JP2004261930A - ドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】シンニング切刃部から生成される切屑をスムーズにカールさせ、切屑排出性を良好に保って、切削抵抗の増大を招くことがない。
【解決手段】切屑排出溝13の内壁面13A,13Bの先端側に、切刃14の内周端側に連なるシンニング部20を形成する。シンニング部20を、切刃14の内周端に向けて延びる凹曲する谷底部24を有した谷形をなすようにする。谷底部24の断面がなす凹曲線の曲率半径を、外周側に向かうにしたがい増大させる。
【選択図】 図1
【解決手段】切屑排出溝13の内壁面13A,13Bの先端側に、切刃14の内周端側に連なるシンニング部20を形成する。シンニング部20を、切刃14の内周端に向けて延びる凹曲する谷底部24を有した谷形をなすようにする。谷底部24の断面がなす凹曲線の曲率半径を、外周側に向かうにしたがい増大させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被削材に対して加工穴を形成するための穴明け加工に用いられるドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、軸線回りに回転される刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、切屑排出溝の内壁面の先端側に、切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていることによって、切刃の内周端側が、先端逃げ面の中心に向けて延びるシンニング切刃部とされているものが知られている(特許文献1参照)。
このようなシンニング部は、切刃の内周端(シンニング切刃部の内周端)に向けて延びる谷底部を有する谷形をなしており、また、シンニング部における谷底部は、その内周端部から外周端部までの全長に亘って一定の形状となるようにして、断面V字のエッジ状に屈曲している、あるいは、0.1mm〜0.5mmの範囲の極小さい曲率半径の断面凹曲線状に凹曲しているのであった。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−124208号公報(第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のドリルを用いた穴明け加工では、切刃にて生成される切屑を、切屑排出溝の内壁面によってカールさせつつ切屑排出溝内の後端側へ向けて排出していくのであるが、この切刃の内周端側であるシンニング切刃部にて生成される切屑は、シンニング切刃部に連なるシンニング部の谷底部に突き当たることによってカールさせられてから、切屑排出溝内に誘導されていくことになる。
【0005】
ここで、従来のドリルでは、シンニング切刃部に連なるシンニング部の谷底部が、断面V字のエッジ状となるように屈曲している、あるいは、断面凹曲線状となるように凹曲していてもその曲率半径が0.1mm〜0.5mmの範囲と極小さい値に設定されていることから、このシンニング切刃部にて生成される切屑をスムーズにカールさせることができないのであった。
そのため、シンニング切刃部の内周側では、周速が小さく少量の切屑しか生成されないために、切屑をスムーズにカールさせることができなくてもさほど支障は生じないのであるが、シンニング切刃部の外周側では、周速が大きく内周側よりも多量の切屑が生成されるために、切屑をスムーズにカールさせることができなくなっていると、切屑排出性が悪くなり、切削抵抗の増大を招いてしまうという不具合が生じていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、シンニング切刃部から生成される切屑をスムーズにカールさせ、切屑排出性を良好に保って、切削抵抗の増大を招くことがないドリルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と前記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、前記切屑排出溝の内壁面の先端側には、前記切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていて、このシンニング部は、前記切刃の内周端に向けて延びる凹曲する谷底部を有した谷形をなし、かつ、前記谷底部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、外周側に向かうにしたがい増大させられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、シンニング部の谷底部を断面凹曲線状に凹曲させるとともに、その曲率半径を外周側に向けて大きくなるように設定したことから、シンニング切刃部にて生成される切屑のうち、内周側よりも周速の大きい外周側のシンニング切刃部にて生成される量の多い切屑を、大きな曲率半径で凹曲するシンニング部の谷底部によってスムーズにカールさせることが可能となっている。
しかも、シンニング部の谷底部の断面がなす凹曲線の曲率半径を外周側に向けて大きくしたことによって、シンニング切刃部にて生成される切屑が、シンニング部の谷底部によってカールさせられた後に、切屑排出溝内へ誘導されやすくなる。
【0008】
ここで、本発明のドリルにおいては、前記谷底部の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、前記谷底部の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径に対して、1.1倍〜30.0倍に設定されていることが好ましく、さらに、前記谷底部の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.1mm〜0.5mmの範囲に設定されているとともに、前記谷底部の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.11mm〜15.0mmの範囲に設定されていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態によるドリルのドリル本体10は、超硬合金等の硬質材料により軸線Oを中心とした略円柱状に形成されたものであり、その後端側部分が工作機械の回転軸に把持されるシャンク部とされる一方、先端側部分が刃先部11とされている。
刃先部11の外周には、先端逃げ面12から軸線O方向の後端側に向かうにしたがい一定のねじれ角でドリル回転方向T後方側にねじれる一対の切屑排出溝13,13が軸線Oに対して対称に形成されていて、これら切屑排出溝13,13におけるドリル回転方向T前方側を向く内壁面13A,13Aと先端逃げ面12との交差稜線部にそれぞれ切刃14,14が形成されている。
【0010】
刃先部11の先端逃げ面12は、図2に示すように、切屑排出溝13,13が交差することによって切刃14,14がドリル回転方向T前方側の稜線部に形成された第一逃げ面12A,12Aと、これら第一逃げ面12A,12Aのドリル回転方向T後方側に連なる第二逃げ面12B,12Bとから構成された多段面状をなしていて、切刃14,14には、後述するシンニング部20,20における第二シンニング面23,23も含めてドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい多段的に大きくなるような逃げが与えられている。
さらに、この先端逃げ面12は、内周側から外周側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向けて傾斜させられており、切刃14,14に所定の先端角が付されるようになっている。
【0011】
なお、先端逃げ面12における第二逃げ面12B,12Bには、ドリル本体10の内部で、シャンク部から軸線O方向の先端側へ向かって、切屑排出溝13,13と同様に、軸線O回りにねじれつつ延びる一対のクーラント穴10A,10Aがそれぞれ開口させられており、切削加工の際には、このクーラント穴10A,10Aから切削部位にクーラントが供給される。
【0012】
ここで、本実施形態では、切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側を向く内壁面13Aと先端逃げ面12との交差稜線部に形成される切刃13について、図2に示すように、その外周側が、ドリル回転方向T前方側に凸となる曲線状をなす凸曲線状切刃部15とされ、この凸曲線状切刃部15よりも内周側が、ドリル回転方向T後方側に凹となる曲線状をなして凸曲線状切刃部15に滑らかに接して連なる凹曲線状切刃部16とされている。
これにより、これら凸凹曲線状切刃部15,16間で切刃14は軸線O方向の先端側から見て緩やかに湾曲するS字状を呈することとなる。
【0013】
また、切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側及び後方側を向く内壁面13A,13Bの先端側には、内壁面13Aの内周側部分からこの内壁面13Aに接続される内壁面13Bの内周側部分及び外周側部分までの先端逃げ面12(第一逃げ面12A及び第二逃げ面12B)との交差稜線部分が、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように斜めに切り欠かれることによって、ヒール部17Aを含むランド部17にまで達するようなシンニング部20が形成されている。
【0014】
したがって、切刃14の内周端側は、このシンニング部20と第一逃げ面12Aとの交差稜線部に形成されて、切刃14における凹曲線状切刃部16の内周端から先端逃げ面12の中心に位置する軸線Oに向けて延びるシンニング切刃部21とされている。
なお、切刃14において、シンニング切刃部21と凹曲線状切刃部16とが交差する部分は、軸線O方向の先端側から見てドリル回転方向T前方側に凸となる曲線または直線によって滑らかに接続されている。
【0015】
この切屑排出溝13の両内壁面13A,13Bに交差して内周側及び軸線O方向の先端側に向けて延びるシンニング部20において、切屑排出溝13の両内壁面13A,13B同士の接続部分(切屑排出溝13の溝底)と交差してシンニング切刃部21に連なる部分は、ドリル回転方向T前方側を向いて、軸線O方向に沿って延在する平面状の第一シンニング面22とされている。
また、シンニング部20において、切屑排出溝13におけるドリル回転方向T後方側を向く内壁面13Bと交差して第二逃げ面12Bに連なる部分は、ドリル回転方向T後方側を向いて、ランド部17(ヒール部17Aを含む)にまで達するように延在し、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように傾斜する平面状の第二シンニング面23とされている。
【0016】
そして、シンニング部20は、これを構成する第一シンニング面22と第二シンニング面23とが鈍角に交差させられて谷形をなしており、これら第一シンニング面22と第二シンニング面23との交差部分は、切屑排出溝13の両内壁面13A,13B同士の接続部分(切屑排出溝13の溝底)から、切刃14の内周端(シンニング切刃部21の内周端)に向けて、つまり、先端逃げ面12の中心に位置する軸線Oに向けて延びるように延在し、内周側に向かうにしたがい軸線O方向の先端側に向かうように傾斜する谷底部24となっている。
【0017】
シンニング部20における谷底部24は、その延在方向に直交する断面で見たときに、凹曲線状となるように凹曲させられていて、この断面がなす凹曲線の曲率半径が、谷底部24における内周端部から外周端部に向かうにしたがって、例えば一定の変化傾向で漸次増大するようになっている。
また、谷底部24の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径は、谷底部24の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径に対して、1.1倍〜30.0倍に設定されており、より具体的には、谷底部24における内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.1mm〜0.5mmの範囲に設定されているとともに、谷底部24における外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.11mm〜15.0mmの範囲に設定されている。
【0018】
ここで、刃先部11における一対の切屑排出溝13,13を除く外周面、すなわちランド部17は、軸線Oに直交する断面で見たとき、図2から理解できるように、切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側を向く内壁面13Aの外周側稜線部に交差して、軸線Oを中心とした略円弧状をなすマージン部18Aと、このマージン部18のドリル回転方向T後方側に連なり、マージン部18Aがなす円弧よりも一段小さい外径を有する軸線Oを中心とした略円弧状をなす二番取り面18Bとから構成されている。
また、これらマージン部18Aと二番取り面18Bとは、切屑排出溝13と同様に、先端逃げ面12に交差する部分から軸線O方向の後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるようにして、刃先部11の軸線O方向での略全長に亘って形成されている。
【0019】
上述したような構成とされた本実施形態のドリルは、その工具本体10が、軸線O回りに回転されながら軸線O方向の先端側へ向かって送られていくことによって、被削材に穴明け加工を施すものであり、切刃14,14にて生成される切屑を、切屑排出溝13,13の両内壁面13A,13A,13B,13Bによってカールさせつつ切屑排出溝13,13内の後端側へ向けて排出していくことにより、この穴明け加工が継続されていく。
このとき、シンニング切刃部21,21にて生成される切屑は、これらに連なるシンニング部20,20における谷底部24,24に突き当たることによってカールさせられた後に、シンニング部20,20から切屑排出溝13,13内に誘導され、そして、切屑排出溝13,13内の後端側へ向けて排出されるようになっている。
【0020】
本実施形態のドリルによれば、シンニング部20における谷底部24を断面凹曲線状に凹曲させ、しかも、その曲率半径を内周端部から外周端部に向かうにしたがって漸次増大させていることから、上記のシンニング切刃部20にて生成される切屑のうち、内周側よりも周速の大きい外周側のシンニング切刃部20にて生成される多量の切屑を、大きな曲率半径で断面凹曲線状に凹曲する谷底部24によって、スムーズかつ確実にカールさせることが可能となっている。
そのため、切屑排出性が良好に維持されるのであり、切削抵抗を低減できて、安定した穴明け加工を継続していくことができる。
【0021】
同じく、シンニング部20の谷底部24の断面がなす凹曲線の曲率半径を内周端部から外周端部に向かうにしたがい漸次増大させたことにより、シンニング切刃部21にて生成される切屑を、シンニング部20の谷底部24によってカールさせた後に、これを切屑排出溝13内へ誘導しやすくなり、これによっても、切屑排出性をさらに向上して、切削抵抗のさらなる低減を図ることができる。
【0022】
また、本実施形態によるドリルでは、シンニング部20における谷底部24の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、谷底部24の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径に対して、1.1倍〜30.0倍の範囲に設定されていることから、刃先部12の強度を損ねたりせずに、シンニング切刃部21の外周側にて生成される切屑をスムーズにカールさせるのに十分な曲率半径を、谷底部24の外周側に与えることができている。
ここで、谷底部24の断面がなす凹曲線について、外周端部での曲率半径が、内周端部での曲率半径に対して、1.1倍より小さくなっていると、周速の大きい外周側のシンニング切刃部21から生成される多量の切屑を、スムーズにカールさせることができなくなってしまうおそれがあり、逆に、30.0倍より大きくなっていたとしても、刃先部12を大きく切り欠く必要が生じて、この刃先部12の強度を損ねてしまうおそれがある。
なお、上述したようなおそれを確実になくすためには、谷底部24の断面がなす凹曲線について、外周端部での曲率半径は、内周端部での曲率半径に対して、5倍〜20倍の範囲に設定されていることがより好ましい。
【0023】
さらに、本実施形態のドリルでは、シンニング部20における谷底部24の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.1mm〜0.5mmの範囲に設定されているとともに、谷底部24の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.11mm〜15.0mmの範囲に設定されていることから、このシンニング部20における谷底部24を、より適切な形状に凹曲することができている。
ここで、谷底部24の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.1mmより小さくなると、周速の小さい内周側のシンニング切刃部21から生成される少量の切屑といえども、スムーズなカーリングができなくなって、これに起因する不具合が生じるおそれを否めず、逆に、0.5mmより大きくなっても、切刃14の内周端(シンニング切刃部21の内周端)を、先端逃げ面12の中心に位置する軸線Oに近づけることができなくなってしまうおそれが生じてしまう。
一方、谷底部24の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.11mmより小さくなると、周速の大きい外周側のシンニング切刃部21から生成される多量の切屑を、スムーズにカールさせることができなくなってしまうおそれがあり、逆に、15.0mmより大きくなっていたとしても、刃先部12を大きく切り欠く必要が生じて、この刃先部12の強度を損ねてしまうおそれがある。
なお、上述したようなおそれを確実になくすためには、谷底部24の断面がなす凹曲線について、内周端部での曲率半径は、0.1mm〜0.3mmの範囲に設定され、また、外周端部での曲率半径は、0.5mm〜2.0mmの範囲に設定されていることが好ましい。
【0024】
また、上述してきたようなドリルにおいては、ドリル本体10における刃先部11の表面、すなわち、刃先部11の外周面であるランド部17、先端逃げ面12、切屑排出溝13の内壁面13A,13B及びシンニング部20などの表面に対して、TiN、TiCN、TiAlN等の硬質皮膜を被覆することにより、耐摩耗性を向上させることを狙う場合がある。
このような場合、刃先部12における少なくともシンニング部20の表面、つまり、第一シンニング面22、第二シンニング面23及び谷底部24の表面に対して、例えばダイヤモンド粒子等の硬質粒子を含んだペーストをブラシに塗布して磨いたりするポリッシュ加工を施して、その表面粗さRa(JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さ)をRa=0.1μm〜0.3μm程度にする(ポリッシュ加工を施す前の状態では、Ra=0.5μm〜1.0μm程度)ことにより、上述したシンニング切刃部21にて生成される切屑のスムーズなカーリングをより円滑に促すことができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シンニング部の谷底部を断面凹曲線状に凹曲させるとともに、その曲率半径を外周側に向けて大きくなるように設定したことから、シンニング切刃部にて生成される切屑のうち、内周側よりも周速の大きい外周側のシンニング切刃部にて生成される量の多い切屑を、大きな曲率半径で凹曲するシンニング部の谷底部によってスムーズにカールさせることが可能となる。したがって、切屑排出性が良好に維持され、切削抵抗を低減できて、安定した穴明け加工を継続していくことができる。
しかも、シンニング部の谷底部の断面がなす凹曲線の曲率半径を外周側に向けて大きくしたことによって、シンニング切刃部にて生成される切屑が、シンニング部の谷底部によってカールさせられた後に、切屑排出溝内へ誘導されやすくなり、これによっても、切屑排出性をより向上させて、切削抵抗のさらなる低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるドリルの刃先部を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態によるドリルの刃先部を示す先端面図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体
11 刃先部
12 先端逃げ面
13 切屑排出溝
13A ドリル回転方向前方側を向く壁面
13B ドリル回転方向後方側を向く壁面
14 切刃
20 シンニング部
21 シンニング切刃部
22 第一シンニング面
23 第二シンニング面
24 谷底部
【発明の属する技術分野】
本発明は、被削材に対して加工穴を形成するための穴明け加工に用いられるドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、軸線回りに回転される刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、切屑排出溝の内壁面の先端側に、切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていることによって、切刃の内周端側が、先端逃げ面の中心に向けて延びるシンニング切刃部とされているものが知られている(特許文献1参照)。
このようなシンニング部は、切刃の内周端(シンニング切刃部の内周端)に向けて延びる谷底部を有する谷形をなしており、また、シンニング部における谷底部は、その内周端部から外周端部までの全長に亘って一定の形状となるようにして、断面V字のエッジ状に屈曲している、あるいは、0.1mm〜0.5mmの範囲の極小さい曲率半径の断面凹曲線状に凹曲しているのであった。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−124208号公報(第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のドリルを用いた穴明け加工では、切刃にて生成される切屑を、切屑排出溝の内壁面によってカールさせつつ切屑排出溝内の後端側へ向けて排出していくのであるが、この切刃の内周端側であるシンニング切刃部にて生成される切屑は、シンニング切刃部に連なるシンニング部の谷底部に突き当たることによってカールさせられてから、切屑排出溝内に誘導されていくことになる。
【0005】
ここで、従来のドリルでは、シンニング切刃部に連なるシンニング部の谷底部が、断面V字のエッジ状となるように屈曲している、あるいは、断面凹曲線状となるように凹曲していてもその曲率半径が0.1mm〜0.5mmの範囲と極小さい値に設定されていることから、このシンニング切刃部にて生成される切屑をスムーズにカールさせることができないのであった。
そのため、シンニング切刃部の内周側では、周速が小さく少量の切屑しか生成されないために、切屑をスムーズにカールさせることができなくてもさほど支障は生じないのであるが、シンニング切刃部の外周側では、周速が大きく内周側よりも多量の切屑が生成されるために、切屑をスムーズにカールさせることができなくなっていると、切屑排出性が悪くなり、切削抵抗の増大を招いてしまうという不具合が生じていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、シンニング切刃部から生成される切屑をスムーズにカールさせ、切屑排出性を良好に保って、切削抵抗の増大を招くことがないドリルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と前記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、前記切屑排出溝の内壁面の先端側には、前記切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていて、このシンニング部は、前記切刃の内周端に向けて延びる凹曲する谷底部を有した谷形をなし、かつ、前記谷底部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、外周側に向かうにしたがい増大させられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、シンニング部の谷底部を断面凹曲線状に凹曲させるとともに、その曲率半径を外周側に向けて大きくなるように設定したことから、シンニング切刃部にて生成される切屑のうち、内周側よりも周速の大きい外周側のシンニング切刃部にて生成される量の多い切屑を、大きな曲率半径で凹曲するシンニング部の谷底部によってスムーズにカールさせることが可能となっている。
しかも、シンニング部の谷底部の断面がなす凹曲線の曲率半径を外周側に向けて大きくしたことによって、シンニング切刃部にて生成される切屑が、シンニング部の谷底部によってカールさせられた後に、切屑排出溝内へ誘導されやすくなる。
【0008】
ここで、本発明のドリルにおいては、前記谷底部の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、前記谷底部の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径に対して、1.1倍〜30.0倍に設定されていることが好ましく、さらに、前記谷底部の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.1mm〜0.5mmの範囲に設定されているとともに、前記谷底部の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.11mm〜15.0mmの範囲に設定されていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態によるドリルのドリル本体10は、超硬合金等の硬質材料により軸線Oを中心とした略円柱状に形成されたものであり、その後端側部分が工作機械の回転軸に把持されるシャンク部とされる一方、先端側部分が刃先部11とされている。
刃先部11の外周には、先端逃げ面12から軸線O方向の後端側に向かうにしたがい一定のねじれ角でドリル回転方向T後方側にねじれる一対の切屑排出溝13,13が軸線Oに対して対称に形成されていて、これら切屑排出溝13,13におけるドリル回転方向T前方側を向く内壁面13A,13Aと先端逃げ面12との交差稜線部にそれぞれ切刃14,14が形成されている。
【0010】
刃先部11の先端逃げ面12は、図2に示すように、切屑排出溝13,13が交差することによって切刃14,14がドリル回転方向T前方側の稜線部に形成された第一逃げ面12A,12Aと、これら第一逃げ面12A,12Aのドリル回転方向T後方側に連なる第二逃げ面12B,12Bとから構成された多段面状をなしていて、切刃14,14には、後述するシンニング部20,20における第二シンニング面23,23も含めてドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい多段的に大きくなるような逃げが与えられている。
さらに、この先端逃げ面12は、内周側から外周側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向けて傾斜させられており、切刃14,14に所定の先端角が付されるようになっている。
【0011】
なお、先端逃げ面12における第二逃げ面12B,12Bには、ドリル本体10の内部で、シャンク部から軸線O方向の先端側へ向かって、切屑排出溝13,13と同様に、軸線O回りにねじれつつ延びる一対のクーラント穴10A,10Aがそれぞれ開口させられており、切削加工の際には、このクーラント穴10A,10Aから切削部位にクーラントが供給される。
【0012】
ここで、本実施形態では、切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側を向く内壁面13Aと先端逃げ面12との交差稜線部に形成される切刃13について、図2に示すように、その外周側が、ドリル回転方向T前方側に凸となる曲線状をなす凸曲線状切刃部15とされ、この凸曲線状切刃部15よりも内周側が、ドリル回転方向T後方側に凹となる曲線状をなして凸曲線状切刃部15に滑らかに接して連なる凹曲線状切刃部16とされている。
これにより、これら凸凹曲線状切刃部15,16間で切刃14は軸線O方向の先端側から見て緩やかに湾曲するS字状を呈することとなる。
【0013】
また、切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側及び後方側を向く内壁面13A,13Bの先端側には、内壁面13Aの内周側部分からこの内壁面13Aに接続される内壁面13Bの内周側部分及び外周側部分までの先端逃げ面12(第一逃げ面12A及び第二逃げ面12B)との交差稜線部分が、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように斜めに切り欠かれることによって、ヒール部17Aを含むランド部17にまで達するようなシンニング部20が形成されている。
【0014】
したがって、切刃14の内周端側は、このシンニング部20と第一逃げ面12Aとの交差稜線部に形成されて、切刃14における凹曲線状切刃部16の内周端から先端逃げ面12の中心に位置する軸線Oに向けて延びるシンニング切刃部21とされている。
なお、切刃14において、シンニング切刃部21と凹曲線状切刃部16とが交差する部分は、軸線O方向の先端側から見てドリル回転方向T前方側に凸となる曲線または直線によって滑らかに接続されている。
【0015】
この切屑排出溝13の両内壁面13A,13Bに交差して内周側及び軸線O方向の先端側に向けて延びるシンニング部20において、切屑排出溝13の両内壁面13A,13B同士の接続部分(切屑排出溝13の溝底)と交差してシンニング切刃部21に連なる部分は、ドリル回転方向T前方側を向いて、軸線O方向に沿って延在する平面状の第一シンニング面22とされている。
また、シンニング部20において、切屑排出溝13におけるドリル回転方向T後方側を向く内壁面13Bと交差して第二逃げ面12Bに連なる部分は、ドリル回転方向T後方側を向いて、ランド部17(ヒール部17Aを含む)にまで達するように延在し、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように傾斜する平面状の第二シンニング面23とされている。
【0016】
そして、シンニング部20は、これを構成する第一シンニング面22と第二シンニング面23とが鈍角に交差させられて谷形をなしており、これら第一シンニング面22と第二シンニング面23との交差部分は、切屑排出溝13の両内壁面13A,13B同士の接続部分(切屑排出溝13の溝底)から、切刃14の内周端(シンニング切刃部21の内周端)に向けて、つまり、先端逃げ面12の中心に位置する軸線Oに向けて延びるように延在し、内周側に向かうにしたがい軸線O方向の先端側に向かうように傾斜する谷底部24となっている。
【0017】
シンニング部20における谷底部24は、その延在方向に直交する断面で見たときに、凹曲線状となるように凹曲させられていて、この断面がなす凹曲線の曲率半径が、谷底部24における内周端部から外周端部に向かうにしたがって、例えば一定の変化傾向で漸次増大するようになっている。
また、谷底部24の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径は、谷底部24の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径に対して、1.1倍〜30.0倍に設定されており、より具体的には、谷底部24における内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.1mm〜0.5mmの範囲に設定されているとともに、谷底部24における外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.11mm〜15.0mmの範囲に設定されている。
【0018】
ここで、刃先部11における一対の切屑排出溝13,13を除く外周面、すなわちランド部17は、軸線Oに直交する断面で見たとき、図2から理解できるように、切屑排出溝13のドリル回転方向T前方側を向く内壁面13Aの外周側稜線部に交差して、軸線Oを中心とした略円弧状をなすマージン部18Aと、このマージン部18のドリル回転方向T後方側に連なり、マージン部18Aがなす円弧よりも一段小さい外径を有する軸線Oを中心とした略円弧状をなす二番取り面18Bとから構成されている。
また、これらマージン部18Aと二番取り面18Bとは、切屑排出溝13と同様に、先端逃げ面12に交差する部分から軸線O方向の後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるようにして、刃先部11の軸線O方向での略全長に亘って形成されている。
【0019】
上述したような構成とされた本実施形態のドリルは、その工具本体10が、軸線O回りに回転されながら軸線O方向の先端側へ向かって送られていくことによって、被削材に穴明け加工を施すものであり、切刃14,14にて生成される切屑を、切屑排出溝13,13の両内壁面13A,13A,13B,13Bによってカールさせつつ切屑排出溝13,13内の後端側へ向けて排出していくことにより、この穴明け加工が継続されていく。
このとき、シンニング切刃部21,21にて生成される切屑は、これらに連なるシンニング部20,20における谷底部24,24に突き当たることによってカールさせられた後に、シンニング部20,20から切屑排出溝13,13内に誘導され、そして、切屑排出溝13,13内の後端側へ向けて排出されるようになっている。
【0020】
本実施形態のドリルによれば、シンニング部20における谷底部24を断面凹曲線状に凹曲させ、しかも、その曲率半径を内周端部から外周端部に向かうにしたがって漸次増大させていることから、上記のシンニング切刃部20にて生成される切屑のうち、内周側よりも周速の大きい外周側のシンニング切刃部20にて生成される多量の切屑を、大きな曲率半径で断面凹曲線状に凹曲する谷底部24によって、スムーズかつ確実にカールさせることが可能となっている。
そのため、切屑排出性が良好に維持されるのであり、切削抵抗を低減できて、安定した穴明け加工を継続していくことができる。
【0021】
同じく、シンニング部20の谷底部24の断面がなす凹曲線の曲率半径を内周端部から外周端部に向かうにしたがい漸次増大させたことにより、シンニング切刃部21にて生成される切屑を、シンニング部20の谷底部24によってカールさせた後に、これを切屑排出溝13内へ誘導しやすくなり、これによっても、切屑排出性をさらに向上して、切削抵抗のさらなる低減を図ることができる。
【0022】
また、本実施形態によるドリルでは、シンニング部20における谷底部24の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、谷底部24の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径に対して、1.1倍〜30.0倍の範囲に設定されていることから、刃先部12の強度を損ねたりせずに、シンニング切刃部21の外周側にて生成される切屑をスムーズにカールさせるのに十分な曲率半径を、谷底部24の外周側に与えることができている。
ここで、谷底部24の断面がなす凹曲線について、外周端部での曲率半径が、内周端部での曲率半径に対して、1.1倍より小さくなっていると、周速の大きい外周側のシンニング切刃部21から生成される多量の切屑を、スムーズにカールさせることができなくなってしまうおそれがあり、逆に、30.0倍より大きくなっていたとしても、刃先部12を大きく切り欠く必要が生じて、この刃先部12の強度を損ねてしまうおそれがある。
なお、上述したようなおそれを確実になくすためには、谷底部24の断面がなす凹曲線について、外周端部での曲率半径は、内周端部での曲率半径に対して、5倍〜20倍の範囲に設定されていることがより好ましい。
【0023】
さらに、本実施形態のドリルでは、シンニング部20における谷底部24の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.1mm〜0.5mmの範囲に設定されているとともに、谷底部24の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.11mm〜15.0mmの範囲に設定されていることから、このシンニング部20における谷底部24を、より適切な形状に凹曲することができている。
ここで、谷底部24の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.1mmより小さくなると、周速の小さい内周側のシンニング切刃部21から生成される少量の切屑といえども、スムーズなカーリングができなくなって、これに起因する不具合が生じるおそれを否めず、逆に、0.5mmより大きくなっても、切刃14の内周端(シンニング切刃部21の内周端)を、先端逃げ面12の中心に位置する軸線Oに近づけることができなくなってしまうおそれが生じてしまう。
一方、谷底部24の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.11mmより小さくなると、周速の大きい外周側のシンニング切刃部21から生成される多量の切屑を、スムーズにカールさせることができなくなってしまうおそれがあり、逆に、15.0mmより大きくなっていたとしても、刃先部12を大きく切り欠く必要が生じて、この刃先部12の強度を損ねてしまうおそれがある。
なお、上述したようなおそれを確実になくすためには、谷底部24の断面がなす凹曲線について、内周端部での曲率半径は、0.1mm〜0.3mmの範囲に設定され、また、外周端部での曲率半径は、0.5mm〜2.0mmの範囲に設定されていることが好ましい。
【0024】
また、上述してきたようなドリルにおいては、ドリル本体10における刃先部11の表面、すなわち、刃先部11の外周面であるランド部17、先端逃げ面12、切屑排出溝13の内壁面13A,13B及びシンニング部20などの表面に対して、TiN、TiCN、TiAlN等の硬質皮膜を被覆することにより、耐摩耗性を向上させることを狙う場合がある。
このような場合、刃先部12における少なくともシンニング部20の表面、つまり、第一シンニング面22、第二シンニング面23及び谷底部24の表面に対して、例えばダイヤモンド粒子等の硬質粒子を含んだペーストをブラシに塗布して磨いたりするポリッシュ加工を施して、その表面粗さRa(JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さ)をRa=0.1μm〜0.3μm程度にする(ポリッシュ加工を施す前の状態では、Ra=0.5μm〜1.0μm程度)ことにより、上述したシンニング切刃部21にて生成される切屑のスムーズなカーリングをより円滑に促すことができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シンニング部の谷底部を断面凹曲線状に凹曲させるとともに、その曲率半径を外周側に向けて大きくなるように設定したことから、シンニング切刃部にて生成される切屑のうち、内周側よりも周速の大きい外周側のシンニング切刃部にて生成される量の多い切屑を、大きな曲率半径で凹曲するシンニング部の谷底部によってスムーズにカールさせることが可能となる。したがって、切屑排出性が良好に維持され、切削抵抗を低減できて、安定した穴明け加工を継続していくことができる。
しかも、シンニング部の谷底部の断面がなす凹曲線の曲率半径を外周側に向けて大きくしたことによって、シンニング切刃部にて生成される切屑が、シンニング部の谷底部によってカールさせられた後に、切屑排出溝内へ誘導されやすくなり、これによっても、切屑排出性をより向上させて、切削抵抗のさらなる低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるドリルの刃先部を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態によるドリルの刃先部を示す先端面図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体
11 刃先部
12 先端逃げ面
13 切屑排出溝
13A ドリル回転方向前方側を向く壁面
13B ドリル回転方向後方側を向く壁面
14 切刃
20 シンニング部
21 シンニング切刃部
22 第一シンニング面
23 第二シンニング面
24 谷底部
Claims (3)
- 軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面と前記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、
前記切屑排出溝の内壁面の先端側には、前記切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていて、
このシンニング部は、前記切刃の内周端に向けて延びる凹曲する谷底部を有した谷形をなし、かつ、前記谷底部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、外周側に向かうにしたがい増大させられていることを特徴とするドリル。 - 請求項1に記載のドリルにおいて、
前記谷底部の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、前記谷底部の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径に対して、1.1倍〜30.0倍に設定されていることを特徴とするドリル。 - 請求項1または請求項2に記載のドリルにおいて、
前記谷底部の内周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.1mm〜0.5mmの範囲に設定されているとともに、前記谷底部の外周端部の断面がなす凹曲線の曲率半径が、0.11mm〜15.0mmの範囲に設定されていることを特徴とするドリル。
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- 2003-03-03 JP JP2003055488A patent/JP2004261930A/ja active Pending
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