JP4055141B2 - ドリル、スローアウェイ式ドリル及びスローアウェイチップ - Google Patents

ドリル、スローアウェイ式ドリル及びスローアウェイチップ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークに対して加工穴を形成するための穴明け加工に用いられるドリル(スローアウェイ式ドリル)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、軸線回りに回転されるドリル本体の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面の先端側領域であるすくい面とドリル本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、すくい面の先端側に、切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていることにより、この切刃の内周端側が、先端面の中心に向けて延びるシンニング切刃部とされているものが知られている(特許文献1参照)。
このようなドリルは、そのドリル本体が、軸線回りに回転されながら軸線方向の先端側へ向かって送られていくことにより、ワークに対して穴明け加工を施すものであり、切刃にて生成される切屑を、すくい面及びシンニング部でカールさせて長さ方向に細かく分断しつつ、切屑排出溝内の後端側へ向けて排出していくことで、この穴明け加工が継続されていく。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−287110号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のドリルでは、シンニング部の後端側部分とすくい面との交差部分が、これらシンニング部の後端側部分とすくい面とが交差してできるエッジ状をなしている。
そのため、シンニング切刃部を含めた切刃の全長から生成される切屑は、すくい面によってカールさせられる際に上記のエッジ状の部分に衝突することで、シンニング切刃部(切刃における内周端側の部分)から生成された切屑と、シンニング切刃部を除いた切刃である主切刃部(切刃における外周端側の部分)から生成された切屑とに分断されやすくなる、つまり、切刃の全長から連なって生成された切屑が幅方向に分断されやすくなってしまうのである。
【0005】
このようにして幅方向に分断された切屑は、各分断された切屑ごとの幅方向での周速の差(シンニング切刃部及び主切刃部のそれぞれごとの径方向での周速の差)が小さいことに起因してカールしにくくなるので、その長さ方向で細かく分断されることなく長く延びるように生成されてしまい(とくに、周速の大きい主切刃部から生成される多量の切屑が長く延びてしまう)、切屑詰まりを生じさせやすく、切屑排出性を悪化させるという問題があった。
このような問題は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端面に開口するチップ取付座に、チップ本体のドリル回転方向前方側を向く壁面であるすくい面とチップ本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたスローアウェイチップ(以下、チップと称する)が装着されたスローアウェイ式ドリルであっても同様である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、切刃にて生成される切屑を幅方向に分断することなく、この切屑を確実にカールさせて長さ方向に細かく分断し、切屑排出性を良好に保つことができるドリル、スローアウェイ式ドリル及びこれに装着されるチップを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、以下のような構成を採用した。
すなわち、本発明によるドリルは、軸線回りに回転されるドリル本体の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面の先端側領域であるすくい面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルであって、前記すくい面の先端側には、前記切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていて、このシンニング部の後端側部分と前記すくい面との交差部分が、これらシンニング部の後端側部分とすくい面とが滑らかに接続されるよう凸曲面状に加工されていることを特徴とするものである。
また、本発明によるスローアウェイ式ドリルは、軸線回りに回転されるドリル本体の先端面に開口するチップ取付座に、チップ本体のドリル回転方向前方側を向く壁面であるすくい面と前記チップ本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたチップが装着されたスローアウェイ式ドリルであって、前記すくい面の先端側には、前記切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていて、このシンニング部の後端側部分と前記すくい面との交差部分が、これらシンニング部の後端側部分とすくい面とが滑らかに接続されるよう凸曲面状に加工されていることを特徴とするものである。
また、本発明によるチップは、本発明のスローアウェイ式ドリルに装着されるチップであって、前記シンニング部の後端側部分と前記すくい面との交差部分が、これらシンニング部の後端側部分とすくい面とが滑らかに接続されるよう凸曲面状に加工されていることを特徴とするものである。
【0008】
このような本発明によれば、切刃の全長から連なって生成される切屑が、すくい面及びシンニング部でカールさせられる際にシンニング部の後端側部分とすくい面との交差部分に衝突しても、この交差部分が凸曲面状に加工されていることによって幅方向には分断されにくくなる。
したがって、幅方向に分断されない切屑は、その幅方向での周速の差が大きいために確実にカールさせられて、長さ方向に細かく分断されることとなり、切屑詰まりを生じさせることなく、切屑排出性を良好に保つことが可能となる。
ここで、凸曲面状に加工された前記交差部分の断面がなす凸曲線の曲率半径は、0.5mm〜30.0mmの範囲に設定されていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をスローアウェイ式ドリルに適用したときの実施形態を添付した図1〜図5を参照しながら説明する。
本実施形態によるスローアウェイ式ドリルのドリル本体10は、図1〜図2に示すように、その後端側部分であるシャンク部(図示略)に対して先端側部分が一段縮径するような、軸線O回りに回転される軸線Oを中心とした略多段円柱状をなしている。
ドリル本体10の先端側部分の外周には、ドリル本体10の先端面11に開口する一対の切屑排出溝12,12が、軸線Oを挟んで互いに反対側に、軸線O方向の後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるように螺旋状に形成されている。
【0010】
また、ドリル本体10の先端部13には、ドリル本体10の先端面11に開口して後端側に凹むような凹溝状のチップ取付座14が、軸線Oに対する直径方向に延びるように形成されている。
このチップ取付座14は、先端側を向いて軸線Oに直交する底面14Aと、底面14Aから屹立するとともに、互いに平行かつ軸線Oに平行で、ドリル本体10の先端面11に交差する一対の内側面14B,14Bとを備えており、底面14Aと内側面14B,14Bとに沿った側面視で、ドリル本体10の先端面11に向かって「コ」字状に開口するようになっている。
【0011】
詳述すると、チップ取付座14は、ドリル本体10の先端部13において、切屑排出溝12,12の先端側におけるドリル回転方向T前方側を向く壁面同士の間が、軸線Oに対する直径方向に切り欠かれるようにして形成されたものであり、この直径方向の両端側部分において、切屑排出溝12,12にそれぞれ連通させられている。
【0012】
つまり、軸線Oに対する直径方向に延びるチップ取付座14において、底面14Aは、その直径方向の両端側に位置する一対の外周側端部がそれぞれドリル本体10の外周面に交差しているのに対し、一対の内側面14B,14Bのそれぞれは、その直径方向の両端側に位置する一対の外周側端部のうち、ドリル回転方向T前方側に向けられた領域に位置する一方の外周側端部のみがドリル本体10の外周面に交差し、他方の外周側端部がドリル本体10の外周面に達することなく切屑排出溝12におけるドリル回転方向T後方側を向く壁面に交差しているのである。
【0013】
ここで、切屑排出溝12,12におけるドリル回転方向T後方側を向く壁面の先端側には、これらドリル回転方向T後方側を向く壁面とドリル本体10の先端面11との交差稜線部が切り欠かれるようにして、後述するチップ本体20に形成されたシンニング部26,26の第二シンニング面26B,26Bと連続する本体側第二シンニング面26D,26Dが形成されており、ドリル本体10の先端面11に交差するチップ取付座14における一対の内側面14B,14Bは、これら本体側第二シンニング面26D,26Dにも交差するようになっている。
【0014】
そして、チップ取付座14における一対の内側面14B,14Bのそれぞれには、軸線O方向に沿って延びる複数のガイド溝15…が、軸線Oに直交する方向に所定間隔で配列されるように形成されているのであるが、これら一対の内側面14B,14Bのそれぞれにおいて、本体側第二シンニング面26D,26Dの(軸線O方向の)後端側に連なる部分(先端側が本体側第二シンニング面26D,26Dに交差する部分)は、上記のガイド溝15…が形成されないで、平坦面状をなすようになっている。
【0015】
すなわち、チップ取付座14における一対の内側面14B,14Bのそれぞれには、一対の外周側端部のうちの切屑排出溝12の壁面に交差する他方の外周側端部を含んで(軸線O近傍に位置する)本体側第二シンニング面26Dの後端側に連なる部分を除く領域、つまり、一対の外周側端部のうちのドリル本体10の外周面に交差する一方の外周側端部を含んでドリル回転方向T前方側に向けられた領域に、上記のガイド溝15…が複数配列されて形成されているのである。
【0016】
そのため、ドリル本体10を軸線O方向の先端側から見た先端面視では、図2に示すように、一対の内側面14B,14Bと本体側第二シンニング面26D,26Dとの交差稜線部が、それぞれ直線状をなし、かつ、一対の内側面14B,14Bと本体側第二シンニング面26D,26Dを除いた先端面11との交差稜線部が、複数のガイド溝15…の形状が反映されてそれぞれ波形状をなしている。
【0017】
なお、ドリル本体10の先端部13には、一対の切屑排出溝12,12間に画成されたドリル本体10の外周面が切り欠かれることによって、ドリル本体10の後端から軸線Oに沿って延びて途中で分岐したクーラント穴が開口するクーラント吐出部16,16が形成されており、穴明け加工の際には、これらのクーラント吐出部16,16を通して切削部位にクーラントが供給される。
【0018】
一方、このようなチップ取付座14に固定されて装着されるチップのチップ本体20は、超硬合金等の硬質材料により、図3〜図5に示すような概略偏5角形の略平板状に形成されたものであり、その略中央部から後端面22までの部分が、チップ本体20の厚み方向に対して斜めに交差するように切り欠かれることによって、後述するクランプボルト18が挿入される切欠部23が形成されている。
【0019】
チップ本体20の先端面21は、チップ本体20がチップ取付座14に装着された状態で、軸線Oから外周側に向かうにしたがい漸次後退する二等辺三角形状(V字状)をなすように形成されている。
また、チップ本体20の一対の外側面24,24のそれぞれにおいて、ドリル回転方向T前方側を向く壁面は、ドリル回転方向T後方側に向かって凹となる概略凹曲面状のすくい面24A,24Aとされており、これらすくい面24A,24Aとチップ本体20の先端面21との交差稜線部に、それぞれ切刃25,25が形成されている。
【0020】
そして、各すくい面24Aの先端側には、チップ装着状態で、チップ本体20の外側面24においてすくい面24Aとこれ以外の部分とが交差する付近あたりから、チップ本体20の先端面21の中心に位置する軸線O近傍までの領域が、軸線O方向の先端側に向かうにしたがいドリル回転方向T前方側に向かうように斜めに切り欠かれることによって、切刃25の内周端側に連なるとともに、外側面24におけるすくい面24A以外の部分にまで達するようなシンニング部26が形成されている。
【0021】
これにより、切刃25の内周端側の部分は、シンニング部26と先端面21との交差稜線部に形成されて、先端面21の中心に位置する軸線Oに向けて延びるシンニング切刃部25Aとされる。
つまり、切刃25は、この切刃25における内周端側の部分であるシンニング切刃部25Aと、この切刃25における外周端側の部分であって、上記のシンニング切刃部25Aを除いた切刃25である主切刃部25Bとから構成されているのである。
【0022】
このすくい面24Aに交差してドリル本体内周側及び軸線O方向の先端側に向けて延びるシンニング部26において、シンニング切刃部25Aに連なる部分は、ドリル回転方向T前方側を向いて、軸線O方向に沿って延在する平面状の第一シンニング面26Aとされている。
同じくシンニング部26において、外側面24におけるすくい面24A以外の部分に連なる部分は、ドリル回転方向T後方側を向いて、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように傾斜する平面状の第二シンニング面26Bとされている。
【0023】
シンニング部26は、これを構成する第一シンニング面26Aと第二シンニング面26Bとが鈍角に交差させられて谷形をなしており、これら第一シンニング面26Aと第二シンニング面26Bとの交差部分は、すくい面24Aに交差する部分から、切刃25の内周端(シンニング切刃部25Aの内周端)に向けて、つまり、先端面21の中心に位置する軸線Oに向けて延びるように延在し、ドリル本体内周側に向かうにしたがい軸線O方向の先端側に向かうように傾斜する谷底部26Cとなっている。
【0024】
また、図5に示すシンニング部26の開き角α、つまり、シンニング部26における第一シンニング面26Aに対向して見たとき(軸線O方向の先端側から見た図4において、シンニング切刃部25A・第一シンニング面26Aに対して約90゜傾斜する方向から見たとき)において、シンニング部26の谷底部26Cが軸線Oに対してなす傾斜角は、20゜〜50゜の範囲に設定されている。
【0025】
そして、本実施形態では、シンニング部26の後端側部分とすくい面24との交差部分28、より具体的に言えば、シンニング部26を構成する第二シンニング面26Bの後端側部分と、すくい面24Aにおける内周側部分(すくい面24Aにおいて、ドリル本体外周側を向く部分・外側面24におけるすくい面24A以外の部分に対して接続される部分)との交差部分28が、ドリル本体外周側へ向けて凸となるような緩やかな凸曲面状に加工されて、シンニング部26の後端側部分とすくい面24Aとが滑らかに接続されている。
ここで、軸線Oに沿った方向での断面で見たときには、凸曲面状に加工された交差部分28の断面がなす凸曲線の曲率半径が、0.5mm〜30.0mmの範囲に設定されている。
【0026】
そして、一対の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分のそれぞれには、チップ装着状態で軸線O方向に沿って延びる複数の凸部27…が、軸線Oに直交する方向に所定間隔で配列されるように形成されているのであるが、これら一対の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分のそれぞれにおいて、シンニング部26における第二シンニング面26B,26Bの(軸線O方向の)後端側に連なる部分(先端側がシンニング部26における第二シンニング面26B,26Bに交差する部分)は、上記の凸部27…が形成されないで、平坦面状をなすようになっている。
【0027】
すなわち、チップ本体20の一対の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分のそれぞれには、チップ装着状態で、(軸線O近傍に位置する)シンニング部26の第二シンニング面26Bの後端側に連なる部分を除く領域、つまり、ドリル回転方向T前方側に向けられるすくい面24Aと反対側に位置してドリル回転方向T後方側に向けられる領域に、上記の凸部27…が複数配列されて形成されているのである。
【0028】
そのため、チップ装着状態で、チップ本体20を軸線O方向の先端側から見た先端面視では、図4に示すように、一対の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分とシンニング部26,26の第二シンニング面26B,26Bとの交差稜線部が、それぞれ直線状をなし、かつ、一対の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分とシンニング部26,26の第二シンニング面26B,26Bを除いた先端面21との交差稜線部が、複数の凸部27…の形状が反映されてそれぞれ波形状をなしている。
【0029】
このような構成とされたチップは、ドリル本体10の先端部13に形成された凹溝状のチップ取付座14に対し、チップ本体20の厚み方向をチップ取付座14の延びる直径方向に直交させた状態で、軸線O方向の後端側へ向かってスライドさせられることによって挿入される。
また、このチップの挿入は、チップ取付座14の内側面14B,14Bに形成されたガイド溝15…に、チップ本体20の外側面24,24に形成された凸部27…を噛合させつつ行われる。
【0030】
これにより、チップ本体20の後端面22が、チップ取付座14の底面14Aに対向配置させられて互いに密着させられ、かつ、チップ本体20の外側面24,24におけるすくい面24A,24Aが、それぞれ切屑排出溝12,12内に開放されてドリル回転方向T前方側に向けられるとともに、チップ本体20の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分が、それぞれチップ取付座14の内側面14B,14Bに対向配置させられる。
【0031】
このとき、チップ本体20の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分のうちで、ドリル回転方向T後方側を向いて複数の凸部27…が形成された部分は、チップ取付座14の内側面14B,14Bのうちで、ドリル回転方向T前方側を向いて複数のガイド溝15…が形成された部分と、それぞれ対向配置させられ、凸部27…とガイド溝15…とが互いに噛合させられた状態となっている。
【0032】
さらに、このとき、チップ本体20の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分のうちで、シンニング部26における第二シンニング面26B,26Bの後端側に連なる平坦面状の部分は、チップ取付座14の内側面14B,14Bのうちで、本体側第二シンニング面26D,26Dの後端側に連なる平坦面状の部分と、それぞれ対向配置させられ、これら平坦面状の部分の先端側に連なる第二シンニング面26B,26Bと本体側第二シンニング面26D,26Dとが連続した状態となっている。
【0033】
そして、ドリル本体10の先端部13に穿設されて、チップ取付座14をその幅方向に対して斜めに傾斜するように交差しているクランプ孔17に、クランプボルト18が、チップ取付座14に挿入されたチップ本体20の切欠部23を貫通するようにしてねじ込まれる。
これにより、チップ取付座14の一対の内側面14B,14Bが互いに接近しあうようにドリル本体10の先端部13が弾性変形させられて、これら一対の内側面14B,14Bがチップ本体20の一対の外側面24,24を強固に押圧した状態となり、互いに噛合させられる凸部27…及びガイド溝15…同士も強固に密着させられて、チップがチップ取付座14に固定されて装着される。
【0034】
上述したような構成とされた本実施形態のスローアウェイ式ドリルは、その工具本体10が、軸線O回りに回転されながら軸線O方向の先端側へ向かって送られていくことによって、被削材に穴明け加工を施すようになっており、チップ本体20の切刃25,25にて生成される切屑を、すくい面24A,24A及びシンニング部26,26でカールさせて長さ方向に細かく分断しつつ、切屑排出溝12,12内の後端側へ向けて排出していくことで、この穴明け加工が継続されていく。
【0035】
ここで、切刃25の全長から連なって生成される切屑が、すくい面24A,24A及びシンニング部26,26でカールさせられる際には、この切屑が、シンニング部26における第二シンニング面26Bの後端側部分と、すくい面24Aにおける内周側部分との交差部分28にも衝突することになる。
これに対し、本実施形態では、上記の交差部分28が緩やかな凸曲面状に加工されていて、シンニング部26の後端側部分とすくい面24とが滑らかに接続されていることから、切刃25の全長から生成される切屑は、上記の交差部分28に衝突したとしても、シンニング切刃部25Aから生成される切屑と主切刃部25Bから生成される切屑とに分断されてしまうおそれがない(幅方向に分断されてしまうおそれがない)。
【0036】
したがって、幅方向に分断されず連なって生成されてきた切屑は、その幅方向での周速の差(切刃25の径方向での周速の差)が大きく確保されているために、確実にカールさせられて、長さ方向に細かく分断されることとなるので、切屑詰まりを生じさせることがなくなって、切屑排出性を良好に保ち、安定した穴明け加工を継続していくことが可能となる。
【0037】
また、本実施形態のスローアウェイ式ドリルでは、シンニング部26の後端側部分とすくい面24Aとの交差部分の断面がなす凸曲線の曲率半径を、0.5mm〜30.0mmの範囲(好ましくは、5.0mm〜10.0mmの範囲)に設定し、しかも、シンニング部26の開き角αを、20゜〜50゜の範囲(好ましくは、30゜〜40゜の範囲)に設定しているため、切刃25にて生成された切屑が交差部分28に衝突したときの衝撃を十分に緩和することが可能となっているとともに、切屑をより確実かつスムーズにカールさせることが可能となっている。
【0038】
なお、本実施形態は、本発明をスローアウェイ式ドリル及びこれに装着されるスローアウェイチップに適用したものとして説明しているが、これに限定されることはなく、例えば、軸線回りに回転されるドリル本体の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面の先端側領域であるすくい面とドリル本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成され、かつ、すくい面の先端側には、切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されたようなソリッドタイプのドリルであっても、本発明を適用することで、上述の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、切刃の全長から連なって生成される切屑が、すくい面及びシンニング部でカールさせられる際に、シンニング部の後端側部分とすくい面との交差部分に衝突しても、この交差部分が凸曲面状に加工されていることによって幅方向には分断されにくくなる。
これにより、幅方向に分断されることがない切屑は、その幅方向での周速の差が大きく確保されるために確実にカールさせられ、長さ方向に沿って細かく分断されるので、切屑詰まりを生じさせることなく、切屑排出性を良好に保って、安定した穴明け加工を継続していくことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態によるスローアウェイ式ドリルの側面図である。
【図2】 本発明の実施形態によるスローアウェイ式ドリルの先端面図である。
【図3】 本発明の実施形態によるスローアウェイ式ドリルに装着されるチップの側面図である。
【図4】 本発明の実施形態によるスローアウェイ式ドリルに装着されるチップの先端面図である。
【図5】 図4におけるA方向矢視図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体
11 先端面
12 切屑排出溝
13 先端部
14 チップ取付座
20 チップ本体
21 先端面
22 後端面
24A すくい面
25 切刃
25A シンニング切刃部
25B 主切刃部
26 シンニング部
26A 第一シンニング面
26B 第二シンニング面
26C 谷底部
26D 本体側第二シンニング面
28 交差部分
O ドリル本体の軸線
T ドリル回転方向
α シンニング部の開き角

Claims (5)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面の先端側領域であるすくい面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルであって、
    前記すくい面の先端側には、前記切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていて、
    このシンニング部の後端側部分と前記すくい面との交差部分が、これらシンニング部の後端側部分とすくい面とが滑らかに接続されるよう凸曲面状に加工されていることを特徴とするドリル。
  2. 請求項1に記載のドリルにおいて、
    凸曲面状に加工された前記交差部分の断面がなす凸曲線の曲率半径が、0.5mm〜30.0mmの範囲に設定されていることを特徴とするドリル。
  3. 軸線回りに回転されるドリル本体の先端面に開口するチップ取付座に、チップ本体のドリル回転方向前方側を向く壁面であるすくい面と前記チップ本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたスローアウェイチップが装着されたスローアウェイ式ドリルであって、
    前記すくい面の先端側には、前記切刃の内周端側に連なるシンニング部が形成されていて、
    このシンニング部の後端側部分と前記すくい面との交差部分が、これらシンニング部の後端側部分とすくい面とが滑らかに接続されるよう凸曲面状に加工されていることを特徴とするスローアウェイ式ドリル。
  4. 請求項3に記載のスローアウェイ式ドリルにおいて、
    凸曲面状に加工された前記交差部分の断面がなす凸曲線の曲率半径が、0.5mm〜30.0mmの範囲に設定されていることを特徴とするスローアウェイ式ドリル。
  5. 請求項3または請求項4に記載のスローアウェイ式ドリルに装着されるスローアウェイチップであって、
    前記シンニング部の後端側部分と前記すくい面との交差部分が、これらシンニング部の後端側部分とすくい面とが滑らかに接続されるよう凸曲面状に加工されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
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