JPH10328918A - ドリル及びその刃部 - Google Patents

ドリル及びその刃部

Info

Publication number
JPH10328918A
JPH10328918A JP13872597A JP13872597A JPH10328918A JP H10328918 A JPH10328918 A JP H10328918A JP 13872597 A JP13872597 A JP 13872597A JP 13872597 A JP13872597 A JP 13872597A JP H10328918 A JPH10328918 A JP H10328918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drill
margin
groove
blade
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13872597A
Other languages
English (en)
Inventor
Isamu Ozu
勇 尾頭
Tatsuya Hibi
達也 日比
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP13872597A priority Critical patent/JPH10328918A/ja
Publication of JPH10328918A publication Critical patent/JPH10328918A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drilling Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドリル加工の際の発熱を低減して、刃部の摩
耗を防止することができるドリル及びその刃部を提供す
ること。 【解決手段】 スローアウェイチップ3の両マージン8
a,8bに、スローアウェイチップ3の回転方向と平行
に、各マージン8a,8bを回転方向(板厚方向)に横
断してその両端面に至る各3本の溝21a1,21a2,
21a3,21b1,21b2,21b3が設けられてい
る。このマージン8a,8bは、スペードドリル1によ
って形成される穴の側面に当接する部分であり、そのた
め、穴の側面形状(外径)に対応して回転方向に円弧状
に湾曲する形状とされている。溝21は、断面略U字状
であり、各マージン8a,8bにおいて、略等間隔に配
置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばスペードド
リルやソリッドドリル等のドリル及びその刃部に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、穴明け加工(ドリル加工)に
使用されるドリルとして、例えばスペードドリルが知ら
れている。このスペードドリルとは、図7に示す様に、
刃部(スローアウェイチップ)P1が板状をなす直刃ド
リルであり、スローアウェイチップP1をホルダーP2
に取り付けて用いられる。このスペードドリルのスロー
アウェイチップP1は、略5角形状であり、その先端方
向には、シンニングP3やチップブレーカP4と呼ばれ
る刃先P5が設けられ、スローアウェイチップP1の外
周方向の側面側には、マージンP6が設けられている。
【0003】前記マージンP6は、ドリルによって空け
られる穴の側面に当接して、穴の側面の切削加工を行な
う部分であり、通常、僅かにバックテーパが設けられる
とともに、穴の形状(内径)に対応して、回転方向に円
弧状に湾曲している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記マージ
ンP6は、穴の側面にその全体がほぼ当接(べた当り)
するので、ドリルが高速で回転すると、スローアウェイ
チップP1の部分のうち、特にマージンP6部分にて高
温となり、その熱によってマージンP7に摩耗が発生し
易く、結果として、スローアウェイチップP1の寿命が
短くなってしまうという問題があった。
【0005】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、ドリル加工の際の発熱を低減して、刃
部の摩耗を防止することができるドリル及びその刃部を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1の発明は、被加工物に穴を空けるドリルの先
端側に配設された刃部において、刃部の先端側に刃先を
備えるとともに側面側にマージンを備え、マージンに穴
の側面に当接しない凹部を設けたことを特徴とするドリ
ルの刃部を要旨とする。
【0007】つまり、本発明では、従来の様にマージン
全体が穴の側面に接するのではなく、マージンに空けら
れた凹部では穴の側面に接しないので、マージンと穴の
側面との接触面積が少ない。そのため、ドリル加工の際
の刃部(特にマージン)における発熱が少ないので、マ
ージンの摩耗を低減することができる。
【0008】請求項2の発明は、凹部のマージン表面側
の面積が、マージンの面積の30〜80%であることを
特徴とする請求項1に記載のドリルの刃部を要旨とす
る。つまり、凹部のマージン表面側に開口する面積が、
マージンの面積の30%以上と十分に大きい場合には、
マージンと穴の側面との接触面積が少ないので、ドリル
加工の際の発熱が少なく、よってマージンの摩耗を低減
できる。
【0009】一方、凹部のマージン表面側に開口する面
積が、マージンの面積の80%以下の場合には、加工の
際に必要なマージンと穴の側面との十分な接触面積が得
られるとともに、マージンにおける強度を確保すること
ができる。請求項3の発明は、凹部の深さが、0.1〜
3mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の
ドリルの刃部を要旨とする。
【0010】つまり、凹部の深さが、0.1mm以上の
場合には、切削クズ等がつまりにくく、発熱も生じ難
い。よって、マージンの摩耗を低減できる。一方、凹部
の深さが、3mm以下の場合には、マージンにおける強
度を確保することができる。
【0011】請求項4の発明は、凹部は、マージンを横
断するように形成された溝であることを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載のドリルの刃部を要旨とす
る。つまり、本発明では、凹部として溝を採用してい
る。この溝は穴の側面に接しないので、マージンと穴の
側面との接触面積が少ない。そのため、ドリル加工の際
の刃部(特にマージン)における発熱が少ないので、マ
ージンの摩耗を低減することができる。
【0012】また、溝の加工は容易であるので、刃部の
製造コストを低減することが可能である。請求項5の発
明は、溝は、ドリルが1回転した場合に、マージンが穴
の側面に当接しない部分を有する方向に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のドリルの刃部を要旨
とする。
【0013】つまり、本発明では、ドリルが1回転した
場合でも、マージンには穴の側面に当接しない部分があ
るように溝が形成されている。従って、ドリル加工の際
に、熱が逃げ易いので、マージンでの発熱の程度を抑制
することができ、そのためマージンの摩耗を低減するこ
とができる。
【0014】例えば溝としては、回転方向と所定の角度
を有するように斜めに穿設された溝が挙げられ、この場
合は、ドリルが1回転しても、溝の一部にてマージンは
全く穴の側面に接しない。尚、穴の側面に接しない部分
の大きさ(幅)は、溝の形成角度及び溝の幅によって決
まる。
【0015】請求項6の発明は、溝は、ドリルの回転方
向に平行に形成されていることを特徴とする請求項5に
記載のドリルの刃部を要旨とする。つまり、本発明で
は、溝は、ドリルの回転方向に例えば同心円状に形成さ
れているので、一層熱が逃げ易く、よって、マージンの
摩耗を防止する効果が高い。
【0016】請求項7の発明は、刃部は、ホルダーに着
脱可能なスローアウェイチップであることを特徴とする
前記請求項1〜6のいずれかに記載のドリルの刃部を要
旨とする。つまり、本発明では、その刃部は、例えばシ
ャンクと一体に形成されたものではなく、刃部とは別体
のホルダーに装着されるスローアウェイチップである。
このスローアウェイチップは、マージンに設けられた溝
等の凹部によって、摩耗し難いものであるが、摩耗した
場合には、スローアウェイチップを交換することによ
り、速やかにドリル加工を行うことができる。
【0017】請求項8の発明は、請求項7に記載の刃部
を、ホルダーに装着したことを特徴とするドリルを要旨
とする。つまり、本発明は、スローアウェイチップをホ
ルダーに装着したドリルである。従って、このドリルを
用いて穴明け等のドリル加工を行なうことができる。こ
の刃部であるスローアウェイチップは、マージンに設け
られた溝等の凹部によって、摩耗し難いものであるが、
摩耗した場合には、スローアウェイチップを交換して、
速やかにドリル加工を行うことができる。
【0018】請求項9の発明は、ドリルは、スペードド
リルであることを特徴とする請求項8に記載のドリルを
要旨とする。スペースドリルは板状のスローアウェイチ
ップを備えており、スローアウェイチップの側面のマー
ジンは通常略長方形状であるが、このマージンに溝等の
凹部を設けることにより、マージンでの発熱を防止し
て、マージンの摩耗を防止することができる。それによ
り、スペードドリルの長寿命化を図ることができる。
【0019】請求項10の発明は、請求項1〜6のいず
れかに記載の刃部がシャンクと一体に形成されているこ
とを特徴とするドリルを要旨とする。つまり、本発明の
ドリルは、刃部とシャンクとが一体となった例えば(同
一材料で形成されている)ソリッドドリル等である。こ
の様な一体型のドリルであっても、刃部のマージンに溝
等の凹部を形成することにより、マージンの発熱を防止
して、マージンの摩耗を防止することができる。それに
より、一体型のドリルの長寿命化を図ることができる。
【0020】ここで、前記マージンとは、JISに規定
されている用語(ランド上で二番取りしていない円筒面
部分)であり、形成される穴の形状(半径)に応じて円
弧状に加工されて、その全面にて穴の側面にほぼ当接す
る部分である。尚、マージンには、通常極僅かにバック
テーパが施されているが、バックテーパがある場合も、
ほぼ当接していると称している。
【0021】前記刃部の材質としては、例えば高速度工
具鋼(ハイス)、超硬合金、セラミックスなどが挙げら
れ、更に、これらに例えばTiCN等のコーティングを
施したものなどがある。前記ドリルの基本形状として
は、直刃形やねじれ型があり、本発明では、刃部にマー
ジンがあるものを対象としている。例えば、構造的に区
分すれば、ソリッドドリル、先むくドリル、付け刃ドリ
ル、スローアウェイドリル等であるが、それらに限定さ
れるものではない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明のドリル及びその刃
部の例(実施例)を、図面を参照して説明する。 (実施例1)図1はホルダーに刃部(スローアウェイチ
ップ)が取り付けられたスペードドリルを示し、図2は
その要部を拡大して示しており、図3及び図4は同様に
スローアウェイチップのみを示している。
【0023】図1及び図2に示す様に、本実施例のスペ
ードドリル1は、鋼鉄(SCM435合金鋼)からなる
ホルダー2の先端側に、表面にTiCNのコーティング
を施した粉末ハイス(高速度工具鋼)からなるスローア
ウェイチップ3が取り付けられたものである。
【0024】前記ホルダー2は、その先端部分にスロー
アウェイチップ3が嵌め込まれる隙間4が設けられてお
り、先端部分には、スローアウェイチップ3を固定する
ためのネジ穴6a,6bが左右一対設けられ、そのネジ
穴6a,6bにネジ7a,7bが螺合されている。
【0025】図3及び図4に示す様に、スローアウェイ
チップ3は、厚さ4mm、軸方向の長さ12mm、径方
向の長さ(ドリル刃径)20mmの略5角形板状であ
り、径方向の両側面であるマージン8a,8b部分にお
ける軸方向の長さは、7.3mmである。
【0026】このスローアウェイチップ3の先端側に
は、その板厚方向の両側に断面円弧状のシンニング11
a,11bが設けられている。そして、一方のシンニン
グ11aから一方のマージン8aに向かって、一方の先
端側の刃先12aに沿って断面円弧状のチップブレーカ
13aが設けられ、他方のシンニング11bから他方の
マージン8bに向かって、他方の刃先12bに沿って同
様のチップブレーカ13bが設けられている。
【0027】また、両各先端切刃12a,12bのう
ち、一方の刃先12aに2箇所、他方の刃先12bに1
箇所、各切刃12a,12bを略等分するように、ニッ
ク16,17,18が設けられている。更に、スローア
ウェイチップ3の後端の中央には、スローアウェイチッ
プ3をホルダー2に固定する場合に、スローアウェイチ
ップ3の位置決めを行なう切欠19が設けられている。
【0028】特に本実施例では、スローアウェイチップ
3の両マージン8a,8bに、スローアウェイチップ3
の回転方向(A方向)と平行に、各マージン8a,8b
を回転方向(板厚方向)に横断してその両端面に至る各
3本の溝21a1,21a2,21a3,21b1,21b
2,21b3(21と総称する)が設けられている。
【0029】このマージン8a,8bは、スペードドリ
ル1によって形成される穴の側面に当接する部分であ
り、そのため、穴の側面形状(内径)に対応して回転方
向に円弧状(半径10mm)に湾曲する形状とされてお
り、しかも2/100のバックテーパとなる様に形成さ
れている。
【0030】前記溝21は、幅1.2mm、深さ0.4
mmの断面略U字状であり、各マージン8a,8bにお
いて、略等間隔に配置されている。即ち、各溝21間の
間隔が、2.1mmとなる様に、スローアウェイチップ
3の回転方向(即ち板厚方向)に穿設されている。これ
により、各マージン8a,8bにおける溝21の表面側
の面積は、各々マージン8a,8bの約50%となる。
【0031】そして、上述したスペードドリル1を使用
する場合には、まず、スローアウェイチップ3をホルダ
ー2の先端側の間隙4に挿入し、スローアウェイチップ
3の切欠19に間隙4の底面に設けられた凸部4a(図
2(a)参照)を嵌め込んで、スローアウェイチップ3
の位置決めを行なう。次いで、ネジ穴6a,6bにネジ
7a,7bを螺合させて、スローアウェイチップ3をホ
ルダー2に固定して装着する。
【0032】この状態で、被加工部材にスローアウェイ
チップ3の先端を押圧し、所定回転速度で矢印A方向に
回転させて、ドリル加工を行なう。この様に、本実施例
のスローアウェイチップ3では、各マージン8a,8b
に、その回転方向に伸びる溝21が穿設されているの
で、スペードドリル1によるドリル加工の際に、穴の側
面と接触する面積が少ない。そのため、マージン8a,
8bにおける発熱量が少ないので、マージン8a,8b
での摩耗量が少なくなり、結果として、スローアウェイ
チップ3の寿命を延ばすことができる。
【0033】また、溝21の表面側の面積は、マージン
8a,8bの約50%と、好ましい30〜80%の範囲
内であるので、発熱を十分に抑制できるとともに、マー
ジン8a,8bの強度も確保することができる。更に、
溝21の深さは、0.4mmと、好ましい0.1〜3m
mの範囲内であるので、ドリル加工時に、溝21に切り
屑が溜って発熱することがなく、また、マージン8a,
8bにおいて、その強度も十分である。
【0034】その上、溝21の形成方向は、回転方向と
一致しているので、スローアウェイチップ3が一回転し
た場合でも、穴の側面にマージン8a,8bが接しない
部分がある。そのため、放熱性に優れているので、熱に
よる摩耗を抑制することができる。また、製造コストも
低減できる。 (実験例)次に、本発明の効果を確認するために行った
実験例について説明する。
【0035】<実験条件>スローアウェイチップの材
質:粉末ハイスにTiCNコーティングしたもの ドリル刃径:20mm 被切削材 :S45C(ブリネル硬さ;HB225) 被切削形状:φ20mm×深さ30mmの穴 送り速度f:0.25mm/rev 寿命(逃げ面摩耗量0.3mm):20m つまり、前記実施例と同様な形状の溝を有するスローア
ウェイチップ(試料No.1〜9)と、比較例として溝の
ないスローアウェイチップ(試料No.10)を用い、前
記送り速度にてドリル加工を行なった。そして、各々に
ついて、切削速度を変更して、所定の寿命に至るまでの
切削速度を調べた。
【0036】また、溝のマージン全体に対する表面積の
割合、及び溝の深さを変更して、その場合における切削
速度、及び破損までの加工距離を調べた。それらの結果
を下記表1に記す。
【0037】
【表1】
【0038】この表1から明かな様に、本発明の範囲で
あるマージンに溝を設けたスローアウェイチップを用い
たスペードドリルの場合(試料No.1〜9)は、ドリル
加工を行なっても、発熱が抑制されるので、同じ寿命
(摩耗量)の場合でも切削速度を上げることができる。
つまり、このことは、切削速度を比較例と同じにしたと
きは、スローアウェイチップの寿命を延ばすことができ
ることを示している。
【0039】特に、溝の表面積のマージン全体に対する
割合が30〜80%の範囲内である場合には、例えば試
料No.2〜4に示す様に、スローアウェイチップの寿命
が長く、強度的にも優れている。また、同様に、溝の深
さが0.1〜3mmの範囲内である場合には、例えば試
料No.7,8に示す様に、スローアウェイチップの寿命
が長く、強度的にも優れている。
【0040】尚、前記表1において、試料No.1,6は
切削速度が低く、試料No.5,9は切削速度が高いもの
の途中で破損したので、評価は○より低い△としてあ
る。それに対して、比較例の溝がないスローアウェイチ
ップ(試料No.10)は、同じ寿命(摩耗量)の場合で
も切削速度が小さく、好ましくない。 (実施例2)次に、実施例2について説明する。
【0041】本実施例のドリルは、図5及び図6に示す
様に、刃部31とシャンク32とが一体の例えば超硬合
金からなるソリッドドリルであり、刃溝33が軸に対し
てねじれているいわゆるねじれドリルである。本実施例
では、マージン34もねじれて帯状に延びており、その
マージン34において、回転方向に向かって多数の溝3
6が形成されている。
【0042】この溝36は、例えばマージン34の幅が
1.5mmの場合は、溝36の幅は0.6mm、溝36
の間隔は1.5mm、溝36の深さは0.3mmであ
る。本実施例の場合も、前記実施例1と同様な作用効果
を奏する。尚、本発明は前記実施例になんら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において
種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0043】(1)例えば、前記実施例1,2では、マ
ージンに溝を形成したが、溝に代えて、例えばディンプ
ル等の凹部を設けてもよい。 (2)また、溝の方向は、回転方向が望ましいが、回転
方向からある程度傾斜していてもよい。この場合、ドリ
ルが1回転した場合でも、マージンが穴の側面に接しな
い部分があると、放熱性に優れているので、好適であ
る。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した様に、請求項1の発明で
は、マージンの凹部は穴の側面に接しないので、マージ
ンと穴の側面との接触面積が少ない。そのため、ドリル
加工の際にマージン部分での発熱が少ないので、マージ
ンの摩耗を低減することができる。それにより、刃部や
ドリルの寿命を延ばすことができる。
【0045】請求項2の発明では、凹部の表面側の面積
がマージンの面積の30%以上と十分に大きいので、ド
リル加工の際の発熱が少なく、よって刃部の摩耗を低減
できる。しかも、凹部の表面側の面積がマージンの面積
の80%以下であるので、マージンの強度を確保するこ
とができる。
【0046】請求項3の発明では、凹部の深さが0.1
mm以上であるので、切削クズがつまりにくく、発熱も
生じ難い。しかも、凹部の深さが3mm以下であるの
で、マージンの強度を確保することができる。請求項4
の発明では、マージンの溝は穴の側面に接しないので、
マージンと穴の側面との接触面積が少ない。そのため、
ドリル加工の際にマージン部分での発熱が少ないので、
マージンの摩耗を低減することができる。よって、刃部
やドリルの寿命を延ばすことができる。また、溝は加工
が容易であるので、刃部の製造コストを低減できる。
【0047】請求項5の発明では、ドリルが1回転した
場合でも、マージンには穴の側面に当接しない部分があ
るように溝が形成されているので、ドリル加工の際に、
熱が逃げ易い。よって、マージンでの発熱の程度を抑制
することができるので、マージンの摩耗を低減すること
ができる。
【0048】請求項6の発明では、溝は、ドリルの回転
方向に平行に形成されているので、ドリルが1回転して
も、溝の部分は穴の側面に当接しない。よって、一層熱
が逃げ易いので、マージンの摩耗を防止する効果が高
い。請求項7の発明では、刃部は、別体であるホルダー
に装着されるスローアウェイチップであるので、このス
ローアウェイチップが摩耗した場合には、スローアウェ
イチップを交換することにより、速やかに加工を行うこ
とができる。また、ホルダーは何度でも使用できるの
で、コスト的に有利である。
【0049】請求項8の発明では、スローアウェイチッ
プはホルダーに装着されているので、このドリルを用い
て容易に穴明け等のドリル加工を行なうことがでる。請
求項9の発明は、スペードドリルであり、板状のスロー
アウェイチップは、マージンに凹部や溝を備えているの
で、熱による摩耗が少ないが、摩耗した場合には、スロ
ーアウェイチップを交換することにより、効率よくドリ
ル加工を行うことができる。また、コスト的も有利であ
る。
【0050】請求項10の発明では、刃部とシャンクと
が一体となっているが、この様な一体型のドリルであっ
ても、マージンに溝等の凹部を形成することにより、マ
ージンでの発熱による摩耗を抑制することができる。特
に、一体型のものは、刃部のみを交換することが困難で
あるので、摩耗を抑制して、ドリルの寿命を延ばすこと
は、コスト的に非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のスペードドリルを示し、(a)は
その正面図、(b)はその底面図、(c)はその右側面
図である。
【図2】 実施例1のスペードドリルの要部を拡大して
示し、(a)はその正面図、(b)はその底面図、
(c)はその右側面図である。
【図3】 実施例1のスローアウェイチップを示し、
(a)はその正面図、(b)はその底面図、(c)はそ
の右側面図である。
【図4】 実施例1のスローアウェイチップを示す斜視
図である。
【図5】 実施例2のドリルの正面図である。
【図6】 実施例2の要部を拡大して示す正面図であ
る。
【図7】 従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1…スペードドリル 2…ホルダー 3…スローアウェイチップ 8a,8b…マージン 21a1,21a2,21a3,21b1,21b2,21
b3,21…溝 31…刃部 32…シャンク

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物に穴を空けるドリルの先端側に
    配設された刃部において、 該刃部の先端側に刃先を備えるとともに側面側にマージ
    ンを備え、 該マージンに前記穴の側面に当接しない凹部を設けたこ
    とを特徴とするドリルの刃部。
  2. 【請求項2】 前記凹部のマージン表面側の面積が、前
    記マージンの面積の30〜80%であることを特徴とす
    る前記請求項1に記載のドリルの刃部。
  3. 【請求項3】 前記凹部の深さが、0.1〜3mmであ
    ることを特徴とする前記請求項1又は2に記載のドリル
    の刃部。
  4. 【請求項4】 前記凹部は、前記マージンを横断するよ
    うに形成された溝であることを特徴とする前記請求項1
    〜3のいずれかに記載のドリルの刃部。
  5. 【請求項5】 前記溝は、ドリルが1回転した場合に、
    前記マージンが前記穴の側面に当接しない部分を有する
    方向に形成されていることを特徴とする前記請求項4に
    記載のドリルの刃部。
  6. 【請求項6】 前記溝は、ドリルの回転方向に平行に形
    成されていることを特徴とする前記請求項5に記載のド
    リルの刃部。
  7. 【請求項7】 前記刃部は、ホルダーに着脱可能なスロ
    ーアウェイチップであることを特徴とする前記請求項1
    〜6のいずれかに記載のドリルの刃部。
  8. 【請求項8】 前記請求項7に記載の刃部を、ホルダー
    に装着したことを特徴とするドリル。
  9. 【請求項9】 前記ドリルは、スペードドリルであるこ
    とを特徴とする前記請求項8に記載のドリル。
  10. 【請求項10】 前記請求項1〜6のいずれかに記載の
    刃部がシャンクと一体に形成されていることを特徴とす
    るドリル。
JP13872597A 1997-05-28 1997-05-28 ドリル及びその刃部 Pending JPH10328918A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13872597A JPH10328918A (ja) 1997-05-28 1997-05-28 ドリル及びその刃部

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13872597A JPH10328918A (ja) 1997-05-28 1997-05-28 ドリル及びその刃部

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10328918A true JPH10328918A (ja) 1998-12-15

Family

ID=15228703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13872597A Pending JPH10328918A (ja) 1997-05-28 1997-05-28 ドリル及びその刃部

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10328918A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001315012A (ja) * 2000-05-10 2001-11-13 Dijet Ind Co Ltd スローアウェイ式ドリル
US6406226B2 (en) 2000-03-31 2002-06-18 Kyocera Corporation Throwaway tip and drill holder
JP2003502162A (ja) * 1999-06-21 2003-01-21 サンドビック アクティエボラーグ 支持パッド
WO2003061887A1 (fr) * 2002-01-18 2003-07-31 Max Co., Ltd. Foret a trepaner
JP2005169572A (ja) * 2003-12-11 2005-06-30 Mitsubishi Materials Corp ドリル、スローアウェイ式ドリル及びスローアウェイチップ
US7147414B2 (en) * 2002-06-27 2006-12-12 Allied Machine & Engineering Corp. Spur point drill insert
US7241089B2 (en) * 2003-11-07 2007-07-10 Allied Machine & Engineering Corp. Drill insert having curved cutting edges
US20120114440A1 (en) * 2009-07-14 2012-05-10 Dieter Kress Drill
CN103008733A (zh) * 2012-12-21 2013-04-03 浙江欣兴工具有限公司 一种阶梯钻尖铲钻刀片
US20150266107A1 (en) * 2014-03-19 2015-09-24 Iscar, Ltd. Drill and Drill Head with Drill Margin
US20160175944A1 (en) * 2014-12-19 2016-06-23 Metal Industries Research & Development Centre Cutting tool with asymmetric structures on cutting teeth
US10005136B2 (en) 2014-09-23 2018-06-26 Iscar, Ltd. Drill or drill head with burnishing margin
US10421131B2 (en) 2015-05-08 2019-09-24 Taegutec, Ltd. Cutting tool
US10974327B1 (en) * 2019-10-31 2021-04-13 Facet Precision Tool GmbH Drills and drill bits with buttressed chip breakers

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4689908B2 (ja) * 1999-06-21 2011-06-01 サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ 支持パッド
JP2003502162A (ja) * 1999-06-21 2003-01-21 サンドビック アクティエボラーグ 支持パッド
US6406226B2 (en) 2000-03-31 2002-06-18 Kyocera Corporation Throwaway tip and drill holder
JP2001315012A (ja) * 2000-05-10 2001-11-13 Dijet Ind Co Ltd スローアウェイ式ドリル
WO2003061887A1 (fr) * 2002-01-18 2003-07-31 Max Co., Ltd. Foret a trepaner
US6945339B2 (en) 2002-01-18 2005-09-20 Max Co., Ltd. Core drill
US7147414B2 (en) * 2002-06-27 2006-12-12 Allied Machine & Engineering Corp. Spur point drill insert
US7241089B2 (en) * 2003-11-07 2007-07-10 Allied Machine & Engineering Corp. Drill insert having curved cutting edges
JP2005169572A (ja) * 2003-12-11 2005-06-30 Mitsubishi Materials Corp ドリル、スローアウェイ式ドリル及びスローアウェイチップ
US20120114440A1 (en) * 2009-07-14 2012-05-10 Dieter Kress Drill
CN103008733A (zh) * 2012-12-21 2013-04-03 浙江欣兴工具有限公司 一种阶梯钻尖铲钻刀片
US20150266107A1 (en) * 2014-03-19 2015-09-24 Iscar, Ltd. Drill and Drill Head with Drill Margin
US10005136B2 (en) 2014-09-23 2018-06-26 Iscar, Ltd. Drill or drill head with burnishing margin
US20160175944A1 (en) * 2014-12-19 2016-06-23 Metal Industries Research & Development Centre Cutting tool with asymmetric structures on cutting teeth
US10421131B2 (en) 2015-05-08 2019-09-24 Taegutec, Ltd. Cutting tool
US10974327B1 (en) * 2019-10-31 2021-04-13 Facet Precision Tool GmbH Drills and drill bits with buttressed chip breakers

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10328918A (ja) ドリル及びその刃部
JPS59196107A (ja) スロ−アウエイチツプ
JP2010094748A (ja) 切削工具
JP2008264979A (ja) 穿孔用回転切削工具
JP5287426B2 (ja) 切削工具
WO2012117817A1 (ja) ガイドパッド、切削工具本体および切削工具
JPH11129109A (ja) ドリルリーマチップ及びドリルリーマ工具
JP2008207283A (ja) 切削インサートおよびスローアウェイ式ドリル並びに被削材の切削方法
JP2010094766A (ja) 穴加工工具
WO2005046913A2 (en) Spade drill insert having helical margins
JP3850000B2 (ja) ドリル
JP5309868B2 (ja) 切削工具及びインサート
US20200331078A1 (en) Method for Machining Titanium Alloys Using Polycrystalline Diamond
CN115515740A (zh) 钻头以及切削加工物的制造方法
JP2001150219A (ja) スローアウェイ回転切削工具
JP2004314258A (ja) スローアウェイ式穴明け工具
WO2006109347A1 (ja) ドリル
JP5882846B2 (ja) リーマ、切削工具およびそれを用いた切削加工物の製造方法
JP2002166316A (ja) 穴明け工具
JP2023035551A (ja) ドリル
WO2023162671A1 (ja) ドリル及び切削加工物の製造方法
JP2002283119A (ja) ボールエンドミル用スローアウェイチッップ
JPH09103918A (ja) 穴あけ工具
JP2024087522A (ja) ドリルヘッド及び刃先交換式ドリル
JP2001170810A (ja) ツイストドリル

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20041129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041207

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050405

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02