JP6660568B2 - 粗面化シートとそれを用いた印刷用樹脂原版の製造方法、およびフレキソ印刷版の製造方法 - Google Patents

粗面化シートとそれを用いた印刷用樹脂原版の製造方法、およびフレキソ印刷版の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6660568B2
JP6660568B2 JP2017232077A JP2017232077A JP6660568B2 JP 6660568 B2 JP6660568 B2 JP 6660568B2 JP 2017232077 A JP2017232077 A JP 2017232077A JP 2017232077 A JP2017232077 A JP 2017232077A JP 6660568 B2 JP6660568 B2 JP 6660568B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
roughened
roughened sheet
particle size
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017232077A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018134859A (ja
Inventor
信彦 田所
信彦 田所
武文 中下
武文 中下
高橋 俊行
俊行 高橋
山本 勝志
勝志 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to KR1020180008663A priority Critical patent/KR20180096506A/ko
Priority to CN201810077579.XA priority patent/CN108454254B/zh
Priority to TW107103038A priority patent/TWI729262B/zh
Publication of JP2018134859A publication Critical patent/JP2018134859A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6660568B2 publication Critical patent/JP6660568B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
    • B41F5/00Rotary letterpress machines
    • B41F5/24Rotary letterpress machines for flexographic printing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/12Printing plates or foils; Materials therefor non-metallic other than stone, e.g. printing plates or foils comprising inorganic materials in an organic matrix
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1337Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Description

本発明は、フレキソ印刷版のもとになる印刷用樹脂原版の製造に用いる粗面化シートと、当該粗面化シートを用いた印刷用樹脂原版の製造方法、フレキソ印刷版の製造方法に関するものである。
液晶表示素子を構成する基板の電極形成面上に、できるだけ厚みが均一で、ピンホール等がなく、しかも薄いという、高い塗膜品質が要求される液晶配向膜を形成するために、良好な印刷特性を有するフレキソ印刷法が利用される。
フレキソ印刷法には、柔軟な樹脂のシート(印刷用樹脂原版)からなり、その表面が版表面、すなわち、液晶配向膜等のもとになるインキを担持した状態で、電極形成面等の被印刷面に接触して、被印刷面にインキを転写させる面とされたフレキソ印刷版が用いられる。
フレキソ印刷版の版表面は、インキに対する濡れ性を向上して、インキを良好に保持するとともに、保持したインキを被印刷面に良好に転写できるようにするために、所定の表面粗さの粗面とされるのが一般的である。
特許文献1に記載の印刷用樹脂原版の製造方法では、まず、樹脂のシートのもとになる感光性樹脂組成物を、表面が粗面化された型面とされた粗面化シートの上に層状に塗り拡げた状態で、紫外線等の活性光線の照射によって硬化させる。次いで、硬化によって形成されたシートから粗面化シートを剥離すると、シートの、型面と接触していた面に粗面形状が転写されて、当該面が粗面化された版表面とされる。
この製造方法によれば、版表面の全面が粗面化された印刷用樹脂原版を、生産性良くコスト安価に製造できる。
粗面化シートとしては、特許文献1に記載されているように、ウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー(TPE)のシートからなり、型面側とは反対面に、補強フィルムとして、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等をラミネートしたものなどが用いられる。
この粗面化シートは、たとえば、TPEをシート状に押出成形して、補強フィルムとともに、外周面が粗面化シートの型面の粗面形状に対応する粗面状の原型面とされた粗面化ロールと、対ロールとの間を連続的に挿通させて製造される。すなわち、挿通時の圧によってTPEのシートと補強フィルムとが互いにラミネートされるとともに、シートの表面に原型面の粗面形状が転写されて、当該表面が粗面化された型面とされる。
製造された粗面化シートは、必要に応じて所定の大きさに切り出す等して、印刷用樹脂原版の製造に使用される。
TPEを用いるのは、上記の製造方法によって、粗面化ロールの外周面である原型面の粗面形状を、型面に、比較的効率よく転写できるためである。また、TPEが、感光性樹脂組成物との親和性や濡れ性が高いため、型面の粗面形状を、印刷用樹脂原版の版表面に良好に転写できるためでもある。
しかし、従来の粗面化シートにおいては、TPEの合成時に、フィッシュアイと呼ばれる部分ゲル状物が発生しやすく、発生したフィッシュアイが補強フィルムとの間に挟まれると、型面に、粗面を形成する凹凸よりも大きい部分的な突起を生じやすい。そして、突起を生じた粗面化シートを用いて印刷用樹脂原版を製造すると、その版表面に、突起に基づく窪みが発生して版表面の平面性が損なわれ、結果的に、液晶配向膜等の厚みの均一性が損なわれるという課題がある。
TPEの合成メカニズム上、フィッシュアイは完全に取り除くことが困難であり、ラミネート後、切り出し前の粗面化シートには、必ず多数のフィッシュアイが含まれることになる。
そこで、粗面化シートの製造に際しては、フィッシュアイが発生している位置を確認した上で、フィッシュアイが発生していない領域を選んで切り出す必要があり、材料の無駄が大きくなる。
また、フィッシュアイを形成する部分ゲル状物は、基本的にTPEと同一成分であり、色味や見た目がほとんど同じであるため、切り出しの際の位置確認や、切り出した後の粗面化シートの検査には多くの労力と時間を要する。
そのため、これらのことが相まって、従来の製造方法では、粗面化シートの生産性が低いという課題がある。
さらに、検査でフィッシュアイを見逃した粗面化シートを印刷用樹脂原版の製造に使用してしまうと、版表面に窪みを生じて印刷に使用できない不良品が発生する。そして、印刷用樹脂原版、ひいてはフレキソ印刷版の不良率が上昇し、生産性が低下して、最終的には液晶表示素子の生産性が低下する場合がある。
特開2013−119179号公報
本発明の目的は、フィッシュアイのない粗面化シートと、当該粗面化シートを用いることによって不良の発生を抑制して、印刷用樹脂原版、およびフレキソ印刷版を生産性良く製造するための製造方法とを提供することにある
本発明は、印刷用樹脂原版の製造に用いる、表面が粗面化された型面とされた表層、および前記表層の裏面側に設けられた補強フィルムを少なくとも備え、前記補強フィルムは、厚みが0.050mm以上、0.300mm以下であり、前記表層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された微細粒子とを含み、前記微細粒子の少なくとも一部が前記表層の表面から突出されて、前記表面が粗面化された型面とされている粗面化シートである。
また本発明は、前記粗面化シートの前記型面に、感光性樹脂組成物の層を接触させた状態で、前記層を、活性光線の照射によって硬化させたのち前記型面から剥離することにより、前記層の、前記型面と接触していた面に前記型面の粗面形状を転写して、前記面を粗面化された版表面とする工程を含む印刷用樹脂原版の製造方法である。
また本発明は、前記粗面化シートの前記型面に、感光性樹脂組成物の層を接触させた状態で、前記層を、活性光線の照射によって硬化させたのち前記型面から剥離することにより、前記層の、前記型面と接触していた面に前記型面の粗面形状を転写して、前記面を粗面化された版表面として印刷用樹脂原版を製造する工程、および製造した印刷用樹脂原版の該当箇所を熱的に切除して、印刷機に装着するための咥え込み部、およびチャック穴を形成する工程を含むフレキソ印刷版の製造方法である。
本発明によれば、フィッシュアイのない粗面化シートと、当該粗面化シートを用いることによって不良の発生を抑制して、印刷用樹脂原版、およびフレキソ印刷版を生産性良く製造するための製造方法とを提供することができる
本発明の粗面化シートの一例の、層構成を拡大して示す断面図である。 図(a)〜(c)は、図1の例の粗面化シートを用いて、本発明の製造方法によって印刷用樹脂版を製造する工程の一例を示す断面図である。 図(a)〜(c)は、図2(a)〜(c)の続きの工程の一例を示す断面図である。 図2、図3の製造方法によって製造された印刷用樹脂原版を用いて製造されるフレキソ印刷版の一例を示す斜視図である。
〈粗面化シート〉
図1は、本発明の粗面化シートの一例の、層構成を拡大して示す断面図である。
図1を参照して、この例の粗面化シート1は、補強フィルム2としてのPETフィルムと、補強フィルム2の片面(図では上面)に積層された表層5とを含む。
表層5は、バインダー樹脂3と、バインダー樹脂3中に分散された微細粒子4とを含み、微細粒子4の少なくとも一部が表層5の表面から突出されて、当該表面が粗面化された型面6とされている。突出した微細粒子4の表面は、図の例の場合、バインダー樹脂3からなるごく薄い膜で被覆されている。ただし、微細粒子4の表面は膜で被覆されずに露出していてもよく、被覆されたものと露出したものが混在していてもよい。
表層5は、たとえば、バインダー樹脂3と微細粒子4とを含む塗剤を補強フィルム2の片面に塗布したのち塗剤を乾燥させ、さらにバインダー樹脂3が硬化性を有する場合は、紫外線等の活性光線の照射や加熱によってバインダー樹脂3を硬化させて形成される。
そのため、前述した粗面化ロールを用いた型面の形成工程と、それに適したTPE等からなる表層を省略することができる。
したがって、バインダー樹脂3としては、TPE以外の、フィッシュアイの問題を生じることのない種々の材料を用いることができ、フィッシュアイが原因となる各種の不良の発生を抑制することができる。
粗面化シート1は、たとえば、長尺の補強フィルム2を連続的に送りながら、その片面に塗剤を連続的に塗布して表層5を連続的に形成することで製造される。
また、製造された粗面化シート1は、必要に応じて所定長、所定幅にカットする等して、印刷用樹脂原版の製造に使用される。
従来の、粗面化ロールを用いた型面の形成工程では、型面の線粗さや立体形状等を変更、調整する場合、異なる型面ごとに、個別に専用の粗面化ロールを用意する必要があり、粗面化シート、そしてフレキソ印刷版の製造コストが高くつという課題がある。
これに対し、バインダー樹脂3と微細粒子4とを含む表層5の場合は、微細粒子4の種類や粒子径、配合割合、塗剤の塗布厚み等を調製することにより、表層5の表面である型面6の線粗さや立体形状等を任意に変更、調整できる。
また、型面6が表層5の表面である粗面化シート1は、従来の、型面がTPEからなる粗面化シートに比べて、後述する実施例、比較例の結果からも明らかなように、形成した印刷用樹脂原版から容易に剥離することもできる。
そのため、これらのことが相まって、粗面化シート1やフレキソ印刷版を、生産性良くコスト安価に製造することができる。
表層5を形成するバインダー樹脂3としては、たとえば、印刷用樹脂原版製造のための活性光線に対する透過性を有する各種の樹脂を用いることができる。バインダー樹脂3としては、たとえば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン等の1種または2種以上が挙げられる。
とくに、熱可塑性、2液硬化性、活性光線硬化性、もしくは熱硬化性のアクリル樹脂、中でもアクリルポリウレタン2液硬化タイプのアクリル樹脂が好ましい。アクリルポリウレタン2液硬化タイプのアクリル樹脂としては、たとえば、アクリルポリオールを含む主剤と、イソシアネートを含む硬化剤とを組み合わせたもの等が挙げられる。
アクリル樹脂は、総じて印刷用樹脂原版のもとになる感光性樹脂組成物との親和性や濡れ性が高いため、型面の粗面形状を、印刷用樹脂原版の版表面に良好に転写できる。
微細粒子4としては、樹脂の粒子や、あるいは無機材料の粒子等を用いることができる。樹脂の粒子としては、たとえば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート等の粒子が挙げられる。無機材料の粒子としては、たとえば、ガラス、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、クレー、アルミナ、炭酸カルシウム、シリカ等の粒子が挙げられる。これらの粒子の1種または2種以上を、微細粒子4として用いることができる。
中でも、印刷用樹脂原版製造のための活性光線に対する透過性を有する材料からなる微細粒子4が好ましい。
なお、微細粒子4の立体形状を、図1では簡易的に球状としているが、微細粒子4の立体形状は球状には限定されず、不定形粒状や任意の多面体状等の、種々の立体形状とすることができる。
たとえば、バインダー樹脂3としてアクリルポリウレタン2液硬化タイプのアクリル樹脂を使用する場合は、そのもとになる主剤および硬化剤と、微細粒子4とを所定の割合で配合し、さらに必要に応じて粘度を調整するための溶剤を加える等して塗剤が調製される。
補強フィルム2は、粗面化シート1の全体での引張強さ等を高める文字通り補強としての機能を有する他、粗面化シート1が、活性光線硬化性のバインダー樹脂3の硬化時の収縮等によって反ったりするのを矯正するためにも機能する。
補強フィルム2としては、前述したようにPETフィルムが好適に用いられる。PETフィルムは、補強フィルム2としての機能等に優れている。とくに、印刷用樹脂原版製造のための活性光線に対する透過性を有するPETフィルムが好ましい。
ただし、補強フィルム2としては、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート、セルロースアセテート等のフィルムを用いることもできる。
補強フィルム2の、表層5を積層する片面(図では上面)には、必要に応じて、表層5の密着性を高めるために、プライマー処理を施してもよい。
プライマー処理としては、たとえば、コロナ放電処理、フレーム処理、オゾン処理、紫外線照射処理、サンドブラスト処理、溶剤処理等の1種または2種以上が挙げられる。また、たとえば、補強フィルム2を形成するPETや、表層5を形成するバインダー樹脂3との親和性、密着性に優れた種々の材料からなるプライマー層を形成してもよい。
表層5を形成する微細粒子4は、粒子径分布(粒度分布)の最小値が2.0μm以上で、かつ粒子径分布の最大値が30.0μm以下であるのが好ましい。粒子径分布の最小値、最大値とは、測定対象の微細粒子4について求めた粒子径分布の測定結果における、粒子径の最小値と最大値を示す。
微細粒子4の、粒子径分布の最小値が2.0μm未満では、微細粒子4中に、フレキソ印刷版の版表面を十分な厚みのインキを保持しうる粗面状とするには小さすぎる粒子が含まれることになる。一方、微細粒子4の、粒子径分布の最大値が30.0μmを超える場合には、微細粒子4中に、上記版表面を十分な厚みのインキを保持しうる粗面状とするには粒子径が大きすぎる粒子が含まれることになる。
そのため、塗剤の塗布厚みや、バインダー樹脂3と微細粒子4の配合割合等にもよるが、いずれの場合にも、粗面化シート1を用いて製造されるフレキソ印刷版の版表面の全面を、十分な厚みのインキを均一に保持しうる、ムラのない粗面状に形成できないおそれがある。そして、フレキソ印刷法によって形成される、たとえば、液晶配向膜の厚みが不足したり、厚みが不均一になったりする場合を生じる。
これに対し、微細粒子4の、粒子径分布の最小値、最大値をそれぞれ上記の範囲とすることにより、上述した、粒子径が小さすぎる粒子や粒子径が大きすぎる粒子を除外することができる。したがって、粗面化シート1の型面6、ひいてはフレキソ印刷版の版表面の全面を、適度の大きさの凹凸を有する、ムラのない粗面状とすることができる。そして、当該フレキソ印刷版を用いてフレキソ印刷法によって形成される、たとえば、液晶配向膜を、均一でかつ十分な厚みを有するものとすることができる。
また、微細粒子4は、粒子径分布の標準偏差σと平均粒子径とから、式(1):
変動係数Cv=(標準偏差σ)/(平均粒子径) (1)
によって求められる、粒子径分布のばらつきを示す変動係数Cvが0.35以下であるのが好ましい。
変動係数Cvが0.35を超える場合には、粒子径分布のばらつきが大きくなって、微細粒子4中に、上述した、粒子径が小さすぎる粒子や粒子径が大きすぎる粒子が多く含まれることになる。
そのため、やはり塗剤の塗布厚みや、バインダー樹脂3と微細粒子4の配合割合等にもよるが、粗面化シート1を用いて製造されるフレキソ印刷版の版表面の全面を、十分な厚みのインキを均一に保持しうる、ムラのない粗面状に形成できないおそれがある。そして、フレキソ印刷法によって形成される、たとえば、液晶配向膜の厚みが不足したり、不均一になったりする場合を生じる。
これに対し、変動係数Cvを上記の範囲とすることにより、粒子径が小さすぎる粒子、および粒子径が大きすぎる粒子を除外することができる。したがって、粗面化シート1の型面6、ひいてはフレキソ印刷版の版表面の全面を、適度の大きさの凹凸を有する、ムラのない粗面状とすることができる。そして、当該フレキソ印刷版を用いてフレキソ印刷法によって形成される、たとえば、液晶配向膜を、均一でかつ十分な厚みを有するものとすることができる。
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、変動係数Cvは、上記の範囲でも、0.25以下であるのが好ましい。
しかし、変動係数Cvが小さすぎる場合には、粒子径が単分散に近づくため、粗面化シート1の型面6、そしてフレキソ印刷版の版表面に形成される凹凸のピッチが単一に近づく。そうすると、ピッチの範囲自体は異なるものの、やはり単一のピッチで凹凸が形成される部分を含む、たとえば、液晶表示素子を構成する基板の電極形成面との相互作用によって、上記電極形成面に形成される液晶配向膜にモアレ縞を生じる場合がある。
そのため、モアレ縞の発生を抑制することを考慮すると、変動係数Cvは、上記の範囲でも0.15以上、中でも0.18以上、とくに0.20以上であるのが好ましい。
また、この場合にも、やはり、微細粒子4の粒子径分布の最小値は2.0μm以上で、かつ粒子径布の最大値は30.0μm以下であるのが好ましい。この理由は、先に説明したとおりである。
また、モアレ縞の発生を抑制するために、微細粒子4として、粒子径分布の異なる2種の微細粒子の混合粒子を併用してもよい。
粒子径分布の異なる2種の微細粒子の混合粒子を使用すれば、粗面化シート1の型面6、そしてフレキソ印刷版の版表面に形成される凹凸のピッチが単一に近づくのを抑制することができる。そのため、たとえば、液晶表示素子を構成する基板の電極形成面との相互作用によって、上記電極形成面に形成される液晶配向膜にモアレ縞が生じるのを抑制することができる。
ただし、混合粒子の全体での粒子径分布のばらつきが大きい場合には、やはり微細粒子4中に、粒子径が小さすぎる粒子や粒子径が大きすぎる粒子が多く含まれることになる。そのため、混合粒子の全体での変動係数Cvは、やはり0.35以下であるのが好ましい。
変動係数Cvをこの範囲とすることにより、粒子径が小さすぎる粒子、および粒子径が大きすぎる粒子を除外することができる。そのため、粗面化シート1の型面6、ひいてはフレキソ印刷版の版表面の全面を、適度の大きさの凹凸を有する、ムラのない粗面状とすることができる。そして、当該フレキソ印刷版を用いてフレキソ印刷法によって形成される、たとえば、液晶配向膜を、均一でかつ十分な厚みを有するものとすることができる。
しかし、変動係数Cvが小さすぎる場合には、2種の微細粒子の粒子径が近接し、混合粒子の全体での粒子径が単分散に近づいて、却ってモアレ縞を生じやすくなる傾向がある。モアレ縞の発生を抑制することを考慮すると、混合粒子の全体での変動係数Cvは、上記の範囲でも0.15以上、中でも0.18以上、とくに0.20以上であるのが好ましい。
混合粒子を構成する2種の微細粒子の、粒子径分布の範囲は任意に設定できる。2種の微細粒子の、粒子径分布の範囲は、互いに異なっていてもよいし、一部で重複していてもよい。
ただし、2種の微細粒子は、いずれも粒子径分布の最小値が2.0μm以上で、かつ粒子径布の最大値が30.0μm以下であるのが好ましい。これにより、粒子径が小さすぎる粒子、および粒子径が大きすぎる粒子を除外して、粗面化シート1を用いて製造されるフレキソ印刷版の版表面を、十分な厚みのインキを均一に保持しうる、ムラのない粗面状に形成することができる。
また、同様の理由で、2種の微細粒子の、それぞれの変動係数Cvは、いずれも0.35以下であるのが好ましい。
しかし、前述したように、2種の微細粒子を併用することにより、混合粒子の全体での粒子径分布が単分散に近づくことを抑制できるため、2種の微細粒子のうち少なくとも一方の微細粒子の変動係数Cvは、前述した0.15以上の範囲を下回ってもよい。
2種の微細粒子の配合割合は、それぞれの微細粒子の、粒子径分布の範囲や変動係数Cv、あるいは混合粒子の全体での変動係数Cv等に応じて、任意の範囲に設定することができる。
しかし、混合粒子を使用する上述した効果を、より一層向上するためには、混合粒子の総量に占める、粒子径分布の小さい方の微細粒子の割合を、10質量%以上、とくに60質量%以上で、かつ90質量%以下に設定するのが好ましい。
なお、本発明では、微細粒子4や混合粒子を構成する個々の微細粒子の粒子径分布を、Mie散乱理論に基づいて、レーザー回折/散乱法によって測定した体積分布でもって表している。変動係数Cvのもとになる標準偏差σは、粒子の形状を球形と仮定して、個数基準に換算した結果から求めた。平均粒子径は、粒子の形状を球形と仮定して、個数基準に換算して積算したのち、粒子の個数で除算して求めた、個数基準の算術平均径とした。
実施例では、微細粒子の体積分布を、(株)堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950V2を用いて測定しているが、測定装置はこれに限定されるものではない。
バインダー樹脂3と微細粒子4の配合割合は、型面6に形成する凹凸の大きさ等によって、任意に調整すればよい。
ただし、バインダー樹脂3が少なすぎる場合には、連続した強固な表層5を形成できないおそれがあり、逆にバインダー樹脂3が多すぎる場合には、表層5の表面である型面6に形成される凹凸が小さくなりすぎるおそれがある。
凹凸の大きさ等を考慮すると、形成された表層5において、バインダー樹脂3中に、微細粒子が体積基準で1/2〜1/8の割合で埋没している状態が理想的である。そのため、両者の配合割合は、バインダー樹脂3(揮発成分を除いた樹脂の固形分)と微細粒子4の総量に占めるバインダー樹脂3の体積割合で表して、30体積%以上、80体積%以下に設定するのが好ましい。
表層5の厚み、すなわち補強フィルム2の片面から、微細粒子4によって形成される型面6の凹凸のうち凸部の先端までの厚みは、微細粒子4の粒径に基づいて任意に設定できる。たとえば、微細粒子4の粒径が2.0μm以上、30.0μm以下の範囲である場合、表層5の厚みは、これに限定されないが、たとえば、0.005mm(=5.0μm)以上であるのが好ましく、0.035mm(=35.0μm)以下であるのが好ましい。
補強フィルムの2厚みは、0.050mm以上、0.300mm以下である必要があり、中でも0.075mm以上であるのが好ましく、0.250mm以下であるのが好ましい。
一方、補強フィルム2の厚みが上記の範囲を超える場合には、粗面化シート1の重量が増加する上、粗面化シート1を曲げたり巻いたりしにくくなるため、上述した取り扱い性等が低下するおそれがある。
また、補強フィルム2の厚みが大きくなるほど、補強フィルム2の厚みのムラも大きくなるため、塗剤の塗布厚みにもムラを生じやすくなる。そして、PETフィルムの厚みが小さい部分はバインダー樹脂の厚みが大きくなり、微細粒子がバインダー樹脂中に埋没して、周囲に比べて十分な粗面が形成されない領域を生じるおそれがある。つまり、表層5の表面である型面6の凹凸の分布、ひいては粗面形状にムラを生じやすくなるおそれがある。
これに対し、補強フィルム2の厚みを上記の範囲とすることにより、折れ等の発生をできるだけ抑制しながら、粗面化シート1の取り扱い性等を向上したり、凹凸の分布のムラを無くして型面6の粗面形状を均一化したりすることができる。
なお、型面6の粗面形状をより一層、均一化することを考慮すると、補強フィルム2の厚みは、上記の範囲でも小さいほど好ましい。すなわち、補強フィルム2の厚みを小さくするほど、補強フィルム2の厚みのムラも小さくすることができ、表層5のもとになる塗剤の塗布厚みを均一化して、粗面形状を均一化することができる。
とくに、前述した、粒径の範囲が2.0μm以上、30.0μm以下である微細粒子4と組み合わせる場合には、補強フィルム2の厚みは、前述した範囲でも0.200mm以下、中でも0.150mm以下、とくに0.100mm以下であるのが好ましい。これにより、粗面形状を均一化する効果をより一層向上することができる。ただし、折れ欠点等の防止をも併せ考慮すると、補強フィルム2の厚みは、0.100mm以上であるのが好ましい。
なお、補強フィルム2の片面にプライマー処理としてプライマー層を形成する場合、本発明では、上述した補強フィルム2の厚みは、補強フィルム2とプライマー層の合計の厚みとすることとする。
補強フィルム2の厚みと表層5の厚みの合計である、粗面化シート1の全体の厚みは、折れの発生をできるだけ抑制することなどを考慮すると、0.065mm以上、中でも0.080mm以上、とくに0.120mm以上であるのが好ましい。また、粗面化シート1の取り扱い性等を向上することなどを考慮すると、全体の厚みは、0.320mm以下、中でも0.285mm以下、とくに0.230mm以下、さらには0.175mm以下であるのが好ましい。
〈印刷用樹脂原版およびフレキソ印刷版の製造方法〉
図2(a)〜(c)は、図1の例の粗面化シートを用いて印刷用樹脂版を製造する製造方法の、工程の一例を示す断面図である。また図3(a)〜(c)は、図2(a)〜(c)の続きの工程の一例を示す断面図である。
図2(a)を参照して、この例の製造方法では、たとえば、ガラスや、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等の硬質樹脂などの、硬質で、なおかつ紫外線等の活性光線に対する透過性を有する材料からなる支持基板7を用意する。また、粗面化シート1としては、たとえば、補強フィルム2、表層5を形成するバインダー樹脂3、および微細粒子4が、いずれも活性光線に対する透過性を有する材料からなるものを用いる。
そして、粗面化シート1を、表層5の表面である型面6が上、補強フィルム2の露出した表面である反対面9が下になるように、支持基板7の、図において上側の表面8に重ね合わせる。具体的には、たとえば、粗面化シート1の反対面9の一端を、支持基板7の表面8に接触させながら、図中に一点鎖線の矢印で示すように、粗面化シート1を、表面8の一端から他端へかけて順に重ね合わせる。
支持基板7上に重ね合わせた粗面化シート1は、その上に液状の感光性樹脂組成物を塗り拡げる際のせん断力や、あるいは感光性樹脂組成物の硬化時の収縮力等によって支持基板7に対して位置ずれたりしにくい上、使用後の交換が容易であることが求められる。そのためには、支持基板7上に重ね合わせた粗面化シート1を、たとえば、下記(i)〜(iii)のいずれかの方法によって、支持基板7の表面8に着脱自在に固定するのが好ましい。
(i) 粗面化シート1を、活性光線に対する透過性を有する材料からなる弱粘着層を介して、支持基板7の表面8に着脱自在に粘着固定する。
(ii) 支持基板7の表面8に吸引溝を形成し、吸引溝を介して真空吸引して、粗面化シート1を、支持基板7の表面8に着脱自在に吸着固定する。
(iii) 粗面化シート1を、支持基板7の面方向の寸法よりも間隔を隔てた一対のチャック治具間に展張させた状態で、支持基板7の表面8に着脱自在に圧接固定する。
(i)の粘着固定に用いる弱粘着層としては、支持基板7、および補強フィルム2としてのPETフィルムの両方に対して弱粘着性を有し、なおかつ活性光線に対する透過性を有する種々の粘着剤からなる層が、いずれも採用可能である。弱粘着層は、支持基板7の表面8および粗面化シート1の反対面9のうちの少なくとも一方に、粘着剤を、たとえば、スプレー塗布等の種々の塗布方法によって塗布して形成される。
弱粘着層を形成したのち、図2(a)に一点鎖線の矢印で示すように、粗面化シート1を、反対面9を下にして、支持基板7の表面8の一端から他端へかけて間に空気が入らないように注意しながら順に重ねる。そうすると、弱粘着層の粘着力によって、粗面化シート1が表面8上に固定される。
また、固定した粗面化シート1を表面8から取り外すには、粗面化シート1を、たとえば、図2(a)の矢印とは逆に支持基板7の他端から一端へかけて、弱粘着層の粘着力に抗しながら、順に引き剥がす等すればよい。
(ii)の吸着固定をするためには、支持基板7の表面8を平滑に仕上げるとともに、表面8の略全面に吸引溝を形成する。吸引溝は真空ポンプ等を含む真空系に接続する。そして、粗面化シート1を、反対面9を下にして支持基板7の表面8に重ねた状態で真空系を作動させるか、あるいは、先に作動させておいた真空系を吸引溝と接続する等する。そうすると、重ねた粗面化シート1が、吸引溝を介して真空吸引されて、表面8上に固定される。
固定した粗面化シート1を表面8から取り外すには、真空系を停止させるか、あるいは真空系と吸引溝との接続を遮断すればよい。
次に、図2(b)を参照して、この例の製造方法では、支持基板7の表面8上に固定した粗面化シート1の型面6上に、印刷用樹脂原版のもとになる所定量の液状の感光性樹脂組成物10を供給する。供給した感光性樹脂組成物10は、粗面化シート1と、感光性樹脂組成物10とともに印刷用樹脂原版を構成する補強シート11との間に挟む。
そして、図2(b)に一点鎖線の矢印で示すように、支持基板7の表面8の一端から他端へかけて、間に空気が入らないように注意しながら順に、粗面化シート1の型面6上に塗り拡げる。そうすると、感光性樹脂組成物10の層12が形成されるとともに、その上に、補強シート11が積層される。
次に、図2(c)を参照して、補強シート11上に、対向基板13の対向面14を接触させる。そして、対向基板13の対向面14を、支持基板7の表面8との間に一定の間隔を隔てて平行に維持しながら、図2(c)に黒矢印で示すように、対向基板13を支持基板7の方向に押圧して、層12を粗面化シート1の型面6に圧着させる。
この状態で、層12に、図2(c)に実線の矢印で示すように支持基板7および粗面化シート1を通して活性光線を照射して、当該層12を形成する感光性樹脂組成物10を硬化させる。
この際、支持基板7の表面8と対向基板13の対向面14との間の間隔は、製造する印刷用樹脂原版の厚みに、粗面化シート1の厚みを加えた寸法を維持するようにする。
なお、対向基板13は、金属、ガラス、硬質樹脂等の任意の材料によって形成できる。
ただし、対向基板13を、支持基板7と同様の、活性光線に対する透過性を有する材料によって形成するとともに、補強シート11を、粗面化シート1と同様の、活性光線に対する透過性を有する材料によって形成してもよい。
この場合には、たとえば、支持基板7の側からだけでなく、対向基板13の側からも層12に活性光線を照射して、感光性樹脂組成物10を硬化させることができる。
また、この場合には、対向基板13の側からのみ層12に活性光線を照射して感光性樹脂組成物10を硬化させることもできるため、たとえば、粗面化シート1は活性光線に対する透過性を有しない材料によって形成することもできる。
次に、図3(a)(b)を参照して、補強シート11と、感光性樹脂組成物10の硬化によって形成された層15と、粗面化シート1との積層体16を、支持基板7と対向基板13の間から取り出し、補強シート11を下にして、作業台17の上に載置する。
そして、図3(b)に一点鎖線の矢印で示すように、粗面化シート1を、積層体16の一端から他端へかけて順に引き剥がす。そうすると、層15の、図において上面側が、粗面化シート1の型面6の粗面形状が転写されて粗面化された版表面18とされて、図3(c)に示す印刷用樹脂原版19が完成する。
感光性樹脂組成物10としては、下記の条件を満足する種々の樹脂組成物が、いずれも使用可能である。
紫外線等の活性光線の照射によって硬化させることができる。
硬化後は、フレキソ印刷に使用するのに適した適度な柔軟性やゴム弾性を有する。
印刷に使用するインキ中に含まれたり、印刷版の清掃に使用したりする溶剤に対する耐性(耐溶剤性)に優れた硬化物を形成できる。
これらの条件を満足する感光性樹脂組成物としては、これに限定されないが、たとえば、1,2−ブタジエン構造を有し、かつ末端にエチレン性二重結合を有するプレポリマ、エチレン性不飽和単量体、および光重合開始剤を含むもの等が挙げられる。光重合開始剤としては、ベンゾインアルキルエーテルが好ましい。
また、補強シート11としては、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PET、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の、各種の熱可塑性樹脂からなるシートを用いることができる。補強シート11は、前述したように、活性光線に対する透過性を有しているのが好ましい。
このあと、図示していないが印刷用樹脂原版19の4辺をカットして全体の平面形状を矩形に整える。次いで、図4に示すように、互いに平行な2辺の近傍の層15を、たとえば、レーザー加工等によって熱的に切除して、図示しない印刷機のバイスで咥え込んで把持するための咥え込み部20やピンを挿通するためのチャック穴21等を形成する。そして、さらに必要に応じて版表面18に所定の印刷パターンを形成すると、フレキソ印刷版22が完成する。
なお、図の例では、咥え込み部20は、フレキソ印刷版22の2辺の全幅に亘って、版表面18との間に一定幅の溝部23を挟んで、一定幅に形成されている。
またチャック穴21は、咥え込み部20の長さ方向の複数箇所(図では5箇所)に、等間隔で形成されている。
〈液晶表示素子の製造方法〉
本発明の粗面化シートを用いて、上述した方法によって製造された、不良率が小さく生産性に優れたフレキソ印刷版を用いて、フレキソ印刷によって液晶配向膜を形成することにより、液晶表示素子の生産性をも向上することができる。
液晶表示素子の製造方法のその他の工程は、従来同様に実施できる。
すなわち、ガラス基板等の透明基板の表面に、所定のマトリクスパターン等に対応した透明電極層を形成した上に、フレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷によって液晶配向膜を形成し、さらに液晶配向膜の表面を必要に応じてラビング等によって配向処理して基板を作製する。
次いで、この基板を2枚用意し、それぞれの透明電極層を位置合わせした状態で、間に液晶材料を挟みこんで互いに固定して、積層体を形成するとともに、この積層体の両外側に、さらに必要に応じて偏光板を配設することで、液晶表示素子が製造される。
本発明の構成は、以上で説明した図の例には限定されない。
たとえば、フレキソ印刷版の製造方法では、感光性樹脂組成物の層を、対向基板によって支持基板の方向に押圧する代わりに、粗面化シートをローラ状にしたもの等によって塗り拡げて厚みを一定にしながら、同時に、その表面を粗面化してもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を施すことができる。
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、これらの実施例、比較例によって限定されるものではない。
〈実施例1〉
(粗面化シート1)
バインダー樹脂3としては、アクリルポリオールを含む主剤(固形分50質量%)と、イソシアネートを含む硬化剤(固形分60質量%)とを組み合わせた、アクリルポリウレタン2液硬化タイプのアクリル樹脂を用いた。このバインダー樹脂3に、アクリル樹脂粒子(微細粒子4)を配合し、さらに溶剤としてのメチルエチルケトンおよび酢酸ブチルを加えて粘度を調整して、表層5用の塗剤を調製した。
アクリル樹脂粒子としては、粒子径分布の最小値が2.0μm、最大値が5.0μm、平均粒子径が3.0μm、標準偏差σが0.8μm、変動係数Cvが0.27であるものを用いた。
補強フィルム2としては、片面にプライマー処理が施された、厚み0.075mmの長尺のPETフィルムを用い、PETフィルムを連続的に送りながら、その片面に、塗剤を連続的に塗布したのち、温風乾燥工程を経て表層5を連続的に形成して、図1に示す積層構造の粗面化シート1を連続的に製造した。
なお、粗面化シート1を構成する硬化後のバインダー樹脂3、微細粒子4としてのアクリル樹脂粒子、およびPETフィルムとしては、いずれも印刷用樹脂原版製造のための活性光線に対する透過性を有するものを選択した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.080mm、表層5の厚みは0.005mmであった。
〈実施例2〉
厚み0.100mmのPETフィルム(補強フィルム2)と、粒子径分布の最小値が4.0μm、最大値が20.0μm、平均粒子径が12.0μm、標準偏差σが3.3μm、変動係数Cvが0.28であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)とを用いたこと以外は実施例1と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.120mm、表層5の厚みは0.020mmであった。
〈実施例3〉
厚み0.125mmのPETフィルム(補強フィルム2)と、粒子径分布の最小値が2.0μm、最大値が14.0μm、平均粒子径が8.0μm、標準偏差σが2.7μm、変動係数Cvが0.34であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)とを用いたこと以外は実施例1と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.140mm、表層5の厚みは0.015mmであった。
〈実施例4〉
厚み0.188mmのPETフィルム(補強フィルム2)と、粒子径分布の最小値が5.0μm、最大値が30.0μm、平均粒子径が18.0μm、標準偏差σが6.0μm、変動係数Cvが0.33であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)とを用いたこと以外は実施例1と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.220mm、表層5の厚みは0.032mmであった。
〈実施例5〉
厚み0.250mmのPETフィルム(補強フィルム2)と粒子径分布の最小値が10.0μm、最大値が30.0μm、平均粒子径が20.0μm、標準偏差σが5.4μm、変動係数Cvが0.27であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)とを用いたこと以外は実施例1と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.285mm、表層5の厚みは0.035mmであった。
〈実施例6〉
厚み0.050mmのPETフィルム(補強フィルム2)と粒子径分布の最小値が2.0μm、最大値が14.0μm、平均粒子径が8.0μm、標準偏差σが2.9μm、変動係数Cvが0.36であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)とを用いたこと以外は実施例1と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.065mm、表層5の厚みは0.015mmであった。
〈実施例7〉
厚み0.300mmのPETフィルム(補強フィルム2)と、粒子径分布の最小値が4.0μm、最大値が20.0μm、平均粒子径が12.0μm、標準偏差σが3.0μm、変動係数Cvが0.25であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)とを用いたこと以外は実施例1と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.320mm、表層5の厚みは0.020mmであった。
〈比較例1〉
ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)のシートと補強フィルムとを粗面化ロールと対ロールとの間を連続的に挿通させて型面を形成する従来法を再現することとし、補強フィルムとしては、厚みが0.100mmのPETフィルムを用いた。
また、表層用のTPUとしては、エステルタイプのTPUを用いた。
TPUを、押出機のダイを通してシート状に連続的に押出成形して表層を形成し、表層が冷却されて固化する前に、長尺で連続的に供給される補強フィルムとともに、粗面化ロールと対ロールとの間を連続的に挿通させて一体にラミネートした。それとともに、表層の表面に、粗面化ロールの原型面の粗面形状を連続的に転写させて、当該表面が粗面化された型面とされた粗面化シートを連続的に製造した。
粗面化ロールとしては、その最外層がシリコーンゴムからなるものを用いた。
粗面化シートの全体の厚みは0.110mm、表層の厚みは0.010mm、であった。
〈比較例2〉
補強フィルムとして厚み0.125mmのPETフィルムを用い、ダイのスリット幅を調整して表層の厚みを0.050mmとしたこと以外は比較例1と同様にして粗面化シートを連続的に製造した。
粗面化シートの全体の厚みは0.175mmであった。
〈比較例3〉
補強フィルムとして厚み0.188mmのPETフィルムを用い、ダイのスリット幅を調整して表層の厚みを0.080mmとしたこと以外は比較例1と同様にして粗面化シートを連続的に製造した。
粗面化シートの全体の厚みは0.268mmであった。
〈粗面形状のムラ評価〉
各実施例、比較例で製造した粗面化シートの型面の、粗面形状のムラを、目視によって観察して、下記の基準で評価した。
◎:粗面形状のムラは見られず、粗面形状は均一であった。
○:粗面形状に僅かなムラが見られた。
△:粗面形状に、「○」より目につくムラが見られた。
×:粗面形状が形成されていない領域が見られた。
なお比較例では、表層の厚みが小さいほど、粗面化ロールの食い込み量にばらつきを生じて、粗面形状のムラが大きくなる傾向があり、ムラが大きくなりすぎて粗面形状が全く転写(形成)されない領域が発生すると、評価が「×」になる。
〈取り扱い性評価〉
各実施例、比較例で製造したカット前の長尺の粗面化シートを、それぞれ型面を外側にして連続的にロール状に巻き取った際の状態を目視にて観察して、下記の基準で取り扱い性を評価した。
◎:巻きシワを生じることなしに、200m以上連続して巻き取ることができた。
○:100m以上、200m未満の範囲では、巻きシワを生じることなしに連続して巻き取ることができた。
△:20m以上、100m未満の範囲では、巻きシワを生じることなしに連続して巻き取ることができた。
×:20m未満で巻きシワを生じてしまい、粗面化シート1の生産性にも影響を生じた。
〈フィッシュアイ数評価〉
各実施例、比較例で製造した粗面化シートを観察して、単位面積当たりのフィッシュアイの数(個/m)をカウントした。そして下記の基準でフィッシュアイ数を評価した。
◎:フィッシュアイ数は0個/mであった。
○:フィッシュアイ数は0個/mを超え、かつ0.1個/m以下であった。
×:フィッシュアイ数は0.1個/mを超えていた。
〈折れ欠点数評価〉
各実施例、比較例で製造したカット前の長尺の粗面化シートをロール状に巻き付け、次いで巻き戻した際に生じた折れ欠点の、単位面積当たりの数(個/m)をカウントした。そして下記の基準で折れ欠点を評価した。
◎:折れ欠点数は0.06個/m以下であった。
○:折れ欠点数は0.06個/mを超え、かつ0.15個/m以下であった。
△:折れ欠点数は0.15個/mを超え、かつ0.40個/m以下であった。
×:折れ欠点数は0.40個/mを超えていた。
〈剥離性評価〉
各実施例、比較例で製造した粗面化シートを用いて、図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)の工程を経て印刷用樹脂原版を製造したのち、製造した印刷用樹脂原版から粗面化シートを180°剥離した際の剥離強度を測定した。そして下記の基準で剥離性を評価した。
印刷用樹脂原版のもとになる感光性樹脂組成物としては、住友ゴム工業(株)製のNK樹脂を用いた。また補強シートとしては、住友ゴム工業(株)製のBF/CF貼り合わせフィルムを用いた。
◎:剥離強度は0.15N/mm以下であり、手動で容易に剥離できた。
○:剥離強度は0.15N/mmを超え、かつ0.20N/mm以下であり、手動で剥離できたものの「◎」よりも力を要した。
△:剥離強度は0.20N/mmを超え、かつ0.25N/mm以下であり、手動で剥離できたものの「○」よりも力を要した。
×:剥離強度は0.25N/mmを超えており、手動では剥離できず、剥離作業に補助が必要であった。
〈総合評価〉
全ての評価が◎であったものをA、◎と○のみであったものをB、1つだけ△で他は◎または○であったものをC、△が2つで他は◎または○であったものをD、一つでも×があったものをEと評価した。
以上の結果を表1〜表3に示す。
Figure 0006660568
Figure 0006660568
Figure 0006660568
表1〜表3の結果より、バインダー樹脂中に微細粒子を分散させた表層を備えた実施例1〜7の粗面化シートは、比較例1〜3に比べて、フィッシュアイがなく、粗面形状のムラが小さく、かつ取り扱い性や剥離性に優れる上、折れ欠点を生じにくいことが判った。また、そのため実施例1〜7の粗面化シートを用いることによって不良の発生を抑制して、印刷用樹脂原版、およびフレキソ印刷版を生産性良く製造できることが判った。
また、実施例1〜7の結果より、上記の効果をより一層向上することを考慮すると、微細粒子は、粒子径分布の最小値が2.0μm以上で、かつ粒子径分布の最大値が30.0μm以下、さらには変動係数Cvが0.35以下であるのが好ましいことが判った。また、補強フィルムの厚みは0.050mm以上、中でも0.075mm以上、とくに0.100mm以上であるのが好ましく、0.300mm以下、中でも0.250mm以下、とくに0.200mm以下、さらには0.150mm以下であるのが好ましいことが判った。
さらに、粗面化シートの全体の厚みは0.065mm以上、中でも0.080mm以上、とくに0.120mm以上であるのが好ましく、0.320mm以下、中でも0.285mm以下、とくに0.230mm以下、さらには0.175mm以下であるのが好ましいことが判った。
〈実施例8〉
厚み0.188mmのPETフィルム(補強フィルム2)と、粒子径分布の最小値が2.0μm、最大値が5.0μm、平均粒子径が2.8μm、標準偏差σが0.7μm、変動係数Cvが0.25であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)とを用いたこと以外は実施例1と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.195mm、表層5の厚みは0.007mmであった。
〈実施例9〉
粒子径分布の最小値が2.5μm、最大値が9.0μm、平均粒子径が5.0μm、標準偏差σが1.0μm、変動係数Cvが0.20であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)を用いたこと以外は実施例8と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.199mm、表層5の厚みは0.011mmであった。
〈実施例10〉
粒子径分布の最小値が6.0μm、最大値が18.0μm、平均粒子径が10.0μm、標準偏差σが1.9μm、変動係数Cvが0.19であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)を用いたこと以外は実施例8と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.208mm、表層5の厚みは0.020mmであった。
〈実施例11〉
粒子径分布の最小値が10.0μm、最大値が30.0μm、平均粒子径が18.0μm、標準偏差σが3.2μm、変動係数Cvが0.18であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)を用いたこと以外は実施例8と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.221mm、表層5の厚みは0.033mmであった。
〈実施例12〉
粒子径分布の最小値が2.0μm、最大値が13.0μm、平均粒子径が5.0μm、標準偏差σが1.7μm、変動係数Cvが0.34であるアクリル樹脂粒子(微細粒子4)を用いたこと以外は実施例8と同様にして粗面化シート1を製造した。
粗面化シート1の全体の厚みは0.203mm、表層5の厚みは0.015mmであった。
〈液晶配向膜の作製〉
各実施例で製造した粗面化シート1を用いて、図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)の工程を経て印刷用樹脂原版19を製造し、さらに製造した印刷用樹脂原版19を加工して、図4に示すフレキソ印刷版22を製造した。
液晶配向膜印刷用のフレキソ印刷機〔ナカン(株)製のA45〕に、製造したフレキソ印刷版22と、アニロックスロール#220〔セル容積6.5cc/m〕とを組み込んだ。
次いで、液晶配向膜用のインキ〔JSR(株)製のオプトマー(登録商標)AL17901〕をフレキソ印刷機に供給して、液晶表示素子用の模擬基板の電極形成面上に印刷したのち120℃で30分間、予備乾燥させて液晶配向膜を形成した。液晶配向膜の、予備乾燥後の設定厚みは900Åとした。
模擬基板としては、5インチ角のエリア内に画素数420ppiの密度でドットを構築したものを用いた。凹凸のピッチは3〜15μm、高さは0.3〜1μmであった。
〈液晶配向膜の厚み評価〉
上記で作製した液晶配向膜の状態を、目視によって観察して、下記の基準で厚みのムラを評価した。
◎:液晶配向膜の厚みにムラはなく、厚みは均一であった。
○:液晶配向膜に、僅かな厚みのムラが見られた。
△:液晶配向膜に、「○」より目につく厚みのムラが見られた。
×:液晶配向膜が形成されていない領域が見られた。
結果を表4に示す。
Figure 0006660568
表4の実施例8〜12の結果より、前述したように粗面形状のムラを小さくして、フレキソ印刷法によって、厚みのムラのない、厚みが均一な液晶配向膜等を形成することを考慮すると、粒子径分布のばらつきを示す変動係数Cvは0.35以下、とくに0.25以下であるのが好ましいことが判った。
〈実施例13〉
厚み0.188mmのPETフィルム(補強フィルム2)と、粒子径分布の異なる2種の微細粒子の混合粒子(微細粒子4)とを用いたこと以外は実施例1と同様にして粗面化シート1を製造した。
微細粒子は、下記の2種を組み合わせた。
微細粒子A:粒子径分布の最小値が2.0μm、最大値が3.6μm、平均粒子径が2.8μm、標準偏差σが0.3μm、変動係数Cvが0.11であるアクリル樹脂粒子。
微細粒子B:粒子径分布の最小値が3.5μm、最大値が6.5μm、平均粒子径が5.0μm、標準偏差σが1.0μm、変動係数Cvが0.20であるアクリル樹脂粒子。
微細粒子A、Bの配合割合は、質量比でA:B=65:35、混合粒子の総量に占める微細粒子Aの割合は65質量%とした。
微細粒子A、Bの2種からなる混合粒子の全体での変動係数Cvは0.34であった。また、粗面化シート1の全体の厚みは0.199mm、表層5の厚みは0.011mmであった。
〈実施例14〉
下記の2種の微細粒子の混合粒子(微細粒子4)を用いたこと以外は実施例13と同様にして粗面化シート1を製造した。
微細粒子A:粒子径分布の最小値が4.0μm、最大値が6.0μm、平均粒子径が5.0μm、標準偏差σが0.4μm、変動係数Cvが0.08であるアクリル樹脂粒子。
微細粒子B:粒子径分布の最小値が5.0μm、最大値が9.0μm、平均粒子径が7.0μm、標準偏差σが1.4μm、変動係数Cvが0.20であるアクリル樹脂粒子。
微細粒子A、Bの配合割合は、質量比でA:B=85:15、混合粒子の総量に占める微細粒子Aの割合は85質量%とした。
微細粒子A、Bの2種からなる混合粒子の全体での変動係数Cvは0.18であった。また、粗面化シート1の全体の厚みは0.203mm、表層5の厚みは0.015mmであった。
〈実施例15〉
下記の2種の微細粒子の混合粒子(微細粒子4)を用いたこと以外は実施例13と同様にして粗面化シート1を製造した。
微細粒子A:粒子径分布の最小値が5.7μm、最大値が8.3μm、平均粒子径が7.0μm、標準偏差σが0.5μm、変動係数Cvが0.07であるアクリル樹脂粒子。
微細粒子B:粒子径分布の最小値が3.1μm、最大値が13.0μm、平均粒子径が10.0μm、標準偏差σが1.9μm、変動係数Cvが0.19であるアクリル樹脂粒子。
微細粒子A、Bの配合割合は、質量比でA:B=75:25、混合粒子の総量に占める微細粒子Aの割合は75質量%とした。
微細粒子A、Bの2種からなる混合粒子の全体での変動係数Cvは0.21であった。また、粗面化シート1の全体の厚みは0.208mm、表層5の厚みは0.020mmであった。
〈実施例16〉
下記の2種の微細粒子の混合粒子(微細粒子4)を用いたこと以外は実施例13と同様にして粗面化シート1を製造した。
微細粒子A:粒子径分布の最小値が2.0μm、最大値が4.0μm、平均粒子径が2.8μm、標準偏差σが0.7μm、変動係数Cvが0.25であるアクリル樹脂粒子。
微細粒子B:粒子径分布の最小値が4.0μm、最大値が6.0μm、平均粒子径が5.0μm、標準偏差σが0.4μm、変動係数Cvが0.08であるアクリル樹脂粒子。
微細粒子A、Bの配合割合は、質量比でA:B=10:90、混合粒子の総量に占める微細粒子Aの割合は10質量%とした。
微細粒子A、Bの2種からなる混合粒子の全体での変動係数Cvは0.17であった。また、粗面化シート1の全体の厚みは0.196mm、表層5の厚みは0.008mmであった。
〈モアレ縞の有無評価〉
各実施例で製造した粗面化シート1を用いて、「液晶配向膜の作製」の工程にしたがって、フレキソ印刷版22を製造し、製造したフレキソ印刷版22を液晶表示素子用の模擬基板の電極形成面上に印刷したのち120℃で30分間、予備乾燥させて液晶配向膜を形成した。液晶配向膜の、予備乾燥後の設定厚みは900Åとした。
模擬基板としては、5インチ角のエリア内に画素数420ppiの密度でドットを構築したものを用いた。凹凸のピッチは3〜15μm、高さは0.3〜1μmであった。
そして、形成した液晶配向膜の状態を、目視によって観察して、下記の基準でモアレ縞の有無を評価した。
◎:液晶配向膜にモアレ縞はなく、厚みは均一であった。
○:液晶配向膜に、僅かなモアレ縞が見られた。
△:液晶配向膜に、「○」より目につくモアレ縞が見られた。
×:液晶配向膜に、「△」より目に付くモアレ縞が見られた。
結果を表5に示す。
Figure 0006660568
表5の実施例13〜16の結果より、とくに液晶表示素子用の基板の電極形成面上に、モアレ縞のない液晶配向膜を形成することを考慮すると、微細粒子としては、粒子径分布の異なる2種の微細粒子の混合粒子を用いるのが好ましいことが判った。
また、上記の効果をより一層向上することを考慮すると、混合粒子の全体での変動係数Cvは、前述した0.35以下の範囲でも、0.15以上、中でも0.18以上、とくに0.20以上であるのが好ましいことが判った。
1 粗面化シート
2 補強フィルム
3 バインダー樹脂
4 微細粒子
5 表層
6 型面
7 支持基板
8 表面
9 反対面
10 感光性樹脂組成物
11 補強シート
12 層
13 対向基板
14 対向面
15 層
16 積層体
17 作業台
18 版表面
19 印刷用樹脂原版
20 咥え込み部
21 チャック穴
22 フレキソ印刷版
23 溝部

Claims (9)

  1. 印刷用樹脂原版の製造に用いる、表面が粗面化された型面とされた表層、および前記表層の裏面側に設けられた補強フィルムを少なくとも備え、前記補強フィルムは、厚みが0.050mm以上、0.300mm以下であり、前記表層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂中に分散された微細粒子とを含み、前記微細粒子の少なくとも一部が前記表層の表面から突出されて、前記表面が粗面化された型面とされている粗面化シート。
  2. 前記微細粒子は、粒子径分布の最小値が2.0μm以上で、かつ前記粒子径分布の最大値が30.0μm以下である請求項1に記載の粗面化シート。
  3. 前記微細粒子は、粒子径分布のばらつきを示す変動係数Cvが0.35以下である請求項1または2に記載の粗面化シート。
  4. 前記微細粒子は、粒子径分布の異なる2種の微細粒子の混合粒子である請求項1または2に記載の粗面化シート。
  5. 前記混合粒子は、粒子径分布のばらつきを示す変動係数Cvが0.35以下である請求項4に記載の粗面化シート。
  6. 前記補強フィルムは、厚みが0.075mm以上、0.250mm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の粗面化シート。
  7. 前記補強フィルム、バインダー樹脂、および微細粒子は、いずれも活性光線に対する透過性を有する材料からなる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の粗面化シート。
  8. 前記請求項1ないし7のいずれか1項に記載の粗面化シートの前記型面に、感光性樹脂組成物の層を接触させた状態で、前記層を、活性光線の照射によって硬化させたのち前記型面から剥離することにより、前記層の、前記型面と接触していた面に前記型面の粗面形状を転写して、前記面を粗面化された版表面とする工程を含む印刷用樹脂原版の製造方法。
  9. 前記請求項1ないし7のいずれか1項に記載の粗面化シートの前記型面に、感光性樹脂組成物の層を接触させた状態で、前記層を、活性光線の照射によって硬化させたのち前記型面から剥離することにより、前記層の、前記型面と接触していた面に前記型面の粗面形状を転写して、前記面を粗面化された版表面として印刷用樹脂原版を製造する工程、および製造した印刷用樹脂原版の該当箇所を熱的に切除して、印刷機に装着するための咥え込み部、およびチャック穴を形成する工程を含むフレキソ印刷版の製造方法。
JP2017232077A 2017-02-20 2017-12-01 粗面化シートとそれを用いた印刷用樹脂原版の製造方法、およびフレキソ印刷版の製造方法 Active JP6660568B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020180008663A KR20180096506A (ko) 2017-02-20 2018-01-24 조면화 시트와 그것을 이용한 인쇄용 수지 원판의 제조 방법, 플렉소 인쇄판의 제조 방법, 및 액정 표시 소자의 제조 방법
CN201810077579.XA CN108454254B (zh) 2017-02-20 2018-01-26 粗糙面化片材与其用途
TW107103038A TWI729262B (zh) 2017-02-20 2018-01-29 粗糙面化片材與使用其的印刷用樹脂原版的製造方法、及柔版印刷版的製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017029365 2017-02-20
JP2017029365 2017-02-20

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018134859A JP2018134859A (ja) 2018-08-30
JP6660568B2 true JP6660568B2 (ja) 2020-03-11

Family

ID=63364700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017232077A Active JP6660568B2 (ja) 2017-02-20 2017-12-01 粗面化シートとそれを用いた印刷用樹脂原版の製造方法、およびフレキソ印刷版の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6660568B2 (ja)
KR (1) KR20180096506A (ja)
TW (1) TWI729262B (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114401847A (zh) * 2019-09-20 2022-04-26 东洋纺株式会社 柔性印刷版原版

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3066685B2 (ja) * 1992-06-11 2000-07-17 富士写真フイルム株式会社 平版印刷版用支持体の製造方法
JP5427225B2 (ja) 2011-12-06 2014-02-26 住友ゴム工業株式会社 印刷用樹脂原版の製造方法
JP6551737B2 (ja) * 2015-07-08 2019-07-31 住友ゴム工業株式会社 フレキソ印刷版の製造方法および液晶表示素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TWI729262B (zh) 2021-06-01
JP2018134859A (ja) 2018-08-30
KR20180096506A (ko) 2018-08-29
TW201831317A (zh) 2018-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4736953B2 (ja) 遮光層付フライアイレンズシートおよびその製造方法、透過型スクリーンならびに背面投影型画像表示装置
JP5727526B2 (ja) フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法
JP6322871B2 (ja) フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶表示素子の製造方法
JP5427225B2 (ja) 印刷用樹脂原版の製造方法
JP6551737B2 (ja) フレキソ印刷版の製造方法および液晶表示素子の製造方法
JP2007147935A (ja) レンズシート、透過型スクリーンおよび背面投射型映像表示装置
JP6660568B2 (ja) 粗面化シートとそれを用いた印刷用樹脂原版の製造方法、およびフレキソ印刷版の製造方法
JP2014133336A (ja) フレキソ印刷版とその製造方法、ならびに液晶パネル用基板の製造方法
TWI729465B (zh) 柔版印刷版與使用其的液晶顯示元件的製造方法
CN108454254B (zh) 粗糙面化片材与其用途
JP6395301B2 (ja) テスト用フレキソ印刷版とその製造方法、および液晶表示素子の製造方法
JP6802973B2 (ja) 印刷用樹脂原版の製造方法、フレキソ印刷版の製造方法、および液晶表示素子の製造方法
JP2017114074A (ja) 粗面化シートとそれを用いた印刷用樹脂原版の製造方法、フレキソ印刷版の製造方法、および液晶表示素子の製造方法
JP2018051835A (ja) 粗面化シートおよびその製造方法
JP2002049101A (ja) 透過型スクリーン用レンチキュラーレンズシートおよびその製造方法
TW201722710A (zh) 粗糙面化片材與其製造方法、印刷用樹脂原版的製造方法、柔版印刷版的製造方法、以及液晶顯示元件的製造方法
JPH09311202A (ja) レンチキュラーレンズシートとその製造方法
JP2007264374A (ja) 透過型スクリーン用レンチキュラーシートおよびその製造方法並びに背面投射型ディスプレイ装置
JP2007163601A (ja) 樹脂板の製造方法、背面投射型スクリーンの製造方法
JP2005128269A (ja) 遮光層転写シート及びそれを用いたレンズシート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190910

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190925

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20191113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6660568

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250