JP5430329B2 - 蓄電源 - Google Patents
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Description
かかる有機電解質キャパシタとしては、正極および負極が電解液を含浸可能なセパレータを介して積重された電極積重体がその一端から捲回されてなる電極ユニットを有する捲回型のもの、複数の正極および複数の負極が電解液を含浸可能なセパレータを介して交互に積重された電極積重体よりなる電極ユニットを有する積層型のものが知られており、これらのキャパシタにおいては、電極ユニットのセパレータに設けられた粘着剤層を有するテープによって、電極ユニット全体が固定されている。
この電極ユニットの外周面を形成する前記第2のセパレータの他端側部分の内面に接するよう設けられた第2のリチウムイオン供給源、および、
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
前記負極および/または前記正極と前記第2のリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンが当該負極および/または当該正極にドーピングされる蓄電源であって、
前記第2のセパレータの他端側部分の外面には、前記電極ユニットを固定する、一面に粘着剤層が形成されたテープが、当該粘着剤層が前記第2のセパレータを介して前記第2のリチウムイオン供給源と重ならないよう設けられていることを特徴とする。
このような蓄電源においては、前記第1のセパレータの一端側部分には、負極が配置される面とは反対の面に前記第1のリチウムイオン供給源が配置され、前記電極積重体がその一端から前記第1のリチウムイオン供給源が内側となるよう捲回されていてもよい。
図1は、本発明に係る捲回型LICの一例における構成を示す説明用断面図である。
この捲回型LICにおいては、外装容器20内に、電極捲回ユニット10が設けられている。
本発明において、「正極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味し、「負極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
また、電極ユニット10の両端には、それぞれ正極11および負極12に電気的に接続された正極端子17および負極端子18が引き出されている。
図4は、電極捲回ユニットにおける電極を展開した状態で示す説明用平面図であり、図5は、図4に示す電極のA−A断面を拡大して示す説明図である。
この例の負極12(正極11)は、帯状の負極集電体12a(正極集電体11a)の一面(図5において上面)に、下地層12c(11c)を介して負極活物質または正極活物質を含有してなる電極層12b(11b)が形成されてなり、負極集電体12a(正極集電体11a)の他面には、負極端子18(正極端子17)が例えばステッチングまたはコールドウェルディングによって固定されて接続されている。
ここで、負極端子18および正極端子17は、電極捲回ユニット10の両端から別々に引き出されていても、一方の端部から引き出されていてもよい。また、負極端子18および正極端子17は、それぞれ1つ設けられていればよいが、それぞれ複数設けられることが、内部抵抗が低下するため好ましい。
電極集電体の孔Hの形状は、円形、矩形、その他適宜の形状に設定することができる。また、電極集電体の厚みは、強度および軽量化の観点から、20〜50μmであることが好ましい。
電極集電体の材質としては、一般に有機電解質電池などの用途で使用されている種々のものを用いることができる。負極集電体12aの材質の具体例としては、ステンレス、銅、ニッケル等が挙げられ、正極集電体11aの材質のとしては、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
このような多孔材を電極集電体として用いることにより、リチウムイオン供給源15,16が電極捲回ユニット10における内周面および外周面の両方に配置されていても、リチウムイオンがリチウムイオン供給源15,16から電極集電体の孔Hを通って自由に各電極間を移動するので、負極12および/または正極11にリチウムイオンをドーピングすることができる。
また、電極の厚み(電極集電体および電極層の合計の厚み)を小さくすることにより、一層高い出力密度を得ることができる。
また、電極集電体における孔Hの形態および数等は、後述する電解液中のリチウムイオンが集電体に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるように、また、導電性材料によって閉塞し易いように適宜設定することができる。
電極層12bを構成する負極活物質としては、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子数比(以下「H/C」と記す。)が0.50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(以下、「PAS」という。)等を好適に用いることができる。
ここで、スラリーの調製に用いられるバインダーとしては、例えばSBR等のゴム系バインダーや、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の合フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中では、バインダーとしてフッ素系樹脂が好ましく、特にフッ素原子/炭素原子の原子比(以下、「F/C」という。)が0.75以上で1.5未満であるフッ素系樹脂を用いることが好ましく、F/Cが0.75以上で1.3未満のフッ素系樹脂が更に好ましい。
バインダーの使用量は、負極活物質の種類や電極形状等により異なるが、負極活物質に対して1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。
また、必要に応じて使用される導電性材料としては、例えばアセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。この導電性材料の使用量は、負極活物質の電気伝導度、電極形状等により異なるが、負極活物質に対して2〜40質量%の割合で用いることが好ましい。
図示の例では、電極層12bが負極集電体12aの一面のみに形成されているが、電極層12bが負極集電体12aの両面に形成される場合には、例えば負極集電体12aの両面のいずれかにスラリーを間欠塗工して負極集電体12aに未塗工領域を形成することにより、当該未塗工領域に負極端子18を接続することができる。
電極層11bを構成する正極活物質としては、例えば活性炭、導電性高分子、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であってH/Cが0.05〜0.50であるポリアセン系骨格構造を有するPAS等を用いることができる。
正極11における電極層11bは、負極12における電極層12bと同様の方法によって形成することができる。
また、本発明に係る捲回型LICにおいては、上記したように正極11と負極12とを短絡した後における正極11の電位は2.0V(Li/Li+ 、以下同じ。)以下となることが好ましい。すなわち、本発明に係る捲回型LICにおいては、正極活物質としてリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能なものを用い、一方、負極活物質としてリチウムイオンを可逆的に担持可能な活物質を用い、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11および負極12の電位が2.0V以下になるように、負極12および/または正極11に予めリチウムイオンを担持させることが好ましい。
上述のように活性炭や炭素材は通常3V(Li/Li+ )前後の電位を有しており、活物質として正極および負極の両方に活性炭を用いてキャパシタを構成した場合には、いずれの電位も約3Vとなるため、正極と負極とを短絡しても正極の電位は変化せず約3Vのままである。また、正極活物質として活性炭を用い、負極活物質としてリチウムイオン二次電池に使用されている黒鉛や難黒鉛化炭素等の炭素材料を用いた、いわゆるハイブリットキャパシタの場合も同様であり、いずれの電位も約3Vとなるため、正極と負極とを短絡しても正極の電位は変化せず約3Vのままである。従って、正極および負極の質量バランスにもよるが、充電すると負極の電位が0V近傍まで推移するので、充電電圧を高くすることが可能となるため、高電圧、高エネルギー密度を有するキャパシタが得られる。一般的に、充電電圧の上限は正極の電位の上昇による電解液の分解が起こらない電圧に定められるので、正極の電位を上限にした場合には、負極の電位が低下する値だけ、充電電圧を高めることが可能となる。
従って、キャパシタとして、高電圧および高エネルギー密度を得るだけでなく、高容量および高エネルギー密度を得るためには、正極の利用容量を向上させることが必要となる。
第1のセパレータ13および第2のセパレータ14の材質としては、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他公知のものを用いることができる。これらの中では、セルロース(紙)が耐久性および経済性の点で好ましい。
第1のセパレータ13および第2のセパレータ14の厚みは特に限定されないが、通常、20〜50μm程度が好ましい。
このリチウム極集電体15a,16aとしては、リチウムイオン供給源15,16を構成するリチウム金属が圧着しやすく、必要に応じてリチウムイオンが通過するよう、電極集電体と同様な多孔構造のものを用いることが好ましい。また、リチウム極集電体15a,16aの材質は、ステンレス等のリチウムイオン供給源15,16と反応しないものを用いることが好ましい。
また、リチウム極集電体15a,16aとして、ステンレスメッシュ等の導電性多孔体を用いる場合には、リチウムイオン供給源15,16を構成するリチウム金属の少なくとも一部、特に80質量%以上が、リチウム極集電体15a,16aの孔に埋め込まれていることが好ましく、これにより、リチウムイオンが負極12に担持された後も、リチウム金属の消失によって電極間に生じる隙間が少なくなり、得られる捲回型LICの信頼性をより確実に維持することができる。
また、リチウム極集電体15a,16aの厚みは、10〜200μm程度であることが好ましい。
また、リチウム極集電体15a,16aに圧着されるリチウム金属の厚みは、負極12に予め担持するリチウムイオンの量を考慮して適宜定められるが、通常、50〜300μm程度が好ましい。
また、芯棒19の径は、電極捲回ユニット10の内周の径に応じて適宜設定することができる。
また、テープ25は、厚みが50〜100μm程度、幅が5〜10mm程度のものが、電極捲回ユニット10を安定して固定することができ、かつ、作業性も向上するので好ましい。
また、テープ25は、電極捲回ユニット10の1周以上を捲くよう設けられていても、電極捲回ユニット10の1周未満を捲くよう設けられていてもよい。
電解質を構成するリチウム塩としては、リチウムイオンを移送可能で、高電圧下においても電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在し得るものであればよく、その具体例としては、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、Li(C2 F5 SO2 )2 Nなどが挙げられる。
非プロトン性有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの非プロトン性有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電解液は、上記の電解質および溶媒を充分に脱水された状態で混合することによって調製されるが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするために、少なくとも0.1モル/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5モル/Lであることが更に好ましい。
そして、このようにして作製された捲回型LICにおいては、外装容器20内にリチウムイオンを供給し得る電解液が充填されているため、適宜の期間放置されると、負極12および/または正極11とリチウムイオン供給源15,16との電気化学的接触によって、リチウムイオン供給源15,16から放出されたリチウムイオンが負極12および/または正極11にドーピングされる。
また、予め第1のセパレータ13および第2のセパレータ14にリチウムイオン供給源15,16を配置した状態で電極積重体10Aが捲回されることによって、電極捲回ユニット10の作製とリチウムイオン供給源15,16の配置とを同一の工程で行うことができるため、一層高い生産性が得られる。
(1)図7に示すように、テープ25として、第2のセパレータ14の幅と同等の長さの帯状の形状を有し、その両端部分の各々の一面に粘着剤層27を有するものを用い、当該テープ25が、その粘着剤層27の各々が第2のセパレータ14における側縁部分14Sの各々に位置された状態で、第2のセパレータ14の他端部14Eに沿って幅方向(図7において左右方向)に伸びるよう設けられていてもよい。このような構成によれば、一つのテープ25によって電極捲回ユニット10を固定することができるので、捲回型LICの製造において作業性を向上することができる。
(2)本発明の蓄電源は、複数の正極および複数の負極がセパレータを介して交互に積重された電極積重体よりなる電極ユニットを有する積層型のものであってもよく、この場合には、リチウムイオン供給源を、電極積重体における最初に配置されたセパレータに設けることができる。このような構成においては、最初に配置されたセパレータ上には、負極が配置されていることが好ましい。
(3)本発明の蓄電源は、LICに限定されず、捲回型または積層型のリチウムイオン二次電池にも好適に適用することができ、また、その他の積層型または捲回型の蓄電源に適用することもできる。
図1〜図6の構成に従い、以下のようにして電極捲回ユニットを作製した。
(1)負極の製造:
厚みが0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で50℃/時間の速度で500℃まで昇温し、更に10℃/時間の速度で660℃まで昇温して熱処理することにより、PAS板を製造した。得られたPAS板をディスクミルで粉砕することにより、PAS粉体を調製した。このPAS粉体のH/C比は0.21であった。
次いで、調製したPAS粉体100質量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末10質量部とを、N−メチルピロリドン80質量部に添加して溶解・分散することにより、負極用スラリーを調製した。この負極用スラリーを、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる負極集電体の両面に、ダイコーターによって、塗工部の長さが280.0cm、未塗工部の長さが10cmとなるよう間欠塗工して乾燥し、得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、電極層を形成し、以て、負極を製造した。
得られた負極の厚み(負極集電体とその両面に形成された電極層との合計の厚み)は、77μmであった。
また、この負極を作用極、リチウム金属を対極、参照極とし、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液を用いてキャパシタを構成し、負極活物質の質量に対して400mAh/g分のリチウムイオンを充電し、負極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ、661F/gであった。
比表面積が1950m2 /gの活性炭粉末100質量部と、アセチレンブラック10質量部と、アクリル系バインダー7質量部と、カルボキシメチルセルロース4質量部とを、水に添加して分散することにより、正極用スラリーを調製した。
一方、厚さが35μmで気孔率が50%のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる正極集電体の両面に、非水系のカーボン系導電塗料(日本アチソン株式会社製:EB−815)を、ダイコーターによって、塗工部の長さが260cm、未塗工部の長さが10cmとなるよう間欠塗工して乾燥することにより、下地層を形成した。正極集電体とその両面に形成された下地層との合計の厚みは、52μmであり、正極集電体の孔は、下地層によって閉塞されていた。
次いで、調製した正極用スラリーを、下地層が形成された正極集電体の両面に、ダイコーターによって、塗工部の長さが260cm、未塗工部の長さが10cmとなるよう間欠塗工して乾燥し、得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、電極層を形成し、以て、正極を製造した。
得られた正極の厚み(正極集電体とその両面に形成された下地層および電極層との合計の厚み)は、212μmであった。
また、この正極を作用極、リチウム金属を対極、参照極とし、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液を用いてキャパシタを構成し、3.5V〜2.5V間の放電時間より正極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ、119F/gであった。
製造した負極を、その端部から10mmの位置で負極集電体の未塗工部を含むように12.7cm(幅)×280.0cm(長さ)の寸法にカットした後、ニッケル製の負極端子を負極集電体の未塗工部上に配置して超音波溶接により接続した。
また、製造した正極を、その端部から10mmの位置で正極集電体の未塗工部を含むように12.2cm(幅)×260.0cm(長さ)の寸法にカットし、アルミニウム製の正極端子を正極集電体の未塗工部上に配置して超音波溶接により接続した。
また、それぞれ厚みが35μmのセルロース/レーヨン混合不織布よりなる第1のセパレータおよび第2のセパレータを用意し、得られる電極捲回ユニットの最内周部分となる第1のセパレータの一端側部分の表面に、長さが3.5cm、幅が10.0cmで、厚みが170μmのリチウム金属箔よりなるリチウムイオン供給源を配置し、これを圧着することによって固定し、このリチウムイオン供給源上に、長さが3.5cm、幅が12.7cmで、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製エキスパンドメタルよりなるリチウム極集電体を配置し、これを圧着することによって固定した。一方、得られる電極捲回ユニットの最外周部分となる第2のセパレータの他端側部分の一面に、長さが110cm、幅が10.0cmで、厚みが170μmのリチウム金属箔よりなるリチウムイオン供給源を配置し、これを圧着することによって固定し、これらのリチウムイオン供給源上に、長さが110cm、幅が12.7cmで、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製エキスパンドメタルよりなるリチウム極集電体を配置し、これを圧着することによって固定した。
そして、第1のセパレータにおけるリチウムイオン供給源が圧着された面とは反対の面上に、負極、第2のセパレータおよび正極をこの順で積重することにより、電極積重体を構成した。ここで、正極および負極は、それぞれの電極層が第2のセパレータを介して互いに対向するよう配置した。この電極積重体を、直径8mmのステンレス製の芯棒に対し、第1のセパレータが内側となるよう当該電極積重体の一端から捲回することにより、内径8mm、外径38mmの円筒状の電極捲回ユニットを作製し、この電極捲回ユニットの第2のセパレータにおける側縁部分の各々の他面に、一面に粘着剤層を有する、縦横の寸法が5.0cm×1.0cmで、厚みが35μmのポリプロピレンよりなる2つのテープを、第2のセパレータを介してリチウムイオン供給源に重ならないよう設けることによって、当該電極捲回ユニットを固定した。
得られた電極捲回ユニットを、常圧、40℃の条件下に、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液中に浸し、リチウムイオン供給源であるリチウム金属箔を観察したところ、72時間経過後に、リチウム金属箔が消失し、負極にリチウムイオンがドーピングされていることが確認された。
実施例1と同様にして電極捲回ユニットを作製し、この電極捲回ユニットの第2のセパレータの他面に、縦横の寸法が5.0cm×12.0cmで、厚みが35μmの帯状の形状を有し、その両端部分の各々の一面に、縦横の寸法が5.0cm×1.0cmの粘着剤層を有する、ポリプロピレンよりなるテープを、その粘着剤層の各々が第2のセパレータにおける側縁部分の各々に位置された状態で、第2のセパレータの他端部に沿って幅方向に伸びるよう設けることにより、当該電極捲回ユニットを固定した。
得られた電極捲回ユニットを、常圧、40℃の条件下に、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液中に浸し、リチウムイオン供給源であるリチウム金属箔を観察したところ、72時間経過後に、リチウム金属箔が消失し、負極にリチウムイオンがドーピングされていることが確認された。
実施例1と同様にして電極捲回ユニットを作製し、この電極捲回ユニットの第2のセパレータの他面に、縦横の寸法が5.0cm×10.0cmで、厚みが35μmの帯状の形状を有し、一面全面に粘着剤層を有する、ポリプロピレンよりなるテープを、第2のセパレータの他端部に沿って幅方向に伸びるよう設けることにより、当該電極捲回ユニットを固定した。ここで、テープの粘着剤層は、第2のセパレータを介してリチウムイオン供給源であるリチウム金属箔に重ねられた状態である。
得られた電極捲回ユニットを、常圧、40℃の条件下に、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液中に浸し、リチウムイオン供給源であるリチウム金属箔を観察したところ、リチウム金属箔が消失するのに、92時間を要した。
10A 電極積重体
11 正極
11a 正極集電体
11b 電極層
11c 下地層
11E 正極の外端部
12 負極
12a 負極集電体
12b 電極層
12c 下地層
13 第1のセパレータ
13a 最内周部分
14 第2のセパレータ
14a 余剰部分
14E 第2のセパレータの他端部
14S 第2のセパレータの側縁部分
15,16 リチウムイオン供給源
15a,16a リチウム極集電体
16E リチウムイオン供給源の外端部
17 正極端子
18 負極端子
19 芯棒
20 外装容器
25 テープ
27 粘着剤層
孔 H
Claims (7)
- 表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含有する電極層が形成されてなる正極と、表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有する電極層が形成されてなる負極とを有し、第1のセパレータ、負極、第2のセパレータおよび正極の順で積重された電極積重体がその一端から捲回されて構成され、外周面が前記第2のセパレータの他端側部分によって形成された電極ユニット、
この電極ユニットの外周面を形成する前記第2のセパレータの他端側部分の内面に接するよう設けられた第2のリチウムイオン供給源、および、
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
前記負極および/または前記正極と前記第2のリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンが当該負極および/または当該正極にドーピングされる蓄電源であって、
前記第2のセパレータの他端側部分の外面には、前記電極ユニットを固定する、一面に粘着剤層が形成されたテープが、当該粘着剤層が前記第2のセパレータを介して前記第2のリチウムイオン供給源と重ならないよう設けられていることを特徴とする蓄電源。 - 前記第2のリチウムイオン供給源は、金属製集電体に圧着または積重されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電源。
- 前記第2のリチウムイオン供給源が圧着または積重された金属製集電体は多孔箔よりなることを特徴とする請求項2に記載の蓄電源。
- 前記第1のセパレータの一端側部分に第1のリチウムイオン供給源が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の蓄電源。
- 前記第1のセパレータの一端側部分には、負極が配置される面とは反対の面に前記第1のリチウムイオン供給源が配置され、前記電極積重体がその一端から前記第1のリチウムイオン供給源が内側となるよう捲回されていることを特徴とする請求項4に記載の蓄電源。
- 前記テープは、前記第2のセパレータの他端部を跨ぐ状態で設けられていることを特徴とする請求項5に記載の蓄電源。
- リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の蓄電源。
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