JP2017087406A - ドリル - Google Patents

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JP2017087406A
JP2017087406A JP2015225165A JP2015225165A JP2017087406A JP 2017087406 A JP2017087406 A JP 2017087406A JP 2015225165 A JP2015225165 A JP 2015225165A JP 2015225165 A JP2015225165 A JP 2015225165A JP 2017087406 A JP2017087406 A JP 2017087406A
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武則 清水
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武則 清水
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Abstract

【課題】ランド部に3つ以上のマージン部を形成する場合でも、加工穴へのマージン部の摺接による抵抗の増加や加工穴精度の低下を抑えつつ、個々のマージン部の剛性や強度を確保して欠損を防ぐ。【解決手段】軸線O回りに回転されるドリル本体1のランド部8の外周面に、切屑排出溝4のドリル回転方向Tを向く壁面のドリル回転方向Tとは反対側に隣接して主マージン部9が形成されるとともに、主マージン部9のさらにドリル回転方向Tとは反対側には2つ以上の副マージン部10が周方向に間隔をあけて形成され、少なくとも副マージン部10のドリル回転方向Tとは反対側を向くマージン後壁面10bは、軸線Oに直交する断面において凸曲線を描きつつ、ドリル回転方向Tとは反対側に向かうに従いドリル本体1の内周側に向かうように延びている。【選択図】図3

Description

本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端に切刃が形成されたドリルに係り、特にドリル本体の先端部外周のランド部に3つ以上のマージン部が形成されたドリルに関するものである。
このようなドリルとして、例えば特許文献1には、軸線回りに回転させられるドリル本体の先端側の切刃部外周に形成された複数条の切屑排出溝が形成され、周方向において隣接する切屑排出溝同士の間のランド部の外周壁面に、切刃側の第1のマージン部と、この第1のマージン部のドリル回転方向後方側の第2のマージン部と、この第2のマージン部のさらにドリル回転方向後方のヒール側の第3のマージン部とが周方向に間隔をあけて形成されたものが提案されている。
特開2011−020256号公報
ところで、通常は1つのランド部については切刃側の1つのマージン部しか形成されていないドリルに対して、この特許文献1に記載されたドリルのように3つ以上のマージン部をランド部に形成する場合には、個々のマージン部の外周面の周方向の幅、すなわちマージン幅を狭くしなければ、マージン部の外周面が加工穴の内周面に摺接することによる抵抗が増大して、場合によってはドリル本体の折損を招くおそれがある。また、加工穴の精度も低下するおそれもある。
しかしながら、単にマージン幅を狭くすると、今度は個々のマージン部の強度が不足してしまい、マージン部に欠損を生じるおそれがある。そして、特に特許文献1に記載されたドリルでは、上記第1〜第3のマージン部の外周面から二番取り面にかけての壁面が、二番取り面に滑らかに接する凹曲面とされており、各マージン部の周方向の肉厚が薄くて剛性や強度を確保し難いので、このような欠損を生じるおそれが一層高くなる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、ランド部に3つ以上のマージン部を形成する場合でも、加工穴へのマージン部の摺接による抵抗の増加や加工穴精度の低下を抑えつつ、個々のマージン部の剛性や強度を確保して欠損を防ぐことが可能なドリルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端部外周に、上記ドリル本体の先端逃げ面に開口して後端側に向かう切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面と上記先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されるとともに、上記ドリル本体の先端部外周において上記切屑排出溝の周方向の間にはランド部が形成されたドリルであって、上記ランド部の外周面には、上記切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面のドリル回転方向とは反対側に隣接して主マージン部が形成されるとともに、この主マージン部のさらにドリル回転方向とは反対側には2つ以上の副マージン部が周方向に間隔をあけて形成されており、少なくとも上記副マージン部のドリル回転方向とは反対側を向くマージン後壁面は、上記軸線に直交する断面において凸曲線を描きつつ、ドリル回転方向とは反対側に向かうに従い上記ドリル本体の内周側に向かうように延びていることを特徴とする。
このように構成されたドリルでは、ランド部の外周面に、切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面のドリル回転方向とは反対側に隣接した主マージン部と、この主マージン部のさらにドリル回転方向とは反対側の2つ以上の副マージン部との、合計3つ以上のマージン部が形成されているので、穴明け加工時のドリル本体の振れ倒れが抑制されて安定性が向上し、高い加工穴精度を得ることができる。
そして、これらのランド部に形成されるマージン部のうち、2つ以上の副マージン部のドリル回転方向とは反対側を向くマージン後壁面が、上記軸線に直交する断面において凸曲線を描きつつドリル回転方向とは反対側に向かうに従いドリル本体の内周側に向かうように延びているので、この副マージン部の周方向の肉厚を、加工穴との摺接によって抵抗が作用するドリル回転方向とは反対側で大きくすることができる。このため、マージン幅を狭くしても剛性や強度を確保することができ、副マージン部の欠損を防止することが可能となる。
一方、少なくとも1つの上記副マージン部のドリル回転方向を向くマージン前壁面は、上記軸線に直交する断面において凹曲線を描きつつ、ドリル回転方向に向かうに従い上記ドリル本体の内周側に向かうように延びて、該副マージン部のドリル回転方向側に隣接するマージン部のドリル回転方向とは反対側を向くマージン後壁面に交差または接するように形成することにより、このドリル回転方向側に隣接するマージン部のマージン後壁面が断面凸曲線状に形成されていても、該副マージン部のドリル回転方向側において加工穴内周面と二番取り面との間に十分な逃げを確保することができる。
なお、上記軸線に直交する断面において、上記副マージン部のドリル回転方向とは反対側を向くマージン後壁面は、該副マージン部のドリル本体外周側を向くマージン外周面における周方向の両端を結ぶ直線のドリル回転方向とは反対側に延びる延長線に対して、これら両端のうちドリル回転方向とは反対側の後端で、30°以下の交差角で交差していることが望ましい。この交差角よりも大きな角度で副マージン部のマージン後壁面がマージン外周面の両端を結ぶ直線に交差していると、マージン後壁面の断面が凸曲線であっても周方向の肉厚を十分に確保できなくなるおそれが生じる。
また、同じく上記軸線に直交する断面において、上記副マージン部のドリル回転方向を向くマージン前壁面は、該副マージン部のドリル本体外周側を向くマージン外周面における周方向の両端を結ぶ直線のドリル回転方向に延びる延長線に対して、これら両端のうちドリル回転方向側の前端で、上記マージン外周面の後端における上記マージン後壁面との交差角よりも大きな交差角で交差して、ドリル回転方向に向かうに従い上記ドリル本体の内周側に向かうように延びていることが望ましい。これにより、上記マージン前壁面の加工穴内周面に対する逃げを十分に確保して、副マージン部の加工穴との摺接による抵抗の増大を確実に防ぐことができる。
さらに、上記主マージン部のマージン幅は、2つ以上の上記副マージン部のそれぞれのマージン幅よりも大きいことが望ましい。切刃の外周端に位置する主マージン部のマージン幅を大きくすることにより、切刃を安定して支持して一層高精度の穴明け加工を行うことができる。なお、この主マージン部のドリル回転方向とは反対側を向くマージン後壁面も、軸線に直交する断面において凸曲線を描きつつドリル本体の内周側に向かうように延びていれば、さらに安定した穴加工を行うことができる。また、上記切刃にホーニングを施すことによって切刃の剛性や強度を向上させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、多マージン化によって加工穴精度の向上を図りつつ、加工穴と副マージン部との摺接による抵抗を低減するためにそのマージン幅を小さくしても副マージン部の強度を確保することができ、ドリル寿命を延長して長期に亙って安定した穴加工を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態を示す側面図である。 図1に示す実施形態の正面図である。 図1に示す実施形態の軸線に直交する断面図である。 図1に示す実施形態の副マージン部の軸線に直交する拡大断面図である。
図1ないし図4は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において、ドリル本体1は、超硬合金等の硬質材料によって軸線Oを中心とした外形円柱状に形成され、図示されない後端部(図1における右側部分)は円柱状のままのシャンク部とされるとともに、先端部(図1における左側部分)は切刃部2とされる。このようなドリルは、上記シャンク部が工作機械の主軸に把持されて軸線O回りに符号Tで示すドリル回転方向に回転されつつ該軸線O方向の先端側に送り出され、切刃部2によって被削材に穴明け加工を行う。
ドリル本体1の先端部である上記切刃部2の外周には、この切刃部2の先端面すなわちドリル本体1の先端面である先端逃げ面3に開口して軸線O方向にドリル本体1の後端側に延びる切屑排出溝4が形成されている。本実施形態では、2条の切屑排出溝4が軸線Oに関して対称に、軸線O方向にドリル本体1の後端側に向かうに従いドリル回転方向Tとは反対側に捩れるように形成されており、これらの切屑排出溝4のドリル回転方向を向く壁面と上記先端逃げ面3との交差稜線部に一対の切刃5が形成されている。すなわち、本実施形態のドリルは2枚刃のツイストドリルである。
切屑排出溝4の先端内周部には、切屑排出溝4を内周側に切り欠くようにシンニング部6が形成されており、このシンニング部6のドリル回転方向Tを向く壁面6aと先端逃げ面3との交差稜線には、上記壁面6aをすくい面として上記切刃5の内周部を構成するシンニング刃5aが形成されている。なお、切刃5には、このシンニング刃5aも含めてホーニングが施されて図1に示すようにホーニング面7が形成されている。
本実施形態では、軸線O方向先端側から見て、シンニング刃5aは略直線状に形成されており、このシンニング刃5aからドリル本体1の外周側に向けて切刃5は、該シンニング刃5aに接してドリル回転方向Tに凸となる凸曲線をなした後、この凸曲線に接してドリル回転方向Tとは反対側に凹となる凹曲線をなし、さらにドリル本体1の外周側ではこの凹曲線に鈍角に交差する略直線状に形成されて、切刃部2の外周に達している。
また、上記先端逃げ面3は、切刃5からドリル回転方向の反対側に向かうに従い逃げ角が大きくなる第1、第2先端逃げ面3a、3bによって形成されている。このうち、第2先端逃げ面3bのドリル回転方向Tとは反対側に、当該先端逃げ面3のドリル回転方向Tとは反対側に隣接するシンニング部6のドリル回転方向Tとは反対側を向く壁面6bが鈍角に交差して切刃部2の外周に達するように延びている。
なお、一対の切刃5に連なる先端逃げ面3の各第2先端逃げ面3bには、ドリル本体1の上記シャンク部の後端から先端側に向けて切屑排出溝4と等しいリードで捩れるようにドリル本体1内に形成されたクーラント孔1aがそれぞれ開口している。これらのクーラント孔1aは、切刃部2では、ドリル本体1の周方向において2条の切屑排出溝4の間に残されるランド部8内を通っている。
さらに、このランド部8の外周面には、切屑排出溝4のドリル回転方向Tを向く壁面のドリル回転方向Tとは反対側に隣接して主マージン部9が形成されるとともに、この主マージン部9のさらにドリル回転方向Tとは反対側には2つ以上の副マージン部10が周方向に間隔をあけて形成されている。本実施形態では、3つの副マージン部10が軸線Oに直交する断面において図3に示すように主マージン部9から略等間隔に形成されている。また、本実施形態では、ランド部8のドリル回転方向Tとは反対側のヒール部にも、切屑排出溝4のドリル回転方向Tとは反対側を向く壁面のドリル回転方向Tに隣接してヒール側マージン部11が形成されている。
このうち副マージン部10とヒール側マージン部11は、それぞれドリル回転方向Tを向くマージン前壁面10a、11aを備えている。また、主マージン部9と副マージン部10は、ドリル回転方向Tとは反対側を向くマージン後壁面9b、10bを備えていて、これらのマージン後壁面9b、10bが本実施形態のドリルにおける二番取り面となる。なお、主マージン部9のドリル回転方向Tを向く壁面は切屑排出溝4のドリル回転方向Tを向く壁面の外周縁部であり、ヒール側マージン部11のドリル回転方向Tとは反対側を向く壁面は切屑排出溝4のドリル回転方向Tとは反対側を向く壁面の外周縁部であり、いずれも軸線Oに直交する断面において略直線状に延びている。
さらに、これら主マージン部9、副マージン部10、ヒール側マージン部11は、それぞれドリル本体1の外周側を向くマージン外周面9c、10c、11cとを備えている。これらのマージン外周面9c、10c、11cは、軸線Oを中心とした1つの円筒面上に位置するように形成されていて、すなわちマージンそのものであり、この円筒面の直径が切刃5の直径となる。
そして、少なくとも副マージン部10のドリル回転方向Tとは反対側を向く上記マージン後壁面10bは、軸線Oに直交する断面において図3および図4に示すように円弧等の凸曲線を描きつつ、ドリル回転方向Tとは反対側に向かうに従いドリル本体1内周側に向かうように延びている。また、本実施形態では、主マージン部9のドリル回転方向Tとは反対側を向くマージン後壁面9bも、同じく軸線Oに直交する断面において円弧等の凸曲線を描きつつ、ドリル回転方向Tとは反対側に向かうに従いドリル本体1内周側に向かうように延びている。
一方、少なくとも1つの副マージン部10のドリル回転方向Tを向くマージン前壁面10aは、軸線Oに直交する断面において凹曲線を描きつつ、ドリル回転方向Tに向かうに従いドリル本体1の内周側に向かうように延びて、該副マージン部10のドリル回転方向T側に隣接するマージン部のマージン後壁面に交差または接している。本実施形態では、3つの副マージン部10のすべてのマージン前壁面10aと、ヒール側マージン部11のマージン前壁面11aが、このような断面凹曲線を描いてドリル回転方向T側に隣接する副マージン部10のマージン後壁面10bと主マージン部9のマージン後壁面9bにそれぞれ交差または接している。
また、軸線Oに直交する断面において、副マージン部10のマージン後壁面10bは、図4に示すように該副マージン部10のドリル本体1外周側を向くマージン外周面10cにおける周方向の両端A、Bを結ぶ直線Lのドリル回転方向Tとは反対側に延びる延長線Lbに対して、これら両端A、Bのうちドリル回転方向Tとは反対側の後端Bで30°以下の交差角θbで交差している。この交差角θbは、軸線Oに直交する断面における上記延長線Lbと、凸曲線状をなすマージン後壁面10bのマージン外周面10cの後端Bにおける接線との交差角である。
さらに、同じく軸線Oに直交する断面において、副マージン部10のマージン前壁面10aは、この副マージン部10のマージン外周面10cにおける周方向の両端A、Bを結ぶ上記直線Lのドリル回転方向T側に延びる延長線Laに対しては、これら両端A、Bのうちドリル回転方向T側の前端Aで、マージン外周面10cの後端Bにおけるマージン後壁面10bとの上記交差角θbよりも大きな交差角θaで交差して、ドリル回転方向Tに向かうに従いドリル本体1の内周側に向かうように延びている。この交差角θaも、軸線Oに直交する断面における上記延長線Laと、凹曲線状をなすマージン前壁面10aのマージン外周面10cの前端Aにおける接線との交差角である。
さらにまた、主マージン部9のマージン幅は、各副マージン部10のそれぞれのマージン幅、すなわち上記直線Lの長さよりも大きく設定されている。さらに、軸線Oに直交する断面において、マージン外周面9c、10c、11cが位置する上記1つの円筒面がなす円と、主マージン部9のマージン後壁面9bおよび各副マージン部10のマージン後壁面10bから、そのドリル回転方向とは反対側に隣接する各副マージン部10のマージン前壁面10aおよびヒール側マージン部11のマージン前壁面11aとによって囲まれる部分の面積は、ドリル回転方向Tとは反対側に向けて順に小さくなっている。
また、同じく軸線Oに直交する断面において、マージン外周面9c、10c、11cが位置する上記1つの円筒面がなす円から、主マージン部9のマージン後壁面9bおよび各副マージン部10のマージン後壁面10bと、そのドリル回転方向とは反対側に隣接する各副マージン部10のマージン前壁面10aおよびヒール側マージン部11のマージン前壁面11aとの交点または接点までの二番取り面の深さは、本実施形態では略等しく、例えば上記切刃5の直径の2%〜3%の範囲とされている。さらに、本実施形態では、3つの副マージン部10のマージン前壁面10aとマージン外周面10cは、図2に示すように先端逃げ面3の第2先端逃げ面3bに交差している。なお、これらの副マージン部10のマージン外周面10cと先端逃げ面3との交差稜線部には、面取りが施されていてもよい。
このような構成のドリルでは、ランド部8の外周面に主マージン部9と2つ以上の副マージン部10との合計3つ以上のマージン部9、10が形成されているので、これら主マージン部9と副マージン部10のマージン外周面9c、10cが切刃5によって形成された加工穴の内周面に摺接することにより、穴明け加工時にドリル本体1は振れたり倒れたりするのを抑制して安定性を向上することができる。特に、本実施形態では、3つの副マージン部10と、さらにそのドリル回転方向Tとは反対側にヒール側マージン部11が形成されているので、穴明け加工時の安定性を一層向上させて高い加工穴精度を得ることができる。
そして、このうち少なくとも副マージン部10のマージン後壁面10bは、軸線Oに直交する断面において凸曲線を描きつつドリル回転方向Tとは反対側に向かうに従いドリル本体1の内周側に向かうように延びている。このため、副マージン部10の周方向の肉厚を、加工穴との摺接によって抵抗が作用するドリル回転方向Tとは反対側に向けて大きく確保することができので、マージン外周面10cと加工穴内周面との摺接による抵抗を低減するためにマージン幅を狭くしても、副マージン部10の剛性や強度を維持することができ、これら副マージン部10に欠損が生じるのを防ぐことができる。
従って、上記構成のドリルによれば、多マージン化によって加工穴精度の向上を図りつつ、上述のように抵抗を低減するために副マージンのマージン幅を小さくしても、この副マージン部の強度や剛性を確保することにより、ドリル寿命を延長して長期に亙って安定した穴加工を行うことが可能となる。また、本実施形態では、主マージン部9のマージン後壁面9bも同様に断面凸曲線であるので、主マージン部9の欠損も防止できる。なお、本実施形態では、ランド部8のドリル回転方向Tとは反対側のヒール部にもヒール側マージン部11が形成されているが、このヒール側マージン部11は無くてもよい。
一方、このマージン後壁面10bとは反対側の副マージン部10のドリル回転方向Tを向くマージン前壁面10aは、本実施形態では軸線Oに直交する断面において凹曲線を描きつつ、ドリル回転方向Tに向かうに従いドリル本体1の内周側に向かうように延びて、この副マージン部10のドリル回転方向T側に隣接する主マージン部9または副マージン部10のマージン後壁面9b、10bに交差または接するように形成されている。このため、マージン前壁面10aがマージン後壁面10bと同様に断面凸曲線状に形成されている場合などに比べ、副マージン部10のドリル回転方向T側において加工穴内周面と二番取り面(マージン後壁面9b、10b)との間に十分な逃げを確保することができ、不要に加工穴内周面との摺接による抵抗が増大するのを防ぐことができる。
また、本実施形態では、軸線Oに直交する断面において、副マージン部10のマージン後壁面10bは、この副マージン部10のマージン外周面10cの周方向の両端A、Bを結ぶ直線Lのドリル回転方向Tとは反対側に延びる延長線Lbに対し、両端A、Bのうちドリル回転方向Tとは反対側の後端Bで、30°以下の交差角θbで交差しており、副マージン部10のドリル回転方向Tとは反対側への肉厚を十分に確保して確実に剛性や強度を維持することができる。すなわち、この交差角θbが30°より大きいと、マージン後壁面10bが断面凸曲線であっても肉厚を十分に確保できなくなるおそれが生じる。この交差角θbは、より好ましくは20°以下である。
さらに、このマージン後壁面10bとは反対側の副マージン部10のドリル回転方向Tを向くマージン前壁面10aは、本実施形態では軸線Oに直交する断面において、上記直線Lのドリル回転方向Tに延びる延長線Laに対して、マージン外周面10cの両端A、Bのうちドリル回転方向T側の前端Aで、マージン外周面10cの後端Bにおけるマージン後壁面10bとの交差角θbよりも大きな交差角θaで交差している。このため、マージン前壁面10aのドリル回転方向T側には大きな空間を形成して加工穴の内周面との間の逃げを一層十分に確保することができ、上述した加工穴内周面との摺接による抵抗が増大するのをさらに確実に防止することができる。
さらにまた、本実施形態では、主マージン部9のマージン幅が、各副マージン部10のマージン幅よりも大きく設定されている。このため、切刃5の外周端に位置するこの幅広の主マージン部9によって穴明け加工時に切刃5を安定して支持することができるので、さらに一層高精度の穴明け加工を行うことが可能となる。しかも、この切刃5にはホーニングが施されてホーニング面7が形成されているので、切刃5の剛性や強度も向上させることができ、この切刃5に欠損やチッピングが生じるのも防ぐことができる。
1 ドリル本体
1a クーラント孔
2 切刃部(ドリル本体1の先端部)
3 先端逃げ面
3a 第1先端逃げ面
3b 第2先端逃げ面
4 切屑排出溝
5 切刃
5a シンニング刃
6 シンニング部
6a シンニング部6のドリル回転方向Tを向く壁面
6b シンニング部6のドリル回転方向Tとは反対側を向く壁面
7 ホーニング面
8 ランド部
9 主マージン部
9b 主マージン部9のマージン後壁面
9c 主マージン部9のマージン外周面
10 副マージン部
10a 副マージン部10のマージン前壁面
10b 副マージン部10のマージン後壁面
10c 副マージン部10のマージン外周面
11 ヒール側マージン部
11a ヒール側マージン部11のマージン前壁面
11c ヒール側マージン部11のマージン外周面
O ドリル本体1の軸線
T ドリル回転方向
A 軸線Oに直交する断面における副マージン部10のマージン外周面10cのドリル回転方向T側の前端
B 軸線Oに直交する断面における副マージン部10のマージン外周面10cのドリル回転方向Tとは反対側の後端
L 前端Aと後端Bとを結ぶ直線
La 直線Lのドリル回転方向Tへの延長線
Lb 直線Lのドリル回転方向Tとは反対側への延長線
θa 延長線Laに対してマージン前壁面10aがなす交差角
θb 延長線Lbに対してマージン後壁面10bがなす交差角

Claims (6)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体の先端部外周に、上記ドリル本体の先端逃げ面に開口して後端側に向かう切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面と上記先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されるとともに、上記ドリル本体の先端部外周において上記切屑排出溝の周方向の間にはランド部が形成されたドリルであって、
    上記ランド部の外周面には、上記切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面のドリル回転方向とは反対側に隣接して主マージン部が形成されるとともに、この主マージン部のさらにドリル回転方向とは反対側には2つ以上の副マージン部が周方向に間隔をあけて形成されており、
    少なくとも上記副マージン部のドリル回転方向とは反対側を向くマージン後壁面は、上記軸線に直交する断面において凸曲線を描きつつ、ドリル回転方向とは反対側に向かうに従い上記ドリル本体の内周側に向かうように延びていることを特徴とするドリル。
  2. 少なくとも1つの上記副マージン部のドリル回転方向を向くマージン前壁面は、上記軸線に直交する断面において凹曲線を描きつつ、ドリル回転方向に向かうに従い上記ドリル本体の内周側に向かうように延びて、該副マージン部のドリル回転方向側に隣接するマージン部のドリル回転方向とは反対側を向くマージン後壁面に交差または接していることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 上記軸線に直交する断面において、上記副マージン部のドリル回転方向とは反対側を向くマージン後壁面は、該副マージン部のドリル本体外周側を向くマージン外周面における周方向の両端を結ぶ直線のドリル回転方向とは反対側に延びる延長線に対して、これら両端のうちドリル回転方向とは反対側の後端で30°以下の交差角で交差していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドリル。
  4. 上記軸線に直交する断面において、上記副マージン部のドリル回転方向を向くマージン前壁面は、該副マージン部のドリル本体外周側を向くマージン外周面における周方向の両端を結ぶ直線のドリル回転方向に延びる延長線に対して、これら両端のうちドリル回転方向側の前端で、上記マージン外周面の後端における上記マージン後壁面との交差角よりも大きな交差角で交差して、ドリル回転方向に向かうに従い上記ドリル本体の内周側に向かうように延びていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のドリル。
  5. 上記主マージン部のマージン幅は、2つ以上の上記副マージン部のそれぞれのマージン幅よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のドリル。
  6. 上記切刃にはホーニングが施されていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のドリル。
JP2015225165A 2015-11-17 2015-11-17 ドリル Pending JP2017087406A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10646934B2 (en) * 2017-07-27 2020-05-12 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. Drill
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JP7434791B2 (ja) 2019-10-01 2024-02-21 三菱マテリアル株式会社 ドリル

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