JP3988659B2 - ドリル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被削材に対して加工穴を形成するための穴明け加工に用いられるドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、穴明け加工には、軸線回りに回転される刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、切屑排出溝の内壁面の先端側に、切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていることによって、この切刃の内周端側が、先端逃げ面の中心に位置する回転中心に向けて延びるシンニング切刃部とされたものがよく用いられる。
【0003】
また、このようなドリルでは、切刃にホーニングを施すことによって、その欠けを生じにくくすることが知られており、特許文献1には、シンニング切刃部でのホーニング幅を、このシンニング切刃部の外周端から内周端に向かって漸次減少させて上記の回転中心(内周端)においてほぼゼロとし、シンニング切刃部の外周側に連なる外周切刃部でのホーニング幅を、この外周切刃部の全長に亘って一定とした、あるいは、この外周切刃部の外周端から内周端に向かって漸次減少させたドリルが記載されている。
【0004】
特許文献1に記載のドリルでは、切削速度が速くて大きな衝撃力が作用する外周切刃部の外周端でのホーニング幅を大きくすることで、この外周切刃部の外周端の欠けを防止するようにしながらも、切削速度が遅くて大きなスラスト力が作用するシンニング切刃部のホーニング幅をその内周端(回転中心)に向けて漸次小さくする、とくに切削速度がゼロとなる内周端(回転中心)でのホーニング幅をほぼゼロとすることで、切れ味を良くしてスラスト力を低減し、食い付き時の振れを抑制するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2508539号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載されたドリルでは、とくにシンニング切刃部の内周端(回転中心)でのホーニング幅をゼロにすると明記されているように、このシンニング切刃部の内周端付近でのホーニング幅が小さくなりすぎてしまう傾向にあり、スラスト力によるシンニング切刃部の欠けが生じやすいものとなっていた。なお、シンニング切刃部の内周端でのホーニング幅を、欠け防止に十分な大きさに設定したとしても、このシンニング切刃部の外周端でのホーニング幅が大きくなりがちとなって切削抵抗の増大を招いてしまう。
つまり、特許文献1に記載されたドリルは、そのシンニング切刃部に対して適正なホーニング幅を与えることができないものであった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、外周切刃部の外周端でのホーニング幅を必要十分に大きくして、その欠けを防止しつつも、シンニング切刃部に適正なホーニング幅を与えることができるドリルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と前記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成され、かつ、前記切屑排出溝の内壁面の先端側に、前記切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていることによって、前記切刃の内周端側がシンニング切刃部とされたドリルにおいて、前記切刃にはホーニングが施されていて、前記シンニング切刃部でのホーニング幅が、このシンニング切刃部の全長に亘って一定とされているとともに、前記シンニング切刃部の外周側に連なる外周切刃部の外周端でのホーニング幅が、前記シンニング切刃部でのホーニング幅の1.5倍以上に設定されていることを特徴とするものである。なお、具体的には、前記外周切刃部の外周端でのホーニング幅が、0.05mm〜1.0mmの範囲に設定され、前記シンニング切刃部でのホーニング幅が、0.01mm〜0.5mmの範囲に設定されていることが好ましい。
【0009】
本発明では、シンニング切刃部に与えられるホーニング幅がその全長に亘って一定とされていることから、切削速度がゼロとなって大きなスラスト力が作用するシンニング切刃部の内周端の欠けを抑制しつつも、シンニング切刃部の切れ味を良くしてスラスト力を十分に低減するとともに、切削抵抗を低減することが可能となるような適正なホーニング幅を、このシンニング切刃部に設定してやることができる。
そして、切削速度が速くて大きな衝撃力が作用する外周切刃部の外周端でのホーニング幅が、シンニング切刃部でのホーニング幅の1.5倍以上に設定されていることによって、とくに欠けの生じやすくなっている外周切刃部の外周端を確実に保護することができる。
ここで、前記外周切刃部でのホーニング幅は、この外周切刃部の内周端から外周端に向かって漸次増大させられていてもよいし、この外周切刃部の全長に亘って一定とされていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の第一実施形態によるドリルを、図1〜図3を用いて説明する。図1及び図2に示すように、本第一実施形態によるドリルのドリル本体10は、超硬合金等の硬質材料により軸線Oを中心とした略円柱状に形成されたものであり、その後端側部分が工作機械の回転軸に把持されるシャンク部とされる一方、先端側部分が刃先部11とされている。
刃先部11の外周には、先端逃げ面12から軸線O方向の後端側に向かうにしたがい一定のねじれ角でドリル回転方向T後方側にねじれる一対の切屑排出溝13,13が軸線Oに対して対称に形成されていて、これら切屑排出溝13,13におけるドリル回転方向T前方側を向く内壁面13A,13Aと先端逃げ面12との交差稜線部にそれぞれ切刃14,14が形成されている。
【0011】
刃先部11の先端逃げ面12は、図2に示すように、切屑排出溝13,13が交差することによって切刃14,14がドリル回転方向T前方側の稜線部に形成された第一逃げ面12A,12Aと、これら第一逃げ面12A,12Aのドリル回転方向T後方側に連なる第二逃げ面12B,12Bとから構成された多段面状をなしていて、切刃14,14には、後述するシンニング部20,20における第二シンニング面20B,20Bも含めてドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい多段的に大きくなるような逃げが与えられている。
さらに、この先端逃げ面12は、内周側から外周側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向けて傾斜させられており、切刃14,14に所定の先端角が付されるようになっている。
【0012】
なお、先端逃げ面12における第二逃げ面12B,12Bには、ドリル本体10の内部で、シャンク部から軸線O方向の先端側へ向かって、切屑排出溝13,13と同様に、軸線O回りにねじれつつ延びる一対のクーラント穴10A,10Aがそれぞれ開口させられており、切削加工の際には、このクーラント穴10A,10Aから切削部位にクーラントが供給される。
【0013】
また、切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側及び後方側を向く内壁面13A,13Bの先端側には、内壁面13Aの内周側部分からこの内壁面13Aに接続される内壁面13Bの内周側部分及び外周側部分までの先端逃げ面12(第一逃げ面12A及び第二逃げ面12B)との交差稜線部分が、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように斜めに切り欠かれることによって、ヒール部17Aを含むランド部17にまで達するようなシンニング部20が形成されている。
【0014】
この切屑排出溝13の両内壁面13A,13Bに交差して内周側及び軸線O方向の先端側に向けて延びるシンニング部20において、切屑排出溝13の両内壁面13A,13B同士の接続部分(切屑排出溝13の溝底)と交差する部分は、切刃14の内周端側に連なり、ドリル回転方向T前方側を向いて、軸線O方向に沿って延在する平面状の第一シンニング面20Aとされている。
一方、シンニング部20において、切屑排出溝13におけるドリル回転方向T後方側を向く内壁面13Bと交差する部分は、第二逃げ面12Bに連なり、ドリル回転方向T後方側を向いて、ランド部17(ヒール部17Aを含む)にまで達するように延在し、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように傾斜する平面状の第二シンニング面20Bとされている。
【0015】
そして、シンニング部20は、これを構成する第一シンニング面20Aと第二シンニング面20Bとが鈍角に交差させられて谷形をなしており、これら第一シンニング面20Aと第二シンニング面20Bとの交差部分は、切屑排出溝13の両内壁面13A,13B同士の接続部分(切屑排出溝13の溝底)から、切刃14の内周端に向けて、つまり、先端逃げ面12の中心に位置する回転中心である軸線Oに向けて延びるように延在し、内周側に向かうにしたがい軸線O方向の先端側に向かうように傾斜する谷底部21となっている。
【0016】
ここで、シンニング部20における第一シンニング面20Aが、切刃14の内周端側に連なっているため、この切刃14の内周端側は、第一シンニング面20Aと第一逃げ面12Aとの交差稜線部に形成されて、後述する外周切刃部14Bの内周端に接続される外周端から、先端逃げ面12の中心に位置する回転中心である軸線Oに向けて略直線状に延びて、内周端(切刃14の内周端)をこの回転中心に位置させたシンニング切刃部14Aとされている。
これに対し、切刃14の内周端側であるシンニング切刃部14Aの外周側に連なる切刃14の外周端側は、ランド部17に交差する外周端(切刃14の外周端)から、内周側に向かうにしたがいドリル回転方向T前方側に傾斜しつつ略直線状に延びて、内周端をシンニング切刃部14Aの外周端に接続させた外周切刃部14Bとされている。
【0017】
なお、切刃14において、シンニング切刃部14Aと外周切刃部14Bとは、軸線O方向の先端側から見て図2に示すように、ドリル回転方向T前方側に向かって凸となるようにして、互いに鈍角に交差させられているのであり、これらシンニング切刃部14Aと外周切刃部14Bとが交差する部分(シンニング切刃部14Aの外周端、外周切刃部14Bの内周端)は、同じく軸線O方向の先端側から見て、ドリル回転方向T前方側に凸となる曲線によって滑らかに接続されている。
【0018】
そして、本第一実施形態においては、上記のような切刃14(シンニング切刃部14A、外周切刃部14B)に対して、チャンファホーニング(図1・2中斜線部分)が施されている。
チャンファホーニングが施された切刃14(シンニング切刃部14A及び外周切刃部14B)を、軸線O方向の先端側から見たときの切刃14に直交するとともに軸線Oに平行となる断面で見たときには、図3に示すように、シンニング切刃部14Aが形成された第一逃げ面12Aと第一シンニング面20Aとの交差稜線部と、外周切刃部14Bが形成された第一逃げ面12Aと切屑排出溝13の内壁面13Aとの交差稜線部とが、それぞれ断面直線状をなすチャンファ面15によって面取りされたようになっている。
【0019】
チャンファホーニングが施された切刃14について、シンニング切刃部14Aでのホーニング幅H(図3に示す断面において、チャンファ面15における軸線O方向(ドリル回転方向Tに直交する方向)に沿った長さ)は、このシンニング切刃部14Aの全長に亘って、つまり、回転中心である軸線O上に位置させられる内周端(切刃14の内周端)から外周切刃部14Bの内周端に接続される外周端までに亘って、一定とされており、例えば、シンニング切刃部14Aのホーニング幅Haが、0.01mm〜0.5mmの範囲内で一定となるように設定されている。
【0020】
同じく、チャンファホーニングが施された切刃14について、外周切刃部14Bでのホーニング幅Hは、この外周切刃部14Bの内周端から外周端に向かって、つまり、シンニング切刃部14Aの外周端に接続される内周端からランド部17に交差させられる外周端に向かって、一定の変化傾向で漸次増大させられており、例えば、外周切刃部14Bの外周端(切刃14の外周端)でのホーニング幅Hbが、0.05mm〜1.0mmの範囲内で、上記のシンニング切刃部14Aでのホーニング幅Haの1.5倍以上となるように設定されている。
【0021】
つまり、チャンファホーニングが施された切刃14は、シンニング切刃部14Aの内周端から、ホーニング幅Hを一定(Ha)に維持しつつ外周側へ延びて、シンニング切刃部14Aの外周端に至り、これを越えて、外周切刃部14Bの内周端から、ホーニング幅Hを漸次増大させつつ外周側へ延びて、外周切刃部14Bの外周端に至るように構成されており、この外周切刃部14Bの外周端でのホーニング幅Hbが、シンニング切刃部14Aでのホーニング幅Haの1.5倍以上となっているのである。
【0022】
なお、チャンファホーニングが施された切刃14について、そのホーニング角θ(図3に示す断面において、チャンファ面15が軸線O方向(ドリル回転方向Tに直交する方向)に対してなす傾斜角)は、切刃14の全長、つまり、シンニング切刃部14Aの内周端から外周切刃部14Bの外周端までに亘って、例えば、5゜〜40゜の範囲内で一定となるように設定されている。
【0023】
ここで、刃先部11における一対の切屑排出溝13,13を除く外周面、すなわちランド部17は、軸線Oに直交する断面で見たとき、図2から理解できるように、切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側を向く内壁面13Aの外周側稜線部に交差して、軸線Oを中心とした略円弧状をなすマージン部18Aと、このマージン部18のドリル回転方向T後方側に連なり、マージン部18Aがなす円弧よりも一段小さい外径を有する軸線Oを中心とした略円弧状をなす二番取り面18Bとから構成されている。
また、これらマージン部18Aと二番取り面18Bとは、切屑排出溝13と同様に、先端逃げ面12に交差する部分から軸線O方向の後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるようにして、刃先部11の軸線O方向での略全長に亘って形成されている。
【0024】
上述したような構成とされた本第一実施形態のドリルは、そのドリル本体10が、軸線O回りに回転されながら軸線O方向の先端側へ向かって送られ、シンニング切刃部14Aの内周端から徐々に被削材に食い付いていくことによって、この被削材に穴明け加工を施していくものであり、切刃14,14にて生成される切屑を、切屑排出溝13,13の両内壁面13A,13A,13B,13Bによってカールさせつつ切屑排出溝13,13内の後端側へ向けて排出していくことで、この穴明け加工が継続されていく。
なお、シンニング切刃部14A,14Aにて生成される切屑は、これらに連なるシンニング部20,20における谷底部21,21に突き当たることによってカールさせられた後に、シンニング部20,20から切屑排出溝13,13内に誘導され、そして、切屑排出溝13,13内の後端側へ向けて排出されるようになっている。
【0025】
本第一実施形態のドリルによれば、シンニング切刃部14Aでのホーニング幅Haが、その全長に亘って、0.01mm〜0.5mmの範囲内(より好ましくは0.02mm〜0.15mmの範囲内)で一定とされていることから、切削速度がゼロとなって大きなスラスト力が作用するシンニング切刃部14Aの内周端の欠けを抑制しつつも、シンニング切刃部14Aの切れ味を良くしてスラスト力を十分に低減するとともに、切削抵抗を低減することが可能となるような適正はホーニング幅Hを、このシンニング切刃部14Aに設定することが可能となっている。
【0026】
また、切削速度が速くて大きな衝撃力が作用する外周切刃部14Bの外周端でのホーニング幅Hbが、0.05mm〜1.0mmの範囲内(より好ましくは0.05mm〜0.3mmの範囲内)で、シンニング切刃部14Aでのホーニング幅Haの1.5倍以上(より好ましくは2.0倍以上)となるように設定されていることから、とくに欠けの生じやすくなってしまう外周切刃部14Bの外周端を確実に保護することが可能となっている。
【0027】
さらには、シンニング切刃部14Aでのホーニング幅Hを上記のように小さく設定したことで、シンニング切刃部14Aが被削材に最初に食い付いたときに、このシンニング切刃部14Aから生成される切屑を細かく分断することができ、かつ、外周切刃部14Bでのホーニング幅Hを上記のように大きく設定したことで、シンニング切刃部14Aの次に外周切刃部14Bが被削材に食い付いたときに、この外周切刃部14Bから生成される切屑を同様に細かく分断することができるようになっている。
そのため、本第一実施形態のドリルでは、切屑排出性を向上させて、切屑詰まりを生じさせることがなくなり、結果として、切削抵抗を低減することも可能となっているのである。
【0028】
次に、本発明の第二実施形態によるドリルを、図4及び図5を用いて説明するが、上述の第一実施形態と同様の部分には同一の符合を用いてその説明を省略する。
本第二実施形態においては、チャンファホーニングが施された切刃14について、外周切刃部14Bでのホーニング幅Hが、この外周切刃部14Bの全長に亘って、つまり、シンニング切刃部14Aの外周端に接続される内周端からランド部17に交差させられる外周端までに亘って、一定とされており、例えば、外周切刃部14Bでのホーニング幅Hbが、0.05mm〜1.0mmの範囲内(より好ましくは0.05mm〜0.3mmの範囲内)で、上記のシンニング切刃部14Aでのホーニング幅Haの1.5倍以上となるように設定されている。
【0029】
つまり、チャンファホーニングが施された切刃14は、シンニング切刃部14Aの内周端から、ホーニング幅Hを一定(Ha)に維持しつつ外周側へ延びて、シンニング切刃部14Aの外周端に至り、これを越えて、外周切刃部14Bの内周端から、同じくホーニング幅Hを一定(Hb)に維持しつつ外周側へ延びて、外周切刃部14Bの外周端に至るように構成されており、この外周切刃部14Bでのホーニング幅Hbが、シンニング切刃部14Aでのホーニング幅Haの1.5倍以上(より好ましくは2.0倍以上)となっているのである。
なお、切刃14において、シンニング切刃部14Aと外周切刃部14Bとが交差する部分では、そのホーニング幅Hが、内周側から外周側に向かってHaからHbまで滑らかに増大させられていくようになっている。
このような構成とされた本第二実施形態のドリルによっても、上述した第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0030】
本発明は、上述した各実施形態で説明したような形状の切刃14(シンニング切刃部14A、外周切刃部14B)を有するドリルだけに適用されるものではなく、例えば、外周切刃部14Bの外周側が、ドリル回転方向T前方側に凸となる曲線状をなす凸曲線状切刃部とされ、この凸曲線状切刃部よりも内周側が、ドリル回転方向T後方側に凹となる曲線状をなして、上記の凸曲線状切刃部に滑らかに接して連なる凹曲線状切刃部とされたような種々の形状の切刃14を有するドリルに適用されてもよいことはもちろんである。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シンニング切刃部に与えられるホーニング幅がその全長に亘って一定とされていることから、切削速度がゼロとなって大きなスラスト力が作用するシンニング切刃部の内周端の欠けを抑制しつつも、シンニング切刃部の切れ味を良くしてスラスト力を十分に低減するとともに、切削抵抗を低減することが可能となるような適正なホーニング幅を、このシンニング切刃部に設定してやることができる。
そして、切削速度が速くて大きな衝撃力が作用する外周切刃部の外周端でのホーニング幅が、シンニング切刃部でのホーニング幅の1.5倍以上に設定されていることによって、とくに欠けの生じやすくなっている外周切刃部の外周端を確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態によるドリルの刃先部を示す斜視図である。
【図2】 本発明の第一実施形態によるドリルの刃先部を示す先端面図である。
【図3】 本発明の第一実施形態によるドリルの刃先部に形成された切刃を示す要部拡大断面図である。
【図4】 本発明の第二実施形態によるドリルの刃先部を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第二実施形態によるドリルの刃先部を示す先端面図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体
11 刃先部
12 先端逃げ面
13 切屑排出溝
14 切刃
14A シンニング切刃部
14B 外周切刃部
15 チャンファ面
20 シンニング部
H ホーニング幅
Ha シンニング切刃部でのホーニング幅
Hb 外周切刃部でのホーニング幅
O ドリル本体の軸線
T ドリル回転方向
Claims (5)
- 軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と前記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成され、かつ、前記切屑排出溝の内壁面の先端側に、前記切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていることによって、前記切刃の内周端側がシンニング切刃部とされたドリルにおいて、
前記切刃にはホーニングが施されていて、
前記シンニング切刃部でのホーニング幅が、このシンニング切刃部の全長に亘って一定とされているとともに、
前記シンニング切刃部の外周側に連なる外周切刃部の外周端でのホーニング幅が、前記シンニング切刃部でのホーニング幅の1.5倍以上に設定されていることを特徴とするドリル。 - 請求項1に記載のドリルにおいて、
前記外周切刃部の外周端でのホーニング幅が、0.05mm〜1.0mmの範囲に設定されていることを特徴とするドリル。 - 請求項1または請求項2に記載のドリルにおいて、
前記シンニング切刃部でのホーニング幅が、0.01mm〜0.5mmの範囲に設定されていることを特徴とするドリル。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のドリルにおいて、
前記外周切刃部でのホーニング幅が、この外周切刃部の内周端から外周端に向かって漸次増大させられていることを特徴とするドリル。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のドリルにおいて、
前記外周切刃部でのホーニング幅が、この外周切刃部の全長に亘って一定とされていることを特徴とするドリル。
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