JP5309868B2 - 切削工具及びインサート - Google Patents

切削工具及びインサート Download PDF

Info

Publication number
JP5309868B2
JP5309868B2 JP2008265011A JP2008265011A JP5309868B2 JP 5309868 B2 JP5309868 B2 JP 5309868B2 JP 2008265011 A JP2008265011 A JP 2008265011A JP 2008265011 A JP2008265011 A JP 2008265011A JP 5309868 B2 JP5309868 B2 JP 5309868B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insert
cutting
flank
tool
face
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008265011A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010094747A (ja
Inventor
正治 滝口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2008265011A priority Critical patent/JP5309868B2/ja
Publication of JP2010094747A publication Critical patent/JP2010094747A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5309868B2 publication Critical patent/JP5309868B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Milling Processes (AREA)

Description

本発明は、工具本体の先端部外周に、切刃を有するインサートが着脱可能に装着された切削工具及びこれに用いるインサートに関する。
従来、被切削材に平面加工を施す切削工具として、円盤状をなす工具本体に複数のインサートが装着された正面フライス(切削工具)が使用されている(例えば特許文献1〜3参照)。
この種の切削工具は、工具本体の先端側外周に周方向に所定間隔を空けて複数の取付座が形成されており、該取付座のそれぞれに超硬合金等の硬質材料よりなる平板状のインサートが着脱可能に装着されて構成されている。
そして、このような切削工具は、前記工具本体をその軸線回りに高速回転するとともに軸線と交差する方向に送りを与えることにより、前記インサートの切刃のうち工具径方向外側に向けられた主切刃によって被切削材を切り込んでいくとともに、前記切刃のうち工具先端側に向けられた副切刃によって被削材の被加工面に平面加工を施していく。
このような切削工具を用いた金属材料(被削材)の切削加工においては、工具の切刃および該切刃による被削材の切削部位の冷却や潤滑、あるいは切刃によって削り取られた切屑の円滑な排出のため、クーラント(切削油剤)を切削部位に供給しながら切削することが一般に行われている。切削油剤の供給手段としては、切削油剤を工作機械の主軸から工具本体の内部を通してインサートのすくい面に向け供給する手法が知られている。
特開平8−276310号公報 特開平8−290318号公報 特開2000−5923号公報
ところで、このような切削工具においては、被削材として比較的硬度の高い難削材料を用い該難削材料に対して切削加工を行う場合に、切削工具を前記送りの方向に高送りすると、インサートに過大な負荷がかかって破損してしまうことがある。そこで、難削材料の切削加工においては、インサートの主切刃の延在する方向と工具本体の軸線に直交する方向とのなす切込み角を小さくして、切刃に掛かる負荷を減少させることによって、高送りさせる手法が考えられる。
しかしながら、その一方で、前記切込み角を小さく設定した場合には、切削油剤を前述のようにインサートのすくい面に向け供給しても、すくい面に交差して連なり工具先端側を向く逃げ面には、切削油剤が充分に供給されにくくなることから、逃げ面が早期に磨耗して、インサートの工具寿命が短縮されてしまうという課題が生じる。
本発明は、このような事状に鑑みてなされたものであって、難削材料を切削加工する場合であっても加工速度を高めることができ、加工効率を向上できるとともに、工具寿命を延長できる切削工具及びインサートを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明に係る切削工具は、軸線回りに回転される工具本体を有し、前記工具本体の先端側外周に切刃を有するインサートが着脱自在に装着されてなる切削工具であって、前記インサートは、工具回転方向の前方側を向くすくい面と、前記すくい面に交差して連なり先端側を向く逃げ面と、前記すくい面及び前記逃げ面の交差稜線部に形成された主切刃を備えた前記切刃と、を有し、前記主切刃の延在する方向と前記軸線に直交する方向とのなす切込み角が、20°以下に設定され、前記逃げ面には、前記インサートを貫通して形成されるとともに前記工具本体に形成された切削油剤の供給路に連通し、切削油剤を該逃げ面に供給する供給孔が開口しており、前記逃げ面には、前記インサートを貫通し形成されるとともに該インサートを前記工具本体に装着するクランプネジを挿通するネジ挿通孔が開口し、前記インサートは、前記ネジ挿通孔を中心に回転対称に形成されるとともに、前記供給孔も、前記ネジ挿通孔を中心に前記インサートの回転対称位置に複数配置され、前記インサートを前記工具本体に装着した状態で、複数の前記供給孔のうち少なくとも径方向内側に配置された前記供給孔は、前記供給路に連通していることを特徴とする。
本発明に係る切削工具によれば、主切刃の延在する方向と軸線に直交する方向とのなす切込み角が20°以下に設定されているので、工具本体が軸線に交差する方向に送りを与えられた際に送りの単位長さ当たりの切り込み量が低減されることから、切刃に掛かる負荷が抑制され破損等が防止される。すなわち、従来のように、切込み角が例えば45°程度に設定されるような場合に、送りの単位長さ当たりの切り込み量が大きく、切刃に掛かる負荷が増大して、インサートの工具寿命が短縮されていたのに対比して、工具寿命が延長されるとともに安定して精度の高い切削加工が行える。
また、インサートの逃げ面には、インサートを貫通して形成されるとともに工具本体に形成された切削油剤の供給路に連通し、切削油剤を供給する供給孔が開口していることから、切削油剤が供給孔に供給されると、切削油剤が逃げ面に拡散され、逃げ面の潤滑及び冷却が確実に行われるとともに磨耗が抑制されるようになっている。すなわち、従来のように、切削油剤の供給路が、工具本体においてインサートのすくい面に対向する位置に形成されるのみの構成では、切込み角を20°以下に設定した場合に、切削油剤がすくい面上を流れる切屑に遮られ逃げ面には到達しないことから、逃げ面が早期に磨耗してインサートの工具寿命が短縮されていたのに対比して、切削油剤をすくい面及び逃げ面に夫々充分に供給できるので、インサートの磨耗を防止できる。
このような構成により、被削材として難削材料を用い、該難削材料に対し切削加工を行うような場合であっても、切削工具を高送りでき、加工速度を高めることができるとともに、インサートの破損や磨耗が抑制され、工具寿命が延長される。
また、切削油剤が、すくい面及び逃げ面に充分に供給されることから、これらの交差稜線部に形成された切刃と、切刃が切削する被削材の切削部位とにも供給されるので、切刃及び切削部位の潤滑及び冷却も確実に行われて、安定した切削加工が行える。
また、工具本体に装着されるインサートには、供給孔が複数形成され、これらの供給孔が、ネジ挿通孔を中心にインサートの回転対称位置に配置されているので、例えば、これらの供給孔が、工具本体における径方向の互いの位置を異ならせて配置され、これらの供給孔のうち前記軸線に最も近い一の供給孔にのみ工具本体の供給路から切削油剤を供給する構成とした場合に、インサートの切刃が磨耗や破損等した際、当該インサートをネジ挿通孔を中心に回転させて工具本体に装着すれば、別の新しい切刃を使用できるとともに前記一の供給孔以外の他の供給孔を通して切削油剤を逃げ面に供給することができる。また、工具本体の供給路から全ての供給孔に切削油剤を夫々供給する構成とした場合においても、インサートをネジ挿通孔を中心に回転させて工具本体に装着しなおせば、全ての供給孔を通して切削油剤を逃げ面に供給することができる。このように、インサートを工具本体に装着する向きに関わらず、切削油剤を逃げ面に供給することができるので、前述のように安定した切削加工が行える。
また、本発明に係るインサートは、前述の切削工具に取り付けられるインサートであって、矩形平板状をなし、厚さ方向を向く一対の前記逃げ面と、前記逃げ面に交差して連なる前記すくい面と、前記逃げ面及び前記すくい面の交差稜線部に形成されるとともに前記逃げ面の長手方向に沿って延びる前記切刃と、前記厚さ方向に延びて前記逃げ面に開口する前記ネジ挿通孔と、前記ネジ挿通孔に平行に延びる少なくとも一対以上の前記供給孔とを有することを特徴としている。
本発明に係るインサートによれば、前述の切削工具に装着して前述の作用効果を奏する。また、すくい面がインサートの厚さ方向と逃げ面の長手方向とに沿って配置されていて、切削工具に装着した際に主分力が作用する切刃の工具回転方向後方側に逃げ面の幅方向が沿うようにすることができるので、切刃の剛性を確保することができて、難削材料の切削加工を一層安定して行うことができる。
本発明に係る切削工具及びインサートによれば、難削材料を切削加工する場合であっても加工速度を高めることができ、加工効率を向上できるとともに、工具寿命を延長できる。
図1は本発明の一実施形態に係る切削工具の概略構成を示す側断面図、図2は本発明の一実施形態に係る切削工具の概略構成を示す正面図、図3は図1の矢視Aを示す部分側面図、図4は本発明の一実施形態に係る切削工具のインサートを示す概略正面図、図5は本発明の一実施形態に係る切削工具のインサートを示す概略側面図、図6は図4の矢視B−Bを示す側断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態に係る切削工具10の工具本体1は、軸線Oを中心とした略円盤状をなし、この工具本体1の中心部には軸線Oに沿って取付孔2が貫設されている。また、工具本体1の後端面3には、この取付孔2の開口部から径方向外側に向かって延びるキー溝4,4が形成されており、工具本体1は、これらのキー溝4,4を工作機械(不図示)の主軸先端部に設けられたキーに嵌合させた上で、取付孔2に挿通される取付ボルト(不図示)によって該主軸先端部に取り付けられ、軸線O回りに工具回転方向Tに回転させられて、切削加工に供される。尚、この工作機械の主軸先端部には、上述のようにして工具本体1を取り付けた状態において、工具本体1の取付孔2の内部に切削油剤を供給可能な切削油剤供給孔が開口させられている。
また、工具本体1の先端側外周には、工具本体1が切り欠かれて先端側及び径方向外側に向けて開口するチップポケット5が周方向に間隔を開け複数形成されている。また、チップポケット5において、工具本体1の先端側から後端側へ向かうに従い漸次径方向外側へ向かうように傾斜する凹面5aには、取付孔2に連通する第1供給路6が形成されている。第1供給路6は、後述するインサート8のすくい面8bに向け開口されている。
また、これらのチップポケット5における工具回転方向Tの後方側には、略矩形平板状のインサート8を装着するための取付座7が形成されている。取付座7には、径方向外側を向く壁面7aと、工具回転方向Tの前方側を向く壁面7bと、工具本体1の先端側を向く底面7cと、が形成されている。
図1に示すように、取付座7において、壁面7aは、工具本体1の先端側から後端側へ向かうに連れ漸次径方向内側へ向かうように傾斜して形成されている。また、図2、図3に示すように、壁面7bは、壁面7aに連なるとともに該壁面7aに対して直交し、径方向内側から外側へ向かうに連れ漸次工具回転方向Tの前方側へ向かうように傾斜するとともに、工具本体1の先端側から後端側へ向かうに連れ漸次工具回転方向Tの前方側へ向かい傾斜して形成されている。また、図1、図3に示すように、底面7cは、壁面7a、7bに連なるとともにこれらの壁面7a,7bに対して直交し、径方向内側から外側へ向かうに連れ漸次工具本体1の後端側へ向かい傾斜するとともに、工具回転方向Tの前方側から後方側へ向かうに連れ漸次工具本体1の後端側へ向かい傾斜して形成されている。
また、底面7cには、図示しないネジ穴が穿設されており、インサート8の後述するネジ挿通孔8cにクランプネジ9を挿入するとともに底面7cの前記ネジ穴にねじ込むことで、インサート8が取付座7に装着される。また、クランプネジ9を取り外すことでインサート8は取付座7から取り外せるようにされており、従って、インサート8は工具本体1に着脱自在とされている。
また、底面7cにおいて、前記ネジ穴よりも径方向内側の部分には、工具本体1に形成された本実施形態における切削油剤の供給路として、第2供給路11が開口しており、該第2供給路11は、取付孔2に連通している。
また、図4乃至図6に示すように、インサート8は、超硬合金等の硬質材料からなり、略矩形平板状に形成されている。また、インサート8において、その厚さ方向を向く一対の面が逃げ面8aとされている。逃げ面8aは長辺と短辺とを有する略矩形状をなし、図1、図3に示すように、インサート8を工具本体1に装着した状態で、前記一対の面のうち一面が取付座7の底面7cに密接されるとともに、他面が工具本体1の先端側を向くように配置される。
また、逃げ面8aの中央部分には、このインサート8を厚さ方向に貫通するネジ挿通孔8cが開口している。インサート8は、ネジ挿通孔8cを中心に回転対称に形成されている。ネジ挿通孔8cには、前述したようにクランプネジ9が挿入される。ネジ挿通孔8cの内周面は、前記厚さ方向における中央部分が小径に形成されており、この中央部分から前記厚さ方向に沿って両端部分に向かうに連れ夫々漸次拡径するように形成されている。
また、逃げ面8aにおいて、該逃げ面8aの長手方向に沿ったネジ挿通孔8cを挟む両側部分には、切削油剤を供給するための一対の供給孔8dが開口している。詳しくは、一対の供給孔8dは、ネジ挿通孔8cを中心にインサート8の回転対称位置に配置されている。また、一対の供給孔8dは、逃げ面8a上においてネジ挿通孔8cの中心を通り前記長手方向に延びる図示しない中心線上に夫々配置されているとともに、互いにネジ挿通孔8cを挟んだ対称位置に配置されている。
これらの供給孔8dは、ネジ挿通孔8cに平行に延びており、インサート8を逃げ面8aに垂直に厚さ方向に貫通して形成されている。また、インサート8を工具本体1に装着した状態で、一対の供給孔8dは、工具本体1における径方向の位置を互いに異ならせて配置され、一対の供給孔8dのうち径方向内側に配置された供給孔8dは、取付座7の底面7cに開口する第2供給路11に連通している。
また、インサート8には、逃げ面8aの外周における長辺に交差して連なる一対のすくい面8bが形成されている。すくい面8bは長辺と短辺とを有する略矩形状をなし、図2、図3に示すように、インサート8を工具本体1に装着した状態で、前記一対のすくい面8bのうち一面が取付座7の壁面7bに密接されるとともに、他面が工具回転方向Tの前方側を向くように配置される。
また、インサート8の逃げ面8a及びすくい面8bの交差稜線部には、切刃12が形成されている。図6に示すように、切刃12は、一つのインサート8において、4つ形成されている。切刃12は、逃げ面8aの長手方向に沿って延びる直線状の主切刃12aと、すくい面8aのコーナー部分に形成されるとともに主切刃12aの両端部分に夫々連なり、該主切刃12aに対し鈍角を形成するように延びる略直線状の副切刃12bとからなる。また、図5に示すように、主切刃12aと副切刃12bとのなす角度(切込み角)Dは、20°以下の範囲に設定されており、例えば本実施形態では、この切込み角Dが10°に設定されている。
また、図1に示すように、インサート8を工具本体1に装着した状態において、主切刃12aの延在する方向は、径方向内側から外側へ向かうに従い漸次工具本体1の先端側から後端側へ後退するように傾斜して設定されている。また、径方向内側に配される副切刃12bの延在する方向は、軸線Oに直交する方向と同一に設定されている。従って、主切刃12aは、軸線Oに直交する方向に対し切込み角Dをなすように設定されている。
また、図5、図6に示すように、インサート8のすくい面8bにおける前記厚さ方向の両端縁部には、切刃12に連なるようにして形成される略一定幅のランド13が、すくい面8bの長手方向に沿って夫々延びている。ランド13は、切刃12からすくい面8bの内側に向かうに連れ漸次逃げ面8aにおける幅方向(図6における上下方向)の内側に向かって傾斜して形成されており、所謂ポジランドとされている。
また、すくい面8bにおけるランド13の内側には、ランド13に連なりすくい面8bの長手方向に沿って延びるブレーカ14が形成されている。図6に示すように、ブレーカ14に対してランド13が傾斜する角度Eは、例えば10°程度に設定されている。また、図3に示すように、インサート8を工具本体1に装着した状態で、ランド13は、工具本体1の先端側から後端側へ向かうに連れ漸次工具回転方向Tの後方側へ向かうように傾斜し、ブレーカ14は、工具本体1の先端側から後端側へ向かうに連れ漸次工具回転方向Tの前方側へ向かうように傾斜している。
以上説明したように、本実施形態の切削工具10及びインサート8によれば、主切刃12aの延在する方向と軸線Oに直交する方向(副切刃12bの延在方向)とのなす切込み角Dが20°以下に設定されているので、工具本体1が軸線Oに交差する方向に送りを与えられた際に送りの単位長さ当たりの切り込み量が低減されることから、切刃12に掛かる負荷が抑制され破損等が防止される。すなわち、従来のように、切込み角Dが例えば45°程度に設定されるような場合に、送りの単位長さ当たりの切り込み量が大きく、切刃12に掛かる負荷が増大して、インサート8の工具寿命が短縮されていたのに対比して、工具寿命が延長されるとともに安定して精度の高い切削加工が行える。
また、工作機械の主軸先端部から取付孔2の内部に切削油剤が供給されると、切削油剤は、第1供給路6からインサート8のすくい面8bに向け供給されるとともに、第2供給路11から取付座7の底面7cに連通するインサート8の供給孔8dに供給される。このように、切削油剤が前記供給孔8dに供給されると、切削油剤が工具本体1の先端側を向く逃げ面8aに沿って拡散され、該逃げ面8aの潤滑及び冷却が確実に行われて、その磨耗が抑制されるようになっている。
すなわち、従来のように、工具本体1における切削油剤の供給路が、インサート8のすくい面8bに対向して開口する第1供給路6のみ形成された構成では、切込み角Dを20°以下に設定した場合に、切削油剤がすくい面8b上を流れる切屑に遮られ前記先端側を向く逃げ面8aには到達しないことから、該逃げ面8aが早期に磨耗してインサート8の工具寿命が短縮されていたのに対比して、切削油剤をすくい面8b及び逃げ面8aに夫々充分に供給できるので、インサート8の磨耗を防止できる。
このような構成により、被削材として難削材料を用い、該難削材料に対し切削加工を行うような場合であっても、切削工具10を高送りでき、加工速度を高めることができるとともに、インサート8の破損や磨耗が抑制され、工具寿命が延長される。
また、切削油剤が、すくい面8b及び逃げ面8aに充分に供給されることから、これらの交差稜線部に形成された切刃12と、切刃12が切削する被削材の切削部位とにも供給されるので、切刃12及び切削部位の潤滑及び冷却も確実に行われて、安定した切削加工が行える。
また、インサート8には、供給孔8dの対が、ネジ挿通孔8cを中心としてインサート8の回転対称位置に配置されているので、本実施形態のように、切削油剤を供給孔8dの対のうち径方向内側に配置された一方の供給孔8dに供給し、径方向外側に配された他方の供給孔8dには供給しない構成とした場合であっても、インサート8の切刃12が磨耗や破損等した際、当該インサート8を、ネジ挿通孔8cを中心に回転させて工具本体1に装着しなおせば、別の新しい切刃12を使用できるとともに前記他方の供給孔8dを通して切削油剤を逃げ面8aに確実に供給することができる。
また、インサート8を、ネジ挿通孔8cを中心に回転させずに、一対の逃げ面8aの配置を互いに変えるように前記中心線周りに反転させて工具本体1に装着しなおしてもよく、この場合にも、径方向内側の供給孔8dが第2供給路11に連通されることから、一つのインサート8で4つの切刃12を使用することができるようにされている。このように、インサート8を工具本体1に装着する向きに関わらず、切削油剤を逃げ面8aに確実に供給することができ、前述のように安定した切削加工が行える。
また、インサート8のすくい面8bが、インサート8の厚さ方向と逃げ面8aの長手方向とに沿って配置されていて、切削工具10に装着した際に主分力が作用する切刃12の工具回転方向T後方側に逃げ面8aの幅方向が沿うようにすることができるので、切刃12の剛性を確保することができて、難削材料の切削加工を一層安定して行うことができる。
また、インサート8のすくい面8bには、切刃12に連なりポジランドからなるランド13及びこのランド13のすくい面8b内側に連なるブレーカ14が形成されているので、切刃12の強度を充分に確保しつつ切削抵抗の一層の低減を図ることができるとともに、切屑をブレーカ14に案内して衝突させることにより、確実な切屑処理が行える。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、本実施形態では、インサート8の主切刃12aの延在する方向と軸線Oに直交する方向(副切刃12bの延在方向)とのなす切込み角Dを10°として説明したが、切込み角Dは20°以下に設定されていればよく、本実施形態に限定されるものではない。すなわち、工具本体1が軸線Oに交差する方向に送りを与えられた際に、送りの単位長さ当たりの切り込み量を増大するように調整したい場合は切込み角Dを10°より大きい値に設定してもよく、逆に切り込み量を減少するように調整したい場合は切込み角Dを10°より小さい値に設定してもよい。
また、本実施形態では、工具本体1の第2供給路11は、該工具本体1に装着されたインサート8において径方向内側に配された供給孔8dに連通されていることとして説明した。本実施形態のように径方向内側の供給孔8dに連通されることとすれば、切削工具10の回転に伴う遠心力によって、切削油剤が径方向外側へ向け拡散して逃げ面8b全体に充分に行き渡ることとなる。
また、第2供給路11が、取付孔2から取付座7の底面7cへ向かう途中部分において分岐して形成されるとともに、インサート8の供給孔8dの対の両方に連結されることとしても構わない。
また、第2供給路11が、供給孔8dの対に対応して夫々別々に設けられていても構わない。
また、本実施形態では、インサート8は、略矩形板状に形成されていることとして説明したが、インサート8の形状は本実施形態に限定されるものではない。すなわち、例えば、インサート8は、略三角形板状や略正方形板状、或いはそれ以外の略多角形板状に形成されていても構わない。
また、インサート8における供給孔8dの配置や数量は、本実施形態に限定されるものではない。すなわち、例えば、供給孔8dは、ネジ挿通孔8cを中心にインサート8の回転対称位置に4つ形成されていても構わない。また、インサート8が略三角形板状に形成される場合には、供給孔8dがネジ挿通孔8cを中心にインサート8の回転対称位置に3つ形成されていても構わない。
本発明の一実施形態に係る切削工具の概略構成を示す側断面図である。 本発明の一実施形態に係る切削工具の概略構成を示す正面図である。 図1の矢視Aを示す部分側面図である。 本発明の一実施形態に係る切削工具のインサートを示す概略正面図である。 本発明の一実施形態に係る切削工具のインサートを示す概略側面図である。 図4の矢視B−Bを示す側断面図である。
符号の説明
1 工具本体
8 インサート
8a 逃げ面
8b すくい面
8c ネジ挿通孔
8d 供給孔
9 クランプネジ
10 切削工具
11 第2供給路(供給路)
12 切刃
12a 主切刃
D 主切刃の延在する方向と軸線に直交する方向(副切刃の延在方向)とのなす切込み角
O 軸線
T 工具回転方向

Claims (2)

  1. 軸線回りに回転される工具本体を有し、前記工具本体の先端側外周に切刃を有するインサートが着脱自在に装着されてなる切削工具であって、
    前記インサートは、工具回転方向の前方側を向くすくい面と、前記すくい面に交差して連なり先端側を向く逃げ面と、前記すくい面及び前記逃げ面の交差稜線部に形成された主切刃を備えた前記切刃と、を有し、
    前記主切刃の延在する方向と前記軸線に直交する方向とのなす切込み角が、20°以下に設定され、
    前記逃げ面には、前記インサートを貫通して形成されるとともに前記工具本体に形成された切削油剤の供給路に連通し、切削油剤を該逃げ面に供給する供給孔が開口しており、
    前記逃げ面には、前記インサートを貫通し形成されるとともに該インサートを前記工具本体に装着するクランプネジを挿通するネジ挿通孔が開口し、
    前記インサートは、前記ネジ挿通孔を中心に回転対称に形成されるとともに、
    前記供給孔も、前記ネジ挿通孔を中心に前記インサートの回転対称位置に複数配置され、
    前記インサートを前記工具本体に装着した状態で、複数の前記供給孔のうち少なくとも径方向内側に配置された前記供給孔は、前記供給路に連通していることを特徴とする切削工具。
  2. 請求項に記載の切削工具に取り付けられるインサートであって、
    矩形平板状をなし、厚さ方向を向く一対の前記逃げ面と、前記逃げ面に交差して連なる前記すくい面と、前記逃げ面及び前記すくい面の交差稜線部に形成されるとともに前記逃げ面の長手方向に沿って延びる前記切刃と、前記厚さ方向に延びて前記逃げ面に開口する前記ネジ挿通孔と、前記ネジ挿通孔に平行に延びる少なくとも一対以上の前記供給孔とを有することを特徴とするインサート。
JP2008265011A 2008-10-14 2008-10-14 切削工具及びインサート Expired - Fee Related JP5309868B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008265011A JP5309868B2 (ja) 2008-10-14 2008-10-14 切削工具及びインサート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008265011A JP5309868B2 (ja) 2008-10-14 2008-10-14 切削工具及びインサート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010094747A JP2010094747A (ja) 2010-04-30
JP5309868B2 true JP5309868B2 (ja) 2013-10-09

Family

ID=42256802

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008265011A Expired - Fee Related JP5309868B2 (ja) 2008-10-14 2008-10-14 切削工具及びインサート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5309868B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014156225A1 (ja) * 2013-03-26 2014-10-02 住友電工ハードメタル株式会社 切削インサートとそれを用いた正面フライスカッタ
WO2015093408A1 (ja) 2013-12-18 2015-06-25 京セラ株式会社 切削インサート、切削工具及び切削加工物の製造方法
DE102014109390A1 (de) 2014-07-04 2016-01-07 Jakob Lach Gmbh & Co. Kg Zerspanungswerkzeug, insbesondere Reib-, Fräs- oder Bohrwerkzeug
JP7313963B2 (ja) * 2019-08-08 2023-07-25 新明和工業株式会社 液中ポンプの検査方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5669007A (en) * 1979-11-10 1981-06-10 Mitsubishi Metal Corp Throw away tip
JP2833239B2 (ja) * 1991-03-08 1998-12-09 三菱マテリアル株式会社 スローアウェイチップ
JPH0839387A (ja) * 1994-07-29 1996-02-13 Mitsubishi Materials Corp スローアウェイチップおよびこれを用いたフライスカッタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010094747A (ja) 2010-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010094748A (ja) 切削工具
JP5679042B2 (ja) ガイドパッド、切削工具本体および切削工具
US9168601B2 (en) Multi-flute reamer and cutting insert therefor
US9381582B2 (en) Milling tool with recessed cutting edge
JP2850893B2 (ja) スローアウェイチップ及びスローアウェイ式ドリル
WO2010146839A1 (ja) クーラント穴付きドリル
WO2014069265A1 (ja) クーラント穴付きエンドミル
JP2014087873A (ja) 2枚刃ダブルマージンドリル
JP5287426B2 (ja) 切削工具
JP2006281433A (ja) インサート及び切削工具
KR20110047217A (ko) 사이드 커터
JP5652540B2 (ja) ガイドパッド、切削工具本体および切削工具
JP5309868B2 (ja) 切削工具及びインサート
WO2014157135A1 (ja) ドリル用インサートおよび刃先交換式ドリル
JP2014083667A (ja) 切削インサートおよび刃先交換式切削工具
JP2008023632A (ja) 切削工具及びインサート
JP4456852B2 (ja) スローアウェイ式ドリル
JP2010214545A (ja) エンドミル
JP4661229B2 (ja) ガンドリル用インサート及びインサート式ガンドリル
JP2011206887A (ja) 切削工具のクーラント供給孔構造
JP2019171514A (ja) ドリル
KR20030038531A (ko) 분할가능한 드릴 및 그것의 절삭 인서트
JP2012206216A (ja) ドリルホルダ及び刃先交換式ドリル
EP3736072A1 (en) Milling tool with coolant distributing holes
JP2003117710A (ja) クーラント穴付き穴明け工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5309868

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees