JP5429150B2 - 撥水性フィルム - Google Patents

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本発明は、例えば自動車のフェンダーミラー、窓ガラス等の表面に適用され、撥水性の機能を良好に発揮することができる撥水性フィルムに関するものである。
撥水性を発現するための撥水処理としては、水より表面エネルギーの低い、フッ素樹脂やシリコン樹脂等をフィルム表面へ付与する方法や、更に、微細凹凸をフィルム表面に形成する方法等が知られている。
特許文献1には、フィルム表面に撥水性を発現するためではないが、微細凹凸をフィルム表面に形成した防眩性反射防止フィルムが記載されている。当該フィルムは、フィルム表面における光の反射を防止するためにフィルム表面に微細凹凸が形成されており、当該微細凹凸を設ける方法としては、フィルム基材上に凹凸層及び低屈折率層を順に積層する方法が用いられている。前記防眩性反射防止フィルムの凹凸層は、膜厚2.5μm以下、透光性有機微粒子の平均粒径が0.2〜1.0μm、活性エネルギー線硬化型樹脂100重量部に対する透光性有機微粒子の含有量が11〜150重量部であり、前記低屈折率層の好ましい膜厚は、50〜150nmである。
特開2009−103734号公報
特許文献1の方法では、防眩性反射防止フィルムを作製するために、膜厚が50〜150nmの層を凹凸層の上に形成していることから、フィルム表面における凹凸が小さくなる。その結果、低屈折率層の樹脂(平坦膜)の接触角に起因する撥水性が発現するのみで、フィルム表面の凹凸に起因する撥水性は発現できないため、両者の相乗効果による撥水性を得ることが出来なかった。
そのため本技術を用いて撥水性フィルムを作製した場合、低屈折率層の樹脂(平坦膜)の接触角が90度程度と小さい場合は、撥水性に乏しかった。一方、低屈折率層の樹脂(平坦膜)の接触角が110度程度の場合は、ある程度の撥水性を有するものの、樹脂固有の撥水性以上の撥水効果を得ることはできなかった。
そこで、本発明の目的とするところは、防汚層とフィルム表面凹凸との相乗効果により撥水性に優れた撥水性フィルムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は次の手段を採る。本発明の撥水性フィルムは、透明基材フィルムの一面から順に、活性エネルギー線硬化型樹脂及び透光性有機微粒子を有する凹凸層と、防汚層と、が積層されている。前記凹凸層は、膜厚が0.8〜1.2μmであり、活性エネルギー線硬化型樹脂100重量部に対する透光性有機微粒子の含有量が70〜95重量部である。また、凹凸層に含まれる透光性有機微粒子の平均粒径は凹凸層の膜厚より小さく、且つ0.7〜1.0μmである。前記防汚層は、膜厚が1〜30nmであり、平坦膜を形成した場合に接触角が90度〜120度である樹脂で形成されている。なお、本明細書において、「接触角」とは、JISR3257:1999で規定される接触角を意味し、「平坦膜」とは表面に凹凸のほとんどない実質的に平らな膜のことである。
上記発明によれば、凹凸層の凹凸形状は、Raが0.05〜0.2μm、Smは0.5〜20μmに調整でき、更に、凹凸層の上に積層される防汚層の膜厚が1〜30nmと薄いため、フィルム表面に十分な凹凸を形成することができる。そのうえで、防汚層は、平坦膜とした場合にJIS R3257:1999で規定される接触角が90度〜120度である樹脂で形成されている。その様に形成された撥水性フィルムの最表面は、Raが0.05〜0.2μm、Smは0.5〜20μmであり、且つ、撥水性フィルムの最表面のRaと凹凸層のRaとの関係は、|(凹凸層のRa)−(最表面のRa)|<0.02μmの関係を満たすことから、フィルム表面の凹凸との相乗効果により優れた撥水性を発現することが出来る。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。本実施形態の撥水性フィルムは、透明基材フィルム上に凹凸層と防汚層とが順に積層されている。
〔透明基材フィルム〕
透明基材フィルムは撥水性フィルムの基材(ベース材)となるものであって、透明樹脂フィルム等が用いられ、その種類は特に制限されない。撥水性フィルムを形成する樹脂材料の例として具体的には、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、トリアセテートセルロース(TAC)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂等が挙げられる。それらの中でも、汎用性などの観点からトリアセテートセルロース(TAC)系樹脂又はポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂が好ましい。透明基材フィルムの厚みは、通常10〜500μm、好ましくは25〜200μmである。なお、本明細書において「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂を意味する。後述の「(メタ)アクリル酸」や「(メタ)アクリロイル基」等も同様である。
〔凹凸層〕
凹凸層は透明基材フィルムの直上に積層される層であり、活性エネルギー線硬化型樹脂と透光性有機微粒子とを含む凹凸層用塗液を硬化させることにより形成される。また、凹凸層はその表面に微細凹凸を有しており、凹凸層の表面粗さ(JIS B0601−1994)Ra、Smは、凹凸層の膜厚、透光性有機微粒子の粒径及び配合量を調整することで制御される。例えば、凹凸層の膜厚が薄いとRaは大きくなり、膜厚が厚いとRaは小さくなる傾向がある。また、凹凸層の膜厚に応じてSmの値も変化する。なお、Raは凹凸の算術平均粗さ、Smは凹凸の平均間隔の形状パラメータである。
凹凸層の凹凸形状は、Raが0.05〜0.2μmに調整される。Raが0.05μmより小さい場合、凹凸性が不足し、撥水性を得ることが出来ない。一方、Raが0.2μmより大きい場合は、Smの値が20μm以上となり、十分な撥水性を得ることが出来ない。また、凹凸層のSmは0.5〜20μmに調整される。Smが20μmより大きい場合は、十分な撥水性を得ることができず、Smを0.5μmより小さくすることは、上記方法では困難である。
RaやSmを上記範囲に調整するためには、具体的には、凹凸層の膜厚を0.8〜1.2μmとする。凹凸層の膜厚が0.8μmよりも薄い場合は、Raが大きくなると共にSmが広くなり、上記表面粗さRa、Smの範囲外となるため好ましくない。一方、凹凸層の膜厚が1.2μmよりも厚い場合は、Raが小さくなると共にSmが広くなり、上記表面粗さの範囲外となるため好ましくない。
通常、凹凸層用塗液には、硬化を惹起するために光重合開始剤が添加される。その他の成分としては、レベリング剤等も凹凸層用塗液に配合可能である。また、凹凸層用塗液中には、塗工性の観点から通常希釈溶剤等が含まれる。
(活性エネルギー線硬化型樹脂)
活性エネルギー線硬化型樹脂は、凹凸層を形成するための凹凸層用塗液の主成分である。そのような活性エネルギー線硬化型樹脂としては、単官能単量体、多官能単量体の中から1種又は2種以上が選択して用いられる。単官能単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール基含有(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。多官能単量体としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン変性アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が挙げられる。
(透光性有機微粒子)
前記透光性有機微粒子は、凹凸層における、表面の凹凸形状を発現するためのものである。透光性有機微粒子は、例えば塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン及びエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合して得られる重合体などから形成される。
透光性有機微粒子の平均粒子径は、凹凸層の表面に所望の凹凸形状を発現するために0.7〜1.0μmである必要がある。透光性有機微粒子の平均粒子径が0.7μm未満の場合、形成される凹凸層のRaが小さく目的とする凹凸形状を形成することが出来ない。その一方、当該平均粒子径が1.0μmを超える場合、形成される凹凸層のRaが大きくSmが広くなり目的とする凹凸形状を形成することが出来ない。また、透光性有機微粒子の平均粒子径は凹凸層の膜厚より小さく設定される。透光性有機微粒子の平均粒子径が凹凸層の膜厚より大きいと、凹凸層表面に透光性有機微粒子が露出してしまい、適切な凹凸層の形成が困難になるからである。ここで、前記平均粒子径はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算し、得られた粒子数分布から算出される値である。なお、コールターカウンター法は、電気抵抗を利用した粒子径測定法であり、粒子が細孔を通過する際に生じる2電極間の電気抵抗の変化を測定して平均粒子径を測定する方法である。
透光性有機微粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂100重量部に対して、70〜95重量部である。透光性有機微粒子の含有量が70重量部より少ない場合には、形成される凹凸層のRaが小さく目的とする凹凸形状を形成することが出来ない。その一方、透光性有機微粒子の含有量が95重量部より多い場合には、塗液の粘度が高く、塗膜を作製することが困難になると共に、透光性有機微粒子が形成された凹凸層から欠落する等の問題が生じ好ましくない。
(光重合開始剤)
光重合開始剤は、凹凸層用塗液を硬化させて凹凸層を形成する際の開始剤として用いられる。光重合開始剤としては、従来公知のものでよく、その種類は特に限定されない。光重合開始剤の配合量としては、活性エネルギー線硬化型樹脂100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。光重合開始剤の配合量が1重量部よりも少ない場合は、紫外線(UV)を照射しても凹凸層用塗液の硬化が進まず好ましくない。一方、10重量部を越す配合量は、硬化に対して不必要に多くなり好ましくない。
〔防汚層〕
防汚層は撥水性フィルムの最表面に形成される膜厚1〜30nmの層であり、微細凹凸を有する凹凸層の表面に積層されるため、防汚層も同様にその表面に微細凹凸を有している。防汚層は、表面が平坦な平坦膜とした場合にJIS R2157:1999に規定される接触角が90〜120度である樹脂で形成されている。平坦膜の接触角が90度より小さい樹脂を用いた場合、接触角に関するWenzelの理論で示されるように、上記凹凸層があっても、防汚層は優れた撥水性を示さないため、好ましくない。一方、接触角が120度より大きい樹脂は得がたいため、使用には相応しくない。
その様な防汚層には、蒸留水よりも表面エネルギーの小さい、フッ素系やシリコン系の樹脂が用いられ、膜の強度の観点より、活性エネルギー線硬化型樹脂であることが好ましい。
フッ素系の活性エネルギー線硬化型樹脂の例としては、ダイキン工業株式会社製オプツールDAC−HP、DIC株式会社製メガファックRS−75等が挙げられる。シリコン系の活性エネルギー線硬化型樹脂の例としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製BYK−3570等が挙げられる。
また、防汚層を形成する樹脂は、2種以上の複数の樹脂を組み合わせた混合樹脂であっても良い。例えば、平坦膜とした場合に接触角が90度〜120度である混合樹脂であれば、単独で用いた場合に形成される平坦膜の接触角が90度未満の樹脂を含んでいても良い。また、フッ素系やシリコン系の樹脂は、他の樹脂と比較して塗膜強度が弱い傾向があるため、フッ素系やシリコン系の樹脂と、フッ素系やシリコン系の樹脂を含まない活性エネルギー硬化型樹脂を組合わせた混合樹脂を用いることが、好ましい。フッ素系やシリコン系の樹脂を含まない活性エネルギー硬化型樹脂を組合わせた混合樹脂を用いることで、耐擦傷性が向上する。
防汚層の膜厚としては、1〜30nmである。膜厚が1nmよりも薄い場合は、撥水性を示さない。一方、膜厚が30nmよりも厚い場合は、防汚層表面の凹凸が小さくなり、具体的には、Raが小さくSmが広くなり、撥水性を示さなくなる。
上記膜厚の防汚層が積層された撥水性フィルムの表面は、Raが0.05〜0.2μm、Smは0.5〜20μmとなり、且つ、撥水性フィルムの最表面のRaと凹凸層のRaとの関係は、|(凹凸層のRa)−(最表面のRa)|<0.02μmの関係を満たす。撥水性フィルム表面に当該形状を有することにより、撥水性フィルム表面において凹凸形状に起因する撥水性を発現することができる。
防汚層は、上記樹脂を含む防汚層用塗液を硬化させることにより形成される。防汚層用塗液には、光重合開始剤等を更に配合することができる。また、防汚層用塗液中には、塗工性の観点から通常希釈溶剤等が含まれる。なお、防汚層用塗液に添加される光重合開始剤等の添加成分は、防汚層を形成した際に、その一部又は全部が防汚層中に残存していても良い。
〔凹凸層、防汚層の形成〕
まず、凹凸層用塗液を透明基材フィルムの一面に塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、透明基材フィルム上に凹凸層が積層される。続いて、防汚層用塗液を凹凸層上に塗布した後、活性エネルギー線の照射等により硬化させることにより、凹凸層上に防汚層が積層される。
上記各塗液の塗布方法は特に制限されず、通常行なわれている塗布方法、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用される。塗布に際しては、密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことができる。
活性エネルギー線の照射に用いられる活性エネルギー線源としては、例えば高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の線源等が使用される。この場合、活性エネルギー線の照射量は、紫外線の波長365nmでの積算光量として50〜5000mJ/cmであることが好ましい。照射量が50mJ/cm未満のときには、塗液の硬化が不十分となるため好ましくない。一方、5000mJ/cmを超えるときには、活性エネルギー線硬化型樹脂が着色する傾向を示すため好ましくない。
本発明の撥水性フィルムは、例えば自動車のフェンダーミラー、窓ガラス、オートバイのフード、建築物の屋根や外壁、信号機、ディスプレイ等の表面に適用できる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。ここで、各実施例及び比較例の撥水性フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に凹凸層、防汚層が積層された構成のものである。また、各例における接触角、平坦膜の接触角、Ra及びSm(表面粗さ)、撥水性評価、耐擦傷性については、下記に示す方法により測定した。
<接触角>
JIS R3257:1999に準拠し、撥水性フィルム表面の接触角を測定した。具体的には、協和界面科学株式会社製 自動接触角計(型名:DM 500)を用い、液滴に蒸留水を使用し接触角を求めた。
<平坦膜の接触角>
PETフィルム〔商品名「A4100」、東洋紡績(株)製〕上に、乾燥硬化後の膜厚で100〜500nmになるように塗液量を調整して防汚層用塗液をバーコーターにより塗布した。乾燥後、紫外線照射装置〔岩崎電気(株)製〕により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJ/cmの紫外線を照射することにより硬化し、平坦膜を作製した。PETフィルム上に作製した平坦膜の接触角を、上記接触角の測定方法に基づき測定した。
なお、下記表5〜8における「表面の接触角−平坦膜の接触角」は、各実施例及び比較例において測定された撥水性フィルム表面の接触角の値から、各実施例及び比較例において用いられた防汚層塗液の平坦膜の接触角の値を引いた値である。
<Ra及びSm(表面粗さ)>
表面粗さ測定器〔(株)小坂研究所製、型名 Surfcorder SE500〕を用い走査範囲4mm、走査速度0.2mm/sの条件で、JIS B0601−1994の規定に準拠してRa及びSmを測定した。
<耐擦傷性>
(株)本光製作所製消しゴム摩耗試験機の先端に、#0000のスチールウールを固定し、2.5N(250gf)の荷重をかけて、被擦傷体であるフィルムの表面を10往復摩擦した後の表面の傷を目視で観察し、下記の3段階で評価した。
○:ほぼ傷なし(傷4本以下)
△:少数の傷あり(傷5〜15本)
×:多数の傷あり(傷16本以上)
〔凹凸層用塗液の調製〕
凹凸層用塗液として次の原料を使用し、各原料を表1に記載した組成で混合して、凹凸層用塗液A−1〜A−6を調製した。
活性エネルギー線硬化型樹脂:日本合成化学工業株式会社製 紫光UV−7600B
透光性有機微粒子:平均粒径0.8μm:綜研化学株式会社製 MX−80H3wT
平均粒径0.6μm:綜研化学株式会社製 MP−4009
平均粒径1.5μm:綜研化学株式会社製 MX−150
光重合開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製I−184
溶媒:メチルエチルケトン
Figure 0005429150
〔防汚層用塗液の調製〕
防汚層用塗液として次の原料を使用し、各原料を表2〜4に記載した組成で混合して、防汚層用塗液B−1〜B−11を調製し、平坦膜の接触角を測定した。
(形成される平坦膜の接触角が90度以上の樹脂)
フッ素含有活性エネルギー線硬化型樹脂:
DAX−HP:ダイキン工業株式会社製 オプツールDAC−HP
RS−75:DIC株式会社製 メガファックRS−75
シリコン含有活性エネルギー線硬化型樹脂:
BYK−3570:ビックケミー・ジャパン株式会社製 BYK−3570
シリコン樹脂:
BYK−3700:ビックケミー・ジャパン株式会社製 BYK−3700
TIC−2457:信越化学工業株式会社製 TIC−2457
(形成される平坦膜の接触角が90度未満の樹脂)
6官能ウレタンアクリレート樹脂:
UV−7600B:日本合成化学工業株式会社製 紫光UV−7600B
6官能アクリレート樹脂:
M−404:東亞合成株式会社製 M−404
2官能アクリレート樹脂:
M−215:東亞合成株式会社製 M−215
光重合開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製I−907
溶媒:酢酸エチル
Figure 0005429150

Figure 0005429150

Figure 0005429150
(実施例1)
凹凸層用塗液(A−1)を、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(透明基材フィルム)上にロールコーターにて塗布し、80℃で60秒乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量200mJ/cm)、硬化させた。凹凸層が透明基材フィルムに積層された状態で、凹凸層表面のRa及びSmを測定した。次に、凹凸層上に防汚層用塗液(B−1)をロールコーターにて塗布し、80℃で60秒乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて撥水性フィルムを作製した。凹凸層及び防汚層が透明基材フィルム上に積層された状態で、撥水性フィルムの最表面、すなわち防汚層の表面のRa及びSm、並びに接触角、耐擦傷性を測定した。また、「表面の接触角−平坦膜の接触角」及び「|(凹凸層のRa)−(最表面のRa)|」を算出した。
(実施例2〜10、比較例1〜9)
実施例2〜10、比較例1〜9は、実施例1と同様の方法にて、表5〜8に示した通り作製し、Ra及びSm、並びに接触角を測定すると共に、「表面の接触角−平坦膜の接触角」及び「|(凹凸層のRa)−(最表面のRa)|」を算出した。尚、防汚層用塗液としてB−3を用いる場合は、紫外線照射を実施せずに塗膜を形成した。
Figure 0005429150

Figure 0005429150

Figure 0005429150

Figure 0005429150
表5、6に示した結果より、実施例1〜10の撥水性フィルムは、Raが0.05〜0.2μm、Smが0.5〜20μmであり、|(凹凸層のRa)−(最表面のRa)|<0.02μmの関係を満たしている。そのため、防汚層とフィルム表面の凹凸との相乗効果による撥水性の向上に必要な平坦膜の接触角に対する撥水性フィルム表面の接触角の向上を実現できた。また、実施例6〜10の撥水性フィルムは、表面に優れた耐擦傷性を有していた。
一方、表7、8に示した結果より、比較例1では防汚層がないことから、撥水性フィルム表面の接触角が十分な撥水性を実現できない低い値であった。比較例2では、凹凸層が透光性有機微粒子を含んでおらず、凹凸形状が無いことから、防汚層の平坦膜と同程度の接触角となった。比較例3では、凹凸層の膜厚が0.8μmより薄いため、表面粗さ(Ra及びSm)が上記範囲外となり、防汚層の平坦膜と同程度の接触角となった。比較例4では、凹凸層の膜厚が1.2μmより厚いため、表面粗さ(Ra及びSm)が上記範囲外となり、防汚層の平坦膜と同程度の接触角となった。比較例5では、活性エネルギー線硬化型樹脂100重量部に対する透光性有機微粒子の配合量が70重量部より少ないことから、凹凸の平均間隔(Sm)が広く、防汚層の平坦膜と同程度の接触角となった。比較例6では、透光性有機微粒子の平均粒径が0.7μmより小さいことから、表面粗さ(Ra及びSm)が上記範囲外となり、防汚層の平坦膜と同程度の接触角となった。比較例7では、透光性有機微粒子の平均粒径が1.0μmより大きいことから、凹凸の平均間隔(Sm)が広く、防汚層の平坦膜と同程度の接触角となった。比較例8では、防汚層の膜厚が30nmより厚いため、表面粗さ(Ra及びSm)が上記範囲外となり、防汚層の平坦膜と同程度の接触角となった。比較例9,10,11では、防汚層が、平坦膜の接触角が90度より小さい防汚層用塗液を用いて形成されているため、十分な撥水性を発現するのに必要な接触角を実現できなかった。

Claims (1)

  1. 透明基材フィルムの一面から順に、活性エネルギー線硬化型樹脂及び透光性有機微粒子を含む凹凸層と、防汚層と、が積層された撥水性フィルムであって、
    前記凹凸層は、膜厚が0.8〜1.2μmであり、活性エネルギー線硬化型樹脂100重量部に対する透光性有機微粒子の含有量が70〜95重量部であり、
    前記透光性有機微粒子の平均粒径は前記凹凸層の膜厚より小さく、且つ0.7〜1.0μmであり、
    前記防汚層は、平坦膜とした場合に接触角が90度〜120度である樹脂で形成されており、
    前記防汚層の膜厚は1〜30nmである、
    撥水性フィルム。

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