JP4529383B2 - ドリル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被削材に対して加工穴を形成するための穴明け加工に用いられるドリルに関するものであり、とくに、アルミなどの延性材料からなる被削材に対して加工穴を形成するための穴明け加工に用いられるドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる一対の切屑排出溝が形成され、これら一対の切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に一対の切刃が形成された、いわゆる二枚刃のドリルが知られている。
一般に、このような二枚刃のドリルにおけるドリル本体には、その後端側から先端に向けて一対の切削油剤の供給孔が穿設されており、これら一対の供給孔が、それぞれ刃先部の先端逃げ面付近に開口させられている。つまり、切削油剤の供給孔が、一つの切刃に対して一つの開口部を有するようにして先端逃げ面付近に開口させられているのである(例えば、特許文献1・2参照)。
そして、穴明け加工時には、上記の切削油剤の供給孔における先端逃げ面付近への開口部から、切削油剤を吐出して供給することにより、切刃や加工穴底部の潤滑・冷却を行うとともに、切刃にて生成される切屑を切屑排出溝内に押し出して排出するようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−61411号公報
【特許文献2】
特開平9−136206号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなドリルにおいて、切削油剤の供給量を増大させて一層確実な潤滑・冷却、あるいは切屑の排出を図るには、供給孔の断面積を大きくするとともに、その開口部の開口面積も大きく設定してやればよい。
しかしながら、このように供給孔の断面積を大きくすることはドリル本体の断面積を小さくすることに他ならず、これにともなってドリル本体の強度や剛性が損なわれて穴明け加工時に振動や折損を生じたりするおそれがある。
また、とくに先端逃げ面付近において供給孔の開口部が大きく開口していると、切刃の強度や剛性にも低下が生じ、場合によっては切刃からこの開口部に向けて欠損が生じて、その時点でドリル寿命が費えてしまうおそれすらある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ドリル本体や切刃の強度・剛性を損なうことなく、切削油剤の供給量の増大を図ることが可能なドリルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と前記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成され、かつ、前記切屑排出溝の内壁面の先端側には、前記切刃の内周端側に連なる第一シンニング面と前記刃先部のランド部に達する第二シンニング面とから構成されるシンニング部が形成されたドリルにおいて、前記切刃は、その外周側が、ドリル回転方向前方側に凸となる曲線状をなす凸曲線状切刃部とされ、この凸曲線状切刃部よりもドリル本体内周側が、ドリル回転方向後方側に凹となる曲線状をなして前記凸曲線状切刃部に滑らかに接して連なる凹曲線状切刃部とされ、さらに該切刃の内周端側は、前記シンニング部と前記先端逃げ面との交差稜線部に形成されて、前記凹曲線状切刃部の内周端から前記軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされるとともに、前記ドリル本体内には、その後端側から先端に向けて切削油剤の供給孔が穿設され、この供給孔は、一つの前記切刃に対して二つ以上の複数の開口部を有するように前記先端逃げ面付近に開口させられており、さらに、前記複数の開口部における第一の開口部が、、そのドリル回転方向後方側に前記切刃における前記凹曲線状切刃部が位置するように、前記先端逃げ面と前記第二シンニング面との交差稜線部に開口させられ、前記第一の開口部よりもドリル本体内周側に位置する第二の開口部は、そのドリル回転方向後方側に、前記シンニング切刃部と前記凹曲線状切刃部との交差部分が位置するように、前記先端逃げ面と前記第二シンニング面との交差稜線部に開口させられていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、供給孔の総断面積やその開口部の総開口面積を大きくして切削油剤の供給量の増大を図ったとしても、個々の供給孔やそれらの開口部同士の間には、リブ状の補強部が画成されることとなり、ドリル本体や切刃の強度・剛性の低下を抑制することができる。
また、アルミなどの延性材料からなる被削材に対して穴明け加工を施す場合のように、切刃に対して被削材が溶着しやすい場合には、一つの切刃に対して二つ以上存在する複数の開口部を、溶着の生じやすい切刃部分に対してピンポイントで切削油剤を吐出して供給するように配置できる。
さらには、先端逃げ面と第二シンニング面との交差稜線部に開口させられている第一開口部から吐出される切削油剤を、ドリル回転方向後方側に流れやすくすることができるため、この第一開口部のドリル回転方向後方側に位置する切刃部分に対して効率的に切削油剤を供給することができる。
【0008】
また、本発明において、前記第一の開口部の開口面積が、他の開口部の開口面積よりも大きく設定されていると、先端逃げ面と第二シンニング面との交差稜線部に開口させられている第一開口部から吐出される切削油剤を、より多量にすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。
まず、図1に示す本発明の第一実施形態を説明する。
図1(a)に示すように、本第一実施形態によるドリルのドリル本体10は、超硬合金等の硬質材料により軸線Oを中心とした略円柱状に形成されたものであり、その後端側部分が工作機械の回転軸に把持されるシャンク部とされる一方、先端側部分が刃先部11とされている。
刃先部11の外周には、先端逃げ面12から軸線O方向の後端側に向かうにしたがい一定のねじれ角でドリル回転方向T後方側にねじれる一対の切屑排出溝13,13が軸線Oに対して対称となるよう螺旋状に形成されていて、これら切屑排出溝13,13におけるドリル回転方向T前方側を向く内壁面13A,13Aと先端逃げ面12との交差稜線部にそれぞれ切刃14,14が形成されている。
【0010】
刃先部11の先端逃げ面12は、図1(b)に示すように、切屑排出溝13,13が交差することによって切刃14,14がドリル回転方向T前方側の稜線部に形成された第一逃げ面12A,12Aと、これら第一逃げ面12A,12Aのドリル回転方向T後方側に連なる第二逃げ面12B,12Bとから構成された多段面状をなしていて、切刃14,14には、後述するシンニング部20,20における第二シンニング面23,23も含めてドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい多段的に大きくなるような逃げが与えられている。
さらに、この先端逃げ面12は、ドリル本体内周側からドリル本体外周側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向けて傾斜させられており、切刃14,14に所定の先端角が付されるようになっている。
【0011】
ここで、本第一実施形態では、切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側を向く内壁面13Aと先端逃げ面12との交差稜線部に形成される切刃13について、図1(b)に示すように、その外周側が、ドリル回転方向T前方側に凸となる曲線状をなす凸曲線状切刃部15とされ、この凸曲線状切刃部15よりもドリル本体内周側が、ドリル回転方向T後方側に凹となる曲線状をなして凸曲線状切刃部15に滑らかに接して連なる凹曲線状切刃部16とされている。
これにより、これら凸凹曲線状切刃部15,16間で、切刃14は軸線O方向の先端側から見て緩やかに湾曲するS字状を呈することとなる。
【0012】
また、各切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側及び後方側を向く内壁面13A,13Bの先端側には、内壁面13Aのドリル本体内周側部分からこの内壁面13Aに接続される内壁面13Bのドリル本体内周側部分及び外周側部分までの先端逃げ面12(第一逃げ面12A及び第二逃げ面12B)との交差稜線部分が、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように斜めに切り欠かれることによって、切刃14の内周端側に連なるとともに、ヒール部17Aを含むランド部17にまで達するようなシンニング部20が形成されている。
【0013】
したがって、切刃14の内周端側は、このシンニング部20と第一逃げ面12Aとの交差稜線部に形成されて、切刃14における凹曲線状切刃部16の内周端から先端逃げ面12の中心に位置する軸線Oに向けて延びるシンニング切刃部21とされている。
なお、切刃14において、シンニング切刃部21と凹曲線状切刃部16とが交差する部分は、軸線O方向の先端側から見てドリル回転方向T前方側に凸となる曲線または直線によって滑らかに接続されている。
【0014】
この切屑排出溝13の両内壁面13A,13Bに交差してドリル本体内周側及び軸線O方向の先端側に向けて延びるシンニング部20において、切屑排出溝13の両内壁面13A,13B同士の接続部分(切屑排出溝13の溝底)と交差してシンニング切刃部21に連なる部分は、ドリル回転方向T前方側を向いて、軸線O方向に沿って延在する平面状の第一シンニング面22とされている。
また、シンニング部20において、切屑排出溝13におけるドリル回転方向T後方側を向く内壁面13Bと交差して第二逃げ面12Bに連なる部分は、ドリル回転方向T後方側を向いて、ランド部17(ヒール部17Aを含む)にまで達するように延在し、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように傾斜する平面状の第二シンニング面23とされている。
【0015】
シンニング部20は、これを構成する第一シンニング面22と第二シンニング面23とが鈍角に交差させられて谷形をなしており、これら第一シンニング面22と第二シンニング面23との交差部分は、切屑排出溝13の両内壁面13A,13B同士の接続部分(切屑排出溝13の溝底)から、切刃14の内周端(シンニング切刃部21の内周端)に向けて、つまり、先端逃げ面12の中心に位置する軸線Oに向けて延びるように延在し、ドリル本体内周側に向かうにしたがい軸線O方向の先端側に向かうように傾斜する谷底部24となっている。
【0016】
また、刃先部11における一対の切屑排出溝13,13を除く外周面、すなわちランド部17は、軸線Oに直交する断面で見たとき、図1(b)から理解できるように、切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側を向く内壁面13Aの外周側稜線部に交差して、軸線Oを中心とした略円弧状をなすマージン部18Aと、このマージン部18のドリル回転方向T後方側に連なり、マージン部18Aがなす円弧よりも一段小さい外径を有する軸線Oを中心とした略円弧状をなす二番取り面18Bとから構成されている。
これらマージン部18Aと二番取り面18Bとは、切屑排出溝13と同様に、先端逃げ面12に交差する部分から軸線O方向の後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるようにして、刃先部11の軸線O方向での略全長に亘って形成されている。
【0017】
そして、本第一実施形態において、周方向(ドリル本体10の軸線O回りの周方向、回転方向T)で隣接する一対の切屑排出溝13,13同士の間のドリル本体10内には、軸線O方向の後端側から先端に向けて延びて、軸線Oに直交する断面が略円形をなす切削油剤の供給孔30が、切屑排出溝13,13を避けるとともに切屑排出溝13,13のねじれに合わせた螺旋状をなすように穿設されている。
【0018】
切削油剤の供給孔30は、ドリル本体10の先端逃げ面12付近において、一の切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側を向く内壁面13Aが先端逃げ面12に交差してできる交差稜線部(切刃14)と、この一の切屑排出溝13のドリル回転方向T後方側に隣接する他の切屑排出溝13のドリル回転方向T後方側を向く内壁面13Bが先端逃げ面12に交差してできる交差稜線部との間の部分、つまり、周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間の部分に、それぞれ二つずつの開口部31,31(合計四つの開口部31…)を有するようにして開口させられている。換言すれば、一つの切刃14に対して二つの開口部31,31を有するようにして、供給孔30が先端逃げ面12付近に開口させられているのである。
【0019】
なお、一つの切刃14に対して二つ以上の開口部31…を有するように、供給孔30を先端逃げ面12付近に開口させるためには、例えば周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間のドリル本体10内に、それぞれ1つずつの供給孔30を穿設しておいて、先端逃げ面12の手前でこれを二つ以上の開口部31…を有するように分岐させてもよいが、この場合、切削油剤の供給量を確保するにはドリル本体10内に穿設される供給孔30の断面積を大きくしなければならないのに加えて、先端逃げ面12を再研磨した際に開口部31…の位置が再研磨前とずれてしまうおそれが生じるので、ドリル本体10内には、軸線O方向の後端側から先端に向けて、開口部31…の数と同じ数の供給孔30…を穿設し、これらをそのまま先端逃げ面12付近に開口させることが好ましい。
このような供給孔30…は、例えば超硬合金製のドリル本体10の焼結前の成形体をモールドによる押し出しプレスによって成形することにより形成可能である。
【0020】
また、本第一実施形態によるドリルのドリル本体10を、軸線O方向の先端側から見たときには、図1(b)に示すように、先端逃げ面12付近において、周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間の部分のそれぞれに位置する二つの開口部31,31のうち、第一の開口部31Aは、先端逃げ面12における第二逃げ面12Bとシンニング部20における第二シンニング面23との交差稜線部に開口させられている。
一方、二つの開口部31,31のうち、第二の開口部31Bは、周方向(ドリル本体10の軸線O回りの周方向、回転方向T)では第一の開口部31Aと略同一位置に位置するとともに、径方向(ドリル本体10の軸線Oを通る径方向)では第一の開口部31Aよりもドリル本体内周側に位置するようにして、先端逃げ面12における第二逃げ面12Bとシンニング部20における第二シンニング面23との交差稜線部に開口させられている。
【0021】
具体的に言うと、第一の開口部31Aは、そのドリル回転方向T後方側に、切刃14における凹曲線状切刃部16が位置するように先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)に開口させられ、第一の開口部31Aよりもドリル本体内周側に位置する第二の開口部31Bは、そのドリル回転方向T後方側に、シンニング切刃部21と凹曲線状切刃部16との交差部分が位置するように先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)に開口させられている。
また、第一の開口部31Aの先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)への開口面積(第一の開口部31Aを有する供給孔30の断面積)は、第二の開口部31Bの先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)への開口面積(第二の開口部31Bを有する供給孔30の断面積)よりも大きく設定されている。
【0022】
ただし、先端逃げ面12付近に開口する複数の開口部31…(本第一実施形態では、一対の第一の開口部31A,31Aと一対の第二の開口部31B,31Bとからなる合計四つの開口部31…)は、この先端逃げ面12の中心に位置する軸線Oに関して互いに回転対称となるように配置されている。
【0023】
上述したような構成とされた本第一実施形態のドリルは、その工具本体10が、軸線O回りに回転されながら軸線O方向の先端側へ向かって送られていくことによって、被削材に穴明け加工を施すものであり、切刃14,14にて生成される切屑を、切屑排出溝13,13の両内壁面13A,13A,13B,13Bによってカールさせつつ切屑排出溝13,13内の後端側へ向けて排出していくことにより、穴明け加工が継続されていく。
そして、この穴明け加工時には、切削油剤の供給孔30…における先端逃げ面12付近への開口部31…から、切削油剤を吐出して供給することにより、切刃14,14や加工穴底部の潤滑・冷却を行うとともに、切刃14,14にて生成される切屑を切屑排出溝13,13内に押し出して排出することになる。
【0024】
本第一実施形態のドリルによれば、一つの切刃14に対して二つの供給孔30,30の開口部31,31が先端逃げ面12付近に開口させられて、合計四つの開口部31…が先端逃げ面12付近に開口させられているために、供給孔30…の総断面積及びその開口部31…の総開口面積を増大させて、切削油剤の供給量を増大させることができるので、開口部31…から大量の切削油剤を吐出して切刃14,14や加工穴底部の切削部位の潤滑・冷却を図り、また、切刃14,14にて生成された切屑を切屑排出溝13,13を通して確実に排出することができる。
【0025】
その一方で、こうして切削油剤の供給量の増大を図っても、個々の供給孔30…同士の間やそれらの開口部31…同士の間には、断面鼓状となるリブ状の補強部が残されているので、ドリル本体10の強度や剛性の低下を招くことがなくなり、とくに先端逃げ面12においてもこのリブ状の補強部が残されているので、切刃14,14に作用する切削負荷に対しても十分な強度や剛性を確保することができる。
このため、穴明け加工時にドリル本体10に振動や折損が生じたりせず、また、切刃14,14から供給孔30…の開口部31…に向けて欠損が生じることもなくなり、長期間に亘って安定した穴明け加工を継続することができる。
【0026】
また、アルミなどの延性材料からなる被削材に対して穴明け加工を施す場合のように、切刃14,14に対して被削材が溶着しやすい場合であっても、一つの切刃14に対して二つ存在する複数の開口部31…を、溶着の生じやすい切刃14,14部分に対してピンポイントで切削油剤を吐出して供給するように配置できる。
本第一実施形態の場合で具体的に説明すると、第一の開口部31A,31Aからは、これら第一の開口部31A,31Aのそれぞれのほぼドリル回転方向T後方側に位置する凹曲線状切刃部16,16に向けて切削油剤を吐出して供給し、第二の開口部31B,31Bからは、これら第二の開口部31B,31Bのそれぞれのほぼドリル回転方向T後方側に位置するシンニング切刃部21,21に向けて切削油剤を吐出して供給するようになっている。
【0027】
このとき、第一の開口部31A,31Aと第二の開口部31B,31Bとが、先端逃げ面12における第二逃げ面12B,12Bとシンニング部20,20における第二シンニング面23,23との交差稜線部にそれぞれ開口させられているため、第一の開口部31A,31A及び第二の開口部31B,31Bから吐出される切削油剤をドリル回転方向T後方側に流れやすくすることができて、これら第一開口部31A,31A及び第二開口部31B,31Bのドリル回転方向T後方側に位置する凹曲線状切刃部16,16及びシンニング切刃部21,21に対して効率的に切削油剤を供給することができる。
【0028】
また、とくに、第一の開口部31Aの開口面積が、第二の開口部31Bの開口面積よりも大きく設定されているので、第一の開口部31Aから吐出される切削油剤をより多量にすることができる一方、ドリル本体10の外周側は切屑排出溝13,13同士の間の周方向の肉厚が内周側よりも大きくなっているので、断面積の大きな供給孔30や開口面積の大きな第一の開口部31Aを形成したとしても、ドリル本体10や切刃14の強度・剛性が損なわれるのを確実に防ぐことができる。
したがって、上述のような構成とされたドリルを用い、アルミなどの延性材料からなる被削材に対して穴明け加工を施すときには、被削材が切刃14,14に溶着するのを効果的に抑制することができ、このような延性材料からなる被削材に対する穴明け加工を長期間に亘って安定して継続することが可能となる。
【0029】
次に、図2に示す本発明の第二実施形態を説明するが、上述した第一実施形態と同様の部分については、同一の符号を用いてその説明を省略する。
この第二実施形態においても、切削油剤の供給孔30は、第一実施形態と同様に、ドリル本体10の先端逃げ面12付近において、周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間の部分に、それぞれ二つずつの開口部31,31(合計四つの開口部31…)を有するようにして開口させられている。
【0030】
本第二実施形態によるドリルのドリル本体10を、軸線O方向の先端側から見たときには、図2(b)に示すように、先端逃げ面12付近において、周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間の部分のそれぞれに位置する二つの開口部31,31のうち、第一の開口部31Aは、先端逃げ面12における第二逃げ面12Bとシンニング部20における第二シンニング面23との交差稜線部に開口させられている。
一方、二つの開口部31,31のうち、第二の開口部31Bは、周方向では第一の開口部31Aよりもドリル回転方向T前方側に位置するとともに、径方向では第一の開口部31Aと略同一位置に位置するようにして、先端逃げ面12における第二逃げ面12B(とくに、第二逃げ面12Bにおける第一逃げ面12Aとの交差稜線部よりもわずかにドリル回転方向T後方側)に開口させられている。
【0031】
具体的に言うと、第一の開口部31Aは、そのドリル回転方向T後方側に、切刃14における凹曲線状切刃部16が位置するように先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)に開口させられ、第一の開口部31Aよりもドリル回転方向T前方側に位置する第二の開口部31Bは、そのドリル回転方向T前方側に、切刃14における凹曲線状切刃部16が位置するように先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B)に開口させられている。
また、第一の開口部31Aの先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)への開口面積(第一の開口部31Aを有する供給孔30の断面積)は、第二の開口部31Bの先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B)への開口面積(第二の開口部31Bを有する供給孔30の断面積)よりも大きく設定されている。
【0032】
本第二実施形態のドリルによれば、上述した第一実施形態と同様の構成を採用した部分については、第一実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
ここで、溶着の生じやすい切刃14,14部分に対してピンポイントで切削油剤を吐出して供給するように配置された複数の開口部31…について、本第二実施形態の場合で具体的に説明すると、第一の開口部31A,31Aからは、これら第一の開口部31A,31Aのそれぞれのほぼドリル回転方向T後方側に位置する凹曲線状切刃部16に向けて切削油剤を吐出して供給し、第二の開口部31B,31Bからも、これら第二の開口部31B,31Bのそれぞれのほぼドリル回転方向T前方側に位置する凹曲線状切刃部16,16に向けて切削油剤を吐出して供給するようになっている。
【0033】
次に、図3に示す本発明の第三実施形態を説明するが、上述した第一実施形態と同様の部分については、同一の符号を用いてその説明を省略する。
この第三実施形態においても、切削油剤の供給孔30は、第一実施形態と同様に、ドリル本体10の先端逃げ面12付近において、周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間の部分に、それぞれ二つずつの開口部31,31(合計四つの開口部31…)を有するようにして開口させられている。
【0034】
本第三実施形態によるドリルのドリル本体10を、軸線O方向の先端側から見たときには、図3(b)に示すように、先端逃げ面12付近において、周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間の部分のそれぞれに位置する二つの開口部31,31のうち、第一の開口部31Aは、先端逃げ面12における第二逃げ面12Bとシンニング部20における第二シンニング面23との交差稜線部に開口させられている。
一方、二つの開口部31,31のうち、第二の開口部31Bは、周方向では第一の開口部31Aよりもドリル回転方向T前方側に位置するとともに、径方向では第一の開口部31Aよりもドリル本体内周側に位置するようにして、先端逃げ面12における第二逃げ面12B(とくに、第二逃げ面12Bにおける第一逃げ面12Aとの交差稜線部よりもわずかにドリル回転方向T後方側)に開口させられている。
【0035】
具体的に言うと、第一の開口部31Aは、そのドリル回転方向T後方側に、切刃14における凹曲線状切刃部16が位置するように先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)に開口させられ、第一の開口部31Aよりもドリル本体内周側及びドリル回転方向T前方側に位置する第二の開口部31Bは、そのドリル回転方向T前方側に、シンニング切刃部21と凹曲線状切刃部16との交差部分が位置するように先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B)に開口させられている。
また、第一の開口部31Aの先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)への開口面積(第一の開口部31Aを有する供給孔30の断面積)は、第二の開口部31Bの先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B)への開口面積(第二の開口部31Bを有する供給孔30の断面積)よりも大きく設定されている。
【0036】
本第三実施形態のドリルによれば、上述した第一実施形態と同様の構成を採用した部分については、第一実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
ここで、溶着の生じやすい切刃14,14部分に対してピンポイントで切削油剤を吐出して供給するように配置された複数の開口部31…について、本第三実施形態の場合で具体的に説明すると、第一の開口部31A,31Aからは、これら第一の開口部31A,31Aのそれぞれのほぼドリル回転方向T後方側に位置する凹曲線状切刃部16に向けて切削油剤を吐出して供給し、第二の開口部31B,31Bからは、これら第二の開口部31B,31Bのそれぞれのほぼドリル回転方向T前方側に位置するシンニング切刃部21,21に向けて切削油剤を吐出して供給するようになっている。
【0037】
次に、図4に示す本発明の第四実施形態を説明するが、上述した第一実施形態と同様の部分については、同一の符号を用いてその説明を省略する。
この第四実施形態においても、切削油剤の供給孔30は、第一実施形態と同様に、ドリル本体10の先端逃げ面12付近において、周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間の部分に、それぞれ二つずつの開口部31,31(合計四つの開口部31…)を有するようにして開口させられている。
【0038】
本第四実施形態によるドリルのドリル本体10を、軸線O方向の先端側から見たときには、図4(b)に示すように、先端逃げ面12付近において、周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間の部分のそれぞれに位置する二つの開口部31,31のうち、第一の開口部31Aは、先端逃げ面12における第二逃げ面12Bとシンニング部20における第二シンニング面23との交差稜線部に開口させられている。
一方、二つの開口部31,31のうち、第二の開口部31Bは、周方向では第一の開口部31Aよりもドリル回転方向T後方側に位置するとともに、径方向では第一の開口部31Aよりもドリル本体内周側に位置するようにして、シンニング部20における第二シンニング面23(とくに、第二シンニング面20における第二逃げ面12Bとの交差稜線部よりもわずかにドリル回転方向T後方側)に開口させられている。
【0039】
具体的に言うと、第一の開口部31Aは、そのドリル回転方向T後方側に、切刃14における凹曲線状切刃部16が位置するように先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)に開口させられ、第一の開口部31Aよりもドリル本体内周側及びドリル回転方向T後方側に位置する第二の開口部31Bは、そのドリル回転方向T後方側に、シンニング切刃部21が位置するように先端逃げ面12付近(第二シンニング面23)に開口させられている。
また、第一の開口部31Aの先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)への開口面積(第一の開口部31Aを有する供給孔30の断面積)は、第二の開口部31Bの先端逃げ面12付近(第二シンニング面23)への開口面積(第二の開口部31Bを有する供給孔30の断面積)よりも大きく設定されている。
【0040】
本第四実施形態のドリルによれば、上述した第一実施形態と同様の構成を採用した部分については、第一実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
ここで、溶着の生じやすい切刃14,14部分に対してピンポイントで切削油剤を吐出して供給するように配置された複数の開口部31…について、本第四実施形態の場合で具体的に説明すると、第一の開口部31A,31Aからは、これら第一の開口部31A,31Aのそれぞれのほぼドリル回転方向T後方側に位置する凹曲線状切刃部16に向けて切削油剤を吐出して供給し、第二の開口部31B,31Bからは、これら第二の開口部31B,31Bのそれぞれのほぼドリル回転方向T後方側に位置するシンニング切刃部21,21に向けて切削油剤を吐出して供給するようになっている。
【0041】
次に、図5に示す本発明の第五実施形態を説明するが、上述した第一実施形態と同様の部分については、同一の符号を用いてその説明を省略する。
この第五実施形態において、切削油剤の供給孔30は、ドリル本体10の先端逃げ面12付近において、周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間の部分に、それぞれ三つずつの開口部31…(合計六つの開口部31…)を有するようにして開口させられており、一つの切刃14に対して三つの開口部31,31を有するようになっている。
【0042】
本第五実施形態によるドリルのドリル本体10を、軸線O方向の先端側から見たときには、図5(b)に示すように、先端逃げ面12付近において、周方向で隣接する切屑排出溝13,13同士の間の部分のそれぞれに位置する三つの開口部31…のうち、第一の開口部31Aは、先端逃げ面12における第二逃げ面12Bとシンニング部20における第二シンニング面23との交差稜線部に開口させられている。
また、三つの開口部31…のうち、第二の開口部31Bは、周方向では第一の開口部31Aと略同一位置に位置するとともに、径方向では第一の開口部31Bよりもドリル本体内周側に位置するようにして、先端逃げ面12における第二逃げ面12Bとシンニング部20における第二シンニング面23との交差稜線部に開口させられている。
さらに、三つの開口部31…のうち、第三の開口部31Cは、周方向では第一の開口部31Aよりもドリル回転方向T前方側に位置するとともに、径方向では第一の開口部31Aと略同一位置に位置するようにして、先端逃げ面12における第二逃げ面12B(とくに、第二逃げ面12Bにおける第一逃げ面12Aとの交差稜線部よりもわずかにドリル回転方向T後方側)に開口させられている。
【0043】
具体的に言うと、第一の開口部31Aは、そのドリル回転方向T後方側に、切刃14における凹曲線状切刃部16が位置するように先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)に開口させられ、第一の開口部31Aよりもドリル本体内周側に位置する第二の開口部31Bは、そのドリル回転方向T後方側に、シンニング切刃部21と凹曲線状切刃部16との交差部分が位置するように先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)に開口させられ、第一の開口部31Aよりもドリル回転方向T前方側に位置する第三の開口部31Cは、そのドリル回転方向T前方側に、切刃14における凹曲線状切刃部16が位置するように先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B)に開口させられている。
また、第一の開口部31Aの先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)への開口面積(第一の開口部31Aを有する供給孔30の断面積)は、第二の開口部31Bの先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B及び第二シンニング面23)への開口面積(第二の開口部31Bを有する供給孔30の断面積)や第三の開口部31Cの先端逃げ面12付近(第二逃げ面12B)への開口面積(第三の開口部31Bを有する供給孔30の断面積)よりも大きく設定されている
【0044】
本第五実施形態のドリルによれば、上述した第一実施形態と同様の構成を採用した部分については、第一実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
ここで、溶着の生じやすい切刃14,14部分に対してピンポイントで切削油剤を吐出して供給するように配置された複数の開口部31…について、本第五実施形態の場合で具体的に説明すると、第一の開口部31A,31Aからは、これら第一の開口部31A,31Aのそれぞれのほぼドリル回転方向T後方側に位置する凹曲線状切刃部16に向けて切削油剤を吐出して供給し、第二の開口部31B,31Bからは、これら第二の開口部31B,31Bのそれぞれのほぼドリル回転方向T後方側に位置するシンニング切刃部21,21に向けて切削油剤を吐出して供給し、第三の開口部31C,31Cからは、これら第三の開口部31C,31Cのそれぞれのほぼドリル回転方向T前方側に位置する凹曲線状切刃部16,16に向けて切削油剤を吐出して供給するようになっている。
【0045】
なお、上述した各実施形態では、切削油剤の供給孔30を、一つの切刃14に対して二つあるいは三つの開口部31…を有するように先端逃げ面12付近に開口させているが、もちろん、切削油剤の供給孔30を、一つの切刃14に対して四つ以上の開口部31…を有するように先端逃げ面12付近に開口させても構わない。
しかしながら、あまりに開口部31…の数が多すぎても、ドリル本体10や切刃14,14の強度・剛性を不用意に低めてしまうおそれがあるので、例えば一対の切刃14,14を有する二枚刃のドリルの場合には、上述の各実施形態で説明したように、一つの切刃14に対して二つあるいは三つ程度の開口部31…が存在していることが好ましい。
また、上述した各実施形態では、一対の切刃14,14が形成された、いわゆる二枚刃のドリルについて説明しているが、これに代えて、例えば一枚刃のドリルや三枚刃以上のドリルであってもよく、要は、一つの切刃に対して二つ以上の複数の開口部を有するように、切削油剤の供給孔が先端逃げ面に開口させられていればよいということである。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、ドリル本体や切刃の強度・剛性を損ねることなく、切削油剤の供給量の増大を図ることが可能となるので、穴明け加工時のドリル本体の振動や折損、切刃の欠損等を防ぎつつ、切刃や切削部位の潤滑・冷却及び切屑の円滑な排出を促すことができる。
また、一つの切刃に対して二つ以上存在する複数の開口部を適宜配置することによって、溶着の生じやすい切刃部分に対してピンポイントで切削油剤を吐出して供給することができるので、アルミなどの延性材料からなる被削材に対して穴明け加工を施す場合であっても、被削材が切刃に溶着するのを効果的に抑制することができる。
さらには、先端逃げ面と第二シンニング面との交差稜線部に開口させられている第一開口部から吐出される切削油剤が、ドリル回転方向後方側に流れやすくなるので、この第一開口部のドリル回転方向後方側に位置する切刃部分に対して効率的に切削油剤を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の第一実施形態によるドリルのドリル本体を示す側面図、(b)は同ドリルを先端側から見た先端面図である。
【図2】 (a)は本発明の第二実施形態によるドリルのドリル本体を示す側面図、(b)は同ドリルを先端側から見た先端面図である。
【図3】 (a)は本発明の第三実施形態によるドリルのドリル本体を示す側面図、(b)は同ドリルを先端側から見た先端面図である。
【図4】 (a)は本発明の第四実施形態によるドリルのドリル本体を示す側面図、(b)は同ドリルを先端側から見た先端面図である。
【図5】 (a)は本発明の第五実施形態によるドリルのドリル本体を示す側面図、(b)は同ドリルを先端側から見た先端面図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体
11 刃先部
12 先端逃げ面
12A 第一逃げ面
12B 第二逃げ面
13 切屑排出溝
13A ドリル回転方向前方側を向く内壁面
13B ドリル回転方向後方側を向く内壁面
14 切刃
15 凸曲線状切刃部
16 凹曲線状切刃部
20 シンニング部
21 シンニング切刃部
22 第一シンニング面
23 第二シンニング面
30 供給孔
31 開口部
31A 第一の開口部
31B 第二の開口部
31C 第三の開口部

Claims (2)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と前記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成され、かつ、前記切屑排出溝の内壁面の先端側には、前記切刃の内周端側に連なる第一シンニング面と前記刃先部のランド部に達する第二シンニング面とから構成されるシンニング部が形成されたドリルにおいて、
    前記切刃は、その外周側が、ドリル回転方向前方側に凸となる曲線状をなす凸曲線状切刃部とされ、この凸曲線状切刃部よりもドリル本体内周側が、ドリル回転方向後方側に凹となる曲線状をなして前記凸曲線状切刃部に滑らかに接して連なる凹曲線状切刃部とされ、さらに該切刃の内周端側は、前記シンニング部と前記先端逃げ面との交差稜線部に形成されて、前記凹曲線状切刃部の内周端から前記軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされるとともに、
    前記ドリル本体内には、その後端側から先端に向けて切削油剤の供給孔が穿設され、この供給孔は、一つの前記切刃に対して二つ以上の複数の開口部を有するように前記先端逃げ面付近に開口させられており、
    さらに、前記複数の開口部における第一の開口部が、そのドリル回転方向後方側に前記切刃における前記凹曲線状切刃部が位置するように、前記先端逃げ面と前記第二シンニング面との交差稜線部に開口させられ、前記第一の開口部よりもドリル本体内周側に位置する第二の開口部は、そのドリル回転方向後方側に、前記シンニング切刃部と前記凹曲線状切刃部との交差部分が位置するように、前記先端逃げ面と前記第二シンニング面との交差稜線部に開口させられていることを特徴とするドリル。
  2. 請求項1に記載のドリルにおいて、
    前記第一の開口部の開口面積が、他の開口部の開口面積よりも大きく設定されていることを特徴とするドリル。
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