JP2018187767A - 撥水性部材及びその製造方法 - Google Patents

撥水性部材及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018187767A
JP2018187767A JP2015191257A JP2015191257A JP2018187767A JP 2018187767 A JP2018187767 A JP 2018187767A JP 2015191257 A JP2015191257 A JP 2015191257A JP 2015191257 A JP2015191257 A JP 2015191257A JP 2018187767 A JP2018187767 A JP 2018187767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
columnar
repellent member
convex portion
resin layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015191257A
Other languages
English (en)
Inventor
孝徳 高橋
Takanori Takahashi
孝徳 高橋
目黒 晃
Akira Meguro
晃 目黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Soken Kagaku KK, Soken Chemical and Engineering Co Ltd filed Critical Soken Kagaku KK
Priority to JP2015191257A priority Critical patent/JP2018187767A/ja
Priority to PCT/JP2016/078163 priority patent/WO2017057220A1/ja
Priority to TW105131257A priority patent/TW201728433A/zh
Publication of JP2018187767A publication Critical patent/JP2018187767A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B3/00Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar shape; Layered products comprising a layer having particular features of form
    • B32B3/26Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar shape; Layered products comprising a layer having particular features of form characterised by a particular shape of the outline of the cross-section of a continuous layer; characterised by a layer with cavities or internal voids ; characterised by an apertured layer
    • B32B3/30Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar shape; Layered products comprising a layer having particular features of form characterised by a particular shape of the outline of the cross-section of a continuous layer; characterised by a layer with cavities or internal voids ; characterised by an apertured layer characterised by a layer formed with recesses or projections, e.g. hollows, grooves, protuberances, ribs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D5/00Processes for applying liquids or other fluent materials to surfaces to obtain special surface effects, finishes or structures
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D7/00Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
    • B05D7/24Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials for applying particular liquids or other fluent materials

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】撥水性が非常に優れた撥水性部材を提供する。【解決手段】本発明によれば、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に樹脂層を備え、前記樹脂層は、複数の柱状凸部を有し、前記柱状凸部は、断面積が400π〜2500πnm2であり、前記柱状凸部が形成されるピッチが90〜400nmであり、隣接した2つの柱状凸部の間の隙間が50〜360nmであり、フッ素原子を含むフッ素原子含有層が前記柱状凸部を覆うように設けられている、撥水性部材が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、撥水性部材及びその製造方法に関する。
特許文献1〜2には、インプリント技術を用いて樹脂に凹凸形状を付与させた撥水性部材が開示されている。
特許第5630104号 特許第5626441号
しかし、特許文献1〜2の実施例で作製されている撥水性部材の接触角は150〜163°の範囲であり、使用用途によっては、撥水性が不足している。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、撥水性が非常に優れた撥水性部材を提供するものである。
本発明によれば、本発明によれば、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に樹脂層を備え、前記樹脂層は、複数の柱状凸部を有し、前記柱状凸部は、断面積が400π〜2500πnmであり、前記柱状凸部が形成されるピッチが90〜400nmであり、隣接した2つの柱状凸部の間の隙間が50〜360nmであり、フッ素原子を含むフッ素原子含有層が前記柱状凸部を覆うように設けられている、撥水性部材が提供される。
本発明者は基材上に形成した樹脂層に、特定の断面積及びピッチを有する柱状凸部を形成し、その表面にフッ素原子を存在させたところ、撥水性が非常に優れた撥水性部材が得られることを見出し、本発明の完成に到った。
従来は、特許文献1〜2に示すように、撥水性部材に形成する凸部は、先端に向かって断面積が小さくなる形状にすることが技術常識であったが、本発明者はこのような技術常識に反して、柱状の凸部を特定の断面積及びピッチで形成したところ、撥水性が非常に良好になるという驚くべき結果が得られた。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は、互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記フッ素原子含有層は、フッ素含有基を含む。
好ましくは、前記柱状凸部と前記フッ素原子含有層の間に無機膜を備える。
好ましくは、前記フッ素含有基は、パーフルオロアルキル基である。
好ましくは、前記柱状凸部は、断面積が900π〜2500πnmである。
好ましくは、前記柱状凸部は、円柱状である。
好ましくは、前記柱状凸部は、高さが50〜400nmである。
好ましくは、前記柱状凸部は、高さが150〜400nmである。
好ましくは、前記樹脂層は、(メタ)アクリル樹脂からなる。
好ましくは、水に対する接触角が170度以上である。
本発明の別の観点によれば、基材上に光硬化性樹脂組成物を塗布して形成した被転写樹脂層に複数の柱状凸部を形成し、前記柱状凸部を覆うように無機膜を形成し、前記無機膜とフッ素含有シランカップリング剤を反応させることによって前記無機膜を覆うようにフッ素原子含有層を形成する工程を備える、撥水性部材の製造方法が提供される。
好ましくは、前記柱状凸部は、モールドを用いてナノインプリント法によって形成される。
好ましくは、前記柱状凸部は、モールドを用いてナノインプリント法によってベース柱状凸部を形成した後に酸素プラズマアッシング処理を行って前記ベース柱状凸部を縮小させることによって形成される。
本発明のさらに別の観点によれば、基材上に光硬化性樹脂組成物を塗布して被転写樹脂層を形成し、前記被転写樹脂層にモールドを押し付けた状態で前記被転写樹脂層に活性エネルギー線を照射して前記被転写樹脂層を硬化させることによって複数の柱状凸部を形成する工程を備え、前記被転写樹脂層は、反応性フッ素添加剤を含有する樹脂を用いて形成される、撥水性部材の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態の撥水性部材1を示し、(a)は平面図、(b)はA−A断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態の撥水性部材1の製造工程を示す。 (a)〜(c)は、図2から続く、撥水性部材1の製造工程を示す。
以下、図1〜図3を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について具体的に説明する。
1.撥水性部材
本発明の一実施形態の撥水性部材1は、基材6と、基材6の少なくとも一方の面に樹脂層7を備え、樹脂層7は、複数の柱状凸部3を有し、柱状凸部3は、断面積が400π〜2500πnmであり、柱状凸部3が形成されるピッチPが90〜400nmであり、隣接した2つの柱状凸部3の間の隙間Gが50〜360nmであり、フッ素原子を含むフッ素原子含有層9が柱状凸部3を覆うように設けられている。柱状凸部3とフッ素原子含有層9の間には無機膜8が設けられていてもよい。柱状凸部3がフッ素原子含有層9で被覆されたものを被覆柱状凸部5と称する。
<撥水性部材1>
撥水性部材1の形態は特に限定されないが、可撓性を有する撥水フィルムであることが好ましい。撥水性部材1の水に対する接触角は特に限定されないが、170度以上が好ましく、175度以上がさらに好ましく、178度以上がさらに好ましい。
<基材6>
基材6の材質は、特に限定されないが、樹脂基材、石英基材などの透明基材であることが好ましく、可撓性の観点から樹脂基材であることがさらに好ましい。樹脂基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、環状ポリオレフィンおよびポリエチレンナフタレートからなる群から選ばれる1種からなるものである。また、基材6は可撓性を有するフィルム状であることが好ましく、その厚さは25〜500μmの範囲であることが好ましい。
<樹脂層7、柱状凸部3>
樹脂層7を構成する樹脂は特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂からなり、樹脂の硬さや硬化速度の調整が可能で凹凸の形状を賦型しやすいという理由から(メタ)アクリル樹脂からなることが好ましい。
柱状凸部3は、その高さ方向に断面積が実質的に一定である凸部である。柱状凸部3の断面形状は円が好ましいが、楕円、長円、多角形(正方形、長方形、正六角形など)などの別の形状であってもよい。柱状凸部3の断面形状が円である場合、その直径は40〜100nmが好ましく、60〜100nmがさらに好ましい。この直径は、具体的には例えば、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100nmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。直径が40nmのときの断面積は400πnmであり、直径が100nmのときの断面積は2500πnmである。柱状凸部3は、断面形状が円以外の場合でも、円の場合と同様の断面積を有することが好ましい。従って、柱状凸部3は、断面形状に関わらず、断面積が400π〜2500πnmであることが好ましく、900π〜2500πnmであることがさらに好ましい。この断面積は、具体的には例えば、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500πnmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
柱状凸部3が形成されるピッチPが90〜400nmであり、隣接した2つの柱状凸部3の間の隙間Gが50〜360nmである。ピッチPが小さすぎたり、隙間Gが小さすぎる場合には、隣接する柱状凸部3間の間隔が狭くなりすぎて、撥水性が高くなりにくい。また、ピッチPが大きすぎると柱状凸部3によって構造色が発現されて透明性が損なわれやすくなるからである。ピッチPは、具体的には例えば、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400nmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。隙間Gは、具体的には例えば、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360nmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
柱状凸部3の高さは、特に限定されないが、例えば、50〜400nmであり、150〜400nmが好ましい。柱状凸部3の高さが低すぎると撥水性が高くなりにくく、柱状凸部3の高さが高すぎると柱状凸部3が倒壊されやすくなるからである。柱状凸部3の高さは、具体的には例えば、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400nmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
<無機膜8・フッ素原子含有層9>
フッ素原子含有層9が柱状凸部3を覆うように設けられている。フッ素原子含有層9は、フッ素原子を含んでいればよく、その厚さや構成は限定されない。フッ素原子含有層9を設けることによって撥水性が高められる。フッ素原子含有層9は、フッ素含有基を含むことが好ましい。フッ素含有基は、一例では、パーフルオロアルキル基であり、より具体的には、パーフルオロアルキルシラン基である。パーフルオロアルキル基の炭素数は、例えば1〜10であり、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。フッ素含有基は、好ましくは、柱状凸部3又は無機膜8に化学結合されている。一般に、無機膜8は樹脂層7との密着性が高く、フッ素含有基は、無機膜8に対して強固な化学結合を形成しやすいので、柱状凸部3とフッ素原子含有層9の間に無機膜8を設けることによってフッ素原子含有層9が柱状凸部3上に強固に保持される。無機膜8としては、無機酸化膜、無機窒化膜、無機酸窒化膜などが挙げられる。無機膜8を構成する無機元素しては、SiやAlが挙げられる。無機膜8は、例えば、酸化シリコン膜や酸化アルミニウム膜である。無機膜8の厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜20nmである。
フッ素原子含有層9は、一例では、柱状凸部3上に無機膜8を形成し、無機膜8とフッ素含有シランカップリング剤を反応させることによって形成することができる。フッ素含有シランカップリング剤は、例えば、パーフルオロアルキルトリアルコキシ(メトキシ、エトキシなど)シランである。無機膜8を形成せずに柱状凸部3にフッ素含有シランカップリング剤を作用させても強固な化学結合が形成されにくいので、予め柱状凸部3上に無機膜8を形成することが好ましい。フッ素含有シランカップリング剤の例としては、オプツールDSX(ダイキン工業社製)が挙げられる。
2.撥水性部材の製造方法
次に、図2〜図3を用いて、撥水性部材の製造方法について説明する。
本発明の一実施形態の撥水性部材の製造方法は、被転写樹脂層形成工程、柱状凸部形成工程と、無機膜形成工程と、フッ素原子含有層形成工程を備える。
以下、各工程についてさらに詳細に説明する。
<被転写樹脂層形成工程>
まず、図2(a)に示すように、基材6上に光硬化性樹脂組成物を塗布して被転写樹脂層11を形成する。基材6の詳細は上述した通りである。光硬化性樹脂組成物は、モノマーと、光開始剤を含有し、活性エネルギー線の照射によって硬化する性質を有する。「活性エネルギー線」は、UV光、可視光、電子線などの、光硬化性樹脂組成物を硬化可能なエネルギー線の総称である。
モノマーとしては、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を形成するための光重合性のモノマーが挙げられ、光重合性の(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、メタクリルおよび/またはアクリルを意味し、(メタ)アクリレートはメタクリレートおよび/またはアクリレートを意味する。
光開始剤は、モノマーの重合を促進するために添加される成分であり、前記モノマー100質量部に対して0.1質量部以上含有されることが好ましい。光開始剤の含有量の上限は、特に規定されないが、例えば前記モノマー100質量部に対して20質量部である。
光硬化性樹脂組成物は、溶剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、光増感剤、充填剤、レベリング剤等の成分を光硬化性樹脂組成物の性質に影響を与えない範囲で含んでいてもよい。
光硬化性樹脂組成物は、上記成分を公知の方法で混合することにより製造することができる。光硬化性樹脂組成物は、スピンコート、スプレーコート、バーコート、ディップコート、ダイコートおよびスリットコート等の方法で基材6上に塗布して被転写樹脂層11を形成することが可能である。
<柱状凸部形成工程>
次に、図2(a)〜図2(b)に示すように、被転写樹脂層11に対して、ベース柱状凸部4の反転パターン15を有するモールド13を押し付けた状態で被転写樹脂層11に活性エネルギー線17を照射して被転写樹脂層11を硬化させることによって、ベース柱状凸部4を有する樹脂層7を形成する。つまり、ベース柱状凸部4は、モールド13を用いてナノインプリント法によって形成される。ベース柱状凸部4は、所望の柱状凸部3よりも大きいサイズになるように形成する。
モールド13の種類は特に限定されないが、例えば、樹脂製モールド、ニッケル製モールドなどが利用可能である。モールド13を被転写樹脂層11に押し付ける圧力は、反転パターン15の形状を被転写樹脂層11に転写可能な圧力であればよい。被転写樹脂層11へ照射する活性エネルギー線17は、被転写樹脂層11が十分に硬化する程度の積算光量で照射すればよく、積算光量は、例えば100〜10000mJ/cmである。活性エネルギー線17の照射によって、被転写樹脂層11が硬化される。本実施形態では、基材6側から活性エネルギー線17の照射を行っているが、モールド側から活性エネルギー線17の照射を行ってもよい。
次に、モールド13を取り外すことによって、図2(c)に示すように、基材6上に複数のベース柱状凸部4を有する樹脂層7が形成された構造が得られる。なお、モールド13を取り外すときに、未硬化の光硬化性樹脂組成物を溶剤で洗い流してもよい。
次に、図2(c)〜図3(a)に示すように、酸素プラズマアッシング処理を行ってベース柱状凸部4を縮小させて柱状凸部3を形成する。酸素プラズマアッシング処理の条件は、所望の形状の柱状凸部4を得るべく適宜設定することができる。このように、本実施形態では、ナノインプリント法によってベース柱状凸部4を形成した後に酸素プラズマアッシング処理でベース柱状凸部4のサイズを縮小させることによって所望形状の柱状凸部3を得ているので、1つのモールド13を用いて、柱状凸部3の形状が互いに異なる種々の撥水性部材を得ることができる。
なお、ナノインプリント法によってベース柱状凸部4を形成する代わりに、柱状凸部3の反転パターン15を有するモールド13を用いて、ナノインプリント法によって、柱状凸部3を直接形成してもよい。この場合、酸素プラズマアッシング処理工程を省略することができる。
ところで、被転写樹脂層11は、反応性フッ素添加剤を含有する樹脂を用いて形成してもよい。反応性フッ素添加剤とは、光(例:UV)反応性基とフッ素含有基とを備える化合物である。この場合、被転写樹脂層11に活性エネルギー線17を照射すると、フッ素含有基が樹脂層7の表面に露出して柱状凸部3を覆うフッ素原子含有層9が形成される。従って、この場合、フッ素原子含有層9を別途形成することなく、優れた撥水性が発揮される。反応性フッ素添加剤の例としては、メガファックRSシリーズ(DIC社製)が挙げられる。
<無機膜形成工程>
次に、図3(b)に示すように、柱状凸部3を覆うように無機膜8を形成する。無機膜8は、蒸着やスパッタリングなどの方法で形成可能である。図3(b)では、無機膜8は、柱状凸部3の上面及び側面の両方を覆っているが、無機膜8は、柱状凸部3の少なくとも一部を覆うように形成すればよく、例えば、柱状凸部3の上面のみを覆うように形成してもよい。また、図3(b)では、無機膜8は、樹脂層7の全面を覆うように形成しているが、柱状凸部3のみを覆うように形成してもよい。
<フッ素原子含有層形成工程>
次に、図3(c)に示すように、無機膜8とフッ素含有シランカップリング剤を反応させることによって無機膜8を覆うようにフッ素原子含有層9を形成する。図3(c)では、フッ素原子含有層9は、柱状凸部3の上面及び側面の両方を覆っているが、フッ素原子含有層9は、柱状凸部3の少なくとも一部を覆うように形成すればよく、例えば、柱状凸部3の上面のみを覆うように形成してもよい。また、図3(c)では、フッ素原子含有層9は、樹脂層7の全面を覆うように形成しているが、柱状凸部3のみを覆うように形成してもよい。また、図3(c)では、何れの領域においても、フッ素原子含有層9と樹脂層7の間に無機膜8が存在しているが、一部の領域においてはフッ素原子含有層9と樹脂層7が直接接触するようにしてもよい。
<産業上の利用可能性>
本発明の撥水性部材は、輸送機器、建造物および通信機器に用いられる窓、レンズ、ディスプレイ、センサーなどのほか、結露防止が必要な物品(空調設備、熱交換器、コンデンサなど)、換気扇、アクチュエータ、燃料電池用電極、ノズル、フィルタ、防水施工用シート、化粧板、道路上への設置物(交通標識、信号機、防音壁、交通案内板、ブリンカーライト)などに好適に利用できる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示す。サンプル3〜4及び9が本発明の実施例であり、残りのサンプルが比較例である。
<UV硬化樹脂の調製>
まず、多官能モノマー及び光開始剤を以下に示す割合で配合してUV硬化樹脂を調製した。
多官能アクリレートモノマー
ビスコート#360(大阪有機化学工業社製)50質量部
ビスコート#700HV (大阪有機化学工業社製) 20質量部
ビスコート#310HP (大阪有機化学工業社製) 30質量部
光開始剤
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 5質量部
<サンプルの作製>
[サンプル1]
PET基材に対して、上記調製のUV硬化樹脂を5μm厚になるようにバーコーターで塗工をし、ナノホール形状(周期240nm,直径140nm,深さ250nm)モールドに対して、塗工した樹脂面をモールドに押し当てるように上からローラーでラミネートを行った。その後、PET基材側から積算光量500mJ/cmでUV照射を行い、UV硬化樹脂を硬化させた。モールドと樹脂硬化させたPET基材を剥離し、上記モールドの反転形状であるナノピラー転写品を作製した。
その後、バッチ型真空製膜装置で、賦型した表面に対して、ビーム電圧500[V],ビーム電流400[mA]、製膜圧力1[Pa]以下の条件において、SiOの蒸着処理を行い、SiOの薄膜を皮膜させた。そして、フッ素含有シランカップリング剤(ダイキン工業社製、オプツールDSX)をその表面に塗布し、温度50℃湿度80%の条件下で反応させて、表面をフッ素化処理することによってフッ素原子含有層を形成した撥水性フィルム(サンプル1)を作製した。
[サンプル2〜4]
サンプル1と同様の方法で作製したナノピラー転写品に対して、プラズマクリーナー(Samco製、型式:PC−300)を用いて、50[Pa]以下の真空下において、高周波(13.56MHz)を200wの条件で酸素プラズマアッシング処理を施し、転写品のUV硬化樹脂を削り、形状の直径を細くした。その際、処理時間によって、直径の異なるものを作製した。その後、サンプル1と同様の方法で表面のフッ素化処理を行って、撥水性フィルム(サンプル2〜4)を作製した。
[サンプル5〜8]
ナノピラー形状(周期240nm,直径160nm,高さ250nm)モールドを用いた以外は、サンプル1〜4と同様の方法で撥水性フィルム(サンプル5〜8)を作製した。
[サンプル9]
上記のUV硬化樹脂に反応性フッ素添加剤(DIC社製、メガファックRS−75)を10部添加させた混合物をPET基材に5μm厚になるように、バーコーターで塗工し、それをナノホール形状(周期240nm,直径60nm,深さ250nm)モールドに対して、樹脂面を押し当てるようにラミネート行った。その後、PET基材側から積算光量1000mJ/cmでUV照射を行って硬化をさせ、PET基材をモールドから離型し、上記の反転形状の転写品を作製した。さらに、作製した転写品に対して、フッ素含有シランカップリング剤(ダイキン工業社製、オプツールDSX)を塗布し、表面をフッ素処理することによってフッ素原子含有層を形成した撥水性フィルム(サンプル9)を作製した。
[サンプル10〜11]
モスアイ形状の反転パターンを有するモールドを用いた以外は、サンプル1と同様の方法により、撥水性フィルム(サンプル10〜11)を作製した。
[サンプル12]
サンプル11の撥水性フィルムに対して、サンプル2〜4と同様の方法で酸素プラズマアッシング処理を施してサンプル12とした。
<直径、周期、高さ測定>
サンプルの一部を切除して、走査型電子顕微鏡(日本電子社製、型式:JSM−7800F)を用いて形状を観察し、同顕微鏡に付属するソフトウェア(PC-SUM)を用いて測定した。なお、直径は高さの中央部分に合わせて測定した。
<水接触角測定>
得られた撥水性フィルムについて、接触角測定装置(dataphysics社製)を用いて、室温(25℃)下において、当該フィルムの表面にイオン交換水0.5μl滴下し、フィルムと水の接する角度(水接触角)を測定した。
各サンプルの形状の詳細と水接触角測定結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の実施例であるサンプル3,4,9の撥水性フィルムは、撥水性が非常に優れていたが、残りのサンプルの撥水性フィルムは、実施例のサンプルよりも撥水性が劣っていた。
1:撥水性部材、3:柱状凸部、4:ベース柱状凸部、5:被覆柱状凸部、6:基材、7:樹脂層、8:無機膜、9:フッ素原子含有層、11:被転写樹脂層、13:モールド、15:反転パターン、17:活性エネルギー線

Claims (14)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に樹脂層を備え、
    前記樹脂層は、複数の柱状凸部を有し、
    前記柱状凸部は、断面積が400π〜2500πnmであり、
    前記柱状凸部が形成されるピッチが90〜400nmであり、
    隣接した2つの柱状凸部の間の隙間が50〜360nmであり、
    フッ素原子を含むフッ素原子含有層が前記柱状凸部を覆うように設けられている、撥水性部材。
  2. 前記フッ素原子含有層は、フッ素含有基を含む、請求項1に記載の撥水性部材。
  3. 前記柱状凸部と前記フッ素原子含有層の間に無機膜を備える、請求項2に記載の撥水性部材。
  4. 前記フッ素含有基は、パーフルオロアルキル基である、請求項2又は請求項3に記載の撥水性部材。
  5. 前記柱状凸部は、断面積が900π〜2500πnmである、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の撥水性部材。
  6. 前記柱状凸部は、円柱状である、請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の撥水性部材。
  7. 前記柱状凸部は、高さが50〜400nmである、請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の撥水性部材。
  8. 前記柱状凸部は、高さが150〜400nmである、請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の撥水性部材。
  9. 前記樹脂層は、(メタ)アクリル樹脂からなる、請求項1〜請求項8の何れか1つに記載の撥水性部材。
  10. 水に対する接触角が170度以上である、請求項1〜請求項9の何れか1つに記載の撥水性部材。
  11. 基材上に光硬化性樹脂組成物を塗布して形成した被転写樹脂層に複数の柱状凸部を形成し、
    前記柱状凸部を覆うように無機膜を形成し、
    前記無機膜とフッ素含有シランカップリング剤を反応させることによって前記無機膜を覆うようにフッ素原子含有層を形成する工程を備える、撥水性部材の製造方法。
  12. 前記柱状凸部は、モールドを用いてナノインプリント法によって形成される、請求項11に記載の撥水性部材の製造方法。
  13. 前記柱状凸部は、モールドを用いてナノインプリント法によってベース柱状凸部を形成した後に酸素プラズマアッシング処理を行って前記ベース柱状凸部を縮小させることによって形成される、請求項11に記載の撥水性部材の製造方法。
  14. 基材上に光硬化性樹脂組成物を塗布して被転写樹脂層を形成し、
    前記被転写樹脂層にモールドを押し付けた状態で前記被転写樹脂層に活性エネルギー線を照射して前記被転写樹脂層を硬化させることによって複数の柱状凸部を形成する工程を備え、
    前記被転写樹脂層は、反応性フッ素添加剤を含有する樹脂を用いて形成される、撥水性部材の製造方法。
JP2015191257A 2015-09-29 2015-09-29 撥水性部材及びその製造方法 Pending JP2018187767A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015191257A JP2018187767A (ja) 2015-09-29 2015-09-29 撥水性部材及びその製造方法
PCT/JP2016/078163 WO2017057220A1 (ja) 2015-09-29 2016-09-26 撥水性部材及びその製造方法
TW105131257A TW201728433A (zh) 2015-09-29 2016-09-29 防水性部件及其製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015191257A JP2018187767A (ja) 2015-09-29 2015-09-29 撥水性部材及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018187767A true JP2018187767A (ja) 2018-11-29

Family

ID=58423708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015191257A Pending JP2018187767A (ja) 2015-09-29 2015-09-29 撥水性部材及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2018187767A (ja)
TW (1) TW201728433A (ja)
WO (1) WO2017057220A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020071407A1 (ja) 2018-10-02 2020-04-09 東レ株式会社 ヘアピン型一本鎖rna分子の製造方法
WO2022244218A1 (ja) 2021-05-20 2022-11-24 東洋アルミニウム株式会社 積層体

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019141999A (ja) * 2016-06-29 2019-08-29 綜研化学株式会社 撥水フィルム、及びその製造方法
JP2018103534A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 綜研化学株式会社 ハードコートフィルム及びその製造方法
WO2020256043A1 (ja) * 2019-06-21 2020-12-24 Dic株式会社 フッ素樹脂被覆体及びその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2640099A (en) * 1999-02-25 2000-09-14 Seiko Epson Corporation Structure member excellent in water-repellency and manufacturing method thereof
US6852390B2 (en) * 2003-04-15 2005-02-08 Entegris, Inc. Ultraphobic surface for high pressure liquids
FR2913231B1 (fr) * 2007-03-02 2009-07-10 Essilor Int Article ayant une surface nanotexturee a proprietes superhydrophobes.
EP2602089B1 (en) * 2010-08-06 2017-12-20 Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. Resin mold for nanoimprinting and manufacturing method thereof
JP6010481B2 (ja) * 2013-02-27 2016-10-19 旭化成株式会社 フィルム状モールドの製造方法
US20140272295A1 (en) * 2013-03-14 2014-09-18 Sdc Technologies, Inc. Anti-fog nanotextured surfaces and articles containing the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020071407A1 (ja) 2018-10-02 2020-04-09 東レ株式会社 ヘアピン型一本鎖rna分子の製造方法
WO2022244218A1 (ja) 2021-05-20 2022-11-24 東洋アルミニウム株式会社 積層体
KR20240032712A (ko) 2021-05-20 2024-03-12 도요 알루미늄 가부시키가이샤 적층체

Also Published As

Publication number Publication date
TW201728433A (zh) 2017-08-16
WO2017057220A1 (ja) 2017-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017057220A1 (ja) 撥水性部材及びその製造方法
CN103249562B (zh) 微细结构积层体、微细结构积层体的制作方法以及微细结构体的制造方法
JP5727526B2 (ja) フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法
KR20110102394A (ko) 패턴 재료 제조 방법
TW201532330A (zh) 光學基板、用於光學基板製造之模具、及含光學基板之發光元件
KR20170072272A (ko) 미세구조화된 확산기를 포함하는 단열 글레이징 유닛 및 미세광학 층, 및 방법
JP6449856B2 (ja) 防曇部材及びその製造方法
WO2016013655A1 (ja) 微細構造体の製造方法
JP2017001327A (ja) 撥水部材
WO2013147105A1 (ja) ロール状モールド、並びに、ロール状モールド及び素子の製造方法
JP6167057B2 (ja) 凹凸パターン転写用モールドの製造方法及び凹凸構造を有する部材の製造方法
JP2013045792A (ja) ロール状モールド
JP2016049699A (ja) 防汚性構造体、これを有する積層体及び画像表示装置
JP5429150B2 (ja) 撥水性フィルム
JP2020044456A (ja) ハードコートフィルム及びその製造方法
WO2014163041A1 (ja) 転写フィルムおよび凹凸構造付基板
WO2017126589A1 (ja) 細胞培養基板及びその製造方法
KR101776065B1 (ko) 나노패턴을 포함하는 광학시트 및 그 제조방법
WO2017073501A1 (ja) 撥水性部材及びその製造方法
KR101779189B1 (ko) 내지문성 필름의 제조 방법
KR20130117399A (ko) 초소수성 성질을 갖는 박막의 형성 방법 및 이를 통해 제조한 초소수성 박막
JP2013218045A (ja) 光透過材
JP2016209816A (ja) 凹凸構造体の製造方法
JP2018157865A (ja) 物品の清掃方法
JP2018202385A (ja) 可撓性基板を用いた電子製品の作製