JP4449280B2 - ボールエンドミル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークを切削するために用いられるボールエンドミルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、切削加工においては、ソリッドタイプのボールエンドミルがよく用いられており、その一例として実用新案登録第2588580号公報に開示されているようなものがある。
このようなボールエンドミルは、図5の概略説明図で示すように、軸線O回りに回転される工具本体1の先端部1Aが略半球状を呈しており、この先端部1Aに形成されたギャッシュ2における工具回転方向T前方側を向く壁面がすくい面2Aとされるとともに、すくい面2Aの外周側稜線部に、上記の軸線O回りの回転軌跡が略半球状をなす略1/4円弧状の切刃(円弧刃3)が形成されているものである。
【0003】
そして、円弧刃3のすくい面2Aに対向するように工具本体1の先端部1Aを見たとき、図5に示すように、すくい面2Aの内縁4(ギャッシュ2において、工具回転方向T前方側を向く壁面であるすくい面2Aと、すくい面2Aから工具回転方向T前方側へ屹立する壁面との境界線)が、円弧刃3がなす略円弧の半径Rに対して1.05R〜1.3Rの曲率半径の一つの曲線として形成されており、このすくい面2Aの内縁4の先端が、工具本体1の最先端1B周辺で円弧刃3の先端と交差するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、すくい面2Aの内縁4が1.05R〜1.3Rの曲率半径の一つの曲線として形成されていると、とくに、工具本体1の最先端1Bに近い部分において、円弧刃3とすくい面2Aの内縁4との間の幅が狭くなりすぎてしまう、つまり、ギャッシュ2の溝深さを十分に確保することができなくなってしまうので、切屑排出性が悪化し、これにより、切屑詰まりが生じて、ワークの加工面の精度を低下させてしまうことになる。
【0005】
これに対し、切屑排出性を良好に保つために、すくい面2Aの内縁4が、図6に示すように、この内縁4の先端と後端とを結ぶ直線として形成されているものもある。
このような場合には、工具本体1の最先端1Bに近い部分においても、円弧刃3とすくい面2Aの内縁4との間の幅を十分に確保して、切屑排出性を良好に維持することができるものの、この最先端1Bから後端側へ離れた部分では、円弧刃3とすくい面2Aの内縁4との間の幅が広くなりすぎてしまう、つまり、ギャッシュ2の溝深さが深くなりすぎてしまうので、切刃強度の低下を生じるという問題がある。
【0006】
また、このように内縁4を直線として形成するのではなく、上記の1.05〜1.3Rの曲率半径の曲線よりも、曲率半径の大きい緩やかな一つの曲線として形成することも考えられるが、このように形成したとしても、内縁4が直線の場合と同様に、工具本体1の最先端1Bから後端側へ離れた部分においては、円弧刃3とすくい面2Aの内縁4との間の幅が広くなりすぎるのを十分に緩和することはできず、切刃強度の低下の問題を完全に解消することはできない。
とくに、工具本体1が小径とされている場合には、もともと工具本体の剛性を確保しづらくなっていることから、ギャッシュ2の溝深さが深くなるのにともなう切刃強度の低下が顕著になってしまう。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、切屑排出性を良好に維持できるとともに、切刃強度の低下を生じさせることのないボールエンドミルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転される工具本体の先端部に、前記軸線回りの回転軌跡が略半球状をなす略円弧状の切刃が形成されたボールエンドミルにおいて、前記略円弧状の切刃のすくい面の内縁が、少なくとも二つの曲線が互いに滑らかに接続されることによって構成されていて、この内縁を構成する複数の曲線について、該内縁の先端側に近づくにしたがって、順次曲率半径が大きくなるように形成されている、あるいは、少なくとも一つの直線と少なくとも一つの曲線とが互いに滑らかに接続されることによって構成されていて、この内縁の先端側の部分が直線で構成されているとともに、その後端側の部分が曲線で構成されていることを特徴とするものであり、さらには、前記略円弧状の切刃のすくい面に対向して見たときに、このすくい面の内縁が、該内縁の先端及び後端を通過するとともに前記略円弧状の切刃がなす略円弧の半径Rに対して1.3Rの曲率半径の曲線よりも内側に位置し、かつ、該内縁の先端及び後端を通過する直線よりも外側に位置していることを特徴とするものである。
本発明では、すくい面の内縁が、従来のような一つの曲線あるいは一つの直線で構成されるのではなく、少なくとも二つの曲線から構成されて、この内縁を構成する複数の曲線について、該内縁の先端側に近づくにしたがって、順次曲率半径が大きくなるように形成される、あるいは、少なくとも一つの直線と少なくとも一つの曲線とから構成されて、この内縁の先端側の部分が直線で構成されているとともに、その後端側の部分が曲線で構成されていることによって、このすくい面の内縁を、工具本体の最先端に近い部分では上記の内縁の先端及び後端を通過する直線寄りに位置させ、かつ、工具本体の最先端から離れた部分では上記の曲率半径1.3Rの曲線寄りに位置させるように、微妙な曲がりの変化を与えることができる。
それゆえ、工具本体の最先端に近い部分では、略円弧状の切刃とすくい面の内縁との幅を十分に大きく、ギャッシュの溝深さを十分に大きく確保して、切屑排出性を良好に維持しながらも、工具本体の最先端から離れた部分では、略円弧状の切刃とすくい面との幅を必要以上に大きくせずに、ギャッシュの溝深さを必要以上に深くしてしまうことがなくなり、切刃強度の低下を生じさせることがない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1及び図2を参照しながら説明する。
本実施形態によるボールエンドミルは、図1に示すように、例えば超硬合金等の硬質材料から構成されて、軸線O回りに回転される略円柱状の工具本体10を有しており、この工具本体10の先端部10Aが、軸線O上の一点OAを中心として、軸線O方向の先端側に凸となるように膨らむ略半球状を呈している。
【0010】
工具本体10の先端部10Aを除く外周には、周方向で等間隔に、例えば二つの切屑排出溝11,11が工具本体10の外周面に開口するように形成されており、これら切屑排出溝11,11の工具回転方向T前方側を向く壁面がすくい面11A,11Aとされている。
そして、すくい面11Aの外周側稜線部、すなわち、すくい面11Aと、このすくい面11Aに交差して工具本体外周側を向く逃げ面12との交差稜線部にそれぞれ外周刃13が形成されていて、いわゆる二枚刃となっている。
【0011】
また、二つの切屑排出溝11,11は、工具本体10の先端側から後端側に向かうにしたがい工具回転方向T後方側に向けて軸線Oを中心として螺旋状にねじれるように形成されており、これにともなって二枚の外周刃13,13も同様に螺旋状にねじれて形成されている。
【0012】
略半球状を呈する工具本体10の先端部10Aには、周方向で等間隔に、例えば2つのギャッシュ14,14が、先端部10Aの外周面に開口して先端部10Aを複数に分割するように形成されており、これらギャッシュ14,14の工具回転方向T前方側を向く壁面が先端すくい面14A,14Aとされている。
そして、先端すくい面14Aの外周側稜線部、すなわち、先端すくい面14Aと、この先端すくい面14Aに交差して工具本体外周側及び軸線O方向の先端側を向く先端逃げ面15との交差稜線部にそれぞれ、軸線O回りの回転軌跡が略半球状を呈するような略1/4円弧状の円弧刃16,16が形成されている。なお、円弧刃16,16は、軸線O方向の先端側から見て、工具回転方向T前方側に凸となるような緩やかな凸曲線状を呈している。
【0013】
また、二つの円弧刃16,16は、二つの外周刃13,13のそれぞれに連続して、円弧刃16の後端と外周刃13の先端とがそれぞれ滑らかに連続するように形成されているとともに、ギャッシュ14,14も切屑排出溝11,11のそれぞれに連続して、ギャッシュ14の後端と切屑排出溝11の先端とがそれぞれ連通するように形成されている。
【0014】
ここで、円弧刃16のすくい面(先端すくい面14A)に対向するように工具本体10の先端部10Aを見たときには、図2に示すように、先端すくい面14Aの内縁17(ギャッシュ14において、工具回転方向T前方側を向く壁面である先端すくい面14Aと、先端すくい面14Aから工具回転方向T前方側に屹立する壁面14Bとの境界線)が、少なくとも二つの曲線が互いに滑らかに接続されることによって構成されており、本実施形態においては、異なる曲率半径の二つの曲線が互いに滑らかに接続されることによって構成されている。
【0015】
この先端すくい面14Aの内縁17の先端17Aは、工具本体10の最先端10B周辺に位置しているとともに、円弧刃16と交差するように形成されており、本実施形態においては、例えば、内縁17の先端17Aが、工具本体10の最先端10Bに位置して、円弧刃16の先端と交差するように形成されている。
なお、円弧刃16については、その先端側部分が軸線Oを越えて反対側にまで延びていたり、軸線Oを越えずに手前で切れ上がるように形成されていてもよいが、このような場合には、内縁17も、軸線Oを越えて反対側にまで延びていたり、軸線Oを越えずに手前で切れ上がるように形成されるので、内縁17と円弧刃16とが交差する点が内縁17の先端17Aとなる。
【0016】
一方、先端すくい面14Aの内縁17の後端17Bは、軸線O上の一点OA(工具本体10の先端部10Aがなす略半球の中心)でこの軸線Oに直交する平面付近に位置しているとともに、外周刃13のすくい面11Aの内縁の先端に連続するように形成されており、本実施形態においては、例えば、内縁17の後端17Bが、一点OAで軸線Oに直交する平面上に位置するように形成されている(内縁17において、一点OAで軸線Oに直交する平面に交差する交点を後端17Bとしている)。
【0017】
また、先端すくい面14Aの内縁17は、内縁17の先端17A及び後端17Bを通過するとともに円弧刃16がなす略円弧の半径R(工具本体10の半径、工具本体10の先端部10Aがなす略半球の半径)に対して1.3Rの曲率半径の曲線Xよりも軸線Oに近い内側に位置し、かつ、内縁17の先端17A及び後端17Bを通過する直線Yよりも軸線Oから離れた外側に位置している。
【0018】
さらに、先端すくい面14Aの内縁17は、その先端17A側の部分が、円弧刃16と同一方向に凸となる曲率半径aの曲線18で構成されているとともに、その後端17B側の部分が、円弧刃16と同一方向に凸となる曲率半径bの曲線19で構成されていて、これら2つの曲線18,19同士が滑らかに接続されることによって、内縁17が全体的に円弧刃16と同一方向に凸となっている。
【0019】
そして、これら2つの曲線18,19の曲率半径a,bについては、a>bの関係が成り立っている、すなわち、内縁17を構成する複数の曲線(18,19)について、内縁17の先端17A側に近づくにしたがって、順次曲率半径が大きくなるように形成されている。
なお、本実施形態においては、内縁17の先端17A側の部分を構成する曲線18の曲率半径aが2Rとされ、かつ、内縁17の後端17B側の部分を構成する曲線19の曲率半径bが0.8Rとされている。
【0020】
このような二つの曲線18,19によって先端すくい面14Aの内縁17が構成されていることから、工具本体10の最先端10Bに近い部分、すなわち、内縁17の先端17A側の部分を構成する曲線18は、上記の直線Y寄りに位置させられ、かつ、工具本体10の最先端10Bから離れた部分、すなわち、内縁17の後端17B側の部分を構成する曲線19は、上記の曲線X寄りに位置させられている。
【0021】
換言すれば、全体的に凸となっている上記の曲線Xは、その曲線Xの中央部分が最も凸となった状態であるのに対して、同じく全体的に凸となっている先端すくい面14Aの内縁17は、その内縁17の中央部分よりも後端17B側寄りの部分が最も凸となった状態であり、この最も凸となる部位が後端17B側寄りに偏っているのである。
【0022】
このような構成とされた本実施形態のボールエンドミルによれば、工具本体10の最先端10Bに近い部分においては、この先端すくい面14Aの内縁17が、上記の直線Y寄りに位置していて、曲線Xと比較したときに、円弧刃16と先端すくい面14Aの内縁17との間の幅を大きく、ギャッシュ14の溝深さを大きく確保できるので、切屑排出性を良好に維持して、切屑詰まりを生じさせることなく、ワークの加工面の精度を高く保つことが可能となる。
【0023】
さらに、工具本体10の最先端10Bから離れた部分においては、この先端すくい面14Aの内縁17が、上記の曲率半径1.3Rの曲線X寄りに位置していて、曲線Yと比較したときに、円弧刃16と先端すくい面14Aの内縁17との間の幅が大きくなることがなく、ギャッシュ14の溝深さを必要以上に深くすることがないので、これにともなう切刃強度の低下を生じさせてしまうことがない。
【0024】
すなわち、本実施形態では、先端すくい面14Aの内縁17Aを、従来のような一つの曲線あるいは一つの直線で構成したのではなく、少なくとも2つの曲線から構成したことから、上記のような微妙な曲がりの変化を有する先端すくい面14Aの内縁17を形成することが可能となったのであり、これにより、切刃強度の低下防止と、切屑排出性の確保とを両立することができているのである。
【0025】
なお、本実施形態においては、先端すくい面14Aの内縁17を、少なくとも二つの曲線が互いに滑らかに接続されることによって構成するようにしたが、これに限定されることなく、先端すくい面14Aの内縁17を、少なくとも一つの曲線と少なくとも一つの直線とが互いに滑らかに接続されることによって構成するようにしてもよく、このような場合を、第一変形例として図3を用いて説明する(上記の実施形態と同様の部分には同一の符号を用いてその説明を省略する)。
【0026】
この第一変形例では、先端すくい面14Aに対向するように工具本体10の先端部10Aを見たとき、図3に示すように、先端すくい面14Aの内縁17が、一つの直線と一つの曲線とが互いに滑らかに接続されることによって構成されている。
【0027】
先端すくい面14Aの内縁17は、その先端17A側の部分が、軸線Oに直交する方向に対して例えば40゜の傾斜角をもつ直線20で構成されているとともに、その後端17B側の部分が、円弧刃16と同一方向に凸となる曲率半径c(例えば曲率半径c=0.8R)の曲線21で構成されていて、これら直線20,曲線21同士が滑らかに接続されることによって、内縁17が全体的に円弧刃16と同一方向に凸となっている。
【0028】
このような第一変形例においても、全体的に凸となっている先端すくい面14Aの内縁17は、その内縁17の中央部分よりも後端17B側寄りの部分が最も凸となった状態とされて、この最も凸となる部位が後端17B側寄りに偏っており、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0029】
また、上記の実施形態や第一変形例で具体的に説明したように、先端すくい面14Aの内縁17が、二つの線が互いに滑らかに接続されることによって構成されるのではなく、例えば三つ以上の線が互いに滑らかに接続されることによって構成されていてもよく、このような場合を、第二変形例として図4を用いて説明する(上記の実施形態と同様の部分には同一の符号を用いてその説明を省略する)。
【0030】
この第二変形例では、先端すくい面14Aに対向するように工具本体10の先端部10Aを見たとき、図4に示すように、先端すくい面14Aの内縁17が、二つの直線と一つの曲線とが互いに滑らかに接続されることによって構成されている。
【0031】
先端すくい面14Aの内縁17は、その先端17A側の部分が、軸線Oに直交する方向に対して例えば45゜の傾斜角をもつ直線22で構成され、その中間部分が、円弧刃16と同一方向に凸となる曲率半径d(例えば曲率半径d=0.8R)の曲線23で構成され、さらに、その後端17B側の部分が、軸線Oに直交する方向に対して例えば70゜の傾斜角をもつ直線24で構成されていて、これら直線22,曲線23,直線24同士が滑らかに接続されることによって、内縁17が全体的に円弧刃16と同一方向に凸となっている。
【0032】
このとき、先端すくい面14Aの内縁17を構成する二つの直線22,24における軸線Oに直交する方向に対する傾斜角は、直線22の軸線Oに直交する方向に対する傾斜角の方が、直線24の軸線Oに直交する方向に対する傾斜角よりも小さくなっている、すなわち、内縁17を構成する複数の直線(22,24)のうち、内縁17の先端17A側に近づくにしたがって、軸線Oに直交する方向に対する傾斜角が小さくなるように形成されている。
【0033】
このような第二変形例においても、全体的に凸となっている先端すくい面14Aの内縁17は、その内縁17の中央部分よりも後端17B側寄りの部分が最も凸となった状態とされて、この最も凸となる部位が後端17B側寄りに偏っており、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】
ここで、上記の第二変形例において、先端すくい面14の内縁17の先端17A側の部分を構成する直線22を曲線に代えても構わない。この場合には、内縁17を構成する複数の曲線について、内縁17の先端17A側に近づくにしたがって、順次曲率半径が大きくなるように形成されているのがよい。
さらに、先端すくい面14Aの内縁17を構成する三つ以上の線については、直線同士が隣接して互いに接続されることがなければ、その三つ以上の線の配置を問うことはない。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、すくい面の内縁が、従来のような一つの曲線あるいは一つの直線で構成されるのではなく、少なくとも二つの曲線から構成されて、この内縁を構成する複数の曲線について、該内縁の先端側に近づくにしたがって、順次曲率半径が大きくなるように形成される、あるいは、少なくとも一つの直線と少なくとも一つの曲線とから構成されて、この内縁の先端側の部分が直線で構成されているとともに、その後端側の部分が曲線で構成されていることによって、このすくい面の内縁を、工具本体の最先端に近い部分では、略円弧状の切刃とすくい面の内縁との幅を大きく確保しつつ、工具本体の最先端から離れた部分では、略円弧状の切刃とすくい面の内縁との幅を必要以上に大きくすることがないように形成することができる。
それゆえ、工具本体の最先端に近い部分では、ギャッシュの溝深さを十分に大きく確保して、切屑排出性を良好に維持しながらも、工具本体の最先端から離れた部分では、ギャッシュの溝深さを必要以上に深くしてしまうことがなくなり、切刃強度の低下を生じさせることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態によるボールエンドミルの側面図である。
【図2】 本発明の実施形態によるボールエンドミルの先端部を示す概略説明図である。
【図3】 本発明の実施形態によるボールエンドミルの先端部の第一変形例を示す概略説明図である。
【図4】 本発明の実施形態によるボールエンドミルの先端部の第二変形例を示す概略説明図である。
【図5】 従来のボールエンドミルの先端部を示す概略説明図である。
【図6】 従来のボールエンドミルの先端部を示す概略説明図である。
【符号の説明】
10 工具本体
10A 先端部
10B 最先端
14 ギャッシュ
14A 先端すくい面
16 円弧刃
17 先端すくい面の内縁
17A 内縁の先端
17B 内縁の後端
18,19,21,23 曲線
20,22,24 直線
O 軸線

Claims (3)

  1. 軸線回りに回転される工具本体の先端部に、前記軸線回りの回転軌跡が略半球状をなす略円弧状の切刃が形成されたボールエンドミルにおいて、
    前記略円弧状の切刃のすくい面の内縁が、少なくとも二つの曲線が互いに滑らかに接続されることによって構成されていて、この内縁を構成する複数の曲線について、該内縁の先端側に近づくにしたがって、順次曲率半径が大きくなるように形成されていることを特徴とするボールエンドミル。
  2. 軸線回りに回転される工具本体の先端部に、前記軸線回りの回転軌跡が略半球状をなす略円弧状の切刃が形成されたボールエンドミルにおいて、
    前記略円弧状の切刃のすくい面の内縁が、少なくとも一つの直線と少なくとも一つの曲線とが互いに滑らかに接続されることによって構成されていて、この内縁の先端側の部分が直線で構成されているとともに、その後端側の部分が曲線で構成されていることを特徴とするボールエンドミル。
  3. 請求項1または請求項2に記載のボールエンドミルにおいて、
    前記略円弧状の切刃のすくい面に対向して見たときに、
    このすくい面の内縁が、該内縁の先端及び後端を通過するとともに前記略円弧状の切刃がなす略円弧の半径Rに対して1.3Rの曲率半径の曲線よりも内側に位置し、かつ、該内縁の先端及び後端を通過する直線よりも外側に位置していることを特徴とするボールエンドミル。
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