JP2005169572A - ドリル、スローアウェイ式ドリル及びスローアウェイチップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 軸線O方向の先端側から見たときに、シンニング切刃部31と、シンニング部30と先端面21との交差稜線部35のうちのシンニング切刃部31に接続される部分であるシンニング稜線部35とがなす狭角αを、120°〜170°の範囲に設定する。
【選択図】 図5
Description
このようなドリルは、そのドリル本体が、軸線回りに回転されながら軸線方向の先端側へ向かって送られていくことにより、ワークに対して穴明け加工を施すものであり、切刃にて生成される切屑を、すくい面及びシンニング部でカールさせて長さ方向に細かく分断しつつ、切屑排出溝内の後端側へ向けて排出していくことで、この穴明け加工が継続されていく。
これにより、ドリル本体の先端面1における中心付近を先端側へ向けて鋭利に突出させて、ドリル本体がワークに対して食い付いたときの安定性を確保しようとしているのである。
そのため、穴明け加工中にシンニング切刃部3の内周側部分から生成される切屑をスムーズに排出することができないという問題があり、結局は、ドリル本体の振れが生じて食い付き時の安定性が損なわれ、ドリル本体の直進性が得られずに加工穴の穴位置精度を良好に保つことができないのであった。
しかしながら、図7に示したようなシンニング部2を有するドリルにおいては、シンニング切刃部3とシンニング稜線部4との交差部5を上記のようにずらして配置したことに起因して、切削に作用するシンニング切刃部3の内周側部分にかかるドリル回転方向T後方側へ向けての切削抵抗を受け止める部分の肉厚が非常に小さくなってしまい、その強度不足によってシンニング切刃部3の欠損が生じてしまうおそれがあった。
すなわち、本発明によるドリルは、軸線回りに回転されるドリル本体の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面の先端側領域であるすくい面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、前記すくい面の先端側に、前記切刃の内周端側に連なるように前記先端面に交差して前記軸線に向けて延びるシンニング部が形成されていることにより、前記切刃の内周端側が、前記軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされていて、前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
また、本発明によるスローアウェイ式ドリルは、軸線回りに回転されるドリル本体の先端面に開口するチップ取付座に、チップ本体のドリル回転方向前方側を向く壁面であるすくい面と前記チップ本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたチップが装着されたスローアウェイ式ドリルにおいて、前記すくい面の先端側に、前記切刃の内周端側に連なるように前記先端面に交差して前記軸線に向けて延びるシンニング部が形成されていることにより、前記切刃の内周端側が、前記軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされていて、前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
また、本発明によるチップは、本発明のスローアウェイ式ドリルに装着されるチップであって、前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
このように、シンニング切刃部の内周側部分から生成される切屑のスムーズな排出が可能となっているのにも関わらず、従来のようにシンニング切刃部とシンニング稜線部とが交差しあってできる交差部をずらして配置するような必要がないので、シンニング切刃部の内周側部分にかかる切削抵抗を受け止める部分の肉厚が小さくならず、シンニング切刃部の強度を高く保つこともできる。
本実施形態によるスローアウェイ式ドリルのドリル本体10は、図1〜図2に示すように、その後端側部分であるシャンク部(図示略)に対して先端側部分が一段縮径するような、軸線O回りに回転される軸線Oを中心とした略多段円柱状をなしている。
ドリル本体10の先端側部分の外周には、ドリル本体10の先端面11に開口する一対の切屑排出溝12,12が、軸線Oを挟んで互いに反対側に、軸線O方向の後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるように螺旋状に形成されている。
このチップ取付座14は、先端側を向いて軸線Oに直交する底面14Aと、底面14Aから屹立するとともに、互いに平行かつ軸線Oに平行で、ドリル本体10の先端面11に交差する一対の内側面14B,14Bとを備えており、底面14Aと内側面14B,14Bとに沿った側面視で、ドリル本体10の先端面11に向かって「コ」字状に開口するようになっている。
また、チップ本体20の一対の外側面24,24のそれぞれにおいて、ドリル回転方向T前方側を向く壁面は、ドリル回転方向T後方側に向かって凹となる概略凹曲面状のすくい面24A,24Aとされており、これらすくい面24A,24Aとチップ本体20の先端面21との交差稜線部に、それぞれ切刃25,25が形成されている。
さらに、先端面21が上述したような二等辺三角形状をなすように形成されていることから、切刃25,25には所定の先端角が付されるようになっている。
つまり、切刃25は、この切刃25における内周端側の部分であるシンニング切刃部31と、この切刃25における外周端側の部分であって、上記のシンニング切刃部31を除いた切刃25である主切刃部25Aとから構成されているのである。
同じくシンニング部30において、外側面24におけるすくい面24A以外の部分に連なる部分は、ドリル回転方向T後方側を向いて、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように傾斜する凹曲面状(平面状であってもよい)の第二シンニング面33とされている。
また、同じくドリル本体10の先端面11を軸線O方向の先端側から見たとき、シンニング稜線部35Aとこのシンニング稜線部35Aのドリル回転方向T前方側に隣接する稜線部(先端面21における第一逃げ面21Aと第二逃げ面21Bとの交差稜線部21C)とがなす狭角βが、0°〜45°の範囲に設定されている(例えばβ=10°)。
また、このチップの挿入は、チップ取付座14の内側面14B,14Bに形成されたガイド溝15…に、チップ本体20の外側面24,24に形成された凸部26…を噛合させつつ行われる。
これにより、チップ取付座14の一対の内側面14B,14Bが互いに接近しあうようにドリル本体10の先端部13が弾性変形させられて、これら一対の内側面14B,14Bがチップ本体20の一対の外側面24,24を強固に押圧した状態となり、互いに噛合させられる凸部26…及びガイド溝15…同士も強固に密着させられて、チップがチップ取付座14に固定されて装着される。
したがって、穴明け加工中にシンニング切刃部31の内周側部分から生成される切屑のスムーズな排出を実現して、ドリル本体10の振れが生じることもなくなるので、ドリル本体10の直進性を得て加工穴の穴位置精度を良好に保つことができる。
なお、狭角αは、好ましくは130°〜170°の範囲に設定されるのがよい。
11 先端面
12 切屑排出溝
13 先端部
14 チップ取付座
20 チップ本体
21 先端面
24 外側面
25 切刃
25A 主切刃部
30 シンニング部
31 シンニング切刃部
32 第一シンニング面
33 第二シンニング面
35 交差稜線部
35A シンニング稜線部
35B 外周側シンニング稜線部
36 交差部
O ドリル本体の軸線
T ドリル回転方向
α 狭角
β 狭角
Claims (3)
- 軸線回りに回転されるドリル本体の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面の先端側領域であるすくい面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、
前記すくい面の先端側に、前記切刃の内周端側に連なるように前記先端面に交差して前記軸線に向けて延びるシンニング部が形成されていることにより、前記切刃の内周端側が、前記軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされていて、
前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするドリル。 - 軸線回りに回転されるドリル本体の先端面に開口するチップ取付座に、チップ本体のドリル回転方向前方側を向く壁面であるすくい面と前記チップ本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたスローアウェイチップが装着されたスローアウェイ式ドリルにおいて、
前記すくい面の先端側に、前記切刃の内周端側に連なるように前記先端面に交差して前記軸線に向けて延びるシンニング部が形成されていることにより、前記切刃の内周端側が、前記軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされていて、
前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするスローアウェイ式ドリル。 - 請求項2に記載のスローアウェイ式ドリルに装着されるスローアウェイチップであって、
前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
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JP2003413660A JP2005169572A (ja) | 2003-12-11 | 2003-12-11 | ドリル、スローアウェイ式ドリル及びスローアウェイチップ |
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-
2003
- 2003-12-11 JP JP2003413660A patent/JP2005169572A/ja active Pending
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