JP2005169572A - ドリル、スローアウェイ式ドリル及びスローアウェイチップ - Google Patents

ドリル、スローアウェイ式ドリル及びスローアウェイチップ Download PDF

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Abstract

【課題】 シンニング切刃部の強度を損ねることなく、このシンニング切刃部の内周側部分から生成される切屑をスムーズに排出してドリル本体の振れを生じさせない。
【解決手段】 軸線O方向の先端側から見たときに、シンニング切刃部31と、シンニング部30と先端面21との交差稜線部35のうちのシンニング切刃部31に接続される部分であるシンニング稜線部35とがなす狭角αを、120°〜170°の範囲に設定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ワークに対して加工穴を形成するための穴明け加工に用いられるドリル(スローアウェイ式ドリル)に関するものである。
従来より、軸線回りに回転されるドリル本体の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面の先端側領域であるすくい面とドリル本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、すくい面の先端側に、切刃の内周端側に連なるように先端面に交差して軸線に向けて延びるシンニング部が形成されていることにより、切刃の内周端側が、軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなドリルは、そのドリル本体が、軸線回りに回転されながら軸線方向の先端側へ向かって送られていくことにより、ワークに対して穴明け加工を施すものであり、切刃にて生成される切屑を、すくい面及びシンニング部でカールさせて長さ方向に細かく分断しつつ、切屑排出溝内の後端側へ向けて排出していくことで、この穴明け加工が継続されていく。
特開平7−237018号公報
ところで、上述した従来のドリルでは、図6(ドリル本体の先端面1をこのドリル本体の軸線O方向の先端側から見たときの要部拡大図)に示すように、シンニング部2を、先端面1の中心に位置する軸線Oに向けて延びるように形成し、シンニング切刃部3とシンニング稜線部4(シンニング部2と先端面1との交差稜線部のうちのシンニング切刃部3に接続される部分)とが交差しあってできる交差部5を、先端面1の中心に位置する軸線Oに近接した位置に配置している。
これにより、ドリル本体の先端面1における中心付近を先端側へ向けて鋭利に突出させて、ドリル本体がワークに対して食い付いたときの安定性を確保しようとしているのである。
しかしながら、図6に示したようなシンニング部2を有するドリルにおいては、軸線O方向の先端側から見たときに、シンニング切刃部3とシンニング稜線部4とがなす狭角αが小さく設定されているため、切削に作用するシンニング切刃部3の内周側部分、つまりシンニング切刃部3の軸線Oに近接する部分から生成される切屑を排出するための空間が非常に小さくなっている。
そのため、穴明け加工中にシンニング切刃部3の内周側部分から生成される切屑をスムーズに排出することができないという問題があり、結局は、ドリル本体の振れが生じて食い付き時の安定性が損なわれ、ドリル本体の直進性が得られずに加工穴の穴位置精度を良好に保つことができないのであった。
なお、シンニング切刃部3の内周側部分から生成される切屑のスムーズな排出を促すため、図7に示すように、シンニング切刃部3とシンニング稜線部4とが交差しあってできる交差部5を、先端面1の中心に位置する軸線Oに近接した位置よりもドリル回転方向T前方側にずれた位置に配置することにより、切削に作用するシンニング切刃部3の内周側部分から生成される切屑を排出するための空間を大きくしたドリルもある。
しかしながら、図7に示したようなシンニング部2を有するドリルにおいては、シンニング切刃部3とシンニング稜線部4との交差部5を上記のようにずらして配置したことに起因して、切削に作用するシンニング切刃部3の内周側部分にかかるドリル回転方向T後方側へ向けての切削抵抗を受け止める部分の肉厚が非常に小さくなってしまい、その強度不足によってシンニング切刃部3の欠損が生じてしまうおそれがあった。
このような問題は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端面に開口するチップ取付座に、チップ本体のドリル回転方向前方側を向く壁面であるすくい面とチップ本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたスローアウェイチップ(以下、チップと称する)が装着されたスローアウェイ式ドリルであっても同様である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、シンニング切刃部の強度を損ねることなく、このシンニング切刃部の内周側部分から生成される切屑をスムーズに排出してドリル本体の振れを生じさせることがないドリル、スローアウェイ式ドリル及びこれに装着されるチップを提供することを目的とする。
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、以下のような構成を採用した。
すなわち、本発明によるドリルは、軸線回りに回転されるドリル本体の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面の先端側領域であるすくい面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、前記すくい面の先端側に、前記切刃の内周端側に連なるように前記先端面に交差して前記軸線に向けて延びるシンニング部が形成されていることにより、前記切刃の内周端側が、前記軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされていて、前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
また、本発明によるスローアウェイ式ドリルは、軸線回りに回転されるドリル本体の先端面に開口するチップ取付座に、チップ本体のドリル回転方向前方側を向く壁面であるすくい面と前記チップ本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたチップが装着されたスローアウェイ式ドリルにおいて、前記すくい面の先端側に、前記切刃の内周端側に連なるように前記先端面に交差して前記軸線に向けて延びるシンニング部が形成されていることにより、前記切刃の内周端側が、前記軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされていて、前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
また、本発明によるチップは、本発明のスローアウェイ式ドリルに装着されるチップであって、前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、シンニング切刃部とシンニング稜線部とがなす狭角を上記のような範囲に設定したことから、シンニング切刃部のドリル回転方向前方側に位置してシンニング稜線部に連なる壁面を、シンニング切刃部の内周側部分に対してドリル回転方向前方側へ大きく離間して配置することができ、このシンニング切刃部の内周側部分から生成される切屑を排出するための空間を大きく確保することができる。そのため、穴明け加工中にシンニング切刃部の内周側部分から生成される切屑のスムーズな排出が実現され、ドリル本体の振れが生じることもなくなり、ドリル本体の直進性を得て加工穴の穴位置精度を良好に保つことができる。
このように、シンニング切刃部の内周側部分から生成される切屑のスムーズな排出が可能となっているのにも関わらず、従来のようにシンニング切刃部とシンニング稜線部とが交差しあってできる交差部をずらして配置するような必要がないので、シンニング切刃部の内周側部分にかかる切削抵抗を受け止める部分の肉厚が小さくならず、シンニング切刃部の強度を高く保つこともできる。
以下、本発明をスローアウェイ式ドリルに適用したときの実施形態を添付した図1〜図5を参照しながら説明する。
本実施形態によるスローアウェイ式ドリルのドリル本体10は、図1〜図2に示すように、その後端側部分であるシャンク部(図示略)に対して先端側部分が一段縮径するような、軸線O回りに回転される軸線Oを中心とした略多段円柱状をなしている。
ドリル本体10の先端側部分の外周には、ドリル本体10の先端面11に開口する一対の切屑排出溝12,12が、軸線Oを挟んで互いに反対側に、軸線O方向の後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるように螺旋状に形成されている。
また、ドリル本体10の先端部13には、ドリル本体10の先端面11に開口して後端側に凹むような凹溝状のチップ取付座14が、軸線Oに対する直径方向に延びるように形成されている。
このチップ取付座14は、先端側を向いて軸線Oに直交する底面14Aと、底面14Aから屹立するとともに、互いに平行かつ軸線Oに平行で、ドリル本体10の先端面11に交差する一対の内側面14B,14Bとを備えており、底面14Aと内側面14B,14Bとに沿った側面視で、ドリル本体10の先端面11に向かって「コ」字状に開口するようになっている。
詳述すると、チップ取付座14は、ドリル本体10の先端部13において、切屑排出溝12,12の先端側におけるドリル回転方向T前方側を向く壁面同士の間が、軸線Oに対する直径方向に切り欠かれるようにして形成されたものであり、この直径方向の両端側部分において、切屑排出溝12,12にそれぞれ連通させられている。
つまり、軸線Oに対する直径方向に延びるチップ取付座14において、底面14Aは、その直径方向の両端側に位置する一対の外周側端部がそれぞれドリル本体10の外周面に交差しているのに対し、一対の内側面14B,14Bのそれぞれは、その直径方向の両端側に位置する一対の外周側端部のうち、ドリル回転方向T前方側に向けられた領域に位置する一方の外周側端部のみがドリル本体10の外周面に交差し、他方の外周側端部がドリル本体10の外周面に達することなく切屑排出溝12におけるドリル回転方向T後方側を向く壁面に交差しているのである。
ここで、切屑排出溝12,12におけるドリル回転方向T後方側を向く壁面の先端側には、これらドリル回転方向T後方側を向く壁面とドリル本体10の先端面11との交差稜線部が切り欠かれるようにして、後述するチップ本体20に形成されたシンニング部30,30の第二シンニング面33,33と連続する本体側第二シンニング面33A,33Aが形成されており、ドリル本体10の先端面11に交差するチップ取付座14における一対の内側面14B,14Bは、これら本体側第二シンニング面33A,33Aにも交差するようになっている。
そして、チップ取付座14における一対の内側面14B,14Bのそれぞれには、軸線O方向に沿って延びる複数のガイド溝15…が、軸線Oに直交する方向に所定間隔で配列されるように形成されているのであるが、これら一対の内側面14B,14Bのそれぞれにおいて、本体側第二シンニング面33A,33Aの(軸線O方向の)後端側に連なる部分(先端側が本体側第二シンニング面33A,33Aに交差する部分)は、上記のガイド溝15…が形成されないで、平坦面状をなすようになっている。
すなわち、チップ取付座14における一対の内側面14B,14Bのそれぞれには、一対の外周側端部のうちの切屑排出溝12の壁面に交差する他方の外周側端部を含んで(軸線O近傍に位置する)本体側第二シンニング面33Aの後端側に連なる部分を除く領域、つまり、一対の外周側端部のうちのドリル本体10の外周面に交差する一方の外周側端部を含んでドリル回転方向T前方側に向けられた領域に、上記のガイド溝15…が複数配列されて形成されているのである。
そのため、ドリル本体10を軸線O方向の先端側から見た先端面視では、図2に示すように、一対の内側面14B,14Bと本体側第二シンニング面33A,33Aとの交差稜線部が、それぞれ直線状をなし、かつ、一対の内側面14B,14Bと本体側第二シンニング面33A,33Aを除いた先端面11との交差稜線部が、複数のガイド溝15…の形状が反映されてそれぞれ波形状をなしている。
なお、ドリル本体10の先端部13には、一対の切屑排出溝12,12間に画成されたドリル本体10の外周面が切り欠かれることによって、ドリル本体10の後端から軸線Oに沿って延びて途中で分岐したクーラント穴が開口するクーラント吐出部16,16が形成されており、穴明け加工の際には、これらのクーラント吐出部16,16を通して切削部位にクーラントが供給される。
一方、このようなチップ取付座14に固定されて装着されるチップのチップ本体20は、超硬合金等の硬質材料により、図3〜図4に示すような概略偏五角形の略平板状に形成されたものであり、その略中央部から後端面22までの部分が、チップ本体20の厚み方向に対して斜めに交差するように切り欠かれることによって、後述するクランプボルト18が挿入される切欠部23が形成されている。
チップ本体20の先端面21は、チップ本体20がチップ取付座14に装着された状態で、軸線Oから外周側に向かうにしたがい漸次後退する二等辺三角形状(V字状)をなすように形成されている。
また、チップ本体20の一対の外側面24,24のそれぞれにおいて、ドリル回転方向T前方側を向く壁面は、ドリル回転方向T後方側に向かって凹となる概略凹曲面状のすくい面24A,24Aとされており、これらすくい面24A,24Aとチップ本体20の先端面21との交差稜線部に、それぞれ切刃25,25が形成されている。
なお、チップ本体20の先端面21は、すくい面24A,24Aが交差することによって切刃25,25がドリル回転方向T前方側の稜線部に形成された第一逃げ面21A,21Aと、これら第一逃げ面21,21Aのドリル回転方向T後方側に連なる第二逃げ面21B,21Bとから構成された多段面状をなしていて、切刃25,25には、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい多段的に大きくなるような逃げが与えられている。
さらに、先端面21が上述したような二等辺三角形状をなすように形成されていることから、切刃25,25には所定の先端角が付されるようになっている。
そして、各すくい面24Aの先端側には、チップ装着状態で、チップ本体20の外側面24においてすくい面24Aとこれ以外の部分とが交差する付近あたりから、チップ本体20の先端面21の中心に位置する軸線Oに近接する位置までの領域が、軸線O方向の先端側に向かうにしたがいドリル回転方向T前方側に向かうように斜めに切り欠かれることによって、切刃25の内周端側に連なるように先端面21に交差してこの先端面21の中心に位置する軸線Oに向けて延びるとともに、外側面24におけるすくい面24A以外の部分にまで達するようなシンニング部30が形成されている。
これにより、切刃25の内周端側の部分は、シンニング部30と先端面21との交差稜線部に形成されて、先端面21の中心に位置する軸線Oに向けて延びる略直線状のシンニング切刃部31とされる。
つまり、切刃25は、この切刃25における内周端側の部分であるシンニング切刃部31と、この切刃25における外周端側の部分であって、上記のシンニング切刃部31を除いた切刃25である主切刃部25Aとから構成されているのである。
このすくい面24Aに交差してドリル本体内周側及び軸線O方向の先端側に向けて延びるシンニング部30において、シンニング切刃部31に連なる部分は、ドリル回転方向T前方側を向いて、軸線O方向に沿って延在する平面状の第一シンニング面32とされている。
同じくシンニング部30において、外側面24におけるすくい面24A以外の部分に連なる部分は、ドリル回転方向T後方側を向いて、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい軸線O方向の後端側に向かうように傾斜する凹曲面状(平面状であってもよい)の第二シンニング面33とされている。
シンニング部30は、これを構成する第一シンニング面32と第二シンニング面33とが鈍角に交差させられて谷形をなしており、これら第一シンニング面32と第二シンニング面33との交差部分は、すくい面24Aに交差する部分から、切刃25の内周端(シンニング切刃部31の内周端)に向けて、つまり、先端面21の中心に位置する軸線Oに向けて延びるように延在し、ドリル本体内周側に向かうにしたがい軸線O方向の先端側に向かうように傾斜する谷底部34となっている。
ここで、シンニング部30の第二シンニング面33と先端面21の第二逃げ面21Bとの交差稜線部35のうち、軸線Oに近接する位置に配置される交差部36を介してシンニング切刃部31に接続される部分をシンニング稜線部35A(シンニング部30の第二シンニング面33と先端面21の第二逃げ面21Bとの交差稜線部35の内周側部分)とし、このシンニング稜線部35Aの外周側に滑らかに連続する部分を外周側シンニング稜線部35B(シンニング部30の第二シンニング面33と先端面21の第二逃げ面21Bとの交差稜線部35の外周側部分)とする。
すると、本実施形態では、ドリル本体10の先端面11を軸線O方向の先端側から見たとき、その要部拡大図である図5に示されるように、シンニング稜線部35Aとシンニング切刃部31とが交差部36を介してなす狭角αが、120°〜170°の範囲に設定されている(例えばα=150°)。
また、同じくドリル本体10の先端面11を軸線O方向の先端側から見たとき、シンニング稜線部35Aとこのシンニング稜線部35Aのドリル回転方向T前方側に隣接する稜線部(先端面21における第一逃げ面21Aと第二逃げ面21Bとの交差稜線部21C)とがなす狭角βが、0°〜45°の範囲に設定されている(例えばβ=10°)。
さらに、シンニング部30の第二シンニング面33と先端面21の第二逃げ面21Bとの交差稜線部35のうち、シンニング稜線部35Aは、略直線状をなしているのに対し、外周側シンニング稜線部35Bは、ドリル回転方向T前方側へ向けて凸となる凸曲線状をなしている(外周側シンニング稜線部35Bが、シンニング稜線部35Aに滑らかに連続する略直線状をなしている、あるいは、シンニング稜線部35Aに所定の交差角をもって多段的に連続する略直線状をなしていてもよい)。
そして、一対の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分のそれぞれには、チップ装着状態で軸線O方向に沿って延びる複数の凸部26…が、軸線Oに直交する方向に所定間隔で配列されるように形成されているのであるが、これら一対の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分のそれぞれにおいて、シンニング部30における第二シンニング面33,33の(軸線O方向の)後端側に連なる部分(先端側がシンニング部30における第二シンニング面33,33に交差する部分)は、上記の凸部26…が形成されないで、平坦面状をなすようになっている。
すなわち、チップ本体20の一対の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分のそれぞれには、チップ装着状態で、(軸線O近傍に位置する)シンニング部30の第二シンニング面33の後端側に連なる部分を除く領域、つまり、ドリル回転方向T前方側に向けられるすくい面24Aと反対側に位置してドリル回転方向T後方側に向けられる領域に、上記の凸部26…が複数配列されて形成されているのである。
そのため、チップ装着状態で、チップ本体20を軸線O方向の先端側から見た先端面視では、図4に示すように、一対の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分とシンニング部30,30の第二シンニング面33,33との交差稜線部が、それぞれ直線状をなし、かつ、一対の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分とシンニング部30,30の第二シンニング面33,33を除いた先端面21との交差稜線部が、複数の凸部26…の形状が反映されてそれぞれ波形状をなしている。
このような構成とされたチップは、ドリル本体10の先端部13に形成された凹溝状のチップ取付座14に対し、チップ本体20の厚み方向をチップ取付座14の延びる直径方向に直交させた状態で、軸線O方向の後端側へ向かってスライドさせられることによって挿入される。
また、このチップの挿入は、チップ取付座14の内側面14B,14Bに形成されたガイド溝15…に、チップ本体20の外側面24,24に形成された凸部26…を噛合させつつ行われる。
これにより、チップ本体20の後端面22が、チップ取付座14の底面14Aに対向配置させられて互いに密着させられ、かつ、チップ本体20の外側面24,24におけるすくい面24A,24Aが、それぞれ切屑排出溝12,12内に開放されてドリル回転方向T前方側に向けられるとともに、チップ本体20の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分が、それぞれチップ取付座14の内側面14B,14Bに対向配置させられる。
このとき、チップ本体20の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分のうちで、ドリル回転方向T後方側を向いて複数の凸部26…が形成された部分は、チップ取付座14の内側面14B,14Bのうちで、ドリル回転方向T前方側を向いて複数のガイド溝15…が形成された部分と、それぞれ対向配置させられ、凸部26…とガイド溝15…とが互いに噛合させられた状態となっている。
さらに、このとき、チップ本体20の外側面24,24におけるすくい面24A,24A以外の部分のうちで、シンニング部30における第二シンニング面33,33の後端側に連なる平坦面状の部分は、チップ取付座14の内側面14B,14Bのうちで、本体側第二シンニング面33A,33Aの後端側に連なる平坦面状の部分と、それぞれ対向配置させられ、これら平坦面状の部分の先端側に連なる第二シンニング面33,33と本体側第二シンニング面33A,33Aとが連続した状態となっている。
そして、ドリル本体10の先端部13に穿設されて、チップ取付座14をその幅方向に対して斜めに傾斜するように交差しているクランプ孔17に、クランプボルト18が、チップ取付座14に挿入されたチップ本体20の切欠部23を貫通するようにしてねじ込まれる。
これにより、チップ取付座14の一対の内側面14B,14Bが互いに接近しあうようにドリル本体10の先端部13が弾性変形させられて、これら一対の内側面14B,14Bがチップ本体20の一対の外側面24,24を強固に押圧した状態となり、互いに噛合させられる凸部26…及びガイド溝15…同士も強固に密着させられて、チップがチップ取付座14に固定されて装着される。
上述したような構成とされた本実施形態のスローアウェイ式ドリルは、その工具本体10が、軸線O回りに回転されながら軸線O方向の先端側へ向かって送られていくことによって、ワークに穴明け加工を施すようになっており、チップ本体20の切刃25,25にて生成される切屑を、すくい面24A,24A及びシンニング部30,30でカールさせて長さ方向に細かく分断しつつ、切屑排出溝12,12内の後端側へ向けて排出していくことで、この穴明け加工が継続されていく。
このような本実施形態によれば、シンニング切刃部31とシンニング稜線部35Aとがなす狭角αを120°〜170°の範囲に設定したことから、シンニング切刃部31のドリル回転方向T前方側に位置してシンニング稜線部35Aに連なる壁面(第二シンニング面33)を、シンニング切刃部31の内周側部分に対してドリル回転方向T前方側へ大きく離間させて配置することができ、このシンニング切刃部31の内周側部分から生成される切屑を排出するための空間を大きく確保することができる。
したがって、穴明け加工中にシンニング切刃部31の内周側部分から生成される切屑のスムーズな排出を実現して、ドリル本体10の振れが生じることもなくなるので、ドリル本体10の直進性を得て加工穴の穴位置精度を良好に保つことができる。
ここで、上記の狭角αが120°より小さくなってしまうと、シンニング切刃部31の内周側部分から生成される切屑を排出するためのスペースを大きく確保することができなくなり、逆に、狭角αが170°より大きくなってしまっても、チップ本体20がシンニング部30によって切り欠かれる量が大きくなってチップ本体20の剛性を低下させてしまう。
なお、狭角αは、好ましくは130°〜170°の範囲に設定されるのがよい。
また、このようにシンニング切刃部31の内周側部分から生成される切屑のスムーズな排出が可能となっているのにも関わらず、従来のようにシンニング切刃部31とシンニング稜線部35Aとが交差しあってできる交差部36をずらして配置するような必要がないので、シンニング切刃部31の内周側部分にかかる切削抵抗を受け止める部分の肉厚を十分に大きく確保して、シンニング切刃部31の強度を高く保つこともできる。
なお、本実施形態は、本発明をスローアウェイ式ドリル及びこれに装着されるスローアウェイチップに適用したものとして説明しているが、これに限定されることはなく、例えば、軸線回りに回転されるドリル本体の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面の先端側領域であるすくい面とドリル本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成され、かつ、すくい面の先端側に、切刃の内周端側に連なるように先端面に交差して軸線に向けて延びるシンニング部が形成されたようなソリッドタイプのドリルであっても、本発明を適用することで、上述の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
本発明の実施形態によるスローアウェイ式ドリルの側面図である。 本発明の実施形態によるスローアウェイ式ドリルの先端面図である。 本発明の実施形態によるスローアウェイ式ドリルに装着されるチップの側面図である。 本発明の実施形態によるスローアウェイ式ドリルに装着されるチップの先端面図である。 図4における要部拡大図である。 従来のドリルの要部拡大先端面図である。 従来のドリルの要部拡大先端面図である。
符号の説明
10 ドリル本体
11 先端面
12 切屑排出溝
13 先端部
14 チップ取付座
20 チップ本体
21 先端面
24 外側面
25 切刃
25A 主切刃部
30 シンニング部
31 シンニング切刃部
32 第一シンニング面
33 第二シンニング面
35 交差稜線部
35A シンニング稜線部
35B 外周側シンニング稜線部
36 交差部
O ドリル本体の軸線
T ドリル回転方向
α 狭角
β 狭角

Claims (3)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く内壁面の先端側領域であるすくい面と前記ドリル本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、
    前記すくい面の先端側に、前記切刃の内周端側に連なるように前記先端面に交差して前記軸線に向けて延びるシンニング部が形成されていることにより、前記切刃の内周端側が、前記軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされていて、
    前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするドリル。
  2. 軸線回りに回転されるドリル本体の先端面に開口するチップ取付座に、チップ本体のドリル回転方向前方側を向く壁面であるすくい面と前記チップ本体の先端面との交差稜線部に切刃が形成されたスローアウェイチップが装着されたスローアウェイ式ドリルにおいて、
    前記すくい面の先端側に、前記切刃の内周端側に連なるように前記先端面に交差して前記軸線に向けて延びるシンニング部が形成されていることにより、前記切刃の内周端側が、前記軸線に向けて延びるシンニング切刃部とされていて、
    前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするスローアウェイ式ドリル。
  3. 請求項2に記載のスローアウェイ式ドリルに装着されるスローアウェイチップであって、
    前記軸線方向の先端側から見たときに、前記シンニング切刃部と、前記シンニング部と前記先端面との交差稜線部のうちの前記シンニング切刃部に接続される部分であるシンニング稜線部とがなす狭角が、120°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
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