JP5719938B2 - ドリル - Google Patents

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Description

本発明は切削により穴加工を行なう回転切削工具であるドリルに係り、特に切り屑をカールしつつ針状突起の無い短い形状としてその排出を円滑とすることで、ドリルの損傷を抑制して工具寿命を一層向上させる技術に関するものである。
軸心方向の先端に設けられた切れ刃と、軸心方向に沿って外周面に設けられた切り屑排出溝とを備え、軸心まわりに回転させられることにより、先端の切れ刃で切削加工を行うとともに切り屑排出溝を通して切屑を排出するドリルが、穴加工の切削工具として多用されている。
特許文献1および特許文献2に記載のドリルはその一例である。それらによれば、切れ刃の内周側部分を凹曲線とし且つ切れ刃の外周側分を角凸形状とすることで、ドリル断面において切り屑排出溝の内壁面とマージン部との交差角を鈍角として、切り屑のカーリングと切れ刃の外周部の強度向上とが得られ、ドリルの耐久性が得られるとされている。しかし、それらによれば、切れ刃の外周部に角凸部が設けられているため、生成される切り屑のうち上記角凸部に対応する部分で分断され易く、切り屑同士が絡み合って切り屑詰まりを発生させるとともに、角凸部よりも外周側で切削される切り屑は外周側へ流出しようとするのでカーリング性が悪くて排出性が低いので、ドリルに与える抵抗が大きくなってドリルの耐久性を損なう場合があった。
これに対し、特許文献3に記載のドリルが提案されている。これによれば、切れ刃の外周端側に、ドリル回転方向に凸となる凸曲線状を成す凸曲線状切れ刃部が形成され、この凸曲線状切れ刃部の内周側に、ドリル回転方向後方に凹となる凹曲線状を成す凹曲線状切れ刃部が形成され、それら凸曲線状切れ刃部と凹曲線状切れ刃部とが滑らかに連ねられている。このため、切れ刃とドリル本体の外周のマージン部との交差角が鈍角とされて強度が高められて欠けやチッピングの発生が防止されるとともに、切れ刃により切削された切り屑は切れ刃の内外周で分断されることがなく、凸曲線状切れ刃部によって切り屑は内周側へ巻き込むようされて十分にカールされるので、切り屑が円滑に排出されて、工具の耐久性が高められるとされている。
特開2000−198011号公報 特開2006−326790号公報 特開2003−025125号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載された従来のドリルでは、切れ刃から生成される切り屑がカールされてはいるが、ストレート型切れ刃で発生する切り屑のような針状突起を有して全長が長い切り屑の割合が多いことから、切り屑の排出性が未だ十分ではなく、切削を重ねる過程でドリルに欠けやチッピングが発生し、ドリルの耐久性が必ずしも十分とは言えないという問題があった。特に、深穴加工を行うロングドリルには、このような課題が顕著となる。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、カールし且つ全長が短く均一な形状の切り屑が得られ、その排出を一層円滑とすることで、工具寿命を一層向上させるドリルを提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、先端面に開口する切り屑排出溝と、該切り屑排出溝のうちドリル回転方向に向かう内壁面と前記先端面に形成された先端逃げ面との交差部分に形成された切れ刃とを備え、該切れ刃は、内周側に形成された凹曲線切れ刃部と外周側に形成された凸曲線切れ刃部とから構成されるドリルであって、軸心に直交する断面において、前記凸曲線切れ刃部の投影線である円弧状の第1凸曲線と前記凹曲線切れ刃部の投影線である円弧状の第1凹曲線とが相互に交差しており、前記先端面において前記切れ刃に続く逃げ面には、9°〜20°の角度範囲の垂直逃げ角βが形成され、前記切れ刃の稜線には、0.002D〜0.02D(但し、Dはドリル径)の範囲の幅CWの面取りが形成されていることを特徴とする。
本発明のドリルによれば、先端面に開口する切り屑排出溝と、該切り屑排出溝のうちドリル回転方向に向かう内壁面と前記先端面に形成された先端逃げ面との交差部分に形成された切れ刃とを備え、該切れ刃は、内周側に形成された凹曲線切れ刃部と外周側に形成された凸曲線切れ刃部とから構成されるドリルの軸心に直交する断面において、前記凸曲線切れ刃部の投影線である円弧状の第1凸曲線と前記凹曲線切れ刃部の投影線である円弧状の第1凹曲線とが相互に交差していることから、切れ刃から発生する切り屑は、カールし且つ針状突起が無くその分全長が比較的短い均一形状となって、その排出が円滑となって排出性が高められるので、ドリルの工具寿命が一層向上させられる。また、前記先端面において前記切れ刃に続く逃げ面には、9°〜20°の角度範囲の垂直逃げ角βが形成され、前記切れ刃の稜線には、0.002D〜0.02Dの範囲の面取り幅CWの面取りが形成されていることから、逃げ面の摩耗や切れ刃欠けが抑制されるとともに、切削抵抗が低くなってドリルの折損が抑制される。逃げ面の垂直逃げ角βが9°を下まわると、その逃げ面の摩耗が大きくなって十分な工具寿命が得られない。また、逃げ面の垂直逃げ角βが20°を上まわると、或いは、切れ刃の面取り幅CWが0.002Dを下回ると、切れ刃欠けが発生し、切れ刃の面取り幅CWが0.02Dを上回ると、切削抵抗が高くなってドリルの折損が発生する可能性が高くなる。
ここで、好適には、前記軸心に直交する断面において、ドリルの外周面と前記第1凸曲線とが交差する外周点とドリル中心点とを結ぶ基準線に対して、前記第1凹曲線の凹み量LFは、0.01D〜0.05D( 但し、Dはドリル刃径)である。このようにすれば、切り屑形状が比較的短い全長のカール状となり、耐久性能が高められ且つ切削中のスラスト荷重が軽減される。第1凹曲線の凹み量LFが0.01D未満となるとドリルの摩耗が大きくなって耐久性能が損なわれ、0.05Dを超えるとコーナ部の欠損が発生し易くなる。
また、好適には、前記軸心に直交する断面において、前記第1凸曲線と前記第1凹曲線との交点を通る前記基準線に直交する直線と該基準線との交点と、前記外周点との間の距離であるすくい面取り幅LWは、0.008D〜0.06D( 但し、Dはドリル刃径)である。このようにすれば、切り屑形状が全長が比較的短いカール状となり、耐久性能が高められ且つ切削中のスラスト荷重が軽減される。すくい面取り幅LWが0.008Dを下まわるとコーナ部に欠損が発生し易くなり、すくい面取り幅LW0.06Dを上まわるとドリルの摩耗が大きくなって耐久性能が損なわれる。
また、好適には、前記先端面は、前記切れ刃の回転方向後方に設けられた逃げ面と、該逃げ面に隣接して該逃げ面よりも大きな逃げ角で形成されたギャッシュ面と、前記切れ刃の回転方向後方に位置する他の切れ刃の内周部に隣接するシンニング面と、該ギャッシュ面と該シンニング面との境界線に沿って位置して両面を接続し、幅方向において凹む長手状のつなぎ凹面とを含み、該つなぎ凹面は、0.01D〜0.05Dの曲率半径Rを有する。このようにすれば、つなぎ凹面の曲率半径Rが0.01D〜0.05Dであるので、切削抵抗が低くドリルの折損が防止されるとともに、切れ刃の軸心に近い中心部分の欠けが防止される。曲率半径Rが0.01Dを下まわると切削の排出性が低下して切削抵抗が高くなり、曲率半径Rが0.05Dを上まわると切れ刃の軸心に近い中心部分の強度が低下してその部分に欠けが発生し易くなる。
また、好適には、前記ドリルの外周面には、0.02D〜0.10Dのマージン幅MWを有するマージンと、0.10L/100〜0.50L/100(但し、Lはバックテーパの軸方向長さ)のバックテーパBTとが形成されている。このようにすれば、切削抵抗が低減されるとともに穴径の拡大が抑制される。バックテーパBTが0.10L/100を下まわると切削抵抗が高くなってドリルの折損が発生する可能性が高くなり、バックテーパBTが0.50L/100を上まわると切削された穴径が大きくなって加工精度が低下する。
また、好適には、前記ドリルは、0.15D〜0.4D( 但し、Dはドリル刃径)の芯厚CDを有する。このようにすれば、切り屑の排出性能が得られる範囲でドリルの抗折強度が高くされるので、ドリルの耐久性能が高められる。芯厚CDが0.15Dを下まわるとドリルの強度が低下して折損が発生しやすくなり、芯厚CDが0.4Dを上まわると切り屑の排出性能が低下して折損が発生しやすくなる。
また、好適には、前記切れ刃の稜線に設けられた面取りは、10°〜35°の切れ刃面取り角度γを有するものである。切れ刃面取り角度γは、切れ刃に直交する面内において該切れ刃の回転面に対する角度の補角である。このようにすれば、切れ刃欠けが防止される範囲で切れ刃の強度が高められるので、ドリルの耐久性能が高められる。切れ刃面取り角度γが10°を下回ると切れ刃の強度が低下して切れ刃欠けが発生しやすくなり、切れ刃面取り角度γが35°を上回ると切削抵抗が高くなってドリルの折損が発生しやすくなる。
また、好適には、前記軸心に直交する断面において、前記切り屑排出溝のうちドリル回転方向とは反対の回転方向に向かう内壁面は、内周側に形成された第2凹曲線と該第2凹曲線に隣接して外周側に形成されてヒール部に到達する第2凸曲線とから構成されており、該第2凸曲線は、第2凹曲線を介して滑らかに前記第1凹曲線と接続している。このようにすれば、切り屑形状が全長が比較的短いカール状となり、耐久性能が高められ且つ切削中のスラスト荷重が軽減されるとともに、切り屑排出溝の先端面にC字状乃至U字状に開口する開口縁の両端部すなわちヒール部およびマージン部に対応するコーナ部が第1凸曲線および第2凸曲線によってそれぞれ補強されるので、それらコーナ部およびマージン部の欠損が防止されてドリルの耐久性が高められる。
また、好適には、前記第1凸曲線の曲率半径をR1、前記第1凹曲線の曲率半径をR2、前記第2凹曲線の曲率半径をR3、前記第2凸曲線の曲率半径をR4としたとき、R1:0.02D〜0.4D、R2:0.15D〜0.5Dである。このようにすれば、切り屑形状が全長が比較的短いカール状となり、耐久性能が高められ且つ切削中のスラスト荷重が軽減される。第1凸曲線の曲率半径R1が0.02Dを下まわると或いは0.4Dを上まわるとコーナ部に欠損が発生し易くなり、第1凹曲線の曲率半径R2が0.15Dを下まわるとコーナ部に欠損が発生し易くなり、第1凹曲線の曲率半径R2が0.5Dを上まわると摩耗が大きくなる。
また、好適には、前記第1凹曲線の曲率半径R2と前記第2凹曲線の曲率半径R3との関係は、0.75≦R3/R2≦1.25である。このようにすれば、ドリルの剛性が確保される範囲で切り屑排出溝が切り屑の詰まりが無い大きさの断面形状とされる。R3/R2が0.75未満となると、切り屑排出溝の断面積が小さくなり過ぎて切り屑の詰まりが発生し、ドリルの折損が発生する。R3/R2が1.25を上まわると、切り屑排出溝18の断面積が大きくなってドリル本体の断面積が小さくなり、剛性不足によりドリルの折損が発生する。
また、好適には、前記外周点における前記基準線と前記第1凸曲線との角度であるすくい角が負である。このようにすれば、その外周点に対応するコーナ部の強度が高められてその欠損が防止され、ドリルの耐久性能が高められる。
また、好適には、前記ドリルの少なくとも先端部の表面には、硬質被膜が被覆されている。このようにすれば、圧力および摩擦が大きい先端部の表面には硬質被膜が設けられているので、ドリルの耐久性能が高められる。
本発明の一実施例であるドリルを示す正面図である。 図1の実施例においてドリルの先端部分を拡大して示す拡大図である。 図1の実施例においてドリルの先端面を拡大して示す図である。 図1のドリルの軸心Cに直交する断面における切り屑排出溝の断面形状を説明する図であって、図1のIV−IV視断面図である。 図4の切り屑排出溝の断面形状のうち、第1凸曲線と第1凹曲線との接続形状を詳細に説明する拡大図である。 図1の実施例においてドリルの先端部を拡大して示す斜視図である。 切削試験1において、切削に用いたストレート刃型ドリルの断面形状を示す図である。 切削試験1において、切削に用いたストレート刃型ドリルの先端面形状を示す図である。 切削試験1に用いたフック刃型ドリル(TYPE2)の断面形状を示す図である。 切削試験1に用いたフック刃型ドリル(TYPE2)の先端面形状を示す図である。 切削試験1の結果を、ストレート刃型ドリル、フック刃型ドリル(TYPE1)、フック刃型ドリル(TYPE2)毎の耐久性で表わす棒グラフを示す図である。 切削試験1において、ストレート刃型ドリルの切削により発生した切り屑の形状を示す写真図である。 切削試験1において、フック刃型ドリル(TYPE1)の切削により発生した切り屑の形状を示す写真図である。 切削試験1において、フック刃型ドリル(TYPE2)の切削により発生した切り屑の形状を示す写真図である。 切削試験1において用いたフック刃型ドリル(TYPE1)の断面形状を示す図である。 切削試験1に用いたフック刃型ドリル(TYPE1)の先端面形状を示す図である。 切削試験2に用いた18種類のフック刃型ドリル(TYPE2) No.1〜No.18の相互に異なる形状範囲をそれぞれ示す図表である。 切削試験2における試験結果を、18種類のフック刃型ドリル(TYPE2) No.1〜No.18毎に示す図表である。 切削試験3に用いた12種類のフック刃型ドリル(TYPE2) No.1〜No.12の相互に異なる形状範囲をそれぞれ示す図表である。 切削試験3における切削試験結果を、12種類のドリルNo.1〜No.12 毎に示す図表である。 切削試験結果におけるコーナー部欠損を具体的に説明する図である。 切削試験結果における摩耗大を具体的に説明する図である。 切削試験結果におけるドリル折損を具体的に説明する図である。 切削試験結果におけるドリル中心部の欠けを具体的に説明する図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例であるドリル10を示す図であって、軸心Cに対して直角な方向から見た正面図である。図2は、そのドリル10の切れ刃12が設けられた先端部を拡大して示す拡大図である。図3は、ドリル10の切れ刃12が設けられた先端面を拡大して示す図である。図4は、軸心Cに直交する面で切断したドリル10の断面図である。図5は、その断面図のうちの切り屑排出溝18のドリル回転方向側の内壁面の端縁部を拡大して示す図である。図6はドリル10の先端部を拡大して示す斜視図である。
ドリル10は、ステンレス鋼、合金鋼、チタン合金などの比較的難削材である特殊鋼を高能率で切削加工するための2枚刃のツイストドリルであり、シャンク部14とおよび溝部16を軸方向に一体に備えている。ドリル10は超硬合金製であって、切れ刃12等が設けられた先端部、および切り屑排出溝18が設けられた長手状の溝部16の表面にはTiAlN合金の硬質被膜がコーティングされる。溝部16には、所定のねじれ角γn(切り屑排出溝18に直交する線Sと軸心Cに対応する線Tの角度、例えば30°程度)で軸心Cの右まわりに捩れた一対の切り屑排出溝18が形成されているとともに、その切り屑排出溝18に沿ってマージン20が設けられている。一対の切り屑排出溝18はドリル10のテーパ状の先端面11にC字状に開口しており、切り屑排出溝18の開口縁のうちのドリル10の回転方向に向かう側には、それぞれ切れ刃12が設けられている。
上記ドリル10には、先端部および溝部16を含む範囲Lにおいて、その先端からシャンク部14へ向かうに従って小径となるバックテーパBTが形成されている。このバックテーパBTは、0.10L/100〜0.50L/100の範囲に設定されている。また、上記ドリル10において、その断面の切り屑排出溝18の底に内接する径である芯厚CDは、0.15D〜0.4D( 但し、Dはドリル刃径)の範囲に設定されている。
マージン20は、切り屑排出溝18によって分断されたランド24のドリル回転方向側の端縁であるリーディングエッジ26に沿って設けられている。ドリル10の外周面は、マージン20の外周面と、マージン20に続いて一定の径寸法で設けられた二番取り面28とにより構成されている。マージン20の外径は、ドリル10の先端部ではドリル直径(切れ刃12の外径)Dと略同じ寸法であるが、溝部16の全体を含むバックテーパ範囲Lにおいて、所定角度のバックテーパBTによりドリル10の先端部からシャンク部14側へ向かうに従って徐々に小径とされている。上記マージン20のマージン幅MWは、0.02D〜0.010Dの範囲に設定されている。
切れ刃12は、外周側に形成された凸曲線切れ刃部12aと内周側に形成された凹曲線切れ刃部12bとから構成される。ドリル10のテーパ状先端面11において、一対の切れ刃12のうちの一方の切れ刃12からその回転方向の後方に向かって、二番逃げ面32、その二番逃げ面32よりも大きな逃げ角を有する三番逃げ面34、その三番逃げ面34よりも大きな逃げ角を有するギャッシュ面36、長手状のつなぎ凹面38、シンニング面40が、順に相互に隣接した状態で設けられている。三番逃げ面34には、切り屑排出溝18と略平行にドリル10を縦通して螺旋状に設けられたオイルホール22が開口させられており、必要に応じて切削油剤やエアなどを切削部位へ供給できるようになっている。また、他の切れ刃12の軸心側部分すなわち芯厚CD部分には、それのすくい面に相当するシンニング面40を形成するR型シンニングが施され、図3の底面視において滑らかに湾曲するR形状の軸心側切れ刃部12cが、凹曲線切れ刃部12bと滑らかに接続するように設けられている。上記長手状のつなぎ凹面38は、ギャッシュ面36とシンニング面40との境界線に沿って位置して両面を滑らかに接続するために幅方向すなわち周方向において凹んでいる略径方向に長手状の細長い面である。このつなぎ凹面38の曲率半径Rは、ドリル10の切れ刃12の径(ドリル径)をDとすると、0.01D〜0.05Dの範囲内の値である。
切り屑排出溝18は、複数種類の溝加工用砥石を用いて切削加工されたもので、溝断面形状が非対称とされている。図4および図5に示すように、切り屑排出溝18の内壁面はC字状を成しており、ドリル回転方向側の内壁面は、凸曲線切れ刃部12aに対応し曲率半径R1を有する第1凸曲線CL1と、凹曲線切れ刃部12bに対応し曲率半径R2を有する第1凹曲線CL2とが相互に交差して形成されている。また、図4に示すように、切り屑排出溝18の内壁面のうちのドリル回転方向後方側の内壁面は、曲率半径R3を有して第1凹曲線CL2に滑らかに接続された第2凹曲線CL3と、曲率半径R4を有して第2凹曲線CL3に滑らかに接続された第2凸曲線CL4とから構成されている。本実施例では、凸曲線切れ刃部12aに対応する第1凸曲線CL1が回転方向に向かって突き出す曲率半径R1を有する凸面であるので、面取り状の平面とされている特許文献1および2のドリルに比較して、欠損に対する強度が高められている。
図5に示すように、上記切れ刃12を構成する、外周側の凸曲線切れ刃部12aと内周側の凹曲線切れ刃部12bとは、それらに対応する第1凸曲線CL1と第1凹曲線CL2とが相互に交差させられていて、その交点Aに図2の1点鎖線で示す僅かな稜線が形成されている。切れ刃から発生する切り屑は、第1凹曲線CL2に対応する凹曲線切れ刃部12bおよび内壁面により生成されるので、全長の短いカール状を切り屑を得るために、上記交点Aは、なるべく外周側に位置することが望まれる。本実施例のドリル10では、上記のように外周側の凸曲線切れ刃部12aに対応する第1凸曲線CL1と、内周側の凹曲線切れ刃部12bに対応する第1凹曲線CL2とが相互に交差させられているので、第1凸曲線CL1と第1凹曲線CL2とが接線方向に滑らかに接続されている特許文献3に記載の従来のドリルに比較して、第1凸曲線CL1と第1凹曲線CL2との接続点である交点Aが、好適に外周側に位置させられている。
また、図4において、本実施例のドリル10は、ドリル10の外周面と第1凸曲線CL1とが交差する外周点Bと、ドリル中心点である軸心Cとを結ぶ基準線Kに対する第1凹曲線CL2の凹み量LFは、0.01D〜0.05D( 但し、Dはドリル刃径)の範囲内に設定されている。凹み量LFがその範囲内とされている第1凹曲線CL2に対応する凹曲線切れ刃部12bおよび内壁面により生成される切り屑は、全長が比較的短い好適なカール形状とされ、ドリル10の耐久性能が高められ且つ切削中のスラスト荷重が軽減される。
また、図4において、本実施例のドリル10は、第1凸曲線CL1と第1凹曲線CL2との交点Aを通る基準線Kに直交する直線と基準線Kとの交点Eと、外周点Bとの間の径方向距離であるすくい面取り幅LWは、0.008D〜0.06D( 但し、Dはドリル刃径)の範囲内に設定されている。すくい面取り幅LWがその範囲内とされている第1凸曲線CL1の径方向寸法が、特許文献3に記載の従来のドリルに比較して、好適に小さくされているので、切り屑形状が全長が比較的短いカール状となり、針状突起が小さくされる。
また、図4において、本実施例のドリル10は、外周点Bにおける基準線Kと第1凸曲線CL1との角度であるすくい角θが負に設定されており、外周点B付近に対応するコーナ部の強度が高められている。また、本実施例のドリル10は、0.15D〜0.4D(Dはドリル刃径)の芯厚CDに設定されており、抗折強度を確保しつつ、切り屑排出溝18の断面積が可及的に大きくされている。
また、図4において、本実施例のドリル10は、切り屑排出溝18の回転方向後方に向かう内壁面は、内周側に形成された第2凹曲線CL3とその第2凹曲線CL3に隣接して外周側に形成された第2凸曲線CL4とから構成されており、その第2凸曲線CL4は、ランド24のヒール部52に到達するように設定されている。この第2凸曲線CL4によりランド24の後端部であるヒール部52が補強されている。
また、図4において、本実施例のドリル10は、第1凸曲線CL1の曲率半径R1、第凹曲線CL2の曲率半径R2、第2凹曲線CL3の曲率半径R3、第2凸曲線CLの曲率半径R4は、R1が0.02D〜0.4Dの範囲内、R2が0.15D〜0.5Dの範囲内にそれぞれ設定されており、第1凹曲線CL2の曲率半径R2と第2凹曲線CL3の曲率半径R3との関係は、0.75≦R3/R2≦1.25の範囲内に設定されている。
図2および図6に示すように、ドリル10の切れ刃12には、その刃欠けを防止するためにその稜線に沿った長手状の面である面取り42が形成されている。この面取り42の面取り幅CWは、0.002D〜0.02Dの範囲内に設定されており、面取り42の角度γは、10°〜35°の範囲内に設定されている。この角度γは、図2に示すように、切れ刃12の回転面Mに垂直な線Nに対する面取り42の角度である。また、図2に示すように、ドリル10の底部の垂直逃げ角βすなわち二番逃げ面32の切れ刃12の回転面に対する角度である逃げ角は、9°〜20°の範囲内に設定されている。
( 切削試験1)
以下に、本発明者等が行なった切削試験1を説明する。この切削試験1では、フック刃型ドリルTYPE1と、本発明品である上記ドリル10に対応するフック刃型ドリルTYPE2と、切れ刃が直線とされたストレート刃型ドリルとを用いて以下に示す切削試験条件下で行われた。また、本発明品である上記ドリル10に対応して第1凸曲線CL1と第1凹曲線CL2とが相互に交差しているフック刃型ドリルTYPE2ドリルと、特許文献3のドリルに対応して第1凸曲線CL1と第1凹曲線CL2とが相互に滑らかに接続されているフック刃型ドリルTYPE1ドリルとを用いて以下に示す切削試験条件下で行われた。
<ストレート刃型ドリル>
工具材質:超硬合金
全長:100mm
溝長:48mm
ドリル径:6mmφ
先端角:140°
切り屑排出溝の形状:R2=0.94D、R3=0.24D、R4=0.21D
ドリル形状:図7の断面図および図8の端面図で示されるもの。
芯厚:0.28D
<フック刃型ドリルTYPE1>
工具材質:超硬合金
全長:100mm
溝長:48mm
ドリル刃径:6mmφ
先端角:140°
切り屑排出溝の形状:R1=0.16D、R2=0.29D、R3=0.29D、R4=0.21D
ドリル形状:図9の断面図および図10の端面図で示され、詳しくは図15の断面図および図16の端面図で示される、第1凸曲線CL1と第1凹曲線CL2とが滑らかに連続しているドリル。
芯厚:0.28D
凹み量LF:0.09D
すくい面取り幅LW:0.005D
R1とR2の位置関係は外接
<フック刃型ドリルTYPE2>
工具材質:超硬合金
全長:100mm
溝長:48mm
ドリル刃径:6mmφ
先端角:140°
切り屑排出溝の形状:R1=0.16D、R2=0.29D、R3=0.29D、R4=0.21D
ドリル形状:図9の断面図および図10の端面図で示され、詳しくは図4の断面図および図3の端面図で示される、第1凸曲線CL1と第1凹曲線CL2とが相互に交差しているドリル。
芯厚:0.28D
凹み量LF:0.02D
すくい面取り幅LW:0.05D
R1とR2の位置関係は交差
<試験条件>
被削材:SUS304
ドリル径:6mm
加工深さ:24mm(止まり穴)
切削速度:100m/min
送り量:0.18mm/rev
ステップ:無し
切削油:水溶性 (内部給油)
クーラント:1.5−3.0MPa
図11乃至図14は上記の切削試験1の結果を示している。図11において、ストレート刃型ドリルによれば加工穴数が350穴程度に到達すると、ドリルが切れ刃欠けが発生した。フック型ドリルTYPE1を用いた穴加工では、加工穴数が1000個程度の穴数に到達するとドリルが切れ刃欠けが発生した。しかし、フック型ドリルTYPE2ドリルを用いた穴加工では、加工穴数が4000個の穴数に到達した。すなわち、本実施例に対応するフック刃型ドリルTYPE2によれば、ストレート刃型ドリルに比較して10倍以上のドリルの耐久寿命が得られ、フック刃型ドリルTYPE1に比較して、4倍以上のドリルの耐久寿命が得られた。
図12にストレート刃型ドリルによる切り屑形状を示し、図13にフック刃型ドリルTYPE1による切り屑形状を示し、図14にフック刃型ドリルTYPE2による切り屑形状を示す。ストレート刃型ドリルによる切り屑形状は、図12に示すようにカールが少なく且つ針状突起が形成されて全長が比較的長いので、切り屑の排出性が十分に得られ難い。フック刃型ドリルTYPE1による切り屑形状は、図13に示すようにカールが進行し且つ針状突起が比較的小さく、全長も小さいものが含まれているが、全長が長い切り屑が高い割合で混入して不均一である。これに対して、フック刃型ドリルTYPE2は、図14に示すように、針状突起が無くて切り屑形状が小さくは、均一な形状を有しており、切り屑排出性が得られる。これらが上記切削試験結果の原因であると考えられる。
(切削試験2)
切削試験1で用いたものと同じTYPE2ドリルの仕様変更品を図17に示すように18種類試作してドリルNo.1〜No.18 とし、それらドリルNo.1〜No.18 を用いて切削試験1と同様の条件で切削を行なった。図18は、それらのドリルNo.1〜No.18の試験結果を示している。図18において、○印は優れた結果を示し、△印はやや好ましくないを示し、×印は好ましくないという評価を示している。逃げ面摩耗が大きいという状態は図、切れ刃欠け、中心部欠け、或いは穴径拡大を示し、×印は切削抵抗が高くドリルの折損を示している。コーナー部欠損は図21に例示される部位の欠け状態を示し、摩耗大は図22に示す部位の摩耗が大きい状態を示し、折損とは図23に示すドリルの折れ状態を示し、中心部欠けとは図24に示す部位の欠け状態を示す。
図18は上記の切削試験2の結果を示している。図18において、ドリルNo.2〜No.4、No.7〜No.9によれば、切り屑形状、スラスト荷重、および耐久性能において優れた結果が得られた。すなわち、針状突起が形成されておらず全長が短い均一形状の排出性が良い形状の切り屑が得られるとともに、切削試験2において送り量0.15mm/revでドリルを軸心C方向へ送るためのスラスト荷重が比較的軽いものであった。また、図11のTYPE2に示す耐久結果と同様の耐久性能が得られた。しかし、ドリルNo.1、No.5、No.6,No.10〜No.18によれば、主として、切り屑形状およびスラスト荷重の少なくとも一方が△印のやや好ましくないか或いは×印の好ましくないという結果であって、ドリルの折損、コーナー部欠損、摩耗大のいずれかであるという耐久性能評価であった。
耐久性能評価が得られなかったドリルNo.1、No.5、No.6,No.10〜No.18の構成から以下のように解析できる。先ず、ドリルNo.1の逃げ面摩耗幅大という結果は切れ刃に続く二番逃げ面32の垂直逃げ角βが過小であることによるものであり、ドリルNo.5の切れ刃欠けという結果は、切れ刃に続く二番逃げ面32の垂直逃げ角βが過大であることによるものであると考えられる。また、ドリルNo.6の切れ刃欠けという結果は切れ刃12の稜線に設けられた面取り42の面取り幅CWが過小であることによるものであり、ドリルNo.10のドリルの折損は切れ刃12の面取り42の面取り幅CWが過大で切削抵抗が大きくなったことによるものであると考えられる。また、ドリルNo.11のドリルの折損という結果は切れ刃面取り角度γが過小で切削抵抗が大きくなったことによるものであり、ドリルNo.12の切れ刃欠けは切れ刃面取り角度γが過大であることによるものであると考えられる。また、ドリルNo.13のドリルの折損という結果はつなぎ凹面38の曲率半径Rが過小で切削抵抗が大きくなったことによるものであり、ドリルNo.14の中心部欠けという結果はつなぎ凹面38の曲率半径Rが過大であることによるものであると考えられる。また、ドリルNo.15のドリルの折損という結果はバックテーパBTが過小で切削抵抗が大きくなったことによるものであり、ドリルNo.16の穴径拡大という結果はバックテーパBTが過大であることによるものであると考えられる。また、ドリルNo.17の穴径拡大という結果はマージン幅MWが過小で穴切削の精度が低下したことによるものであり、ドリルNo.18のドリルの折損という結果はマージン幅MWが過大で切削抵抗が増大したことによるものであると考えられる。
上記ドリルNo.1、No.5、No.6,No.10〜No.18において耐久性能が得られない原因と推定される過大な値或いは過小な値をそれぞれ考慮すると、切れ刃12に続く逃げ面の垂直逃げ角βは、9°〜20°の角度範囲内、切れ刃12の稜線に設けられた面取り42の面取り幅CWは、0.002D〜0.02Dの範囲内、切れ刃12の稜線に設けられた面取り42の切れ刃面取り角度γは、10°〜35°の範囲内、つなぎ凹面38の曲率半径Rは、0.01D〜0.05Dの範囲内、バックテーパBTは0.01L/100〜0.05L/100の範囲内、ドリルのマージン幅MWは、0.02D〜0.10Dの範囲内が望ましい。
( 切削試験3)
切削試験2で用いたTYPE2ドリルの切れ刃変形品を図19に示すように12種類試作してドリルNo.1〜No.12 とし、それらドリルNo.1〜No.12 を用いて切削試験2と同様の条件で切削を行なった。図20は、それらのドリルNo.1〜No.12 の試験結果を示している。図20において○印は優れた結果を示し、△印は○印に比較してやや好ましくない結果を示し、×印は好ましくない結果を示している。また、図20において、コーナー部欠損は図21に例示される部位の欠け状態を示し、摩耗大は図22に示す部位の摩耗が大きい状態を示し、折損とは図23に示すドリルの折れ状態を示している。
図20の切削試験結果に示すように、ドリルNo.1〜No.3によれば、切り屑形状、スラスト荷重、および耐久性能において優れた結果が得られた。すなわち、針状突起が形成されておらず全長が短い均一形状の排出性が良い形状の切り屑が得られるとともに、切削試験3において送り量0.15mm/revでドリルを軸心C方向へ送るためのスラスト荷重が比較的軽いものであった。また、図11のTYPE2に示す耐久結果と同様の耐久性能が得られた。しかし、ドリルNo.4〜No.12 によれば、切り屑形状およびスラスト荷重の少なくとも一方が△印のやや好ましくないか或いは×印の好ましくないという結果であって、ドリルの折損、コーナー部欠損、摩耗大のいずれかであるという耐久性能評価であった。
耐久性能評価が得られなかったドリルNo.4〜No.12 の構成から以下のように解析できる。先ず、ドリルNo.4およびドリルNo.11 の切り屑詰まりによる折損は、切り屑排出溝18の断面積が過小であることに由来する排出性の低下に起因するものと考えられる。すなわち、ドリルNo.4は、半径比R3/R2が0.7という小さすぎる値とされて相対的に曲率半径R3が曲率半径R2に比較して小さいので切り屑排出溝18の断面積が過小となっており、また、ドリルNo.11 は、その芯厚CDが0.42Dという大きすぎる値であるので、切り屑排出溝18の断面積が過小となっていると推定される。次に、ドリルNo.5およびドリルNo.10 の工具剛性不足による折損は、ドリル断面積不足に起因するものと考えられる。すなわち、ドリルNo.5は、その半径比R3/R2が1.3という大きすぎる値とされて相対的に曲率半径R3が曲率半径R2に比較して大きいので切り屑排出溝18の断面積が過小となっており、ドリルNo.10 は、その芯厚CDが0.13Dという小さすぎる値であるので、切り屑排出溝18の断面積が過小となっていると推定される。次いで、ドリルNo.6〜No.8、No.12 のコーナー部欠損に関してはコーナー部の強度或いは剛性不足が起因していると考えられる。すなわち、ドリルNo.6は、そのすくい面取り幅LWが0.005Dという小さすぎる値とされ且つ第1凸曲線CL1の曲率半径R1が0.018Dという小さすぎる値とされているので、コーナー部の強度が得られていないと考えられる。ドリルNo.7は、その半径比R3/R2が1.53という大きすぎる値とされて曲率半径R2の基準線Kよりも回転方向後方側への凹み量LFが0.06Dという大き過ぎる値とされてその分コーナー部の強度が得られていないと考えられる。ドリルNo.8は、その第1凸曲線CL1の曲率半径R1が0.42Dという大きすぎる値とされているので、第1凸曲線CL1に対応する凸曲線切れ刃部12aの回転方向側へ膨出する量が少なく、直線に近くなるため、凸曲線切れ刃部12aの強度すなわちコーナー部の強度が得られていないと考えられる。ドリルNo.12 は、曲率半径R2が0.12Dという小さすぎる値とされているので、コーナー部の欠損が生じ易いと考えられる。さらに、ドリルNo.9の摩耗大に関しては、切削能率が低く所定の送り量( 0.15mm/rev) を維持するためのスラスト荷重が大きくなることが起因していると考えられる。すなわち、ドリルNo.9は、その曲率半径R2の基準線Kよりも回転方向後方側への凹み量LFが−0.02Dという負の値とされ、半径比R3/R2が0.56という小さすぎる値とされて相対的に曲率半径R2が曲率半径R3に比較して2倍程度に大きい値とされ、曲率半径R2が0.52Dという大きな値とされ、しかもすくい面取り幅LWが0.09Dという大きすぎる値とされていて、基準線Kよりも回転方向側にあって曲率半径R2が大きい切れ刃12はその切削量が相対的に少なくなって、その分、スラスト荷重が大きくなると考えられる。
上記ドリルNo.4〜No.12 において耐久性能が得られない原因と推定される過大な値或いは過小な値をそれぞれ考慮すると、第1凹曲線CL2の凹み量LFは0.01D〜0.05Dの範囲内、すくい面取り幅LWは0.008D〜0.06Dの範囲内、芯厚は0.15D〜0.4Dの範囲内、第1凸曲線CL1の曲率半径R1は0.02D〜0.4Dの範囲内、第1凹曲線CL2の曲率半径R2は0.15D〜0.5Dの範囲内、第1凹曲線CL2と第2凹曲線CL3との曲率半径比R3/R2は、0.75〜1.25の範囲内であることが、望ましい。
上述のように、本実施例のドリル10によれば、先端面11に開口する切り屑排出溝18と、その切り屑排出溝18のうちドリル回転方向に向かう内壁面と先端面11に形成された二番逃げ面(先端逃げ面)32との交差部分に形成された切れ刃12とを備え、その切れ刃12が内周側に形成された凹曲線切れ刃部12bと外周側に形成された凸曲線切れ刃部12aとから構成され、そのドリル10の軸心Cに直交する断面において凸曲線切れ刃部12aに対応する第1凸曲線CL1と凹曲線切れ刃部12bに対応する第1凹曲線CL2とが相互に交差していることから、切れ刃12から発生する切り屑は、カールし且つ針状突起が無くその分全長が比較的短い均一な形状となって、その排出が円滑となって排出性が高められるので、ドリル10の工具寿命が一層向上させられる。また、先端面11において切れ刃12に続く二番逃げ面(先端逃げ面)32には、9°〜20°の角度範囲の垂直逃げ角βが形成され、切れ刃12の稜線には、0.002D〜0.02Dの範囲の面取り幅CWの面取り42が形成されていることから、二番逃げ面32或いは三番逃げ面34の摩耗や切れ刃欠けが抑制されるとともに、切削抵抗が低くなってドリル10の折損が抑制される。逃げ面の垂直逃げ角βが9°を下まわると、その逃げ面の摩耗が大きくなって十分な工具寿命が得られない。また、二番逃げ面(先端逃げ面)32の垂直逃げ角βが20°を上まわると、或いは、切れ刃12の面取り幅CWが0.002Dを下回ると、強度が低下して切れ刃12の欠けが発生し、切れ刃12の面取り幅CWが0.02Dを上回ると切削抵抗が高くなってドリル10の折損が発生する可能性が高くなる。
また、本実施例のドリル10によれば、その軸心Cに直交する断面において、ドリル10の外周面と第1凸曲線CL1とが交差する外周点Bとドリル中心点である軸心Cとを結ぶ基準線Kに対して、第1凹曲線CLの凹み量LFは、0.01D〜0.05Dであることから、切り屑形状が全長が比較的短いカール状となり、耐久性能が高められ且つ切削中のスラスト荷重が軽減される。第1凹曲線CLの凹み量LFが0.01D未満となると、ドリル10の摩耗が大きくなって耐久性能が損なわれる。第1凹曲線CLの凹み量LFが0.05Dを上まわると、ドリル10のコーナー部の欠損が発生する。
また、本実施例のドリル10によれば、軸心Cに直交する断面において、第1凸曲線CL1と第1凹曲線CL2との交点Aを通る前記基準線Kに直交する直線と基準線Kとの交点Eと、前記外周点Bとの間の距離であるすくい面取り幅LWは、0.008D〜0.06D( 但し、Dはドリル刃径)であることから、切り屑形状が全長が比較的短いカール状となり、耐久性能が高められ且つ切削中のスラスト荷重が軽減される。すくい面取り幅LWが0.008D未満となると、ドリルのコーナー部の欠損が発生する。また、すくい面取り幅LWが0.06Dを上まわると、ドリルの摩耗が大きくなって耐久性能が損なわれる。
また、本実施例のドリル10によれば、その先端面11は、一方の切れ刃12の回転方向後方に設けられた二番逃げ面(先端逃げ面)32および三番逃げ面(先端逃げ面)34と、それに隣接してそれよりも大きな逃げ角で形成されたギャッシュ面36と、切れ刃12の回転方向後方に位置する他方の切れ刃12の内周部に隣接するシンニング面40と、そのギャッシュ面36とシンニング面40との境界線に沿って位置して両面を接続し、幅方向において凹む長手状のつなぎ凹面 38とを含み、そのつなぎ凹面38は、0.01D〜0.05Dの曲率半径Rを有する。このようにすれば、つなぎ凹面38の曲率半径Rが0.01D〜0.05Dであるので、切削抵抗が低くドリル10の折損が防止されるとともに、切れ刃12の軸心に近い中心部分の欠けが防止される。曲率半径Rが0.01Dを下まわると切り屑の排出性が低下して切削抵抗が高くなり、ドリル10の折損を発生させ、曲率半径Rが0.05Dを下まわると切れ刃12の軸心に近い中心部分の強度が低下してその部分に欠けが発生し易くなる。
また、本実施例のドリル10によれば、前記ドリルの外周面には、0.02D〜0.10Dのマージン幅MWを有するマージン20と、0.10L/100〜0.50L/100(但し、Lはバックテーパの軸方向長さ)のバックテーパBTとが形成されている。このため、ドリル10の切削抵抗が低減されるとともに加工された穴径の拡大が抑制されて加工精度が得られる。バックテーパBTが0.10L/100を下まわると切削抵抗が高くなってドリルの折損が発生する可能性が高くなり、バックテーパBTが0.50L/100を上まわると切削された穴径が大きくなって加工精度が低下する。
また、本実施例のドリル10は、0.15D〜0.4D( 但し、Dはドリル刃径)の芯厚CDを有する。このため、切り屑の排出性能が得られる範囲でドリル10の抗折強度が高くされるので、ドリル10の耐久性能が高められる。芯厚CDが0.15Dを下まわるとドリル10の強度が低下して折損が発生しやすくなり、芯厚CDが0.4Dを上まわると切り屑排出溝18の断面積が小さくなって切り屑の排出性能が低下して折損が発生しやすくなる。
また、本実施例のドリル10によれば、切れ刃12の稜線に設けられた面取り42は、10°〜35°の切れ刃面取り角度γを有するものである。切れ刃面取り角度γは、切れ刃12に直交する面内において切れ刃12の回転面に対する角度の補角である。このため、切れ刃12の欠けが防止される範囲で切れ刃12の強度が高められるので、ドリル10の耐久性能が高められる。切れ刃面取り角度γが10°を下回ると切れ刃12の強度が低下して切れ刃12の欠けが発生しやすくなり、切れ刃面取り角度γが35°を上回ると切削抵抗が高くなってドリル10の折損が発生しやすくなる。
また、本実施例のドリル10によれば、軸心Cに直交する断面において、切り屑排出溝18のうちドリル回転方向とは反対の回転方向に向かう内壁面は、内周側に形成された第2凹曲線CL3とその第2凹曲線CL3に隣接して外周側に形成された第2凸曲線CL4とから構成されており、その第2凸曲線CL4は、ヒール部に到達していることから、切り屑形状が全長が比較的短いカール状となり、耐久性能が高められ且つ切削中のスラスト荷重が軽減されるとともに、切り屑排出溝18の先端面にC字状乃至U字状に開口する開口縁の両端部すなわちヒール部およびマージン部に対応するコーナ部が第1凸曲線および第2凸曲線によってそれぞれ補強されるので、それらコーナ部およびマージン部の欠損が防止されてドリルの耐久性が高められる。
また、本実施例のドリル10によれば、第1凸曲線CL1の曲率半径をR1、第1凹曲線CL2の曲率半径をR2としたとき、R1:0.02D〜0.4D、R2:0.15D〜0.5Dであるので、切り屑形状が全長が比較的短いカール状となり、耐久性能が高められ且つ切削中のスラスト荷重が軽減される。R1が0.02D未満又は0.4Dを超えるとコーナー部に欠損が発生する。曲率半径R2が0.15D未満となるとコーナー部の欠損が生じ易くなり、0.5Dを超えると摩耗が大となる。
また、本実施例のドリル10によれば、第1凹曲線CLの曲率半径Rと第2凹曲線CLの曲率半径Rとの半径比は、0.75≦R3/R2≦1.25の範囲内であるので、ドリル10の剛性が確保される範囲で切り屑排出溝が切り屑の詰まりが無い大きさの断面形状とされる。R3/R2が0.75未満となると、切り屑排出溝の断面積が小さくなり過ぎて切り屑の詰まりが発生し、ドリル10の折損が発生する。R3/R2が1.25を上まわると、切り屑排出溝18の断面積が大きくなってドリル本体の断面積が小さくなり、剛性不足によりドリル10の折損が発生する。
また、本実施例のドリル10によれば、外周点Bにおける基準線Kと第1凸曲線CL1との角度であるすくい角θが負であるので、その外周点Bの近傍のそれに対応するコーナ部の強度が高められてその欠損が防止され、ドリル10の耐久性能が高められる。
また、本実施例のドリル10によれば、ドリル10の少なくとも先端部の表面は、TiAlN合金の硬質被膜により被覆されているので、圧力および摩擦が大きい先端部の表面には硬質被膜が被覆されているので、ドリル10の耐久性能が高められる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例のドリル10の面取り42は、平坦な面であったが、凸面すなわちR面であっても差し支えない。
また、前述の実施例のドリル10において、交点Aで交差する第1凸曲線CL1および第1凹曲線CL2は、曲率半径R1およびR2を有する円弧であったが、必ずしも円弧でなくてもよい。
前述の実施例のドリル10の溝部16には、所定のねじれ角γ(例えば30°程度)で軸心Cの右まわりに捩れた一対の切り屑排出溝18が形成されていたが、切り屑排出溝18が軸心Cまわりに左まわりに捩れているツイストドリルや、切り屑排出溝18が軸心Cと平行な直刃ドリル、切り屑排出溝18の溝数が1本、2本、或いは3本以上のドリル、1つのランドに2つのマージンが設けられたダブルマージンドリルなど、種々のドリルに適用可能である。
また、前述の実施例のドリル10には、オイルホール22が軸心C方向に縦通して設けられているが、このオイルホール22は被削材の材質等に応じて必要に応じて設けられれば良い。また、マージン20は、必ずしも設けられていなくてもよい。
また、前述の実施例のドリル10は、その軸心Cに直交する断面において切り屑排出溝18の内壁面のうち回転方向の反対側に向かう内壁面は、内周側に形成された第2凹曲線CL3とその第2凹曲線CL3に隣接して外周側に形成された第2凸曲線CL4とから構成されて、その第2凸曲線CL4は、ランド24のヒール部52に到達するように設定されていたが、この第2凸曲線CL4はランド24のヒール部52を補強するためのものであるから、必ずしも曲線でなくてもよいし、材質によっては適宜除去されてもよい。上記第2凹曲線CL3は、切り屑のカールの形成にそれほど関与する部分ではなく、切り屑との間に隙間が形成される程度のものでよいので、その曲率半径R3は切り屑のカールや切り屑の排出に影響しない範囲で変更され得る。
また、前述の実施例のドリル10は、超硬合金などの超硬質工具材料の基材から構成されていたが、高速度鋼など他の工具材料を採用することもできる。また、切削耐久性を高めるためにその基材に設ける硬質被膜としては、金属間化合物の他、ダイヤモンド被膜などを採用することもできる。
上記金属間化合物としては、元素の周期表の IIIb族、IVa族、Va族、VIa族の金属、例えばAl、Ti、V、Crなどの炭化物、窒化物、炭窒化物、或いはこれらの相互固溶体が適当で、具体的には、TiAlN合金、TiCN合金、TiCrN合金、TiN合金などが好適に用いられる。このような金属間化合物の硬質被膜は、例えばアークイオンプレーティング法やスパッタリング法等のPVD法によって好適に設けられるが、プラズマCVD法等の他の成膜法で設けることもできる。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施形態であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
10:ドリル
12:切れ刃
12a:凸曲線切れ刃部
12b:凹曲線切れ刃部
CL1:第1凸曲線
CL2:第1凹曲線
18:切り屑排出溝
32:二番逃げ面(先端逃げ面)
34:三番逃げ面(先端逃げ面)
36:ギャッシュ面
38:長手状のつなぎ凹面
40:シンニング面
42:面取り
A:第1凸曲線と前記第1凹曲線との交点
B:外周点
C:軸心(回転中心)
LF:第1凹曲線の凹み量
LW:すくい面取り幅
K:基準線
θ:すくい角
R1、R2、R3、R4、:曲率半径
CL3:第2曲線
CL4:第2曲線

Claims (12)

  1. 先端面に開口する切り屑排出溝と、該切り屑排出溝のうちドリル回転方向に向かう内壁面と前記先端面に形成された先端逃げ面との交差部分に形成された切れ刃とを備え、該切れ刃は、内周側に形成された凹曲線切れ刃部と外周側に形成された凸曲線切れ刃部とから構成されるドリルであって、
    軸心に直交する断面において、前記凸曲線切れ刃部の投影線である円弧状の第1凸曲線と前記凹曲線切れ刃部の投影線である円弧状の第1凹曲線とが相互に交差しており、
    前記先端面において前記切れ刃に続く逃げ面には、9°〜20°の角度範囲の垂直逃げ角βが形成され、
    前記切れ刃の稜線には、0.002D〜0.02D(但し、Dはドリル径)の範囲の幅CWの面取りが形成されている
    ことを特徴とするドリル。
  2. 前記軸心に直交する断面において、ドリルの外周面と前記第1凸曲線とが交差する外周点とドリル中心点とを結ぶ基準線に対して、前記第1凹曲線の凹み量LFは、0.01D〜0.05D(但し、Dはドリル刃径)であることを特徴とする請求項1のドリル。
  3. 前記第1凸曲線と前記第1凹曲線との交点を通る前記基準線に直交する直線と該基準線との交点と、前記外周点との間の距離であるすくい面取り幅LWは、0.008D〜0.06D(但し、Dはドリル刃径)であることを特徴とする請求項2のドリル。
  4. 前記先端面は、前記切れ刃の回転方向後方に設けられた逃げ面と、該逃げ面に隣接して該逃げ面よりも大きな逃げ角で形成されたギャッシュ面と、前記切れ刃の回転方向後方に位置する他の切れ刃の内周部に隣接するシンニング面と、該ギャッシュ面と該シンニング面との境界線に沿って位置して両面を接続し、幅方向において凹む長手状のつなぎ凹面とを含み、
    該つなぎ凹面は、0.01D〜0.05Dの曲率半径Rを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1のドリル。
  5. 前記ドリルの外周面には、0.02D〜0.10Dのマージン幅MWを有するマージンと、0.10L/100〜0.50L/100(但し、Lはバックテーパの軸方向長さ)のバックテーパBTとが形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1のドリル。
  6. 前記ドリルは、0.15D〜0.4D(但し、Dはドリル刃径)の芯厚CDを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1のドリル。
  7. 前記切れ刃の稜線に設けられた面取りは、10°〜35°の切れ刃面取り角度γを有するものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1のドリル。
  8. 前記軸心に直交する断面において、前記切り屑排出溝のうちドリル回転方向とは反対の回転方向に向かう内壁面は、内周側に形成された第2凹曲線と該第2凹曲線に隣接して外周側に形成されてヒール部に到達する第2凸曲線とから構成されており、該第2凸曲線は、第2凹曲線を介して滑らかに前記第1凹曲線と接続していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1のドリル。
  9. 前記第1凸曲線の曲率半径をR1、前記第1凹曲線の曲率半径をR2、前記第2凹曲線の曲率半径をR3、前記第2凸曲線の曲率半径をR4としたとき、R1:0.02D〜0.4D、R2:0.15D〜0.5Dであることを特徴とする請求項8のドリル。
  10. 前記第1凹曲線の曲率半径R2と前記第2凹曲線の曲率半径R3との関係は、0.75≦R3/R2≦1.25であることを特徴とする請求項8または9のドリル。
  11. 前記外周点における前記基準線と前記第1凸曲線との角度であるすくい角が負であることを特徴とする請求項2または3のドリル。
  12. 前記ドリルの少なくとも先端部表面には、硬質皮膜が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1のドリル。
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