JP2019141999A - 撥水フィルム、及びその製造方法 - Google Patents

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孝徳 高橋
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Abstract

【課題】 撥水フィルム、及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明のいくつかの態様によれば、基材の少なくとも一方の面に凹凸形状が形成された樹脂層を備える撥水フィルムであって、前記基材と前記樹脂層を貫通する複数の貫通孔を有する撥水フィルムが提供される。【選択図】 図1

Description

本発明のいくつかの観点は、撥水フィルム、及びその製造方法に関する。
特許文献1には、撥水性を有する凹凸形状が多数の微孔を有する基材上に設けられた通気性を有する撥水フィルムが開示されている。
特表2006−524567号公報
しかし、特許文献1で開示されているような通気性の撥水フィルムは、基材として多数の微孔を有する基材を用いるため、予め基材に微孔を設けておく必要があり、製造コストが嵩み、また入手する場合には広範な種類の基材を選択することが難しい。また、撥水性を有する凹凸形状は基材の微孔上にも形成されており、通気性という面では十分ではない。
本発明のいくつかの態様はこのような事情に鑑みてなされたものであり、優れた通気性及び液体不浸透性を有する撥水フィルム、すなわち液体不浸透通気フィルムを提供するものである。
本発明のいくつかの態様によれば、基材の少なくとも一方の面に凹凸形状が形成された樹脂層を備える撥水フィルムであって、前記基材と前記樹脂層を貫通する複数の貫通孔を有する撥水フィルムが提供される。
本発明者が、通気性及び液体不浸透性を有する撥水フィルムについて検討を行ったところ、基材と、基材の少なくとも一方の面に凹凸形状形成された撥水性の樹脂層とを含む多層フィルムに対し、貫通孔を形成した場合に、撥水フィルムに通気性を付与できると同時に樹脂層を備える面から水が浸透しないことを見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記貫通孔の平均開口面積は、250000πμm未満である。
好ましくは、前記貫通孔の平均開口面積は、25πμmより大きい。
好ましくは、前記貫通孔の開口面積比率は、19%以下である。
好ましくは、前記貫通孔の1cmあたりの開口部数が5個以上である。
好ましくは、前記貫通孔は、一様に分散している。
好ましくは、前記貫通孔は、前記基材に設けられた開口部と、前記樹脂層に設けられた開口部が連結されて構成され、前記基材の開口部と、前記樹脂層の開口部は、開口面積が略同一である。
好ましくは、前記貫通孔は、その縁が前記基材側に向かって突出するように設けられている。
好ましくは、前記樹脂層は、光硬化性樹脂である。
本発明の別の観点によれば、基材上に光硬化性樹脂組成物を塗布して形成される被転写樹脂層に対してモールドを押し付けた状態で前記被転写樹脂層を硬化させることによって樹脂層を形成する工程と、前記基材と前記樹脂層を含む多層フィルムを貫くように貫通孔を形成する工程を備える、撥水フィルムの製造方法が提供される。
好ましくは、前記貫通孔は、開孔具を前記多層フィルムに押し付けて貫くことによって形成される。
好ましくは、前記開孔具は、前記樹脂層側から前記多層フィルムに押し付けられる。
本発明の一実施形態の撥水フィルムを示し、(a)は樹脂層側から見た平面図、(b)はA−A断面図である。 本発明の一実施形態の撥水フィルムの貫通孔以外の部分の拡大図を示し、(a)ベース面に複数の凹部を有する断面図、(b)ベース面に複数の凸部を有する断面図である。 本発明の一実施形態の樹脂層上に無機層及びフッ素原子含有層が形成されている撥水フィルムにおける貫通孔以外の部分の拡大断面図を示す。 本発明の製造方法の各工程を示す断面図である。 本発明の貫通孔形成工程及び貫通孔の形状を示し、(a)開孔具を樹脂層側から多層フィルムに押付けて貫く工程の断面図、(b)樹脂層側から貫いたときの断面図、(c)基材側から貫いたときの断面図である。 サンプル1〜サンプル9の光学顕微鏡による拡大画像である。
以下、図1〜図3を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について具体的に説明する。
1.撥水フィルム
本発明の一実施形態の撥水フィルム1は、基材3の少なくとも一方の面に凹凸形状が形成された樹脂層5を備え、基材3と樹脂層5を貫通する貫通孔7が複数設けられている。
<撥水フィルム1>
本発明の一実施形態の撥水フィルム1の形態は、限定されないが、基材3と樹脂層5を貫通する貫通孔7により通気性を有し、また樹脂層5に形成された凹凸形状により撥水性を有する。樹脂層5が撥水性を有することで、貫通孔7を有していても水が浸透し難くい。すなわち、水抜けし難い。
本発明の一実施形態の撥水フィルム1は、適用される用途において樹脂層5を備える面から水が貫通孔7を通過しフィルムの反対面まで浸透しない程度の液体不浸透性を有していればよく、例えば、液体不浸透性は水抜けするか否かによって評価される。
液体不浸透性は、別の観点として水捌け性により評価することも出来る。水捌け性は、例えば、撥水フィルム1に付着した水滴が滑落する傾斜角度により評価される。具体的には、樹脂層5側の開口部中央に垂らした水滴が、撥水フィルム1を傾斜させ開口部から滑落する傾斜角度(滑落角度)により評価する。本発明の一実施形態の撥水フィルム1における滑落角度は、好ましくは45°以下であり、より好ましくは30°以下であり、さらに好ましくは20°以下である。滑落角度が上記範囲であれば、水は開口部に留まらないため水捌け性がよく、フィルムの反対面に浸透する確率が低下する。
本発明の一実施形態の撥水フィルム1の水に対する接触角は、用途に要求される液体不浸透性を与えることができる程度の撥水性を有していれば特に限定されないが、貫通孔7以外の部分における樹脂層5の水に対する接触角が、120°以上であることが好ましく、140°以上であることがより好ましく、160°以上であることがさらに好ましい。
<基材3>
基材3の材質は特に限定されないが、樹脂基材、シリコーン基材、石英基材などの透明材料で形成されることが好ましい。樹脂基材を構成する樹脂として、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN))、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォンなどを利用することができる。また、樹脂基材を用いる場合には、同種又は異種の基材を積層したり、樹脂基材に樹脂組成物を膜状に積層させたりしてもよい。なお、用途或いは製造方法に応じての透明基材を選択することが好ましい場合もある。また、基材3は可撓性を有するフィルム状であることが好ましく、その厚さは25〜500μmの範囲であることが好ましい。
なお、本発明においては、基材3と少なくとも樹脂層5を含む多層フィルムを形成後に貫通孔7を設けて通気性を付与するため、用いる基材3は予め貫通孔を有する構造、例えば複数の微孔が貫通形成された構造などである必要はない。製造コストや広範な種類の基材を選択可能であることから、基材3は予め貫通孔を有する構造ではないことが好ましい。
<樹脂層5>
樹脂層5を構成する樹脂は特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂からなる。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、メタクリル及び/又はアクリルを意味する。樹脂層の厚さは、特に限定されないが、上記の樹脂を均一の厚さに形成できる程度の厚さが好ましく、例えば、20nm〜1mmであり、好ましくは50nm〜500μm、より好ましくは100nm〜200μm、さらに好ましくは500nm〜50μmである。
樹脂層5に形成される凹凸形状は、撥水性を与える形状であれば特に制限されないが、ベース面に複数の凹部又は複数の凸部が設けられて構成される。ベース面5bに複数の凸部を設けた場合に比べ、表面が擦られた際の凹凸形状の崩れによる撥水性低下、ひいては液体不浸透性低下が起こりにくいため、耐擦傷性の観点からはベース5aに複数の凹部が設けられて構成されることが好ましい。
凹凸形状の高さは、特に限定されないが、例えば、10nm〜100μmであり、好ましくは50nm〜10μmである。また、凹凸形状の周期は、特に限定されないが、例えば、10nm〜100μmであり、好ましくは50nm〜10μmである。
樹脂層5の凹凸形状は、さらに撥水性を高めるために凹部又は/及び凸部に二次凹凸形状を有してもよい。二次凹凸形状は、例えば、無機粒子又は有機粒子などを樹脂層5に埋設させエッチングにより表面に露出させる方法、無機粒子又は有機粒子などを樹脂層5に付着させる方法、二次凹凸形状に対応した反転パターンが設けられたモールドを用いてナノインプリントにより同時に形成する方法などにより設けることが可能である。
<無機膜9・フッ素原子含有層11>
樹脂層5上には、必要に応じて、撥水性を高めるためにフッ素原子含有層11が凹凸形状を覆うように設けることができる。フッ素原子含有層11は、フッ素原子を含んでいればよく、その厚さや構成は限定されない。フッ素原子含有層11は、フッ素含有基を含むことが好ましい。フッ素含有基は、一例では、パーフルオロアルキル基であり、より具体的には、パーフルオロアルキルシラン基である。フッ素含有基は、好ましくは、樹脂層5の樹脂又は無機膜9に化学結合されている。一般に、無機膜9は樹脂層5との密着性が高く、フッ素含有基は、無機膜9に対して強固な化学結合を形成しやすいので、樹脂層5とフッ素原子含有層11の間に無機膜9を設けることによってフッ素原子含有層11が樹脂層6上に強固に保持される。無機膜9としては、無機酸化膜、無機窒化膜、無機酸窒化膜などが挙げられる。無機膜9を構成する無機元素しては、ケイ素やアルミニウムが挙げられる。無機膜9は、例えば、二酸化シリコン膜や酸化アルミニウム膜である。無機膜9の厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜20nmである。
フッ素原子含有層11は、一例では、樹脂層5上に無機膜9を形成し、無機膜9とフッ素含有シランカップリング剤を反応させることによって形成することができる。フッ素含有シランカップリング剤は、例えば、パーフルオロアルキルトリアルコキシ(メトキシ、エトキシなど)シランである。無機膜9を形成せずに樹脂層5の樹脂にフッ素含有シランカップリング剤を作用させても強固な化学結合が形成されにくいので、予め樹脂層5上に無機膜9を形成することが好ましい。ただし、樹脂層5に含まれる樹脂がフッ素含有機と化学結合が形成しやすい場合にはその限りではない。フッ素含有シランカップリング剤の例としては、オプツールDSX(ダイキン工業社製)が挙げられる。
<貫通孔7>
貫通孔7は、基材3と樹脂層5を貫通するように設けられている。貫通孔7の開口部の形状は、樹脂層を備える面からの液体の浸透を防ぐことができ、且つ空気等の気体が通過できれば特に限定されないが、円、楕円、多角形など何れの形状であってもよい。
開口部の形状が円(又は、略円形)である場合、その平均直径は、樹脂層を備える面からの液体の浸透を防ぐことができ、且つ空気等の気体が通過できれば特に限定されないが、好ましくは1mm未満であり、より好ましくは0.95mm未満であり、さらに好ましくは0.9mm未満である。直径が1mmのときの開口面積は、250000πμmであり、直径が0.95mmのとき225625πμmであり、直径が0.9mmのとき200000πμmである。従って、貫通孔7の平均開口面積は、好ましくは250000πμm未満であり、より好ましくは225625πμm未満であり、さらに好ましくは200000πμm未満である。平均開口面積が上記範囲であれば、水がフィルムの反対面に浸透し難く、液体不浸透性を有する。
また、開口部の形状が円(又は、略円形)である場合、その平均直径は、樹脂層を備える面からの液体の浸透を防ぐことができ、且つ空気等の気体が通過できれば特に限定されないが、好ましくは10μmより大きく、より好ましくは0.1mmより大きく、さらに好ましくは0.2mmより大きい。直径が10μmのときの開口面積は25πμmであり、直径が0.1mmのときの開口面積は2500πμmであり、直径が0.2mmのときの開口面積は10000πμmである。従って、貫通孔7の平均開口面積は、好ましくは25πμmより大きく、より好ましくは2500πμmより大きく、さらに好ましくは10000πμmより大きい。平均開口面積が上記範囲であれば、同時に通気性が優れる。
貫通孔7の開口部の撥水フィルム1表面における平均開口面積比率は、好ましくは1〜19%であり、より好ましくは7〜18%である。平均開口面積比率が上記範囲であれば、水がフィルムの反対面に浸透し難く、同時に通気性が確保される。
貫通孔7の単位面積あたりの開口部の個数(開口部数)は、特に制限されないが、好ましくは1cmあたり200個未満であり、より好ましくは1cmあたり100個未満である。1cmあたりの開口部数が上記範囲であれば、水捌け性がよい。また、通気性の観点から1cmあたりの開口部数は5個以上であることが好ましい。
また、貫通孔7が偏在している場合には、貫通孔7の密集度により、通気性及び液体不浸透性が異なり性能が場所により変化するため、同様の通気性及び液体不浸透性が求められる範囲には、貫通孔7は一様に分散していることが好ましい。
貫通孔7は、基材3に設けられた開口部と、樹脂層5に設けられた開口部が連結されて構成され、基材3の開口部と、樹脂層5の開口部は、開口面積が略同一であることが好ましい。なぜなら、基材3と樹脂層5を含む多層フィルムを一度に貫き貫通孔が形成されるからである。
なお、図1〜図3では基材3の一方の面にのみ樹脂層5が設けられた実施形態が例示されているが、両面に樹脂層5が設けられていてもよい。
2.撥水フィルムの製造方法
次に、図4及び図5を参照しながら、撥水フィルムの製造方法について説明する。
本発明の一実施形態の撥水フィルムの製造方法は、特に限定されないが、種々のパターンの凹凸形状を形成しやすく、またロールtoロールによる連続作製などが可能であるため、ナノインプリントによる製造が好ましい。
ナノインプリントによる撥水フィルムの製造方法は、樹脂層形成工程(1)と、貫通孔形成工程(2)を含む。
以下、各工程についてさらに詳細に説明する。
<樹脂層形成工程(1)>
樹脂層形成工程(1)は、さらに被転写樹脂層形成工程(1−1)と、凹凸形状形成工程(1−2)を含む。
・被転写樹脂層形成工程(1−1)
まず、図4(a)に示すように、基材3上に光硬化性樹脂組成物を塗布して被転写樹脂層13を形成する。基材3の詳細は上述した通りである。光硬化性樹脂組成物は、モノマーと、光開始剤を含有し、活性エネルギー線の照射によって硬化する性質を有する。「活性エネルギー線」は、UV光、可視光、電子線などの、光硬化性樹脂組成物を硬化可能なエネルギー線の総称である。
モノマーとしては、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を形成するための光重合性のモノマーが挙げられ、光重合性の(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。
光開始剤は、モノマーの重合を促進するために添加される成分であり、前記モノマー100質量部に対して0.1質量部以上含有されることが好ましい。光開始剤の含有量の上限は、特に規定されないが、例えば前記モノマー100質量部に対して20質量部である。
光硬化性樹脂組成物は、溶剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、光増感剤、充填剤、レベリング剤等の成分を光硬化性樹脂組成物の性質に影響を与えない範囲で含んでいてもよい。
光硬化性樹脂組成物は、上記成分を公知の方法で混合することにより製造することができる。光硬化性樹脂組成物は、スピンコート、スプレーコート、バーコート、ディップコート、ダイコート及びスリットコート等の方法で基材3上に塗布して被転写樹脂層13を形成することが可能である。
・凹凸形状形成工程(1−2)
次に、図4(b)に示すように、被転写樹脂層13に対して、目的の凹凸形状の反転パターン15を有するモールド17を押し付けた状態で被転写樹脂層13に活性エネルギー線19を照射して被転写樹脂層13を硬化させることによって、凹凸形状を有する樹脂層5を形成する。つまり、凹凸形状は、モールド17を用いてナノインプリント法によって形成される。
モールド17の種類は特に限定されないが、例えば、樹脂製モールド、ニッケル製モールドなどが利用可能である。モールド17を被転写樹脂層13に押し付ける圧力は、反転パターン15の形状を被転写樹脂層13に転写可能な圧力であればよい。被転写樹脂層13へ照射する活性エネルギー線19は、被転写樹脂層13が十分に硬化する程度の積算光量で照射すればよく、積算光量は、例えば100〜10000mJ/cm2である。活性エネルギー線19の照射によって、被転写樹脂層13が硬化される。基材3が透明である場合には、基材3側から活性エネルギー線19の照射を行うことが可能であり、またモールド側から活性エネルギー線19の照射を行ってもよい。
次に、モールド17を取り外すことによって、図4(c)に示すように、基材3上に凹凸形状を有する樹脂層5が形成された構造が得られる。なお、モールド17を取り外すときに、未硬化の光硬化性樹脂組成物を溶剤で洗い流してもよい。
なお、ナノインプリントによって形成した凹凸形状に対し、さらにエッチング処理により整形を施し所望の凹凸形状を得ることもできる。エッチング方法は、特に限定されず、ウェットエッチングでもドライエッチングでもよく所望の形状を得るべく適宜選択可能であるが、ドライエッチングの一例として酸素プラズマアッシングが挙げられる。このようなエッチング処理によれば、1つのモールド17を用いて、凹凸形状が互いに異なる種々の樹脂層を得ることができる。
ところで、被転写樹脂層13は、反応性フッ素添加剤を含有する樹脂を用いて形成してもよい。反応性フッ素添加剤とは、光(例:UV)反応性基とフッ素含有基とを備える化合物である。この場合、被転写樹脂層13に活性エネルギー線19を照射すると、フッ素含有基が樹脂層5の表面に露出して凹凸形状を覆うフッ素原子含有層11が形成される。従って、この場合、フッ素原子含有層11を別途形成することなく、優れた撥水性が発揮される。反応性フッ素添加剤の例としては、メガファックRSシリーズ(DIC社製)が挙げられる。
樹脂層形成工程(1)は、フッ素原子含有層11を設ける場合には、さらに無機膜形成工程(1−3)と、フッ素原子含有層形成工程(1−4)を含んでもよい。
・無機膜形成工程(1−3)
無機膜形成工程では、凹凸形状を覆うように無機膜9を形成する。無機膜9は、蒸着やスパッタリングなどの方法で形成可能である。無機膜9は、凹凸形状の少なくとも一部を覆うように形成すればよく、例えば、凹凸形状の上面のみを覆うように形成してもよいが、凹凸形状の上面及び側面の両方を覆っていてもよい。
・フッ素原子含有層形成工程(1−4)
フッ素原子含有層形成工程では、無機膜9とフッ素含有シランカップリング剤を反応させることによって無機膜9を覆うようにフッ素原子含有層11を形成する。フッ素原子含有層11は、凹凸形状の少なくとも一部を覆うように形成すればよく、例えば、凹凸形状の上面のみを覆うように形成してもよいが、凹凸形状の上面及び側面の両方を覆っていてもよい。また、フッ素原子含有層11と樹脂層5の間に無機膜9が存在していることが好ましいが、一部の領域においてはフッ素原子含有層11と樹脂層5が直接接触するようにしてもよい。
・貫通孔形成工程(2)
貫通孔7の形成方法は、特に制限されないが、例えば図5(a)に示すように、基材3と樹脂層5を有する多層フィルムに開孔具21を押付けて圧力によって形成することができる。また、開孔具21をドリルのように回転させて切削形成してもよく、またレーザー照射等の熱溶解によって形成してもよい。中でも、押付けや切削などの機械加工によって形成することが好ましい。なぜなら、熱溶解による形成方法では、貫通孔7の開口部周辺の樹脂層5上の凹凸形状が熱によって損なわれ、撥水性が低下するおそれがあるのに対し、機械加工によれば凹凸形状は比較的損なわれ難いからである。開孔具21は、特に制限されないが、例えば針、棒、ドリル条などの道具を用いることができる。
なお、開孔具21は基材3側からでも、樹脂層5側からでも押し付けて貫通孔7を形成してもよいが、図5(a)に示すように樹脂層5側から押し付けることが好ましい。なぜなら、基材3側から押し付けた場合、図5(c)に示すように樹脂層5側に貫通孔7周辺の基材3及び樹脂層5の一部が押し出されることにより樹脂層5側に突起23が形成され、水滴が開口部周辺に留まり易いのに対し、樹脂層5側から押し付けた場合、図5(b)に示すように基材3側に突起23が形成されるため水滴が開口部周辺に留まり難いためである。なお、基材3の両面に樹脂層が形成されている場合には、何れの面側から開孔具21を押し付けてもよい。
以下、本発明の実施例、比較例及び参考例を示す。サンプル1〜サンプル7が本発明の実施例であり、サンプル8及びサンプル9が比較例であり、サンプル10が参考例である。
<光硬化性樹脂組成物の調整>
まず、光重合性モノマー及び光開始剤を以下に示す割合で配合して光硬化性樹脂組成物を調製した。
光重合性モノマー
ビスコート#360(大阪有機化学工業社製)50質量部
ビスコート#700HV (大阪有機化学工業社製) 20質量部
ビスコート#310HP (大阪有機化学工業社製) 30質量部
光開始剤
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 5質量部
<サンプルの作製>
[サンプル1]
50μm厚のPET基材(東レ社製、ルミラーT60)に対して、上記調製の光硬化性樹脂組成物を5μm厚になるようにバーコーターで塗工をして被転写樹脂層を形成し、凹凸形状が円柱であるモールド(円柱の高さ200nm、直径60nm、周期250nm)に対して、被転写樹脂層をモールドに押し当てるように上からローラーでラミネートを行った。その後、PET基材側から積算光量500mJ/cmでUV照射を行い、光硬化性樹脂組成物を硬化させた。その後、モールドを取り外すことによって、ベース面に複数のホールが設けられた凹凸形状を有する樹脂層と基材の多層フィルムを作製した。
その後、バッチ型真空製膜装置で、賦型した表面に対して、ビーム電圧500[V]、ビーム電流400[mA]、製膜圧力1[Pa]以下の条件において、蒸着処理を行い、二酸化ケイ素(SiO)の薄膜を形成させた。そして、フッ素含有シランカップリング剤(ダイキン工業社製、オプツールDSX)をその表面に塗布し、50℃80%の条件下で反応させて、表面をフッ素化処理することによってフッ素原子含有層を形成した多層フィルムを作製した。
多層フィルムに対しマイクロニードルを、樹脂層側から押し付けて、円形の開口部を有する貫通孔を形成し、サンプル1を作製した。
[サンプル2〜7、9]
開孔具としてマイクロニードルの代わりに画鋲を用い、それぞれ開口部の大きさを画鋲の先端部の太さで調製した以外は、サンプル1と同様に作製した。
[サンプル8]
開孔具としてマイクロニードルの代わりにポンチを用いた以外は、サンプル1と同様に作製した。
[サンプル10]
50μm厚のPET基材(東レ社製、ルミラーT60)に対して、上記調製の光硬化性樹脂組成物を5μm厚になるようにバーコーターで塗工をし、PET基材側から積算光量500mJ/cmでUV照射を行い、光硬化性樹脂組成物を硬化させ、樹脂層上に凹凸形状を形成せず、またフッ素原子含有層を形成しなかった以外はサンプル3と同様に作製した。
[サンプル11]
貫通孔を形成しなかったこと以外はサンプル1と同様に作製した。
<平均開口面積>
得られたサンプルについて、光学顕微鏡を用いて開口部の直径を測定し、平均開口面積を算出した。
<水抜け>
得られたサンプルについて、樹脂層側の開口部中央に垂らした0.03mLの水滴が反対側に抜けるかを確認し、下記の基準で評価した。
○:水抜けしなかった
×:水抜けした
<通気性>
得られたサンプルについて、開口部に息を吹きかけ反対側で空気の流れが感じられるかを確認し、また、空気の流れが感じられなかった場合には、水中で開口部に空気を送り込み、反対側から気泡が出てくるか確認し、下記の基準で評価した。
◎:十分に空気の流れが感じられた
○:空気の流れが感じられた
△:空気の流れは感じられなかったが、水中で反対側から気泡が出ることが確認された
<滑落角度>
得られたサンプルについて、樹脂層側の開口部中央に垂らした0.03mLの水滴が、撥水フィルム1を傾斜させ開口部から滑落する傾斜角度を測定し、滑落角度とした。
<水接触角測定>
得られた撥水性フィルムについて、接触角測定装置(dataphysics社製)を用いて、室温(25℃)下において、当該フィルムの表面にイオン交換水0.5μl滴下し、フィルムと水の接する角度(水接触角)を測定した。サンプル1〜10の貫通孔以外の部分における樹脂層の水に対する接触角は161°であった。
サンプル1〜サンプル9の光学顕微鏡による拡大画像を図6に示し、サンプル1〜サンプル10の貫通孔の平均開口面積、単位面積(1cm)あたりの開口部の個数、開口面積比率、水抜け、通気性、滑落角度を表1に示す。
表1に示すように、サンプル1〜7のフィルムは、水抜けせず通気性を有していた。
特にサンプル3、6、7の撥水フィルムは、通気性に優れ、さらに滑落角度も小さく水捌け性に優れていた。
一方、開口面積が大きいサンプル8、9のフィルムは水抜けした。また、樹脂層上に凹凸形状が形成されておらず撥水性を有しないサンプル10のフィルムも水抜けした。
1:撥水フィルム
3:基材
5:樹脂層
7:貫通孔
9:無機層
11:フッ素原子含有層
13:被転写樹脂層
15:反転パターン
17:モールド
19:活性エネルギー線
21:開孔具
23:突起

Claims (12)

  1. 基材の少なくとも一方の面に凹凸形状が形成された樹脂層を備える撥水フィルムであって、前記基材と前記樹脂層を貫通する複数の貫通孔を有する撥水フィルム。
  2. 前記貫通孔の平均開口面積は、250000πμm未満である、請求項1に記載の撥水フィルム。
  3. 前記貫通孔の平均開口面積は、25πμmより大きい請求項1又は請求項2に記載の撥水フィルム。
  4. 前記貫通孔の開口面積比率は、19%以下である請求項1〜請求項3の何れかに記載の撥水フィルム。
  5. 前記貫通孔の1cmあたりの開口部数が5個以上である請求項1〜請求項4の何れかに記載の撥水フィルム。
  6. 前記貫通孔は、一様に分散している請求項1〜請求項5の何れかに記載の撥水フィルム。
  7. 前記貫通孔は、前記基材に設けられた開口部と、前記樹脂層に設けられた開口部が連結されて構成され、前記基材の開口部と、前記樹脂層の開口部は、開口面積が略同一である、請求項1〜請求項6の何れかに記載の撥水フィルム。
  8. 前記貫通孔は、その縁が前記基材側に向かって突出するように設けられている請求項1〜請求項7の何れかに記載の撥水フィルム。
  9. 前記樹脂層は、光硬化性樹脂である請求項1〜請求項8の何れかに記載の撥水フィルム。
  10. 基材上に光硬化性樹脂組成物を塗布して形成される被転写樹脂層に対してモールドを押し付けた状態で前記被転写樹脂層を硬化させることによって樹脂層を形成する工程と、
    前記基材と前記樹脂層を含む多層フィルムを貫くように貫通孔を形成する工程を備える、撥水フィルムの製造方法。
  11. 前記貫通孔は、開孔具を前記多層フィルムに押し付けて貫くことによって形成される、請求項10に記載の撥水フィルムの製造方法。
  12. 前記開孔具は、前記樹脂層側から前記多層フィルムに押し付けられる、請求項11に記載の撥水フィルムの製造方法。
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