JP5287426B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、工具本体の先端部外周に、切刃を有するインサートが着脱可能に装着された切削工具に関する。
従来、被切削材に平面加工を施す切削工具として、円盤状をなす工具本体に複数のインサートが装着された正面フライス(切削工具)が使用されている(例えば特許文献1〜3参照)。
この種の切削工具は、工具本体の先端側外周に周方向に所定間隔を空けて複数の取付座が形成されており、該取付座のそれぞれに超硬合金等の硬質材料よりなる平板状のインサートが着脱可能に装着されて構成されている。
そして、前記工具本体をその軸線回りに高速回転するとともに軸線と交差する方向に送りを与えられることにより、前記インサートの切刃のうち工具径方向外側に向けられた主切刃によって被切削材に切り込んでいくとともに、前記切刃のうち工具先端側に向けられた副切刃によって被削材の被加工面に平面加工を施していく。
このような切削工具を用いた金属材料(被削材)の切削加工においては、工具の切刃および該切刃による被削材の切削部位の冷却や潤滑、あるいは切刃によって削り取られた切屑の円滑な排出のため、クーラント(切削油剤)を切削部位に供給しながら切削することが一般に行われている。切削油剤の供給手段としては、切削油剤を工作機械の主軸から工具本体の内部を通してインサートのすくい面に向け供給する手法が知られている。
特開平8−276310号公報 特開平8−290318号公報 特開2000−5923号公報
ところで、このような切削工具においては、被削材として比較的硬度の高い難削材料を用い該難削材料に対して切削加工を行う場合に、切削工具を前記送りの方向に高送りすると、インサートに過大な負荷がかかって破損してしまうことがある。そこで、難削材料の切削加工においては、インサートの主切刃の延在する方向と工具本体の軸線に直交する方向とのなす切込み角を小さくして、切刃に掛かる負荷を減少させることによって、高送りさせる手法が考えられる。
しかしながら、その一方で、前記切込み角を小さく設定した場合には、切削油剤を前述のようにインサートのすくい面に向け供給しても、すくい面に交差して連なり工具先端側を向く逃げ面には、切削油剤が充分に供給されにくくなることから、逃げ面が早期に磨耗して、インサートの工具寿命が短縮されてしまうという課題が生じる。
本発明は、このような事状に鑑みてなされたものであって、難削材料を切削加工する場合であっても加工速度を高めることができ、加工効率を向上できるとともに、工具寿命を延長できる切削工具を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、軸線回りに回転される円盤状の工具本体を有し、前記工具本体の先端側外周に切刃を有するインサートが着脱自在に装着されてなる切削工具であって、前記インサートは、工具回転方向の前方側を向くすくい面と、前記すくい面に交差して連なり先端側を向く逃げ面と、前記すくい面及び前記逃げ面の交差稜線部に形成された主切刃を備えた前記切刃と、を有し、前記主切刃の延在する方向と前記軸線に直交する方向とのなす切込み角が、20°以下に設定されているとともに、前記工具本体には、切削油剤を前記逃げ面の径方向内側に供給する供給孔が形成され、前記供給孔が、前記インサートを装着する取付座における径方向外側を向く壁面と工具回転方向の前方側を向く底面との交差する部分に凹状に形成されたぬすみ部に連結されていることを特徴とする。
また本発明は、軸線回りに回転される円盤状の工具本体を有し、前記工具本体の先端側外周に切刃を有するインサートが着脱自在に装着されてなる切削工具であって、前記インサートは、工具回転方向の前方側を向くすくい面と、前記すくい面に交差して連なり先端側を向く逃げ面と、前記すくい面及び前記逃げ面の交差稜線部に形成された主切刃を備えた前記切刃と、を有し、前記主切刃の延在する方向と前記軸線に直交する方向とのなす切込み角が、20°以下に設定されているとともに、前記工具本体には、切削油剤を前記逃げ面の径方向内側に供給する供給孔が形成され、前記供給孔が、前記インサートを装着する取付座の径方向内側に開口していることを特徴とする。
本発明に係る切削工具によれば、主切刃の延在する方向と軸線に直交する方向とのなす切込み角が20°以下に設定されているので、工具本体が軸線に交差する方向に送りを与えられた際に送りの単位長さ当たりの切り込み量が低減されることから、切刃に掛かる負荷が抑制され破損等が防止される。すなわち、従来のように、切込み角が例えば45°程度に設定されるような場合に、送りの単位長さ当たりの切り込み量が大きく、切刃に掛かる負荷が増大して、インサートの工具寿命が短縮されていたのに対比して、工具寿命が延長されるとともに安定して精度の高い切削加工が行える。
また、インサートの逃げ面の径方向内側には、切削油剤の供給孔が形成されていることから、切削油剤が供給孔から供給されると、工具の回転に伴う遠心力によって、切削油剤が径方向外側へ向け拡散し逃げ面に供給され、逃げ面の潤滑及び冷却が精度よく行われるとともに磨耗が抑制されるようになっている。すなわち、従来のように、切削油剤の供給孔が、インサートのすくい面に対向して形成されるのみの構成においては、切込み角を20°以下に設定した場合に、切削油剤がすくい面上を流れる切屑に遮られ逃げ面には到達しないことから、逃げ面が早期に磨耗して、インサートの工具寿命が短縮されていたのに対比して、切削油剤をすくい面及び逃げ面に夫々充分に供給できるので、インサートの磨耗を防止できる。
このような構成により、被削材として難削材料を用い、該難削材料に対し切削加工を行うような場合であっても、切削工具を高送りでき、加工速度を高めることができるとともに、インサートの破損や磨耗が抑制され、工具寿命が延長される。
さらに、切削油剤が、すくい面及び逃げ面の交差稜線部に形成された切刃と、切刃が切削する被削材の切削部位とにも充分に供給されることとなるので、切刃及び切削部位の潤滑及び冷却も精度よく行われて、安定した切削加工が行える。
また、前記供給孔が、前記インサートを装着する取付座における径方向外側を向く壁面と工具回転方向の前方側を向く底面との交差する部分に凹状に形成されたぬすみ部に連結されている。
この構成によれば、切削油剤が供給孔から取付座のぬすみ部に供給されると、工具の回転に伴う遠心力によって、切削油剤がぬすみ部から径方向外側へ向け拡散しインサートの逃げ面に供給されることから、逃げ面の潤滑及び冷却が精度よく行われるとともに磨耗が抑制され、インサートの寿命が延長される。
また、例えば、供給孔とぬすみ部とを互いに同径、同軸の直線状に形成した場合には、供給孔及びぬすみ部を同一工程において形成できることから、工具の製造工程が短縮される。
また、前記供給孔が、前記インサートを装着する取付座の径方向内側に開口している。
この構成によれば、切削工具の回転に伴う遠心力によって、切削油剤が径方向外側へ向け拡散するとともに、逃げ面に充分に供給されるようになっている。従って、インサートの逃げ面の潤滑及び冷却が精度よく行われるとともに磨耗が抑制され、インサートの寿命が延長される。
また、本発明に係る切削工具において、前記主切刃が、前記すくい面に対向する方向から見て凸曲線状をなしていることとしてもよい。
本発明に係る切削工具によれば、主切刃が、すくい面に対向する方向から見て凸曲線状に形成されているので、被削材を切り込んで生じた切屑の断面が略円弧状に形成されるとともに縮まりにくくされていることから、これらの切屑を切刃や切削部位の部分からスムースに排出することができる。よって、従来のように、主切刃がすくい面に対向する方向から見て直線状に形成されていた場合に、切削加工で生じた切屑が縮まりやすく、切刃や切削部位の部分に留まるなどして加工の妨げとなっていたのに対比して、精度の高い切削加工を効率よく行うことができる。
また、本発明に係る切削工具において、前記インサートのすくい面には、該すくい面の外周縁部に配置され前記切刃に連なるランドと、前記ランドより該すくい面の内側かつ工具回転方向の後方側に配置されたブレーカと、前記ランド及び前記ブレーカを繋ぐ段部と、が形成されていることとしてもよい。
本発明に係る切削工具によれば、インサートのすくい面には、ランドとブレーカとの間に段部が形成されているので、切刃で切削され生じた切屑によるすくい面摩耗は、ランドの幅だけに抑えられて、切削長に比例してすくい面摩耗が大きくなるのを防ぐことができ、ブレーカの摩耗が抑制される。このように、ブレーカの摩耗が抑制されるので、切屑の排出性が安定して確保され、インサートの工具寿命が延長する。
本発明に係る切削工具によれば、難削材料を切削加工する場合であっても加工速度を高めることができ、加工効率を向上できるとともに、工具寿命を延長できる。
本発明の第1の実施形態に係る切削工具の概略構成を示す側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削工具の概略構成を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削工具のインサートの概略構成を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削工具のインサートの概略構成を示す側断面図である。 図3の矢視Aを示す部分側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る切削工具の概略構成を示す側断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る切削工具の概略構成を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る切削工具のインサートの変形例を示す概略正面図である。 図8のインサートの概略側断面図である。 図8におけるB−B断面を示す部分側断面図である。 図10におけるC部を拡大して示す部分側断面図である。
図1は本発明の第1の実施形態に係る切削工具の概略構成を示す側断面図、図2は本発明の第1の実施形態に係る切削工具の概略構成を示す正面図、図3は本発明の第1の実施形態に係る切削工具のインサートの概略構成を示す正面図、図4は本発明の第1の実施形態に係る切削工具のインサートの概略構成を示す側断面図、図5は図3の矢視Aを示す部分側面図である。
図1、図2に示すように、第1の実施形態に係る切削工具10の工具本体1は、軸線Oを中心とした略円盤状をなし、この工具本体1の中心部には軸線Oに沿って取付孔2が貫設されている。また、工具本体1の後端面3には、この取付孔2の開口部から径方向外側に向かって延びるキー溝4,4が形成されており、工具本体1は、これらのキー溝4,4を工作機械(不図示)の主軸先端部に設けられたキーに嵌合させた上で、取付孔2に挿通される取付ボルト(不図示)によって該主軸先端部に取り付けられ、軸線O回りに工具回転方向Tに回転させられて、切削加工に供される。尚、この工作機械の主軸先端部には、上述のようにして工具本体1を取り付けた状態において、工具本体1の取付孔2の内部に切削油剤を供給可能な供給孔が開口させられている。
また、工具本体1の先端側外周には、工具本体1が切り欠かれて先端側及び径方向外側に向けて開口するチップポケット5が周方向に間隔を開け複数形成されている。また、チップポケット5における径方向の最深部分の壁面には、取付孔2に連通する第1供給孔6が形成されている。第1供給孔6は、後述するインサート8のすくい面8aに向け開口している。
また、これらのチップポケット5における工具回転方向Tの後方側には、略方形平板状のインサート8を装着するための取付座7が形成されている。取付座7において、径方向外側を向く壁面7aは、第1供給孔6のチップポケット5に開口する部分よりも径方向外側に形成されており、図1に示すように、軸線Oの後端側から先端側へ向かうに従い漸次径方向外側へ向かうように傾斜して形成されている。
また、取付座7には、壁面7aに交差して連なるとともに工具回転方向Tの前方側を向く底面7bが形成されている。また、底面7bには、図示しないネジ穴が穿設されており、インサート8の後述する貫通孔8cにクランプネジ9を挿入するとともに底面7bの前記ネジ穴にねじ込むことで、インサート8が取付座7に装着される。また、クランプネジ9を取り外すことでインサート8は取付座7から取り外せるようにされており、従って、インサート8は工具本体1に着脱自在とされている。
また、取付座7における壁面7aと底面7bとの交差する部分には、該部分に沿って凹状に形成されたぬすみ部15が設けられている。ぬすみ部15は、軸線Oの後端側から先端側へ向かうに連れ漸次径方向内側から外側へ向かうように延在しており、その先端側の端部が、工具本体1の先端面に開口するとともに取付座7に装着したインサート8における逃げ面8bの径方向内側に配されている。また、ぬすみ部15における後端側の端部は、取付孔2に連通する第2供給孔(供給孔)11に連結されている。また、第2供給孔11とぬすみ部15とは、互いに同径、同軸の直線状に形成されている。
また、図3乃至図5に示すように、インサート8は、超硬合金等の硬質材料からなり、略正方形平板状に形成されている。また、インサート8において、その厚さ方向を向く一面がすくい面8aとされている。すくい面8aは略方形状をなし、図2において、インサート8を工具本体1に装着した状態で、工具回転方向Tの前方側を向くように配置される。
また、図4に示すように、インサート8において、すくい面8aに対し鋭角に交差して連なるとともに、該すくい面8aの周囲に形成された略矩形状の側面が、逃げ面8bとされている。図1に示すように、逃げ面8bは、インサート8を工具本体1に装着した状態で、工具本体1の先端側を向くように配置される。また、すくい面8aの中央部分には、このインサート8を厚さ方向に貫通する貫通孔8cが形成されている。貫通孔8cには、前述したようにクランプネジ9が挿入される。また、図4に示すように、貫通孔8cの内周面は、すくい面8aから厚さ方向の反対側の着座面8dに向かうに従い漸次滑らかに縮径する断面凸曲面状に形成されている。
また、インサート8のすくい面8a及び逃げ面8bの交差稜線部には、切刃12が形成されている。切刃12は、図3、図4に示すように、正面視及び側面視において例えば当該切削工具10の外径よりも大きな曲率半径の凸曲線状をなす主切刃12aと、すくい面8aのコーナー部分に形成されるとともに、主切刃12aに対し鈍角を形成するように連なる略直線状の副切刃12bとからなる。
図1に示すように、インサート8を工具本体1に装着した状態において、副切刃12bの延在する方向は軸線Oに直交する方向と同一に設定されており、主切刃12aの延在する方向は、軸線Oに直交する方向に対し角度(切込み角)Dをなすように設定されている。詳しくは、インサート8を工具本体1に装着した状態で、主切刃12aの延在する方向は、径方向内側から外側へ向かうに従い漸次工具本体1の先端側から後端側へ後退するように傾斜しており、切込み角Dが20°以下の範囲に設定されている。尚、本実施形態では、切込み角Dを10°に設定している。
また、図3に示すように、インサート8のすくい面8aにおける縁部には、切刃12に連なるようにして略一定幅のランド13がすくい面8aの全周に亘り形成されている。図4に示すように、ランド13は、切刃12からすくい面8aの内側に向かうに連れ漸次厚さ方向の着座面8d側に向かって傾斜するように形成された所謂ポジランドとされている。また、すくい面8aにおけるランド13の内側には、ランド13に連なり、ランド13の前記傾斜よりも大きく傾斜するように着座面8d側に窪む凹状のブレーカ14が形成されている。
以上説明したように、本実施形態の切削工具10によれば、インサート8の主切刃12aの延在する方向と軸線Oに直交する方向とのなす切込み角Dが20°以下に設定されているので、工具本体1が軸線Oに交差する方向に送りを与えられた際に送りの単位長さ当たりの切り込み量が低減されることから、切刃12に掛かる負荷が抑制され破損等が防止される。すなわち、従来のように、切込み角Dが例えば45°程度に設定されるような場合に、送りの単位長さ当たりの切り込み量が大きく、切刃12に掛かる負荷が増大して、インサート8の工具寿命が短縮されていたのに対比して、工具寿命が延長されるとともに安定して精度の高い切削加工が行える。
また、工作機械の主軸先端部から取付孔2の内部に切削油剤が供給されると、切削油剤は、第1供給孔6からインサート8のすくい面8aに向け供給されるとともに、第2供給孔11から取付座7のぬすみ部15に供給される。ここで、ぬすみ部15の先端側の端部は、工具本体1の先端面に開口するとともにインサート8の逃げ面8bの径方向内側に配されていることから、切削工具10の回転に伴う遠心力によって、切削油剤が径方向外側へ向け拡散して逃げ面8bに充分に供給され、逃げ面8bの潤滑及び冷却が精度よく行われるとともに磨耗が抑制されるようになっている。
すなわち、従来のように、切削油剤の供給孔が、インサート8のすくい面8aに対向して形成されるのみの構成においては、切込み角Dを20°以下に設定した場合に、切削油剤がすくい面8a上を流れる切屑に遮られ逃げ面8bには到達しないことから、逃げ面8bが早期に磨耗して、インサート8の工具寿命が短縮されていたのに対比して、切削油剤をすくい面8a及び逃げ面8bに夫々充分に供給できるので、インサート8の磨耗を防止できる。
このような構成により、被削材として難削材料を用い、該難削材料に対し切削加工を行うような場合であっても、切削工具10を高送りでき、加工速度を高めることができるとともに、インサート8の破損や磨耗が抑制され、工具寿命が延長される。
さらに、切削油剤が、すくい面8a及び逃げ面8bの交差稜線部に形成された切刃12と、切刃12が切削する被削材の切削部位とにも充分に供給されることとなるので、切刃12及び切削部位の潤滑及び冷却も精度よく行われて、安定した切削加工が行える。
また、第2供給孔11とぬすみ部15とを互いに同径、同軸の直線状に形成していることから、第2供給孔11及びぬすみ部15を同一工程において穿設でき、工具の製造工程が短縮される。
また、インサート8の主切刃12aが、すくい面8aに対向する方向から見て凸曲線状に形成されているため、被削材を切り込んで生じた切屑の断面が略円弧状に形成されるとともに縮まりにくくされていることから、これらの切屑を切刃12や切削部位の部分からスムースに排出することができる。よって、従来のように、主切刃12aがすくい面8aに対向する方向から見て直線状に形成されていた場合に、切削加工で生じた切屑が縮まりやすく、切刃12や切削部位の部分に留まるなどして加工の妨げとなっていたのに対比して、精度の高い切削加工を効率よく行うことができる。
また、インサート8のすくい面8aにおける縁部の全周には、ポジランドからなるランド13及びこのランド13のすくい面8a内側に連なるブレーカ14が形成されているので、切刃12の強度を充分に確保しつつ切削抵抗の一層の低減を図ることができるとともに、切屑をブレーカ14に案内して衝突させることにより、確実な切屑処理が行える。
次に、本発明の第2の実施形態に係る切削工具20について説明する。
図6は本発明の第2の実施形態に係る切削工具の概略構成を示す側断面図、図7は本発明の第2の実施形態に係る切削工具の概略構成を示す正面図である。
尚、前述の第1の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6、図7に示すように、第2の実施形態に係る切削工具20は、工具本体1の先端面における取付座7の径方向内側に、取付孔2に連通するとともに軸線Oに沿って延びる第2供給孔21が開口している。詳しくは、第2供給孔21の工具本体1の先端面に開口する部分は、取付座7に装着されたインサート8の逃げ面8bの径方向内側に配置されており、第2供給孔21の前記開口する部分と逃げ面8bとが互いの周方向の位置を対応させて配置されている。
以上説明したように、本実施形態の切削工具20によれば、工作機械の主軸先端部から取付孔2の内部に切削油剤が供給されると、切削油剤は、第1供給孔6からインサート8のすくい面8aに向け供給されるとともに、第2供給孔21から工具本体1の先端面に放出される。ここで、第2供給孔21は、インサート8の逃げ面8bの径方向内側に対応して配置されていることから、切削工具20の回転に伴う遠心力によって、切削油剤が径方向外側へ向け拡散するとともに、逃げ面8bに充分に供給されるようになっている。従って、インサート8の逃げ面8bの潤滑及び冷却が精度よく行われるとともに磨耗が抑制され、インサート8の寿命が延長される。
尚、本発明は前述の第1、第2の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、第1、第2の実施形態では、インサート8の主切刃12aの延在する方向と軸線Oに直交する方向とのなす切込み角Dを10°として説明したが、切込み角Dは20°以下に設定されていればよく、本実施形態に限定されるものではない。詳しくは、工具本体1が軸線Oに交差する方向に送りを与えられた際に、送りの単位長さ当たりの切り込み量を増大するように調整したい場合は切込み角Dを10°より大きい値に設定し、逆に切り込み量を減少するように調整したい場合は切込み角Dを10°より小さい値に設定すればよい。
また、第2の実施形態では、第2供給孔21の工具先端面に開口する部分は、取付座7に装着されたインサート8の逃げ面8bの径方向内側に対応して配置されていることとして説明したが、第2供給孔21は逃げ面8bの径方向内側に配置されていればよく、本実施形態に限定されるものではない。すなわち、第2供給孔21の開口する部分と逃げ面8bとは、互いの周方向の位置を対応させて配置されていなくともよく、例えば、第2供給孔21の周方向の位置を、逃げ面8bの周方向の位置に対し工具回転方向Tの前方側に僅かにずらして配置しても構わない。
また、第2供給孔21の工具先端面に開口する部分の孔数は、本実施形態に限定されるものではなく、例えば一つの逃げ面8bに対して複数形成されていても構わない。
また、インサート8は、前述の実施形態において説明した形状に限定されるものではない。図8乃至図11に示すインサート18は、インサート8の変形例であり、該インサート8の代わりに、工具本体1の取付座7に装着し用いられる。尚、以下の説明においては、前述したインサート8と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8、図9に示すように、このインサート18は、略正方形板状をなし、すくい面8a及び逃げ面8bの交差稜線部に切刃12を有している。詳しくは、図8の正面視において、切刃12は、すくい面8aの外側へ向けて膨出するように凸曲線状をなす主切刃12aと、すくい面8aのコーナー部分に配されてこの主切刃12aに連なり直線状をなす副切刃12bと、からなる。また、図9の側面視においても、主切刃12aは、インサート18の厚さ方向(図9における上下方向)のすくい面8a側に向けて膨出するように凸曲線状に形成されている。
詳しくは、図9の側面視における主切刃12aの曲率半径R1は、35mm≦R1≦55mmの範囲内に設定される。また、図8の正面視における主切刃12aの曲率半径R2は、210mm≦R2≦330mmの範囲内に設定される。尚、図示の例においては、前記曲率半径R1が45mmに設定され、前記曲率半径R2が230mm程度に設定されている。また、前記曲率半径R1が35mmに設定される場合は前記曲率半径R2が210mm程度に設定され、前記曲率半径R1が55mmに設定される場合は前記曲率半径R2が330mm程度に設定される。
また、インサート18のすくい面8aには、該すくい面8aの外周縁部に配置され切刃12に連なるランド23と、このランド23よりすくい面8aの内側かつ前記厚さ方向の着座面8d側に配置されたブレーカ24と、ランド23及びブレーカ24を繋ぐ段部25と、が形成されている。尚、このインサート18を工具本体1に装着した状態においては、前記厚さ方向の着座面8d側は、工具回転方向Tの後方側に設定される。
詳しくは、図10、図11に示すように、ランド23は、切刃12からすくい面8aの内側へ向けて着座面8dと平行に延びるように形成されて、所謂フラットランドとされている。また、ブレーカ24は、すくい面8aの外側(切刃12側)から内側(貫通孔8c側)へ向かうに連れ漸次着座面8d側へ向け延びるように傾斜して形成されている。
また、段部25は、ランド23の内側縁部とブレーカ24の外側縁部とを繋ぐとともに、すくい面8aの外側から内側へ向かうに連れブレーカ24よりも急勾配の傾斜で漸次着座面8d側へ向け延びるように傾斜して形成されている。図示の例では、ランド23から前記内側へ延びる仮想線と段部25とがなす傾斜角Fは、20°程度に設定されている。また、ランド23の前記仮想線とブレーカ24とがなす傾斜角Eは、10°程度に設定されている。尚、これらランド23及び段部25の幅は、主切刃12aに沿う部分では略一定幅とされるとともに、副切刃12bに沿う部分ではこれよりも大きくされている。
このようなインサート18を切削工具10,20に用いた場合、インサート18の主切刃12aが、すくい面8aに対向する方向から見て凸曲線状に形成されているため、被削材を切り込んで生じた切屑の断面が略円弧状に形成されるとともに該切屑がその流出方向に沿って縮まりにくくされていることから、これらの切屑を切刃12や切削部位の部分からスムースに排出することができる。また、主切刃12aの曲率半径が前述の範囲内に設定されているので、このような効果をより確実に奏することができる。
また、インサート18のすくい面8aには、ランド23とブレーカ24との間に段部25が形成されているので、切刃12で切削され生じた切屑によるすくい面摩耗は、ランド23の幅だけに抑えられて、切削長に比例してすくい面摩耗が大きくなるのを防ぐことができ、ブレーカ24の摩耗が抑制される。このように、ブレーカ24の摩耗が抑制されるので、切屑の排出性が安定して確保され、インサート18の工具寿命が延長する。
1 工具本体
7 取付座
7a 壁面
7b 底面
8,18 インサート
8a すくい面
8b 逃げ面
10,20 切削工具
11,21 第2供給孔(供給孔)
12 切刃
12a 主切刃
15 ぬすみ部
23 ランド
24 ブレーカ
25 段部
D 主切刃の延在する方向と軸線に直交する方向とのなす切込み角
O 軸線
T 工具回転方向

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転される円盤状の工具本体を有し、前記工具本体の先端側外周に切刃を有するインサートが着脱自在に装着されてなる切削工具であって、
    前記インサートは、工具回転方向の前方側を向くすくい面と、前記すくい面に交差して連なり先端側を向く逃げ面と、前記すくい面及び前記逃げ面の交差稜線部に形成された主切刃を備えた前記切刃と、を有し、
    前記主切刃の延在する方向と前記軸線に直交する方向とのなす切込み角が、20°以下に設定されているとともに、前記工具本体には、切削油剤を前記逃げ面の径方向内側に供給する供給孔が形成され
    前記供給孔が、前記インサートを装着する取付座における径方向外側を向く壁面と工具回転方向の前方側を向く底面との交差する部分に凹状に形成されたぬすみ部に連結されていることを特徴とする切削工具。
  2. 軸線回りに回転される円盤状の工具本体を有し、前記工具本体の先端側外周に切刃を有するインサートが着脱自在に装着されてなる切削工具であって、
    前記インサートは、工具回転方向の前方側を向くすくい面と、前記すくい面に交差して連なり先端側を向く逃げ面と、前記すくい面及び前記逃げ面の交差稜線部に形成された主切刃を備えた前記切刃と、を有し、
    前記主切刃の延在する方向と前記軸線に直交する方向とのなす切込み角が、20°以下に設定されているとともに、前記工具本体には、切削油剤を前記逃げ面の径方向内側に供給する供給孔が形成され、
    前記供給孔が、前記インサートを装着する取付座の径方向内側に開口していることを特徴とする切削工具。
  3. 請求項1又は2に記載の切削工具であって、
    前記主切刃が、前記すくい面に対向する方向から見て凸曲線状をなしていることを特徴とする切削工具。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の切削工具であって、
    前記インサートのすくい面には、該すくい面の外周縁部に配置され前記切刃に連なるランドと、前記ランドより該すくい面の内側かつ工具回転方向の後方側に配置されたブレーカと、前記ランド及び前記ブレーカを繋ぐ段部と、が形成されていることを特徴とする切削工具。
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