JP5160061B2 - 有機電解質電池 - Google Patents

有機電解質電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5160061B2
JP5160061B2 JP2006274086A JP2006274086A JP5160061B2 JP 5160061 B2 JP5160061 B2 JP 5160061B2 JP 2006274086 A JP2006274086 A JP 2006274086A JP 2006274086 A JP2006274086 A JP 2006274086A JP 5160061 B2 JP5160061 B2 JP 5160061B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
current collector
tab terminal
organic electrolyte
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006274086A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008091302A (ja
Inventor
良康 青木
哲 名倉
智洋 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP2006274086A priority Critical patent/JP5160061B2/ja
Publication of JP2008091302A publication Critical patent/JP2008091302A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5160061B2 publication Critical patent/JP5160061B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、有機溶媒に支持電解質を溶解した電解液(有機電解液)を用いる電池(有機電解質電池)に関する。
近年の電子機器の小型化、薄型化、高機能化に伴い、それら電子機器の主電源やバックアップ電源として用いられる電池に対する小型化、薄型化、軽量化、高容量化、高電圧化等への要求も高まっている。これらの電池としては各種の1次または2次電池が用いられているが、中でも繰り返し充放電が可能であり、交換の必要のない2次電池は特にこの用途に適している。
これら2次電池の例としては、主に主電源用途としてリチウムイオン電池やニッケル水素電池等、バックアップ用途としてはマンガン−リチウム合金系やマンガン−シリコン系のリチウム電池等があげられる。これらは3V級タイプであり高容量を有する反面、サイクル特性や過放電特性等の信頼特性に問題点を残している。これに対し、電気二重層キャパシタに代表される有機系キャパシタはサイクル寿命や高温負荷特性等に優れているが、容量が比較的小さく主として2V系であるため、高電圧化、高容量化が望まれている。
一方、高容量、高出力、高信頼性といったこれらの要求に同時に対応し得る蓄電装置として、近年、リチウムイオン電池と電気二重層キャパシタの蓄電原理とを組み合わせた蓄電デバイスが注目されている。その一つとして、リチウムイオンを吸蔵(担持またはドーピングともいう)、脱離し得る炭素材料に、予め化学的方法または電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵させて、負極電位を下げることによりエネルギー密度を大幅に向上できる有機電解質キャパシタが提案されている(特許文献1参照)。
この種の有機電解質キャパシタでは、高性能が期待されるものの、負極電極層に予めリチウムイオンを吸蔵させる場合に、極めて長時間を要することや負極電極層全体にリチウムイオンを均一に吸蔵させることに問題を有し、特に電極を捲回した円筒型電池や複数枚の電極を積層した角型電池のような大型の高容量セルでは、実用化が困難とされていた。
このような問題の解決方法として、正極集電体および負極集電体がそれぞれ表裏面に貫通する孔を備え、負極活物質がリチウムイオンを可逆的に吸蔵可能であり、負極または正極と対向して配置されたリチウム金属との電気化学的接触により負極電極層にリチウムイオンが吸蔵される有機電解質電池が提案されている(特許文献2参照)。すなわち、特許文献2には、上記有機電解質電池の例として正極および負極をセパレータを介して捲回してなる捲回体(電極捲回ユニット)の最外周の負極集電体にリチウム金属を貼り付けまたは前記捲回体の中心部に円柱状のリチウム金属を配置し、このリチウム金属と負極電極層とを電気的に接続させてリチウムイオンを負極電極層に吸蔵させる円筒型の捲回型リチウムイオン電池が開示されている。
特開平8−107048号公報(特許請求の範囲) 国際公開番号WO98/033227号公報(特許請求の範囲)
上記の通り、電極層にリチウムイオンを吸蔵させるタイプの有機電解質電池は、その用途や仕様に応じ、種々の形態を取り得るようになったが、サイズの多様性や量産性、製造コスト等を考慮した場合、タブ端子をステッチングした電極をセパレータを介して捲回して缶に封入するアルミ電解コンデンサや電気二重層キャパシタの生産方法を利用する手法が有効と考えられる。
アルミ電解コンデンサや電気二重層キャパシタの捲回型素子では、通常アルミニウム製の電極集電体とアルミニウム製のタブ端子の圧扁部(圧力を掛けて扁平にした部分)とがステッチングにより接合されている。ステッチングは、電極集電体とタブ端子の圧扁部を重ね合わせ、タブ端子の圧扁部側から電極集電体を貫通するようにステッチ針を貫通させ、これにより生じる電極集電体およびタブ端子圧扁部の返りをプレスにより押し潰して形成された花びら(図5およびその説明を参照)により物理的に両者を接合する方法である。
上記タブ端子は、通常、圧扁部に続く丸棒部分の端面でCP線(銅被覆鋼線)と溶接されており、このCP線がリード端子として回路基板等の外部にはんだ付けで実装される。なおこのCP線は、はんだ付け特性の向上のため、その表面に錫でメッキが施されたものが主に使用されている。
しかしながら、このアルミニウム製タブ端子を上記の負極電極層にリチウムイオンを吸蔵させるタイプの有機電解質キャパシタやリチウムイオン電池の負極用端子としてそのまま使用した場合には、タブ端子のアルミニウムと、負極電極層に吸蔵されたリチウムとの間でリチウム−アルミニウム合金を形成し、アルミニウムからなるタブ端子部分(圧扁部や丸棒部)が溶解してしまう問題が生じる。
これに対し、リチウムとは反応せず、比較的安価な材である銅およびニッケルを使用したタブ端子であれば、負極集電体に抵抗溶接、超音波溶接、コールドウェルド等の方法により接合して用いる負極用端子材料としては好適である。
しかし、これらの材料をステッチングにより接合するタブ端子材料として用いるには以下のような問題点がある。すなわち、上記タブ端子材料として銅を用いた場合、丸棒部端面と錫メッキCP線との間の溶接強度が十分に確保できないという問題点がある。溶接に替わる接合方法としてはんだ付けを採用した場合においても、接合部の強度が十分ではない上、耐熱性が劣化するといった問題がある。また、上記タブ端子材料としてニッケルを用いた場合、アルミニウムや銅に比べ硬度が高いため、ステッチングの際の花びらが十分に形成されず、タブ端子−集電体間の接合強度が十分に確保できないと同時に接触抵抗も高くなってしまうといった問題点がある。
本発明によれば、有機電解液、正極電極層と正極集電体とを含んでなる正極、および、負極電極層と負極集電体とを含んでなる負極を含んでなる有機電解質電池であって、
当該有機電解液がリチウム塩と非プロトン性有機溶媒とを含んでなり、
当該負極電極層がリチウムイオンを可逆的に吸蔵可能な物質を含んでなり、
当該負極集電体には、ステッチングにより負極用タブ端子が接合されており、
当該負極集電体への当該負極用タブ端子の接合部分がニッケルめっき銅または銅ニッケル合金よりなるものである、
有機電解質電池が提供される。
本発明により、タブ端子の丸棒部端面とCP線との間の溶接強度が強く、かつ内部抵抗の低い有機電解質電池を実現でき、その結果、高電圧、高エネルギー密度を有し、かつ量産性に優れた有機電解質電池が得られる。
前記銅ニッケル合金中のニッケル含有率が2重量%以上50重量%未満であること、前記正極および負極がセパレータを介して捲回されていること、および、前記正極集電体および負極集電体が、表裏面を貫通する孔を有すること、が好ましい。
本発明により、高電圧、高エネルギー密度を有し、かつ量産性に優れた有機電解質電池が得られる。
以下に、本発明の実施の形態を図、表、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、表、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。なお、図中、同一の符号は同一の要素を表す。
本発明に係る有機電解質電池は、有機電解液、正極電極層と正極集電体とを含んでなる正極、および、負極電極層と負極集電体とを含んでなる負極を含んでなる有機電解質電池であって、当該有機電解液がリチウム塩と非プロトン性有機溶媒とを含んでなり、当該負極電極層がリチウムイオンを可逆的に吸蔵可能な物質を含んでなり、当該負極集電体には、ステッチングにより負極用タブ端子が接合されており、当該負極集電体への当該負極用タブ端子の接合部分がニッケルめっき銅または銅ニッケル合金よりなるものである。なお、上記の有機電解液中のリチウム塩は、基本的には予め支持電解質として加えられたものである。ただし、後述するようにリチウム電極から溶出するリチウムイオンもその構成要素となり得ることはいうまでもない。
本発明により、タブ端子の丸棒部端面とCP線との間の溶接強度が強く、かつ内部抵抗(特に負極とタブ端子との間の抵抗)の低い有機電解質電池を実現できる。この結果、高電圧、高エネルギー密度を有し、かつ量産性に優れた有機電解質電池が得られる。
この系では、通常、正極電極層はリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に吸蔵可能な物質を含んでなり、正極集電体にもステッチングにより正極用タブ端子が接合されている。正極用タブ端子の構造や材料については公知の構造や材料を採用できる。
本発明に係る有機電解質電池はたとえば図1に示す断面構造を有する。すなわち、正極電極層と正極集電体とを含んでなる正極11と、負極電極層と負極集電体とを含んでなる負極12とが、セパレータ13を挟んで捲回されており、負極12の最外部には、通常箔状のリチウム14が接合している(正確には、リチウム14は負極集電体に接合されている)。このリチウムは捲回体の中心部に設けてもよい。両者を併用してもよい。この捲回体が有機電解液中に浸漬されることにより有機電解質電池が形成される。このような電池により、図6に示すように、充電により、正極にアニオン(たとえばPF )が吸蔵し、負極にリチウムイオンが吸蔵し、正極でのアニオン(たとえばPF )の脱離とリチウムイオン吸蔵、および、負極でのリチウムイオンの脱離により放電が生じる。
なお、本発明に係るタブ端子は、正極や負極を外部と電気的に接続するための端子で、捲回された集電体上に適宜設けることができる。リチウム14はある期間が経過すると溶解して消失する。
上記正極電極層を構成するものは、主として正極活物質である。正極活物質としては、リチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に吸蔵できるものであれば特には限定されず、例えば活性炭、導電性高分子、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であってポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(PAS)等を挙げることができる。また、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiFeO等のLi(Mは金属、二種類以上の金属でもよい)の一般式で表され得るリチウム含有金属酸化物またはコバルト、マンガン、ニッケル等の遷移金属酸化物を用いることができる。
上記負極電極層を構成するものは、主として負極活物質である。負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵できるものであれば特には限定されず、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、活性炭、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であってポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(PAS)等を挙げることができる。
上記正極電極層や負極電極層(本明細書では、両者を区別せずにあるいは両者を纏めて意味する場合には「電極層」と呼称する)には、正極活物質や負極活物質以外に、バインダおよび必要に応じて導電性粉末を使用することができる。
本発明における負極電極層は、タブ端子をステッチング可能な金属集電体上に成形されるが、その方法は特定されず既知の方法が使用できる。具体的には、電極活物質粉末、バインダおよび必要に応じて導電性粉末を水系または有機系溶媒中に分散させてスラリーとし、このスラリーを集電体に塗布後乾燥するかまたはこのスラリーを予めシート状に成形し、これを集電体に貼り付けることによって成形できる。ここで使用されるバインダとしては、例えばSBR等のゴム系バインダやポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
また、正極や負極は、必要に応じてアセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性材料を含んでいてもよい。これらの導電性材料は、上記のように電極活物質等と混合して用いる他に、予め金属集電体上にコーティングして導電層を形成させた後、その上から電極層を形成するようにしてもよい。このような場合には、正極が正極電極層と正極集電体と導電層とからなり、負極が、負極電極層と負極集電体と導電層からなることになる。導電層は正極と負極のどちらか一方のみにあってもよい。
本発明における集電体としては、一般に有機電解質電池等の用途で提案されている種々の材質を用いることができ、正極集電体にはアルミニウム、ステンレス等、負極集電体には銅、ニッケル、ステンレス等をそれぞれ好適に用いることができる。形状は箔状、ネット状等、各種形状を選択できるが、特に負極電極層または正極電極層に予めリチウムイオンを吸蔵させる場合には、表裏面を貫通する孔を備えた材料、例えばエキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体またはエッチングにより貫通孔を付与した多孔質箔、抄紙状のもの等が用いられる。このように表裏面を貫通する孔を備えた材料を集電体として用いると、図1に示したリチウムが溶解して生成したリチウムイオンが捲回の内部にある負極電極層や正極電極層まで容易に到達できる利点が得られる。これら表裏面を貫通する孔を備えた集電体に予め導電性材料をコーティングし、導電層を形成した後に電極層を形成する場合においても、導電層が微細な導電性粉末より形成されているため、リチウムイオンはこれら導電層を容易に通過することが可能である。
本発明の支持電解質としては、リチウムイオンを移送可能で高電圧でも電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在できるものであれば使用できる。このような支持電解質としては、例えばLiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、Li(CSON等のリチウム塩を好適に用いることができる。
この支持電解質の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒電解質溶液を形成できる非プロトン性有機溶媒が好ましく使用できる。この非プロトン性有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等が挙げられる。更にこれら非プロトン性有機溶媒の二種以上を混合した混合液を用いることもできる。
またセパレータとしては、有機電解液または電極活物質等に対して耐久性のある連通気孔を有する電気伝導性のない多孔体等を用いることができる。このセパレータの材質としては、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、既知のものが使用できる。
本発明において、負極電極層または正極電極層とリチウムイオン供給源との電気的な接続によって、リチウムイオンを負極電極層または正極電極層に吸蔵させる場合のリチウム供給方法としては既知の方法が使用できるが、以下にその一例を示す。
本発明に係るリチウム(リチウム箔等)は通常他の導電体上に設けられる。この導電体をリチウム極集電体と呼称し、リチウムを導電体に設けた状態のものをリチウム極と呼称する場合がある。例えばリチウム金属を導電性多孔体上に形成することができる。このような導電体としては、ステンレスメッシュ等のリチウムイオン供給源と反応しない金属多孔体を用いることが好ましい。この導電体を負極集電体または正極集電体に電気的に接続し、有機電解液を注入することにより、リチウム金属が溶出し、溶出したリチウムイオンが、時間の経過と共に負極電極層または正極電極層に移動し、負極電極層または正極電極層に吸蔵される。
本発明で用いられるタブ端子9は、通常、図2に示すように、圧扁部1、丸棒部2およびCP線部3の三つの部分から構成されている。すなわち、電極集電体に接合される部分は、ステッチング加工性や捲回を容易にするため、圧力を掛けて円形断面を扁平にして圧扁部とし、外装ケースを密封するための弾性体よりなる封口体を貫通して外部と接続するための部分は、封口体との間のシール性と機械的強度とを確保するために丸棒部となっている。また丸棒部を経て回路基板に実装されるための引出し部分は、実装時の取扱性を確保するために柔軟性を持つCP線部となっている。このCP線は、はんだ付け特性の向上のため、その表面に錫でメッキが施されていることが好ましい。
本発明で用いられるタブ端子のうち、負極用に用いられるものとしては、上記圧扁部、丸棒部を構成している部分(本発明に係る負極集電体への負極用タブ端子の接合部分に該当)の材料として、ニッケルめっき銅または銅ニッケル合金が用いられる。ニッケルめっき銅としては、タフピッチ銅または無酸素銅に任意の厚みでニッケルめっきを施したものを用い得る。また銅ニッケル合金としては、合金中のニッケル含有率が2重量%以上50重量%未満であることが好ましい。ニッケル含有率が50重量%以上の場合、材料の硬度が高くなり、ステッチングの際の花びらが十分に形成されず、タブ端子−集電体間の接合強度が十分に確保できないと同時に接触抵抗も高くなってしまうといった問題が生じ易い。一方、ニッケル含有率が2重量%未満の場合、タブ端子の丸棒部端面と錫メッキCP線との間の溶接強度が十分に確保できない恐れがある。
上記タブ端子は、図3〜5に示すように、圧扁部を電極集電体の一部とステッチングして接合される。すなわち、図3に示すように、圧扁部1が集電体4上に載り、丸棒部2とCP線部3とが集電体4上からはみ出るようにタブ端子9を置き、図5に示すように、矢印7方向にステッチングすることにより、返り部分(花びらと呼称する)8により、タブ端子9を集電体4上に固接する。
ステッチングは、電極層(負極電極や正極電極層)が形成されている集電体面、すなわち電極層表面であっても接合可能であるが、タブ端子が電極層を介して接合されるため内部抵抗が大きくなる。したがって、電極層が集電体の片面に形成されている場合は、図3に示すように、電極層が設けられた集電層面5ではなく、電極層が設けられていない裏面4に接合することが好ましく、また電極層が集電体の両面に形成されている場合は、図4に示すように、少なくともその片面に電極層の無い部分6を設けた上、その部分に接合することが好ましい。
上記のようにして、負極集電体への負極用タブ端子の接合部分がニッケルめっき銅または銅ニッケル合金よりなるものであることにより、高電圧、高エネルギー密度を有し、かつ量産性に優れた有機電解質電池を得ることが可能となる。
以下具体的な実施例を比較例と共に説明する。
[実施例1]
(負極の作製)
厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコンユニット電気炉中に入れ、窒素気流中で40℃/時間の速度で昇温して、660℃まで熱処理を行い、板状のポリアセン系の有機物(PAS)を得た。かくして得られたPASをナイロンボールミルで粉砕しPAS粉末を得た。このPAS粉末の燃焼法によるH/C(水素と炭素のモル比)は0.21であった。
次に、上記PAS粉末100重量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN−メチルピロリドン80重量部に溶解した溶液とを十分に混合することにより負極電極層用スラリーを得た。このスラリーを厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)の片面にダイコーターにて成形し、プレス後負極全体の厚さ(片面の負極電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が82μmの負極を得た。この銅製エキスパンドメタルが表裏面に貫通する孔を有する集電体に該当する。
(正極の作製)
市販の比表面積が1950m2/gの活性炭粉末100重量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN−メチルピロリドン100重量部に溶解した溶液とを十分に混合することにより正極電極層用スラリーを得た。
次に、厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)の片面に非水系のカーボン系導電塗料(日本アチソン株式会社製:EB−815)をスプレー方式にてコーティングし、乾燥することにより導電層が形成された正極用集電体を得た。全体の厚み(集電体厚みと導電層厚みの合計)は45μmであり、集電体の貫通孔はほぼ導電塗料により閉塞された。なお、この導電塗料よりなる導電層はリチウムイオンを容易に通過させるので、集電体の貫通孔が導電塗料により閉塞されたことはリチウムイオンの拡散の妨げにはならない。
上記正極電極層用スラリーをロールコーターにて正極集電体の導電塗料が形成された面に成形し、プレス後正極全体の厚さが175μmの正極を得た。
(電極捲回素子の作製)
厚さ82μmの負極を幅3.0×長さ58.0cm2にカットし、銅ニッケル合金(ニッケル含有量43重量%)製のタブ端子(リード線部は錫メッキCP線)を電極層が形成されていない負極集電体上に配置し、ステッチングによりタブ端子を負極集電体に接合した。この時のタブ端子と負極集電体間の接触抵抗は0.22mΩであった。
また、厚さ175μmの正極を幅3.0×長さ56.0cm2にカットし、アルミニウム製のタブ端子を電極層が形成されていない正極集電体上に配置し、ステッチングによりタブ端子を正極集電体に接合した。この時のタブ端子と正極集電体間の接触抵抗は0.14mΩであった。
セパレータとして厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を用いて、正極、負極の各タブ端子が、同じ捲回の断面側に来るように設置し、また最外周がセパレータとなるよう捲回しテープ止めして電極捲回素子を3本作製した。
(電池の作製)
リチウム極として、リチウム金属箔(128μm、3.0×4.0cm2、400mAh/g相当)をリチウム極集電体としての厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタルに圧着したものを用い、このリチウム極を電極捲回素子の巻き止めテープに重ならないように、かつリチウム極のリチウム金属面が内側になるよう最外周に配置させ、リチウム極集電体の端子溶接部と負極集電体の端子溶接部を抵抗溶接し、三極捲回素子を得た。
上記三極捲回素子を外径18mmφ、高さ40mmのアルミニウム製外装缶の内部へ挿入し、有機電解液として、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびプロピレンカーボネートを重量比で3:4:1とした混合溶媒中に、1モル/Lの濃度にLiPFを溶解した溶液を真空含浸させた後、ブチルゴム製のキャップを被せて外装缶をかしめることにより円筒型のリチウムイオンキャパシタセルを3セル組み立てた。なお、セル内に配置されたリチウム金属は負極活物質重量当り400mAh/g相当であった。
(電池の特性評価)
セル組立て後20日間放置後に1セルを分解し、リチウム金属が完全に無くなっていることを確認した。残りの2セルにつき、400mAの定電流でセル電圧が3.6Vになるまで充電し、その後3.6Vの定電流を印加する定電流−定電圧充電を1時間行った。次いで、40mAの定電流でセル電圧が1.9Vになるまで放電した。この3.6V−1.9Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル容量、内部抵抗を評価した。結果を表1に示す。ただしデータは2セルの平均である。
[実施例2]
負極用タブ端子材料として、ニッケルめっき銅を用いた以外は、実施例1と同様にして3セルの電池組立てを行った。タブ端子と負極集電体間の接触抵抗は0.21mΩであった。セル組立て後20日間放置後に1セルを分解し、リチウム金属が完全に無くなっていることを確認した。残りの2セルにつき特性評価を行った。結果を表1に示す。ただしデータは2セルの平均である。
[比較例1]
負極用タブ端子材料として銅を用いた以外は、実施例1と同様にして3セルの電池組立てを行った。タブ端子と負極集電体間の接触抵抗は0.18mΩであった。負極用タブ端子の丸棒部と錫メッキCP線との間の溶接強度が確保できなかったため、はんだにより接合したが、丸棒部をゴム製封口体に貫通挿入する際に3セルとも接合部が破断してしまった。なお、実施例1,2ではこのような破断は生じなかった。
外装缶を封止後、丸棒部と錫メッキCP線を再度はんだ付けした。セル組立て後20日間放置後に1セルを分解し、リチウム金属が完全に無くなっていることを確認した。残りの2セルにつき特性評価を行った。結果を表1に示す。ただしデータは2セルの平均である。
[比較例2]
負極用タブ端子材料としてニッケルを用いた以外は、実施例1と同様にして3セルの電池組立てを行った。負極用タブ端子のステッチの際、花びらが十分に形成されず、タブ端子と負極集電体間の接触抵抗も1.07mΩと高かった。セル組立て後20日間放置後に1セルを分解し、リチウム金属が完全に無くなっていることを確認した。残りの2セルにつき特性評価を行った。結果を表1に示す。ただしデータは2セルの平均である。
[比較例3]
負極用タブ端子としてアルミニウム製のものを用いた以外は、実施例1と同様にして3セルの電池組立てを行った。タブ端子と負極集電体間の接触抵抗は0.25mΩであった。セル組立て後20日間放置後にセルを分解したところ、3セルとも負極タブ端子のアルミニウム部分がリチウムと合金化し、ぼろぼろに崩壊していた。
Figure 0005160061
上記試験結果が示すように、負極集電体への負極用タブ端子の接合部分にニッケルめっき銅または銅ニッケル合金よりなるものを用いることにより、タブ端子の丸棒部端面とCP線との間の溶接強度が強く、かつ内部抵抗(特に負極とタブ端子との間の抵抗)の低い有機電解質電池を実現できる。
本発明に係る捲回体の模式的断面図である。 本発明のタブ端子の模式的平面図である。 片面に電極層を有する集電体に対するタブ端子の取り付け例を示した模式図である。 両面に電極層を有する集電体に対するタブ端子の取り付け例を示した模式図である。 ステッチングの様子を説明するための模式図である。 有機電解質電池の充電と放電の様子を示す図である。
符号の説明
1 タブ端子圧扁部
2 タブ端子丸棒部
3 タブ端子CP線部
4 集電体の電極層未塗工面
5 集電体の電極層塗工面
6 集電体の電極層未塗工部
7 ステッチングの方向
8 返り部分(花びら)
9 タブ端子
11 正極
12 負極
13 セパレータ
14 リチウム

Claims (4)

  1. 有機電解液、正極電極層と正極集電体とを含んでなる正極、および、負極電極層と負極集電体とを含んでなる負極を含んでなる有機電解質電池であって、
    当該有機電解液がリチウム塩と非プロトン性有機溶媒とを含んでなり、
    当該負極電極層がリチウムイオンを可逆的に吸蔵可能な物質を含んでなり、
    当該負極集電体には、ステッチングにより負極用タブ端子が接合されており、
    当該負極用タブ端子は、圧扁部、丸棒部、CP線部(銅被覆鋼線)を備え、
    当該負極集電体への当該負極用タブ端子の接合部分がニッケルめっき銅または銅ニッケ
    ル合金よりなるものである、
    有機電解質電池。
  2. 前記銅ニッケル合金中のニッケル含有率が2重量%以上50重量%未満である、請求項1に記載の有機電解質電池。
  3. 前記正極および負極がセパレータを介して捲回されている、請求項1〜2のいずれかに記載の有機電解質電池。
  4. 前記正極集電体および負極集電体が、表裏面を貫通する孔を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の有機電解質電池。
JP2006274086A 2006-10-05 2006-10-05 有機電解質電池 Active JP5160061B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006274086A JP5160061B2 (ja) 2006-10-05 2006-10-05 有機電解質電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006274086A JP5160061B2 (ja) 2006-10-05 2006-10-05 有機電解質電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008091302A JP2008091302A (ja) 2008-04-17
JP5160061B2 true JP5160061B2 (ja) 2013-03-13

Family

ID=39375229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006274086A Active JP5160061B2 (ja) 2006-10-05 2006-10-05 有機電解質電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5160061B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5430329B2 (ja) * 2009-09-30 2014-02-26 Jmエナジー株式会社 蓄電源
DE102018216002A1 (de) * 2018-09-20 2020-03-26 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Herstellung einer Batteriezelle

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5655029A (en) * 1979-10-12 1981-05-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd Electrolytic double layer capacitor
JPS61218058A (ja) * 1985-03-25 1986-09-27 Fuji Elelctrochem Co Ltd 電池
JPH10302753A (ja) * 1997-02-28 1998-11-13 Japan Storage Battery Co Ltd 電池用極板の集電体とリードとの接続構造
JP2001167752A (ja) * 1999-12-10 2001-06-22 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池
JP4159272B2 (ja) * 2001-08-31 2008-10-01 三洋電機株式会社 非水電解液電池
JP2003142040A (ja) * 2001-11-06 2003-05-16 Nec Tokin Tochigi Ltd 密閉型電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008091302A (ja) 2008-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4934607B2 (ja) 蓄電デバイス
US10297867B2 (en) Sheet-laminated lithium ion secondary battery and production method for sheet-laminated lithium ion secondary battery
JP5076464B2 (ja) リチウムイオン二次電池
CN109671987B (zh) 一种卷绕式锂浆料电池
US20130177787A1 (en) Current collector and nonaqueous secondary battery
JP5195341B2 (ja) リチウムイオン二次電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池
JP2009200302A (ja) 蓄電デバイスの製造方法および蓄電デバイス
CN103370815A (zh) 电池及电池的制造方法
JP2006260904A (ja) 巻回型電池およびその製造方法
JP2012009209A (ja) リチウムイオン二次電池用負極
CN109075305A (zh) 非水电解质二次电池
JP2001057179A (ja) 二次電池及びそのケース
JPWO2014192285A1 (ja) 薄型電池
JP2012138408A (ja) 電気化学デバイスおよびその製造方法
JP5308646B2 (ja) リチウムイオンキャパシタ
JP2006012801A (ja) 二次電池
JP2005243455A (ja) 電気化学デバイス
WO2011080988A1 (ja) 蓄電デバイス
JP2008171593A (ja) 有機電解質電池およびその製造方法
JP5160061B2 (ja) 有機電解質電池
JP2011222128A (ja) 二次電池
JP4039893B2 (ja) 高容量負極
KR101157500B1 (ko) 리튬이온 커패시터 셀 및 그 제조방법
JP5576654B2 (ja) 蓄電デバイス
JP5072123B2 (ja) 扁平形非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090916

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121009

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5160061

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151221

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250