120μmの範囲にすべく、少なくとも2枚以上のセパレータを挟装させてなり、その他の正極と負極との間には1枚のセパレータを挟装させることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
  2. 前記3層以上に積層されてなるリチウムイオンキャパシタの最外層を負極とし、該最外層の負極のさらに外側に前記セパレータを介して前記リチウムイオン供給源を設けてなることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  3. 表裏面を貫通する孔を有する正極集電体上に形成された正極と、表裏面を貫通する孔を有する負極集電体上に形成された負極と、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒液からなる電解液と、前記負極および/または前記正極に電気化学的接触により予め担持させるリチウムイオンを供給するリチウムイオン供給源と、該リチウムイオン供給源、前記正極及び前記負極の間に設けられるセパレータとを備え、前記正極と前記負極とが前記セパレータを介して捲回されてなるリチウムイオンキャパシタであって、
    前記正極の正極活物質がリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な物質を含み、前記負極の負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質を含み、前記セパレータとして、各々同じ膜厚のセパレータを用い、
    所定位置に設けられた前記リチウムイオン供給源と隣接対向する正極部分もしくは負極部分との間、または、所定位置に設けられた前記リチウムイオン供給源と隣接対向する正極部分もしくは負極部分との間および当該正極部分もしくは当該負極部分と隣接対向する負極部分もしくは正極部分との間を40〜120μmの範囲にすべく、少なくとも2枚以上のセパレータを挟装させてなり、その他の正極部分と負極部分との間には1枚のセパレータを挟装させることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
  4. 前記正極と前記負極とが前記セパレータを介して捲回されてなるリチウムイオンキャパシタの最外層を負極とし、該最外層の負極のさらに外側に前記セパレータを介して前記リチウムイオン供給源を設けてなることを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  5. 前記セパレータのうち最外層に位置するセパレータを2枚重ねとし、若しくは前記最外層に位置するセパレータとその内側に位置するセパレータの双方を2枚重ねとすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  6. 前記セパレータの厚みが35μm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  7. 前記セパレータの厚みが20〜35μmであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  8. 前記正極と前記負極とを短絡させた後の前記正極電位が2.0V以下となるように、前記リチウムイオン供給源から前記負極および/または前記正極に予め所定量のリチウムイオンを担持させておくことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  9. 前記負極活物質が、前記正極活物質と対比して、単位重量あたりの静電容量を3倍以上を有し、かつ前記正極活物質の重量が前記負極活物質の重量より大きいことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のリチウムイオンキャパシタ。
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