JP6255925B2 - ドリル - Google Patents

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本発明は、ドリルに関するものである。
従来この種のドリルとして、例えば下記特許文献1に示されるような、軸線回りに回転されるドリル本体と、前記ドリル本体の外周面に形成され、該ドリル本体の先端から基端側へ向けて螺旋状に延びる切屑排出溝と、前記切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部に形成された切れ刃と、前記切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面と前記ドリル本体の外周面との交差稜線部に形成されたリーディングエッジと、を備えたものが知られている。
特許第4894054号公報
しかしながら、上記従来のドリルでは、ドリル本体のリーディングエッジにおける切れ味を確保しつつ、刃先欠損や摩耗等を抑制することに改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ドリル本体のリーディングエッジにおける切れ味を確保しつつ、刃先欠損や摩耗等を抑制できるドリルを提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体と、前記ドリル本体の外周面に形成され、該ドリル本体の先端から基端側へ向けて螺旋状に延びる切屑排出溝と、前記切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部に形成された切れ刃と、前記切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面と前記ドリル本体の外周面との交差稜線部に形成されたリーディングエッジと、を備えるドリルであって、前記リーディングエッジには、該リーディングエッジの延在方向に沿って延びるとともに、前記延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第1凸曲面部が形成され、前記第1凸曲面部の曲率半径が、20〜100μmであり、前記切れ刃には、チャンファホーニングが形成されており、前記チャンファホーニングのホーニング面と前記ドリル本体の外周面との交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第2凸曲面部が形成され、前記第2凸曲面部の曲率半径が、20〜100μmであることを特徴とする。
本発明のドリルによれば、ドリル本体のリーディングエッジ(外周刃)に、断面凸曲線状の第1凸曲面部が形成されており、該第1凸曲面部の曲率半径が20〜100μmとされているので、下記の効果を奏する。
すなわち、リーディングエッジの第1凸曲面部の曲率半径が、20μm以上であるので、刃先の強度を十分に確保して刃先欠損等を防止でき、かつ、リーディングエッジ及びそのドリル回転方向の後方に連なるドリル本体の外周面(マージン部)の摩耗の発生及び進行を抑制できる。
また、リーディングエッジの第1凸曲面部の曲率半径が、100μm以下であるので、上述した作用効果が得られつつも、リーディングエッジにおいて鋭い切れ味を確保でき、切削の加工品位及び加工能率が高められる。
具体的に、本発明とは異なり、第1凸曲面部の曲率半径が20μm未満の場合には、リーディングエッジの刃先強度が確保されずに早期に欠損したり、該リーディングエッジ及びそのドリル回転方向の後方に連なるドリル本体の外周面(マージン部)で摩耗が発生・進行しやすくなったりする。
また、第1凸曲面部の曲率半径が100μmを超える場合には、リーディングエッジによる切れ味が損なわれるとともに切削抵抗が増大して、切削の加工品位や加工能率に影響するおそれがある。
このような理由から本発明では、第1凸曲面部の曲率半径を20〜100μmの範囲内としている。
以上より、本発明によれば、ドリル本体のリーディングエッジにおける切れ味を確保しつつ、刃先欠損や摩耗等を顕著に抑制できる。
また、切削時に被削材に切り込む切れ刃(先端刃)にチャンファホーニングが形成されているので、切れ刃の刃先強度が確保されている。
そして、チャンファホーニングのホーニング面とドリル本体の外周面(マージン部)との交差稜線部には、断面凸曲線状の第2凸曲面部が形成されており、該第2凸曲面部の曲率半径が20〜100μmとされているので、上述したリーディングエッジのみならずその先端側に位置する前記交差稜線部においても、リーディングエッジの第1凸曲面部と同様の作用効果が得られ、つまり切れ味を確保しつつ、刃先欠損を防止し、かつ摩耗の発生及び進行を抑制する効果を奏する。
またこの場合、第2凸曲面部と、上述した第1凸曲面部とを連結して形成することが容易であり、この構成によれば、互いに稜線の延在方向が異なる第1、第2凸曲面部の連結部分が、例えば半球面状の凸曲面状とされて、当該連結部分における刃先欠損や摩耗等が格別顕著に抑制されることになる。
尚、第2凸曲面部の曲率半径が、第1凸曲面部の曲率半径と同等に設定されている場合には、ドリル製造時において、これら第1、第2凸曲面部をブラシ加工等により同一工程で形成でき、より好ましい。
また、本発明のドリルにおいて、前記チャンファホーニングのホーニング面と前記切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面との交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第3曲面部が形成され、前記第3凸曲面部の曲率半径が、20〜100μmであることとしてもよい。
この場合、チャンファホーニングのホーニング面と切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面(すくい面となる壁面)との交差稜線部に、断面凸曲線状の第3凸曲面部が形成されており、該第3凸曲面部の曲率半径が20〜100μmとされているので、この交差稜線部においても、上述したリーディングエッジの第1凸曲面部や、チャンファホーニングのホーニング面とドリル本体の外周面(マージン部)との交差稜線部に形成された第2凸曲面部と同様の作用効果が得られる。
またこの場合、第3凸曲面部と、上述した第1、第2凸曲面部とを連結して形成することが容易であり、この構成によれば、互いに稜線の延在方向が異なる第1〜第3凸曲面部の連結部分が、例えば半球面状の凸曲面状とされて、当該連結部分における刃先欠損や摩耗等が格別顕著に抑制されることになる。
尚、第3凸曲面部の曲率半径が、第1、第2凸曲面部の曲率半径と同等に設定されている場合には、ドリル製造時において、これら第1〜第3凸曲面部をブラシ加工等により同一の工程で形成でき、より望ましい。
また、本発明のドリルにおいて、前記チャンファホーニングのホーニング面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす刃先凸曲面部が形成され、前記刃先凸曲面部の曲率半径が、5〜20μmであることとしてもよい。
この場合、チャンファホーニングのホーニング面とドリル本体の先端面(先端逃げ面)との交差稜線部に、断面凸曲線状の刃先凸曲面部が形成されており、該刃先凸曲面部の曲率半径が5〜20μmとされているので、下記の効果を奏する。
すなわち、チャンファホーニングと先端逃げ面との交差稜線部に形成された刃先凸曲面部の曲率半径が、5μm以上であるので、刃先強度を確保して刃先欠損等を防止でき、かつ、チャンファホーニングと先端逃げ面との交差稜線部及びそのドリル回転方向の後方に連なる先端逃げ面の摩耗の発生及び進行を抑制できる。
また、刃先凸曲面部の曲率半径が、20μm以下であるので、上述した作用効果が得られつつも、チャンファホーニングと先端逃げ面との交差稜線部において鋭い切れ味を確保でき、切削の加工品位及び加工能率が高められる。
具体的に、本発明とは異なり、刃先凸曲面部の曲率半径が5μm未満の場合には、チャンファホーニングと先端逃げ面との交差稜線部の刃先強度が確保されずに早期に欠損したり、該チャンファホーニングと先端逃げ面との交差稜線部、及びそのドリル回転方向の後方に連なる先端逃げ面において摩耗が発生・進行しやすくなったりする。
また、刃先凸曲面部の曲率半径が20μmを超える場合には、チャンファホーニングと先端逃げ面との交差稜線部による切れ味が損なわれるとともに切削抵抗が増大して、切削の加工品位や加工能率に影響するおそれがある。また刃先の摩耗量が増大して、工具寿命が短寿命化する。
このような理由から本発明の上記構成において、刃先凸曲面部の曲率半径を5〜20μmの範囲内としている。
またこの場合、刃先凸曲面部と、上述した第2凸曲面部とを連結して形成することが容易であり、この構成によれば、互いに稜線の延在方向が異なる刃先凸曲面部と第2凸曲面部との連結部分が、例えば半球面状の凸曲面状とされて、当該連結部分における刃先欠損や摩耗等が格別顕著に抑制されることになる。
また、本発明のドリルにおいて、前記ドリル本体の少なくとも前記切れ刃及び前記リーディングエッジを含む刃部は、硬質被覆層で被覆されていることとしてもよい。
上記構成のように、ドリル本体の刃部に硬質被覆層によるコーティング処理が施されている場合には、上述したようにリーディングエッジに第1凸曲面部が形成されていることで、該リーディングエッジの稜線に硬質被覆層が均一かつ十分な厚さで形成されやすくなり、しかもこの硬質被覆層に剥離の起点となる箇所も形成されにくくなって、刃先強度が安定して維持されることになる。
これにより、刃部(切れ刃及びリーディングエッジ)の刃先欠損や摩耗が格別顕著に抑制されて、ドリル性能が長期に亘り良好に維持される。
尚、第1凸曲面部以外に、上述した第2、第3凸曲面部及び刃先凸曲面部のいずれかが形成されている場合には、これら凸曲面部の稜線に対しても、硬質被覆層が均一かつ十分な厚さで形成されやすくなり、刃先強度がより安定して高められる。
本発明のドリルによれば、ドリル本体のリーディングエッジにおける切れ味を確保しつつ、刃先欠損や摩耗等を抑制できる。
本発明の一実施形態に係るドリルの要部(刃部)を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るドリルを先端から基端側へ向けて見た正面図である。 図2のB部断面を拡大して示す図であり、(a)本発明の一実施形態、(b)従来例、を表している。 図1のA部の拡大図である。 図4のC−C断面を示す図である。 チャンファホーニングと先端逃げ面との交差稜線部に形成される刃先凸曲面部のR形状による摩耗量の差異を説明する断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るドリル10について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示されるように、本実施形態のドリル10は、軸線O回りに回転されるドリル本体1と、ドリル本体1の外周面に形成され、該ドリル本体1の先端から基端側へ向けて螺旋状に延びる切屑排出溝2と、切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aとドリル本体1の先端面3との交差稜線部に形成された切れ刃(先端刃)4と、切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aとドリル本体1の外周面との交差稜線部に形成されたリーディングエッジ(外周刃)5と、を備えている。
このドリル10は、図示されないドリル本体1の基端部(シャンク部)が工作機械の主軸や、ボール盤・電動ドリルの三爪チャック等に着脱可能に装着され、軸線O回りに沿うドリル回転方向Tに回転させられつつ、軸線O方向に沿う先端側(図1における上側)へ送り出されて、被削材に穴あけ加工を行うものである。
ここで本明細書では、ドリル本体1の軸線O方向に沿う切れ刃4側(図1における上側)を先端側といい、切れ刃4とは反対側(シャンク部側、図1における下側)を基端側という。また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。尚、前記周方向のうち、切削加工時にドリル10が回転させられる方向をドリル回転方向T(又はドリル回転方向Tの前方)といい、これとは反対側へ向かう方向をドリル回転方向Tの後方という。
ドリル本体1は、超硬合金等の硬質材料により形成されて軸状をなしており、具体的には、軸線Oを中心とした外形円柱状をなしている。
ドリル本体1の先端側部分は、被削材に切り込む刃部6とされており、該刃部6には、少なくとも切れ刃4及びリーディングエッジ5が含まれる。またドリル本体1の基端側部分は、円柱状のままのシャンク部とされている。
ドリル本体1の表面(外面)のうち、少なくとも刃部6は、硬質被覆層で被覆(硬質皮膜処理)されている。この硬質被覆層としては、例えば、TiNやTiCN、TiAlN、CrN等の化合物被膜やDLC膜、ダイヤモンド被膜等が挙げられる。
ドリル本体1の外周には、複数の切屑排出溝2が周方向に互いに間隔をあけて形成されており、これら切屑排出溝2が軸線Oに関して回転対称位置となるように、ドリル本体1の基端側に向かうに従いドリル回転方向Tの後方に向けて捩れて延びている。具体的に、本実施形態のドリル10は、ドリル本体1に一対の切屑排出溝2が軸線Oに関して180°回転対称に配置された、二枚刃のツイストドリルとなっている。
切屑排出溝2は、ドリル本体1の先端面3に開口して基端側へ向けて延びているとともに、ドリル本体1の軸線O方向に沿う例えば中央部付近において、径方向外側へ向けて外周面に切れ上がっている。そして、ドリル本体1において、切屑排出溝2が形成された範囲が刃部6とされ、この範囲よりも基端側がシャンク部とされている。
切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aの先端部と、ドリル本体1の先端面3のうちドリル回転方向Tの前方に位置して前記壁面2aの先端部からドリル回転方向Tの後方に連なる前端部との交差稜線部には、壁面2aをすくい面とし、先端面3を逃げ面とする切れ刃4が形成されている。
先端面(先端逃げ面)3は、切れ刃4からドリル回転方向Tの後方に向かうに従い基端側へ向かうように傾斜しており、これにより切れ刃4には逃げ角が与えられている。また先端面3は、径方向外側に向かうに従い基端側へ向かうように傾斜しており、これにより切れ刃4には先端角が与えられている。
また、先端面3には、切れ刃4のドリル回転方向Tの後方に連なる第1逃げ面3aと、該第1逃げ面3aのドリル回転方向Tの後方に連なり、この第1逃げ面3aよりも大きな逃げ角が与えられた第2逃げ面3bと、が形成されている。
ドリル本体1の外周面には、切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aに連なり、切れ刃4の外径(切れ刃4が軸線O回りに回転して形成される回転軌跡の円の直径)と等しい外径の仮想円筒面上に位置するマージン部7と、該マージン部7のドリル回転方向Tの後方に連なり、このマージン部7の外径よりも僅かに小さい外径とされた二番取り面8と、が形成されている。
ドリル本体1において、切屑排出溝2のドリル回転方向Tの前方を向く壁面2aとマージン部7との交差稜線部が、リーディングエッジ5とされている。また、切屑排出溝2のドリル回転方向Tの後方を向く壁面2bと二番取り面8との交差稜線部が、ヒール部9とされている。尚、リーディングエッジ5及びマージン部7は、先端から基端側へ向かうに従い外径が僅かに小さくなるように形成されていてもよく、この場合、リーディングエッジ5及びマージン部7にはバックテーパが与えられる。
そして、リーディングエッジ5には、該リーディングエッジ5の稜線の延在方向に沿って延びるとともに、前記延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第1凸曲面部11が形成されている。
図3(a)に示される、リーディングエッジ5の延在方向に垂直な断面視(横断面視)において、第1凸曲面部11の曲率半径は、20〜100μmとされている。より好ましくは、第1凸曲面部11の曲率半径は、20μmを超え80μm以下である。第1凸曲面部11は、ドリル回転方向T及び径方向外側へ向けて凸となるような曲面状(凸曲面状)をなしている。
第1凸曲面部11は、切屑排出溝2のドリル回転方向Tの前方を向く壁面2aとマージン部7との間に位置して、リーディングエッジ5の稜線を形成しつつも、これら壁面2aとマージン部7とを周方向に滑らかに繋いでいる。
尚、図3(b)に示されるリーディングエッジ5の形状は、本発明とは異なり、リーディングエッジ5に第1凸曲面部11が形成されていない従来例である。
図1及び図2に示されるように、ドリル本体1において、切屑排出溝2の先端部におけるドリル回転方向Tの後方を向く壁面2bから溝底(切屑排出溝2のうち最も径方向内側に位置する壁面部分)にかけての領域と、先端面3の第2逃げ面3bとの間に位置する部分には、シンニング部14が形成されている。
シンニング部14は、ドリル回転方向Tの前方を向くとともに、切れ刃4の後述するシンニング刃4bに連なるシンニング壁面(シンニングすくい面)14aと、該シンニング壁面14aのドリル回転方向Tの前方に位置して先端側(ドリル先端側)及びドリル回転方向Tの後方を向くとともに、先端面3の第2逃げ面3bに連なるシンニング面(第3逃げ面)14bと、を備えている。図示の例では、シンニング面14bは、ドリル本体1の上記ヒール部9に達するように延びている。
切れ刃4は、主切れ刃4aと、シンニング刃4bと、を有している。
主切れ刃4aは、切屑排出溝2のドリル回転方向Tの前方を向く壁面2aと、先端面3の第1逃げ面3aとの交差稜線部に形成されている。主切れ刃4aは、切れ刃4の刃長(全長)のうち、径方向内側の端部以外の部位に形成されている。
図2に示されるドリル正面視(ドリル10を先端から基端側へ向けて見た状態)において、主切れ刃4aは、切れ刃4の径方向外側の端縁から径方向内側に向けて延びており、図示の例では凹凸曲線状(波形状)をなしている。具体的に、本実施形態の主切れ刃4aは、切れ刃4の径方向外側の端縁から径方向内側へ向かう部分ではドリル回転方向Tの前方へ向けて凸となる曲線状(凸曲線状)をなしており、この部分よりも径方向内側へ向かう部分ではドリル回転方向Tの後方へ向けて凹となる曲線状(凹曲線状)をなしており、この部分よりもさらに径方向内側へ向かうシンニング刃4bに繋がる部分では、ドリル回転方向Tの前方へ向けて凸となる曲線状(凸曲線状)をなしている。
シンニング刃4bは、シンニング部14のシンニング壁面14aと、先端面3の第1逃げ面3aとの交差稜線部に形成されている。シンニング刃4bは、切れ刃4の刃長のうち、径方向内側の端部に形成されているとともに、主切れ刃4aの径方向内側に連なっている。図2に示されるドリル正面視において、シンニング刃4bは、切れ刃4における径方向内側の端縁(軸線O上)から径方向外側へ向けて、直線状に延びている。
切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aは、主切れ刃4aのすくい面とされているとともに、該切屑排出溝2が上述のように捩られていることにより、主切れ刃4aには正のすくい角が与えられている。また、シンニング壁面14aは、シンニング刃4bのすくい面とされている。
そして、図4及び図5に示されるように、切れ刃4には、チャンファホーニング15が形成されている。チャンファホーニング15は、切れ刃4のうち少なくとも主切れ刃4aに形成されている。
図4において、チャンファホーニング15のホーニング面15aとドリル本体1の外周面(マージン部7)との交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第2凸曲面部12が形成されている。
第2凸曲面部12は、ドリル回転方向T及び径方向外側へ向けて凸となるような曲面状(凸曲面状)をなしている。特に図示していないが、チャンファホーニング15のホーニング面15aとマージン部7との交差稜線部の延在方向に垂直な断面視において、第2凸曲面部12の曲率半径は、20〜100μmとされている。より好ましくは、第2凸曲面部12の曲率半径は、20μmを超え80μm以下である。
第2凸曲面部12は、チャンファホーニング15のホーニング面15aとマージン部7との間に位置してリーディングエッジ5の先端側に連なる稜線を形成しつつも、これらホーニング面15aとマージン部7とを周方向に滑らかに繋いでいる。
また、互いに稜線の延在方向が異なる第2凸曲面部12と第1凸曲面部11とが連なっていることで、これらの連結部分が、例えば半球面状の凸曲面状とされている。
図5に示される切れ刃4の断面視において、チャンファホーニング15のホーニング面15aと切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aとの交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第3凸曲面部13が形成されている。
第3凸曲面部13は、ドリル回転方向Tの前方へ向けて凸となる曲面状(凸曲面状)をなしている。図5に示される、チャンファホーニング15のホーニング面15aと切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aとの交差稜線部の延在方向に垂直な断面視において、第3凸曲面部13の曲率半径は、20〜100μmとされている。より好ましくは、第3凸曲面部13の曲率半径は、20μmを超え80μm以下である。
第3凸曲面部13は、チャンファホーニング15のホーニング面15aと切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aとの間に位置して切れ刃4の基端側(ドリル基端側)の稜線を形成しつつも、これらホーニング面15aと壁面2aとを軸線O方向に滑らかに繋いでいる。
また、第3凸曲面部13は、第1凸曲面部11と第2凸曲面部12との前記連結部分に連なっており、これにより、これら第1〜第3凸曲面部11〜13は、前記連結部分を中心として放射状に延びているとともに、互いの稜線の延在方向が異なっていることで、当該連結部分が、例えば半球面状の凸曲面状とされている。
図5に示される切れ刃4の断面視において、チャンファホーニング15のホーニング面15aとドリル本体1の先端面3との交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす刃先凸曲面部16が形成されている。
刃先凸曲面部16は、ドリル回転方向T及び先端側(ドリル先端側)へ向けて凸となるような曲面状(凸曲面状)をなしている。図5に示される、チャンファホーニング15のホーニング面15aと先端逃げ面3との交差稜線部の延在方向に垂直な断面視において、刃先凸曲面部16の曲率半径は、5〜20μmとされている。より好ましくは、刃先凸曲面部16の曲率半径は、10〜15μmである。
刃先凸曲面部16は、チャンファホーニング15のホーニング面15aと先端逃げ面3との間に位置して切れ刃4の先端側(ドリル先端側)の稜線を形成しつつも、これらホーニング面15aと先端逃げ面3とを軸線O方向に滑らかに繋いでいる。
また、互いに稜線の延在方向が異なる刃先凸曲面部16と第2凸曲面部12とが連なっていることで、これらの連結部分が、例えば半球面状の凸曲面状とされている。
また特に図示していないが、ドリル本体1の内部には、クーラント(切削油剤)を流通させるクーラント孔が形成されているとともに、該クーラント孔が、ドリル本体1の先端面3に開口されていてもよい。この場合、クーラント孔は、ドリル本体1内において周方向に隣り合う切屑排出溝2同士の間に配置されるとともに、これら切屑排出溝2と等しいリードで捩れるように延びて形成される。
以上説明した本実施形態のドリル10によれば、ドリル本体1のリーディングエッジ(外周刃)5に、断面凸曲線状の第1凸曲面部11が形成されており、該第1凸曲面部11の曲率半径が20〜100μmとされているので、下記の効果を奏する。
すなわち、リーディングエッジ5の第1凸曲面部11の曲率半径が、20μm以上であるので、刃先の強度を十分に確保して刃先欠損等を防止でき、かつ、リーディングエッジ5及びそのドリル回転方向Tの後方に連なるドリル本体1の外周面(マージン部7)の摩耗の発生及び進行を抑制できる。
また、リーディングエッジ5の第1凸曲面部11の曲率半径が、100μm以下であるので、上述した作用効果が得られつつも、リーディングエッジ5において鋭い切れ味を確保でき、切削の加工品位及び加工能率が高められる。
具体的に、本実施形態とは異なり、第1凸曲面部11の曲率半径が20μm未満の場合には、リーディングエッジ5の刃先強度が確保されずに早期に欠損したり、該リーディングエッジ5及びそのドリル回転方向Tの後方に連なるドリル本体1の外周面(マージン部7)で摩耗が発生・進行しやすくなったりする。
また、第1凸曲面部11の曲率半径が100μmを超える場合には、リーディングエッジ5による切れ味が損なわれるとともに切削抵抗が増大して、切削の加工品位や加工能率に影響するおそれがある。
このような理由から本実施形態では、第1凸曲面部11の曲率半径を20〜100μmの範囲内としている。
以上より、本実施形態によれば、ドリル本体1のリーディングエッジ5における切れ味を確保しつつ、刃先欠損や摩耗等を顕著に抑制できる。
また本実施形態では、切れ刃4にチャンファホーニング15が形成されており、チャンファホーニング15のホーニング面15aとドリル本体1の外周面(マージン部7)との交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第2凸曲面部12が形成されており、第2凸曲面部12の曲率半径が、20〜100μmであるので、下記の効果を奏する。
すなわちこの場合、切削時に被削材に切り込む切れ刃(先端刃)4にチャンファホーニング15が形成されているので、切れ刃4の刃先強度が確保されている。
そして、チャンファホーニング15のホーニング面15aとドリル本体1の外周面(マージン部7)との交差稜線部には、断面凸曲線状の第2凸曲面部12が形成されており、該第2凸曲面部12の曲率半径が20〜100μmとされているので、上述したリーディングエッジ5のみならずその先端側に位置する前記交差稜線部においても、リーディングエッジ5の第1凸曲面部11と同様の作用効果が得られ、つまり切れ味を確保しつつ、刃先欠損を防止し、かつ摩耗の発生及び進行を抑制する効果を奏する。
またこの場合、第2凸曲面部12と、上述した第1凸曲面部11とを連結して形成することが容易であり、本実施形態で説明したように、第1、第2凸曲面部11、12の稜線同士を連続的に繋げて一体化できる。これにより、互いに稜線の延在方向が異なる第1、第2凸曲面部11、12の連結部分が、例えば半球面状の凸曲面状とされて、当該連結部分における刃先欠損や摩耗等が格別顕著に抑制されることになる。
尚、第2凸曲面部12の曲率半径が、第1凸曲面部11の曲率半径と同等に設定されている場合には、ドリル製造時において、これら第1、第2凸曲面部11、12をブラシ加工等により同一工程で形成でき、より好ましい。
また本実施形態では、チャンファホーニング15のホーニング面15aと切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aとの交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第3凸曲面部13が形成されており、第3凸曲面部13の曲率半径が、20〜100μmであるので、下記の効果を奏する。
すなわちこの場合、チャンファホーニング15のホーニング面15aと切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面(すくい面となる壁面)2aとの交差稜線部に、断面凸曲線状の第3凸曲面部13が形成されており、該第3凸曲面部13の曲率半径が20〜100μmとされているので、この交差稜線部においても、上述したリーディングエッジ5の第1凸曲面部11や、チャンファホーニング15のホーニング面15aとドリル本体1の外周面(マージン部7)との交差稜線部に形成された第2凸曲面部12と同様の作用効果が得られる。
またこの場合、第3凸曲面部13と、上述した第1、第2凸曲面部11、12とを連結して形成することが容易であり、本実施形態で説明したように、第1〜第3凸曲面部11〜13の稜線同士を放射状に繋げて一体化できる。これにより、互いに稜線の延在方向が異なる第1〜第3凸曲面部11〜13の連結部分が、例えば半球面状の凸曲面状とされて、当該連結部分における刃先欠損や摩耗等が格別顕著に抑制されることになる。
尚、第3凸曲面部13の曲率半径が、第1、第2凸曲面部11、12の曲率半径と同等に設定されている場合には、ドリル製造時において、これら第1〜第3凸曲面部11〜13をブラシ加工等により同一の工程で形成でき、より望ましい。
尚、上述した第1〜第3凸曲面部11〜13の曲率半径は、より好ましくは、20μmを超え80μm以下である。
すなわち、第1〜第3凸曲面部11〜13の曲率半径が、80μm以下とされていることによって、優れた切れ味を安定して維持することができ、高品位な切削加工を行うことができるとともに、生産性が高められる。
また本実施形態では、チャンファホーニング15のホーニング面15aとドリル本体1の先端面(先端逃げ面)3との交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす刃先凸曲面部16が形成されており、刃先凸曲面部16の曲率半径が、5〜20μmであるので、下記の効果を奏する。
すなわちこの場合、チャンファホーニング15と先端逃げ面3との交差稜線部に形成された刃先凸曲面部16の曲率半径が、5μm以上であるので、刃先強度を確保して刃先欠損等を防止でき、かつ、チャンファホーニング15と先端逃げ面3との交差稜線部及びそのドリル回転方向Tの後方に連なる先端逃げ面3の摩耗の発生及び進行を抑制できる。
また、刃先凸曲面部16の曲率半径が、20μm以下であるので、上述した作用効果が得られつつも、チャンファホーニング15と先端逃げ面3との交差稜線部において鋭い切れ味を確保でき、切削の加工品位及び加工能率が高められる。
具体的に、本実施形態とは異なり、刃先凸曲面部16の曲率半径が5μm未満の場合には、チャンファホーニング15と先端逃げ面3との交差稜線部の刃先強度が確保されずに早期に欠損したり、該チャンファホーニング15と先端逃げ面3との交差稜線部、及びそのドリル回転方向Tの後方に連なる先端逃げ面3において摩耗が発生・進行しやすくなったりする。
また、刃先凸曲面部16の曲率半径が20μmを超える場合には、チャンファホーニング15と先端逃げ面3との交差稜線部による切れ味が損なわれるとともに切削抵抗が増大して、切削の加工品位や加工能率に影響するおそれがある。また刃先の摩耗量が増大して、工具寿命が短寿命化する。
このような理由から本実施形態では、刃先凸曲面部16の曲率半径を5〜20μmの範囲内としている。
ここで、図6(a)(b)を参照して、刃先凸曲面部16の曲率半径が、本実施形態で説明した5〜20μmの範囲内にある場合(図6(a))と、20μmを超える場合(図6(b))とについて、刃先の摩耗量の差異を説明する。
図6(a)(b)において、符号Dは、ドリル10で被削材を切削加工する際の切り込み深さ(ドリル一回転あたりの送り)を表しており、所定の切り込み深さDである場合には、刃先凸曲面部16の曲率半径が5〜20μmに設定された場合の図6(a)に示されるドリル回転方向Tに沿う刃先の摩耗長さL1が、刃先凸曲面部16の曲率半径が20μmを超えて設定された場合の図6(b)に示されるドリル回転方向Tに沿う刃先の摩耗長さL2に対して、小さくなる。また、刃先凸曲面部16の曲率半径が5〜20μmに設定された場合の刃先の摩耗量は、刃先凸曲面部16の曲率半径が20μmを超えて設定された場合の刃先の摩耗量に対して、少なくなる。
このように、刃先凸曲面部16の曲率半径を5〜20μmの範囲内とした場合には、刃先の摩耗長さ及び摩耗量を顕著に抑制できる。
また、刃先凸曲面部16と、上述した第2凸曲面部12とを連結して形成することが容易であり、本実施形態で説明したように、刃先凸曲面部16及び第2凸曲面部12の稜線同士を連続的に繋げて一体化できる。これにより、互いに稜線の延在方向が異なる刃先凸曲面部16と第2凸曲面部12との連結部分が、例えば半球面状の凸曲面状とされて、当該連結部分における刃先欠損や摩耗等が格別顕著に抑制されることになる。
また本実施形態で説明したように、ドリル本体1において少なくとも切れ刃4及びリーディングエッジ5を含む刃部6に、硬質被覆層によるコーティング処理(硬質皮膜処理)が施されている場合には、上述したようにリーディングエッジ5に第1凸曲面部11が形成されていることで、該リーディングエッジ5の稜線に硬質被覆層が均一かつ十分な厚さで形成されやすくなり、しかもこの硬質被覆層に剥離の起点となる箇所も形成されにくくなって、刃先強度が安定して維持されることになる。
これにより、刃部6(切れ刃4及びリーディングエッジ5)の刃先欠損や摩耗が格別顕著に抑制されて、ドリル性能が長期に亘り良好に維持される。
尚、第1凸曲面部11以外に、上述した第2、第3凸曲面部12、13及び刃先凸曲面部16のいずれかが形成されている場合には、これら凸曲面部12、13、16の稜線に対しても、硬質被覆層が均一かつ十分な厚さで形成されやすくなり、刃先強度がより安定して高められる。特に本実施形態では、第1〜第3凸曲面部11〜13、及び刃先凸曲面部16のすべてが形成されており、これら凸曲面部11〜13、16のすべてに対して、硬質被覆層が均一に十分な膜厚で精度よく成膜されることになる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、ドリル本体1の刃部6に、第1〜第3凸曲面部11〜13、及び刃先凸曲面部16のすべてが形成されているものについて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明の参考例では、上述した凸曲面部11〜13、16のうち、少なくとも第1凸曲面部11を備えていればよく、それ以外の第2、第3凸曲面部12、13及び刃先凸曲面部16については、形成されていなくても構わない。
ただし、刃部6に複数の凸曲面部11〜13、16が形成されていることにより、これら稜線同士の連結部分を、上述した半球面状等の凸曲面状に形成できるので、従来では特に欠損等が生じやすかった当該稜線同士の連結部分における剛性を、上記構成により顕著に高めることができ、好ましい。
また、ドリル本体1の形状は、前述の実施形態で説明したものに限定されない。
また、前述の実施形態では、ドリル本体1の少なくとも切れ刃4及びリーディングエッジ5を含む刃部6が硬質被覆層で被覆(硬質皮膜処理)されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、刃部6に硬質被覆層が被覆される代わりに、又はこれとともに、窒化処理や酸化処理等による表面処理層が形成されていてもよい。或いは、ドリル本体1には、硬質被覆層や表面処理層が設けられていなくてもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例として、前述した実施形態で説明したドリル10を作製した。具体的には、ドリル本体1のリーディングエッジ5に第1凸曲面部11を形成し、チャンファホーニング15のホーニング面15aとマージン部7との交差稜線部に第2凸曲面部12を形成し、チャンファホーニング15のホーニング面15aと切屑排出溝2のドリル回転方向Tを向く壁面2aとの交差稜線部に第3凸曲面部13を形成して、これら第1〜第3凸曲面部11〜13の曲率半径を、それぞれ20〜100μmの範囲内とし、具体的にはそれぞれ20μmを超え80μm以下の範囲内とした。
一方、比較例のドリルとして、ドリル本体1に第1〜第3凸曲面部11〜13を形成しつつも、これらの曲率半径を、それぞれ5μm以上20μm未満の範囲内としたものを用意した。
尚、実施例及び比較例ともに、ドリルのサイズはφ14.1×5Dとした。
そして、これら実施例及び比較例の各ドリルを用いて、被削材:S50Cを所定量切削加工して、刃先の損傷状態について確認した。尚、切削条件については、切削速度(vc):120m/min、1回転あたりの送り(fr):0.3mm/revとした。
試験の結果、実施例のドリル10では刃先欠損が見受けられなかったのに対し、比較例のドリルでは、切削加工の品位に影響する可能性のある刃先欠損が生じていた。
1 ドリル本体
2 切屑排出溝
2a 壁面
3 先端面
4 切れ刃
5 リーディングエッジ
6 刃部
7 マージン部(外周面)
10 ドリル
11 第1凸曲面部
12 第2凸曲面部
13 第3凸曲面部
15 チャンファホーニング
15a ホーニング面
16 刃先凸曲面部
O 軸線
T ドリル回転方向

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体と、
    前記ドリル本体の外周面に形成され、該ドリル本体の先端から基端側へ向けて螺旋状に延びる切屑排出溝と、
    前記切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部に形成された切れ刃と、
    前記切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面と前記ドリル本体の外周面との交差稜線部に形成されたリーディングエッジと、を備えるドリルであって、
    前記リーディングエッジには、該リーディングエッジの延在方向に沿って延びるとともに、前記延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第1凸曲面部が形成され、
    前記第1凸曲面部の曲率半径が、20〜100μmであり、
    前記切れ刃には、チャンファホーニングが形成されており、
    前記チャンファホーニングのホーニング面と前記ドリル本体の外周面との交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第2凸曲面部が形成され、
    前記第2凸曲面部の曲率半径が、20〜100μmであることを特徴とするドリル。
  2. 請求項に記載のドリルであって、
    前記チャンファホーニングのホーニング面と前記切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面との交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす第3曲面部が形成され、
    前記第3凸曲面部の曲率半径が、20〜100μmであることを特徴とするドリル。
  3. 請求項1又は2に記載のドリルであって、
    前記チャンファホーニングのホーニング面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部には、この交差稜線部の延在方向に垂直な断面が凸曲線状をなす刃先凸曲面部が形成され、
    前記刃先凸曲面部の曲率半径が、5〜20μmであることを特徴とするドリル。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のドリルであって、
    前記ドリル本体の少なくとも前記切れ刃及び前記リーディングエッジを含む刃部は、硬質被覆層で被覆されていることを特徴とするドリル。
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