JP5727526B2 - フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法 - Google Patents

フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5727526B2
JP5727526B2 JP2013001987A JP2013001987A JP5727526B2 JP 5727526 B2 JP5727526 B2 JP 5727526B2 JP 2013001987 A JP2013001987 A JP 2013001987A JP 2013001987 A JP2013001987 A JP 2013001987A JP 5727526 B2 JP5727526 B2 JP 5727526B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flexographic printing
liquid crystal
printing plate
roughened
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013001987A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014133335A (ja
Inventor
越智 淳
淳 越智
信彦 田所
信彦 田所
匠志 窪田
匠志 窪田
康広 森
康広 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Nakan Techno Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Nakan Techno Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd, Nakan Techno Co Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2013001987A priority Critical patent/JP5727526B2/ja
Priority to KR1020130106513A priority patent/KR102008531B1/ko
Priority to CN201310407382.5A priority patent/CN103909757B/zh
Priority to TW102132442A priority patent/TWI561383B/zh
Publication of JP2014133335A publication Critical patent/JP2014133335A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5727526B2 publication Critical patent/JP5727526B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
    • B41F5/00Rotary letterpress machines
    • B41F5/24Rotary letterpress machines for flexographic printing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/12Printing plates or foils; Materials therefor non-metallic other than stone, e.g. printing plates or foils comprising inorganic materials in an organic matrix
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/12Printing plates or foils; Materials therefor non-metallic other than stone, e.g. printing plates or foils comprising inorganic materials in an organic matrix
    • B41N1/14Lithographic printing foils

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Description

本発明は、例えば液晶パネル用基板の液晶配向膜等を、フレキソ印刷によって形成するために好適に用いることができるフレキソ印刷版とその製造方法、ならびに前記フレキソ印刷版を用いた液晶パネル用基板の製造方法に関するものである。
液晶パネル用基板の電極形成面上に液晶配向膜を形成するために、印刷法、特にフレキソ印刷法を利用することが検討されている。
前記液晶配向膜には、できるだけ厚みが均一でピンホール等がなく、しかも薄いことが求められる。
そのため、前記フレキソ印刷に用いるフレキソ印刷版の印刷面(印刷時にインキを保持する面)は、前記液晶配向膜のもとになるインキに対して高い保持性を有している必要がある。すなわち前記印刷面には、前記液晶配向膜の厚みに応じた少量のインキであってもはじきやカスレ等を生じることなしに、その全面に亘ってできるだけ均一な厚みに保持できる良好な保持性が求められる。
印刷面のインキの保持性を向上するためには、前記印刷面を凹凸形状として比表面積を増加させて、当該印刷面の、インキに対する濡れ性を高めればよい。
例えば特許文献1、2には、前記印刷面に、円形等の幾何学的な平面形状を有する微小突起を多数設けることにより、前記多数の微小突起と、その間の溝部とによって前記印刷面を凹凸形状とすることで、当該印刷面のインキに対する濡れ性を向上させることが記載されている。
また特許文献1、2には、前記微小突起の面方向の大きさや分布、配列等を違えることにより、前記濡れ性を、印刷面内の領域ごとに任意に制御することも記載されている。
前記微小突起は、例えばフォトリソグラフ法によって形成される。すなわち、フレキソ印刷版のもとになる感光性樹脂組成物の層を用意し、その上に、前記微小突起の平面形状に対応する微細なパターン(ドットパターン等)を形成したネガまたはポジフィルムからなるマスクを重ねた状態で露光して、前記感光性樹脂組成物を、前記マスクのパターンに対応させて選択的に硬化させたのち、現像して未硬化の感光性樹脂組成物を除去することにより、前記多数の微小突起が形成される。
前記印刷面は、その先端面が印刷面と平行な平面とされた前記多数の微小突起が、その高さ分の深い溝部を隔てて各々独立して設けられた凹凸形状を有している。
また特許文献3には、印刷面を、例えばエッチングやサンドブラスト等の任意の粗面化法を利用して粗面化して、前記微小突起と溝部のように凹凸の境界が明りょうでなく、またその形状や大きさが前記微小突起のように規則的でないランダムな凹凸を有する、例えば梨地面等の凹凸面に仕上げるとともに、その表面粗さを、中心線平均粗さRaで表して1〜5μmに規定することが記載されている。
特開2002−293049号公報 特許第2933790号公報 特開2009−34913号公報
近時、液晶パネルの高精細化、高機能化が進み、それに伴って種々の新しい液晶配向膜が開発されつつあるが、それら新しい液晶配向膜のもとになるインキの多くは、従来のものに比べて、液晶パネル用基板のもとになるガラス基板等に対する濡れ性が悪い傾向にある。
例えばソーダライムガラス基板に対する接触角が、従来のインキは15°程度であったのに対し、新しいインキの多くは30°程度と大きく、前記ソーダライムガラス基板に対する濡れ性が悪いことが確認されている。
そのため前記新しいインキは、ガラス基板等の表面でのセルフレベリング性、すなわち乾燥前の流動によって均されて自動的に厚みが均一化される特性が不十分であることが多い。ガラス基板等の表面に対して良好に濡れることが、前記セルフレベリングによる厚み均一化のメカニズムの大前提であり、濡れ性が悪い場合には前記メカニズムが十分に機能しえないためである。
そしてセルフレベリング性が十分に発揮されない場合には、印刷直後のインキ層の厚みに不均一があると、それが十分に修正されないままインキが乾燥して、液晶配向膜の厚みが不均一になったり、あらかじめ設定した厚みを再現できなかったりする。
そこで前記新しいインキを使用して、厚みができるだけ均一でかつ厚みの再現性に優れており、しかも薄い液晶配向膜を形成するためには、フレキソ印刷による印刷の直後に、現状よりもさらにインキ層の厚みが均一であることが求められる。
ところが、先に説明した従来のフレキソ印刷版では、前記新しいインキと組み合わせた際に、かかる要求に十分に対応できないという問題がある。
例えば、特許文献1、2に記載のフレキソ印刷版を使用した場合には、インキ層の厚みが小さいほど、当該インキ層の厚みに、前記印刷面に形成された多数の微小突起とその間の溝部とからなる凹凸の影響が出やすい。つまり印刷面の凹凸形状がそのままインキ層に反映されて、厚みが均一で、かつ厚みの再現性に優れた良好な液晶配向膜を形成することができない。
これは、その先端面が印刷面と平行な平面とされた前記多数の微小突起が、その高さ分の深い溝部を隔てて各々独立して設けられており、前記微小突起と溝部の間の凹凸の境界が明りょうであるという、印刷面の凹凸形状に原因がある。
また前記フレキソ印刷版では、メンテナンス時に、前記深い溝部内に入り込んだインキを洗浄によって除去するのが容易でないという問題もある。
一方、特許文献3に記載のフレキソ印刷版を使用した場合には、先に説明したように印刷面が、前記微小突起と溝部のように凹凸の境界が明りょうではない凹凸形状を有するため、かかる凹凸形状がそのままインキ層に反映されることはない上、洗浄も容易である。
しかし、インキ層の厚みが印刷面の領域ごとにばらついたり、インキ層にピンホールが発生したりしやすいという問題があり、これらの問題を生じない厚みが均一かつ厚みの再現性が良好なインキ層、ひいては液晶配向膜を形成することができない。
本発明の目的は、液晶パネルの高精細化、高機能化に対応した新しい液晶配向膜のもとになる濡れ性の低いインキを使用して、なおかつ厚みが均一でかつ厚みの再現性に優れ、しかもピンホール等の問題を生じない液晶配向膜を、フレキソ印刷によって形成することができるフレキソ印刷版と、その製造方法、ならびに前記フレキソ印刷版を使用した液晶パネル用基板の製造方法を提供することにある。
本発明は、片面が印刷面とされた平板状に形成され、前記印刷面は粗面化されているとともに、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔqが0.9以上、3.0以下、比表面積が2.8以上、4.9以下であることを特徴とするフレキソ印刷版である。
前記課題を解決するため、発明者は、微小突起と溝部のように凹凸の境界が明りょうではないため前記凹凸の影響が出にくい、特許文献3に記載の印刷面の凹凸形状を改良して、インキ層の厚みが印刷面の領域ごとにばらついたり、その結果として厚みの再現性が低下したり、さらにはピンホールが発生したりするのを防止することを検討した。
その結果、それぞれ印刷面の凹凸形状の状態を表す、日本工業規格JIS B0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」において規定された、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔq、および印刷面の比表面積を、それぞれ前記範囲内に規定すれば、前記の目的を達成できることを見出した。
すなわち、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔqが0.9未満であって、凹凸の傾斜がなだらかな印刷面は、印刷時の圧力分布が不均一化しやすいため、インキ層、ひいては液晶配向膜にピンホールが発生しやすい。一方、前記二乗平均平方根傾斜RΔqが3.0を超え、凹凸の傾斜が急峻な印刷面は、前記凹凸の凸部が先鋭化してインキ層を貫通しやすいため、却ってインキ層、ひいては液晶配向膜にピンホールが発生し易い。
これに対し、前記二乗平均平方根傾斜RΔqが0.9以上、3.0以下に規定された印刷面は、凹凸が適度な傾斜を有しており、印刷時の圧力分布が均一で、しかも凸部がインキ層を貫通しにくいため、インキ層、ならびに液晶配向幕にピンホールを生じにくい。
また比表面積は、先に説明したように印刷面の、インキに対する濡れ性、ならびにインキの保持量と、前記印刷面からのインキの離型性、ならびにガラス基板等へのインキの転写量と正の相関関係を有している。
そして、前記比表面積が2.8以上、4.9以下であれば、フレキソ印刷時に適正な転写厚みを確保して、ガラス基板等の表面に、その厚みが印刷面の領域ごとにばらつかずに均一で、しかも厚みの再現性にも優れた適正なインキ層を形成することが可能となる。
本発明は、前記本発明のフレキソ印刷版の製造方法であって、前記フレキソ印刷版のもとになる感光性樹脂組成物の層を、前記感光性樹脂組成物を硬化反応させることができる活性光線に対して透過性を有する材料からなり、片面が、前記フレキソ印刷版の印刷面の形状に対応した形状を有する賦形面とされた型材の、前記賦形面に接触させた状態で、前記層を、前記型材を通して、前記活性光線の照射によって硬化反応させたのち、前記賦形面から剥離することにより、前記層の、前記賦形面と接触していた面を粗面化された印刷面とする工程を含むことを特徴とするフレキソ印刷版の製造方法である。
本発明によれば、印刷面が前記特定の表面状態に規定された本発明のフレキソ印刷版を、生産性良くコスト安価に製造することができる。
フレキソ印刷版は、前記工程を経て所定の凹凸形状に形成した前記印刷面の、印刷パターンに対応する領域以外の領域を機械的、または熱的に除去することによって製造される。
前記フレキソ印刷版のもとになる感光性樹脂組成物としては、プレポリマ、少なくとも1種のエチレン性不飽和基を有するモノマ、および光重合開始剤を含むものを用いることができる。
本発明は、前記本発明のフレキソ印刷版を用いて、フレキソ印刷により、液晶パネル用の液晶配向膜を形成する工程を含むことを特徴とする液晶パネル用基板の製造方法である。
本発明によれば、先に説明した印刷面の表面形状に基づいて、厚みが均一でかつ厚みの再現性にも優れ、しかもピンホールのない液晶配向膜を備えた液晶パネル用基板を製造することができる。
本発明によれば、液晶パネルの高精細化、高機能化に対応した新しい液晶配向膜のもとになる濡れ性の低いインキを使用して、なおかつ厚みが均一でかつ厚みの再現性に優れ、しかもピンホール等の問題を生じない液晶配向膜を、フレキソ印刷によって形成することができるフレキソ印刷版と、その製造方法、ならびに前記フレキソ印刷版を使用した液晶パネル用基板の製造方法を提供することができる。
同図(a)〜(c)は、本発明のフレキソ印刷版における、粗面化された凹凸面の凹凸形状の、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔqごとの違いを説明する概略図である。 同図(a)〜(c)は、それぞれ本発明のフレキソ印刷版の製造方法の、実施の形態の一例の各工程を説明する断面図である。 同図(a)〜(c)は、それぞれ前記例の製造方法の続きの工程を説明する断面図である。 同図(a)(b)は、前記例の製造方法のうち、平板状の支持基板の表面に粗面化シートを着脱自在に固定する方法の一例を説明する断面図である。
図1(a)〜(c)は、本発明のフレキソ印刷版における、粗面化された凹凸面の凹凸形状の、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔqごとの違いを説明する概略図である。
本発明は、片面が印刷面とされた平板状に形成され、前記印刷面は粗面化されているとともに、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔqが0.9以上、3.0以下、比表面積が2.8以上、4.9以下であることを特徴とするフレキソ印刷版である。
本発明によれば、粗面化された印刷面の凹凸形状を上記のように規定することにより、先に説明したように、液晶パネルの高精細化、高機能化に対応した新しい液晶配向膜のもとになる濡れ性の低いインキを使用して、なおかつ厚みが均一で勝厚みの再現性にも優れ、しかもピンホール等の問題を生じない液晶配向膜を、フレキソ印刷によって形成することが可能となる。
すなわち図1(b)を参照して、前記粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔqが0.9未満であって、同図に示すように凹凸の傾斜がなだらかな印刷面は、印刷時の圧力分布が不均一化しやすいため、インキ層、ひいては液晶配向膜にピンホールが発生しやすい。
一方、図1(c)を参照して、前記二乗平均平方根傾斜RΔqが3.0を超え、同図に示すように凹凸の傾斜が急峻な印刷面は、前記凹凸の凸部が先鋭化してインキ層を貫通しやすいため、却ってインキ層、ひいては液晶配向膜にピンホールが発生し易い。
これに対し図1(a)を参照して、前記二乗平均平方根傾斜RΔqが0.9以上、3.0以下に規定された印刷面は、同図に示すように凹凸が適度な傾斜を有しており、印刷時の圧力分布が均一で、しかも凸部がインキ層を貫通しにくいため、インキ層、ならびに液晶配向幕にピンホールを生じにくい。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、前記二乗平均平方根傾斜RΔqは、前記範囲内でも1.2以上であるのが好ましく、2.7以下であるのが好ましい。
前記二乗平均平方根傾斜RΔqを、本発明では、例えば走査型共焦点レーザ顕微鏡を用いて測定して得た粗さ曲線から、先に説明したJIS B0601:2001の4.4.1項「輪郭曲線の二乗平均平方根傾斜」に記載のとおり基準長さにおける局部傾斜dz/dxの二乗平均平方根として求めることとする。
また、比表面積が2.8未満ある平滑な印刷面はインキの濡れ性が低いためインキの保持量が低くなりすぎて、一方、比表面積4.9を超える凹凸の大きい印刷面がインキの濡れ性が強すぎてフレキソ印刷時に適正な転写厚みを確保できない。そのため、このいずれの場合にも、ガラス基板等の表面に、その厚みが印刷面の領域ごとにばらつかずに均一で、しかも適正なインキ層を形成することができない。
これに対し、比表面積を2.8以上、4.9以下の範囲内とすることにより、印刷面に、インキに対する適度な濡れ性を付与できるため、ガラス基板等の表面に、その厚みが印刷面の領域ごとにばらつかずに均一で、しかも厚みの再現性にも優れた適正なインキ層を形成することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、前記比表面積は、前記範囲内でも3.0以上、特に3.6以上であるのが好ましく、4.6以下、特に4.0以下であるのが好ましい。
前記比表面積を、本発明では、例えば形状測定レーザ顕微鏡を用いて測定した印刷面の一定面積(基準面積)の領域の3次元データから、3次元解析によって求めた前記領域の実表面積の、前記基準面積に対する割合として求めることとする。
フレキソ印刷版の印刷面を、前記二乗平均平方根傾斜RΔqの範囲、および前記比表面積の範囲をいずれも満足する凹凸形状とするためには、次に説明する本発明のフレキソ印刷版の製造方法において前記印刷面に対応する型材の賦形面を、前記範囲を満足する凹凸形状に形成すればよい。
また前記賦形面を、前記範囲を満足する凹凸形状に形成するためには、当該賦形面を、例えば後述するエンボスロールを用いた加圧シート成形によって粗面化して形成する場合、前記エンボスロールの外周面を、前記範囲を満足する凹凸形状に形成すればよい。
具体的には例えば、エンボスロールが金属ロールである場合、エッチング、ショットブラスト、レーザ彫刻等によって、またゴムロールの場合は型取り、研磨、微細混入物等によって、そして樹脂ロールの場合は型取り、研磨、エッチング、微細混入物等によって、その外周面を凹凸形状とすることができる。
このうち、例えば金属ロールの外周面をショットブラストによって凹凸形状とする際に、その二乗平均平方根傾斜RΔq、および比表面積をそれぞれ前記範囲内とするためには、使用するブラスト粉の粒径(F600以上)とブラスト時間を制御すればよい。
前記本発明のフレキソ印刷版は、本発明の製造方法によって製造することができる。これにより、印刷面が前記特定の表面状態に規定された本発明のフレキソ印刷版を、生産性良くコスト安価に製造することができる。
図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)は、それぞれ本発明のフレキソ印刷版の製造方法の、実施の形態の一例の各工程を説明する断面図である。
図2(a)を参照して、この例の製造方法においては、まずガラスや、あるいはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等の硬質樹脂などの硬質材料からなり、なおかつ感光性樹脂組成物を硬化反応させることができる、紫外線等の活性光線に対する透過性を有する支持基板1を用意する。
そして前記支持基板1の、図において上側の表面2に、片面が、本発明のフレキソ印刷版の印刷面の形状に対応した凹凸形状を有する粗面化された賦形面3とされた粗面化シート4を、前記賦形面3を上、反対側の面(反対面)5を下にして、前記反対面5を前記表面2に接触させながら、例えば図2(a)に一点鎖線の矢印で示すようにその一端から他端へかけて順に重ねる等して、着脱自在に固定する。
なお図では、前記賦形面3を構成する凹凸を、わかり易いように大きめに強調して描いているが、実際の凹凸は、印刷する液晶配向膜の形状等に影響を及ぼさないために、本願発明で規定した前記二乗平均平方根傾斜RΔqの範囲、および比表面積の範囲を満足し、なおかつ図に示した粗面化シート4の大きさと比較すると判別できない程度の微小なものである。
前記粗面化シート4としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ポリウレタンエラストマ(TPU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の熱可塑性樹脂からなり、なおかつ活性光線に対する透過性を有するシートの表面を、例えばエンボスロールを用いた加圧シート成形等によって粗面化して形成されたものを用いるのが好ましい。
かかる加圧シート成形によれば、例えば大画面の液晶表示素子に対応した大面積の粗面化シート4であっても、連続的かつ多量に生産するのが容易であるという利点がある。
なお、前記の中でもPE、PP、TPU等の比較的軟質の熱可塑性樹脂からなり、かつ比較的薄手(例えば150μm以下程度)の粗面化シート4はそれ自体のコシが弱く、フラットな支持基板1の表面2にシワなく均一に密着させるのが難しい場合がある。
その場合には、前記粗面化シート4の反対面5に、例えばPET等からなり、活性光線に対する透過性を有する補強シートを貼り合わせる等すればよい。
粗面化シート4は、当該粗面化シート4上に液状の感光性樹脂組成物を塗り拡げる際のせん断力や、あるいは前記感光性樹脂組成物の硬化時の収縮力等によって、前記粗面化シート4が支持基板1に対して位置ずれするのを防止するとともに、使用後の粗面化シート4の交換を容易にするため、例えば下記(i)〜(iii)のいずれかの方法によって、前記支持基板1の表面2に着脱自在に固定しておくのが好ましい。
(i) 活性光線に対する透過性を有する材料からなる弱粘着層を介して、前記支持基板1の表面2に着脱自在に粘着固定。
(ii) 前記支持基板の表面に吸引溝を形成し、当該吸引溝を介して真空吸引することにより、前記表面に着脱自在に吸着固定。
(iii) 前記支持基板1の面方向の寸法よりも間隔を隔てた一対のチャック治具間に展張させた状態で、前記支持基板の表面に着脱自在に圧接固定。
前記のうち(i)の粘着固定に用いる弱粘着層としては、前記支持基板1、および粗面化シート4の形成材料に対して弱粘着性を有し、かつ活性光線に対する透過性を有する種々の粘着剤からなる層がいずれも採用可能である。前記弱粘着層は、支持基板1の表面2、および粗面化シート4の反対面5のうちの少なくとも一方に、前記粘着剤を、例えばスプレー塗布等の種々の塗布方法によって塗布することで形成される。
前記弱粘着層を、前記支持基板1の表面2、および/または粗面化シート4の反対面5に形成したのち、図2(a)に一点鎖線の矢印で示すように、前記粗面化シート4を、支持基板1の表面2の一端から他端へかけて、反対面5と表面2との間に空気が入らないように注意しながら順に重ねると、前記弱粘着層の粘着力により、前記粗面化シート4を表面2上に固定することができる。
また固定した粗面化シート4を表面2から取り外すには、当該粗面化シート4を、例えば図2(a)の矢印とは逆に支持基板1の他端から一端へかけて、前記弱粘着層の粘着力に抗しながら順に引き剥がす等すればよい。
(ii)の吸着固定をするには、支持基板1の表面2を平滑に仕上げるとともに、かかる表面2の略全面に吸引溝を形成する。吸引溝は、真空ポンプ等を含む真空系に接続する。
そして、粗面化シート4を、反対面5を下にして支持基板1の表面2に重ねた状態で真空系を作動させるか、あるいは先に作動させておいた真空系を吸引溝と接続する等して、当該吸引溝を介して真空吸引することにより、前記粗面化シート4を表面2上に固定することができる。
固定した粗面化シート4を表面2から取り外すには、真空系を停止させるか、あるいは真空系と吸引溝との接続を遮断すればよい。
図4(a)(b)は、前記(iii)の圧接固定の方法を説明する断面図である。
両図を参照して、この圧接固定法においては、例えば液晶表示素子の画面の形状に対応させて矩形状に形成した粗面化シート4の、互いに平行な2辺をその全長に亘って保持する一対のチャック治具Cを用意する。
粗面化シート4としては、前記2辺間の長さLが、同じく矩形状に形成した支持基板1の、対応する2辺間の寸法Lよりも長いものを用意し、前記2辺を、その全長に亘って、チャック治具Cによって保持する。粗面化シート4は、図示していないが、賦形面3を、図において上側に向けた状態で保持する。
そしてチャック治具Cを、支持基板1の前記寸法Lよりも間隔を隔てて配置することで、両チャック治具C間に、粗面化シート4をたるみなく展張させた状態とする(図4(a))。
次いでこの状態で、チャック治具Cを図において下方に移動させることで、前記チャック治具C間に展張させた粗面化シート4を、図4(a)に白抜きの矢印で示すように支持基板1の表面2の方向に下降させて、図4(b)に示すように、前記表面2に隙間なく圧接させると、前記粗面化シート4を、前記表面2上に固定することができる。
また固定した粗面化シート4を表面2から取り外すには、当該粗面化シート4を、一対のチャック治具Cごと、図4(a)の矢印とは逆に前記表面2から上方へ移動させればよい。
図2(b)を参照して、次にこの例の製造方法では、前記いずれかの方法で支持基板1の表面2上に固定した粗面化シート4の賦形面3上に、所定量の液状の感光性樹脂組成物6を供給する。
そして前記感光性樹脂組成物6を、前記粗面化シート4と、補強層となる補強フィルム7との間に挟みながら、図2(b)に一点鎖線の矢印で示すように、支持基板1の表面2の一端から他端へかけて、間に空気が入らないように注意しながら順に、前記粗面化シート4の賦形面3上に塗り拡げて前記感光性樹脂組成物の層8を形成するとともに、その上に補強フィルム7を積層する。
次いで図2(c)を参照して、前記補強フィルム7上に、対向基板9の対向面10を接触させる。
そして前記対向基板9の対向面10を、前記表面2との間に一定の間隔を隔てて平行に維持しながら、図2(c)に黒矢印で示すように前記対向基板9を前記支持基板1の方向に押圧することで、前記層8を粗面化シート4の賦形面3に圧着させる。
そしてこの状態で、前記層8を、図2(c)に実線の矢印で示すように、前記支持基板1および粗面化シート4を通して活性光線によって露光して、前記層8を形成する感光性樹脂組成物6を硬化反応させる。
この際、支持基板1の表面2と、対向基板9の対向面10との間の間隔は、製造するフレキソ印刷版の厚みに粗面化シート4の厚みを加えた寸法を維持するようにする。
なお対向基板9は、金属、ガラス、硬質樹脂等の任意の材料によって形成することができる。
特に対向基板9を、支持基板1と同様の、活性光線に対する透過性を有する材料によって形成し、また補強フィルム7も、粗面化シート4と同様の、活性光線に対する透過性を有する材料によって形成して、当該対向基板9の側からも感光性樹脂組成物の層8を活性光線によって露光して架橋反応させるようにしてもよい。
次いで図3(a)(b)を参照して、補強フィルム7、架橋された層8、および粗面化シート4の積層体11を、前記支持基板1と対向基板9の間から取り出し、上下逆転させて、補強フィルム7を下にして作業台12の上に載置する。
そして図3(b)に一点鎖線の矢印で示すように、粗面化シート4を、前記積層体11の一端から他端へかけて順に引き剥がすと、層8の図において上面側が、粗面化シート4の賦形面3の凹凸形状が転写されて粗面化された印刷面13とされる。
次いで、図3(c)に示すように印刷面13の、印刷パターンに対応する領域以外の領域を、図の例の場合はレーザヘッド14から炭酸ガスレーザ15等を走査しながら照射して熱的に除去することにより、前記印刷面13が所定の印刷パターンにパターン化されて、フレキソ印刷版16が完成する。
感光性樹脂組成物としては、紫外線等の活性光線によって硬化させることができ、しかも硬化後は、例えばフレキソ印刷等に使用するのに適した適度なゴム弾性を有するとともに、印刷に使用するインキ中に含まれたり、印刷版の清掃に使用したりする溶剤に対する耐溶剤性に優れた硬化物を形成しうる種々の樹脂組成物が、いずれも使用可能である。
かかる感光性樹脂組成物としては、これに限定されないが、例えば1,2−ブタジエン構造を有し、かつ末端にエチレン性二重結合を有するプレポリマ、エチレン性不飽和単量体、および光重合開始剤を含むもの等が挙げられる。
前記光重合開始剤としては、ベンゾインアルキルエーテルが好ましく、特に蛍光灯等からの可視光によって反応して印刷用樹脂原版を黄変させる原因となるベンゾインの含有割合が、感光性樹脂組成物の総量の500ppm以下であるものが好適に使用される。これにより、短期間で黄変しない耐光性に優れた印刷用樹脂原版を得ることができる。
補強フィルム7としては、前記のように粗面化シート4と同様に、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の熱可塑性樹脂からなり、なおかつ活性光線に対する透過性を有するシートが使用可能である。
本発明は、前記本発明のフレキソ印刷版を用いて、フレキソ印刷により、液晶パネル用の液晶配向膜を形成する工程を含むことを特徴とする液晶パネル用基板の製造方法である。
本発明によれば、先に説明した印刷面の表面形状に基づいて、厚みが均一でかつ厚みの再現性にも優れ、しかもピンホールのない液晶配向膜を備えた液晶パネル用基板を製造することができる。
前記製法方法のその他の工程は、従来同様に実施することができる。
すなわち、ソーダライムガラス基板等の透明基板の片面に、所定のマトリクスパターン等に対応した透明電極層を形成した上に、前記本発明のフレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷により液晶配向膜を形成し、さらに前記液晶配向膜の表面を、必要に応じてラビング等によって配向処理することで、液晶パネル用基板が製造される。
また前記液晶パネル用基板を2枚用意し、それぞれの透明電極層を位置合わせした状態で、間に液晶材料を挟みこんで互いに固定するとともに、さらに必要に応じて前期積層体の両外側に偏光板を配設することによって液晶パネルが製造される。
前記本発明の製造方法は、先に説明したように液晶パネルの高精細化、高機能化に伴って開発されつつある、ガラス基板等に対する濡れ性の悪いインキを原材料とする液晶配向膜の形成に適している。
かかる濡れ性の悪い、液晶配向膜のもとになるインキとしては、例えば溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを含み、かつ前記N−メチル−2−ピロリドンの割合が大きいインキ等が挙げられる。
具体的には、これに限定されるものではないが、例えばJSR(株)製のオプトマー(登録商標)AL60702等が、ガラス基板等に対する濡れ性の悪いインキとして挙げられる。
本発明は、以上で説明した図の例には限定されない。例えば補強フィルム7は省略しても良い。また、感光性樹脂組成物の層を、対向基板によって支持基板の方向に押圧する代わりに、粗面化シートのローラ等によって塗り拡げて厚みを一定にするようにしてもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を施すことができる。
〈実施例1〉
(粗面化シート)
粗面化シートとしては、片面に厚み100μmのPETシートを補強シートとして貼り合わせたTPUのシート〔大倉工業(株)製のシルクロン(登録商標)SNESS80−150μm〕の、補強シートを貼り合わせた面と反対側に露出したTPUの表面を、エンボスロールを用いた加圧シート成形によって粗面化した賦形面としたものを用いた。かかる粗面化シートは、活性光線としての紫外線に対する透過性を有している。
前記賦形面の、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔqを、走査型共焦点レーザ顕微鏡〔オリンパス(株)製のLEXT(登録商標) OLS(登録商標)3100〕を用いて測定して得た粗さ曲線から、JIS B0601:2001の4.4.1項「輪郭曲線の二乗平均平方根傾斜」に記載の基準長さにおける局部傾斜dz/dxの二乗平均平方根として求めたところ2.0であった。なお基準長さは270μmとした。
また前記賦形面の比表面積を、形状測定レーザ顕微鏡〔(株)キーエンス製VK−9510〕を用いて測定した印刷面の一定面積(基準面積)の領域の3次元データから、3次元解析によって求めた前記領域の実表面積の、前記基準面積に対する割合として求めたところ2.8であった。なお基準面積は約0.06mm(59484.48μm)とした。
(フレキソ印刷版の製造)
図2(a)〜(c)を参照して、支持基板1としての、紫外線透過性を有する平滑透明ガラス板と、対向基板9とを備えた印刷用樹脂原版の製造装置の、前記支持基板1の表面2に、前記粗面化シート4を、その賦形面3を上、反対面5を下にして、前記反対面5が前記表面2に接するように、スプレー粘着剤の層を介して着脱自在に固定した。
次いで前記賦形面3上に、紫外線硬化型の液状の感光性樹脂組成物〔住友ゴム工業(株)製のNK樹脂〕6を所定量供給し、前記粗面化シート4と、補強層となる補強フィルム(PETフィルム、住友ゴム工業(株)製のBF/CF)7との間に挟みながら、図2(b)に一点鎖線の矢印で示すように、支持基板1の表面2の一端から他端へかけて、間に空気が入らないように注意しながら順に、前記粗面化シート4の賦形面3上に塗り拡げて前記感光性樹脂組成物の層8を形成するとともに、その上に補強フィルム7を積層した。
次いで前記補強フィルム7上に、対向基板9の対向面10を接触させた。
そして前記対向面10を、前記表面2との間に一定の間隔を隔てて平行に維持しながら、図2(c)に黒矢印で示すように前記対向基板9を前記支持基板1の方向に押圧することで、前記層8を粗面化シート4の賦形面3に圧着させた。
そしてこの状態で、前記層8を、図2(c)に実線の矢印で示すように、前記支持基板1および粗面化シート4を通して紫外線によって露光して、前記層8を形成する感光性樹脂組成物6を硬化反応させた。光源としてはフィリップス社製のUV光源を用いた。
次に、図3(a)(b)を参照して、補強フィルム7、架橋された層8、および粗面化シート4の積層体11を、前記支持基板1と対向基板9の間から取り出し、上下逆転させて、補強フィルム7を下にして作業台12の上に載置した。
そして図3(b)に一点鎖線の矢印で示すように、粗面化シート4を、前記積層体11の一端から他端へかけて順に引き剥がして、層8の図において上面側を、粗面化シート4の賦形面3の凹凸形状が転写されて粗面化された印刷面13とした。
次いで、図3(c)に示すように印刷面13の、印刷パターンに対応する領域以外の領域を、図の例の場合はレーザヘッド14から炭酸ガスレーザ15等を走査しながら照射して熱的に除去することにより、前記印刷面13を所定の印刷パターンにパターン化して、フレキソ印刷版16を製造した。
パターン化の条件は、炭酸ガスレーザの出力:400W×2ビーム、ビーム径:20μm、送りピッチ:60μm、送り速度140cm/秒とした。
パターン化後は、融除飛沫樹脂による汚れを、太陽化学(株)製の商品名KS−HGシンナを用いて洗浄したのち、十分に乾燥させた。
前記フレキソ印刷版16の印刷面13の、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔqを、前出の走査型共焦点レーザ顕微鏡を用いて測定して得た粗さ曲線から、前記と同じ基準長さにおける局部傾斜dz/dxの二乗平均平方根として求めたところ2.0であった。
また前記印刷面13の比表面積を、前出の形状測定レーザ顕微鏡を用いて測定した、前記と同じ基準面積の領域の3次元データから、3次元解析によって求めた前記領域の実表面積の、前記基準面積に対する割合として求めたところ2.8であった。
以上の結果から、フレキソ印刷版16の印刷面13の凹凸形状は、前記粗面化シート4の賦形面3の凹凸形状を忠実に写し取ったものであることが確認された。
(実施例2〜9、比較例1〜4)
実施例2〜9、比較例2、3では、実施例1で使用したのと同じTPUのシートの、補強シートを貼り合わせた面と反対側に露出したTPUの表面を加圧シート成形によって粗面化するためのエンボスロールを変更して、賦形面の、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔq、および比表面積が、下記表1〜表3に示す値である粗面化シート4を用意した。
また比較例1、4では、実施例1で使用したTPUのシートに代えて、賦形面をマット処理してなり、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔq、および比表面積が、下記表1、表2に示す値であるPETフィルム〔開成工業(株)製、クリアベース品〕を、粗面化シート4として用意した。
そして前記各粗面化シート4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、フレキソ印刷版16を製造した。
当該フレキソ印刷版16の印刷面13の、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔq、および比表面積を、前記と同様にして求めたところ、下記表1〜表3に示すように、フレキソ印刷版16の印刷面13の凹凸形状は、粗面化シート4の賦形面3の凹凸形状を忠実に写し取ったものであることが確認された。
Figure 0005727526
Figure 0005727526
Figure 0005727526
〈実機試験〉
(フレキソ印刷)
液晶配向膜用のフレキソ印刷機〔ナカンテクノ(株)製の形式A45〕に、前記各実施例、比較例で製造したフレキソ印刷版16を、アニロックスロール#400とともに組み込んだ。
そして液晶配向膜用のワニス〔JSR(株)製のオプトマー(登録商標)AL60702、ソーダライムガラス基板に対する接触角:30°〕を、厚み0.7mmのソーダライムガラス基板上にフレキソ印刷したのち120℃で30分間加熱して、前記ワニスを予備乾燥させて液晶配向膜を形成した。
フレキソ印刷の条件は、予備乾燥後の液晶配向膜の厚みが1000Åとなるように設定した。
(厚み再現性評価)
予備乾燥後の液晶配向膜の厚みを測定して、下記の基準で厚み再現性を評価した。
○○○:厚みが1000Åちょうどであった。
○○:厚みが1000Å以外で、かつ1000±50Å以内であった。
○:厚みが1000±50Å以外で、かつ1000±100Å以内であった。
×:厚みが1000±100Å以外であった。
(ピンホール評価)
予備乾燥後の液晶配向膜を観察して、下記の基準でピンホールの有無を評価した。
○○:ピンホール、およびピンホールになりかけの窪み等は見られなかった。
○:ピンホールは見られないものの、前記ピンホールになりかけの、局所的に厚みが薄くなった窪みが見られた。
×:ピンホールが見られた。
(総合判定)
前記厚みの再現性、およびピンホールの有無の結果から、下記の基準でフレ基礎印刷版を総合判定した。
○○○○:厚みの再現性が○○○で、かつピンホールの有無が○○であるもの。
○○○:厚みの再現性が○○○で、かつピンホールの有無が○であるもの、または厚みの再現性が○○で、かつピンホールの有無が○○であるもの。
○○:厚みの再現性が○○で、かつピンホールの有無が○であるもの、または厚みの再現性が○で、かつピンホールの有無が○○であるもの。
○:厚みの再現性が○で、かつピンホールの有無が○であるもの。
×:いずれか一方または両方が×であるもの。
以上の結果を表4〜表6に示す。
Figure 0005727526
Figure 0005727526
Figure 0005727526
表4〜表6の実施例1〜9、比較例1〜4の結果より、フレキソ印刷版の印刷面の、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔqを0.9以上、3.0以下とし、かつ前記印刷面の比表面積を2.8以上、4.9以下とすることにより、液晶パネルの高精細化、高機能化に対応した新しい液晶配向膜のもとになる濡れ性の低いインキを使用して、なおかつ厚みが均一でかつ厚みの再現性に優れ、しかもピンホール等の問題を生じない液晶配向膜を形成できることが判った。
また、特に実施例1〜5の結果より、前記効果をより一層向上して、特に厚みの再現性に優れた液晶配向膜を形成するためには、前記比表面積は、前記範囲内でも3.0以上、特に3.6以上であるのが好ましく、4.6以下、特に4.0以下であるのが好ましいことが判った。
さらに実施例6〜9の結果より、前記効果をより一層向上して、特にピンホールや窪み等のない良好な液晶配向膜を形成するためには、前記二乗平均平方根傾斜RΔqは、前記範囲内でも1.2以上であるのが好ましく、2.7以下であるのが好ましいことが判った。
1 支持基板
2 表面
3 賦形面
4 粗面化シート
5 反対面
6 感光性樹脂組成物
7 補強フィルム
8 層
9 対向基板
10 対向面
11 積層体
12 作業台
13 印刷面
14 レーザヘッド
15 炭酸ガスレーザ
16 フレキソ印刷版
C チャック治具

Claims (5)

  1. 片面が印刷面とされた平板状に形成され、前記印刷面は粗面化されているとともに、粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜RΔqが0.9以上、3.0以下、比表面積が2.8以上、4.9以下であることを特徴とするフレキソ印刷版。
  2. 請求項1に記載のフレキソ印刷版の製造方法であって、前記フレキソ印刷版のもとになる感光性樹脂組成物の層を、前記感光性樹脂組成物を硬化反応させることができる活性光線に対して透過性を有する材料からなり、片面が、前記フレキソ印刷版の印刷面の形状に対応した形状を有する賦形面とされた型材の、前記賦形面に接触させた状態で、前記層を、前記型材を通して、前記活性光線の照射によって硬化反応させたのち、前記賦形面から剥離することにより、前記層の、前記賦形面と接触していた面を粗面化された印刷面とする工程を含むことを特徴とするフレキソ印刷版の製造方法。
  3. 前記印刷面の、印刷パターンに対応する領域以外の領域を機械的、または熱的に除去する工程を含む請求項2に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  4. プレポリマ、少なくとも1種のエチレン性不飽和基を有するモノマ、および光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物を用いる請求項2または3に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  5. 請求項1に記載のフレキソ印刷版を用いて、フレキソ印刷により、液晶パネル用の液晶配向膜を形成する工程を含むことを特徴とする液晶パネル用基板の製造方法。
JP2013001987A 2013-01-09 2013-01-09 フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法 Active JP5727526B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013001987A JP5727526B2 (ja) 2013-01-09 2013-01-09 フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法
KR1020130106513A KR102008531B1 (ko) 2013-01-09 2013-09-05 플렉소 인쇄판과 그의 제조 방법, 및 액정 패널용 기판의 제조 방법
CN201310407382.5A CN103909757B (zh) 2013-01-09 2013-09-09 柔性印刷板及其制造方法以及液晶面板用基板的制造方法
TW102132442A TWI561383B (en) 2013-01-09 2013-09-09 Flexographic printing plate and producing method thereof and producing method of substrate for liquid crystal panel

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013001987A JP5727526B2 (ja) 2013-01-09 2013-01-09 フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014133335A JP2014133335A (ja) 2014-07-24
JP5727526B2 true JP5727526B2 (ja) 2015-06-03

Family

ID=51035889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013001987A Active JP5727526B2 (ja) 2013-01-09 2013-01-09 フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5727526B2 (ja)
KR (1) KR102008531B1 (ja)
CN (1) CN103909757B (ja)
TW (1) TWI561383B (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5702006B1 (ja) * 2014-02-17 2015-04-15 住友ゴム工業株式会社 フレキソ印刷版とそれを用いた液晶表示素子の製造方法
JP6322871B2 (ja) * 2014-05-16 2018-05-16 住友ゴム工業株式会社 フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶表示素子の製造方法
WO2016024446A1 (ja) * 2014-08-11 2016-02-18 住友ゴム工業株式会社 フレキソ印刷版の製造方法、および液晶表示素子の製造方法
JP6395301B2 (ja) * 2014-09-29 2018-09-26 住友ゴム工業株式会社 テスト用フレキソ印刷版とその製造方法、および液晶表示素子の製造方法
CN104406520B (zh) * 2014-11-26 2017-11-21 昆山国显光电有限公司 柔性部件的检测装置及方法
JP6551737B2 (ja) * 2015-07-08 2019-07-31 住友ゴム工業株式会社 フレキソ印刷版の製造方法および液晶表示素子の製造方法
CN108454254B (zh) * 2017-02-20 2021-06-22 住友橡胶工业株式会社 粗糙面化片材与其用途
CN108081634B (zh) * 2017-12-29 2020-09-08 河北澳科中意环保科技有限公司 一种玻璃钢制品成型工艺
CN111587185B (zh) * 2018-03-26 2022-03-11 株式会社小村技术 连结印刷版
CN109061949B (zh) * 2018-08-17 2021-07-23 武汉瑞普赛精密技术有限公司 配向膜印刷版的制作方法
JP6764576B2 (ja) * 2018-08-21 2020-10-07 住友ゴム工業株式会社 フレキソ印刷版とそれを用いた液晶表示素子の製造方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4875283A (en) * 1986-11-13 1989-10-24 Johnston James A Method for manufacturing printed circuit boards
JP2933790B2 (ja) 1993-02-03 1999-08-16 シャープ株式会社 液晶表示素子の製造方法
JP3376908B2 (ja) * 1998-02-09 2003-02-17 株式会社コムラテック 膜印刷適性等に優れた樹脂凸版
JP4623452B2 (ja) * 2000-02-09 2011-02-02 旭化成イーマテリアルズ株式会社 赤外線感受性層を形成する為の塗工液
JP2002293049A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Komuratekku:Kk 薄膜形成用樹脂凸版
JP2002296774A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版用原版
JP2006145969A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Sharp Corp 液晶表示装置の配向膜形成用樹脂凸版
JP4203519B2 (ja) * 2006-03-23 2009-01-07 パナソニック株式会社 直描型印刷原版およびその製造方法ならびにこれを用いた製版方法
CN100514185C (zh) * 2006-04-18 2009-07-15 清华大学 一种制作聚合物自支撑纳微米线的方法
JP4189421B2 (ja) * 2006-07-13 2008-12-03 パナソニック株式会社 直描型印刷原版およびその製造方法ならびにこれを用いた製版方法
JP4837738B2 (ja) * 2006-09-06 2011-12-14 旭化成イーマテリアルズ株式会社 感光性樹脂組成物
JP5242033B2 (ja) * 2006-09-12 2013-07-24 旭化成イーマテリアルズ株式会社 凸版印刷原版及びレーザー彫刻印刷版
JP2009034913A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Nakan Corp フレキソ印刷版およびその製造方法、薄膜および液晶表示素子の製造方法
US20100173135A1 (en) * 2009-01-06 2010-07-08 Jonghan Choi Method of Controlling Surface Roughness of a Flexographic Printing Plate
TW201034301A (en) * 2009-03-09 2010-09-16 Hon Hai Prec Ind Co Ltd Flexible printed circuit board, electrical connector with the flexible printed circuit board and electrical connector assembly
ES2644548T3 (es) * 2009-07-30 2017-11-29 Toyobo Co., Ltd Una placa original de impresión flexográfica
CN102752954A (zh) * 2011-04-22 2012-10-24 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 柔性印刷电路板及采用该柔性印刷电路板的电子装置
JP2014133336A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TWI561383B (en) 2016-12-11
JP2014133335A (ja) 2014-07-24
KR102008531B1 (ko) 2019-08-07
KR20140090543A (ko) 2014-07-17
TW201427822A (zh) 2014-07-16
CN103909757B (zh) 2018-01-09
CN103909757A (zh) 2014-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5727526B2 (ja) フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法
JP6322871B2 (ja) フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶表示素子の製造方法
JP5427225B2 (ja) 印刷用樹脂原版の製造方法
JP2014133336A (ja) フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法
WO2011089964A1 (ja) 透光性硬質基板積層体の製造方法及び透光性硬質基板貼り合わせ装置
TW521045B (en) Resin projection plate for formation of a thin film
JP6551737B2 (ja) フレキソ印刷版の製造方法および液晶表示素子の製造方法
JP4901173B2 (ja) フレキソ印刷方法
JP2007147935A (ja) レンズシート、透過型スクリーンおよび背面投射型映像表示装置
JP2018187767A (ja) 撥水性部材及びその製造方法
TWI508848B (zh) 用於製備光學片的裝置及使用該裝置的光學片製備方法
JP6395301B2 (ja) テスト用フレキソ印刷版とその製造方法、および液晶表示素子の製造方法
JP2013101783A (ja) 導光板の製造方法、導光板、エッジライト型面光源装置及び透過型画像表示装置
JP6802973B2 (ja) 印刷用樹脂原版の製造方法、フレキソ印刷版の製造方法、および液晶表示素子の製造方法
JP6660568B2 (ja) 粗面化シートとそれを用いた印刷用樹脂原版の製造方法、およびフレキソ印刷版の製造方法
JP2020029003A (ja) フレキソ印刷版とそれを用いた液晶表示素子の製造方法
JP2019014133A (ja) フレキソ印刷版の製造方法、および液晶表示素子の製造方法
JP2017114074A (ja) 粗面化シートとそれを用いた印刷用樹脂原版の製造方法、フレキソ印刷版の製造方法、および液晶表示素子の製造方法
JP2018051835A (ja) 粗面化シートおよびその製造方法
KR100752304B1 (ko) 롤 코팅장치
CN116457176A (zh) 一种增材制造装置及方法
JP2009139496A (ja) 光学シートの製造方法
TW201219198A (en) coats photosensitive resin on the substrate to form a coating layer by means of reverse coating

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150326

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150402

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5727526

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250